2009年7月 7日 (火)

道なき道を16馬力の国産車が進む時泥濘で圧すは人力(吹石一恵)

戦後の日本は小鹿の如く奔るのだった。音楽・佐橋俊彦(「ちりとてちん」「鹿男あをによし」など)である。

なかなかにそそるドラマなのだが、とりあえず初回は「ぼくの妹」方式でレビューである。

月9が「山P」である以上、「婚カツ!」のようには扱えないので最後のレビューになる可能性大である。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「コールセンターの恋人」*9.3%(来週は「釣りバカ日誌2」「ハリー・ポッターと賢者の石」「県庁の星」VS「南極アイス」容赦ないな)、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」12.7%(綾波レイ14才の乳首が表現の自由の砦なのか)、「メイド刑事」↘*8.2%(時代劇色強すぎ特撮色強めで頼む)、「MR.BRAIN」↘18.3%(ここで平均20.0%である・・・来週が20%以上かどうかで決まる分りやすさ)、「富士山頂」12.8%(なにもかもがなつかしい・・・)、「スピード」14.5%(なんどめだ)、「ビニールシート」↗*6.4%(だから吹石を現場に出せと・・・最終回か)、「官僚たちの夏」14.5%(「ぼくの妹」から倍増ならず)、「天地人」↘20.1%(そろそろ主役が何かしないとな・・・)・・・以上。

で、『官僚たちの夏・第1回』(TBSテレビ090705PM9~)原作・城山三郎、脚本・橋本裕志、演出・平野俊一を見た。「そうか、もう君はいないのか」(1月)12%、「落日燃ゆ」(3月)11.1%に続いて今年三本目の城山三郎原作ドラマである。なんでだ?・・・まあ、それはともかくとしてキムタクのいない「華麗なる一族」みたいな感じなのであった。時代的には五年ほど遡るのである。より・・・敗戦後の匂いは強い。

昭和30年(1955年)敗戦から10年である。2001年に経済産業省となった通商産業省を舞台にしたほぼ男たちの物語である。紅一点は通産省初の女性キャリアとなった坂本春生をモデルとした山本真(吹石)である。ニックネームは「お人形さん」である。まあ・・・半世紀以上も前の出来事ですからーっ。

その他は道子(床嶋佳子)の夫で貴子(村川絵梨)の父の風越(佐藤浩市)、ニヤニヤの庭野(堺雅人)、ハゲハゲの鮎川(高橋克実)が保護貿易主義、2時間ドラマの帝王(船越英一郎)と特命係長(高橋克典)が自由貿易主義で対立。仲をとりもつ上司(西村雅彦)、後輩(杉本哲太)、そして後の池田総理大臣がモデルの政治家・池内(北大路欣也)である。

・・・男臭すぎるわ。

そして、国内自動車産業育成のモデルとして登場するアケボノ自動車社長(蟹江敬三)で後継者(加藤虎ノ介)である。もう汗まみれな感じです。

とにかく・・・この男たちのおかげをもちまして・・・日本は今あるこういう姿になったということです。

とりあえず・・・何もかも失った状態から日本が北朝鮮にも韓国にもならずに日本になったことはよかった・・・という他はないのですな。

いや・・・もっといい道もあったという人もいるでしょうが・・・はたしてその道が「奇跡の復興」に通じていたかどうかは謎です。

過去を振り返って語るのは簡単ですからねえ。

今や、日本はまたもや、大中国の復活におびえて戦々恐々な日々を過ごしているわけですが、それもまた追われる立場、奪われる立場という「豊かさ」のシンボルでございますから。

とにかく・・・いろいろご不満もございますでしょうが・・・それを成し遂げた男たちの物語・・・もちろん、全員エリートです。もちろん、いくたの名もなき人々の血と汗の結晶をしぼりとった男たちの物語でもあるわけです。ここが賛否両論分かれるところでしょう。

しかし・・・その男たちの栄光は・・・「報われるためにやっているわけではない」・・・つまり、報国なのであり・・・どこか悲壮な哀愁が漂うのでございます。

アケボノ自動車は架空の会社ですが・・・作っている車はスバル360のようなものなので・・・つまり・・・富士重工業(スバル)がモデルです。スバルの前身は中島飛行機。戦争中は一式戦闘機「隼」とか零式艦上戦闘機(ライセンス生産)とか夜間戦闘機「月光」とか艦上攻撃機「天山」とか特殊攻撃機「橘花」(試作)とか、陸上攻撃機「富嶽」(計画)とかを作っていた軍用機メーカー。

その技術の粋を集めて軽自動車を作ったのですから・・・ある程度成功しないと嘘だろうなのでございます。

大日本帝国の敗因は様々に列挙できるのですが、その核心の一つにモータリゼーションの後進国だったというものがあります。

つまり、国民の大多数が車なんて触ったこともない状況で・・・突然、戦闘機のパイロットや戦車のドライバーになれるかっということなのです。

そして・・・その戦闘機の部品は女子中高校生が生産という悲惨。勝てるかっ・・・でございます。

だから・・・臥薪嘗胆としての国産車普及作戦です。「まだ戦争は終ってない」と主人公が語るのはそういう意味です。

今なら、国民の大半がいつでも戦闘機や戦車の運転手に転用できる時代。ついにその時は来たのです。ただし・・・国民の大半は戦意皆無です。通産省の男たちも平和の恐ろしさに対する理解が不十分だったということです。

関連するキッドのブログ『男たちの大和 YAMATO

水曜日に見る予定のテレビ『新・警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日)『赤鼻のセンセイ』(日本テレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

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2009年7月 6日 (月)

宵闇の大阪は二人連れ天地人(妻夫木聡)もっと大きくするがよいのじゃ(深田恭子)

カルピスの元の忍びからビール姫に選手交代なのである。ある意味パーツの担当かっ。

まあ・・・二人とも持ってる武器が同系統だからな。キッドはフニャフニャ系とキンキン系で異種に分類しますが。

さて、時代考証があったようななかったような深キョン茶々姫のためのエビソード作成である。これは創作としてはいいと思います。

ただ少し妄想豆知識を。大国も小国も古くからある名前で、元は地方行政官の官職名です。大国造や小国造は開発した国の規模を示していて、ある程度大きな国土を有すれば大国造が、小規模なら小国造が天皇家から命じられたという話。そして、それを世襲したものなどが大国や小国を姓としたわけです。

しかし、与七が婿に入った小国家は清和源氏源頼光系の源頼行が越後小国の庄で小国を名乗ったわけで地名によるものと思われます。まあ、越後国の土豪としては名家だったということです。ちなみに景勝は中央集権化の一貫として腹心の樋口一族の与七に名跡を継がせ、しかも先祖伝来の名を改姓させたわけでそれは上杉家の高圧的な政治姿勢の表れと見ることができます。そういう意味で小国家の家来衆との軋轢こそあったかもしれませんが・・・婿として苦労することなどはありえません。

また・・・このドラマでは朝廷から下される官位について褒美的色合いを重視したおバカぶりをするわけですが、乱世が収まるにつれ、ないがしろにされていた権威が復活するのは世の常。中央との和解は平和への道程であり義を重んじる兼続はありがたくお受けしたと思われます。歴史音痴の脚本家なので言ってることが支離滅裂なのは一笑にふしてください。

ちなみに最初の上洛(1586年)で景勝は従四位下左近衛権少将に、兼続は従五位下山城守に叙位任官されていて、与七こと大国実頼は聚楽第建造祝いの上洛(1587年)で従五位下但馬守に叙位任官されたのである。景勝主従の再度の上洛(1588年)では景勝は従三位参議に昇叙し、兼続は秀吉から豊臣姓を賜るのである。ドラマではこの辺の史実を無視してとんでも展開をくりひろげているわけなのだな。

まあ・・・景勝主従がとっくに秀吉に飼われた犬となっていることはあくまでシカトなのである。ちなみにすでに京・大阪はすでに首都として機能し始めていて、大国実頼が京都における越後大使館の役割を担うことは自明の理である。そのことが大国の豊臣政権との結びつきを強固にし関ヶ原の戦いの後に徳川家と実質的な手打ちをした上杉家家老の兼続との緊張関係を作ることになるのである。

それにしてもいくら上杉家家老のドラマだとしても家康上洛と新発田制圧の間にある九州征伐をすっとばすって思い切ってます。上杉家の関東管領への野望と密接な関係にある話なんですけどね。

で、『天地人・第27回』(NHK総合090705PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・野田雄介を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回はぞんざいなサルとタヌキが漢字に添えられておちょくりにも風情がございます。あらすじが六行の出血大サービスでございます。兄弟仲良く殴り合うのエピソードがあってもいいのですが公衆の面前ではないだろうと考えます。密かに殴り合う奥ゆかしさがありません。景勝としては処分しなければならなくなり、喧嘩両成敗なら両家ともお家断絶ものですがな・・・。兼続は実はおタクで本の虫。朝鮮の戦では書庫から書籍を強奪してきたほどですからね。秀吉も相当な読書家だったので兼続の異例の出世はおタクの友情関係だったと思われます。これに加えて実頼は秀長に似た社交家だったと考えられます。まあ・・・それはともかく・・・深キョンの茶々・・・かわいすぎる・・・。歴代茶々でも最高級茶々ではないかと思われ・・・(; ̄∀ ̄)ゞ ・・・ともかく関東の要の今後については北条幻庵の秘密もご参照ください。

Tenchijin158701 で、天正15年(1587年)秋である。停滞していたかと思うと猛スピードで通過である。この車輌は「秀吉の九州征伐」「秀吉の命による新発田征伐」には停車しないのでご注意ください・・・なのか。天正14年の暮れから天正15年の春にかけて秀吉の日本統一は九州征伐に向けられる。家康との上杉・徳川との手打ちがなった秀吉は後顧の憂いなく大動員をかけ、初戦では善戦した島津勢を物量作戦で撃退し・・・夏までには島津家の臣従化に成功するのである。こうして新たに封土となった九州で、秀吉はさっそく唐入りの準備段階に入る。一方、京・大阪の都市化はさらに進行し、聚楽第を落成。秋には新発田重家に降伏勧告を発し、重家が下らぬと分ると直ちに上杉景勝に命じて新発田家を滅亡させたのである。与七こと泉太郎は陽忍としての名・大国実頼として・・・越後統一の戦勝と聚楽第落成の祝いの使者として対新発田戦の血まみれの甲冑を脱ぎ・・・上洛したのだった。

京にも大阪にも上杉屋敷が構築されている。京の屋敷を支配するのは兄嫁の姉である直江の姫・お悠だった。ご存知の通り、くのいちである。京の上杉屋敷には樋口家のくのいちも数人出入りしている。何れも子沢山の父・兼豊の種で与七の腹違いの妹だった。

屋敷の奥の間でお悠は与七の挨拶を受ける。中庭からは秋の風がそよいでいる。空には満月がかかっていた。

「戦はいかがであった・・・」

「新発田様は見事なお最後でございました・・・」

「そうか・・・謙信公以来の侍大将も・・・数えるほどになったの・・・」

謙信の愛妾でもあったお悠は往時を忍ぶ目になる。謙信死後・・・内乱の続いた越後はようやくひとつの節目を迎えたのである。

「それにしても時の流れとは面白きもの・・・かっては敵の中の敵の家来であったものが・・・今や・・・主とはの・・・」

「・・・」お悠とともに越後内乱をくぐりぬけてきた与七にはお悠の気持ちが充分に分ったが返す言葉もなかった。泉流忍者の宗家として忍び戦には自信のある与七も陽忍としての務めは未知の領域である。不安があった。

「ふふふ・・・」与七の不安を見抜いたようにお悠は老いを見せ始めた顔に笑いを作る。「案ずるでない。京都のことはこのお悠が・・・大阪のことは汝の兄・樋口与一が万事図るゆえにの・・・ただし・・・京には真田屋敷に初音殿がおられるが・・・真田の立場はちと微妙になったゆえ・・・昔のように気安くは参らぬので用心することじゃ・・・」

与七も真田忍軍の噂は聞いている。初音を中心に新たに組織された真田忍び衆は越後忍び、徳川忍び、関東忍びと敵対しつつ独自の忍び衆をこの京阪の地にも築いているらしい。

「そして大阪には殿下(秀吉)の忍びがあって・・・軒猿衆にはとても手が出せぬ暗部が作られておる。特に最近は不審な動きがあって成り行きを窺っておるところだ。殿下の配下に不審死が続いておる・・・まあ・・・忍び同志の戦いでよもや泉太郎殿(与七)が遅れをとるとは思わんがな・・・」

やがて・・・京都の料理の膳が運ばれ・・・与七は京風の作法についてお悠に教授を受けた。

大阪では忍者同志の暗闘が行われている。標的となっているのは大阪の蒲生屋敷を守る甲賀忍者だった。

大阪城下町の楼閣・翡翠楼の店主・清海は坊主頭をなでながら丼酒を煽っている。そこに音もなく忍び出たのは真田の少年忍者・穴山小助だった。小助は清海を見るとなぜかからかいの言葉をかけたくなるのだった。

「また宵の口からそんなに酔っ払って・・・一応・・・お坊さんでしょう・・・」

清海は破戒坊主らしく濁った目で小助を睨む。「ふん・・・これはな小僧・・・般若湯というものよ・・・どうじゃ・・・小僧・・・今宵はわしがかわいがってやろうぞ・・・お前の尻をちょいと貸してみよ・・・」

「そんなことより・・・初音様に伝言だよ・・・蒲生の件・・・判明したと伝えてよ・・・」

「聞こう・・・」奥の間が開き・・・姿を見せたのは女郎姿の初音だった。小助は平伏して報告を始める。清海は無言で酒を飲んでいる。

小助は配下の真田忍びとともに蒲生屋敷を張っていた。蒲生家から要請があったためである。そして甲賀忍びとともに張った結界にかかったのは殿下の忍びである飛騨の忍びだった。飛騨の黒影である。

さっそく・・・忍び同志のつなぎがあり・・・飛騨忍者の頭領・赤影が事態を把握した。

「恐ろしい使い手でした・・・」

飛騨の黒影は甲賀忍者を襲撃したところを甲賀・真田・飛騨の連携による包囲陣に囲われた。そこから黒影は修羅の如き働きで忍びたちと戦ったのである。

黒影の秘術は影縫いであった。黒影の手裏剣で影を縫われたものは身動きができなくなり、止めを刺されてしまうのである。

しかし、穴山小助は鉄砲忍びの陣でついに黒影をしとめたのである。

「どうやら・・・黒影は何者かに暗示の術をかけられていたらしく・・・最後に正気をとりもどすと・・・金色の目・・・邪眼じゃ・・・と言い残してこときれました・・・」

初音は小さく・・・頷いた。

「影縫いもまた・・・暗示の術と聞く。その使い手に暗示をかけるとはおそろしき使い手だの・・・忍び噂によれば朝日姫の輿入れの際、襲撃したくぐり衆のうち逃げ延びたものがあったそうだ・・・その追っ手の一人が黒影じゃ・・・黒影はそれ以来・・・あやつり人形となっていたのじゃ・・・くぐつの陣内でも出来ぬ業じゃの・・・」

初音はかって戦った風魔衆の暗示の名手を思い出しつつつぶやく。

「おそらく・・・薩摩にあるという邪眼の術。薩摩と手打ちになったとは言え・・・その使い手が健在かと思うと・・・恐ろしい気がするの・・・しかし・・・その者とは手あわせをしてみたいものだ・・・」

初音は無敵の忍びとして久しく感じなかった忍びとしての闘争心が心の内にあるのを知った。

「ふ・・・」初音はそのことがおかしくもあり・・・そして物悲しくもあった。

「諸行無常じゃ・・・」と一言叫んだのは清海だった。しかし、清海はすでに白河夜船を漕いでいる。

「であるが・・・」と初音は微笑んで小助に告げる。「次の戦は関東であろう・・・」

大阪城天守閣・・・秀吉は一人、信長の残した日本国絵図を眺めていた。秀吉の目はすでに関東から東北へと移っている。秀吉は天下一統まで残り四年と読んでいた。

その背後の暗がりには茶々が潜んでいる。信長の妹の娘である茶々は・・・もちろん・・・くのいちだった。闇に光る眼は悪戯っぽい色を湛えている。

関連するキッドのブログ『第26話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『恋して悪魔・ヴァンパイア☆ボーイ』(フジテレビ)・・・ここにも桜庭ななみかっ・・・。

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2009年7月 5日 (日)

ミスター・ブレイン嘲笑のシナプシス(木村拓哉)微笑みをどうしてくれるんですかっ(綾瀬はるか)

本筋から外れるが「お笑い」についての考察があったので妄想しておきたい。

「微笑みの誕生」である。脳科学者九十九(木村)の語る仮説はあくまで仮説であって科学的に証明されたことではない。威嚇のために歯をむき出したことから攻撃の停止による表情の変化が「微笑」であるというのは想像の範囲内と言って良いだろう。

次に「心からの微笑み」と「作られた微笑み」の差異については「感情」から生じるものと「意思」から生じるものでは顔面筋肉の制御に差が出るという話である。これは一種の演技論で訓練によって「完璧な作り笑い」をつくるのと「内面に笑顔をもたらす気持ちを作って自然に笑う」という方法論の問題である。最終的には「作られた笑い」が観察者にどのような印象をもたらすかということになるので鏡で自己採点することになる。そのためには「演技者」は「客観的な自然な笑い」というものの「イメージ」を持っている必要がある。演技者は常に人の表情を観察し記憶に止める必要がある。しかし、人をジロジロ見るのは失礼になる場合があるため、研究素材として演劇、ドラマ、映画などで「他人の演技」が研究対象となることがある。その場合に何が自然な笑いで何が不自然な笑いかを判別することはほとんど無意味化していく。

「笑い」そのものの原点は多くの研究者が「勝利の笑い」について考察している。サルもまた戦いに勝利をすれば笑うのである。当然、そこには優越的なニュアンスが含まれる。敗北を積み重ねるものが笑顔を疑うのはそのためである。笑顔には邪悪の匂いがあると感じるからだ。

劇中で犯行を重ねる男(上川隆也)に嘲笑されて九十九が激怒するのは基本的な対応と言える。

研究者たちがもう一つの「笑い」の原点と考えるのは授乳後の乳児の笑みである。食欲が満たされることによって生じる弛緩の表情もまた「微笑み」の原点なのである。

「乳児の微笑」と「勝利の笑顔」が複雑にからみあって「社交的な笑い」が誕生する。困ったときの「はにかみ」や社交辞令としての「笑み」さらには周囲が笑うから笑う「つられ笑い」・・・もちろん・・・「お笑い」はそんなに簡単に語れるものではないが、基本的にはこんなところで要点としてはいいだろう。

で、『MR.BRAIN・第7回』(TBSテレビ090704PM0756~)脚本・蒔田光治・森下佳子、恩出・山室大輔を見た。前回、意地悪をするけれど本当は優しい人だと由里(綾瀬はるか)が気付き、本格的に「脳科学」を勉強しようと決意をした瞬間、九十九が研究のために渡米するかもしれないという科学警察研究所瀬田所長と九十九の密談を立ち聞きして「どうしてくれるんですか」とくってかかる由里である。

それに対して九十九は由里の意図を知ってか知らずか・・・笑顔についての怪しい仮説を説く。結局、笑顔と渋面の間を彷徨う綾瀬はるかの変顔ショーである。まあ、必殺のウサギの口は出なかったが・・・結局、変な顔でもかわいさキープが女優なのである。

そんな綾瀬を照準におさめる男・北里(上川)が登場する。

今回、警察関係者の過去の悪事がからんでいるらしいのだが、そのために事件は複雑になっている。

まずは被害者は三人である。第一の被害者は北里に狙撃されたらしい警察庁副長官(大林丈史)・・・昏睡状態となる。

第二の被害者は元・警視庁刑事部長の尾崎衆議院議員(浜田晃)で誘拐されてしまう。

第三の被害者は元・検事の菊池衆議院議員(清水紘治)で爆破事件に巻き込まれる。

これに第四の被害者として謎の男・相沢(光石研)が加わるが実は狂言誘拐で実行犯の北里とは共謀していたらしい。しかし・・・捨て駒だったようで北里は脱出した相沢を見捨てて走り去る。こうなると「血染めの×」の血液は相沢のものである可能性もある。

さて・・・第1回に登場した組織暴力団との癒着で汚職を疑われる武井刑事(市川海老蔵)がずっと思わせぶりに再登場である。九十九はその時から犯罪者への内通者として武井を疑い・・・内通者と聞いただけで直行である。都内に刑事が何人いると思っているんだなのだが・・・ドラマですから。ちなみにキッドはどんなにあわてていてもエレベーターのスイッチは一度しか押しません。

とにかく・・・九十九は武井に赤い飴玉をもらい「いやな予感」を覚えるのである。

一方、故意か偶然か・・・武井が街角に放置した青い飴玉を北里は拾い食いである。良い子のみんなは真似しちゃダメだよ。

相変わらずドラマの中での立ち位置がもう一つ掴みきれないままに九十九に「愉快犯としての脳」で犯人の行動を予測することを命ずる佐々法科学部長(大地真央)だった。

そして・・・後手後手に回りつつ・・・なんとか・・・犯人の行動パターンを見出そうとする九十九。そして犯人は「誘導することが得意な人」という結論に達するのである。

しかし・・・時すでに遅く・・・「気をつけていってらっしゃい」「はい」と危険な旗を立てて出発した丹原(香川照之)、林田(水嶋ヒロ)はまんまと爆弾の罠にはまっていた。予告編に丹原の無事は確認できたがキッドの見る限り林田消息不明である。ここまであまりにもコミカルに新米刑事を演じてきただけに殺されてもおかしくないポジションである。ちなみに「トリック」ではシリーズごとに配役が変わるポジションなのである。まあ・・・一人くらい殉職した方が最終回が盛り上がると考えるかどうかだな。

まあ・・・どう考えても死んでいる経過だが・・・逃げ足の速さから生きている可能性もあります。加速したかもしれないしな。どちらにしろ・・・基本的に九十九の夢の中の話だとキッドは考えています。

さて・・・シナプシスである。最近はシナプスでいいらしいがシナプシスの方がなんかかっこいいと思う。シナプスとは神経細胞のシグナル伝達部位である。たとえていえば、情報を伝達する窓口である。神経細胞はシナプスを通じて情報を入力しそして出力する。

脳とは脳細胞で構成され、機能局在のための変異があるが基本的には神経細胞の集積体であると考えることもできる。

脳で生じる心を考えるにあたり・・・その本質は何かを考えるとき・・・キッドにはそれはシナプスではないかと思われるのである。

ではシナプスとは何かと言えばそれは「伝えるもの」であると言うことができる。

神経細胞のシナプスの一つ一つが伝えて伝えて伝えまくる。それが「心」の原点なのだな。

光があれば光を伝え、音があれば音を伝え、熱があれば熱を、痛みがあれば痛みを、臭ければ臭いと美味しければ美味しいと伝えて伝えて伝えまくるそれがシナプスなのだ。

その結果、走光性のものは光に向かって走り、誘蛾灯に誘われて飛んで火にいる夏の虫なのである。

だから・・・伝えていることの意味などはあまりないのだとキッドは時々考える。役者は演技を通じて何かを伝えようとする。親は子に人生を伝えようとする。人は人に愛を伝えようとする。教えたがりは何かを教えようとする。そしてキッドもまたブログを書いているのである。なぜか・・・それはシナプシスの基本が伝えることだからである。

脳を構成する神経細胞の本質が常に「伝えたがっている」のであるから人は誰もが何かを伝えたくて伝えたくてたまらない状態になるのである。

たとえ・・・それが伝える価値も意味もないことだとしても・・・たとえそれが人を不快にさせる嘲笑だったとしても。

人には「伝えたい呪い」がかかっているのです。

当然、伝えられないともどかしい。伝わらないと歯がゆい。

だから・・・九十九は叫ぶ。「連絡をとってくれ・・・伝えたいことがあるんだ」・・・助手はあわてて連絡をとる。伝えたい気持ちは共感の基本なのだから。しかし・・・それが伝わるかどうかは来週のお楽しみだとお伝えしておきます。

関連するキッドのブログ『第6話のレビュー

Hcinhawaii0568 ごっこガーデン。唇ふさぎ放題の科警研セット。アンナついにあんぱんち会長に続いて現場に突入したのぴょ~ん。ごっこガーデンでダーロイドと遊ぶのとはまた別の神秘の体験なのだぴょんぴょんぴょ~ん。奇跡の生命体との遭遇にアンナは大人の階段を一歩昇った気持ちになりましたぴょん。もう自分がアイドルであることを忘れてしまいそう~~~。ああ~・・・もう来週で九十九ぴょんともお別れです・・・泣かないで笑顔の練習に励むのぴょんくういや~、とにかく、林田殉職だけはなにがなんでも阻止しますーっ。そんなことになったら殴りこんでやるーっお気楽おっさんばかり多くてあらすじも面倒なんだよね。でも面白はるかはサービスサービス~みのむしおっとーっ、メイド刑事やらちっとも意味不明のエバやらをレビューしてたら遅刻したのるるるまこ最終回は爆弾で赤と青ですか~まこはアメ玉を所望でしゅ~エリいよいよ・・・MR.BRAINも来週最終回!・・・さあ、じいや、ブザービート会場の準備をするのでスーあんぱんちおっと~夏本番ライブの季節なのよね~、じいや記事早めで珍しく遅刻者多数(爆)シャブリそういう時こそ仮記事で追いつくのでありました~。しかもシャブリの部屋でも出ています~。はるかちゃん抱擁~なので来週は必見であります~ikasama4尾崎議員の息子(鈴木一真)実に怪しい香りを醸し出していましたな~。実は黒幕だったりして。それにしても現場に巨大なメッセージを書いている犯人はドキドキしないものなのでしょうか。最後は両津も登場か?・・・そんなことして・・・まさか映画につづくではないでしょうな~。まあ・・・アンナちゃんはそれでいいとして

月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)

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2009年7月 4日 (土)

南極アイスって南極2号を知ってるのか知らないのか微妙なネーミングですよね(ミムラ)

もうすぐ50才になろうとしているプロデューサーと脚本家である。

知らないはずはないのである。もちろん南極アイス(名取裕子)が「テレビ・ショッピングの売り子の女王」で「南極でもアイスを売れるほどの売り上手」だからというネーミングなので理にかなっている。だから下品な妄想をする受け手の根性が腐っているのである。

なにしろ・・・ちょっと似ているタイプだと思うのである。

最後にギャフンとなって口を丸くあけたりされたら・・・妄想で爆死しそう。

で、『コールセンターの恋人・第1回』(テレビ朝日090703PM9~)原案・山口雅俊、脚本・中園ミホ、演出・片山修を見た。脚本家の流れで云うと「ハケンの品格」(2007)→「OLにっぽん」(2008)ときてコレなので、企業雇用者ものシリーズになっている。「やまとなでしこ」だってそうだと言われればそうなのだが、仕事と恋愛のバランスがかなり違っているのだった。「ハケンの品格」では非正規雇用者の問題を、「OLにっぽん」では人材の国際化問題をとりあげ、前者は大成功。後者は大失敗しているのである。

このあたりはお茶の間とスタッフの間の国際感覚のズレも考慮しなければならないだろう。

まあ、とにかく、前二作が日本テレビなのに今回はテレビ朝日である。しかも現代劇になると視聴率的にはドロドロの金9・・・。かなり冒険が許されているのかもしれない。

アタリをとった「ハケンの品格」の三番手だった小泉孝太郎の主役起用。今回見る限りキャラクターそのままである。

さて大失敗だった「OLにっぽん」の主人公は観月ありさだが・・・観月ありさの最新のヒット作は「斉藤さん」でその時にヒロインとしていい味を出したのがミムラである。

今度はミムラを「仕事のできる謎の女」としてヒロイン化する気なのである。

舞台は携帯県外の千葉県勝浦市周辺の陸の孤島。発想がかなりチベットなのである。そこには「テレフォン・ショッピング」のコールセンターがあって受注もするが苦情も受けるのだった。

企業の人事にまで嘴を突っ込むことができる南極アイス(名取裕子)の陰口を聞き咎められ本社からコールセンターへ左遷された男が都倉(小泉)である。

そして・・・そこには苦情処理のエキスパート・青山響子(ミムラ)が水筒をぶら下げて待機していたのだった。ついでにおしゃれ小鉢のように宇野(安田顕)もついてきます。

おそらく・・・定番の商品→南極誇大広告→青山苦情処理というパターンの中で都倉が人間的に成長し・・・そして恋にも落ちるのだろう。

最後にヒロインが流離の旅に出るのもお馴染みの設定だ。

今回は「高枝切りバサミ」の登場である。

庭も園もない都会のマンションに住むものには永遠の憧れ。高枝切りバサミである。

ゲスト(小倉久寛)は職を失い、日照権も回復できず、喉がかわき、他人の庭の桃を伐るのである。・・・なんじゃ・・・こりゃ・・・のオチですが・・・それはいつものことですからーっ。

まあ・・・国際競争という美名の下に繰り広げられる仁義なき経済戦争を描いて失敗した前作にくらべて地方格差と通販生活ぐらいの要件なので今回はそこそこまとまる模様。

関連するキッドのブログ『斉藤さん

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『官僚たちの夏』(TBSテレビ)

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2009年7月 3日 (金)

犯罪を犯罪で贖うことは出来ません(沢口靖子)VS宇宙から地球を見てディスカバリー(桜庭ななみ)

久しぶりに女優まっこう対決である。

まあ・・・横綱VS新幕内対決なので・・・勝負になっていないのだが・・・。

「ふたつのスピカ」桜庭*3.1%

「科捜研の女」沢口15.9%

まあ・・・ドラマ8という番外地だから・・・シリーズものだから・・・とはいえ・・・五倍ってすごいよね。

ランチに換算すると500円のコンビニ弁当と2500円のフレンチ懐石弁当みたいな・・・どういう比較だよ。

で、『科捜研の女2時間スペシャル・第1回』(テレビ朝日090702PM8~)脚本・櫻井武晴、演出・辻野正人を見た。それにしても沢口靖子・・・いつまで美しいんだっ。血が騒ぐぜ。スペシャルだから殺人鬼はダブルである。

いきなり・・・深夜の殺人事件発生・・・犯人はいかにも猟奇的な男(篠井英介)である。

凶器はいかにもな軍用ナイフ。

そして殺された男(金井良信)は探偵で元刑事。

そして適度な流血。おなじみの下足痕(げそこん)。

法医学研究員の榊マリコ(沢口)が「犯人は被害者と向き合って背中から心臓を一突き」と言えば解剖担当の法医学教授・風丘(若村真由美)も「犯人は被害者と向き合って背中から心臓を一突き」とリフレイン。

美しい研究者たちが犯人の行動を的確に再現なのである。

もう・・・このたたみかけでも・・・類似商品は老舗の味に舌を巻くのだった。

そして・・・2時間ドラマタイプのスペシャル篇は・・・猟奇的に始まって人情沙汰に持ち込むのだった。

事件の経過。北陸の田舎の断崖に女子中学生(後の京野ことみである)を呼び出した担任教師は抵抗されて石で撲られ死亡。現場を逃げ出した中学生とすれちがった高校生(後の坂上忍である)は死体の第一発見者となり逮捕され冤罪を引き受けて少年刑務所にて服役。

そして時は流れた。中学生は菌類学者に、高校生は出版社社長となっていた。

一方、関西圏を騒がす連続女性刺殺事件が発生。しかし、犯人は発見されず突然犯行が途絶え・・・二年の月日が流れていく。

菌類学者の研究施設に留学していた猟奇的な男が帰ってきたのと、菌類学者と出版社社長が再会したのが重なったのは運命の悪戯だったのである。

猟奇的な男が殺人犯である動かぬ証拠(記念日ナイフ・コレクション)を発見した菌類学者は・・・横領の罪で窮地に陥った・・・自分の身代わりに罪を償った男に報いるために・・・猟奇的な男を使って邪魔者を消す悪魔の計画を実行する。

①二人を誘導し猟奇的な男に探偵を刺殺させる(冒頭の事件) ②その現場を出版社社長を糾弾する部下が目撃したと偽装・・・猟奇的な男に刺殺させる。

しかし・・・「なぜ・・・男ばかり刺殺するハメに・・・」と猟奇的な男が嘆かずに出版社関係者を連続して殺し始めたために菌類学者は舌打ちをする。そこで猟奇的な男の毒殺をはかる。

そこへ・・・科捜研から菌類学者に残留物の鑑定依頼が舞い込むのである。

背中合わせの犯人と探偵は「手」の一つだが・・・ここでは三つ巴の「犯人」と「探偵」と「黒幕」である。まあ・・・京野ことみがキャスティングされた以上そうなるしかないのが運命というものです。

さらに新たな糾弾者が出現して・・・菌類学者はついに自分で刺殺。

さすがにいろいろな方面に協力を要請した佐久間刑事部長(田中健)とマリコの父(小野武彦)のおかげで真相にたどりつく土門刑事(内藤剛志)とマリコだった。

追い詰められた菌類学者死のジャンプである。

京都の空の下。「なんで彼女はあんなことを・・・」と疑問に思うマリコに(そんなの中学生が高校生に恋をしたからに決まってるじゃないか)とは答えずに「人生をやり直そうとしたんじゃないのか・・・」と意味不明な言葉でお茶を濁す土門だった。

それに対して「犯罪で失敗した人生を犯罪でやりなそうとするなんて無理に決まってるじゃない」と最後のセリフを決めるマリコだった。まあ・・・聞き方によっては「一度罪を犯したらやりなおしなんてできない」と聞こえるのだが・・・それが職業に忠実なマリコの信念だからーっ。・・・なのである。

で、『ふたつのスピカ』(NHK総合090702PM8~)原作・柳沼行、脚本・松居大悟、演出・塚原あゆ子を見た。ドラマの中で重要な要素となっている日本主導の有人宇宙船の墜落事故。「なんで墜落しなければならなかった」と問うセリフがあるのだが・・・そんなもの・・・中華人民帝国の工作員の仕業に決まってるだろうと思うのである。・・・おいっ。

アスミ(桜庭)は自ら危機的状況を作り出し(うっかり頭をぶつけて通信機破壊)、敵対媒体(遠隔操作ロボット)を暴走させ(うっかりスイッチレバーを下げて熱パイプから蒸気噴出させ制御不能に追い込む)、最終的な勝利を演出。宇宙で一番大切なものはやはりラッキーということである。

それともアスミ・・・本当はどす黒いのでは・・・。

まあ・・・1/5・・・こんなもんか。

土曜日に見る予定のテレビ『MR.BRAIN』(TBSテレビ)『魔女裁判』(フジテレビ)『真マジンガーZ』(テレビ東京)

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2009年7月 2日 (木)

夏ドラマはなんちゃって女子高生から始まる(松本若菜)私のこと?(福田沙紀)

メイド刑事・若槻葵(福田)の設定は18才で女子高校生ではなく元・レディースのメイドである。メイドが亭主を「旦那様」と呼ぶか「ご主人様」と呼ぶかは好みの問題だが、亭主が女性だった場合は「奥様」と呼んでは語弊がある場合があり、ここは「ご主人様」で良いだろう。使用人が主人を呼ぶわけだから。

ただし・・・主人の娘に対してはお嬢様、姉妹がいる場合には名前プラスお嬢様、主人の母は「大奥様」、主人の姉妹は名前プラス様、こういうメリハリも大切です。

福田沙紀は堀越高校を卒業、制服を着る時はなんちゃって女子高校生1年生だが、すでに「ゴーストフレンズ」でなんちゃってデビュー済みです。

「メイド刑事」は石野真子・国広富之をゲストに迎え、第1回をスタートしているのだが、「キューティー☆クリーナー」を使った殺陣を始め・・・すべてが中途半端。岩下悠子やハセベバクシンオーなどのクセのある脚本家待ちだな。・・・単に福田の特攻服サービスがものたりなかっただけじゃないのかよ。

「深夜のローカルテレビ」では「涼宮ハルヒの憂鬱」が実に変則的なカタチで新作発表しているのだが、同じ一部世代的カリスマ・アニメの「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」の公開によって津波に押し流される傾向にある。

同様に・・・金曜日にはテレビ東京に「怨み屋本舗REBOOT」が来るし、タッキー&錦戸という強力なジャニーズが「オルトロスの犬」で襲い掛かるのである。「メイド刑事」絶対絶命だ。

で、『新・警視庁捜査一課9係・第1回』(テレビ朝日090701PM9~)脚本・深沢正樹、演出・吉田啓一郎を見た。・・・・・・・そっちかよ。まあ・・・水曜日はダンスの日だからな。これまで「9係」はSeason1~3までが放送されてきたのだが、今回は「新」を銘打ってきた。登場人物たちは加納係長(渡瀬恒彦)と浅輪刑事(井ノ原快彦)を中心に引き継がれているのだが・・・今回から監察医として早瀬川(原沙知絵)が登場する。それはそれでいいのだが・・・二人も殺人死体が登場したのに・・・鑑識チームが不在なのである。そのため鑑識課の夏樹(加賀美早紀)も登場しない。「夏樹ちゃん、この土調べといて」「夏樹ちゃん、この汚れも採取して」「夏樹ちゃんこっちも」がないのである。フェイドアウトなのですかーっ。「9係」唯一の「萌え」ポイント消失。

村瀬主任(津田寛治)、青柳刑事(吹越満)、矢沢刑事(田口浩正)に紅一点が小宮山刑事(羽田美智子)という布陣である。ヒロインとして加納の娘で浅輪の交際相手・倫子(中越典子)がいるのだが・・・それにしたって萌え処がありません。

その上・・・夏樹ちゃんがいない「9係」なんてレビューの可能性ひたすら減少である。

で・・・今回、ゲストでなんとかしようとした気配があり・・・投入されたのが強力ななんちゃって女子高校生二人組である。一人は意志薄弱のために悪い友人に誘われるままに売春サークルに参加し、覚醒剤に耽溺したあげく自殺した弥生(松本若菜・・・1984年生の25才。「仮面ライダー電王」の美貌の姉・愛里でおなじみである)ともう一人は悪女で恐喝を得意とする後の占い師マリー(伴杏里・・・1984年生の23才。「ULTRASEVEN Ⅹ」のエージェント・エスである)なのである。・・・まあ、無理があります。

しかし・・・些少の無理こそはなんちゃって女子高校生の醍醐味ですから。

今回の事件の背景にあるのは「スーパーフリー事件」(2003年)早稲田大学正規のサークル団体だったこともあるスーパーフリーが起した集団強姦事件であることは言うまでもない。強姦罪に集団強姦の条項が新設される契機となった事件である。

まあ・・・この事件を知ったいい大人たちの感想がドラマでは事件の取調べにあたった刑事たちの口から事件の黒幕である議員秘書(加藤虎ノ介)にあびせかけられるわけです。

草若師匠「男と女は助け合ったり愛し合ったりするものでどちらかがどちらかを一方的に利用するものじゃない・・・そのことを刑務所で勉強して来い」なのだった。まあ、大学では教えてくれないことを刑務所では教えてくれるということなのでしょう。

ちなみに秘書が殺した死体の第一発見者であることを偽証する秘書の婚約者(浅川稚広・・・1978年生の30才。浅川千裕などの芸名でかってのいわゆる一つのお菓子系写真誌のグラビアアイドルだった)・・・幼い顔立ち(いわゆるひとつのロリ顔)はある・・・という見本である。

まあ・・・芸能界は最高のサバイバルワールド・・・愛しい人々の健闘を祈るばかりの今日この頃です。

関連するキッドのブログ『ちりとてちん・ミニミニレビュー

で、『となりの芝生・第1回』(TBSテレビ090701PM9~)脚本・橋田壽賀子、演出・荒井光明を見た。夫・井ノ原と妻・瀬戸朝香の裏表である。春ドラマでは平均視聴率が「臨場」14.5%、「夫婦道」*7.7%とほぼダブルスコアだったこの枠だったのだが・・・初回の対決は「9係」13.5%、「芝生」11.4%とさすがに橋田壽賀子ドラマなのだった。

まあ、NHKの「となりの芝生」(1976年)から33年の時の流れを越えてやってきたこのドラマ。100%橋田壽賀子ドラマなのである。清少納言の「枕草子」から嫁姑は犬猿の仲と・・・実家の小姑の聡子(渋谷飛鳥)が言うほどの永遠不変のテーマなのだから。

とにかく・・・松尾瑠璃(11)のファンは必見だが・・・それ以外の人は別に見なくても困らないと思うよ。

水曜日はダンスの日だが・・・「赤鼻のセンセイ」のパートナーがどちらになるのかは予断を許さない状況なのであります。

夏ドラマ何を見るのか迷っているあなたはコチラへ。

エリお嬢様の夏ドラマメモ

アンナお嬢様の夏ドラマ覚書

まこお嬢様の夏クールドラマチェック

くう様の7月期ドラマ見る予定表

ikasama4様の第3クールのドラマあれこれ

みのむし様の夏ドラマ一覧

金曜日に見る予定のテレビ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(日本テレビ)『怨み屋本舗REBOOT』(テレビ東京)『コールセンターの恋人』『福田沙紀のメイド刑事』(テレビ朝日)

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2009年7月 1日 (水)

マン(男)とウーマン(女)でムウです。(玉木宏)女装しないのか(谷村美月)主役爆死って・・・(佐藤健)

手塚治虫が変態かどうかを訊かれたら変態だと答えると思う。

第一、医者になるのも大変なのにマンガ家にもなってしまうのが変態的だし、日本を代表するマンガ家になってしまうのだから大変態と言っても過言ではない。

それに昆虫が好きとか・・・ウランちゃんが好きとか・・・女装・男装の主人公が好きとか・・・いろいろ変態と言える要素はあると思う。

その中でも「MW」はかなり変態的だから・・・今の軟弱なお茶の間には向かない題材だと思うのだが、案の定、視聴率*9.9%でした。それでもセクスィー部長の「カイドク」*8.5%よりは高かったのだった。

痩せても枯れてもさすがは手塚治虫原作である。

で、『MW-ムウ-第0章~悪魔のゲーム~』(日本テレビ090630PM9~)原作・手塚治虫、脚本・木村春夫、演出・岩本仁志を見た。原作は1976年~1978年に「ビッグコミック」に連載されたコミック。2009年に公開される映画と連動したドラマである。1969年の沖縄米軍基地の化学兵器(サリン)流出事件にヒントを得ていると推される作品である。米軍と日本政府の密約は特に軍事機密の分野においていろいろと作家的想像力を刺激するわけだが、手塚作品の場合はそれが単なるセンセーショナルな話題としての素材にすぎないと考えるべきだと思う。それほどの政治的意図はなくて「受ける」というのが原動力である。まあ・・・あくまでキッドがそう考えるということです。

ちなみに・・・日本には「非核三原則」があり、核兵器を製造もしないし、所有もしないし、搬出搬入もしないという建前があったのだが・・・核戦略による核の抑止という実効的要素から少なくとも「米軍の核兵器の持込」は確実であると予測できる。最近、米国政府ではライシャワー元駐日大使が「密約」の存在を証言している。もちろん・・・日本政府は頑なにこれを否定しているのだが・・・まあ・・・密約とはそういうものだからな。

「それがとんでもないこと」なのか「どうってことないこと」なのかはそれぞれの認識や政治的立場で変わるものだと思う。

原作では・・・「米軍の化学兵器MWによってとある日本の村が全滅・・・政府がその事実をひたすら隠蔽する」という架空の背景の中・・・生き残り復讐のためにモラルを失った主人公・結城(玉木宏)とその友人で恋人の賀来(山田孝之)が男色の匂いをかもし出しながら相克する。

もちろん・・・「殺人」や「殺人兵器」に対してのヒューマニストとしての憎悪と・・・そういうものに憧憬に近い愛情を感じる手塚の内面の相克でもあるわけだ。

ま・・・そういう点がちっともお茶の間向きではないのである。

今回はその前哨戦・・・。隠蔽された事実の確証を掴むために踊らされる哀れな青年・隆志(佐藤健)の物語である。

孤児として施設で育った隆志は施設を出て工場に勤めていたが不況のために職を失う。

そこへ工場の同僚だった桜田(小出恵介)が現れ・・・仕事を紹介する。仕事は胡散臭い「運び屋」だった。やがて・・・隆志の育った施設の運営者が死去し、残された娘・ゆかり(谷村)が相談に訪れる。大金が必要となった隆志の前に桜田のボスである結城が姿を見せる。

やがて結城の指示に従い政治家の表に出せない金を強奪し、隆志は施設の危機を救うことができる。

しかし・・・結城の真の目的はそこにはなかった。

ジャーナリストだった隆志の母は「MW事件」の真相に迫ったことによって政府関係の隠密組織によって隆志の妹ともに抹殺されたのだった。

真相を知った隆志の父(小市慢太郎)は息子の命を守るために息子を施設に捨て自らも身分を偽装して暮らしていたのだった。

犯罪に関ったことをゆかりに責められた隆志が自首を決意した瞬間、結城の残酷な罠がゲーム化される。

ゆかりを時限爆弾とともに幽閉し・・・導火線を青い服の男と赤い服の男につなぐ。

そして・・・どちらか正しい答えである男を殺せばゆかりが救えるというゲームである。

正しい答えとは「隆志の母親を殺した犯人」だった。

結城は「人間には二種類ある。必要な時に人が殺せるタイプとそうでないタイプだ」と告げる。

そして・・・青い服の男は隆志の実の父。そして赤い服の男は組織に金で雇われた隆志の母を殺害した実行犯だった。

もつれあう・・・男たち。しかし・・・隆志には結局誰も殺すことはできない。

そして・・・結城の目的は「殺人事件の背景にMW事件があることを隆志の父に証言させること」だった。

全員を抹殺するためにやってきた桜田。しかし・・・桜田の意図を見抜いた隆志と父親は逆襲に成功する。しかし、桜田も父も赤い服の男も死亡。

ゆかりを救出に来た隆志はゆかりを救うか自分が助かるかの二者択一を迫られる。もちろん・・・隆志にできるのは前者の選択だけである。

刑事(林泰文)の到着は間に合わず・・・隆志は爆死する。

こうして・・・結城は貴重な証言を入手し・・・そして関係者を全員抹殺したのである。

結城はどのように世界を変容させるつもりなのか・・・答えは映画に・・・というスタイルです。

はっきり言っておきますが・・・映画にも大した答えはありません。だってそんな答えがあったら・・・とっくに世界は変容しているわけですからーっ。

それにしても女装しない結城なんて・・・気のぬけた炭酸飲料でしかないよな。

関連するキッドのブログ『銭ゲバ

木曜日に見る予定のテレビ『桜庭ななみのふたつのスピカ』(NHK総合)『釈由美子のLOVE GAME』(日本テレビ)『科捜研の女スペシャル』(テレビ朝日)『東京少女桜庭ななみ』(TBSテレビ)・・・桜庭ななみの日か・・・。

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2009年6月30日 (火)

愛おしき妹(オダギリジョー)麗しき兄(長澤まさみ)

ただいま・・・PM9頃である。ようやく管理人室に入室できました。

◇メンテナンス日時

 2009年06月30日(火)08:00~12:00

◇ご利用いただけなくなるサービス

トラックバック/コメントの受けつけ

だったのだが・・・

本日のココログメンテナンスについて、8:00~12:00を予定しておりましたが、終了時間を13:00まで延長させていただきます。

そして・・・

2009/06/30 13:38~
現在、ココログにおいて、サービスが正常にご利用できない状態が発生しております。現在も復旧に向けて対応継続中です。お客様にはご迷惑をおかけしておりますが、もうしばらくお待ちいただきますようお願いいたします。

である。記事にアクセスすると・・・

ページが見つかりません。

ブラウザで再読み込み(Reload)や再起動していただいても表示されない場合は、 URLが間違っているか、
ココログ開設者がココログを閉じた可能性があります。

腰が抜けるよ。

ようやく・・・PM5くらいに記事閲覧が復旧。

そして3時間・・・メンテナンス終了である。ココログの危機は忘れた頃にやってくるのでした。

読者の皆様、関係者の皆様、ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありませんでした。

で、本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「スマイル」↗10.9%(まあ、内容から考えたら平均10.1%は松本潤の底力だな)、「妻よ!実録・松本サリン事件」13.5%(坂本弁護士殺害事件はまだかな?)、「必殺仕事人2009」13.9%(谷村美月熱演!拷問はやさしめ)、「MR.BRAIN」↗18.9%(かなこ事件はシリーズ屈指の出来だが・・・お茶の間に届かずか)、「ビニールシート」↘*5.2%(だからとっととフィールドへ行け)、「魔女裁判」↗*7.9%(比嘉愛未の緊縛サービスでなんとか・・・それ以外に見所なし)、「天地人」↘20.3%(まあ、駿河と遠江の区別もつかないドラマなんだけどな)、「ぼくの妹」↗*7.9%(平均も*7.9%ファンだけが残ったか・・・)・・・ついでに「ハンチョウ」↘10.7%(亀刑事登場だ・・・)、「婚カツ」↗10.5%(平均も10.5%・・・月9としてフタケタは死守か・・・)・・・以上。

で、『ぼくの妹・最終回』(TBSテレビ090628PM9~)脚本・池畑俊策、演出・金子文紀を見た。ココログ障害発生のために前フリ記事をこちらに書きました。興味のある方はご覧ください。さて、結局・・・妹がすごく好きな兄と・・・兄がすごく好きな妹の話である。オダジョーを兄に持つと・・・ブラコンになっちゃうし、長澤まさみが妹ならシスコンになっちゃうのは仕方ないという話だ・・・そんなことをずっとやられてもな・・・である。

盟(オダギリジョー)は行きずりの女(ともさかりえ)となんとなく一夜をともにしたり、その女から借金申し込まれたり、その女が事故死したり、勤務先の理事長の娘(笹本玲奈)に借金申し込んだり、プロポーズさせたり、田舎の病院の看護師(西原亜希)に押しかけられたり、口説かれたりしながら・・・のほほんと結婚できない男である。

颯(長澤)は妻子持ちの弁護士(田中哲司)と不倫交際したり、借金に追われて恐喝屋となった男(千原ジュニア)と同棲したり、ライオン丸Gでマザコンの庭師(波岡一喜)にプロポーズされたりしながら・・・結局、結婚しない女なのである。

颯は「恋愛はコリゴリ・・・」なんて言うのだが・・・結局、大好きなお兄ちゃんと温泉旅行に行くと・・・すっかりご機嫌なのである。

盟は妹の花嫁衣裳を見たりすると・・・激しく動揺するのだが・・・とにかく「心にフタをしまくる」のだった。

前回・・・「子供じみたささいな夢・・・父親のように田舎の開業医になる・・・」にフタができずに理事長の娘・春奈を泣かせて退場させた盟は・・・もう「妹をお嫁さんにする・・・という本当の欲望」についてはフタをしまくるのである。そのためにフタ不足になっているのが本当のところなのである。

まあ・・・世の中の兄たちはオダジョーのようになんとなくかっこいいタイプばかりでないし、世の中の妹たちの多くは長澤のようにかわいくてグラマーなわけでもない。

だから・・・本当にこの兄妹の心の底のいじましさは理解できないかもしれません。

一言で言えば・・・「ずっとおあずけ兄妹」なのである。・・・変態かっ。

だから・・・本当はもっと・・・恋なんて知らない少女時代の颯(鎗田千裕)が小さい体一杯に兄への盲目的な思慕を満たして「お兄ちゃん・・・私は明日の発表会・・・どっちの髪飾りをしたらいいかなー・・・選んでー」と走りよってきて息をハアハア切らしてる。

そんな「萌え」で満たされたドラマでよかったのになー・・・とキッドは遠い目で思います。

そのエピソードが少なすぎて・・・かくれんぼで行方不明とか柿泥棒で書籍を買うとかしかないのだ・・・それを目当てで見ていると九鬼と九鬼の父と九鬼の恋人の事故死だの臨終だの闘病だの・・・どうでもいいことばかりにつきあわされ・・・もう勘弁してよと涙目になるのである。

今回の波岡レベルのゲストで毎回、妹の好きな人がチェンジ、毎回、兄が負傷、毎回、幼い頃の思い出を回想というシチュエーション・コメディーにしてくれればよかったのになぁ・・・と思う今日この頃です。

まあ・・・「婚カツ」を押しのけてレビュー対象になっているのは・・・それなりに魅力的だったからなんですが・・・不完全燃焼ということではこんなに不完全燃焼なドラマもないですからーっ。

妹の素肌にジーンズもなかったしーっ。そこかよっ。

関連するキッドのブログ『第10話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『新・警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日)『俺たちは天使だ! NO ANGEL NO LUCK(テレビ東京)小野寺昭が出てるから続編だと言われてもな・・・まあ何かいいことあるのかもしれんが。ホーン・ユキとか・・・。ポワトリンとか。ないかもしれんがな・・・。

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2009年6月29日 (月)

あなただけほんまに大切やもん天地人(妻夫木聡)もうこっち来いや(長澤まさみ)

大河ドラマといえば主人公の年齢不詳はいつものことなのだが・・・今回はちょい悪坊や・妻夫木くんが主人公なので・・・いくつになっても甘ったれのイメージが続いています。

直江兼続は永禄3年(1560年)の生まれとされていますので、謙信の富山城攻め(1576年)で16才。御館の乱(1578年)で18才。直江家相続(1581年)で21才。家老就任(1584年)で24才。そして上洛し従五位下山城守となった現在(1586年)で26才である。

この後、豊臣姓を賜り豊臣兼続となるのが1588年で28才。ここで妻夫木聡の実年齢となるわけである。だから、現時点ではまだ若作りをしていることになる。ただし、戦国時代の見た目年齢と現代の見た目年齢をどう考えるかはそれぞれの教養の土台によって異なるだろう。名門・樋口家の一員で上杉家小姓を経て越後宰相になったという経歴を考えればそれほど辛酸をなめていないので若々しくてOKという考え方もあれば・・・越後半国の家老となって五年・・・もう少し貫禄ついていてもいいという考え方もある。

さて・・・ここから・・・小田原征伐(1590年)で30才。朝鮮出兵を経て佐渡金山代官就任(1595年)で35才。会津移封を経て関ヶ原の合戦(1600年)で40才である。もはや中年なのであるが・・・さてどうなるのか。とにかく時代は江戸時代となり、大阪の陣(1614年)で54才。さらに元和5年(1620年)で病死したのが60才である。

出会う女子が一目で恍惚となる兼続くんは・・・60才になってもあの前髪足らして若々しいヘアスタイルを維持しているのだろうか・・・。確認する日がくるのが恐ろしい気もするのです。

去年のドラマ的な篤姫(宮崎あおい)の老い方は見事だったよなぁ。

で、『天地人・第26回』(NHK総合090628PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・一木正恵を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。「愛の詩人」についてのお言葉が「字」の一言。蔑みも拍車がかかってきました。そしてあらすじは三行・・・多めです。千利休の大予言・・・三成が・・・愛の詩人をしたくもない戦争に巻き込んでいく旗の模様です。「私たちの兼続」が積極的に戦なんかしない・・・という一部愛好家の戦略が見え隠れして反吐が出るわっ・・・でございます。早くも興味は再来年の大河「江姫」へ・・・。まあ・・・死を覚悟して兼続を愛する景勝とか・・・相当、気持ちを切り替えないと単なる「やおい」に見えたりしますけれどもーっ。秀吉と家康のタヌキ合戦とかは妙に定番ではっきり言って・・・そこだけ別ドラマですなーっ。レベルで言うと歴史バラエティーの再現ドラマ風にしかじいやには見えませんでしたーっ。今回もお口直しの必要な方は山県昌景の秘密をお楽しみください。

Tenchijin158603 で、天正14年(1585年)の上杉上洛の夏は続く。これに続く徳川上洛をめぐり、秀吉と家康の政治的駆け引きは熾烈を極めていくのである。秀吉は自分に自覚があったかどうかは別として平清盛の血を引いている。秀吉の関白就任とともに大政所と呼ばれることになる秀吉の母は関氏であり、関氏は平氏である。立身出世を強調するとともに徳川政権によって出生をかなり汚された気配のある豊臣氏である。秀吉の父は織田信秀の足軽大将である木下氏であり、大政所が夫の死後、嫁したのは信秀の文化顧問だった竹阿弥なのである。諸国行脚後の秀吉が信長の元で異例の出世を遂げるのは実は異例でもなんでもないという考え方がある。秀吉が同時代の武将たちと伍して並々ならぬ文化的素養を持っていたことは明瞭である。そして・・・大阪に拠点を作ったのは遺伝子のなせる技だと言っても過言ではないだろう。そこは平清盛が海外雄飛の夢を見た福原京の再来なのである。

それに対して・・・源氏である徳川家康が・・・秀吉の死後・・・豊臣家を滅亡に追いやる過程もまた源平合戦の再現となっていくのだ。

家康は東海(太平洋)に面した三国の主(もちろん甲斐と信濃もほぼ手中に治めている)として三河を岡崎城を出発点として、遠江の浜松城を経由し、駿河の駿府城を各国の拠点として考えた。この時点における要は浜松城であるが、最前線としてかって人質として過ごした今川家の居城・駿府城の改築を始めたのが前年である。この時点で家康は同盟中の隣国・北条氏との開戦を考えていたということである。駿府城は四年後に完成し、そして翌年には小田原征伐が始まる。家康の計画性・・・恐るべしである。

足軽大将の子として生まれ茶坊主に育てられた秀吉と君主の子として生まれ人質として育った家康。この二人の天才の駆け引きは余人の想像の範囲外にある。

秀吉は家康を親族として味方につけるため・・・関白の妹を嫁がせるという究極の政略結婚を展開する。家康は結婚には応じるが上洛は拒否。そのために秀吉は母を人質として追加するのである。家康は万策尽きて秀吉に臣従するのだった。

その駆け引きの途中・・・家康に嫁ぐための朝日姫の輿入れ列を狙うものがあった。秀吉・家康の手打ちを一刻でも遅らせたい九州の覇者・島津家の放った忍び集団・くぐり衆である。

秀吉の権力の最前線は大垣城にある。そこから緩衝地帯である尾張を経て三河に入れば家康の王国だった。織田信雄の支配する尾張が輿入れのためのもっとも難所と予想された。

輿入れ行列は秀吉の甥・秀次を名目上の奉行とするが、実際に指揮を司るのは甲賀忍び衆を率いる蒲生氏郷である。

行列の前後左右は秀吉自慢の鉄砲忍びが囲み、その周囲を騎馬武者、槍衆が護衛する。もちろん、さらにその外側には忍びが結界を張っている。

外側の護衛は土地を治める武将が連携して交替するが、中核の護衛陣は大阪・京・近江・尾張・三河・遠江まで朝日姫の輿を守護するのである。尾張・三河の国境からは徳川の侍衆がこれに加わる予定だった。

もちろん・・・家康の直忍びである服部半蔵影丸配下の草たちは尾張でも不測の事態に備えている。

朝日姫婚姻に同意した以上、秀吉、家康両者の面子のかかった警護なのである。

その鉄壁の護衛陣に無謀にも襲い掛かる薩摩・くぐり衆だった。

指揮をとるのはくぐり衆一のくのいち・普賢。

戦船で東海を渡ったくぐり衆は伊勢・長嶋に上陸すると先導する草(潜伏間者)に導かれ、大垣城から南下し、津島城から那古屋城へと東に進路を変えた輿入れ行列を追う。尾張領内は信長の整備で街道が発達し・・・複数のルートがあったが・・・行列の規模が大きいために主要路を選ばずを得ない。行列の行方を探知することは難しいことではなかった。というよりも慶事ということで派手に装われた花嫁行列は街道筋の評判になっていたのである。

普賢は探査のために放った忍びと合流しつつ、任務の成功を確信した。

「これが上方の戦か・・・たわいもない・・・」

側に控える巨体の忍び、不知火は同感の意を示し、笑みを浮かべた。

夏の陽射しが尾張の街道沿いの原野に注がれている。それがまだ中天に達する前に・・・くぐり衆は行列まで一里に迫っていた。

しかし、そこはすでに・・・朝日姫警護陣の内側だったのである。

不穏な気配の集団はすでに伊勢湾から目をつけられていた。そこは秀吉の海賊集・九鬼氏の縄張りであるから当然だった。

その見慣れぬ集団を伊勢の忍び衆が監視し・・・行動は逐一報告されていた。

朝日姫の輿の背後に控える馬上の蒲生氏郷に・・・甲賀忍びの長・伊庭貞時が駆け寄る。

「いかがした・・・」

「薩摩の田舎忍びどもが・・・仕掛けてまいりました・・・」

「なんと・・・それでは本気で朝日姫様を狙っておったのか・・・呆れたものよ」

「すでに忍び戦の始まりし模様・・・ご用心召されよ・・・」

蒲生氏郷は愉快そうに微笑んだ。その時・・・巨大な轟音が西南に生じた。

行列への突入体勢をとりつつあったくぐり衆に最初に襲い掛かったのは伊勢の滝川衆だった。一益に育てられた鉄砲忍びはすでに秀吉によって支配されている。百人ほどの鉄砲衆は集結しはじめたくぐり衆に一斉射撃を行った。

その瞬間、くぐり衆は散った。くぐり衆もまた基本的に鉄砲忍びである。日本に鉄砲が伝わったのが種子島である以上・・・その研鑽がもっとも進んでいるのは彼ら薩摩の忍びであるともいえた。彼らは鉄砲の弾丸ギバチの術を会得している。弾丸ギバチとは鉄砲の発射と射線を読み、鉄砲玉をかわす術である。

しかし、鉄砲忍びにはそのギバチを読んで、狙う交わし狙撃の術を使うものもいる。

二人のくぐつ衆が銃弾の餌食となった。しかし、驚愕はその次の瞬間に訪れた。残された二十人ばかりのくぐり衆が反撃に転ずると滝川鉄砲衆は一瞬で殲滅されてしまったのである。

すでに鉄砲を背負い、駆け出したくぐりのくのいち霧島が叫ぶ。

「見たか・・・薩摩乱れ筒」

くぐり衆は全員が射殺した滝川鉄砲衆の死体を踏み越えていく。

遠めで観戦していた服部半蔵影丸は息を飲んだ。

「一人で五人を・・・しかも一瞬でか・・・」

すでにくぐり衆は護衛の第二陣に殺到していた。

そこを守るのは蒲生配下の甲賀望月衆である。

滝川衆の最後を見たために散会遮蔽の構えで甲賀衆は突撃するくぐり衆に応ずる。しかし・・・甲賀衆の鉄砲はことごとくはずれ、くぐり衆は隠れた敵を確実に射殺していく。

望月衆の頭・山中の吉次は咆哮をあげると抜刀し、くぐり衆に斬り込む。

たちまち、複数の銃弾が吉次を襲うが、跳弾音を残して弾丸はそれていく。

「ふ・・・鉄砲鎧か・・・」くぐり衆のくのいちの一人、屋久島はつぶやくと銃を手槍に持ち返た。そして接近戦でくぐり衆の一人を倒した吉次に襲い掛かる。殺気を感じた吉次は半身を逸らし屋久島の必殺の槍をかわす。しかし、屋久島は攻撃の手を緩めない。槍は引かれては繰り出され、その動きには遅滞がない。まるで射線に身をさらしたように吉次は防戦一方となった。

吉次の息が乱れ、次の一撃をかわせぬと悟った瞬間、急激に殺意が消え、吉次は跳んで身を引く。

矢によって胸を刺し貫かれたくのいち屋久島は一筋の煙を引く。

戦陣の背後から氏郷の家来・吉田重秀が弓を取り爆雷矢を放っているのである。

屋久島は地面に倒れ伏すと爆砕された。

すでに周囲には血と人間の内臓が放つ死の匂いが広がっている。

吉田重秀の爆雷矢はくぐり衆の進撃をついに食い止めた。

と思えた瞬間・・・巨体の忍び・・・桜島と・・・巨体のくのいち・・・不知火が先頭に踊り出る。

吉田重秀は驚異的な速射で爆雷矢を二人の忍びに送り込む。

その時、吉田重秀は目の前が真っ赤に染まるのを見た。

爆雷矢を飲み込んだ巨大な火球がそのまま、吉田重秀を包み込む。

一瞬にして重秀は炭化した。

「見たか・・・」と桜島が叫ぶ。

「秘術・大火魂」と不知火が叫ぶ。

二人はそれぞれに超自然的な火の玉を行列に投げ込みながら・・・輿に走り寄る。

行列は大混乱に陥った。

その時、輿の廉があがった。通常よりかなり大きな輿であったが・・・その内側から現れたのは巨体の桜島や不知火よりもさらに巨大な朝日姫であった。朝日姫はニヤリと笑った。

「うるさいの・・・うまい(午睡)もさせてもらえぬのか」

次の瞬間、巾一尺の巨大な十字手裏剣が宙を舞った。

唸りをあげて滑空した手裏剣は桜島と不知火の首を胴体から切り離すと朝日姫の手元に戻っていく。朝日姫はそれを無造作に受けとめるとのっそりと輿に戻る。

やがて・・・行列は何事もなく進み始める。

呆然とそれを見送ったくぐり衆の普賢は包囲の輪が迫っていることに気がついた。

普賢は朝日姫の襲撃の失敗を悟る。しかし死地を感じた普賢の目は金色に輝きだした。

関連するキッドのブログ『第25話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『谷村美月の悪魔のゲーム』(日本テレビ)『沢村一樹のカイドク』(フジテレビ)

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2009年6月28日 (日)

ミスター・ブレイン秘密を暴く(木村拓哉)青空と暗闇のグリーフ(仲間由紀恵)私の愛した脳(綾瀬はるか)

偽装された多重人格オチである。

もちろん、批判を承知の上で言えば(トータス松本)、解離性同一性障害の精神鑑定を科学的に行うことは不可能なので・・・殺人犯かなこ(仲間)の精神がどういう状態であるのかは本人を含めて人それぞれの想像の範囲に留まるのである。

なにしろ自分が狂っているのかどうかさえも多くの人には判定不能なのである。

中途半端に発展した精神についての科学が法科学に導入され、「責任能力」などという実体のない概念を解釈しようとするにおよんで・・・法が困惑している現状がここにある。

ちなみに解離性同一性障害とはアメリカ精神医学会の定めた「精神障害ま診断と統計の手引き・第四版修正版」(DSM-Ⅳ-TR)による呼称である。世界保健機構の定めた「疾病及び関連保険問題の国際統計分類・第10版」(ICD-10)ではこれを多重人格障害と呼称している。

だからドラマの中で病名を解離性同一性人格障害と呼称している。

つまり・・・ドラマにおいては病気そのものがフィクションなのである。

解離性同一性障害が実在する精神疾患であるかどうかは専門家の間でも意見の相違があり、そんなものはないという言う人もいればあるんだからあるという人もいるというのが実情です。

もちろん人格が同一性であるのが健康であるのかどうかという・・・哲学的な問題も含んでいます。

しつこいようですがキッドは「おタクの恋」の著者であるのでこの問題には重大な関心を持っていることをお断りしておきます。

で、『MR.BRAIN・第6回』(TBSテレビ090627PM0756~)脚本・蒔田光治・森下佳子、演出・福澤克雄を見た。変則的な構成で実に見づらいドラマなのであるが・・・その最終的な真価はDVDあるいはブルーレイ版で問う気満々なのである。できればテレビでも充分面白いカタチにしてもらいたい今日この頃である。

だから・・・前回までのあらすじ・・・元教師の都議会議員(大沢逸美)が射殺される。彼女は15年前に行方不明になった小学生・秋吉かなこ(松岡日菜→仲間)の担任でもあり、かなこ失踪事件解決のための運動員でもあった。そして・・・事件現場からはかなこの指紋とDNAが検出される。さらに暴力団構成員の青山が同じ拳銃で射殺される。島根県雲南市の青山所有の地下室では痛ましいかなこ監禁の痕跡が発見される。しかし・・・かなこの行方は以前不明だった。

天才的な脳科学者は事件の全容を一瞬にして理解するが・・・それを口には出さないのである。

そして・・・これは天才的な犯罪者と天才的な探偵のいつものゲームへと発展するのだった。

日本が法治国家であるために・・・かなこの行為を人として当然と考えながら殺人犯として訴追しなければならない科学警察研究所・研究員・九十九(木村)の苦悩が主題である。

登場人物のほとんどがかなこに同情的であり法的平等の苛酷さを後味として残す仕掛けになっていることはいうまでもない。

いわゆるひとつの心情的には無罪でも実質有罪物語である。

子供向けの顔と大人向けの顔のふたつの顔を持つこのドラマ・・・ついに正体むき出しである。

まず、最初にこのドラマが「二つ」の現実というフィクションで起こった事件を連想させることを記しておく。一つは「女子高生コンクリート詰め殺人事件」(1988)で組織暴力団を連想させる凶悪な少年たちが被害者に想像を越える残虐行為を拉致監禁の上で行った事件である。この事件を想像すると加害者に対する目もくらむような怒りの発作に襲われるのが正常な人間だと考える。もう一つは新潟少女監禁事件(2000)で幼児性愛の前科者が小学生を誘拐しおよそ9年に渡って監禁致傷した事件である。加害者は懲役14年が確定し服役中だが心情的には拷問の上に死刑でも問題ないと考えるのが正常だと思う。

この二つの事件をヒントに創作されたのが秋吉かなこ誘拐監禁事件だろう。前者からは犯人の凶悪さを・・・後者からは事件の輪郭をピックアップしたわけである。新潟県と島根県は位置的に似ているしな・・・どこがじゃ。

そのために秋吉かなこは自力で脱出することができ・・・しかも犯人および・・・事件を発生させた責任があるとかなこが判断した関係者の極私的処刑事件として発展する。

さて、解離性同一性障害とは正常な人間が「意識」を継続して同一のものと感じながら精神活動を営んでいるという前提を基にした疾病である。つまり、「意識」に不連続性が生じているのが障害となるわけである。これを記憶のシテスムから考えれば記憶障害の一種であると考えることもできる。

しかし、患者に対する観察の所感として「乖離した意識が独自の記憶体系を持っている」と推することにより・・・人格の多重という仮説が提出され、その仮説の説明性を合理と考えたものがこれを一つの疾病として報告したわけである。

もちろん・・・人間の意識システムそのものが科学的に解明されたわけではない現代において・・・それは仮説の上に積まれた仮説による一つの障害の説明にすぎないことは言うまでもない。

今回、かなこは別人格がもてないはずの情報をもっていたことを証拠に詐病であることを九十九に指摘され、観念するのであるが、だからといってかなこが解離性同一性障害ではないということにはならない。

あくまで、九十九と対応したかなこが解離性同一性障害を装って復讐を果たした人格であるということである。本当のかなこはひっそりと沈黙を守るしかない失声症の人格なのかもしれないのである。

人間の意識については以前、カオス理論的な偶然の産物説と非線形理論によるニューロン・コンプレックスの階層発生説を両輪として探求が続いているわけだが、いずれにしろ、偶然複数の意識が発生することも、複数のニューロン・コンプレックスが発生することも可能となるわけで・・・多重人格はあってもよろしいということになっている。

基本的に別人格と呼べる場合には記憶の断絶が必要不可欠なのである。一つの記憶に対する解釈の変更では同一性が失われたとは言いかねるからである。

もちろん・・・このドラマにおけるかなこは「解離性同一性人格障害」という架空の病気を疑われていただけなので・・・なんでもありといえばありなのです。

九十九はかなこがそうせざるをえない現実に置かれたことを充分に理解しながら最終的には人間の自由意志を守護する立場となり、かなこの罪を断罪する。

その場に集った人間は犯罪捜査のプロである刑事や・・・高度な知性を持った研究員なので九十九の苦渋を充分に理解している。

だから「本当は狂ってはいないこと」を指摘されたかなこが「どうしても殺さずにはいられなかった気持ち」を告白するとそれを真摯に受け止める。ただ、一番若く・・・暴力に否定的な気持ちに支配された林田だけは「そうしなくてもよかったのに・・・」と言わなくてもいいことを言うのである。

しかし、小学生で誘拐拉致されて以来凶悪な男に凌辱され続け、暗闇の中でアナログテレビを唯一の情報源として育ってきたかなこにどんな「正気」があるのかは誰にも不明なのである。

かなこが「私はおかしいのかしら・・・でもそうだといいと思う・・・だっていっそ狂ってしまいたいと思わなかった日はなかったもの」と答えれば・・・誰もが口の中一杯にゴキブリを頬張った気分になるしかないのである。

もう・・・こうなると子供向けのドラマとはいえないし・・・ある程度の知性がなければ誤解を招くドラマでさえある。

そういう中で・・・由里(綾瀬はるか)は「かなこの気持ちをほんのちょっぴり味わってみる実験」の被験者に前回同様、承諾なきままに選抜され、九十九に殺意に近い気持ちを抱くのである。

しかし、一方で冷静な観察者としての由里は九十九が自信を喪失した行動科学研究者・浪越(井坂俊哉)を優しくフォローする行動を認知する。

かって行動科学をベースにしたプロファイリングを現場で担当していた浪越はまったく想定外の犯人の登場で自信を喪失していたのである。

過剰に消極的になっている浪越に「もはや責任のない立場になったんだから自由にやればいい」と唆し・・・すでに想像のついているかなこの監禁場所に浪越を誘導し・・・由里を実験台にすることで浪越の想像力を刺激し・・・推理に行き詰った浪越のためにテレビをつけてやり・・・「かなこが長い監禁生活のために異常な心理状態になり、なんらかの理由で監禁前の知人に暴力行為に及んでいる可能性」という結論に達せさせる。そしてそれを現場に報告することで手柄を立てさせるのである。

その浪越のための九十九の一連の行動を由里はすべて気がついているという演出になっています。

九十九が誘導した浪越の推理通りにかなこが青山所有のコルトM1911からベレッタM92Fに拳銃を持ち替えて同窓会に乗り込んだとき・・・かなこを確保できたことで・・・浪越は失われた何かを心に取り戻したのです。

由里は理不尽な九十九のいじめに怒りつつ・・・九十九の優しさにふれ・・・「いつも演技ばかりして本当の自分を隠して・・・かなこさんみたいだけど・・・お慕いしたくなっちゃいました・・・」なのであった。

さて・・・グリーフとは「悲哀」という意味である。その言葉は精神科医・エリザベス・K・ロスによって特別な意味を付加されている。それは「死」に直面した人間の心に生じる感情についての洞察によってもたらされる。それについては説明しないが、ここでは「かなこの死ぬよりもつらいようなグリーフ」について考察しておきたい。

水準以上に知能が発達した小学生のかなこは学校の校門に不審者を発見し、危険を洞察する。しかし、水準以上の知能を持たない担任教師やかなこの同級生はかなこと危険の認識を共有しない。その結果、かなこは拉致され・・・義務教育も両親の保護もそしてその両親の死からさえも隔離され「第二の恐ろしい人生」に投棄されるのである。

第一の段階。現実の否認。自分が誘拐され、見知らぬ男に暴行され、性的凌辱を受けているのは夢ではないかと疑う。

第二の段階。現実への憤怒。なぜ、自分がゴキブリの這い回る暗闇の中で血で汚れた下着を脱がされて犯されそして撲られなければならないのか。母親の用意した美味しい食事を食べられないのか。入浴し愛用のシャンプーで洗髪できないのか。なぜ、病気になっても医者に行けないのか。なぜ、こんなに自分だけが苦しまなければならないのか。世界を呪う。

第三の段階。現実との交渉。終ることのない苦痛からの脱出を求め、周囲の環境に適応しようとする。犯されることさえも受け入れ、そうすることによってこの状態からの解放を模索する。

第四の段階。絶望による精神的閉塞。あらゆることの意味が見失われ、うつの状態になり、何もすることができなくなる。

第五の段階。現実の許容。血まみれのベッドに横たわり、凌辱と凌辱の間にテレビを見、自分の排泄物の匂いを嗅ぎながら食事をしてまた排泄することが自分の人生だと受け入れた状態。

誘拐前の記憶がある限り、このサイクルは循環する。しかし、循環が続けばこの苛酷な現実の記憶が蓄積され誘拐前の記憶は遠のいていく。そのかなこの心理を一言で示すのが「悲哀」である。これが15年続くのである。十五回目の夏の青空の下にかなこが立つまで・・・ずっと。

青空の記憶も暗闇の記憶も悲哀の中に統合され・・・かなこの人格を形成していくのはグリーフなのである。

それが・・・想像を絶する人格となったとしても・・・想定の範囲内だ・・・と九十九は考える。しかし・・・失われた時間を戻すことはできない。かなこがもう一度歩き出すためには・・・すべてを受け入れるしかないのだと九十九は祈るように考える。

どうか・・・かなこのグリーフが癒される日が訪れますようにと。そして心を鬼にしてかなこの罪を問うのである。けしてお茶の間向きではないが大傑作。

関連するキッドのブログ『第5話のレビュー

Hcinhawaii0567 ごっこガーデン。彷徨うかなこの心象世界セット。アンナもう・・・地下から顔を出したはるかちゃんはあっぱれなのぴょん。そしてその後でダーリンの優しい部分をさりげなく気がついていく繊細な演技。女優魂ぴょん。そしてそれに負けず劣らずのかわいそうなかわいそうなかなこの仲間さん熱演・・・ダーリンの心の中で揺れる海容よりも深い愛・・・もう・・・アンナは口を手でふさがれたらペロペロなめちゃうことを絶対我慢できないぴょ~んお気楽あんなところで人間って15年も生きられるの・・・青山にはお人形さんを大切にする気持ちはないの・・・ゴキブリ饅頭って・・・まさか・・・ゲロゲロみのむし名探偵の掟を見てから見ると・・・ミステリは全部・・・お約束の世界に見えてくるのるるる・・・それにしてもBOSSとMR.BRAINは後味的には天国と地獄の落差だよね・・・まここわすぎて・・・とても感想かけないのでしゅ~。悲しみ本線出雲2号でしゅ~エリいよいよ夏ですね~・・・夏休み直前・・・お仕事にお勉強・・・みんながんばってほしいのでスー」あんぱんち「林田(水嶋ヒロ)の刑事の勘が炸裂。もう一人キレイなお姉さんがいるはずですとーっ。(爆)・・・同級生(吉田羊)はかなこが姿を見せる前からおびえていた・・・つまり罪悪感があったのね・・・くうふう~・・・スマイルおわって脱力だわ~・・・マイケル死んじゃってちょっとショックだよ~ikasama4複雑すぎて・・・なんだか・・・混乱してしまうドラマですね~。なんと・・・そもそも多重人格のような架空の精神病という設定なのですかーっ・・・素人をだますにも程がありますよね~。なるほど・・・天才少女だったのか・・・難しい漢字も軽々分るし・・・テレビからの情報収集だけで相当な知識を得ていたのですね・・・教育テレビ見てれば大学生以上の教養を得ることもできるか・・・そして・・・それは悲しいかな小学生のような心の中で育まれていた歪があるんですよね。きっと。復讐途中なのに指名手配に驚いたりとか・・・か。狂いたくても狂えない強靭な精神力でロッキーのように体力を作り・・・ひそかに射撃の訓練もして・・・脱出の機会を待ってたのか・・・ゴキブリ食べながら・・・これが本当の壮絶な人生の物語なのですな・・・しかし、お茶の間向きとは金輪際言えませんな~大河ドラマの脚本家と足して2で割るといいのかもですな~

月曜日に見る予定のテレビ『ハンチョウ~神南署安積班』(TBSテレビ)『婚カツ』(フジテレビ)

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