疾しいことは何もないと目をそらす(唐沢寿明)あの方はお元気ですかと釘を打つママ(多部未華子)
世界情勢とホームドラマの落差激しいエリアである。
どうしようもないドラマとして評判の高い「東京DOGS」と重厚さが仇の「不毛地帯」が全くかぶるポイントがある。
壹岐家
家長・正(唐沢寿明) 妻・佳子(和久井映見) 娘・直子(和久井映見) 娘の恋人・鮫島倫敦(石田卓也 )
高倉家
家長・奏(小栗旬) 母・京子(田中好子) 妹・カリン(川口春奈) 妹の恋人・中谷祥太(吉村卓也)
家長というものは基本的に家族の恋人に対し闖入者的なものを感じ敵愾心を抱き不機嫌になる。
しかし・・・そういう時期をすぎれば・・・原型であるあの家のような平穏が訪れる・・・。
磯野家
家長・波平 妻・フネ 娘・サザエ 娘の夫・マスオ
フジテレビはそういう幻想をなんとなく肯定する局である。
まったく関係ないが味の素のCMで小栗旬の妹といえば川島海荷であり、NTTドコモのCMで田中好子の娘といえば成海璃子である。人間は量的にも情報を認知するので小栗の妹で田中の娘を演じる川口春奈のプレッシャーは大きいと考える。
秋ドラマ第二次なんちゃって高校生ビッグ3(もう二人なんちゃってじゃないじゃん)の陣(順位は平均視聴率)
①多部未華子「不毛地帯」・・・・14.1%↘11.1%↗11.6%↘*9.9%↗11.8%↘10.7%
②大後寿々花「サムライハイスクール」14.0%↘11.3%↘*9.6%→*9.6%↗10.6%
③志田未来「小公女セイラ」・・・*7.4%↗*8.0%↘*7.8%↘*7.6%↘*6.0%
※主役と脇役を同列で論じる脈絡のなさを責めないでください。
志田未来をみるとなんとなく杉田かおるでも安達祐実でもなくチャコちゃん(四方晴美)を思い出す・・・。
ちょっと舌ったらずだからかな。
で、『不毛地帯・第6回』(フジテレビ091119PM10~)原作・山崎豊子、脚本・橋部敦子、演出・水田成英を見た。昭和42年(1967年)5月22日、エジプトのナセル大統領はイスラエルの生命線とも言えるアカバ湾封鎖を宣言。中東における緊張感は一気に高まっていた。戦争で儲ける商社の群れはこぞって情勢を見つめ情報を分析する。近畿商事の壹岐常務(唐沢)は東南アジアの豪商・黄(石橋蓮司)との太いパイプ構築のために黄の要求するタンカーの発注を東京商事の鮫島(遠藤憲一)と競合していた。
そんな壹岐が憩いの家庭に戻ると待っていたのは鮫島の息子ロンドンくん(石田)と愛娘・直子(多部)の忍び笑いだった。
壹岐「ふ、不愉快だ」
ロンドン「まあ、お父さん、最近評判のケーキでも如何ですか?」
壹岐「娘とのお付合いはご遠慮願いたいと君のお父上に申し上げたはずだが・・・」
直子「まあ・・・お父様、帰っていらしたの・・・」
ロンドン「どうやら僕たち親同士のケンカの巻き添えになってるみたい・・・」
直子「まあ・・・ロミオとジュリエットみたいで素敵・・・」
壹岐「誰がキャピレットだと言うのだ!」
ロンドン「えへへ」
直子「うふふ」
壹岐は苦虫を噛み潰すという言葉の意味を知った。
一方、ライバル企業だけでなく、壹岐の出世を喜ばぬ近畿商事の副社長・里井(岸部一徳)にも足を引っ張られる壹岐。
里井の暗躍で近畿商事船舶部によるタンカーのチャーターは停滞する。
里井「新聞などの情報分析によるとアラブ有利のために開戦はなさそうじゃないか。第一、45万ドルでチャーターしたタンカーを40万ドルで貸し出したら損失が大きいだろう」
壹岐「それでは営業努力で35万ドルのタンカーを手配すればお許しがいただけるのですね」
しかし、何が何でも壹岐に手柄をたてられたくない里井は大門社長(原田芳雄)にあることないことを吹き込むのだった。
ユダヤの商人・日東交易の安蒜(団時朗)のコネクションでユダヤ系オレンジの輸入と引き換えにユダヤ系の格安タンカーを手に入れる壹岐。
一方、壹岐の部下である兵頭(竹野内豊)は黄に土下座して契約期日の引き伸ばしを頼み込む。
しかし、日東交易の顧問であり裏社会の顔役でもある国際的ロビー活動家・竹中莞爾(清水紘治)が大門社長を訪問したことを里井に利用され・・・タイミングから言って里井の画策と思われる・・・裏社会の介入を嫌う大門に壹岐の行動は悪印象を与えてしまう。
里井はその大門の言動を誇張して壹岐に伝え、日東交易との取引も黄との取引もすべて白紙に戻してしまうのだった。
兵頭「そんな・・・俺たちの不眠不休の努力は里井副社長の横槍一本で一切が無になるのですか」
壹岐「無ではない・・・和なのだ・・・耐えがたきを耐え忍びがたきを忍ぶのだ」
兵頭「・・・大和魂ですか・・・」
黄との契約は東京商事が横取りした。
商談を終え日本を出発する黄の見送りに出た壹岐と兵頭の前に鮫島が現れる。
鮫島「この度は当社をご利用いただきありがとうございました」(ニヤリ)
壹岐「ご期待に沿えず申し訳ありませんでした」
しかし、黄は「これからの国際貿易において壹岐さんの情報分析を頼りにしています」と慰める。そして壹岐贔屓のデ・・・黄夫人(天海祐希)は鮫島と黄の握手を妨害するのだった。
その帰路、壹岐と兵頭の乗る車を追い越す鮫島の車。
鮫島(ニヤニヤ)
壹岐「・・・」
兵頭(運転手に)「負けるな・・・抜き返せーっ」
だが本当の勝負はこれからだった。
壹岐「我々の分析によれば近代化されたイスラエルの軍事力はアラブ諸国を圧倒しています。戦争は短期で集結するでしょう」
戦略家としての壹岐の発案により、開戦後の物価高騰の波は戦後素早く沈静化すると予測して「高値で売り抜ける」作戦を準備する近畿商事。
またしても里井は「新聞などの予想によると長期戦にもつれこむ可能性は大きいようです・・・壹岐の読みを信用して大損したらどうするのです」と横槍を入れる。しかし大門は「わからん・・・」と言いつつ勝負師の勘で今回は壹岐に賭けるのだった。
6月5日、第3次中東戦争開戦。イスラエル空軍は奇襲攻撃により、エジプト、シリア、ヨルダン、イラクのアラブ諸国の空軍基地を爆撃。アラブの空軍戦力を壊滅させ制空権を握ると戦車を中心とした機甲部隊と空軍との連携も鮮やかに電撃作戦を進行させる。アラブ軍は各地で敗走し、6月6日イスラエル軍はガザ地区を占領。6月7日イスラエル軍はシナイ半島を制圧するとともにアカバ湾入り口のチラン海峡を解放。6月8日国連の停戦決議を敗色濃厚なアラブ側が受諾。6月9日エジプトのナセル大統領敗北宣言。6月10日ナセル「戦争は負けたが大統領は辞めない」と涙目で宣言。6月11日戦闘終結。世に言う六日間中東戦争である。
近畿商事は壹岐の作戦通りに物資を高値で売りに転じて大儲け、東京商事を始めとする各商社は調子に乗って買い続け大損害を蒙ったのであった。
鮫島(涙目)「泣いてなんかいないさ・・・煙草のケムリが目にしみただけ」
大勝利に沸く東京商事を他所に壹岐はシベリア抑留者の会に参加する。勝って兜の緒をしめよ・・・なのである。「あの戦争だって最初は大勝利だったのだ」・・・壹岐は不毛の大地に眠る英霊の魂を忘れることができない。
しかし、前線で戦って生き残った秋津(佐々木蔵之介)のように世を捨て反省の日々を送ることもできない壹岐だった。そして、壹岐はまだ知らない。南方の戦線では日本の敗戦を信じず、グアム島では横井庄一伍長(1972年恥ずかしながら発見)、ルバング島では小野田寛郎少尉(1974年天皇陛下万歳投降)が未だに死線をさまよいつつ戦争を継続していたのである。敗戦の日から22年を経たその時もなお・・・。
忸怩たる思いの壹岐だったが、秋津の妹の千里(小雪)の縁談にはなんとなく不快を感じるのだった。
壹岐「・・・」
そんな壹岐の心を読み取ったように釘を刺す妻・佳子(和久井)。
佳子「何かありましたか」
壹岐「いや・・・何もない・・・」
もやもやした壹岐は怒りを大門社長にぶつける。
壹岐「私が立案した作戦を・・・妙な嫉妬心で妨害されるくらいなら・・・肩書きなど無用。あるいは・・・」
大門「もっと出世させろかいな・・・壹岐くんにも娑婆っ気が出てきたか・・・しかし・・・社長の座は渡せんぜ」
壹岐「そこまでは申しません(今のところは)・・・」
短期的視野では短期で終った第三次中東戦争であるが・・・長期的視野に移れば中東の火種は消えることはない。スエズ運河を挟んでにらみ合うイスラエルとエジプトは翌1968年には挑発的な砲撃戦を開始、消耗戦争と呼ばれる長期戦を続けるのである。このためスエズ運河は通行不可となっていく。事態はまだ流動的だった。
その頃、京都大学では自衛官の入学を拒否するという教育の自由をないがしろにする決意を表明。日本の防衛力の弱体化を図る日本国内のソ連軍スパイの暗躍が続いていた。
関連するキッドのブログ『第5話のレビュー』
土曜日に見る予定のテレビ『尾野真千子の外事警察』『アグリー・ベティ2』(NHK総合)『志田未来の小公女セイラ』(TBSテレビ)『大後寿々花のサムライ・ハイスクール』(日本テレビ)『大橋のぞみのハッピーバースデー』『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』(フジテレビ)『貫地谷しほりの棟居刑事の黙示録』(テレビ朝日)午後九時にまたもや四つのドラマ激突。勘弁してください。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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