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2006年4月22日 (土)

赤い奇跡の仇を富豪刑事で討てるか?

「まるで雪みたい」ふりそそぐ札束に「本当に雪だったらよかったのに」という絶妙のセリフを残して、終了した『富豪刑事』が帰ってきました。前作は原作に忠実な上に原作者までついてきて、やや窮屈だった、このシリーズ。原作は種切れなので、今度こそ、のびのびとやってもらいたい。オフィスクレシェンドにやらせればいいのにと思ってしまうキッドを沈黙させてほしい。

深キョンは『赤い奇跡』で視聴率苦戦したので、ここで挽回だ。路線的にはこっちだ。逆説的な拝金主義否定のこのフィールドで思いっきり、ありえないお嬢様見せてくれ~。貧困をいいわけにする無能な庶民に喝だピョン。ついでに栃木県警および東京消防庁、そして海上保安庁の心ある皆さん、苦しいだろうがもっとがんばれ。

で、『富豪刑事デラックス』(テレビ朝日060421PM9~)原作・筒井康隆、脚本・蒔田光治、演出・長江俊和を見た。

技術的な問題なのか、アナクロなのか、わざとなのか、合成部分が気になってしまう。わざとならやめた方がいいような気がする。朝食の庭園での美和子様のバックとか、礼次郎邸に着陸する自家用ジェットとか、ホテルとプリンセスミワコ号との連結俯瞰ショットとか、ここはすっきりとありえない映像を見せてほしい。予算不足のために不可ならごめんなさい。辻褄で言うと、自家用ジェットはハリアー系であるべきだと思うし・・・。

と、いうような細部の問題はさておき、全体的にはまずまずの出来ばえではないでしょうか。某夫人なんか存じません、愛象はしつけが肝心、伝説のダイヤよりお仕事が大切・・・と美和子パワーも全開だし、野波麻帆婦警のドロドロ庶民も健在だし、『相棒』と『踊る』が合体したような警察官僚チームも素晴らしい。それぞれのキャラを大切にして、この夢の世界のリアリティーを形成していってもらいたい。

ファンタジーも現実もフィクションにすぎない。この正解を表現するにはこのドラマは最高の素材なんですからね。民放テレビ局はあくどい広告収入(チワワを使った自殺幇助とかアル中増加の原因とか大気汚染の元凶とか)で稼いだお金をこういう素敵な夢作りにつぎこむことで罪滅ぼしをするシステムなんですから。

そして・・・つづくかよ。つづくなのかよ。ま、キャスティング的に15分延長では賄えないとは思ったけどね。

これはひょっとして、『トリック』の2話完結パターンに味をしめているのではあるまいな。

日曜日に見る予定のテレビ『おいしいプロポーズ』(TBSテレビ)

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