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2006年5月20日 (土)

太田光が田中に解説してもらえないボケ。

お笑いをどの程度、お客さんに分かってもらったらいいか。という問題がある。漫才というのは初心者向けのお笑いという側面を持つ。ボケが面白いことを云う。しかし、面白さをお客が理解できるとは限らない。そこでツッコミが笑いのツボを解説するというスタイルである。スポーツ中継の実況アナと解説者も同じスタイルだ。

知らない人もいるかもしれないので一応言っとくと、爆笑問題の太田光はボケなのです。

と、私がボケた時にすかさず、田中くんが、「今時、そんな奴いないだろう」とツッコミを入れるわけです。このように漫才とはお笑いと言うものを知らない子供にもこういう風に笑うんだよと教えてくれる優しいシステムなわけです。ツービートという漫才師からビートたけしが生まれたのはこのシステムの延長線上にツッコミの甘さに対してボケがさらにツッコミを入れるというひねりがあったからなのです。太田くんは残念なことに甘いツッコミを持たないので時々、ボケっぱなしという荒技にチャレンジしています。ま、ほとんどの場合、笑えないのですけどね。

で、『太田光の私が総理大臣になったら・・・秘書田中』(日本テレビ060519PM8~)構成・桜井慎一(他)、ディレクター・松山和久(他)、演出・三浦伸介(他)を見た。タレントが擬似議会で擬似法案を提出し、タレントの擬似議員に賛否を問うという企画。

今日の法案は「太田光提案・アメリカ政府には今後ビタ一文払いません」「橋下徹提案・昼間に家のカーテンを閉じることを禁止します」である。

太田のボケは「日本は米国に金を恐喝されている」で始まる。「世界で一番危険なのはアメリカなのだからアメリカは武装解除するべきだ」「日本は戦争をしないのだから軍隊はいらない」「日本は戦争をしないのだから防衛はしない」「日本は戦争しないのだから全国民が殺されても抵抗しない」「日本はアメリカに占領されているのだから中国や韓国にも占領してもらった方が公平だ」「侵略戦争をしているのはアメリカだけで中国のベトナム侵略や旧ソ連のアフガン侵略は嘘だ」「日本はアメリカの奴隷をやめて全世界の奴隷になるべきだ」「アメリカ的な民主主義ですごい競争するよりも共産党独裁下の開放経済でちょっとだけ競争した方がいい」・・・ま、大江健三郎の障害児を持つ父親視点の絶対的平和主義、野坂昭如の殺されたほたるのための非武装中立滅亡論とほぼ同じ方向のボケなのであるが、キッドは大笑いでした。しかし世の中のほとんどの人はボケが理解できなかったのではとも考えます。法案は賛成10、反対13で否決されました。

橋下のボケは賛成8、反対13で否決されましたが、日本テレビアナウンサーの盗撮問題、さらに事件を実名報道しない問題で騒ぎのある中、すでに収録してしまったのでこのタイミングでオンエアされたことが、お笑いの神様降臨の証となりました。ま、キッドとしては「隠されているから覗きたい」のだと思いますが。隠し味とかね。雪隠とか。・・・いかん、いかん、変態であることが明らかではないか。

視聴率は10%の手前ということなので、田中をどうからませていくかがもう一考ですね。もちろん、それじゃ、他の番組と差別化できないというこだわりもあるでしょうが。でも太田光のコラムほどには笑えないですからね。それでは目先を変えてる意味がないのでは。もっとも今日あたりは2chではだいぶ釣られているようでしたけど。そうなると毎回日本戦略ネタなのか。

日曜日に見る予定のテレビ『どうぶつ奇想天外!』(TBSテレビ)

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