妖しい松下由樹の呻き声、妖しい佐藤仁美の高笑い。
おとり捜査官シリーズもついに第10弾だ。今回、怪しいのは佐藤仁美、国分佐智子、水沢アキ、来栖あつこ、赤沢美代子、浅田好未(引退していなかったのかパイレーツ)、林マヤ(違うだろうな)、男では山崎樹範、岡田浩暉である。ま、バレバレなんですが。
脚本は共同脚本だが本シリーズ2本目の外村朋子(とのむらともこ)さん。元テレビ局の美術スタッフ、2時間ドラマ新しい切り口を見つけたいと放送作協の新入会員紹介で抱負を述べている。がんばってください。
これまで痴漢を装った愛、変態を隠すためのバラバラ殺人、ストレートに羊、美人令嬢連続、ナース連続・・・といったややアブノーマルな犯人たちを追い詰めるおとり捜査官なのだが、もちろん、殺人を犯すのでアブノーマルは当たり前だろうという意見をキッドは却下。まともな人の殺人行為はあると思うし、アブノーマルは別に悪ではない。本シリーズにはあえて「アブノーマルな人が殺す」というこだわりがあるのだと思う。
で、『土曜ワイド劇場おとり捜査官・北見志穂10左手を盗まれた美女連続殺人』(テレビ朝日060506PM9~ナイターややおし)原作・山田正紀(原作はすでにネタぎれなのでオリジナル)、脚本・外村朋子、脚本・監督・長谷部安春を見た。
ノーマルアブノーマルと善悪をからめ、最後に虎口に囮が飛び込むこのパターン。今回も変態が次々に登場する。まず、手フェチである。今回、手は重要な要素だから、当然だ。それから車で女性追跡マニア、近親相姦的な母と息子、横取り愛好家、ネイルマニア、ナルシストと連続登場。ここまで登場するとノーマルに装っている人が犯人であることは間違いないだろう。なにしろ、囮捜査官はプロファイリングをするのだからオタク、蟹江敬三は娘を殺されても捜査をやめない刑事捜査中毒と取り締まる側もアブノーマルなのだから。
導入部で手の静脈による個人判別のテクノロジーが挿入され、ミスリードを誘おうとするのだが、犯人にその気がないので、やや、的外れ。やはり、手フェチの秘密パーティーの方がしっくりくる。個人判別テクノロジーマニアがからんでこないとダメですよ。
マネキン工房の廃屋で不気味に鳴り響く笑い声。ああ、ゲストに菅野美穂で、アブノーマルな犯人もお願いしたい。もちろん、映画『バウンスkoギャル』以来のファンであるキッドにとって今回の犯人には大満足なんですがね。
もうすぐ10年になるこのシリーズ。20代の終わりから主役を張っている松下由樹さん。まだまだ囮でいけるというのも不思議な女優さんだ。ずっと続けて欲しいな。
それにしても長谷部監督、映画『すけばん刑事 ダーティーマリー』(1974)の味わいを今も残すとは、すんげえアブノーマルだと思うな。天才は死ぬまで成長するのですね。
月曜日に見る予定のテレビ『名探偵コナン』(日本テレビ)
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