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2006年5月25日 (木)

いぬかみ!にサトシ(メガネ)が来襲!

コミック『うる星やつら』に『鉄腕アトム』のパロディーがあったはずなのだが、どうしても見つからない。ノース2号の触手が変換するシーンのパクリだったのだが。・・・うーんと、それじゃ、小説『不思議の国のアリス』でもいいや。多次元世界の入り口となるドアの作り手たちのウサギ。あれはアリスのウサギである。

『うる星やつら』はそのような原典探しのおタク心をくすぐるイメージに満ちた作品だった。弁天様に雪女、神や妖怪が跋扈するストーリーでもある。アニメ化された時に作り手がおタク心を増幅してかなりアレンジ。心のせまい原作ファンをすでに怒らせたりしている。

その代表とも言えるのがアニメにおいて原作にはない過剰な出番を与えられ、準主役にまで登りつめたメガネことサトシ(声優・千葉繁)である。彼はデブじゃないおタクの典型として今もなおカリスマを維持しているらしい。

で、『いぬかみ!』(テレビ東京060525PM1~)原作・有沢まみず、脚本・久島一仁、演出・三宅和男を見る。今回、同人誌おタクである河原崎直己というキャラが登場するのだが、これがメガネにくりそつ! 声優は千葉繁(特別出演)さんである。

もちろん、アニメ『いぬかみ!』はアニメ『うる星やつら』のイメージにみちあふれた作品なのだという話である。主人公男女は色餓鬼でいろいろな異性にもてたい男の子啓太と、妖怪変化の類で独占欲の強い女の子ようこである。まさにメイン設定、あたるとラム。男の子は乙女心が分からないと女の子に火炎や電撃でちゅどーんっと制裁されてしまう。『うる星やつら』の原作者・高橋留美子さんは現在『犬夜叉』を手がけているが、犬神のようこはまさに男女入れ替えワザのようだ。

今回、コスプレタイム(制限2時間)を呪うにわとりとようこに横恋慕する河原崎が手を組み、町はコスプレパニックに陥る。犬神使いの啓太はねこ耳スクール水着、ようこは魔法少女、河原崎はセーラームーン系、町の人々はメイド喫茶系だの、特撮ヒーローだの、巫女さんだの、バレリーナだの、ミニスカポリスだの・・・はなかったか・・・にコスプレされてしまうのだった。制限時間が来るとコスプレは消去されて全裸。男子中心の象さんオチである。

ま、パクリだろうが、オマージュだろうが、楽しければいいのではないかとキッドは考える。なにしろ、格闘シーンで『あしたのジョー』がいまだに受け継がれているというのは伝統文化を語る上でも肯定的にとらえたい。著作権者としては気持ち悪いかもしれないが。ここは大人の度量で・・・。

河原崎の捨て台詞は「お兄ちゃんと呼んでほしかった」・・・グッドジョブ。

エンディングテーマは「大変大変とみんなで騒ぐと悲しいことも忘れちゃう」(『友情物語』)である。「変と変を合わせてもっと変に」してもらいたいのである。もちろん、時代は変遷する。ラムの乙女心とようこの乙女心は微妙に違う。この違いがおタクにはまたとてーも愛しいのであります。

関連するキッドのブログ『迷える魂、シューティングとシミュレーションの間で。』

金曜日に見る予定のテレビ『ザ・ヒットパレード芸能界を変えた男・渡辺晋物語』(フジテレビ)

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