SAMURAI7~サムライ7(2004)~七人の侍(1954)
主題歌が変更されているが他メディア作品『サムライ7』のほぼ再放送である。
映画『七人の侍』のアニメ化であり、『荒野の七人』が西部劇、『宇宙の七人』が宇宙SFであったように舞台を遠未来SFに移行している。連続作品として登場人物とストーリーは水増しされている。
様々な作品の原点となっている『七人の侍』であるが、その原点を映画で探せば『駅馬車』(1939)と云っていいだろう。日本の古典では「桃太郎説話」が無力な民、異人と仲間集め、鬼退治と原典としての要素を備えている。傭兵という意味では『モロッコ』や『外人部隊』の影響も認められるし、防御戦闘を主とした攻城戦史に多くの材を得ていると思われる。時代背景として、階級闘争や再軍備の問題もそこはかとなく漂う。エロスからの妄想としては純愛から妻を略奪され性的奴隷にされてしまうという泥沼まで展開されている。
で、『SAMURAI7』(NHK総合060513AM0030~)原作・黒澤明、シリーズ構成・冨岡淳広、脚本・高橋ナツコ、演出・多田俊介、監督・滝沢敏文を見た。第5話『お粗末!』で黒澤作品では千秋実の演じたヘイハチ=平八が仲間になる。「苦しい時には救いになる男」だが最初に討ち死にして勘兵衛に「これから苦しくなるというのに・・・」と嘆かせた男である。本当に子供の頃のキッドはこの場面とても悲しく思ったのだが、今ではちょっとしたギャグだったのかもと思える。
とにかく、原作が良いので、話は持つのだが、ハリウッドの『荒野の七人』は別格として、原典を越えた作品に仕上がったためしのないこのパクリ系。その中ではシリーズ展開という手法でなかなかの作品になっている予感がある。登場人物の誰もが主役と云える原典でキッドの主役はなんといっても菊千代なのだが、本作品では表情のない機械の侍として描かれている。階級闘争を背景として芽生える勘兵衛と菊千代の心の交流、そして菊千代が最後を迎えた時の勘兵衛の絶叫。キッドの最も愛する1 シーンが裏切られぬことなく描写されるといいのだが・・・。
カンベーとシチロージの同性愛濃度が濃くなっていたり、カンベーが意味もなく戦闘中に相手の股間をにぎったりと、かなり不思議な展開も見せる本作品。そういう部分は穿った解釈としてキッドにフィットしているので大丈夫のような気もする。
しかし、勝四郎の恋愛相手が志乃から、キララというオリジナルキャラクターに変更されているあたりに一瞬危惧を覚えたりもする。
好きな女を見知らぬ男たちにいいようにされている利吉的な心情を味わうキッドなのだった。
プライド高いプロフェッショナル、そして無用の男たち。彼らの負け戦は永遠に続くのである。
関連するキッドのブログ『上戸彩VS名探偵コナン、4年前の約束って。』
日曜日に見る予定のテレビ『笑点40周年だよ!さらば円楽スペシャル!』(日本テレビ)
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