上戸彩VS篠田節子。いい勝負だったな。
みんなは違うかもしれないけれど、キッドにとって火曜9時は難しい時間帯なのだ。フジテレビはそこそこのドラマを維持している。視聴率だと13~18%くらい。たとえば春ドラマは上戸彩でリメイクである。これは見たい。ところが日テレのドラコン(旧火サス)はものすごいキワモノでチャージを仕掛けてくるのである。視聴率だと9~20%くらい。もっともほぼでいうと9~12%くらい。この数字でずっと来て春を迎えているのだから、それなりにすごい。
ドラコンは毎週がいきあたりばったりという感じのものすごい企画が来る。しかも、自覚があるので「女たちの危機を救え!シリーズ」などともう無理矢理まとめてくるのである。おいおい、日本脳炎では男も死にますって。っていうか、ナチュラルホラーあるいはSFのジャンルの話ですからねえ。今回、篠田節子の『夏の災厄』のドラマ化である。とにかくこれも見たいのである。
しかし仲間はいるのである。2ch実況で1スレ消化はタッチの差で日テレが勝利したのだ。ま、ほとんど診察シーンの勝利だし、2スレ目で追い抜かれたのだが。しかし、その後も疫病パニックもののジワジワ怖い感じと研修CAの『私は離れています』『私も離れています」「いちとーにーとーさんとー」救命活動でそこそこデッドヒートがくりひろげられていく。それはあたかもブラジルVSガーナ戦の展開を暗示するかのようであったのだ。
で、『アテンションプリーズ・最終回』(フジテレビ・060627PM9~)脚本・後藤法子、演出・佐藤祐市を見た。フリオチでいえば今までの10回がフリで11回目の今回がオチである。このオチは難しい。空が舞台なので飛行機が落ちるのが一番盛り上がるのだが、それはさすがに禁じ手のようなのだ。もちろん、CA訓練生の物語なので上戸がCAになれるかどうかというポイントもあるが、なれないというカードは切りにくい。錦戸と相武紗季との三角関係の行方というのもあるが、なーんかそんなムードでもないって感じ。こりゃあ、困った。
スタッフが選択したのはなだらかにオチていくという展開だった。のほほんとあたりさわりのないオチを連打して、どうかこれで勘弁してくださいと哀願するスタッフの顔が見え隠れするのである。まず、先週の続きである、相武の錦戸に対する告白の結末、それは伏せる。とにかく『がんばっていきまっしょい』と展開と役者がかぶっているので。そこで南海キャンデーズしずちゃんが突然帰宅。これが最終回のフリだ。そして最後の研修フライトへ。機内で心臓停止者発生。救命活動にはいる。さあ、ここからオチの始まり。心臓動き出す。機内に蘇生の感動。相武やっぱりふられてた。失恋の涙。研修終了全員合格。真矢みきと心の交流。そしてしずちゃんは先輩CAだった。そして、錦戸と上戸は将来のために保険をかけあう。エピローグ的に上戸と愉快な仲間たちがエンディングテーマをエアライブ。さらにエピローグのエピローグでCAになった上戸が路上でかっての自分のような訓練生と出会うのである。・・・楽しかった。よくがんばりました。けれど、オチてないと思います。
で、『DRAMA COMPLEX~ウイルスパニック2006夏』(日本テレビ060627PM9~)脚本・宇山圭子、演出・下村優も見た。原作はウイルスの遺伝子操作を巡る医学ミステリでもあり、感染症に対する行政の対応などを描いた社会派サスペンスでもあるが、基本的には疫病パニックホラーである。作者はどんなジャンルでもホラーに持っていける天才直木賞作家だから。そのため、ある意味でオチは決まっている。疫病で人類が絶滅するか、誰かが阻止するかである。原作では阻止できないが、人類はそこそこ生き残る展開だった。つまり、オチ的には楽なのである。どっちかにしておけばいいのだ。
ところが、それが油断になる。ともかく、致死率の非常に高い疫病が発生する。じわじわと人が死ぬ。主人公の母(りょう)と少年の周囲でも、同僚の看護婦だとか、仲のいい少女とかが、突然死していく。やがて、伝染病と判明するが、お役所や医療機関は責任問題を恐れて対策が後手に回っていく。それどころか、原因が行政や医療機関の人為的なミスであることが分かる。感染源の特定という謎解き、風聞の流布による差別の発生や住民エゴ、産廃業者問題、主人公の恋の遍歴と、問題はどんどん拡大していくのだ。そして、もはや手に負えない状態でドラマ終了数分前を迎える。こ、こりゃあオチないかもしれんぞ。とドキドキする。そして、急転直下、昔の恋人の家庭を破壊するりょうの復讐劇が始まるのである。巻き添えを食って罪もないサテライトスタジオのパーソナリティー赤坂泰彦が死に至り、事件は終焉を迎えるのだった。もちろん、りょうの気は晴れるのだが、疫病の勢いは止まることをしらない。災厄の夏が来る・・・え、えーっ、そりゃあ、思い切ったオチでしたねえ。ま、いいですけどね。途中経過が面白いからいいかあ。という感じで。
ふう。今後もこの時間の戦いは続く予感。アイドルも好き。キワモノも好き。というキッドの嗜好が問題なのだが。好きなものは仕方ないのである。
金曜日(木曜深夜)に見る予定のテレビ『ハチミツとクローバーⅡ』(フジテレビ)
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