私がいなくなったって、誰も・・・。(お嬢)
今さら、このアニメかよ。とも思うのだが、視聴率2%未満の世界ですが、先週もかなり、面白かったので今週も見てしまいました。今、『サイボーグ009』のプラスマイナス双子の兄弟ネタが何故か頭に渦巻いております。プラスとマイナスの電荷を負った二人のサイボーグ。武器は電撃ですが、二人は手をとりあうこともできない。これはショートしてしまうからなのです。ジョーが加速して逃げるのでつい接近してしまうプラスくんとマイナスくん。見つめあい「近付きすぎたな・・・」ああ、ロマンチック。
もちろん、『週刊少年ジンマガ』発行の談講社(特定のモデルはありません)の五島雄山編集長が鬼哭丸船長の双子の弟だということが原因です。この二人、どれほどはなればなれなのか。原作を超越した五島編集長はどれだけ巨大なドアを開けて入ってきたんだサイズです。あきらかにキングコングなのですが、影から入るのはなつかし鉄人28号スタイル。といっても、初期鉄人より五島編集長の方が巨大なのですが。コミック作家志望の少年が主人公(特に今回は)なのでパロディーネタもなんだかさわやかに感じます。
ありきたりのキャラクター設定とか、類型的とか、月並みなパターンとか脳(ママ)のない評論家が無能の評論をするのですが、現実からの模倣もふくめて創作はすべて模倣にすぎないという原理があまりにも無視されがちなのであえて言っておきます。ちょっとしたボケ、あるいはプラスアルファの加減がすべてなのです。マンガを愛するハリマオ(ターバンなし)・・・トレビアン! 締め出された男、招かれた男、試された男・・・グレート。正統派学園ラブコメディー・・・文句なし。
で、『スクールランブル 二学期』(テレビ東京060717AM0130~)脚本・金春智子、演出・大久保政雄を見た。脚本家はキッドよりちょっぴりお姉さんである。『うる星やつら』なども手がけ、家柄もよろしく、高学歴。なんだかうらやましい。そして、脚本は手堅いのだ。劇場版では『うる星やつら』ビューティフルドリーマー』が彼女ではないほどに原作に忠実であることを宗としているのだ。そして彼女なりにプラスアルファである。さすがに模倣に始まり工夫に終る伝統芸能の血筋である。だから、原作が比較的にアタリで彼女が担当した今回はキッド的にはアタリ判定をしたい。・・・天の配剤なのか。
ピンチヒッターとして描いたマンガが雑誌に掲載されてしまうという夢のような展開に胸躍る播磨拳児が「好きな女の子と同棲する」という自分のマンガと同様に冬休みの間、塚本天満・八雲姉妹と同居することになるという夢のような展開である。この三人、八雲→播磨→天満という恋の追っかけ状態になっている。ハチクロとは違い、胸キュンがクールであるのはやはり少年誌だからですね。っていうか、今日から『スクールランブル冬休み』にタイトル変更すると予想していたのにハズレったっす。
華々しく展開するクラスメートたちから離れ、ほぼ三人で展開する今回。なんか、素敵なのです。ニートのNは日本のN。ニートのNは農家のN。ニートのNは妊娠のN。社交しなければ生き辛いという一般人の社会が間違っているのです。島国で田畑を耕し子を産み育てるそれが日本のあるべき姿じゃないのでしょうか。それってひきこもりですよねえ。冬はこたつでのほほんと・・・って真夏なんだよ。暑いんだよ。現実というフィクションはね。狙いか。それが狙いなのか。
で、冬休みの天満が専業主婦のように見るテレビはレッサーパンダのグータくん。一日77杯のエサを食べ、毎日10センチ身長が伸びて、現在、3メートル以上になりましたって、見たーいの。その動物園に行きたいの。天満は妹と播磨がラブラブだと信じており、理想の男性をメールでアンケート調査。「髪型の変化などに目ざとい」「不味い料理も黙って食べる」「ピンチの時には力強くしかも暴力否定で問題解決」「顔がいい」などをチェックするのだが、ここでクラスメートのものまね披露。天満(声優・小清水亜美)ファンは大満足の展開ではないか。
そして妹さんこと八雲である。あいかわらず、健気な理想少女っぷりがパーフェクト。「来週までに120ページ描いて来い」とかおっしゃる五島編集長にも「俺に一歩もひかなかったのはお前だけだ」と巨神兵モードでその他大勢をふっとばす特別あつかい。20年ぶりのスマイルを引き出し、指先握手を求めさせる。そのにぎにぎぶりがエロゲーをふっとばす、確信犯ぶりだ。劇場公開ならオタが全員息を飲んで一人か二人失神したに違いない。おいおい、キッドそこそこにしとけ。
締めは映画『着信アリ』パロディーである。虚構内は冬なのにホラーネタを配置するところが分裂していてグッドジョブ。夏クールになってもエンディングは時東ぁみの『この涙があるから次の一歩となる』のまま、三学期まで引っ張るのか。曲は名曲だからいいか。オープニング『せんちめんたるじぇねれ~しょん』も名曲なのだが、もうひとつパッとしなかったのはビデオ・クリップがイモすぎたのではないか。メガネッ子の魅力はおもちゃの鼻付き眼鏡への連想の有無が境界線だと思うのだがモロだったからなあ。作品世界への無理解をおタクは見逃さないのであり、つんく♂は何かを見失っている気がしてならない。思い出せ、上京物語の魂を。
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火曜日に見る予定のテレビ『DRAMA COMPLEX 雨宿りの恋・うさぎと亀より』(日本テレビ)
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