汚れた唇を洗い清めてくる。(皇帝ヴェッティ)
『ガラスの艦隊』というタイトルだけでなぜ『ベルサイユのばら』を連想するのか、不思議だ。やはり、『ガラスの仮面』を経由しているのか。『ガラスの風景』は遠いから。やはり、ガラスの仮面(少女マンガ)→宝塚歌劇→『ベルサイユのばら』というルートなのだろうな。で、扉をあけると本当にベルばらなのである。言葉の魔力をそこはかとなく感じる。ガラス→ガラスのパンプス→サファイヤは後藤真希でも良かったのに→リボンの騎士→宝塚歌劇というルートや、ガラス→ガラスの靴→シンデレラ→大人の階段のぼる→思い出がいっぱい→みゆき→銀座みゆき館→東京宝塚劇場というルートはパイパスか。
今回のミシェル(ラシーヌ)の思い出ポエム「人の宿命(さだめ)とは何だろう? 人が背伸びをして運命(さだめ)の星に触れようとすれば 激流の大河に足をすくわれ沈み果ててしまう 我々は寿命(さだめ)という重い鎖に繋がれている その鎖を断ち切ることができるのは 研ぎ澄まされた剣ではなく まして強靭な斧でもない もしあるとすれば それはただ 吹き抜ける風のみ」
(解説)人間はなぜ死ぬのだろうか。チビは星に手が届かない。流れるプールで足が立たないこともある。DNAって軽いけどいっぱいあるから重いのかな。剣や斧では大きすぎて遺伝子の繊細な切断は難しい。放射線のような刺激ならできると思うよ。放射線は目に見えない風のようなもの。ふりかえるとそこにはただ風が吹いている。答えは風に吹かれてる。何のこっちゃ。
で、『ガラスの艦隊・#22修羅のごとく・・・』(テレビ朝日060830AM0240~)脚本・米村正二、絵コンテ・滝沢敏文、演出・白石道太、作画監督・梁炳吉を見た。(これまでのあらすじ)艦隊型領土に居住する人類は艦隊支配者の貴族と貴族が抗争を繰り広げ、革命前夜のヨーロッパの様相を呈していた。旧王家、新皇帝、教会そして人民軍いりみだれての領土争奪戦。楽しい戦いの日々、しかし、深刻な破滅の危機が忍びる。破滅からの逃避に必要な喪失旧世代テクノロジー・タイムマシン戦艦の鍵を握る二人の王子、クレオとヴェッティはかたや海賊、かたや神聖帝国皇帝となり敵味方に分かれて宿命のライバルと化していた・・・。うわあ、こてこてだぁ。
で、今回も艦隊決戦はありませんでした。修羅のごとく、艦隊決戦。宇宙に散華する盛大な花火大会はいつになることやら。どちらかといえばドロドロ情念重視の今回。好きな人にはたまらなかったのでは。皇帝ヴェッテイに利用される十字星教法王の娘・自称愛の神レイチェルはついに恋敵のお小姓ラルフを刺します。「わーい、かわいい、さすがボクですね」を愛の十字の祝福でグサリです。思い込み激しい女の恨み思い知れです。こわいですねぇ。
ついでに預言者ギルティ(顔少女声老婆)をヴェッテイが一刀両断首チョンパしちゃいます。たいした秘密でもないのにもったいぶってるから当然の結末です。どうやら機械の身体だったようです。ヴェッテイにとってレイチェルの裸身もはだかでおひざの上でおねだりも人類の命運も知ったことじゃありません。「俺はお前を倒す」のであります。
一方、ちょっとトーンダウンの主人公・疾風のクレオはヴェッテイに命を捧げようとするのですが、それじゃあ、ストーリーが続かないので姐御アイメルが身を挺します。今だから言える「あたしはあんたが好き」愛の告白挺身隊なのであります。初めての抱擁に幸せを感じつつ崩壊宮殿からの脱出。勝負はお預けです。はたして、アイメルの一命、どうなることになりますか、で、(つづく)のであります。
う~ん。面白いといえば面白いかな。もう少し、なんだけどな。絵コンテ、セリフ、キャラの動き、作画、すべてにわたって情念への情熱が、やはり、老舗、伝統、生身の宝塚歌劇団には遠くおよばないような。石井徹也ガマ親分いかがでしょうかね。「ふん、勉強がたりませんね。毎日劇場に通って」「十年ぐらいでしょうか」「いや、親子二代で通ってやっと序の口ですな」「・・・・・・・・」
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