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2006年8月29日 (火)

ウソをついたらばれるというフィクション(虚構)

志に登るということではないだろう。登る志すなわち上昇志向のことであろう。上昇志向がすべての高度成長時代のシンボルなのだから、そういう素直な読みの方が自然だと考える。ひねりさえすればボケが成立すると思ったら大間違いだぜ。

そういう疑問を感じはじめると楽しめないのでなるべく感じないように見る。キッドも遠い親戚に資生堂の関係者がいるのだが、あえて言うと、とりあえずCMと本編は差別化してもらいたい。試みとして最初ぐらいは許すがCMというビジネスと本編というエンターティメントを混然とすることは料理のスープの中に請求書をまぜている行為というたとえで理解していただきたい。しかも、このドラマ本編の中のCMというかくし味もあるのである。しかし、資生堂は肌に合う合わないはともかく自分の「おしゃれ」には自信を持っている。ある意味「わが社の請求書は美味しいのです。お食べください」というほどの態度。鼻につく人はつくよな。キッドはとにかく親戚がいるのでこれ以上の言及はさけますがその姿勢どうよ、うつくしくなくなくな~い。

とにかく、すごく評価しにくい番組。ドラマなのか。杉山登志のCF(コマーシャル・フィルム)の再現メーキングなのか。資生堂の長い長い長い長い長い長いコマーシャルなのか。未だに判別できない。でも藤木直人も、内山理名も、藤竜也もそこそこの演技をしているのである。だから・・・「ウソとは何か」という哲学をめぐる時空を越えたドラマとして見ることにした。

で、『テレビCMの日スペシャルドラマ~伝説のCMディレクター・杉山登志』(TBSテレビ060828PM9~)脚本・長谷川康夫(他)、監督・井坂聡を見た。藤木直人(登志)の妻になる謎の鉛筆はさみ女を香里奈が藤竜也(登志の弟・伝命)の青年時代を平岡祐太が演じている。おもちゃ箱をひっくりかえしたような要素ばらまきの構成である。スタッフはきっと片付けられない症候群なのであろう。ざっと整理すると①現代のかけだしのCMプランナー理名と竜也の援助交際のようなCM制作子弟劇。最後に平泉成がとってつけたようにスポンサー企業を批判する。ただし、資生堂を除く。②1945年終戦後の軍用機が飛ぶような空の下、貧乏なリヤカー兄弟が未来を夢見る幻想 ③1956-1973の杉山登志のエピソードを断片的にスケッチ ④杉山登志のCF作品(モービル石油など) ⑤一社提供の気が狂ったような資生堂CM(でもふられた私の歌はちょっと楽しい)の氾濫と篠原涼子のナビゲーションという区分があり、これがほとんど脈略無く何回もシャッフルされる。そのためほとんど意味不明の番組になっているのだが、辛うじて伝わるメッセージは次の通り。

①杉山登志は不審死した。第一発見者は弟である。②クリエーターが自殺するときの原因は基本的に失恋である。③どんなにウソでも本当だと思い込めばホントになる。④大阪人はタコ焼きが死ぬほど好き ⑤毎日放送としては精一杯のドラマだった ⑥ライブドアや楽天や建設業は批判対象になるが、自社ブランドとスポンサーは死んでも傷つけてはいけないという愛社精神 ⑦したっぱは使い捨てだけど伝説になった場合は何度も利用していい ⑧フィルムとVTRでは現場の緊張度が天と地 ⑨酒場に行けば世の中の動きがすべて分かる時代があった ⑩リッチでハッピーで夢があればウソを楽しめる

メッセージをお預かりしました・・・。

思い出すのは女優のために首をつった監督、奥さんに火をつけられた作家、愛に疲れて飛び降りた監督、同性愛のために首をつった作家、女のため灯油をかぶった作家、・・・みんなバカだな。そしてビョーキだな。だけど、愛しくて愛しくて今夜は泣くと思います。がんばった。だけど死んじゃった。そして生き残った人々は勝手な解釈を積み上げる。やはり生きるものが勝ちなのだ。もちろん、最後は全員、敗北するので、大差はつかない好ゲームなんですよ。人生って奴は。一瞬も一生も面白く。死生道。

木曜日(水曜深夜)に見る予定のテレビ『青春★ENERGY~もうひとつのシュガー&スパイス』(フジテレビ)

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