峰不二子大リーグボール2号を投げる。ファイヤーで。
七日間の狂詩曲である。とにかく新作は栗田貫一に慣れるまでの時間がかかるのと時々、栗田貫一に躓くのを耐えなければならないのがつらいのだが、いやならば、旧作を見ていればいいので、新作を見たいという気持ちに素直に従えば、なかなかに楽しい一週間だった。幻の日曜日。雨の日曜日。日曜日はダメよなのであるな。
新作を求めればドラえもんやサザエさんのようにいつかは声優陣を入れ替える時が来る。夕陽のガンマンやダーティーハリーが出来る声優が三枚目を演じることもできるというのがルパンの魅力の一つだった。今、ゾンビのフーテンの寅さんのようなものは過渡期である。願わくばルパン三世を演じるために生まれてきた俳優がひそかに育っていますように。できればジャニ以外の人がいいなあ。いや、ジャニだってふさわしければいいんですけど。
今回はおふざけに徹したルパン。筋も通っていて、ジャジャ馬娘を助け出せ→カリオストロの城なぞりではあるが、おしゃれでもあった。もはやこの水準を維持するのも大変なんだろうなあ。ルパンはお宝を狙い、次元はルパンを助け、五エ門はつまらないものを斬り、不二子は裏切るけれど憎めない、銭形は逮捕に失敗する。この鉄則さえ守っていれば、些少の傷は気にならない。何と言っても継続は宝だからな。
で、『金曜ロードショー・ルパン三世 セブンデイズ・ラプソディ』(日本テレビ060908PM9~)原作・モンキー・パンチ、脚本・柏原寛司、音楽・大野雄二、監督・亀垣一を見た。今回、五エ門はヘリコプター、三輪車、氷などを斬ります。斬れなかった物、別のヘリコプター(高すぎた)、展示ケース(不二子が調子に乗った)、一部の敵(気分が乗らなかった)などがあります。今回、五エ門の不二子へのときめき復活、ボケへの挑戦、ほんのり染まる頬など、全体のおふざけモードに引きずられた感はなかなかの新境地。銭形の身を案じ、銭形の不死身オチをフったりして、芸域を広げています。
空港で貨物扱いの斬鉄剣を待つ五エ門。これは初見。地味にリアルでおふざけ、悪くないよな。携帯電話を持たされたりするのも初期五エ門ぽくていい。ただし、リアルということになると競馬スティングネタはきっと審議のランプがつきっぱなしだからな。ま、プレゼンの段階だからいいのか。
次元が声のトーンを変えるといった遊びはクリカンをなんとかフォローしようとする友情にも見え、クリカンが迷いながら、ものまねとオリジンの間を彷徨う風は痛々しくもあり、せつなくもありました。ま、プロだからな。それではいかんのだがな。
シナリオは地味だけどちょっとおしゃれを追求しています。イントロダクションでルパンはバーボンをロックで飲むために氷にこだわるのですが、これはオチに直結していて、エンドロールではカランと氷が解けて、エピローグの雨につながるというおしゃれぶり。おふざけでつないだ全編があって、この筋はオツです。こういう「回」があってもいいのがルパン三世だと思いますしね。
今回、秘められた過去担当は次元、南アフリカでボディガードしていたのが、次元です。紛争地帯紛争地帯に次元の戦友ありですな。戦友は問題ないゲンドウの人です。
納屋さんも今回のノリなのか、それとも・・・。と、やや、心配させますが、最後まで同じペースで来たのでやや安心。まあなあ、35年は長い歳月だよなあ。でもフィアットのエンジン音でルパンを察知するようになるには充分な時間か。今回はルパンラブ全開です。
キャラデザイン、特にゲストヒロインは毎回毎回、違和感たっぷりでもうお約束の感じになってきた。もうどうにでもしてくれ感がある。
まあ、峰不二子だって二階堂VS増山はどっちがいいか微妙だからな。「ごめんね。ルパン」は二階堂の方がまったりしているし。ああ、今日はルパンのビデオを何本が見てしまいそうだぁ。とにかく今回はファイヤーを倒す不二子が秀逸。あと、ズボン脱げちゃったの押しですかね。ま、とにかくルパン三世よ、永遠に続いてくれとお祈りしました。
今日はレガッタ(終)→タイヨウ→太陽→怨み屋のルートもあり、相武かわいそう、エリカ爆走、モー子熱演、渡辺典子が殺人免許で怨みを晴らすというとんでも展開もあった。その後でブラジル戦があり、1セットを日本が先取という展開もあった。それでも見る気か。う、その手にあるのは「テレビ版宮崎演出ルパン名作集のVHS」じゃないか。やめとけ。もう、寝なさい。夢の中できっと待っていてくれるからぁ。
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