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2006年9月30日 (土)

一瞬で愛は憎しみに変わる。(木下あゆ美)

最終回のタイトルが「怨み屋の正体」である。原作より先に正体が分かるなんて凄い。もちろん、それは創造神(スタッフ)が仕組んだ壮大な釣りなんですがぁ・・・。

きたろうに怨み屋からのプレゼントを届けにくる婦人警官は立花彩野である。『結婚できない男』のコンビニのレジの人である。下積み役とはいえ、今期の傑作にふたつともからんでくるなんて、彩野はラッキーガール。

それにしてもここまで177タイトル中、3回も登場した(木下あゆ美)、キッドの中では超メジャーってことになるのか。だって、もう、怨み屋は木下あゆ美以外考えられなくなってるし。

で、『怨み屋本舗・最終回』(テレビ東京060930AM0012~)原作・栗原正尚、脚本・川嶋澄乃、音楽・五十嵐由美、監督・仁木啓介を見た。「法治国家だと、東大法学部卒の私が法なのだ。法は税金を使うもののためにあり、税金を納めるブタのためにはない」の極悪な警視監・寺田農が怨み屋・十二月田(前田健)・依頼人(左右田一平)を押収した麻薬で殺し、さらに実行犯を刺殺した後ですべては記録され、公開されましたオチである。

木下あゆ美は手錠をはずし、仲間を紹介しちゃうし、依頼人は「長生きして生き恥さらすの見といてやるよ」宣言、そして、デフォルメされたおタクのシンボルは・・・・・貴様のように簡単に人を殺すやつが増えたせいで、そのたびにマンガやアニメのせいにされて、僕たちオタクは迷惑しているんだっ!・・・と言い放つ。うん、うん、これ以上言うことはないよ。もう充分だよ。もう、この瞬間、このドラマはネ申決定でしゅー。

とはいうものの、先週殺されかけたきたろうはというと、民芸品の木彫りの赤馬でピンチを脱するのだが、(テレビの上にある赤馬はよく視ると不気味に方向を変える)、正当防衛で部下の野田刑事(マイク・ハン)を死に至らしめる。これが野田の母親の恨みを発生させ、ついにきたろうが怨み屋のターゲットになるという「しかるべく」おしゃれな展開である。つまり、怨み屋の行動原理が不可抗力だったとか、同情の余地があるとか、ケース・バイ・ケースとかのフレシキブルなものではなく、天から雨が降るように自然であることが明確にされるのだ。どのような善人でも怨みを買ったら終りなのである。清々しい。

怨み屋サイドではまだまだ子供の葵が「大人が正しい手本をしめしてくれないと子供はいい人間になれないよ」と言えば「なーに、わけのわからないこと言ってやがる」という強欲な悪に天罰を下すには清濁あわせて滅ぼす地獄の業火がふさわしいという論理です。

ここまでくると、怨み屋の正体はドラマのオリジナル設定になってきます。

①青の蝶は「幸せ」を運んでくる。この場合「幸せ」とは現世からの離脱を示す。

②犯罪被害者である別人格の木下あゆ美(長期入院療養中)は双子、二重人格、病院ぐるみで怨み屋など現実的な解釈も可能ですが、①に従えば怨み屋こそが怨霊の実体化したものと考えられます。つまり、ここでオカルト側にシフトです。

③きたろうの命は風前の灯、しかし、きたろうの中に罪の意識がある限り、恨みを受け入れることもまた神の御術の内ですね。きたろうがおのれに執着すれば怨みと戦うしかなく、それもまた人生の営みというものかもしれません。

そして、もしも、キッドがこの虚構の住人ならきたろうの味方をしたいと考えます。「きたろう、おめえも本当に災難だったな。むふふふ。だから正義の味方気取りはやめろっていっただろう。でも、まあ、友情に免じて加勢してやるよ」ってねずみ男か。

シュウ(竹財輝之助)は活躍の場面少なかったな。ま、これだけ濃い目の設定だと、そういう遊びの部分も必要ってことだな。リンダも出番少なかったしな。長澤こうね(PBB)なんてどこに出ているか探すのに一苦労だしな。っていうか、情報屋(寺島進)は「悪魔くん」の情報屋の進化系か。なんてことは広島(再)の加藤あいのありえない展開ぐらいどうでもいいことですがね。『怨み屋2』お願いしまーす。でも次はまた純エロ路線か。

関連するキッドのブログ『クズがっ!あたしを誰だと思っているの?(木下あゆ美)』

月曜日(日曜深夜)に見る予定のテレビ『怪傑ライオン丸G』(テレビ東京)って日曜深夜はアニメ→特撮→アニメの三本立てですかっ。

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コメント

ついに終わっちゃいましたね。
結末は…、まあいいんじゃないですかね。
変にこじつけたりしなくてもよかったわけですし、むしろ「人の怨み」と言うものはそう消えるものではないと言うことを示していますね。言い方を変えれば、続きを作る余力を残してますね。
深夜枠ということで、スタッフもかなり冒険できたんじゃないですかね。数字とかあまり気にすることなく「思ったことをやる」と言うのが深夜枠のいいところだったりしますw。
#さらにテレ東というのも好都合だったかw?
10月からはこれはこれで結構「濃」かったりしますが…。

投稿: あ~かいば | 2006年9月30日 (土) 23時52分

あ~かいば様、いらっしゃませ。
そうですね。
どこまでが怨みで
どこからが逆恨みなのか、
さだかでなくなっていくというのも
ちょっとこわいのですけれどね。
北川弘美さんは
美少女H2(1998)から
8年たってここか。
虹玉伝説・・・。
どうなんでしょうね?

投稿: キッド | 2006年10月 1日 (日) 08時52分

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» 怨み屋本舗:怨み屋の正体 [うあぁな日記]
最終回。しかも先週からの続きと言うことで、オープニングもいつものインタビューシーンは無く、先週までのフラッシュバックでま [続きを読む]

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