初恋は こんな色かも かき氷(女子高生)
・・・てなことをですな。もう言えません。言える人たちは青春。青春と言えば甲子園。だから俳句甲子園です。全国から36の高校が正岡子規のふるさと坊ちゃんの街愛媛県松山市に集い、言葉を戦わせようとする大会です。言葉で戦えば平和なのかどうかは知りません。しかし、流血はないので安心できます。
戦いのルールは団体戦(5人1チーム)、先鋒から句を読みあってさらに相手の句をディベートで評価しあいます。ひらたく言うとけなしあうわけです。おお、これは勝負だ。判定は3審判制で2人の審判に支持されれば勝ち。3勝すると勝利です。ま、柔道や剣道の団体戦とほぼ同じ。
番組でスポットライトがあたるのは茨城県立下館第一高等学校(男女混合、元不登校の定時制生徒がいたりする)と熊本信愛女学院高等学校(女子高)だが、もちろん後者が主役である。なにしろ、ツインテール姉妹とメガネっ娘を擁する萌えチームだからだ。いや、アイドルなみのルックスがあるわけではありません。俳句に青春をかけちゃうようなレベルの話ですからぁ~。でもとにかく萌えチームなんですぅ~。
で、『ドキュメント'06~俳句ガールズ~ひと夏の恋も涙も五・七・五』ディレクター・荻山雄一、伊藤秀朗を見た。ナレーターは池脇千鶴である。ほぼ全編に渡り満遍なくナレーションしている。もちろん、キッドはこれが目当てである。ただし、大会そのものは映画『恋は五・七・五』(2005公開・関めぐみ主演・・・ドラマ『がんばっていきまっしょい』のライバル高校のきつめの美少女である)でも紹介されており、間違って美少女が出現するかもしれないという期待もあったのだが、勝負モードの方が刺激されてしまった。なにしろ、まるでドラマかヤラセのように萌えチームが涙の逆転優勝なのだなぁ。これが。
まずは予選。松山市のアーケード商店街で開催される。雑踏の中で句を披露。すごいシチュエーションだ。A~Lブロックまで3チームのリーグ戦でトップ通過。Fブロックの信愛女学院は新潟県代表を3-0、沖縄県代表を3-0で破り、予選突破。決勝トーナメント一回戦では岩手県立水沢高校と対戦。兼題「向日葵」で女子高対決である。キッドがディレクターならここももう少し見せたかったな。先鋒は「向日葵や目立ちたがりは母譲り」(信愛)VS「向日葵や笑い飛ばそう今日の愚痴」(水沢)で判定3-0で信愛。ツインテール妹が「向日葵やふわっと背伸びし君探す」で2-1で信愛。ここでツインテール姉が「長き沈黙 ひまわりゆさと動き出す」を繰り出す。「ゆさ」である。勝っただろう。しかし水沢は「向日葵に背を向け君に嘘ひとつ」意味深恋モードである。1-2で水沢。う~ん。字あまりで「ゆっさ」にしておけば良かったのにな。「長き沈黙 ひまわりゆっさと動き出す」これならキッドが審判なら旗をあげました。水沢はここで副将が「向日葵や無邪気に笑う兄の顔」と妹モードで勝負をかける。しかし信愛のメガネっ娘が少しもあわてず「一本のひまわりだけが海を向く」である。判定3-0で信愛。大将戦を待たず信愛の勝利。伝わっているかどうかは別として手に汗にぎる熱戦なのです。
ま、「俳句ガールズ」と銘打ってるので女の子が男の子を倒す場面メインの編集になっている気配もあるし、まあ、30分だしな。でも、見たかったなあ、信愛VS水沢。さて準々決勝で大阪府立吹田東高と対戦。ディベートで大阪弁を駆使する男子相手に苦戦した信愛は2-3で敗退してしまう。ツインテール姉は涙。えーっ、終りですかぁと思った瞬間、敗者復活戦が告知される。お題は「時」で復活できるのは33チームからただ一校である。ここで信愛の奇跡の一句「そのままの君居て氷金時」が誕生。「だじゃれかよっ」なのであるがこれで敗者復活を成し遂げる。
舞台を屋内に移した準決勝。審判は7人制。信愛の相手は前年度優勝の開成高校だ。開成高校男子は「ま、相手の弱いところをついていきます」と自信満々である。お題は「先」で先鋒はメガネっ娘。「先客は河馬 新緑のこんにちは」という時空を超越した俳句で4-3の僅差判定勝ち。ツインテール姉は逆に3-4で破れるが、中堅が「告白を先延ばしする秋薊」で6-1の圧勝。しかしツインテール妹が3-4で破れ、大将戦へ。信愛「枳殻(からたち)の先にシャム猫の憂鬱」VS開成「鬣(たてがみ)の先やはらかに秋の水」おおっこれは男子に勝ち目なしだな。しかし判定はきわどく4-3。とにかく信愛決勝へ。
決勝戦は吹田東を3-0で破ってしかも地元の愛媛県立松山東高校である。兼題は「生」で先鋒はツインテール姉。「白地図を展げて生るる新樹光」VS「転校の日に生き生きと夾竹桃」(松山東)・・・微妙だ。しかし4-3で辛勝。しかし、メガネっ娘が「不器用な生き方ですが鰯雲」VS「扇風機ぎしぎし母の生返事」でまさかの2-5敗北。しかし、中堅が起死回生の「生卵呑んで深まる祖父の秋」で5-2の勝利。いい句だなぁ。けれど副将が「生まれつき人見知りです姫胡桃」で2-5敗北。残るはツインテール妹である。「草の絮まあるく生きていたりする」VS「クレマチス生放送の眉太く」(松山東・女子)・・・わけわからん対決だが、6-1で大勝利。信愛優勝だぁ。やはり「まあるく」か「まあるく」なのか。
関連するキッドのブログ『子供たちの心が見えない』
ふう。俳句で高校生で商店街で町興しの企画である。そんな勝負なのにこんなに感情移入できるなんて。キッド、お前ってば、戦いがあればそれでいいのか。そんなに争いが好きなのか。・・・好きです。ケンカだ。ケンカだ。ケンカと聞いて飛んで来ました。なのですな。
火曜日に見る予定のテレビ『謎のホームページ サラリーマンNEO』(NHK総合)
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