私を必要以上に見つめていた方ね。(栗山千明)
およそ100万人くらいを代表して「そうです。私はついあなたばかりを見つめすぎてしまいました」と平岡祐太が代弁してくれるのだが、スタッフもみんな手がおろそかだったんだろうなあ。と思わざるをえない出来上がりになっていると思う。スタッフのブログが炎上するほどのスペシャルドラマって凄いな。
裏では『PS羅生門・警視庁東都署』が最終回を迎えていたのだが、こちらは遠野凪子が一応どんでん返しの隠れからくりを仕掛けていて、小松みゆきが死体になっているし、松本莉緒は鑑識なのに襟元全開で容疑者取り調べるし、木村佳乃は「ささやかな首」をかけて警察機構に叛旗をひるがえすという、最初からこの調子でやっていればよかったのに的な、見応えのある最終回をだったし、『CAとお呼び!』も最終回でサトエリの出番は少なかったけれど、西田尚美の滅多に見られぬ結婚式が見られるという、サラリーマン南田くん(沢村一樹)はがんばりました的展開があったのだが。
それでもやっぱり、栗山千明の誘惑には勝てなかった全国の同志諸君。満足できたかな。キッドはヤンキース松井が連続四安打復帰を果たした時点ですべてを許す気持ちになっていたのでとてもとても満足しました。
で、『夏の冒険ミステリー・コークといえばコカコーラじゃなくってカクレカラクリ』(TBSテレビ060913PM9~)原作・森博嗣、脚本・宗村章太(他)、演出・二階健を見た。二人の大学生が夏休みのアルバイト先の田舎の老舗温泉旅館で美少女(お嬢様といえば栗山千明)に出会い、携帯番号を教えてもらうまでを描いたラブコメです。栗山の妹が星井七瀬でカーペンター片サスペンダー着崩しで仄かにセクシーサービスをします。星井は旅館の跡取り息子・落合扶樹(せむし男だが時々背伸びする)と恋愛関係にありますが、栗山・星井姉妹の花山家と老舗旅館・風見家とは犬猿の仲でロミジュリ展開をします。他に射手座のからくり人形、紋章おりたたみきりぬき暗号解読、落とすと割れるからくり細工、重ねると読める地図、世にも稀な烏天狗地蔵、幻の金塊、窓から見える秘密の箱、盗人を捕らえてみたら友達だった、みんなで仲良く包帯などお手軽トリック要素満載。殺人事件はコカコーラがスカッとしないのでさわやかにおこりません。シュッポッ。シュワーッだけは満載です。10分に一回、コーラを飲むのですが、誰もゲップをしないところがミステリーなドラマです。
近親婚が隠れテーマですが最大の謎は加藤成亮が妹と関係したのかどうか、です。逢うと関係してしまいそうでこわいと考えないと二人が会わない理由がないですし。次に平岡はどうしてアルバイトを得たのか。最後に杉本哲太は一度も箱を振ってみたことがなかったのかということです。ついでに鰐淵晴子と泉谷しげるはカクレカラクリだと思います。男と女あやつりつられです。失礼。隠れ乳繰り合いの間違いでした。
氏素性で言うと、風見は桓武平氏、花山は崋山の流れと考えると源氏ですから、源平的土地争いは当然の帰結なのですが、この場合は無関係でした。120年前は1886(明治18)年です。平均25才で後継誕生と考えると、1911年に第2世代、1936年(昭和11年)に第3世代(やや若いが泉谷世代)、1961年に第4世代、1986年に第5世代(栗山世代)が誕生します。ちなみに第2世代はすでに従姉妹・従兄弟なので婚姻可能です。だから、泉谷・鰐淵の愛の結晶から出来た孫同志だったとしても星井・落合の婚姻・合体には何の問題もありません。だから、カクレカラクリで隠す必要のあった秘密はもっとドロドロとした秘密であり、杉本哲太は本当の秘密を守りきったのだというのが真実だと思われます。ヒント・磯貝家だけが金塊のありかを知っていた。杉本哲太は悠々自適の毎日。
もちろん、最大の見せ場は栗山千明が必殺の空手技を披露するところだが、モロ師岡をひっとらえる時も栗山千明でよかったのにと思う。冒頭、中山エミリの妹えれにゃんこと英玲奈がロリータファッションで、ゴシックホラーツァーに出かけていくのだが、 その後のフォローがほとんどないところがプロデューサー・小林美穂の力量のなせるワザですかな。でも、やはり最後に登場はくどいか。思い切って駅弁でコーラを飲むぐらいのえぐくて不味そうな展開も欲しいと思いました。こんなドラマ見て、誰がコカコーラなんて飲むかっての。
金曜日に見る予定のテレビ『タイヨウのうた』(TBSテレビ)
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