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2006年10月31日 (火)

上野樹里とサエコと瑛太と小出恵介とオレ様。

サエコ「見られたのがのだめちゃんでよかった。音大って、イーとこの人多いから、見られたら恥ずかしくって」上野「のだめだといいんでしゅか・・・?」サエコ「あー、いーの、深く考えないで」上野(フンフンと頷きながらもらった期限切れコンビニ弁当を食す)は原作で初めてのだめゴミ部屋を訪れた桜(サエコ)の「ものすごい部屋だね」のだめ「何が・・・?」桜「ううん・・・いいの」のアダプトというか、アレンジである。エピソードのやりくりで「こたつ」の巻以前にのだめ桜を親密化してしまうので穴に入る桜も消えてしまったようだが、街角の迷子の桜発見では桜をしゃがませておチビちゃんを強調したり、なかなか、やりくり上手なのだなぁ。

演出がバトンタッチしたので、やや、トーンが変わったが、(少しすべる)・・・ま、最初からすべるところはすべっていたのでそれほど気にならなかったのです。

なんといっても、今回はベトベン(のだめ発音風)の第9や運命ほどメジャーじゃないが躍動感あふれる(オレ様談)交響曲第7番の千秋バージョンとミルヒバージョンを聞かせてくれる展開である。原作なら、千秋が失敗し、ミルヒが成功する風に描けばいいのだが、両方とも技術的には未熟であるというのがミソ。技術的に未熟でさらに鳴らない演奏と、技術的に未熟だが鳴ってる演奏。それを素人にもわかりやすく聞かせることができなければならない。・・・結果は皆さんのお耳にもよるだろうが、難聴ぎみのキッドの耳にはそれらしく聞こえ、かろやかにオープニングに突入していったのだった。問題はミルヒが「本物のマエストロ」に見えたかどうかだが、キッドには・・・ううん、いいの。

で、『のだめカンタービレ・Lesson3』(フジテレビ061030PM9~)原作・二ノ宮知子、脚本・衛藤凛、音楽・服部隆之、演出・川村泰祐を見た。今回もやりすぎとか悪乗りとか一人で雰囲気壊しているとか評判高い竹中シュトレーゼマンの二つの顔、キャバクラ連日同伴のセクハラジジーと、キャバクラ連日同伴でセクハラで嫉妬深くお下品で根性がくさっているけれど気高い演奏をするマエストロに千秋(玉木宏)が翻弄される。スポットライトがあたるのはコントラバス奏者の桜である。

「で、オレ様はミルヒをのだめが一撃で倒してしまったため、願ったり叶ったり状態でSオケを指揮することになるのだが、あんな威力を秘めた女を画面外にいつもぶっとばしたり、フライパンでたたくつぶしているオレ様はいったいいつ武術の奥義を極めたのか、謎と言えば謎だが、そういえば上野樹里に体当たり演技はつきものだが、ボインタッチまで許すとは流石と言えるのだな。・・・それにしてもなんてひどいメンバーを集めたのだ。人の話を聞かず、学習能力もなく、ピッチあってねえ、音がでてねー、どヘタクソで、その上、音楽を冒涜するような低俗な嫌がらせをするような奴らをオレ様が指揮するなんてやってられるかよ。・・・そんなオレ様の心を揺さぶるマエストロの実力。くそ、くやしいが、ここは弟子にしてもらう他はない。そうか、鼻をかみたい奴にはかませ、うっとりしずきの奴をなだめ、女だったのか!はカットされたが静香(小林きな子)ちゃんを泣かせないように気をつけ、クラリネットの玉木(近藤公園)といってもオレ様の中の人ではない大人計画の人が鈴木薫に寄せる思いにも気を使い、そして夜中にドアの前に立つ茶碗差出し心霊現象一号(桜)二号(のだめ)にありあわせの野菜入りパスタとスープとサラダとを作ってやる。ってか、これでは指揮者は専制君主ではなくて、ボランティア団体の人ではないかって、いつもいつもオレ様がやっていることではあるのだが、ああ、やはりオレ様には天性の指揮者としての資質が・・・ってなんか違うような気がするが、そんなオレ様の前にたちはだかる未知の領域、それは貧乏。・・・お金がないから音楽活動が続けられないなんて考えたこともなかったオレ様だが、貧乏くらいは知っている。マッチ売りの少女(のだめ)とフランダースの犬、お願いパトラッシュを殺さないで・・・ってなぜ、オレがラララーラララーの歌声をガスとめられチャーミーグリーンやジョイやママレモンで洗髪する風呂借り女から聞かせられねばならんのだっ。本当の貧乏を知らんだと、のだめの場合、オレ様の写真入りペンダントやらマンガやら、ただの「無駄使い」じゃねーかっ。それにつけてもサエコはすっかり落ちこぼれ役者になってしまったな。キャラが優先されるキャスティングシステムでは諸刃の剣だが、落ちこぼれ集団の中でさらに落ちこぼれるのが似合う女ってそれなりに貴重だからな。いじめブームの現在、需要にはことかかないわけだ。しかものだめより飢えた役がぴったりってすごいぞっ。・・・そして、サエコが貧乏な理由がオヤジのヴァイオリンコレクターという「無駄使い」だったとは。くりかえしのギャグなのか。さらに住んでいるのは博物館のような家(たっ恋のセリフより)、コントラバスに固執するのは大きくて、かっこいいから、東大に入ってアイドルになるかのように(ドラ桜のセリフより)女には入れないウィーン・フィルに入るというでかいというより無謀な夢とたたみこまれるともう、オレ様には何がなんだか、・・・しかもマエストロとしては巨匠、青空バックに逆光シルエットなら一瞬だがそれらしく見えるのだが、実態は人格最低にしか思えないミルヒの後はまかせた、千秋、私と勝負しなさい予想外だ展開、今回はオレ様は誰かをこいつものだめだったのかと言えないままに、そんなに短期間に業績回復するなんてどんな会社だとつっこめないままに、ジークジオン、ジークジオン、ジークジオンって原作通りだけどお前らファーストガンダムの頃に全員生れてなかっただろうという言葉を飲み込みつつ、オレ様VSミルヒの勝負の行方はこたつともどもつづくなのである・・・」

ああ、今回も次々に繰り出される必殺技の数々にあっという間の一時間だったなぁ。サエコ登場には岩佐・高瀬のお弁当展開もくりかえしのギャグとしてあり、レモン丸ごとはちみつ漬けで「野球部のマネージャー?」「南ちゃんですぅー」「キーッ」の双おたふく攻撃カメラに向かって横歩きは原作越え。CFECC音声認識?で開く隠しコレクターズルーム。他のよからぬものも隠せるようでこわいぞ。

Aオケのコンサートミストレス(優等生代表)清良(水川あさみ)とSオケのコンサートマスター(落ちこぼれ代表)の龍太郎(瑛太)との接近遭遇。ああ、恋の予感。コントラバスのボウイング(弓使いのあれこれ、オーケストラでは基本的に同調させる)のメモをめぐり桜(サエコ)と一志(山中祟 )もそこはかとなくカップルモードに。どちらもそこそこオリジナル展開可能なメンバーなので遊ぼうと思えば遊べるのだなぁ。楽しみだなぁ。

それにして原作通りの呪いのヴァイオリン展開。デスノートなみの怪奇現象公認は日本の常識ですかぁ。みんな、迷信に溺れていると危険ですよぉ。ま、ドラマの中でふざけているぶんには全然オッケーですけどぉ。

キャバクラ?「ONE MORE KISS」で接待するクラシック専門誌の編集者・河野けえ子(畑野ひろ子)はキャパクラ嬢とまったく区別がつかないのでミルヒが営業接待を受けている状況がまったく伝わらない気がしてならないのはキッドだけなのでしょうか・・・。

いよいよ、来週は「こたつ」だ。日本人ならやっぱり「こたつ」だろうというエピソード。それを前にして第3話は視聴率18.4%と過去最高に到達。どっちに行くのかなーっ。過去の思い出展開という必殺技もあるしなーっ。こたつの後に夏休みっていうと馴染めない感じもするし、かなりオリジナルな展開になっていく気もするのだなーっ。何と言っても鈴木姉妹はGカップに見えないからなー。・・・どこ、見てんのよ。

関連するキッドのブログ『Lesson2』⇔『Lesson4

水曜日に見る予定のテレビ『14才の母・愛するために生れてきた』(日本テレビ)

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2006年10月30日 (月)

二人で何を話しているんですかぁ?(原田美枝子)

すべての終焉を迎えたあと、チェ・ミンソを除くとほとんど唯一の女優である彼女(防衛大学生の母で海上自衛官の妻)が息子と夫に語りかける。墓前である。現実にこういう光景が展開する日は秒読み寸前であると言えるだろう。それにしてもイラク戦争で一人も死者を出さなかったなんてなんと我が軍は優秀なのだろうか。もちろん総力戦論に従えば、公僕やおバカな民間人に死者は発生しているのだが、国内でいじめにより自殺する子供の数よりもはるかに少ない数値であり、それにくらべればこのミッションの損害の大きさはまさしく内閣総辞職級であるといえるだろう。汎用護衛艦「うらかぜ」(むらさめ型)撃沈。乗員死傷者多数。こんごう型イージス護衛艦「いそかぜ」自沈。乗員死傷者若干名である。ああ、貴重なDDやDDGが・・・始末書ではすみません。

本題に入る前に先週末の視聴率についてメモしておく。

金曜日は『家族』が11.4%タコウインナーはがんばった。『セーラー服と機関銃』が*9.6%である。これはまったく重なった視聴者が『デスノート』24.5%(とりすぎ~)に浮気したためだろう。レベル的には細木数子の占いと同じ怪奇の話に釣られる若い奴がたくさんいるってことでちょっと面白い。

土曜日は『たったひとつの恋』が12.2%で辛うじてピンチを脱した。それにしても『魂萌え』11.3%強いな。ちなみに踊る弁護士は16.8%。ま、そこまで踊るにつきあう人たちは義理堅いっていうか、踊らされているっていうか、楽しい人たちだと思う。ま、視聴コレクターとしては当然の態度ですけどね。これだけ落すわけにはいかないものな。ま、とはいうもののスピンオフにも限度があるだろーっ。

日曜日は『鉄板少女アカネ』が8.7%と微量の回復。『亡国のイージス』は17.8%である。まきまき、来週はなんとしてもレビューしたいなぁ。イージスはこれだけ女っ気なしでこの数字。鉄板焼きよりイージス艦かっ・・・なわけないですよね。ま、内容的には和製「沈黙の戦艦」ですから、このワクとは相性いい感じですかね。

で、『日曜洋画劇場40周年特別企画・亡国のイージス』(テレビ朝日061029PM9~)原作・福井晴敏、脚本・長谷川康夫(他)、監督・坂本順治を見た。北朝鮮の政権交代を目指す反逆工作員が米軍の化学兵器を盗み、謀略で海上自衛隊のイージス艦副長とそのシンパ自衛官を巻き込んでイージス艦「いそかぜ」を強奪、日本政府を脅迫するという設定である。

副長は自分の息子を自衛隊情報局に抹殺されたと思い込まされ、反逆の徒になるのだが、それに従った自衛官たちはあまりリアリティーがない。三島に立てと言われて立たなかった彼らが今さら立つ可能性はあまりないのではないか。・・・ま、そんなこと言ってたらエンターティメントは成立しないか。

もちろん、キッドは日本人の国防意識がこのままでいいとは思わない一人ではあるが、上意下達では意識の改革はなされないだろう。そういう考えだと自衛艦を乗っ取るのではなく、某国の工作船を乗っ取って自衛艦に特攻したり、某国の基地施設を乗っ取ってミサイルを発射したりして、国民に痛みを感じさせるのがもっとも効果的であると思うな。ああ、もちろんとんでも発想ですが。

ま、リアリティーはともかく、北朝鮮・自衛隊の反乱分子が手を組んで、イージス艦を乗っ取ることをある程度読んでいた我が国情報局は特殊工作員を艦内に送り込んでいた。如月一等海士(勝地涼=永遠の仔のモウルですよー、大きくなったなぁ)である。彼の目的は工作員リーダー・ホ・ヨンファ(中井貴一)から盗まれた化学兵器(東京を全滅できる毒ガス)を回収し、敵・工作員の制圧のために味方・工作員の侵入ルートを確保することだった。

このあたり、彼のキャリア組の上司・渥美本部長(佐藤浩市)との関係も含めて、非常に不明確である。原作を知らないと多くの人がどうなっているのか分からぬまま、物語は進行していったと思われる。とにかく、日本側の工作員・如月が任務を遂行するのを阻止してしまうのが、千石先任伍長(真田広之)である。部下が上陸中に事件を起こせば土下座して侘び、イージス艦のすべてを知り尽くしたたたき上げの軍曹的自衛官。ま、スティーブン・セガールの二面性(特殊工作員がただの乗員を装う)を勝地と真田で役割分担したのである。

真田が乗っ取り工作の妨害工作をしていた勝地を捕獲してしまうため、イージス艦は乗っ取られてしまう。真田は強制退艦させられてしまうが、単身、勝地が乗っ取り阻止のために爆破してあけた穴から艦に舞い戻る。真田はイージス艦奪還のために艦内テロを行い、勝地工作員、北朝鮮工作員、反乱自衛官の様々な国防意識の交錯する艦内バトルが始まる。

ああ、もうストーリーをたどるだけで複雑すぎる。「毎日、子供が餓死し続ける祖国には革命が必要だ」として犠牲をいとわない北朝鮮工作員グループ。ホ・ヨンファのメッセージは「よく見ろ、日本人、これが戦争だ」であり、毒ガスをミサイルに装填し、東京を狙う。

阻止しようと停戦勧告した護衛艦「うらかぜ」はハープーン対艦ミサイルで攻撃され、シースパロー・アンチ・ミサイルの防御もむなしく海のもくずと消える。ま、名場面です。発射の瞬間、真田が「ハープーン・・・」とつぶやくのですが、キッドは思わず「ハープーン・・・」とハモってしまいましたぁ。

シージャックされた「いそかぜ」を追尾するのは強襲部隊を乗せた潜水艦「せとしお」なのだが、結局出番なし。

ほとんど真田の大活躍で艦内の敵は全滅する。しかも「撃つ前に考えろ」的な人道主義で勝つところに若干無理がありますけど。特殊な訓練を受け射殺可能な勝地「あんたは実戦を理解していない」真田「お前は人間を理解していない」、心の動いた勝地は撃つ前に考えたので撃たれてしまう。まあ、ここが肝ですな。先手必勝は戦術の基本だが、先制攻撃をタブーとする戦略上の立場では犠牲はつきものっていうことなんですが、これを理解するのが現代を生きる日本人にとっては至難の技なのですねえ。

原田芳雄総理大臣がイージス艦を殲滅する威力を持つF-2搭載兵器テルミットプラスの攻撃命令を下す寸前、衛星画像に任務終了を告げる真田の手旗信号が、ほっと胸をなでおろす佐藤本部長。真田と佐藤といえぱ映画「らせん」で貞子に人類の未来を売り飛ばしたコンビであるが、今回は東京を危機から救ったのである。まあ、救われているうちは真の国防意識は芽生えないとキッドは思いますが。

強敵女工作員を演じるチェ・ミンソは美しく悲壮な兵士を演じるのだが、セリフが全くないのは彼女が唖者であるためと映画だけで察することのできた人はいないと思う。スクリューに巻き込まれる彼女を救うことができないシーンは餓死する北朝鮮の子供たちになす術がない善意の人々の無力への符号であろう。ま、それが世界というものだ。

小説の書かれた2000年、映画の作られた2005年という5年という歳月と2006年というたった1年のあまりの隔たりに呆然とする感がないではない。北朝鮮の核保有と、日中、日韓の歩み寄り。一刻も早い、憲法改正、一刻も早い、北朝鮮の軟着陸による東アジアの安定、それがリンクしていることを日本の良識ある人々が認識を共有してくれることを願わずにはいられない。国内でいじめで自殺する子供よりももっと大量の子供が餓死しているかもしれないのである。それはキッドにとってどちらも他人事ではあるが、心は同じように痛むのではないか。同様に明らかにいじめ苦自殺の連鎖を引き起こしているいじめ撲滅キャンペーン。マスメディアは今、自殺をそそのかしているのだが、それに見合うキャンペーンの成果を本当に信じているのか。キッドは疑わずにはおれないのだが。皆さん、いじめ自殺を追及しているマスメディアは受信料や広告収入の確保のために話題を確保しているだけなのですから、どうか乗せられないでくださいね。

火曜日に見る予定のテレビ『スペシャルドラマちびまる子ちゃん』(フジテレビ)

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2006年10月29日 (日)

だけどそれはぼくらの悲劇の始まりだったんだ・・・(亀梨和也)

微妙だ。すかされたような気もする。今回、和也に恥ずかしい言葉を言わせるシリーズが無かったような気がする。聞き逃したのか・・・。でもまあ、「それ」が何かというと、綾瀬はるか「今の何?」亀梨「キスだけど・・・・」が恥ずかしいといえば恥ずかしく、今回、神様は言葉の変わりに「恥ずかしいキス」をさせましたーっ。てことで、おらおらおら、亀梨ファンの婦女子の皆さんよくごらんなさい。キスですよーっ。・・・綾瀬ファンのキッドは目をつぶっちゃいましたーっ。

で、『たったひとつの恋・第三話・もう会わない』(TBSテレビ061028PM9~)脚本・北川悦吏子、演出・岩本仁志を見た。あーっ、じれったいの教科書展開である。まず、貧富の差に弘人(亀梨)がウジウジします。俺なんか王子様じゃねーから。連絡しねーから。オレンジのイガイガもシカトだから。で、菜緒(綾瀬)が連絡こないとウジウジ、勇気を出して電話したけど弟くんが出てしまいウジウジ。名前を言ったのに連絡こないとウジウジ。

一方、弘人の工場はピンチに。代替わりでお得意様が契約打ち切り宣言です。ここで過去の暴露「弘人の工場は父親が首つった保険金で負債を返済しつぶれるのを免れた」という衝撃の事実。うわーっ。もうじれったいどころの騒ぎじゃねーっ。でもじれったい、殴るのか、土下座か、さっさとやってくれーっ、「オヤジが残してくれた工場を俺がつぶすわけにはいかない」土下座だーっ、これで契約くれなかったらキッドが佐伯船舶に放火してやるーっ。でも後で契約更新してくれたーっ。佐伯船舶の社長、いい奴じゃねえかーっ。

その菜緒は周囲のお膳立てで弘人の家に。でもいたのは弟くん。弟は涙を防護マスクでかくして溶接火遊び中。ここで余貴美子ママにも遭遇。菜緒が手料理、ピラフのようなチャーハンのようなものを披露。あーっじれったい、美味かったの、不味かったの。きっとウルトラ不味かったんだなー。昨日から男の子役はまずいものばかり食わされてかわいそーだーっ。

弘人は帰ってきたのに素っ気無い態度。土下座の後だけに。そんな気分じゃねーっ。でも天使の弟に注意されて、追っかけて「連絡するよ」・・・連絡しねー。いや、するんだけど、その場合、帰り道に携帯に。とか、帰宅をみはからって。とか、少なくとも寝る時間までには。とかだろーと思う菜緒。あーっじれったい。

契約更新で肩の力の抜けた弘人、勇気を出して電話だ。しかし、すっかり待ちくたびれた菜緒はブルーな気分。しかも「会いたい」に対して弘人は「みんなでどうかな」・・・これは第一話の逆パターンだぁ。期せずして復讐完了なのか。ついに菜緒「私をふるなんてひどーーい」と裕子(戸田恵梨香)にくだまくと裕子「新しい彼がすぐみつかるよ」に対して「弘人じゃなきゃヤーダー!」・・・ま、酔っ払いの言うことですが、なんじゃそりゃっ!

さらにお膳立て、弘人の嫉妬あおりたて作戦でおしゃれな中華の店で最後のデートへ。うーっ、じれったい。

神様のワンポイントアドバイス・許される言葉許されない言葉

振られた相手に「変な顔変な顔変な顔変な顔」と言う。→❍許されます。

振った相手に「・・・・・・変な顔」と言う。→×許されません。

あーっ、じれったい。でもね、これでお別れとばかりに横断歩道を渡る菜緒。「とっとといくなよ」と弘人。全国素早くキス優勝のキスあって「お金ないけど」「お金じゃなくて弘人だもん」・・・すげえ、一時間ずーっとじれったいのかよ。これが噂の教科書プレーなんだなぁ。

さて、教科書プレーにつきあってばかりはいられないので下衆に考えてみる。もちろん、キッドはどちらかといえばおっとりしているのであまり、下種な見方はできないし、ほとんど汚れを知らないので下司なことは苦手なのだが、今回、怪しく感じたのは戸田恵梨香の演じる本宮裕子だ。友達思いにしても度が過ぎている。なぜ、こうも菜緒の恋を助けるのか。遊び人の亜裕太(平岡祐太)を利用するのはいいとして甲(田中聖)とデートしてまでって。

ヒントは要潤との接近遭遇、そして酔いつぶれた菜緒を連れ込んだ裕子の部屋のやや質素な趣き。さらにバイト三昧である。そうだ。狙っているのだ。玉の輿を。だってジュエリーの跡継ぎは要なんだからっ。そのために親友の菜緒の恋は実らせねばならんのだっ。それは要にシスコンの気配を感じているから。菜緒が兄を裕子に接近させないのは要の女癖が相当に悪いからだなっ。しかし、野望に燃える戸田にはそんなことどうでもいい。とにかく、入籍して、後は一人一人、始末していけばいいのだから・・・。おいおい、もう「たっ恋」のストーリーじゃないと思うぞ。

おお、予告では第三の女登場じゃないか。おかしいと思ってたんだ。亀梨くんがあの年までチェリーボーイのワケがないもんなぁ。今回のボツタイトル「泣いてんの?」「泣いてません!」(綾瀬はるか)、「私は犬じゃないっ!」(綾瀬はるか)、「私も養護学校通ってたから」(綾瀬はるか)、残念だ。甲乙つけがたいのに。

関連するキッドのブログ『彼女が私じゃないんでびっくりしたよ。(綾瀬はるか)』

月曜日に見る予定のテレビ『のだめカンタービレ』(フジテレビ)

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2006年10月28日 (土)

キツネ、ちょうちょ、ワシ、モスラーッ!(長澤まさみ)

脱ぐ脱ぐ詐欺に続き、死ぬ死ぬ詐欺のTBSテレビなのだが、縁結びのお守りに秘められた五円玉の意味=ご縁(五円)があるますようにという呪術的な意味は説明しなくともまだまだ日本の常識なのだろうか、五円玉で弾丸がくいとめられるかどうかは別として、なんで五円玉なのか、首をかしげるような人ばっかりだとそれはそれで美しい国日本としては問題なのである。

呪術的な問題といえば人気コミックのオリジナル映画化の前編をDVD販売に先駆けて放映、後編劇場公開の宣伝をする日本テレビの戦略がどのような効果を波及させるのかも、ちょっと興味深い。金曜ロードショーのクレジット入れっぱなしというのもビジネスとアートのボーダーラインとしてどの程度反感を買うのかもデータとしては欲しいところだな。

そのような様々思惑渦巻く中でテレビ朝日のドラマは淡々と幼稚園に持っていくお弁当で軽く一本である。お弁当でいじめが発生するようだから、今やいじめは日常茶飯事であり、キッドのブログでも本筋とはあまり関係ない「いじめられてよかったよ(蒼井優)」というレビューにアクセスが集中したりするのである。件の映画も本来はいじめの妄想的解消が原点だ。誤解を承知で言うがこの世の原理が弱肉強食である限りいじめのなくなることはない。そしていじめられないためには強くなるしかないのである。みのもんたがいじめ問題に天誅を下すと発言していたが、その発言そのものが、場合によってはすでにいじめですから~。

で、『家族~妻の不在・夫の存在~・第二回』(テレビ朝日061027PM9~)脚本・清水有生、演出・唐木希浩を見た。夫のワンマンぶりに耐えかねた石田ゆり子が家出、建築家としての野望もあり、チヤホヤしてくれる若い男もあり、弁護士の友人ありと恵まれた環境での離婚調停モードなのだが、仕事が忙しくて子供を夫に預けるという展開。悪女バッシングに耐える気満々である。

そういう状況で子育てする夫は竹野内豊である。今回は幼稚園のお弁当。夕食もコンビニ弁当なので、幼稚園のお弁当もコンビニ弁当だった。この展開を見て、コンビニに幼稚園のお弁当というメニューが出る日は近いと思った。いや、もうあるのかもしれないが。

とにかく、それではダメだというので竹之内は手作りお弁当にチャレンジするのだが、これがクロコゲ弁当になり大失敗。まずそうな弁当に園児がむらがり「まずそー」攻撃である。子供・悠斗(宇都秀星)はお弁当をそっと花壇に埋める。翌日はドラえもん弁当という謎の弁当なのだが「リストラされてよかったよ、皮肉じゃなくて、ガンの妻を看取れたから、五歳で死んだ子供は看取れなかったから」という渡哲也さんさえもが「うっ」と息を飲む危険な弁当だったらしい。

次の日も「クレしん弁当」やら「新幹線弁当」やらの怪しい弁当、いただきますの合図とともに弁当まずいいびりの園児たち、しかし、父の作った弁当だからと必死に食べる悠斗・・・全部は食べれませんでした。それを見て青ざめる石田、悠斗を迎えに来たのだが、あやしく引渡しをこばむさくら先生、悪気はなくても悪く見えるのはなぜなんだ。

夫と妻のケンカ「悠斗の誕生日忘れただろう」「悠斗はお弁当でいじめられてるのよ」「パパ、ママ、ケンカはやめて・・・」・・・本当にやめてくれるのはまだましなパパとママですけどね。竹野内は渡の家を訪ね「お弁当の作り方」を教えてください。渡さんちの夕食アップが少なくてガッカリしていたのだが(かぼちゃはあったような気がします)ここでたっぷり男の手料理サービスです。タコウインナーの包丁の入れ方から指導。「包丁入れすぎだ。それじゃ足ばかりで首がなくなる!」「卵はサクサク、斬るようにまぜるんじゃー」「鳥の唐揚げだとーっ・・・・」(一部空耳)、トリの唐揚げ味見の件では竹野内の命は風前の灯に見えましたぁ・・・。

早朝から弁当作りに励む竹野内。ウインナーがタコになった瞬間、うひょひょひょっと歓喜を感じるのだった。完成した弁当に対する園児たちの評価は「うまそー」「まあまあね」「つまんねー」でした。いじめは解消され悠斗は「うめーっ」と言って完食。

ほっとしたのもつかのま、弁護士登場(木村多江)です。来週は渡さんちの夕食シーンが無いような悪寒が走ります~。

で、『セーラー服と機関銃・第三回』(TBSテレビ061027PM10~)原作・赤川次郎、脚本・いずみ吉紘、演出・平川雄一郎を見た。予告の「若頭が撃たれる」をどう回避するのかが視聴ポイントだったが、①大掃除で銃刀法違反が組長(長澤まさみ)に発覚 ②組長から禁止命令 ③一度目の狙撃(かすり傷→血→ヒィー) ④ヒットマンは若頭(堤真一)の死んだ恋人の弟(田中幸太郎) ⑤お守りをプレゼント(安全祈願が縁結びに)およびコンタクトをプレゼント(めがねッ娘長澤終了) ⑥二度目の狙撃(五円玉オチ)というそこそこの展開で乗り切った。こういう辻褄がきれいでないと見捨てられるからなぁ。

長澤組長の発言とキッドの妄想。組長「私が狙われた・・・」組員「組長のタマ狙うなんてどこのどいつだよ」組長「えーっ、私タマなんて、もってませ~ん」・・・はいはい、空耳ですよ。

コンタクトの視力検査で田口浩正がものまね出題。(答えはタイトルになっています。モスラを入れるところが東宝芸能です) ダイナマイトのかわりに煙草の火を頭に乗せたり大活躍。来週、またまた死亡予告なのだが。も、もう、逝っちゃうの?

田中の殺意の抱き方が不自然といえば不自然だが、まあ、長澤を監禁、柱に呪縛したので相殺しておきます。おいおい。発言削除するぞ。

組長「撃つならとっとと撃て、だけどそれでこらえてくれやー、若頭のタマはとったらあかんぜよ。あんたはんが身内の方をお守りしたかったように、こっちも一家のもんが可愛いんや。若頭のことは許してやっておくんなはれ。この命で不足とは言わせませんぜ。さあ、はよ、撃て。撃たんかい。しまいにせえやーっ」って感じの啖呵。惚れ惚れしました。おいおい、標準語だったろう。勝手に翻訳するな。しかも方言まぜこぜだし。時代劇もはいってるし。

そして、若頭の仮死状態を受けて「ふざけんな、・・・ふざけんなーっ!」とチャカを構える組長、いよいよ、折り返し地点を控え、戦闘モードに突入か・・・と思ったらやっぱりふえ~んでした。まあ、全開まではまだまだだよな。残り四回とはいえ。それにつけても、田口さん、本当に、も、もう逝くのかーっ。

小泉今日子と緒形拳の別次元対決。謎の深まるキョンキョンの行動って本当は知ってますが・・・。いい味出してます。もっと見せてーっ。

関連するキッドのブログ『第二話のレビュー』⇔『第四話のレビュー

で、『金曜ロードショー20周年特別企画・DEATH NOTEデスノート・前編』(日本テレビ061027PM9~)原作・大場つぐみ(他)、脚本・大石哲也、監督・金子修介も見た。ここはまず死後の世界を信じる方のキッドから。・・・原作は一応、死後の世界として死神大王と死神というシステムを妄想している。死神大王は寿命を司る冥府の指揮官なのでまあ閻魔の系譜である。死神はどちらかといえばヨーロッパ系のイメージなので、ま、和洋折衷によって国際性をかもし出している。閻魔帳からの発想と思われるデスノートがキーワード。呪術による復讐は「エコエコアザラク」などの発展系である。原点は前述の通りに「いじめっ子の名前を書くだけで殺せるノートがあったらいいのに」という発想なので、作中「幼稚」という言葉がくりかえされるようにいじめられっこの幼児的願望の実現というのがヒット要因であり、発展系の映画作品では「幼稚なゲーマー」と「幼稚なゲーマー」のゲーム的には高度な争いにいい大人がなすすべもなく巻き込まれるという展開が強調される。象徴的なのは映画のオリジナルキャラクターである秋野詩織(香椎由宇)だろう。彼女は幼稚な正義に高度な倫理観ではむかったというだけで恋人に計画的に殺されるためだけに付け加えられたキャラである。ま、とにかく、実在しないデスノートを推理の枠にはめこんだときにすでにリアリティーはないんですけどね。・・・こんなところでどうかな? 

どうも。それではここからは死後の世界を信じないキッドが記述してね。・・・まず、名前を知ることによって死命を制するというのは呪術の基本ですが、デスノートの場合には匿名社会とリンクしていると考えられます。つまり、匿名での命は実名暴露で死ぬということですね。架空高座の実態が明らかになったときに意味を失うように匿名者は実名が明らかになったら死んだも同然になるということです。映画では同姓同名の問題を軽くネグっていますが、原作では単なる名前でなく、個人と特定された実名が問題になるわけです。ま、原点は西遊記の名前を読んで返事をすると吸収されてしまうひょうたんと言ってもいいでしょう。そして、匿名者が悪の告発のためになかなか有効なスタイルであると同時にそれ自体がたやすく悪に転化するということを明確にしているのがデスノートの特徴なのです。

キッドとしては殺人を絶対悪と規定しない立場から何かあるかな。キッドの場合まず、意識ある個人の命=全世界という大前提から出発し、私を最優先すれば、安楽死、自殺、国家による殺人などと単なる殺人は同一視できないという論理なので、単なる命の軽視とは違うのですが、この作品では「呪術的殺人システム」の導入でこのあたりは非常に殺伐としていますね。主人公の目指す「静かなるユートピア」のために犠牲となるのは誤差の範囲という展開ですから。同時にそういう冷酷さがひとつの売りになっていて、これを多くの若者が支持するのはみんな閉塞してんのね~という感じです。

一番の問題点は「名前を知れば殺せる」という論理を捜査側が直感的に受け入れてしまうところですかね。推理ゲームとしてはいきなりスーパーナチュラルホラーOKですかということで破綻しています。まあ、犯人側がなんでもできる状態。捜査側が現実に即してというのは最初から無理があるんで、まあ、ストーリーテラーとしては優秀かなっと。

結論は。主人公の妹(満島ひかり=ウルトラマンマックスのエリー、ダンドリ娘からここ)の出番が少ない! ということですかね。キッドはそれが楽しみで見てたのにふえ~んです。

藤原竜也、松山ケンイチはふたりともポテチを上手に食べます。どうしてキッドはボロボロこぼしてしまうのか。すごく反省しました。

ま、14才の母は親子で語らって実りあると思いますが、この映画を語らうと開けてはならない封印を解いてしまうかもしれません。それはそれで面白いか。

さあ、どうなるのかなあ。視聴率。ワクワクどきどき。ドラマ流れで共闘と読んだ「家族」「セーラー」のラインだが、テレ朝は報道ステーションにSHINJO(新庄)独占インタビューを導入。うう、昨日の友は今日の敵かよ。結局、長澤まさみ組長には左右から強力パンチが炸裂しているような気がする。みんな、馬鹿だな。長澤組長は今日もとってもとってもとってもかわいかったのにさ。

それはそうとそろそろ「アンナさんのおまめ」や「クピドの悪戯」に触れなくていいのか? ・・・ま、セーラー残り回数少ないからいいか。

日曜日に見る予定のテレビ『亡国のイージス』(テレビ朝日)まきまき、許してたもれ~。国家存亡の危機ですから~。

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2006年10月27日 (金)

ごめんねぇ、痛かった?(蒼井優)VS血ィ、止まっちゃった!(内山理名)

まあ、勝負あったも同然の対決だったのだが、

コトー①23.2%  ②21.5%   で①→②がマイナス1.7 

松子 ①*8.8%    ②10.1%   で①→②がプラス1.3

ぴったり3%もつめたのである。ま、14.4%差が11.4%になっただけなんですが。このまま、行くと後4回で逆転することになりますーっ。・・・ないない。・・・とにかく、対決レビュー再開だ~っ。

それにしてもSHINJO(新庄)は44年ぶりの日本一の日本ハムを決めた試合の現役・公式戦最終打席で三振。涙のフルスゥイング。もう、何にもみえませ~ん。なのだが、そりゃぁ、面白すぎるぞ。逆転されてたらどうすんのよーっ。

で、『Dr.コトー診療所2006・第三話』(フジテレビ061026PM10~)原作・山田貴俊、脚本・吉田紀子、演出・平井秀樹を見た。前回、ナース彩佳(柴咲コウ)が乳ガン治療のために離島して、いよいよナースミナ(蒼井優)が本格始動である。前回、幼くして両親を亡くした過去が提示され、松たか子に続き今クール二人目の孤児ヒロインである。今回の主要病人である小沢ひな(尾崎千瑛)と両親の絆を見て時々、止まる視線がせつないぞ。

初回から引きずる「ミナの注射は痛い」ネタをパワーアップさせるための島民健康診断。全員採決という罰ゲーム展開。しかし、泉谷しげるをはじめ、島民たちはコトーの列に並び、ミナの列はゼロ状態。キッドならどんなに痛くても連続で抜かれるのになぁ。そこへ、ひなが勇気を出して登場。ミナの採血を受ける。

ひなの両親は現在様子がおかしい。それというのも、妻・小百合(神野三鈴)が離島の希望が叶えられず、鬱屈しているためである。ナーバスになっていて、近所付き合いも拒否し、夫との口論も耐えない。困ったタイプなのか病気なのか判断に迷うところだが、神野の演技はやや狂気に傾き、コトーの診断は「まじめな人ほどストレスをためこみやすいから」である。このボーダーラインの見極めは本当に難しいな。

ひなは心を痛め、両親の結婚記念日におそろいの貝殻のブレスレットをプレゼントしようと考える。しかし、ミナの採血痕があざになるほど内出血がとまらず、鼻血フェチを喜ばせる展開の後で免疫異常の診断が下る。血液の凝固能力が低下しているのである。ミナの能力に対して猜疑心いっぱいの小百合は入院することになったひなを付き切りで看護する。これ、パラノイアっぽい感じになっちゃっているが、その方が面白いから仕方ない。

結婚記念日がせまり、病院を脱走したひなは貝殻収集のために海岸へ。ミナが発見するが母の不用意な一言でひなは岩場から転落。内臓から出血し、緊急手術展開である。

ナース彩佳がツッコミ、コトーボケのコンビが解散し、コトーは仕方なくツッコミに。かぼそい声をはりあげてナヨナヨとツッコミ開始。「目を開けてちゃんと見て」「目をつぶらないで」「ミナさんが頼りなんです」「吸引して」「ミナさんがんばって」である。ミナのボケはメスを刃先から渡す。吸引機の方向が違う。目をつぶりそうになる。何をしても可愛い。・・・そういう場面じゃないだろう。

手術は輸血が必要な展開になり、ミナが「採血させてください」ってそんなに緊張しなくてもしますよ母親なんだからぁ。かけつける島民たちの姿を見て母は猛反省。態度をあらためる。ビョーキではなく単なる我儘だったようだ。コトー、精神科医としての診立ても神かぁ。

ミナと島民距離が一歩つまったところで原の父が働きすぎでミス、原の息子が成績悪しのピンチの予感でつづくである。予告ではコウの母も倒れており、来週も島は大騒ぎらしい。抜かりなく。

で、『嫌われ松子の一生・第三話』(TBSテレビ061026PM10~)原作・山田宗樹、脚本・成瀬活雄、演出・堀英樹も見た。前回、脱衣予告をしておいて、そのシーンが今回のラストシーン。これ以上なくあざといプレーだが。ま、いいでしょう。後姿ながら下着も脱いでフルヌードである。いや、局部のアップなんてありませんよ。あくまで状況がです。ま、キッドは防寒具を着用していても透視する妄想力があるのでどうってことのないシーンでしたが。あ、引かないで。

毎回、気になるのだが、現代(作品内のノンフィクション部分)と過去(作品内のフィクション部分)の落差が効いていない。原作とドラマ版では年代に些少の違いがあるのだが、少なくとも今回は2000年代前半と1970年代前半という30年の落差があるのである。もちろん、牛乳配達とか、旅館で逢引とか、古臭い喫茶店とか、それらしいアイテムはあるのだが、なんかピンとこないのである。メイクとかファッションとか、細かい点も含めて、もう少しなんとかしてもらいたい。時代を超越するイン・ザ・ムードが効かない理由を考えるべきだな。もちろん、なんのつもりか分からない最後のモノクロNG集も含めてださすぎ。

さらに脚本も演出も男性なのに現代の視点を鈴木えみに変換している安易さがもう深刻に痛いのである。

それはさておき、内山理名をはじめとするキャストの熱演は光る。今夜の松子は自殺した恋人の葬儀の後、恋人の家庭持ちの友人と恋に落ち、暴走して家庭訪問、手切れ金を叩きつけられ破局、自殺未遂。風俗店を尋ね、笑って脱衣。という展開。

途中で借金を返すために実家へ。亡き父の日記を発見し、「松子からの連絡なし。松子からの連絡なし。松子からの連絡なし。松子からの連絡なし。松子からの連絡なし。松子からの連絡なし。松子からの連絡なし。松子からの連絡なし。松子からの連絡なし。松子からの連絡なし。松子からの連絡なし。松子からの連絡なし。・・・・・」の記述で涙にくれる。弟の嫁に遭遇して、少しイラッと来た後で、天敵である身も心も病んだ妹にすがりつかれ、爆発、妹を蹴り飛ばして脱走する。この狂乱ぶりこそが物語の肝なのだよな。

現代編の日本初のAV女優役の小池栄子「あんたらなにやってんのよ。どう落とし前つけてくれんのよ。遅刻とか、連絡ミスとか、このご時勢、ケータイがなんたらかんたら、ピーピー泣いてなんたらかんたら・・・」ダブルピースをしたい気分になりました。

要潤は泣きながら机を叩き、谷原章介は脅したりすかしたり懺悔したり、そして北村一輝はニヒルに笑う。う~ん。地味な演出だがこれはこれでオツなのかもしれんな。この調子でいけば夢の大逆転も・・・・・・・ない。かな?

キッドはまったく興味がないので想像もつかないのだが、松子のつとめたお店はごくノーマルなお店のようだ。「大奥」とかいう店で客が入店すると「殿のおな~り~」とか言うようなアレンジを楽しみにしていたのだが・・・やるわけないだろう・・・「ゆきのでございまーす」と30年前のトル・・・・・・・特殊浴場の時代考証には力が入っているような気がしたのはキッドだけなのだろうな・・・。とにかく来週はトル・・・特殊浴場お嬢様編である。文学と言えば文学。時代といえば時代なのだが。テレビとしてはやや異常。さあ、視聴率はどうなったのかしら。

視聴率はコトー21.6%、松子8.5%、日本シリーズさよなら新庄25.5%、ビール待ち報道ステーション20.8%でした。

松子、まさに一から出直しだ。その差13.1%・・・・。がんばれ~。

関連するキッドのブログ『第一話』VS『第一話

土曜日に見る予定のテレビ『たったひとつの恋』(日本テレビ)昼下がりは今からでも間に合う再放送。気持ちは分かるけどそれをやるから裏を見るってことも考えての・・・ま、できることはしないとなぁ・・・。

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2006年10月26日 (木)

「ちょっと考えさせて・・・やっぱ無理」と志田未来は言われた。

「私はあなたが好き」「・・・嫌いじゃない」「嫌いじゃないけど好きでもないってこと」「・・・いや」「嫌いじゃないイコール好きってこと」「・・・イコールかな」・・・まさにチェス・プレーヤーのような追い込み方である。一つ年上の男(中三だけど)を確実に追い込んでいく。必死だから。そして「おどろかないでね、赤ちゃんができたの。私、生みたいの」チェックメイトだ。キッドが中三の男子だったら・・・「本当に俺の子なのかな~?」なんて言ってその場で刺される可能性大である。

しかし、主人公が真剣に愛した「好きな人」が即座にそんなこと言ったら台無しなので「間」を置くのである。これは困難に直面した人間の常套手段だし、物語の「手」としても、その間に問題の深さを展開させることができるし、気をもたせることもできる。キッドはこれを使われるのは大嫌いだが、ま、困ったら使うテクニックとしては必携でもあります。

彼が一晩待たせることで親は妊娠中絶を娘に説明することができ、娘は結論を先延ばしにして学校で友人に妊娠を報告することができ、彼自身は真剣に考えることができるし、そして胎児は一日生き延びることができる。ま、人類は結論を先延ばしにしながらなんとかやっていくのが基本といえば基本なのです。

で、『14才の母・愛するために生れてきた・第三話さよなら・・・私の赤ちゃん』(日本テレビ061025PM10~)脚本・井上由美子、演出・佐藤東弥を見た。親が子供に教えるべき「大切なこと」には様々な矛盾を含んでいる。結論から言えば「世の中は矛盾している」ということを教えることが「教育」なのだとも言える。「少子化」が対策の叫ばれるほどの問題でありながら、代理出産が認められない、そして14才の女の子が妊娠するのは困ったことなのである。そういう意味では本質にせまるドラマになりつつある。

娘を愛しく思う父親、しかし、彼には柔らかな感性を思いやる能力はない。日常のあらゆる局面で不用意な発言を重ねてきた。そういう積み重ねが娘に「なんとなく嫌悪」を抱かせるのである。その典型的な例が娘を中絶させるための車内で暴露される。外は雨。「お前が生れた時、お父さんは知らせを聞いて、自転車で病院に向かった。その日はとても晴れていて、うれしくて、お父さんは叫んだ。やったぜベイビー」・・・これから、子供を堕胎する女に言う言葉ではない。

血もしたたるステーキが大好きなキッドは早くから肉食の罪についての仕方なさを受け入れたものだが、「命」についてある程度の洗脳が進めば、それさえも「越えられない壁」になってしまう人もいる。しかし、血を分けたわが子とはいえ、所詮は他人事である。娘はもちろん幼い感性ではあるが、直感的にそれを悟り、母親に怒りをぶつける。「彼に無理だと言われたの。お父さんに無理だと言われるよりショックだった」のである。この賢さが妊娠しない方法についての考察に向かわないところが愚かである人間の本質なのだな。

母親もまた傷心の途中であり、さらなる傷心へと向かう娘を前に、なんとかなだめたい一心で「世界であなたが一番大切だから」と言うのだが、「自分の一番大切なものを殺そうとしている」少女にはなんの慰めにもならないことに発言した後も気がつかない。

みんなうろたえているのである。父は母よりもうろたえ、母は娘よりもうろたえている。その中で一番シビアなのは娘であり、女医が伝える様々な知識「たとえば、成長期の出産のもたらす母体の危険性」を受け取りながらも、自分の欲望に忠実であるための闘争経路を模索し続ける。人間と動物との葛藤が静かに展開していく。

「自分を悪だと認めることの困難」が彼女を聖なる存在に昇華させ始める。敏感な弟はなにやら危険な匂いを感じ「悪いことをしたなら警察に自首しろ」と挑発するのだが、実際には万引きしているにもかかわらず、そんな法律で縛られた罪ではない罪を背負う予感に「私は悪いことなんかしていない」と嘯く。もはや、彼女は聖なるアウトローを自覚しているのだ。彼女は確信に満ちている。それは狂気であるが、狂気が間違っているとは限らない。現に自分の娘を傷つける父親がいて、それが親として実在する以上、彼女が親になってはいけないという理屈はどこにもないのである。母親が理屈抜きで愛しているという理屈で子供を懐柔しようとするよりも、さらに高度な認識が娘に宿り、物語を面白い方向に引っ張っていく。

もはや彼女は「正論で周囲を困惑させる湾岸署の青島刑事の道」を歩み始める。父も母も弟も、胎児の父親もその母も、タリラリ好きの日常ならば親友も、敗北した先行者も、面倒なことをさけたい担任教師も、体面を重んじる学校も、舌なめずりするマスコミも、「来るなら来いやーっ」の彼女の前進にあわて、うろたえ、引きずり回されることは必至なのである。まさに「母は強し」作戦が展開される模様。

だから、今回のサブタイトルは「さよなら・・・わたしの赤ちゃんを殺そうとする世界のすべての人々よ」の後半が省略されていることをネタバレそのものでお伝えしておきます。

もちろん、「すききらいはだめ」という社会に「きらいなものを無理して食べることはない」という社会が混入し、限度を越えて介護の必要な障害者を殺した家族が罪に問われ、心のケアが叫ばれ、自殺も安楽死も建前としては否定し、昔だったら死んでいる人間が生きる現代では「望まれぬ胎児」を闇に葬った記憶のフラッシュバックに悩むものが、何を今さらと拒絶したりするにも関わらず、エンターティメンナーとして志田未来が面白さを巻き起こすことはもはや確定的だ。

あんなふくらみかけた胸で授乳する少女を想像することがもはや罪になるような現代日本であるが、キッドは勇気を出して想像し、そして涙がとまらない。

などという記述の後になんなのだが、『はねるのトびら』にはさくらももこ(森迫永依)と穂波たまえ(美山加恋)が「回転SUSHI」に来店。「大人がダメだから食べられない」「回転するのは楽しいだけ」と企画を根底から覆すような発言を連発。もちろん発言はまる子中心でたまちゃんは控え目にたたずみ、まさに子役根性恐るべしである。月末は月曜、のだめ、火曜、まる子とそっくりドラマの連発である。役者魂としては視聴率回復のチャンスなのでフタケタに復帰できるといいのだが。

日本シリーズはそこはかとなく神な展開。やはりSHINJOのように神に愛された人間というものを感じないわけにはいかない。日ハムはピンチピンチピンチの連続。中日はチャンスチャンスチャンスの連続だが、終ってみれば日ハムの楽勝スコア。キッドとしては久しぶりに岡島に「どこ見てなげてんだ~」とツッコメて、和みました~。こうなったら札幌でさっさと決めて、録画スケジュールをたてやすくしてもらいたいものだ。

関連するキッドのブログ『第二話』⇔『第四話

金曜日に見る予定のテレビ『デスノート・前編』(日本テレビ)VS『家族』(テレビ朝日)『セーラー服と機関銃』(TBSテレビ)連合軍、ああ、大変。

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2006年10月25日 (水)

やっちまいなーっ・・・ってやったのはスナコだよ。

日常は二等身のホラー系女子高校生。しかし、スナコ本気モード(ワタシキレマシタ状態)になるとスーパーモデル級の美少女破壊神に変身。周囲にビジュアル系四天王をはべらせて結局ドタバタ。・・・う~ん、素敵~。しかもオープニングもエンディングも清春だし、クレジットはナナメである。すでに四話なのだが、秋ドラマの充実ぶりに押されて後回しになっていた。シクシク・・・どうせテレ東深夜アニメですもの。・・・う、スナコ様、キレナイデ。

さて、秋ドラマといえば、火曜日は『役者魂!』と『僕の歩く道』なのだが、二回目の『役者・・・』はリアリティーとしてはやや失速でとんでもドラマになりかかった。苦悩するシェークスピア俳優藤田まことに素人がアドバイス。衣装の早着替えフラッシュカットのくだり。ゴージャスな顔合わせのスタッフだがお笑いの軸足がちょっとブレすぎである。脚本家はある意味、いかりや長介さんに最後の一花を咲かせた人だが、それを藤田まことさんにスライドしていくにしても手法はもう一工夫あっていいだろう。いかりやさんは寸前まで体を張って大爆笑コントをやっていた現役であり、てなもんや三度笠以降は必殺したり、はぐれたり、剣客したりして普通の俳優していた大昔の喜劇役者とは違うのではないか。ハラハラしました。松たか子の妄想劇場は対象が普通の人の珍妙な人生から珍妙な人の珍妙な人生にシフト。松の内面に抱える荒涼を示すアイテムなのだが、①セーラー服で女装した男 ②杖を切れない男 ③ピョンピョンする女・・・というのはコメントを控えたい。とにかく、不得意なことはやめた方がいいと思う。

『僕の歩く道』は順調。秘密をめぐり、約束を守るというルールとウソをつかないというルールが背反しておりあいをつけられないテル。そして感謝という気持ちの理解への壁。多数者とは違う時間に生きるテルの成長を静かに描く。テル「手紙を出しました」ミヤコ「待ってます」のくりかえしのギャグは最後まで続けてもらいたい。

で、『ヤマトナデシコ七変化・第四話・スナコ、およびです』(テレビ東京061025AM0130~)原作・はやかわともこ、シリーズ構成・脚本・はるか、監督・ワタナベシンイチを見た。先週「アデュ~」と超特長(全長100メートルと推定)リムジンで怪しい世界の富豪と去っていったスナコのオバさんからスナコを一人前のレディーにするという条件で家賃を免除してもらっている四人のビジュアル系男子。今回は彼らの通う森高の文化祭が舞台である。題して森高祭、もちろん「私がオバさんになっても」や「ストレス」がかかりまくるわけではない。

恐怖の人体模型のアップとともに「人の命ははかなく美しく、そしておぞましい・・・人間地道が一番」とほぼ意味不明のありがたい言葉がヒロシ(人体模型A)の声色(原作雑誌発表からのタイムラグのために微妙なパロディーといえばパロディー)で語られ、設定説明を三秒ほどですませ、オープニング『slow』である。口開けの絵は身もフタもない男子高校生全裸シャワーシーン。せつなく後姿でだ。ああ、永遠のシャワーボーイ企画。清春はますますというか、かわらぬというか、磨きがかかったあの声で「ああぁぁぁきーみぃぃにょうううおねみょうおうよりゅぅはわわわぁるーるーるるるー」(ああ・・・君を思う夜は甘く・・・)と歌い上げる。泣けるボイス。ジェントリー・ウィープスである。

四人組の一人、ヒーロー格の高野恭平はワイルド系なのであるが、生れついての美貌が災いして、常に誘拐されて、特権階級の人々に肉体を狙われるという宿命を背負っている。・・・どんな宿命だ。ちょっとバイトしたいと思っても、職場の上司に、男女を問わずセクハラをされ、「もっと稼ぎたいならいいことがあるよ」とホテルに誘われたり、お尻を触られたりしてしまうので、つい暴力行為におよび、金欠状態なのだ。

そんな彼にふってわいた森高祭「催しものコンテスト」の一等賞金50万円の儲け話。・・・どんな学校だ。恭平は勇んで「たこやき屋」を開店する。一方、ヒロイン・スナコはご愛用の人体模型ABと骨格標本、つまり、ヒロシとアキラとジョセフィーヌを持って登校。「生首ゴロリよ・・・」と子守歌を口ずさむほど、いつになく暗い闘志をむきだしにしていた。クラスから一任され(押し付けられたとも言う)彼女はお気に入りのホルマリン漬けなどを展示したホラーハウスで一人じめじめしたいのであった。そのために憧れの四人組とつるむスナコをねたむファンの人(森高の女子生徒ほぼ全部)たちの冷たい視線もシカトなのである。・・・ぞんざいなその他の人たちの描写はスピーディーかつ経済的だ。

恭平の屋台はファンの人たちの来店でごった返しの大繁盛なのだが、恭平をねたむ不細工男ピンク・ブルー・グリーンヘッドの三人組が因縁つけに参上。たちまち、顔面タコヤキに始まる大乱闘に発展。そしてプロパンガスのボンベが転倒。由緒正しいフリであるガス大爆発である。

挿入企画。レディーへの道。フィンガーボールの水は飲んではいけません。

夢やぶれ、ホラーハウスにたどりついた恭平。「まぶしー、とけるー、こないでー」というスナコを無視して黒布をかぶり、シクシクと泣くのであった。しかし、スナコのホラーハウスでもコンテストの優勝を狙えることに気付き、復活。

その頃、フェロモン系の背は低いけど女顔の美少年・遠山雪之丞はナンパ、硬派の美少年・織田武長はスナコの希少な友人・笠原乃依とデート、ターゲットに年齢も国境もないホスト系美少年・森井蘭丸はファンの集いと青春を謳歌していたのだが、恭平に強制集合させられ、1年G組ホラーハウスを手伝うために、怪奇装束への変身をする。

たちまちホラーハウスは大入り満員。とりわけ人気を博したのが、吸血鬼に扮した恭平と初恋の人にブスと言われたトラウマでまぶしい人(美少年)が接近すると鼻血ブーという特技を持つ中原スナコ共演の血まみれの抱擁ショーなのだった。

さて、後夜祭。集う全校生徒の前で歌われない「夜霧の北酒場ブルース」の後は「コンテストの結果発表」で優勝はホラーハウスで50万円ゲット、さらにミスターモリコーで恭平が選ばれ、10万円、女装した雪之丞がミスモリコーで10万円、しめて70万円が五人組のものに。しかし、ねたみ男子グループがクレームをつけ、ファンの人たちと男女に分かれて大乱闘が勃発。「どくろがいこつしゃれこうべ」とつぶやきつつ舞台の下に隠れていたスナコだったがついにキレル時が来た。

照明は爆発し、月は赤く染まり、タイムラグでまたもや微妙なキルビルパロディーの白装束のスナコは白刃、一閃。不細工な男を素っ裸にするのであった。・・・どんな決着だ。

晴れて70万円を手にした恭平。まぶしー感謝のキスの嵐に襲われるスナコ。鼻血ザバである。そこへ一本の電話が。爆発の始末の費用70万円の請求という由緒正しいオチであったにゃ。

仲良く震える二人。スナコ「死んで死なして死なされて・・・」恭平「70万円が金で、金が70万円で・・・』シクシクシクシクシクシクシクシク忍び寄るのは清春『カーネーション』にぃにゃにゃにゃわぁーんだぅーん、にゅにょにょにょろによろ海でぃゃ花びらぁぁにゃにゃにゃ~・・・(愛したよwaitngフェルトの花びらでwaitng君が居ない海でwaitng)。今宵も泣ける。ってか泣いてる。にゃぁぁぁん。

眼鏡ではなく、前髪あげたら美人というのが新趣向なのだが、ま、美少年ものプラス変身少女ものプラスワケアッテ男女同居ものプラス、いじめをめぐり美醜のストレスを解消するスラプスティックですよ。怪奇趣味でドタバタ。つきつめるとそれだけですが、それはもうキッドのハートにストライクですけどぉ。

『役者魂!』8.4%かぁ。まぁ、SHINJOに負けたといえばしょうがないが、やや、危機感。

『僕の歩く道』17.7%は本当に順当な感じ。『日本シリーズ』、昔のプロ野球の普通の数字なのだが・・・。とったと感じるところが時代だ。ナゴヤに帰さなければ伝説だが・・・。

木曜日に見る予定のテレビ『嫌われ松子の一生』(TBSテレビ)VS『Dr.コトー診療所2006』(フジテレビ)微量だが追い上げているからな・・・。

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2006年10月24日 (火)

上野樹里と瑛太と小出恵介とオレ様。

翻案とか翻訳とかのことをアダプトと言うとき、たとえばマンガをテレビドラマにする人はアダプターなのだな。メディアを変換するのはパクリの基本、つまり創作の基本である。成功した作品を変換するアダプターはそれなりにプレッシャーを感じるものだ。出版なら100万の受け手を獲得すれば大成功だが、アナログテレビ放送のプライムタイムなら2000万を獲得してもちょっとした成功にすぎない。

それには実力だけでなく、運も必要とされる世界である。しかし、少なくとも原典に対する情熱は必要不可欠であろう。プロとしてどんな受け手よりも原典に造詣深くありたいと願い、送り手としての全力を投じて変換を成し遂げようとする情熱。

原作者が「作品に対する情熱を感じる」という実写版。社交辞令や営業意欲をさしひいても、一人の受け手としてうんうんうんうんうんと頷く仕上がりになっている。もはや、原作と違う部分があってもまったく気にならない。これはもうひとつの別の素晴らしい『のだめカンタービレ』なのだ。

で、『のだめカンタービレ・第2話』(フジテレビ061023PM9~)原作・二ノ宮知子、脚本・衛藤凛、演出・武内英樹を見た。前回はオレ様とのだめという二人の主人公をコンパクトにまとめた展開だった。しかも擬似外人の竹中直人を早めにからませる展開。この調子で行くとこのクールでアダプトされるのはネタバレですが催眠術を使うあたりまでの模様。

「で、オレ様が言うのもなんだが、もうすぐ卒業という段階でオレ様の周囲にはうじゃうじゃと異様なものが湧き出し始め、一体、お前たち、今までどこに存在していたと思うほどなのだが、それというのも、ある意味、オレ様の頭の中は音楽に対する情熱と憧憬と愛情があふれていて、他のものなど眼中になかったということだ。原作にもない秘儀・アジの遠投必殺生簀返しアレイズ復活の術でオレ様が軽くマンガ以上のキャラになりつつある頃、のだめにからんで浮かびあがってきたのは近所のロックバカのバイオリン奏者と山形から来たオカマのティンパニー奏者である。ありあまるタレント(才能)とトラウマ(心傷)の波間で翻弄されるオレ様の苦悩も知らず、ドタバタドタバタドタバタしやがって、何がお花畑だ、何が光る稲妻よろこびの青春だ、何が死んじゃえ委員会だ、最低のアホだ、男だろ、男だろ、男だろ・・・・・・・・・ゴミ女だろ、転科届けを邪魔するのか、退学を阻止するのか、小悪魔め。ひとりよがりのオナニープレーは原作者だってそうといわれればそうなのだが、お客様は神様ですの作り手には禁じ手なのだ、自分だけが喜ぶのではなくてセックスのように相手を喜ばせ、それが自分の喜びであるという崇高な快感には届かないのだ。ま、のだめだろうが、新たなる負け犬・上原美佐だろうが、部屋に引っ張り込んでおいて、掃除をしたり、一晩愚痴につきあうだけだったようなセックスレスでボランティアでストレスを解消しているようなオレ様が言うのもなんなのだが、とにかく、幼少からピアノとバイオリンを修練し、大学で苦手なピアノを克服したのに本来の目的は遠ざかり、ハムだのソーセージだのの原料にさえ差をつけられる始末。アジのたたきぐらいでは癒されない俺に由緒正しい起承転結、ソナタといえども革新的なスケルツォを(当時)含む、オレ様と違っでどちらかといえばピアノが得意でヴァイオリンが苦手だったベートーベンのセックス三昧三十歳の作品「春」の伴奏をしているヒマなど断じて・・・な・・・こいつものだめなのか・・・ああ、どいつもこいつも・・・ああ、ここにも音楽が」

今回はツンデレの連鎖。オレ様はのだめにツンデレ。小出はのだめにツンデレ。そして瑛太はオレ様にツンデレである。しかし、本気を出したオレ様がただの天才ではなく、努力が自慢の天才だったことを知り、オレ様のパーフェクトなリードで「春」にひきこまれた瑛太は「ああーっ、来てほしいときに来てくれる、あ、そんな、あんあん、気持ちいいーっ」とオレ様と共に官能の海に溺れるのである。この時、あらたな恋のライバル出現を察知したのだめはブルル・・・と悪寒を感じるのだった。

そしてネタバレであるが、本当に世界的な指揮者であるにもかかわらず、クラブマスターでもあり、オレ様の敬愛するヴィエラ先生の奥様を口説いてたしなめられたことを根に持ってオレ様に陰湿な仕返しをするシュトレーゼマンがマスコットガールにしたがるのだめにベーゼを要求したあげくどうして悶絶しているのか、明らかになる来週はいよいよ佐久桜(サエコ)にスポットライトがあたるのだが、ピンスポが当たるイコールオレ様の冷たい仕打ちのクライマックスというテンドン(くりかえしのギャグ)ばかりとは断じて限らない。

くりかえしのギャグといえば、のだめ仲良し三人組のお決まりはかなり省略されてしまった。ロックバカもオレ様と同じ紹介の仕方で押してほしかった。いじめっこあがりの田中真紀子(高瀬友規奈)の友達Bはいいとしても石川怜奈(岩佐真悠子)の友達Aあつかいはなんとも贅沢極まる起用法だと思うのはキッドだけなのか。田中真紀子の弁当とオレ様の弁当を融合してアダプトしたのだが、のだめの怒りは本来、食い物の恨みプラスオレ様の手作り弁当で着火するのではないのかな。いや、魚屋のサカナ食い逃げするような奴には砂漠の砂の一粒のような些細な問題にすぎないのかもしれないとも思うのですが。

上野のだめに萌えんとお嘆きの方も多いようだが、キッドは最初から最後までにゃああん、だし、猫の着ぐるみなんか着られたら、うう~ん。にゃほぉ~っ。だっちゅーの、マリリンモンローで合わせて一本へぎゃーふっなのだが。

しかし、何と言っても今回の目玉は「描き目」できゃぼーんです。あれで萌えなきゃおタクじゃね~っ。くっそぉ、今時ヘン顔でのけぞるほど爆笑させられるなんて、あの瞬間、実写版はキッドの中で原作を超越しましたーっ。

○転科×点火?無転科?無添加の唯一やりすぎが心配の竹中直人。オーケストラで合コン。ああ、なんて甘美な響き。しかも連日、連夜。である。そして女子大生にキスしまくりである。シュトレーゼマンこそ、全国のセクハラ音大教授の理想の姿なのかもしれない・・・かな?

関連するキッドのブログ『Lesson1』⇔『Lesson3

水曜日に見る予定のテレビ『14才の母・愛するために生れてきた』(日本テレビ)日本シリーズ第四戦と『はねトびに美山加恋登場』も見るけどね。

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2006年10月23日 (月)

一生、怨んでやるっ!(沢尻エリカ)

やがてミムラになる沢尻エリカ(ならんだろっ!)がやがて要潤になる市原隼人(ならないと思う)と小西真奈美(時が止まるので誰にもならない)に向かって言う言葉だ。

映画『天使の卵』の10年後を描いたドラマ『天使の梯子』のほぼ同時公開なのでこのようなとんでもない展開が起こるのである。作品そのものはまあまあの三角関係物語なのだが配役でとんでもドラマになってしまいましたぁ。

愛しい美輪明宏先生がライブの曲間のトークなどで「時は残酷です。美人に生れた人は不幸なんです。最初からブスの人は幸せなんです。ブスの人は美人が若いときにチヤホヤされて、やがてシワシワになり、誰にもふりむかれなくなった時のいや~な気持ちを味わうことがないんですから。チヤホヤされて美人であることを鼻にかけていた人間の老後は悲惨なのです」などと異次元の論理展開でおっしゃるように時はあらゆるものを変化させていくわけですが、沢尻エリカがミムラになってしまうなんて、ミムラと吹石一恵の区別が時々つかなくなるキッドの目から見てもありえないのだっ。

で、『日曜洋画劇場特別企画・ドラマスペシャル・天使の梯子』(テレビ朝日061022PM9~)原作・村山由佳、脚本・福島治子、演出・新城毅彦を見た。回想シーンとして映画『天使の卵』が使用され、要するに映画の宣伝を兼ねるのだが、はたして効果があるのかどうか、とてもとてもとても疑問です。

『天使の卵』では沢尻と市原が十代のカップル。ところが市原が沢尻の姉・小西真奈美をそうとは知らず好きになってしまう。八歳年下の男の子を愛したいお姉さまたちのハートを直撃するラブ・ストーリー。二人の関係を知った沢尻が叫ぶのがタイトルのセリフなのです。ところが、直後に姉が死亡。何も知らない市原が沢尻に「怨むなら、俺を怨め・・・」「・・・お姉ちゃんがぁ、今、死んだぁ・・・」と素晴らしくおしゃれな展開です。

それから十年。もちろん、子供じゃないんだから、役と俳優は別という見方で見ようと思うのですが、十年たつと沢尻がミムラになるという視覚効果がなかなか、視神経を納得させてくれません。だって、ちょくちょく回想シーンで十年前のミムラである沢尻が挿入されるんですもの。こ、これは小学校の遠足以来の乗り物酔い感覚ーっ。

『天使の梯子』では「あんなひどいことを言った後にお姉ちゃんが死んだ」ことを引きずるミムラと「今でも死んだ恋人が忘れられない」要潤が十年間、心の呪縛をかかえたままでいる状態で再開されます。今では姉の年齢を追い越したミムラ。そこへかって教師をしていた時の教え子フルチン(渡部豪太)が現れます。ちょっと小西真奈美に似たところのある可愛い子です。(おいおい、そんなこと感じるのは日本でキッドだけだと思うぞ)・・・フルチンはずっとミムラが好きだったので再会直後にミムラのセックスフレンドになります。・・・って違うような気がするぞ。だって「恋人でもなく友達でもなくお互いに必要な間柄」ってセフレじゃないのか。・・・全国の皆さんは違うって絶叫するぞ。・・・ともかく、姉と同じように八歳年下のフルチン(役名・古幡真一から来たドラマ内の本当の仇名でふざけているわけではありません)と付き合ううちに「私もお姉ちゃんの気持ちが分かってきた」と言うのです。

親の気持ち子知らずといいますし、母になって母の気持ちが初めて分かるともいいます。だから、男の子は一生、母の気持ちが分からない・・・とはキッドは思いません。そんなこと言ってたらミステリー作家はどれだけ人を殺さなきゃならないんですかぁ。

フルチンの二人暮らしの祖母が死に、不安定になるフルチン、そしてフルチンがふたまたかけていたけどミムラに一本化したのでふられることになった元カノがミムラに「一生、許さない」宣言。ああ、生きているってことはそれ自体が罪つくりなことなのさ状態です。

そしてたどりついた西の果て(車でいける日本国の西の果てってどこなんじゃい)つまり西方浄土のある方向ですれちがう三人。どうみても要潤は小西が忘れられない、ミムラは要(市原)が忘れられない。渡部はミムラが忘れられない状態なのだが、要がきれいごとですませるためにミムラと渡部がお似合いのカップルだよとまるめこむ決着。・・・おーっ、どうやら天使の梯子が降りてきたのでおひらきみたいですーっ。ま、それはそれで大人の恋愛模様と言うわけなのだにゃーっ。

で、『ライオン丸G』も見た~。まきまきはとりあえず、今回はスルーっだっ。身が持たないし。今週も特撮史上最低のヒーローは全開バリバリだぜ~。悪い組織にお金と友情攻撃ですっかり乗せられてしまう獅子丸。まるで新興宗教の勧誘の瞬間を見るようだ。それでもほんとにほんとにほんとにライオン丸なのかー。それにしても石橋蓮司と遠藤憲一コンビ。『慶次郎縁側日記3』と同時進行で共演なのだが、まるで南極と北極・・・いや、極地と赤道直下ぐらい落差があるんですけどー。遠藤さんなんか、今回、スチュワーデスとウェイトレス、ダブルでコスプレお仕事ごっこですから~。う~ん。しびれる。この快感、一体、日本で何人がわかちあってくれるのだろうか。それとも、こんなに幸せなのはキッドの死期が近いのかにゃ?

水曜日(火曜深夜)に見るテレビ『ヤマトナデシコ七変化』(テレビ東京)もう、辛抱たまらんっ。

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2006年10月22日 (日)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・何ぃ?(亀梨和也)

おお、32日ぶりにタイトルに男優が登場した。あはは、このブログは偏ってます。この「何ぃ?」は「ウソツキっ」を受けたセリフですが、「怒り」の何ぃ。ではなくて、な~に、どうしたの?ってニュアンスの何ぃです。頭の中が真っ白になりつつも、とにかく、この場をとりつくろわなくては、ああ、逢いたい人に逢えるなんて、でも相当に修羅場の感じだけど、怒ってるみたいだし、どうしよう、どうしたいの?って逆にこっちが聞きたいよ、というあげくの果ての「何ぃ?」なのです。亀梨くん、上手にできましたーっ。

実はキッドにはこんな記憶がある。小学校の時の友達が住んでいたアパート。昼間なのに廊下の天井に星空が見える。穴が開いているのだ。それも天の川ほどに。雨の日は七夕でなくても悲惨なのだ。このアパートには何人か友達がいたのだが、その内の一人が体が小さい人につく仇名を持っていた。しかし、その男の子は中学に入る頃にはめきめき大きくなり、しかも、なんともセクシーになったのである。彼以上に白いTシャツの似合う素人に会った覚えがないほどなのだ。まもなく彼は引越して疎遠になった。彼の住んでいたアパートのあった辺りはリバーサイドだが、今は高層マンションがたっている。・・・そして、風のうわさによると彼は日本でも指折りのジュエリーショップの婿養子になっているのである。つまり、セクシーであればそーゆーことって本当にあるのだな。・・・いや、セクシーなことが彼のすべてではないんですけどね。

何が言いたいのかというと、さびれた造船所の社長(でしょ?)とジュエリー・ショップのお嬢様の恋物語はキッドにとっては異常にリアルなのだってことなんですけどーっ。

で、『たったひとつの恋・第二話・手をつないだ』(日本テレビ061021PM9~)脚本・北川悦吏子、演出・岩本仁志を見た。踊る弁護する訴訟する黙秘する攻撃に加え、魂萌えだのキソウの女だのピラミッドだの東村山だのすくすく子育てだのが激しく二人の恋に襲い掛かっております。だ、大丈夫かぁ~。

今回、恥ずかしい言葉をおっしゃいと神様が書いたナレーションは・・・「彼女の言葉は間違って水に入れられた角砂糖みたいにいつまでも溶けなかったんだ。かきまぜてもかきまぜても溶けなかったんだ。スプーンでクルクルクルクルしても溶けなかったんだ・・・ミキサーに移してチュイーンとしても・・・てめぇ、角砂糖じゃねぇだろ?」(一部空耳)・・・亀梨くん、サラっと耐え抜きましたぁ。

次は弟とのラブラブシーンです。今回は車イスで登場。綾瀬はるかの心を溶かす天使の笑顔攻撃を放ったあと、経営上の問題、母親のぼやきなどにささくれ立ちそうになる兄の心を天使のぬくもり攻撃です。「お兄ちゃんの心臓のどっくんどっくんが聞こえるよ」・・・ああ、俺の心臓だってやっちまうよ。亀梨くんは天使を守る騎士の道を行くんですかーっ。ここで妄想の展開。兄といえば要潤も兄、ヒロインの兄といえば渡部篤郎(ビューティフルライフ)、渡部といえば広末涼子(愛なんていらねえよ、夏)、広末といえば心臓病(Summer Snow)・・・ここにいるけどいない愛しい人の展開。小松江里子ならライトにシリアスだけど・・・。どシリアスでそっちに持っていくのじゃあるまいか。・・・そ、それはハードぉっ。

ま、先のことをクヨクヨ考えてもしょうがないさ。今を生きること、それが青春だーっ。

そうだろう。二枚目二人に美少女二人プラス甲(田中聖)の気持ちになってみよ。もう、後先かまわず匂っとけてば。秋祭りなのかーっ。浴衣ないのかーっ。・・・失礼。

それはさておき、今回、戸田恵梨香はだんだん、MEGUMIとか、小池栄子になっている気がするのはキッドだけですかーっ。「ちょっとあやしいと思ってた」とか「とりあえずダーリンをキープしとかなきゃ」とかなんだかやりくり上手なんですけどぉ。

「お前って言うな」「私以外をお前って言った」「凍った」「むーむむむむ」「やっぱりオレンジ色のイガイガの奴がほしーっ」って綾瀬はるかじゃなきゃ殺すっ。

ここで二人で一緒に行く手もあるのですが、待たせるところが、北川教科書スタイル。・・・かくしたイガイガ取り出す。・・・「あなたにとってほしかった」「あんたのためにとってきた」・・・後ろ手に差し出した手にイガイガのせる。「違うだろ」までつなげる。・・・と思ったらケータイ電話のない丘の下とベランダのある丘の上までイガイガつなぐのかーっ。教科書恐るべし。

「見えるよーっ」「・・・ふりすぎだろ」・・・予想される全国からのツッコミ。「サンコンさんか」「遠視なんだな」「二人の瞳はズームアップ機能つきかよ」「オレンジのイガイガかわいくねー」「もーっ、涙で何も見えませーんっ」

でもね。キッドはオレンジのイガイガ釣れるとこが見たかったの。恋のいちゃいちゃよりも屋台のゲームだろう。それがキッド・クオリティー。ああ、こうなりゃ、NHK総合でCoccoで癒されちゃうぞーっ。裸足の歌姫ーっ。キッドの甘ったれた願いもかなえてたもれーっ。内山理名と田中麗奈の間にCoccoを置きました~って小田和正さん訴えないで~。罰金100円くらいにしてくださ~い。こわくてCoccoは泣いたけれど~うれしくても泣きました~。やっぱり泣くのか~。

関連するキッドのブログ『だけどそれはぼくらの悲劇の始まりだったんだ・・・(亀梨和也)』

月曜日に見る予定のテレビ『のだめカンタービレ』(フジテレビ)ドーン・オブ・ザ・デッドはいいのか。ゾンビのリメークよりものだめのプギャーなのだな。

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2006年10月21日 (土)

子供のケツを拭くのは親の務めです。(長澤まさみ)

「家族 妻の不在・夫の不在」では竹野内豊がおねしょの始末をしていたのだが、「セーラー服と機関銃」では長澤まさみがストリップで筋を通そうとしていたのだった。

秋ドラマは本当にラインナップが充実していて、見逃せない作品が多い。そろそろ深夜アニメや普通のお笑いもレビューしたいのだが、中々、難しいのである。今夜だって「まだまだあぶない刑事」とか「銀河鉄道物語」とか魅惑の作品が目白押しある。

しぼりきれないと中途半端になるのは目に見えているのだが、竹野内VS渡哲也とか、長澤VS本田博太郎とか、どちらも切るに切れない仁義なき戦いである。ああ、分裂している人格と同じだけボディーがあったらいいのになと思う紅葉の季節なのだった。

で、『家族~妻の不在・夫の不在』(テレビ朝日061020PM9~)脚本・清水有生、演出・唐木希浩を見た。脚本は「あぐり」や「すずらん」の人。ま、じっくり家族ものを描かせたら手堅いのです。で、じっくり描いています。まず、日本にはサラリーマン家庭とそうでない家庭があるという大前提がある。で、テレビでは基本的にサラリーマン家庭が多数派ということになっているようです。そして男女雇用機会均等法以前は「サラリーマンと専業主婦と子供」というのが家族の単位だったわけです。ま、これで二世代同居ならサザエさんですね。

まだまだそういう家庭が主流であるという意識もある。しかし、そんなもの、とっくに崩壊しているという意識もある。実は、現在ではサザエさんタイプであることは相当な経済力を夫に要求します。資産があるとか、高学歴で超安定企業に就職しているとか、あるいは成功した会社のトップであるとか・・・ですね。

もはや「普通」は夫婦共稼ぎでしょう。しかし、なかなか、その事実を飲み込めない人がいる。かっては普通の「夫サラリーマン・妻専業主婦の家庭」に育ったカツオくんやワカメちゃんです。「専業主婦になりたいんです」という女性はたくさんいます。しかし、彼女の周囲にいるのは低所得のサラリーマンばかり、彼女のありきたりな願いはもはや見果てぬ夢なのです。そこから目をそらし、気がつくとアイドルタレントのおっかけになっていたりしますから・・・もう、心の病に到着することは時間の問題なのです。おいおい。

さて、そういう数少ない席を確保したのが妻・石田ゆり子。かっての専業主婦の悩みは「夫が仕事ばかりして家庭を顧みない」ということで「子供のピアノの発表会に来る約束をしていて来ないこと」でした。かっては耐えたわけです。そしてフルムーンに温泉に行って癒されると。それが『熟年離婚』となり、若くて手に職があれば即家出となり、そして、子供がいれば子供はいやないやないやな気持ちを味わうことになります。

家出された夫は竹野内。リストラ人事の専門家で高給取り。家事も育児も子供まかせという前時代ぶり。そんな竹野内がかってリストラしたのが渡です。直後に愛妻を亡くし、今は竹野内の子供の通う幼稚園でボランティアをしています。ひょんなことから妻に去られた男が二人、子供をはさんで夕食に。料理などしたことない竹野内の切ったろくでもないごぼうやとんでもないわかめを黙々と食べる渡哲也。・・・こわすぎる。

一方、石田は仕事を始め、育児もおざなり、若い男(金子昇)の影もちらほら。

ああ、幸せとはなんなのでしょうか。ま、いやないやないやな気持ちで過ごす少年の日々が子供をいやないやないやな大人にしてしまわないことを祈るばかりなのですが、他人事だと思うとちょっと面白い・・・かな。

で、『セーラー服と機関銃』(TBSテレビ061020PM10~)原作・赤川次郎、脚本・いずみ吉紘、演出・平川雄一郎も見た。先週、由緒正しい予告の「釣り」で釣られた人々もまあまあ、満足の行く「体を張って縄張りのストリップ劇場を守った星泉組長の巻」だったのではないでしょうか。長澤まさみフニャフニャ発声全開です。

「き、機関銃ーっ」・・・ここはもう少し「機関銃って何?」というニュアンスも欲しかった。

「あの~、私、とばされたんですけど~」・・・うんうん、そういうことってあるある。ねえょ。

「ス、ストリップ~」「ち、血ィ」「スゥジィ」・・・少し汚れなさい。(小泉今日子・談)

「おひけーえなすってぇ。む、むめ、目高組八代目組長、ほ、星泉です。どうぞぉ、おみしりおきをきぼぅ。・・・」場違いに目を細め、和み、萌える若頭・佐久間(堤真一)だった。

勉強のためにレンタルしたビデオ「日本侠客伝」(1964高倉健)「昭和残侠伝 死んで貰います」(1970高倉健)共にマキノ雅弘監督、『網走番外地』(1965高倉健)石井輝男監督。東映ヤクザ映画健さんヴァージョン基本の三本。

「ケンカはやめてくださ~い。ケガしたらど~するんですかぁ」

「なんで、そんなこと、知ってるんですかぁ」

・・・そして、メガネが飛びました。本田博太郎とガンヅケ。近い、近いよ。

で、子分のために靴を脱ぎ、靴下を脱ぎ、・・・ああ、もう充分だよぉ、で若頭が美保純に連れられて登場。

「組長になったからには筋を通します」

・・・筋を通した緊張感から目が寄ります~。そして。

「こわかった~。ふえ~ん」・・・ああ、長澤まさみファン激増です。あーっ、こりゃ、参ったよ。八代目。カタギの皆さんも若い衆のハートもガッチリつかみましたーっ。

先を知っているだけに・・・もう涙がとまりませ~ん。

小泉今日子は抑えた展開。まだまだ片平なぎさの方向にはいかないんだなーっ。まあ、あぶない刑事の浅野温子の領域までいかれるのも考えものだが。それにしても金曜日の夜は激戦だーっ。「逃亡者おりん」(テレビ東京)なんてのもあるしな。それはさておきTBSテレビ、二夜連続ヒロイン脱衣かよ。(昨日は松子で内山理名が実は来週も)・・・ま、『時間ですよ』の局といえば局なのだがにゃ。視聴率がまったく読めませんっ。

関連するキッドのブログ『第一話のレビュー』⇔『第三話のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『天使の梯子』(テレビ朝日)えーっ、まきまきはーっ。

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2006年10月20日 (金)

いつわりでもうるおいみちるならそれはまことです。(かたせ梨乃)

時間が夢を裏切らないとか夢が時間を裏切らないとかで巨匠とアーティストがもめているわけだが。

時間にも夢にも罪はないし、夢と時間がどんな約束をしたのか、キッドは知らない。

夢(のぞみ)を見て、それを現(うつつ)とするのに人は時(くらし)を費やす。おいしいラーメンを食べようとして、湯をわかし、麺をゆで、スープを作り、具材を整える。そして食べる。すべての夢を叶えるために人は時間を過ごしていくのだな。

その時間の経過は人それぞれで、希望を素早く叶える人もいれば、全く叶わない人もいる。そしてゆっくりと少しずつ叶える人もいる。様々な人々の様々な願い。その移ろい。そうしたことを考えると涙が止まらない時がある。巨匠とアーチストはもう少し考えて夢を壊さないようにしてもらいたいよ。

で、『慶次郎縁側日記3・第二回・空蝉』(NHK総合061019PM8~)原作・北原亜以子、脚本・宮村優子、演出・吉村芳之を見た。脚本は『春よ、来い』や『六番目の小夜子』の人だが、ある意味湿度の高い原作をしっとりと仕上げている。構成が複雑な部分もあるが、とにかくしっとりなのである。一線を退いた元同心の高橋英樹、その養子の比留間由哲、嫁の安達祐実、料理屋の女将のかたせ梨乃、老友の石橋蓮司、蝮と異名をとる奥田瑛二、遠藤憲一と邑野みあの夫婦、それぞれが哀愁ただよう過去を背負い絡み合って物語を紡いでいく。

今回の主人公はかたせ梨乃の演じる料理屋花ごろもの女将お登世。慶次郎とはつかずはなれずの仲なのだが、慶次郎は前回負傷して店から足が遠のいている。そこへ現れたのが津田寛治と加地千尋(新キッズ・ウォーの花ちゃんです)の占い師親子。津田は元は武士で暗い影を宿している。今は霊感が強いというふれこみで娘にお告げをさせて暮らしているのだが、民を惑わせて嘲る風があるのだ。しかし、お登世は津田にひかれ、ひとときの恋に揺れるのである。

梅雨の雨に打たれる二人に情念の炎が燃え上がる。まさに湿度高い状態。

やがて、娘・弥生の占いが当たらなくなる。そこへ邪な一団が現れ、水難のお告げの後、船を襲い積み荷を盗むという悪事をもちかける。父は断るのだが娘は独断で受けてしまう。事はもつれて、父娘は身を隠さざるを得なくなる。

お登世と男の愁嘆場。「己を捨てる様が美しいと言ってくれた・・・胸にささりました」とお登世。男は「すべていつわりだ。まがいごとだ」「・・・いつわりでもまがいごとでもうるおったのでございます」「なぜ、いつわりにまことを見ようとするのだ」「道連れと・・・同じ雨に打たれたではございませんかぁ」「・・・打たれた・・・」「稲妻が白い光がみえました」「俺は暗い雨を見ていたのだ・・・」・・・ああ、しっとり。

やがて、男は刺され、堀に浮かぶ。男を捜し彷徨うお登世。しかし、残されたのは空蝉だけだった。久しぶりにお登世の元へ訪れる慶次郎(今回ほとんど存在感のない主役です)は「何事もなかったか?」「ございませんでした」のやりとりのあと、お登世の落とした空蝉を一息に踏み潰す。ああ、思わせぶり。そしてしっとりとした恋の終わりに乾いた音を響かせるのである。

もう、そうでない人にはなんじゃそりゃあでしょうが、好きな人にはたまらない世界が展開されます。次回は石橋さんが主役の模様。

今回、昔なじみの女優・九里美保さんがクレジットに登場する。クレジットはお名前だけだったが台本上の役名は「叫ぶ女」だったそうだ。「弥生様がおっしゃったのですーっ」と暴れて恋する二人を踏んだり蹴ったりしていたのである。九里さんが舞台を中心に活動してもう長い。彼女が女優を志したのは十代の頃だったから。ひたむきに夢を紡ぐ日々。そして、今、小さな役を演ずる。彼女は確実に江戸時代という夢の世界の住人になり、そして現実にモニターに姿を見せる。それもまた・・・くらしである。興味のある方は向かって左サイドの「女優・九里美保のオフィシャルサイト」を覘いてみてくださいませ。

土曜日に見る予定のテレビ『たったひとつの恋』(日本テレビ)えーッ、また見るの。

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2006年10月19日 (木)

ニンジンってカレーに入ってる?・・・赤ちゃんができたの。(志田未来)

す、す、すみませーん。そんなセリフはありません。あまりのシリアスに耐えられなかったのです。キッドが学生時代に習作で撮った自主映画は女子高生が処女懐胎してしまうSFで、妹の妊娠を知った兄が「あははーっ、そりゃ、おめでとう。パパは誰なのかなーっ」っていうノリだったので。

正論は「何才で子供を生んでも罪にはならない。でも生んだ子供育てられなくては罪になる」という高畑淳子さん演じる産婦人科医の言葉。これをつきつめると「生んだ子供がいくつで妊娠しても大丈夫な経済力と知性と覚悟がなければいくつになっても子供を生んではいけない」ということになり、正論通りだとほとんどの親は生んではいけない子供を生んでしまったということになるのですね。

つまり、妊娠出産は理性によってなされるのではなく、欲望によってなされるもの。と考えられます。だから、子供の欲望と親の欲望が繰り広げる骨肉の争いこそが、本番組の見所といえるでしょう。そして、脚本家は実にシビアに期待通りの描写を重ねます。ああ、面白い。

で、『14才の母・第二話・お前なんかもう娘じゃない』脚本・井上由美子、演出・佐久間紀佳を見た。古きなつかしい中流家庭に設定された一ノ瀬家では14才の娘の妊娠という衝撃の事実が早くも認識されます。ここでキッドは嫉妬の描写に注目していました。まず、父親としては娘への所有欲や隠蔽された性欲がストレートに嫉妬心をかきたてるわけで、すべての理性をふっとばす。妊娠証明書をつきつけられても否定するほどの感情の右往左往。男という性の持つ悲哀が炸裂します。そして、それは自己否定に落ち着く。見事です。

一方、いつまでも「天使でいてもらいたかった」母親(田中美佐子)はどうでしょうか。まず、やってくるのは恐怖です。そしてこわいものから目をそらしたい心理。そして、やはり嫉妬なのです。それは女が女に感じる嫉妬です。自分に今ないものを他の女が持っているという嫉妬。もちろん、それはすべての感情の中で宇宙の中の一つの惑星みたいなものでしょうが、それを抜いてはウソになる。それは小さなビンタとして表現されます。その直後、母としてそして同じ性としての抱擁。母は父よりも早く立ち直り溺れるような感情から理性を取り戻す。見事です。

さて、主人公に視点を移します。冒頭に巻き戻して見てみましょう。一ノ瀬未希(志田未来)はエレベーターに乗る。ここでのモンタージュが美しい。ドアの縁の塗料が剥げている。うらぶれたビルの一室にある産婦人科。エレベーターの無機質な裏側のシステムがあえて挿入される。ホラー映画のようなショット。丁寧にとなりの居酒屋の看板は電球がきれかかり明滅しています。素晴らしい。未来の心が恐ろしい現実に押しつぶされようとしている描写です。

未来が持っている武器は唯一つ「愛」です。しかも大人の目から見ればどうしようもなく幼い「愛の雛型」です。人は動物と違い、善悪ふたつの仮面を持っています。未来は主人公として善の仮面をかぶらなければなりません。そのためには愛を失うわけにはいかない。キャスティングの隙のなさであたかも悪の仮面をかぶったもう一人の未来・柳沢真由那(谷村美月)と儀式のような善悪の衝突が行われます。そこで示される善の未来の正義のなんとはかなく美しいことか・・・。悪の美月の反逆のなんと可憐で痛々しいことか。

一ノ瀬家では正義が衝突し、ここで子供の父親である智志(三浦春馬)の桐野家との間ですれちがいのサスペンスが展開されます。受胎告知は本人同志で、家と家の衝突は親同志でなされるのがスムーズなので、はたしてそうなるかのハラハラドキドキ。・・・そうなりました。

縁結びの犬ジミ・ヘンに集った幼い恋人たち。未来は「好き」という名の愛を告白します。はたして春馬は善悪どちらの仮面をかぶるのか・・・母方の親と父方の親の対決はどうなるのか・・・・つづくです。引き伸ばすにゃあ。子育て授乳までは遠い道程。

教訓「女の子は生理が始まったら、男の子はオナニーするようになったら正しい避妊の知識を教育しましょう。避妊したって妊娠するときは妊娠しますが気休めにはなります。それがいやなら箱に入れておくことです」

関連するキッドのブログ『第一話』⇔『第三話

さて、最近「元気のない友達はテレビ電話でなぐさめる、気に入ったものはずーっと使い続ける」という携帯電話のCMをしている女優さんとのスキャンダルで世間を騒がせた高岡蒼佑が主演の『青春★ENERGY・お台場湾岸テレビ』(フジテレビ061019AM0115~)脚本・山崎愛里幸、演出・関卓也も見た。平田薫でホラードラマ「シローのはらわた」(監督・岸部シロー)を作ろうとする弱小テレビ局のAD物語で、初のタイアップなし企画(現在のところ)である。出演者がこれまでのアイドル系と違いお笑い系なのだが、例によってそこそこ面白くはなっている。

だが、あえて、この記事を書くのは韓国出身の次期国連事務総長の日本記者へのインタビューでの発言にキッドが激怒しているからである。彼は「歴史認識の問題は日本に非がある」と発言している。これに対して日本国は即刻、訂正と謝罪を求め、それがならざるときは韓国と断交、国連から脱退すると宣言するべきなのである。少なくとも「美しい国」を教育する立場からはそうであると考える。そういう行動もなく、そういう教育をあいまいにしてきたから、コミック『クローズ』(高橋ヒロシ・著)を愛読しているという高岡くんはあまり頭がいいとは言えない発言を韓国メディアで引用され、たたかれなくてもいい過去をたたかれ、ブログは炎上し閉鎖・・・ただしコメントできないブログとして再開しているが・・・というドタバタ劇が巻き起こるのだ。ま、すべては自己責任といえば自己責任ですが。

もちろん、そういうネット上の騒動をよそにどんなパソコンもすべて囲碁ゲーム専用マシンと成してしまうキッドの父や未だに録画予約のできない母はつつがなく『純情きらり』を楽しんでいたので、まあ、どうでもいいと思えばどうでもいい問題なのだが。いい感じになりつつある東アジア情勢に日本が水を差すはずもなく、それを見越しての次期事務総長発言である。でもね、禍根を残しましたよ。少なくともキッドに限って言えば。・・・後先考えないキッドのような人間が指導的立場にないことを日本人は幸福と考えるべきだとも言えるのだが。やはり、憎まれっ子は世にはばかるのである。

金曜日に見る予定のテレビ『家族』(テレビ朝日)と『セーラー服と機関銃』(TBSテレビ)あの予告のオチを確認せずにはいられませ~ん。

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2006年10月18日 (水)

「独立したらつぶすよ」「社長ーっ!」(松たか子)

脚本家は「たっ恋」を襲う踊る爆弾関係の人なのだが、今回、連想するのは『世界で一番パパが好き』(98フジテレビ夏ドラマ)である。父(明石家さんま)の元へ幼い頃に別れたままの娘(広末涼子)が突然現れる。二人が親子関係を再構築していく物語である。

もっとも家族をもたないことは過去をもたないことと同じで青島刑事が実は家族も過去も持っていないヒーローであるように、このヒロインはある意味で過去も家族も持っていないので、踊る芸能界ヴァージョンに発展してもおかしくないのだが・・・。

若手女優秋の陣から別格のドラマである。松たか子(77年生)は実際はこれ以上なく濃い家族を持つ身の上なのだが、類まれなる演技力で天涯孤独の妄想美人を魅力的に演じている。加藤ローサ(85年生・ダンドリ。からここ)がシェイクスピア女優という無理さ加減を忘れさせるほどに。

で、『役者魂!』(フジテレビ061017PM9~)脚本・君塚良一、演出・若松節郎を見た。主演・松たか子。久しぶりだにゃ~。『いつもふたりで』(03冬ドラマ・平均視聴率16.2%)以来だから、ほぼ3年半ぶりの連ドラだな。その間、何をしていたかというと「NODA・MAPオイル」(近鉄劇場)「おはつ」(新橋演舞場)「浪人街」(青山劇場)「ミスサイゴン」(帝国劇場)・・・って、役者か、本格的に役者を目指してお前様がみつるぎれいじ状態かぁーっ。

主題歌は「みんなひとり」で歌・松たか子ですがこれ以上なく竹内まりや・作です。「いつもふたりで」から「みんなひとり」へ。うんうん、世の中、そーなってるよーっ。

演出家は「振り返れば奴がいる」「やまとなでしこ」「熟年離婚」のヒットメークのベテランである。君塚・若松・松。ああ、ゴージャス。

これなら、「ボトルいれたなぁ」の付け鼻父藤田まこと(はぐれ刑事からここ)「どうして信じてくれないんですかぁ」の恥かき娘川島海荷(誰ママからここ)、「みんな何の話をしているの」のついでの吉川史樹(がきんちょからここ)も安心して「何が起こるか分からない世の中」を渡っていけるというものです。

ティファニー朝食風たか子の妄想。 ①交差点の吉田みどりさん(仮名)の場合→ケーキ作りが得意の主婦→白金にケーキ店オープン→ケーキが売れず借金まみれで銀行強盗→失敗して逃走中。②子役売り込みの小橋さゆりさん(仮名)の場合→学生時代に化学的大発明を→教授に盗用されそうになり逆襲してテコンドーで殺害→懲役8年で服役中に看守と恋に落ち一子を授かる→看守に研究を盗まれ子供ごと捨てられる。③ベランダの中西順平さん(仮名)の場合→宝くじで三億円あたる→使い道がなくお札で鶴を折る日々→折鶴で部屋がいっぱいになりベランダ生活へ。・・・ま、ビョーキですな。

序盤でアンナミラーズ風ウェイトレスのコスプレ。後半で劇中生着替え。松たか子出血大サービスである。

いい芝居だったなんて売れなくなった役者への慰めの言葉(香川照之・談)という以上にいい芝居だったーっ。

森山未來 ・加藤ローサの禁断の恋はいいとして、三角関係はないよな。まさか、藤田まことと年の差カップル展開・・・。この姉弟にはお母さんが必要だからなんて・・・。そ、それだけはやめてくれ~。「下北」の芸能界はウソっぽかったけど、こっちの芸能界は妙にリアルなので生々しすぎるから~。いろいろ妄想しちゃうから~。じゃ、社長の愛人で。そ、それもどうだろう。じゃ、アントーニオ(富岡晃一郎)と。もう、何が何やらぁ。・・・尼寺に行く可能性もあり。施設が第二の故郷だからね。

シェイクスピアである。たとえば単にロミジュリと書けばそれはシェイクスピアのそれ(1595頃)を指すのであり、けして、ディカプリオ版(1991)やオリビア版(1968)やウエスト・サイド物語(1957)のことではないが、もちろん無知や教養のないことは恥ずかしいことではなく、単にバカなだけだから責める気持ちはない。『リチャード三世』は史劇であるから、今なら「実話に基づいたフィクションです」とおことわりが入るだろう。

リチャード三世(薔薇戦争の最中に王位を簒奪して後に戦死)は15世紀の人で『リチャード三世』は16世紀末の作品。シェイクスピアは100年前の王様を悪の権化として描いているのだ。日本ではもうすぐ関が原の合戦という時代に応仁の乱のことを書いているようなものだな。そのたとえが分からんぞ。キッド。・・・ま、いいか。とにかく、悪というものは魅力的だから役者はみんなリチャード三世をやりたがるものだというバックボーンは知っているといいと思うのさ。

木曜日に見る予定のテレビ『慶次郎縁側日記3』(NHK総合)

おお、テンメイ様伝授の秘儀「日時変更」で公開が一日遡った。時間は夢を裏切らないのだな。っていうか時間が夢にだまされてしまったのだよ。まさにブログのタイムスリップ。

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2006年10月17日 (火)

そよ風で目覚めるとゴミ屋敷で上野樹里。

はにゃ。あいゃーぁん。ぷぷぷっ。へいへいぶーっ。ってお前はマンガか。・・・マンガだ。いえ、野田恵なので「のだめ」って呼んでくださぁぁぁい。・・・なのだな。

秋ドラマ若手女優戦線の最終章は上野樹里(86年生)である。コミックの実写化はそっくりショーという別次元の要素が加わり、そこに拘泥するあまりに、たしかによく似ているけれど、面白くなくなっているという場合がある。たとえば『動物の・・・』とか『柳沢教・・・』とか・・・。いえ、あくまでキッドがそう思うだけですから。逆に似てないけれどそこそこ面白い場合がある。『おたんこナース』→『ナースのお仕事』なんかがそれでタイトルまで違うじゃないかっ。フジテレビとしてはそっくりで面白いラインとして『サザエさん』や『ちびまる子ちゃん』があり、毛色は違うが『のだめカンタービレ』はここに属した。もう傑作に決定です。

本題に入る前に女優戦線ドラマ初回のメモのまとめ。

火曜日『僕の歩く道』香里奈(84年生)は19.3%、まさにダークホース。来てます。

水曜日『14才の母』志田未来(93年生)は19.7%、子役と女優のダブルステータスだな。脚本、手堅い。

木曜日『Dr.コトー2006』蒼井優(85年生)は23.2%、柴咲コウ(81年生)とタッグは反則ですけれども。

金曜日『セーラー服と機関銃』長澤まさみ(87年生)は17.3%、ここまで高すぎなので及第点。

土曜日『たったひとつの恋』綾瀬はるか(85年生)は12.8%、踊る殴る蹴る爆破する攻撃で、ジブリ砲炸裂の『タイヨウのうた』のような大苦戦。枠との馴染みもあるがこれ以上は落とせない。ちりばめられた伏線が効かなくなってしまうものな。踊る攻撃の間に15%までは戻さないとね。戸田恵梨香(88年生)もいるから可能。

日曜日『鉄板少女アカネ』堀北真希(88年生)は11.0%、今からでも土9→日9トレードしたい内容だが、ケータイ刑事の神オープニングを越える舞を見せられるかどうかしか興味がわかないところがトレビアンだ。まきまき、がんばれー。もうやりたい放題でも誰も文句は言わないぞ~。シリアス苦手なみなさ~ん。こっちですよーっ。ゆずやみかんも隠し味にしてしまえばいいのさ。それにしてもヤングキング(少年画報社)って、・・・ギョーカイで愛読している人いたのか。

さて、月曜日はどうでしょうか。数字はともかく秋ドラマ。ここまでハズレなし。内山理名(81年生)は別枠とさせていただきます。

で、『のだめカンタービレ』(フジテレビ061016PM9~)原作・二ノ宮知子、音楽・服部隆之、脚本・衛藤凛、演出・武内英樹を見た。「スローダンス」の脚本家とドラマ「電車男」の演出家である。これが見事なアンサンブルを奏でているようだ。この春、ブームになった「涼宮ハルヒの憂鬱」のナレーションを少しツンデレ化してパクったような玉木宏のモノローグがベースとして効いている。「たまごっちが縁で知り合った(がんばれ元気の父と子のように)ただ一人の師と決めた世界的なマエストロ・ヴィエラからモーツァルトはスカトロジストだと教わったエリート音大生のオレ様(千秋真一=玉木)が、他人の弁当(しかもデパ地下の二十個限定品)を食い逃げして部屋でハエを舞わせ、ベランダにアリが群がり、転寝する間に服はほこりにまみれ、蜘蛛の巣がはるほどの(悪魔のような)かたづけられないシンドロームでしかも天才的ピアニストなのに幼稚園教諭希望の女(のだめ)にベルトを抜かれるなんて、胴体着陸トラウマで飛行機に乗れず、溺死体験で船にも乗れず、日本から一歩も出られないオレ様の設定以上にありえん。ありえんぞっ」(一部空耳)なのです。『リモート』(02日テレ)で深キョンのフィアンセなのに堂本光一が呼び出しをかけるのでいつもいつもいつもエッチをさせてもらえなかった玉木宏の秘められた怨念が噴出したような独白になっていてトレビアン。

このモノローグにカンタービレ(歌うように)でからむ上野樹里の「ドキドキして先輩の背中に飛びつきたい、これはもうラブラブなのですーっ」(一部意訳)がなんとも言えぬハーモニーを響かせるのである。ハートの大きさも微妙に手頃だし、ヴァイオレットスライムもきれいな色合いだし、ハリセン教授(豊原功補)の飛び方も見事だ。

「電車男」からは秋吉久美子(ミーナ)も来ているがエルメスの母の仕事はこれだったのかと思うほどである。瑛太も、サエコも、水川あさみも、上原美佐も、岩佐真悠子も、小出恵介も、ハムの原材料も、みーんな、とっても生き生きしている。

西村雅彦は久しぶりにストレートにいい人の役で和むし、竹中直人はいちいち鼻つけるのにいつか飽きないか心配だ。

クスクスクスクス。見ている間、なんとなくずーっとこうで、時々、ブヒョッと噴き出してしまう。実に艶やかな笑いのコンサートです。

ツンデレなので「アジのひらきのマヨネーズ添え」を「スミ!」といいつつ「美味しいものとはこういうものだ」とミラリーゲ・アラ・バンナ・コン・イ・ブロッコリなどの手料理を作り、「お風呂は二日に一度、シャンプーは三日に一度、こう見えてもキレイ好きなんですぅ」と言われれば「じゃかぁしーっ」といいながら「おかゆいところはございませんか」シャンプー&トリートメントである。

・・・ああ。なつかしい。ああ。せつない。遠い学生時代。「こいつのピアノは特別だ。そしてこいつに合わせることができるのはオレだけだ」二人の奏でるモーツァルト「2台のピアノのためのソナタ」の旋律にいつしか、涙が。ああ、もう連れてってくれぇ。タイムマシンにお願い~の気分ですが。エンディングはガーシュウィンかよぉ。

はい。オタクドラマです。とにかく、もう今期はのだめだ~。おタクだからしょうがね~。

関連するキッドのブログ『上野樹里と瑛太と小出恵介とオレ様』

「灰皿をゆすっているのはシケモクを探しているのねあさおちゃんてば」とは学生時代尊敬していた先輩を詠んだキッドの思い出の短歌ですが、この先輩は相当に優秀な人だったのですが、片付けられない人だった。初めて先輩の部屋に行ったとき、部屋には家具らしいものは何もなく、あるのはパンパンのゴミ袋の山。当時は不透明な黒やブルーのものです。ここから、パンツとか、本とか、カメラとか、ティーカップとか、スプーンとか大事なものが次々に取り出された時にはキッドは失神寸前でしたよ。ま、世の中には才能もなく、その上、かたずけられない人もいますけどね。そういうとき、神様ってなんだかなぁと考えます。

月曜日『のだめカンタービレ』視聴率18.2%。同時間帯トップ(②日米対抗フィギュア・TBS15.2%)なので及第点。

水曜日に見る予定のテレビ『14才の母・愛するために生れてきた』(日本テレビ)とりあえずもう一回。深夜の『青春★ENERGY・お台場湾岸テレビ』(フジテレビ)も人の噂も七十五日の高岡蒼甫が出るからちょっと見てみる。

★明日18日(水)はメンテナンスのために更新がありませんのでご了承ください。★

木曜日に見る予定のテレビ『慶次郎縁側日記3』(NHK総合)しっとりと。

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2006年10月16日 (月)

ブタ玉。をプロデュース。(堀北真希)

月9のような土9の後は土9のような日9である。原作ものなのだが、掘り出しものというよりは無理矢理引っ張り出してきた感じ。

『うちのホンカン』(1975・誰も知らないにゃ)が大好きだったので、なんとなく、そういう匂いがしてくるともっといいのになあ。と思ったりもするのだが、してくるのは「ソース」の匂いなのだった。

原作は『じゃりん子チエ』の料理展開ばったもんであり、味平とか、味っ子とか、クッキングパパとか、原作料を値切れなさそうなタイトルを敬遠して、これにした。つまり、値切ったのではないかと疑ってしまうような・・・。失礼。でもね、「お好み焼きはブタ玉に始まりブタ玉に終るのだ」と竜雷太がまきまきに説教を始めた瞬間。キッドは爆笑してしまったのでした。

で、『鉄板少女アカネ!!』(TBSテレビ061015PM9~)原作・青木健生(他)、脚本・秦建日子、演出・倉貫健二郎を見た。母(死亡)、父(行方不明)、両親の残したお好み焼き店を守るため、中卒のお好み焼きエリート・アカネ(堀北真希)が父の味を越えろとおっしゃる美食列伝の著者(竜雷太)を相手に料理勝負を展開する。・・・どっひゃーっ。脚本家は『ドラゴン桜』で一発あてた人なので・・・まあ、狙ってるわけです。ちなみに『アンフェア』の原作者でもあり『花嫁は厄年』では脚本を担当し、途中で逃亡して、脚本監修になり、その支離滅裂さで物議をか・・・う、撃たないで~。もう、言わないから~。

しかし、今回はテッパンの原作があるから、大丈夫です。冒頭、妖しいスタジャンのまきまきが高級風なレストランへ「三万円ためて来たんですぅぅぅぅ」で今世紀最大の可愛さで登場。これ以上ない食事の口元クローズアップ。ハダのキメはおまかせ現役高校生を見せ付けます。(この後もクローズアップは多用され、これでもか状態を堪能できます)が、「焼きが甘ーいっっっ、この味で三万円なんてありえなーいっっっっっ」で店を飛び出すと店前で自慢のお好み焼きを披露。たちまち黒山の人だかり。デリシャース。

「キャベツのビタミン守りますのアカネスペシャル」でアカネのお店「ちゆき」は大繁盛していたのだか、初恋の人(塚本高史・結婚できない男からここ)が来たあたりから、雲行きが変わります。お店にお手伝いの奈津子・亜希子(レガッタからここ)がいたせいかと思われる閑古鳥状態に。相当おバカな設定のエレナ(片瀬那奈・拉致ドラマからここ・・・・・)から借金の抵当に店の立ち退きを迫られる始末。行方不明の父親へのアンビバレンツな感情に自暴自棄になるアカネ。

ここで陣内孝則登場。史上最高のお茶噴出し顔面シャワーを展開。あざとさに眩暈を感じました。父と母の遺産(屋台ワゴンと鉄板)を譲られ立ち直るアカネ。いよいよ、勝負の開始なのです。「基本を修練しないで何が個性だ」としかる竜に目にもの見せてやるのです。

しかし、秘伝のソースが失われピンチに。ここから、ミュージカルスタート。「トントン、キャベツを千切り~、そこに卵をいれまして~」父親直伝『ブタ玉のうた』(発売日未定)。そしていきなりCG炸裂の「ジューシーブタ玉」の舞。ここで「熱くて悪いか~ッ」・・・ま、エレナ様のバースディパーティーの余興ですから。・・・・・・もう、支離滅・・・・う、撃たないで~。もう言いませんから~。

すっげえー。もう日曜日は『ライオン丸G』とあわせて、深く考えてはいけない日曜日になりました。ライオンはともかくとして、まきまきが可愛くなかったら、今シーズン初のハズレ・・・う、撃たないで~。お願いします。撃たないで~。まきまきが走ったり、転んだり、びしょびしょでどアップになるだけで、充分満足しましたから~。

火曜日に見る予定のテレビ『役者魂!』(フジテレビ)

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2006年10月15日 (日)

うそつき・・・・・・・・・・・・・・・。(綾瀬はるか)

亀梨和也はガセビアの沼行きですか~。いえ、「赤ん坊のまばたきのようにささやかで美しい恋」に堕ちたのです。

あのサプリの亀梨とは別人のように魅力的。のけぞるような北川ナレーションのモノローグでも違和感がありません。やはり食いしん坊探偵からの「忘れられない恋をする」アグネスぷりんマジックが効いたのでしょうか。

それとも弟(斉藤隆成・『光とともに~自閉症児を抱えて』の光くん)からもらったハロウィン・キャンディーに魔法がかけられていたのか。・・・いえ、やはり、綾瀬はるかの女優魂が照射されているのでしょうね。綾瀬はやはり白い太陽。亀梨は赤い月なのです。キャンデーはお嬢様ボランティアの魔法使い→弟→兄→魔法使いというルートなのかな。何かを象徴しているのかもしれません。

で、『たったひとつの恋』(日本テレビ061014PM9~)脚本・北川悦吏子、演出・岩本仁志を見た。恋愛ドラマの基本であるロミオとジュリエットの新たなヴァリエーションである。たとえばローマの休日では新聞記者と王女。身分という障害でロミジュリに。ストレートにいけばセーラー服と機関銃はやくざと女子高生、年齢という障害も加えてロミジュリに。ある愛の詩なら不治の病。生けるものと死せるもの。つきつめれば恋愛は男という種族と女という種族のロミジュリですからね。性同一性障害も含めてね。脚本家は『ビューティフルライフ』(2000TBS)でロミジュリを極め、神様と異名をとった人。今回は経済格差と学歴格差という基本的な障害でオーソドックスかつ技巧的なロミジュリを披露。お茶の間のハートを奪っていくようです。神様、さすがだな。

男の子と女の子は衝突する。トーストを咥えていればお行儀が悪いのですが、その点はスライドしてお茶の席で展開します。メガネをしていれば相手を見ることができなくなるのですが、その点はスライドして後半、プールでコンタクト。さあ、どうしましょう。そこで「アイナメ」です。いや、「スズキ」です。いや「メバル」でした。魚かよ。男の子は魚をバケツに入れて持っていました・・・と。すげぇっ。アイディアとはこういうものだという教科書プレイです。

しかも、この魚は最後までつなげていくアイテム。パーティーに侵入した男の子に女の子は敵意をむき出しに。なぜなら「友達に避けられた。お気に入りの洋服が魚くさかったから」なのです。最終的に男の子の嘘がばれるのは料亭に「魚」を売ったから。足跡をたどられて本当の姿を発見されてしまうわけです。一度捕まえたアイディアはとことんしぼりつくす。またまた教科書プレイです。

男の子は鬱屈をかかえています。理想とは程遠い境遇。けれど天使がついているので、開き直ることはできません。イスに座ったままの弟がいるわけですから。自分が恵まれていないとか、不幸だとか思い切ることはできないわけです。演出的には弟にまったく移動させずに車イスをインサートするだけの処理が・・・教科書プレイです。

そういうわけで「あなたは優しいのか、意地悪なのか、わからない」男の子になっています。女の子はほどほどに恵まれた環境。ただし健康面に問題がないわけではないフラグが立っています。バッグを変なところに落としたり、兄が要潤だったりといろいろと大変です。「傷ついても本当のことを言葉にしたい。そうでないと何が本当なのか分からなくなるから」などと男の子の痛いところを殴る蹴るしてくる峰隆太の奥様のようなシンの強さも持っています。・・・教科書プレイです。

ゆるゆるとまったりとするすると恋が生れる課程。演技的にはまだまだゆれる亀梨くんを綾瀬さんならではの演技力で引っ張ります。もちろん、もう一つのパワーも魅せつけます。水に落ちたらユラユラ浮かびますし、ありあわせの制服に着替えたらムチムチで、ムチムチのまま、男の子をおいかけてユサユサです。・・・教科書プレイです。

ひたむきにコンタクトを探す少年。「見つからない」「使い捨てだからいいわ」「それを先に言え」・・・教科書プレイです。

ハロウィンの夜。魔法使いのコスプレ。「二人で一緒にと言ったのにみんなでどう?と言われたら、好きでもない女の子にふられた気分。だけど、もしも彼女が待っていたら」という男の子と「思った通りに生きてもそれなりに家族や友達が守ってくれる。でも恋だけはきっと違う坂の上の学校では教えてくれないこと。だけど、あの男の子にはどうしてももう一度会いたい」という女の子は雨上がりの教会で逢うのです。女の子は変な格好していたので男の子にジャンバーを貸してもらえました。

はい、はい。すべてが教科書プレイですわ。恋愛ドラマを勉強するならコレですわ。ベタとかいうレベルではなく、神話とか伝説を紡ぐ神業ですわーっ。

あまりにもよどみないので、主人公のふたりだけでレビュー成立ですが、田中聖、平岡祐太、戸田恵梨香のお友達トリオ、田中好子、余貴美子のお母さんコンビ。みんな絶妙ですな。教科書プレイです。なんだか神様脚本家がおねだりしたようなパパ財津和夫さんだけは微妙で・・・教科書外プレイかな? オフコース頼んだのにチューリップが来たみたいな。いや、それも一味加えた・・・教科書プレイなのかも。

関連するキッドのブログ『・・・・・・・・・・・・・・・・・何ぃ?(亀梨和也)』

月曜日に見る予定のテレビ『のだめカンタービレ』(フジテレビ)・・・うう、もう少しだ。

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2006年10月14日 (土)

これでいいとは思いませんが、これしかできない長澤まさみには。

アナログテレビ民放系の戦術として大失敗した「カクレカラクリ」の展開を姑息にも小規模に繰り返しており、ヒヤヒヤする。コラボっていいものと悪いものの区別がつかないのかよぉ。たとえばだなぁ。セカチューで「誰か~助けてくださ~い」と絶叫している時に長澤や綾瀬がむくりと起き上がり「持病のある方も入れます」という保険のCMをやり、その後で本編で「誰か~」で泣けるか? 「カイカン」CMのやっていることはそういうことだ。ま、原点の角川映画もそういう部分は相似形だけどなぁ。

もちろん、たかがドラマでマジにならないでくださいよぉ。という考え方もある。しかし、キッドの経験で言うといつか痛い目みるぞ。いや、もう見てるのか。カラクリ視聴率6.1%だから。それにしてもそんな気持ちで役者に魂吹き込めるのか。

リンゴ食べるだけでこわい本田博太郎、笑うだけで妖しい緒形拳、ひたむきな堤真一、精一杯の長澤まさみたちの役者魂が哀れで哀れで泣けて来ました。

それはそうと、『松子』8.8%、『コトー』23.2%ですからぁ。TBSテレビも、オフィスクレッシェンドも、夏の反省をしないと大変なことになってしまうのでは。

で、『セーラー服と機関銃』(TBSテレビ061013PM10~)原作・赤川次郎、脚本・いづみ吉紘、演出・平川雄一郎を見た。今度は古き良き薬師丸ひろ子と比較される展開である。どちらかといえば重厚な演出の方がはまる演出家がメリハリに苦労している様子がうかがえるが、堤と長澤の心のふれあいは丁寧に描かれていて素晴らしい。

一番の難関は「女子高生が組長」というとんでも設定を視聴者に馴染ませることができるかどうか。なのだが、「幸い、組長に資格はありません」「そういう問題じゃなくて」や「誠意をこめて話せば分かってくれるとおっしゃったじゃありませんか」「私、学級委員になったこともないのに」や、そして攻守を変えて「捨てる命なら私があずかります」「必ずお守りいたします」さらに「やっばりやめます」「それはできません」まで、理詰めとエモーション、そしてユーモアで手堅くまとまっている。つまり、ゆるやかにシリアスをしているのであって、この本編にパロディーCMは非常に危険な配合なのだよなあ。

風祭ゆき、風吹ジュンに続く三代目マユミは小泉今日子である。どちらか言えば暗い役回りだが、マンハッタンラブストーリーで爆発した後なのでキッドはものすごく期待している。私立探偵濱マイクとは違う暗くて控え目の演技。あるのか、ないのか。初回はかなりありそうな予感。

星泉の歌う「セーラー服と機関銃」、BGMとしてのインストゥメンタル展開、どちらもオーソドックスだが受け入れやすい。サスペンス作品だが、元ネタはややおふざけ。映画版はペーソス。だから、「トリック」よりも「セカチュー」を貫いた方が勝ち目があり、後半はそういうラインに乗っていた。前半のような無理は抑えるだけ抑えた方が得だと思いますが・・・。役者はそろっているわけですからねぇ。

上になって守る佐久間、下になって守られる泉。家族で見ていても安心なセクシャルシーン。そして予告編では強制脱衣。寸止めでいくらでもエロスの暗喩が放てる素材であることは相米慎二が示している。このあたりのトライが希望です。

桂小金治の目高組長は落ち目でも格式ある親分。まして浅草神社(浅草寺)の縄張りを仕切るほどの人であるので、獣医が来ることはありえない。

893は合計すると20になりブタの目である。博徒(ギャンブル系)の隠語だ。テキ屋はいわば露天商。行商人(エコノミー系)である。露天の店割が縄張りである。シノギ(稼業)による分類で、テキ屋も博打をするだろうし、博徒が金貸しをしたり、あるいは土木工事などの請負をすることもあるだろう。売春や麻薬売買など「やくざ屋さん」が合法と非合法の狭間で商いをするときに暴力がからみ、暴力団となる。

どのようなシノギの組織にしろ血縁による襲名がないわけではないが、杯事でかわす親子関係が重視されることがリアルであることは間違いない。逆に血縁で世襲ができるようにお膳立てを整えることもシノギのうちなのだから。「親分が黒といえば黒」なのだが、ヤクザ好きの素人が多いとはいえ、若い視聴者もいるのだから、若頭の苦悩をもう少し説明する必要があったな。

せっかく映画『悪名』を挿入するならするで映画館のシーンはもう少し工夫があってもよかった。田宮二郎が親分を見限って杯たたき返す映画なのだしな、ま、シルクハットの親分は親分で笑えたし、もちろん、せんべいボリボリ、メガネッ娘の長澤の嗚咽は充分堪能できたのだか。

関連するキッドのブログ『第2話のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『鉄板少女アカネ!! 』(TBSテレビ)・・・しかし、秋ドラマはやはりすごいラインナップだな。ここで堀北かぁ。

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2006年10月13日 (金)

内山理名&鈴木えみVS柴咲コウ&蒼井優

おそろしい戦いがはじまりました。涼子VS涼子が子供のケンカに見えるほどです。

ちなみに相棒は15.5%。14才の母は19.7%でした。・・・とってる。とってる。この調子だと今夜はどんなことになっているんだ。

原作が小説VS漫画の戦い。発行部数でいえばコトーが圧倒してますがね。かたや、映画がそこそこヒット。かたや平均視聴率19%ドラマの続編。松子映画版は中谷美紀-柴咲コウのそっくりさんライン。松子ドラマは内山-鈴木の似ているといえば似ているラインである。コトーの柴咲-蒼井はダブル泣き落としで来るのだが、内山は必殺のどんな笑いなんだ天使の笑顔でいい勝負に持ち込んでいる。

で、『Dr.コトー診療所』(フジテレビ061012PM10~)原作・山田貴敏、脚本・吉田紀子、演出・中江功を見た。前作が2003年夏ドラマである。登場人物たちはほぼ持ち越しており、前作を見ている人たちはなつかしさに震える。

ここに途中参加するのが蒼井優で、大病院にいたので経験が不足しているナース・ミナ役である。前作でコトーと島民の融和、コトーと柴咲のふれあい、コトーの過去の清算などのネタは消費されているので、新人投入である。点滴ができない。手術で気絶。患者の優しさに泣き出す。ミナと呼んでと強要する、声が妙にせつなげ、ニセ看護士の容疑がかかる、子供にパンチラをサービスするなど、とんでもなく怪しいムード満載である。

一方、古参のナース柴咲は資格取得のために島を出る展開。しかし、原作によればコトーによからぬ思いを持つ医師・鳴海(堺雅人)の診療をひそかに受け、乳がんと診断されてしまう。原作通りなら手術は成功するのだが、なにしろ、原作では死んでいる母親が生きているからな、何が起きてもおかしくない。生きている朝加真由美、熱演だ。

真相を知ったゲゲゲの鬼太郎が・・・失礼、コトーが「どうして、ボクに相談してくれなかったんですかぁ」問われて柴咲嗚咽しつつ「だって、先生に胸とか見られるのはどうしてもいやだった」うんうん、そうだろう。キモいもんね・・・って違うだろう。この告白の前後の柴咲が神なみの可愛さを炸裂させる。特に正面顔はおそらく最高のアングルとライトをもらった女優歴に輝くショットだったのではないか。

時任三郎・富岡涼親子も健在で、ああ、北の国からをやろうとしているのだなぁと思う。中島みゆきはさだまさしなのかあ。どうするんだ。鬼太・・・いや、コトー、蒼井に乗り換えるのかぁ。柴咲の病状しだいなのかぁ。泉谷しげるは村長の座を狙っているのかぁ。大塚寧々の出番は多いのかぁ。・・・これは。来週も見るよ。

で、『嫌われ松子の一生』(TBSテレビ061012PM10~)原作・山田宗樹、脚本・成瀬活雄、演出・酒井聖博を見た。脚本がやや、硬い印象があるが、賛否は分かれるだろう。とにかく、原作が絶妙の上、豪華な映画版があるので気苦労があるだろうなと思う。しかし、内山も映画版の中谷と同様に「この役のための女優」であると言えるだろう。いや、この役のために生れてきたと言ってもいいのではないか。

理由。①途中経過がどうあれ、最後は汚れて死んでいる役だ。②個性的な美女である。③幸が薄いという役のキャリアが深い。最近では『大奥~華の乱~』ちょっと前なら『ハンドク!!!』『SOS』、そして『QUIZ』にいたっては財前直見のトラウマ(によって生じる分裂人格の幻影)役である。まだ、あるがこの辺にしておく。

原作は1971年に23才だった松子が2001年に53才で死亡するまでの物語である。今回は転落のきっかけとも言える校長によるレイプ未遂。未遂とは言うが出血しているので立派に犯罪だ。教え子の現金盗難事件にからんで冤罪で中学教師をクビになり、家出するところまで。

松子は一種の発達障害者のようでもあり、パニック障害者のようでもあるし、いわゆるボーダーラインの普通の人のようでもあり、単なるダメ人間ととらえることも可能で、少しまじめすきただけととらえることもでき、運がいいとか悪いとか人は時々口にするけどそういうことって確かにあると思える人だとも・・・、このあたりが原作の放つ松子のどうにでも解釈できる魔性の魅力と言える。

初回の内山は最後の謎の微笑みに至るまで松子の持つ曖昧さを完璧に演じた。

①校長と同じ部屋に宿泊することを拒否できない。②凌辱されても告発できない。③生徒を信じながら疑う ④同僚教師から窃盗 ⑤犯人じゃないのに自分を犯人だと言ってしまう ⑥妹の首を絞めて殺人未遂 ⑦父親を独り占めできないのが苦痛 ⑧生徒を真犯人だと疑う自分を信じられない ⑨やがて河原で一人泣く ⑩とにかく河原で凄い微笑みをする。

きっと置き去りにされた視聴者は山のようにいるはずで、人を置き去りにすればするほど傑作になるという哀しい宿命を背負ったドラマと思われる。でも、来週も見るよ。

妹・久美(渡辺夏菜)は実は本当に悪気がないのだが、悪気がないのに許されないことをしてしまうというのが人間というものなのだな。キッドはそういうキャリアを死ぬほど積んでいるのですごく納得できる。でもね。仕方ないじゃないですか。そういう風にしか生きられない。それも人間というものですから。たとえどれほど「あんたなんかいなくなればいいのに~」と思われようとも。

土曜日に見る予定のテレビ『たったひとつの恋』(日本テレビ)ふう。やっと折り返し地点かぁ。

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2006年10月12日 (木)

出生の秘密の話と妊娠が秘密の話。

ま、世の中、おちょくっていいことと悪いことがあると思うのですが、キッドはその区別が上手にできません。タイトルには悪気も悪意もないのですが、ネタバレであることは認めます。

今夜は『相棒』を見る。途中でサッカーAFCアジアカップ2007予選「日本VSインド」を見る。『相棒』の後半を見る。夜のニュースを見る。『14才の母』を見る。というそこそこハードなスケジュールだったために志田未来妊娠物語がそこそこゆるめになっている可能性大。でも、「CAとお呼び」の100倍面白かった。

おいおい、それがもうゆるゆるじゃないかぁ。

で、『相棒シーズン5 スタートスペシャル・杉下右京 最初の事件』(テレビ朝日061011PM8~)脚本・輿水泰弘、監督・和泉聖治を見た。ネタバレですが、奥菜恵がお嬢様役で登場した瞬間から、父親が幼女姦・母親は浮気・本当の父親が犯人・一家でかばいあい・時効は成立していないが思い浮かんだのはキッド一人ではないと思う。

うわあ、お前は右京さんかよ。・・・まあまあ。冒頭、サバイバルゲームオタク、あるいはミリタリールックオタク、あるいは軍ヲタの臓腑をえぐるような展開があるが、たまたまね、軍オタにもバカはいるし、役所の役人にもおかしな人はいるし、そういう人たちのことを描いたのであってスタッフが偏見に凝り固まった人々とは思わないようにしておきます。

フレキシブルでない右京さんが、最後ちょっとゆらぐのですがそれもまた許容範囲かな。

だって「政治家だから法と戦う」という姿勢満々では法治国家とはいえないでしょう。被害者の妻「見逃してください」って見逃せるかぁ。「先生は国民を幸せにできる政治家なんです。それなのに逮捕するんですかっ」って法を破って生き残る奴が立派な政治家になれるという奥菜恵の思想はすでに危険思想ですな。相棒ついに思想的に汚染され始めた悪寒が。

もっとも右京さんは「時効成立」に逆らい続けたわけで、法への反抗心ととるか、脱法の可能性を見逃さなかったかととるかと言えばもちろん、後者なのでしょう。亀山ぁ、調子に乗るなよぉ。妻がイスラームしているのに気がつかないとやばいですよぉ。

小野田警察庁長官官房室長・今夜の恫喝「お前のしていることは時効制度をないがしろにしていることになるのよ。だから、もうこういうマネは二度としないでね。おまえなら、どういう意味か、分かるよね」・・・わかんない人なのはあなたが一番知っているのでは・・・。

それにしても遺族が「事件のことを思い出したくない」というのは分かるが事件隠蔽者が事件のことに触れないでと主張しすぎるのは容疑を深めるだけだという心理はなかったのかしら。とくに被害者の妻。少なくとも犯人隠匿の上、偽証罪だし、夫が異常になったのは案外、浮気のせいだったりして、・・・一番悪いのはお前じゃねえか。右京さん、そこはお咎めなしですかぁ。

・・・間をとりました。日本VSインド3-0。停電。試合続行。犬一匹乱入。試合中断。おいおい、インド。ここここここ国際試合だろうがぁ。ダイジョーブゥ?

で、『14才の母・愛するために生れてきた』(日本テレビ061011PM10~)脚本・井上由美子、演出・佐藤東弥を見た。脚本が優秀なので展開によどみがまったくない。ちょっとバカなところがある女子中学生が調子に乗ってセックスをして妊娠してしまうというだけの話を志田未来の熱演を引き出すところまでは持ってきている。前半はいつ、受精するのかで引っ張った。レイプ妊娠の可能性もあったわけで、ここをクリアして「これっていけないことなのかな?」見ていたのは金色の月だけって。レベッカなのか。ま、個人的にはリアルを求めるのであれば志田には破瓜の後はガニマタで帰ってきてもらいたかったです。

オープニングでシーツをまとう室井滋と河本淳一のちょっと気持ち悪い部分も志田未来をちょっとドス黒くした谷村美月の美しい登場で汚染除去できたしな。

生瀬勝久がオヤジギャグを飛ばすのは来週の展開を考えるとスリリング。

鳥は時期が来れば巣を作り卵を生み雛にエサを運ぶ。それができない人間がどれほど自然の摂理からの狂いを生じているかという問題はある。ラブシーンが苦手な親子とか。美醜の問題もからみセックスそのものの否定や嫌悪。性教育から逃避する人々。そして人間にかかわれば猫だって犬だって避妊させられるのである。

戦争の対極にあるのが平和ではなく避妊であるというのがひとつの答えだな。そして避妊あるいは堕胎を殺人と考えた瞬間。世界の殺人者は一挙に倍増するわけだ。井上由美子はどちらかといえばつきつめるタイプ。妊娠出産を「きらきらひかる」や「タブロイド」のようにつきつめていくと、おそらくかなりの問題作が出来上がることになるだろう。

田中美佐子が北村一輝によろめく方向にいかないで済むといいなあ。

「初めて自分が一人だと思った。お母さん、お母さん、助けて」と泣き出す未来。そうだ。彼女は「努力さえすれば何でもできると思っているタイプ」なんかじゃない。ちょっぴりののたん(体は大人だけど心は子供の代名詞・通用範囲極小)なだけなのである。

関連するキッドのブログ『14才の母・第二話のレビュー

『僕の歩く道』初回19.3%かぁ。とったなぁ。ドラマ内容の濃さでいえば、結局、『相棒』も、『14才の母』も素晴らしかった。秋ドラマはやはり、相当に魅力的なラインナップになりそうだな。夏と違いコメディー濃度は低めになる予感もする。まじめに作って笑えるのが一番いいのだが。はたして・・・。

金曜日に見る予定のテレビ『セーラー服と機関銃』(全⑦回TBSテレビ)ふーん、短期決戦で来たのかぁ。その手もあるよな。

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2006年10月11日 (水)

てるー、リリンリリーン、みやこちゃーん×10(僕の歩く道)

オリジナルなのでどこへ向かって行くのか定かではない。弱肉強食の論理では世界は荒む、弱者保護は和みであり、人は誰も老い病むものだという共通認識によって立つのだが、弱者と強者の平等は不公平感を伴うという矛盾を孕む。よってどこへ向かうにしても劇的な展開になるのである。

自閉症は基本的には機能的障害であり、人間関係に支障をきたす人間という困難な問題を持つ。たとえば「おはよう」と挨拶をしたのに挨拶をしない聾唖者を批難してしまった人が事情を知って恥じるのはたやすいが、自閉症者が「おはようございます」と云われなかったので「おはようございます」と発声できなかったことを批難した人が恥じる気持ちに至るのはなかなかの知的水準を要求されることになる。恥じなかった人を批難すると知的障害者を批難することにもなりかねない。

キッドはかってラーメン屋で合い席した見ず知らずの老婦人から、「私の息子は盲目なんです。私の生きている間はなんとかなるでしょうけど・・・心配でね」と明るく話しかけられたことがあり、返答に屈したものだが、そのような、母親のいつくしみの心はあくまで個人的なものである。いつくしみの社会化は結局、その社会のゆとりのなせる技と云えるだろう。そういう意味で日本がゆとりある社会であることは間違いないだろう。人民の生活を犠牲にしても核武装しなければならない国家に「僕の歩く道」が存在しないことは充分に想像できる。

で、『僕の歩く道』(フジテレビ061010PM10~)アソシエイトプロデューサー・石原隆、脚本・橋部敦子、演出・星護を見た。第一回のサブタイトルが『誰よりも純粋な男』であることを除けばまずまずの出来だったと考える。少なくともキッドは主人公が誰よりも純粋な男であるとは思わないし、そういう方向性で作ったら道を誤ると思う。

『僕の生きる道』で矢田亜希子を。『僕と彼女と彼女の生きる道』で美山加恋をスターにした草彅剛が今度スターにするのは香里奈のようだが、本仮屋ユイカの可能性もないではない。意外と須賀健太だったりするかもしれない。本命・香里奈は能世あんな、えれなに続く美人三姉妹の三女だが、草彅マジックで早くもいつもより魅力的になっている。

今回は香里奈のパシリとなるのがパシリの第一人者・田中圭であることも特筆したい。生きているだけで緊張感を与える自閉症者をめぐり、庇護者を宿命づけられた香里奈と無理解な一般人代表の田中が、くりかえしのコントを淡々と演じる。もう少し早く分かってやれよと野次るお茶の間の皆さんもあるだろうが、本当に草彅の存在は厄介なのであり、それを理解しなければ、幼い頃からずっと付き合い続けている香里奈の最後の爆発は理解できないのである。あれを「不倫の彼氏のために料理を用意したのに結局妻の病気を理由に約束をやぶられ、うっかり切った指はズキズキ痛いので八つ当たりした」ととってはならないのである。香里奈は草彅を慈しみ、慈しみ、慈しむあまりに、涙を流して叱ったのだったから。だから、パニックでツール・ド・フランス優勝者モードになった草彅に変わり、SMAPが「ありがとう」を連呼するのではないか。

古典的な演出方法だが、前半のフェイドアウトの多用がおしゃれだった。途中からカットアウトになり、物語の速度を加速させるのである。視聴者によっては展開が苦痛に感じる内容なのでなだめながら、最後は一気に見せてしまうという意図であろう。

「絶対に・・・」と思わせぶりな演技を要求される加藤浩次をはじめ、佐々木蔵之介、森口瑤子、小日向文世、大杉漣、MEGUMIそして長山藍子がしっかりと脇を固め、こうして僕は歩き出した。

自閉症のドラマといえば映画『レインマン』を嚆矢として、最近では篠原涼子の出世作とも言える『光とともに・・・自閉症児を抱えて』(日テレ・04)や「三年B組第7シリーズ」の弥生(岩田さゆり)が記憶に新しいが、まだまだ世間の認知度は低く、ゲーム脳などという怪しげな私論が展開されたり、バカな政治家が無定見に言葉を使ったりして混乱を巻き起こしている。それが、機能的な障害であり、障害者とともに暮らすことは楽ではないが、ゆとりある社会であることを示すバロメーターであることをしっかりと伝えてもらいたいと考える。しつこいようだが、香里奈は偽善者を演じたのでなく、人間を演じただけなのだ。で、ありますように。

木曜日に見る予定のテレビ『嫌われ松子の一生』(TBSテレビ)VS『Dr.コトー診療所2006』(フジテレビ)・・これは涼子VS涼子以上の強力な対決なのか?

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2006年10月10日 (火)

正と書いて五画、殺と書いて十画。(薬師丸ひろ子)

わはははは。再放送だが22.7%かよ。『ドラマレジェンド古畑任三郎VSSMAP』、さすがだな。もー、みんなSMAPと古畑大好きなんだなぁ。キッドはそれほど面白いとは思えませんが。ま、神様が降臨しないってだけでコロンボのパクリとしてはそこそこイケるとは思いますけどね。倫理的にきわどい部分がありますが、・・・ま、それも想定の範囲内で・・・実在の人気者に殺人を犯させるのですから、もう一工夫あるべきかなとも考えます。

それに対して『木更津キャッツアイ』、何回見ても面白い。でも、視聴率はとれない。こうなると好みの問題っていうよりは歯ごたえのあるドラマはダメっていう結論になりますな。っていうか「古畑VSSMAP」ぐらいがちょうどいい歯ごたえってことかも。ま、それが日本のショービジネスというものですからねえ。

200X年、北朝鮮が発射したテポドン3号は爆縮型核弾頭を搭載して東京上空を通過、千葉県木更津市に落下する。そして、木更津市を中心とした爆心地周辺は壊滅し、市民は全滅。そして死者たちは果てしない夢の世界を彷徨するのである。・・・キッドは何故か初放送段階からいつもこの幻想でこの作品を見ています。

で、『木更津キャッツアイ(2002年冬ドラマの再放送)第二話・チャカ奪回作戦』(TBSテレビ061010AM0203~)脚本・宮藤官九郎、演出・金子文紀を見た。二回の表裏を描く第2話は余命半年の癌であるぶっさん(岡田准一)が死ぬ運命にあることを仲間たちが受け入れ始め、美礼先生(薬師丸ひろ子)の悩みが深まり、ぶっさん、バンビ(桜井翔)、モー子(酒井若菜)の三角関係が本格化して、うっちー(岡田義徳)が生まれて初めてホームランを打ち、山口先輩(山口智充)からオジー(古田新太)先輩の悲しい過去が明かされ、男の勲章の店長(嶋大輔)が貸してくれたサインペンで普通のサインボールが生まれ、ピストルで脅かされ、女子高校生トリオ(あじゃ・他)が『「ミニモニ・テレフォン』を夜が更けるまで歌う回である。

うわぁ、ネタが濃すぎてキリがない。・・・あ、猫田(阿部サダヲ)を忘れてた。猫田がモー子にふられて「風の谷のナウシカ」を見ていたのが事件の発端。オジーは「朝だよーっ」と言う。(その後誤認逮捕され取調べ室でカツ丼を食べて最後は「食ったーっ」で閉める) この時ゲストのきたろうがチャカを盗みドタバタが始まる。

・・・あ、マスター(佐藤隆太)とアニ(塚本高史)を忘れてた。脇役の黄金コンビではないか。佐藤は「I.W.G.P.」や「ギャルサー」、塚本は「T&G」や「結婚できない男」と、クドカンドラマでもそうでないドラマでも重要な役柄をクリアしている。ふたりがタッグを組んでぶっさんを支えるから昼はキャッツ(草野球チーム)、夜はキャッツアイ(怪盗チーム)が成立するのだな。いわば飛車角である。

そっくりカバンの取替えは古典であるが、ナイキ製のヴィトンバッグ(5000円)であり、中にチャカが入ったり、タコが入ったり、コスメが入ったり、赤いハイヒール(300円)が入ったりしていて楽しい。おかしなおかしなおかしな大追跡であるな。

剛速球投手のバンビ、「頭がいいのね」捕手のぶっさん、そしてモー子の勝負パンツ(☆柄)の見事な連携プレー。もはやジグソーパズルなのだな。

さて、木更津市にたちこめる死の気配。やがて、オジーが死に、オジー像さんになるころから濃厚になるのだが、今回はきたろうである。リストラされ、家族からも捨てられた中年男。彼は本当に自殺未遂だったのだろうか。本当に生きて、この物語に参加していたのだろうか。キッドはどうもそう思えない。きたろうは自殺したのだ。もはや死んでいるのである。死者と物語を紡ぐのは死者だけだ。この後にゲストで登場する哀川翔も、気志團も、ケーシー高峰も、加藤鷹も、中村獅童も、妻夫木聡も、YOUも誰も彼もが死の匂いを漂わせているのである。

・・・あ、公助(小日向文世)とローズ(森下愛子)を忘れてた。理容師免許を持っていない理容師とヘルニアのストッリッパー。もはやゾンビと云って差し支えない。

恨みのメモ帳に美礼先生が記すメ、いや木、いや几、いや又、いや、恨み十回で殺の字完成なのである。その恨みはどんな恨み。それは被爆した木更津の恨み。後半、ぶっさんが何度も生き返るのは不自然と言う人がいるが、そんなことはないのである。なぜなら、ぶっさんはすでに死んでいるのだから。

ぶっさんの好きな「アナーキー・イン・ザ・UK」(セックスビストルズ)の着メロにあわせ、モー子が「あ~む、あ~む」と歌うとき、なーむなーむと聞こえ始め、主題歌「a Day in Our Life」(嵐)がなーむはんにゃーそわかー、ぎゃーてぃ、ぎゃーてぃ、はらぎゃーてぃと聞こえるようならば、あなたにもキッドの気持ちが分かってもらえると思うのですが・・・。

関連するキッドのブログ『太宰治、宮沢賢治、そして宮藤官九郎』

水曜日に見る予定のテレビ『相棒シーズン5スタートスペシャル』(テレビ朝日)、最近2時間ヴァージョンだとスカスカになるのだが大丈夫かな&『14才の母・愛するために生れてきた』(日本テレビ)さあ、とんでも作品か傑作か。楽しみだぁーっ。

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2006年10月 9日 (月)

仲間由紀恵で上戸彩で岡本綾の夜。

三番目は小田あさみか、小林恵美であるべきなのだが、思わずバランスをとってしまいました。

北朝鮮の核実験前夜はキッドにとって時代劇の夜だったのだ。

『ライオン丸G』は違うだろうと言う人はふところがせまい!と言わざるを得ない。チャンバラはあるし、近未来という時代劇なのですから。立派に時代劇と認定します。

で、『大河ドラマ・功名が辻・三成暗殺』(NHK総合061008PM8~)原作・司馬遼太郎、脚本・大石静、演出・梛川善郎を見た。とにかく、合戦シーンをすかし続ける大石大河なのであるが、いよいよ、最大の見せ場・関が原の合戦が接近してきた。今回は発端ともいえる武闘派(高台院派→徳川派)の石田三成襲撃事件である。事件そのものがすかしであるからいいのだが、なんとなく関が原もすかす気満々の予感がある。

ゲストの唐沢寿明(前田利家)をナレーションで死去させたしな。さて、今回のストーリーは義理人情に弱い一豊(上川隆也)に千代(仲間)がどのように「正しい選択をさせるか」というメインテーマによって展開する途中経過である。つまり「反戦の人」が「勝ち馬にのる戦略家」に成長するという物語だからね。千代の決断は「徳川様にお味方する」に決まっているのだが、いろいろとしがらみのある夫にそれをさせるためには手順を踏まなければならないので内助の功は大変なのである。まず、高台院ルートの根回し。石田に恩を売ることで心の負担を低下。そして石田派=豊臣派ではないという宣伝工作。あげくの果てに「お前はどう思う?」と夫に問われて「もう少し様子を見ましょう」である。う~ん。男に生れたからには千代に操られたいものよ。

今回、石田の発案で家康の元へ説が採用されているが、状況から見て、そういうお膳立てを整えたのが家康であることは明白。もちろん、一豊がからんでいたとしても当然、家康→高台院の命を受けてのことに決まっている。石田ファンには申し訳ないが、三成は徳川家が幕府を開くための道具に過ぎなかったと思われる。戦国生き残りの大名と小坊主上がりの官僚とでは最初から勝負は見えているのであった。

そして、それを見抜けきれない一豊と見切っている千代の「勝ち馬に乗った人が生き残る」レースのための格好の道標にすぎないのである。今夜の夫婦喧嘩コントはバカ殿追っかけでした。なるか、平均視聴率20%越え。

関連するキッドのブログ『山内一豊の馬、いや妻の仲間由紀恵の例の馬の話』

で、『秋の映画スペシャル・あずみ』(TBSテレビ061008PM9~)原作・小山ゆう、脚本・水島力也(他)、監督・北村龍平を見た。う~ん、何回見ても面白いなぁ。こちらは関が原の合戦直後の世界なので、大河ドラマとある意味続いているのだ。上戸のあずみも申し分ないのだが、しつこいようだが後藤真希のあずみも見てみたいなぁ。ドラマでやってくれんかなぁ。ついでにこの監督のアクションはある意味ワンパターンだが斬新でいいのだよなぁ。

2003年の公開である。この時点で斬られ役のキャスティングが渋い。冒頭、上戸に斬られるのが小栗旬である。相思相愛で殺し合いで斬られるなち役。この時、石垣佑磨によって瑛太(ひえい)もさりげなく斬られている。斬られなかった仲間には成宮寛貴、金子貴俊(後に毒殺)などもいる。それから、伊武雅刀、遠藤憲一としぶいところをはさんで、オダギリジョーである。じい原田芳雄やひと夏のパパこと北村一輝は斬り殺せないが、仕上げは竹中直人(加藤清正役)だ。

そしてもう一人のヒロインとして岡村綾が登場。世の中がどう考えるかは別としてキッドにとっては豪華絢爛たる配役だ。クライマックスでは上戸が斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬って斬りまくるのである。大石静に爪の垢を煎じて飲ませたいくらいの斬りっぷりである。これぞTWA(サード・ワールド・アサシン=第三世界の暗殺者)状態なのだな。

関連するキッドのブログ『バカでバカでバカで(中略)バカなのです。(上戸彩)』

で、『ライオン丸G』(テレビ東京061009AM0130~)脚本・演出・大根仁を見た。時代ははるか未来に飛ぶが、遠藤憲一が輪廻転生してあずみとつながっている。前回、どうしようもなく三枚目以下のヒーローが変身したところで引いたわけだが、なんと変身後もダメダメヒーローだったのが、まずすごい。

いや、ライオン丸は強いのだが、中身の獅子丸(浪岡一喜)が三枚目を貫くのである。「うわぁ、なにこれ、ライオンになっちゃったよぉ、こんなのいやだょぉ」状態である。ここでお笑いの基本尽くし系に入る。ライオン変身恐怖症にかかった浪岡の目に次々にライオンがらみのものが。①ビアホール・ネオ新宿だけど銀座ライオン②三越デパートのライオン像③ライオンメークのヤマンバギャル④「ホントにホントにホントにホントにライオンだ」の富士サファリパークのCM⑤子供たちの野球帽が西武ライオンズのレオ・・・というライオン尽くし。

今回は縦の尽くしとしてライオン丸の中の人が下品を尽くすという展開もある。①変身のショックでゲロを吐く。②ヒロインがカーテンをあけるとオナニーしている。③恐怖のあまりにおもらししてしまう。④エンデイングでおならをする。⑤別れの言葉がバイバイブーである。・・・脱糞しなかったのが不思議なくらいのお下劣さである。ブラボー!

前回、名作ドラマ『傷だらけの天使』クサシをしていたが今回は尾崎豊クサシである名曲『ダンスホール』をとりあげ「なぜ、あたいなどという恥ずかしい一人称をオザキがとりあげたのか」というとんでも国語授業の挿入である。つまり、祭り上げられたものを否定するという志向であるのだな。う~ん。噛み付きすぎて逆襲が心配だ。

ま、いいか。前衛を望むなら、それはそれで意気を買う。後半のアクションシーンはアイディア満載で見応えがあった。あくまで水戸黄門よりも木枯らし紋次郎というラインである。仰向けで後ずさりしなから受け立ちしかも猛スピードで、なんてトレビアンだった。かっこ悪く、しかも迫真のアクション。狭い道を行くなぁー。大根仁さん大丈夫?と心配になりますぅ。

石橋蓮司が抑え目で登場し、そして二枚目敵役タイガージョー(大田恭臣)の変身である。黒だな。黒なのだな。やっぱり黒なのさ。

関連するキッドのブログ『風よ、光よ、忍法獅子変化!・・・(ライオン丸G)』

ああ、堪能したなぁ。日曜日の夜。バナナマン設楽のハリセンボンへのセクハラパンチも一応記憶に止めてくかぁ。そうかぁ、そういえば『30minutes』も大根仁だったのだなぁ。NHK→TBS→テレビ東京。こういうラインがアナログテレビの醍醐味なのだがなぁ。もうすぐ終りなのだなぁ。ま、それが世の中というものなのだな。

火曜日に見る予定のテレビ『僕の歩く道』(フジテレビ)秋ドラマはここからスタートですにゃ。

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2006年10月 8日 (日)

やだ、やだぁ、勉強やだあーっ。(辻 希美・19)

「いや、これは勉強の成果を試すテストですから」と哀れなののたんを諭すのは岡村隆史先生である。教室コントの延長線上でリアル抜き打ちテストを導入するという画期的なアイディアで、レギュラーメンバー、モーニング娘。FNS28局社員の皆さん、青木さやか、細木数子、麻木久仁子・・・きりがないほどの人々を異常な緊張感に追い込んだ企画の十周年記念ヴァージョン。

雑誌ザテレビジョンの表紙撮影とだまされてレモンを手に八芳園の特設スタジオに召集された「中間テスト」受験者はレギュラー陣に加えて、特殊な事情で特殊な席に補充された準レギュラーの江頭2:50、ウルトラのバカこと梨花(05最下位)、バカまんでヤリまんの若槻千夏(04最下位・視聴率33.2%)、バカ女(じょ)こと辻希美(03最下位)という歴代バカ女王の三人、そしてお笑い芸人(光浦靖子)に敗れてリベンジの麻木久仁子である。

バカ王(よゐこ濱口勝)VS三バカ女王という構図で今春に日本を沸かせたワールド・ベースボール・クラシックになぞらえ、WBC(ワールド・バカ・クラシック)を決定する。バカを笑うのはお笑いの基本中の基本であり、神様が降臨することは間違いないのである。

で、『めちゃ²イケてるッ!ピンチこそチャンスだ!目標二十周年スペシャル』(フジテレビ061007PM0630~)構成・伊藤正宏(他)、総監督・片岡飛鳥を見た。この企画は①どっきり・・・そうとは知らず教室のドアが開き(今回は自動ドア)テストであると知り着席まで。②主旨説明と自習と受験。③採点後反省点指摘を兼ねて珍回答をいじっていじっていじりまくる。④阿鼻叫喚の順位発表という基本構成であり、起承転結のはっきりしたコントの基本です。

結果順位は以下の通り。①麻木久仁子・国語92点数学93点社会86点理科82点英語87点総得点440点(私生活でバツイチになりそれを克服してついに光浦に勝利した)②光浦・総得点437点(勉強のできる男子と話したことないキャラもついに敗北)③加藤浩次・395点(岡村が転校いや停学と迷いを見せるほどの元相棒に傷心しつつ得意の数学で麻木にも取れなかった100点を獲得ついでに受粉がらみで夫人の第三子の懐妊を報告。岡村が「加藤は嫁をめちゃ抱いてるなぁ」)④武田真治・381点(理科でワムシをミチンコと誤答し麻木に下ネタだったことをあやまる)⑤江頭2:50・350点(ピンチヒッターだが好ポジション、やべっちにプレッシャーをかける。ツッコミのくせにオレより下かは名言)⑥有野晋哉・317点(分け入っても分け入っても分け入ってものフリにいい答えが返さず進歩なし、江頭は「山下さん」とそれなりに返す)⑦梨花・296点(立体の円錐だから足をつけたけどまさかの7位に感激の泣き真似、フケ顔でギヤーギャーわめくのでオレとかぶるといった江頭には負けていた)⑧鈴木紗理奈・294点(あの夜を忘るるべからずで「浪花のドスケベ」の称号をゲット)⑨矢部浩之・292点(C組入りに「あの篠原涼子とドラマでキスしてた人ですよね」とツッコまれる)・・・・いよいよ残り三人。「十位は下の名前が三文字です」のフリにマルチカメラでまさる・ちなつ・のぞみが「私三文字のリレー」を手堅く決め降臨。⑩辻・244点(本当はWBC=ダブルユー・バカ・クラシックのフリもあったろうにあいぼんのバカっ。でも得意の数学で最下位脱出。辻ちゃんダイジョーブ?ダイジョーウブゥのかけあいが素敵)⑪若槻・239点(WBC=わかつきバカちなつというボケのためのタイトルだったか。「天草四郎を島原の乱・キリシタン・踏絵で説明せよ」の出題に「天草四郎は島原の乱に巻き込まれるのをさけるためキリシタンに逃れ踏絵でほそぼそと暮らした」と隙のないボケ回答。キリシタン=どっかの国名、踏絵=なんとなく絵画の技法の一種なんて狙ってなかなかできる発想ではない)⑫濱口・236点(予定調和のオチとしてWBCに輝く。点数操作などといった疑惑を持ってはいけません。だってこれは長~いコントなんですから)

ののたん(辻)のお答えピックアップ。

①シンガポールをツンガポォール。(正解は南アフリカ)

②三葉虫、シーラカンス、アンモナイトの絵を見て名称を書けでは、

ゲジゲジン、ボンゴーロ、マルマインゲアー。

③和訳問題。

curry(カレー)、pumpkin(かぼちゃ)、meet(会う)、temple(寺院)、month(月)

キューリ、   パーマピキン、   メート、   ティマプルリ、   もつ。

・・・天才。この他にトリオ技としてdragonと書くところを梨花ryu、千夏ruy、希美ru-。

やはり、神は宿るべきものに宿られるのだ。

採点中の休憩企画が「やべっち寿司」、ゲストは①スター錦野旦、チャンプ具志堅用高、国王ムツゴロウ(畑正憲)である。国王がミミズ喰い、サソリ寝起きなどで暴走する。②志村けんと優香。スイカ一気喰いに優香もチャレンジし、健在ぶりをアビール。木南晴夏の時代はまだ遠いか。③オセロ。松嶋尚美は「めちゃイケ」知らない展開。中島知子は岡村との仲を濱口が疑う展開。これは「冥王星=コリン星問題」と連動している。

関連するキッドのブログ『その後はその後はアッパー。(中田有紀)』

火曜日(月曜深夜)に見る予定のテレビ『木更津キャッツアイ(再放送)』(TBSテレビ)ま、同じ再放送ならアレよりもこちらの方が見たいので。

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2006年10月 7日 (土)

春は牡丹、秋は萩、片平なぎさでございます。

ま、「ぼたもち」と「おはぎ」の話なんですね。石原明子(片平なぎさ)の経営する石原葬儀社のCM(フィクションです)で「お彼岸のお供えもの」にまつわるマメ知識を披露するわけです。このマクラ部分が秀逸。石仏と蝋燭の群れに囲まれたなぎささんが白装束で語りかけるのですが、この部分はサスペンスではなくてホラーです。

人類の最大の虚構とも言うべき「葬儀」を営む会社と虚構の王様である「犯罪劇」を組み合わせた素人探偵ものである。この手のフィクションが「なんで素人が犯罪捜査なんてするんだ」という疑問でのりきれない人も多いのだが、キッドの場合は「霊柩車を見たら親の死目に会えない」という迷信というフィクションのために霊柩車を見るたびに親指を隠す(にぎりこむのです)というおまじない(フィクション)をしなければならず、それが面倒といえば面倒なのであります。

昨日、ハンニバルがらみのハードな犯罪捜査(犯人探しのために刑事は死ぬ覚悟を要求される)を見た後に、この、いわば、単なる好奇心というか、余計なお世話で犯罪捜査をしていく片平・神田正輝(初代・美木良介、二代・国広富之で三代目となる恋人の医師・黒沢晴彦役、片平は21作ずーっと石原役)というコンビを見るとやや脱力感を伴うのだが、それもまたエンターティメントというものなのだなぁ。

で、『金曜プレステージ・山村美紗サスペンス赤い霊柩車21灰色の容疑者』(フジテレビ061006PM9~)原作・山村美紗、脚本・石原武龍、演出・合月勇を見た。舞台は京都だが、片平は標準語、方言担当は一級葬祭ディレクターの資格を持つ秋山専務(大村崑)である。ま、番頭はんです。他にも社員がいるのだが、山村紅葉以外には影のように存在が薄い。大村と山村は軽いつなぎのコントで脱力にさらに拍車をかけるのである。

大村・山村のコント①ぼたもちとおはぎの名称について口論する。片平の解説で納得して仲直り。②大村がカメラによりながら、机や置物などに躓き続ける。③大村が口を開きすぎ顎がはずれる。③友人の殺害現場にかけつける山村が太り気味で走れない。④大村が営業先で取引相手にカバンを持たせる。これはもうダメ人間ですわぁのレベルである。⑤間違い電話に「ソバ屋じゃありません」と大村がくりかえし、山村が「葬儀社じゃありません」と逆にボケる。⑥お客からの電話に大村が「毎度、ご愁傷様です・・・」と言ってしまう。・・・ま、一度も笑えないのだが、二人の熱演には敬意を払いたい。ストレートに笑いたいなら裏の『イロモネア』(TBSテレビ)を見るべきだろうしな。ハリセンボンでも面白いときは面白いし。TBSのお笑いネタものには珍しく企画が・・・。

いや、『赤い霊柩車』だったな。被害者は小松千春。土地つきのお嬢様で転落死。山村の華道友達で共通の友人としてナースまゆみ(北原佐和子)が登場する。もちろん、キッドが注目するのは北原佐和子である。国民的美少女以前のオスカーモデルであり、82年デビュー組の中でも美少女といえば佐和子なのである。スカウトキャラバン以前のホリプロアイドル片平なぎさ(1975スター誕生デビュー)とはいいコンビネーションなのだ。

被害者の友人でもあるナース北原は事情通で素人探偵・片平に基本情報を伝える役である。「被害者の小松も元ナースで・・・、夫(石橋保)の医者と結婚したばかり・・・、同居している母親(丘みつ子)は一度、出奔して、父親の死後、遺産目当てで戻ってきたという噂があるの。なにしろ、このお屋敷は時価数十億円はするでしょうし、しかも母親は男連れで戻ってきたの、この男がホストクラブの経営者で、女を騙すなんて朝飯前でしょ。母親はあの男に操られているんじゃないかと彼女(被害者)も言ってたし・・・」キッドが探偵なら、まず北原佐和子が怪しいと思うぞ。

第二の被害者・派遣会社社長(今村恵子)が最初に登場した時に、たくさんの葬儀の出席者の中から「あれ、あの人、誰だったかしら」とピックアップするのもナース北原である。おいおい、そりゃ、直感優れすぎだぞ。

ここよりネタバレ注意。結局、三角関係のもつれで石橋の愛人・今村が小松を殺害。スキャンダルをネタに石橋に結婚を迫り、嫌気のさした石橋に殺害されたのであった。丘は夫の家庭内暴力でやむを得ず家を出て、石橋の女癖の悪さを知って、娘の身を案じて恥ずかしながら戻ってきたそんなに悪い人じゃなかったし、丘の男も善意の幼馴染だったという真相である。・・・ええっ、その真相、怪しすぎる。だって全部、丘の口から語られるのである。そして、北原の完璧なミスリードぶり。キッドの結論としては北原・丘の共謀説が有力だな。北原が今村に小松殺害をしむけ、石橋が今村を殺害せざるを得ない状況に追い込む。なにしろ、結局、得をしたのは誰かを考えれば・・・。ま、金がすべてじゃないのですけれど。娘の遺影に涙ながらに語りかける母親。心の中で「遺産は母さんがいただいたわよ」と語っている気がしてならないキッドは大村レベルのダメ人間ですわぁ。

元アイドルとしては片平も北原も抜群の演技力である。この世界で長く生きていくためには実力が必要だということを物語るのだ。もちろん、運も大切ですがね。秋ドラマがそろそろスタートである。蒼井優、綾瀬はるか、長澤まさみ、上野樹里、志田未来、堀北真希、山田優・・・これでもかと魅力的な若手女優のラインナップ、はたして20年後に彼女たちの誰が片平なぎさのポジションにいるのかなぁ。

日曜日に見る予定のテレビ『功名が辻』(NHK総合)『あずみ』(TBSテレビ)『ライオン丸G』(テレビ東京)なんとなく豪華な三本立てで。秋の夜長なので。・・・。

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2006年10月 6日 (金)

009-1が釈由美子でうわぁと叫んだ件。

声優じゃない人が声優だと激昂する皆さん。これだけはこれだけは許してくださ~い。だって釈由美子は釈由美子はまさに009-1なんですからぁ。ただし本人にマシンガンは内臓されていない模様。だって、人間だから。

不安なので『レッド・ドラゴン』もキープしておいたが、『009-1』が予想を超える仕上がりなのでハンニバル・レクターについての記述は後の機会に譲ることにする。アンソニー・ホプキンスだけでも語れるが、「レッド・ドラゴン」→「羊たちの沈黙」→「ハンニバル」と続くレクターの物語はやはりクラリスがらみで書きたいのです。

石ノ森章太郎作品の発掘の賛否は別にして、人格の何分の一かを石ノ森で構成されている人間としては「これか~。これをやるのかあ~」と胸騒ぎを感じ、動く009-1を見て「うほっ」として、登場するキャラクターの一人一人に郷愁を感じつつ、ラインの石ノ森度の高さにスタッフの高「石ノ森」オタク度を感じ、ミレーヌ・ホフマンこと009-1が釈由美子だと気がついた時にめくるめいていたのであります。

で、『009-1』(TBSテレビ061006AM0129~)原作・石ノ森章太郎、脚本・大西信介、演出・紺野直幸を見た。1967年の作品(『週刊漫画アクション』掲載)であるから、およそ、40年前だ。美空ひばりが「真赤な太陽」を歌い「ウルトラセブン」が放映されていた頃である。そして世界は東西冷戦真っ只中であったのだ。

石ノ森の『サイボーグ009』は野球の九人から発想された(ギルモア博士は監督ね)のは有名だが、『009-1』(ゼロゼロナインワン)はストレートに『009』の女性版、しかもアダルトでセクシー&バイオレンスを増量という発想である。9-1は女と書いて「くノ一」であり、女忍者=スパイという展開。ゼロゼロナンバーという着想がスパイもの「007」や「0011」にあるのは明白で先祖帰りをしている。石ノ森としては「バストにマシンガン」のサイボーグであるところがこだわりだろう。もちろん、アトムの「ヒップにマシンガン」へのオマージュなのだろう。

女スパイしかもチームでは『プレイガール』(テレビ東京1969)や『チャーリーズ・エンジェル』(ABC1976)よりも早く、お姉さま志向の石ノ森ならではのものかもしれない。そして時代設定は果てしなき東西冷戦が続く近未来。・・・石ノ森先生、冷戦は生前に終りましたけど、また始まりそうです。

009-1はウエストブロック(つまり西側)のスパイである。冷戦が100年以上も続き、いろいろあったのだろうが、月面に中立都市があったりして、それなりに科学は進歩している世界。しかし、まだ画期的な新兵器を科学者が発明したりしているわけである。記念すべきMisson1(第一話)は「イーストブロック(つまり共産主義圏)から亡命しようとしている天才科学者と核廃棄条約をめぐるスパイの暗躍」なのだ。ナンバーゼロから指令を受けた009-1と仲間たち、009-3は電子的情報収集担当(透視眼装備うほっ)、009-4は全身武器(膝小僧から爆弾うほっ)、009-7は変身自在(コネリーだから英国系うほっ)は軍事パレードを敢行中のいかにも東側独裁国に潜入する。

そしてアダルト版なのでベッドで情報収集なのである。①冒頭、敵側スパイと全裸で朝を迎えた釈由美子は「世界はいい方向に向かっているってことかしら」と窓辺に立つ。すでに正体を見抜かれており、愛を交わした後で暗殺というスパイ映画ならではの展開に。男は冷たい目を光らせ、銃を向けて言う。「何を探りに来たのか、知らないが、その格好じゃ、隙だらけだぜぇ」・・・でも釈由美子の胸には高性能機関銃が仕込まれているわけで。ダダダダダタ・・・そんなーっ、うほっ。なのであった。

②敵側諜報機関のリーダー・ツンドラー女史はレズビアンであった。「もうエサはまいてあるの」と嘯く釈いや009-1。東側御用達娼婦の館でウフンであった。009-3に「女に抱かれた気分は?」と問われると「上々よ」と答える009-1。亡命科学者の監禁場所を寝物語に聞きだした描写も欲しかったけどね。

東西冷戦の崩壊の危機(それは平和になるということではありません)を脱するべく、敵基地に侵入したナインナンバーグループたち。しかし、それは罠だった。こうなると、もう大暴れで解決が常道である。009-1が勝負下着全開の大活躍で敵を壊滅状態に。しかし、機密情報を手にいれた009-1を乗せたままシャトルが打ち上げられてしまう。シャトルは自爆する展開。しかし、爆発直前、高空から飛び出す009-1。まったく、無傷だぁ。だって、釈由美子はサイボーグだからぁ。エピローグはストレートに『スパイ大作戦』(1966)でしたが。

1967年はKCIAが東ドイツの北朝鮮大使館に接触した韓国人194人を逮捕するといういわゆる東ベルリン事件のあった年。それがノスタルジーを感じる事件なのか。それとも、今、新たに始まろうとしているコールド・ウォーを予感させるものなのか。そう。人間はおいそれと変わりはしない。この道はいつか来た道。あなたの知らない世界で時のないホテルがスパイたちをしばし休ませる。明日は敵と味方の二人・・・なのである。

関連するキッドのブログ『アリシアさんは子供の頃どんな大人になりたかったの?』

土曜日に見る予定のテレビ『めちゃ²イケてるッ!十周年記念スペシャル』(フジテレビ)

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2006年10月 5日 (木)

お風呂あがりにRE・・・(綾瀬はるか)じゃなくて。

前後に分割した「スターだらけの大運動会」で、スター・松原ノブエ(北陽・伊藤さおり)がブランコで空中に飛び出した瞬間、狙いすましたように(少なくても関東ローカル)では水分補給ドリンクのコマーシャルに。温泉編で初見だったキッドはそれまでのお笑いネタの記憶がすべて脱落しました。もう、綾瀬のリボディー「もふぉう、だめだぁふ・・・」しか頭の中に残っていない。コンビニにポカリを買いに行きました。レジの人の目が「温泉編」を見たのか。見たのだろうと問いかけているようでこわかったのを憶えています。

で、『はねるのトびらSP』(フジテレビ061004PM7~)構成・渡辺真也(他)、監修・片岡飛鳥、ディレクター・遠藤達也(他)、演出プロデュース・近藤真広を見た。ゴールデン進出してほぼ一年、視聴率もまずまずで(今回は16.5%)、二時間スペシャルである。サッカー日本代表VSガーナは視聴者的に緊張感のない試合だったにしても、がんばったと言えるだろう。試合内容は負けたけどガッツあふれるものだっただけに。

はねトびは基本的にコント番組である。ゲーム要素の強いコントもあるが、マジ流血のサッカーとくらべたら、安全対策は万全のようだ。何気ないチンパンニュースの中で光浦の目元あわやというシーンでドキッとしただけに空中ブランコはちょっとヒヤヒヤしましたが。

基本的に長いコント、二時間で企画は四つである。ある意味大胆な構成だが、レギュラー11人にゲストも加えると充分に見せ場を作れるというわけだな。企画内容は次の通り。①スターだらけの大運動会・ツルツル坂道クライミング・・・空中ブランコで熱湯プールをこえ、対岸の潤滑ジェルのマット(可動式で着地後ほぼ直立)をのぼる競技。基本的にターザン浮島渡りの変形であるが、ブランコを使うことでネタのヴァリエーションを増やせるのが工夫。オープニングとエンディングを飾り、前後編に分割。イタッチー(インパルス板倉俊之)が司会進行するのだが、イタッチーキャラはほとんど消失している。ま、いいか。ゲストはエアギターの世界1位・おおち(ダイノジ)と世界4位・金剛地武志、そして源さん香田晋。前半は香田が空中ブランコでアクロバティックな動きを魅せ秀逸。後半は件のCMのあと、松原ノブエが熱湯落下後、すそがまくれあがり、恥ずかしい勝負下着をさらすという神様の降臨があった。オチはC3(ロボット・ロバート山本博)の金箔落ちである。

②回転SUSHI・・・各国代表が箸を上手に使って寿司ネタを食べることを競うゲーム。罰ゲームの回転係が佐々木健介&中嶋勝彦であり、レギュラー時にオチが微妙なのだが、今回はラリアートストップなどの強引な展開で助かっていた。鬼嫁抜きで佐々木ものびのびプレーだった。しかし、ゲスト・タマソナ中村玉緒さんがすべてをさらっていく。二千円のウニ、五千円の松茸の昆布巻きに続いてマロニーちゃんを舌ですすり上げる犬食い、柿をすくい上げて箸の背にのせるなどまさに天衣無縫の神業を披露。このコーナーが初めて成立したような気がする。まあな、勝さんが守護しているのだろうからな。そりゃ、降臨するわな。

③オシャレ魔女アブandチェンジ・・・魔女アブ(北陽・虻川美穂子)がオシャレース(頭文字限定しりとり)でゲストの衣装を奪取するゲーム。ゲストは神田うの。着こなし抜群でアブのダサダサファッションとチェンジしてもなかなかダサくならず、最後はアブのタイトなスカートはけない攻撃とくさくて靴が履き替えられない攻撃だった。ラブ&ベリーのパロディーなのだが、原型は野球拳である。もちろん、お色気要素は極度に排除されているのだが、うのがハイヒールを脱いだ瞬間はセクシーだった。それはそれでトレビアンなことだ。今回、それほどフレッシュなゲストではないのに企画の持つ魅力を100%以上引き出すキャスティングになっているようだ。

④ほぼ100円ショップ・・・100円グッズの中にまぎれこんだ高額商品を避けてショッピングするゲーム。ゲストは早見優、松本伊代、堀ちえみの80年代アイドルトリオ。これもゲストがはまりすぎ、このトリオは「うたばん」などでも降臨するのだが、お買い物ゲームにはうってつけのメンバーだ。のれん→アカスリ用手袋(早見優エッチなポーズボケ)→ランプと順調に100円で来て、伊代ちゃんの選んだ小皿が北大路魯山人の作で十五万円である。まさに伊代ちゃんボケ健在。次に英国製トレー六千円でちえみがアウトだが、「おくれてるー」「おくれてるーがおくれてる~」と昭和懐古のお約束展開あり。そして伊代ちゃんが琥珀のブレスレット十万円でアウトである。まさに降臨。中間では早見が伊代に小皿を薦める、ロサアンジェリカ(蘭)の苗十五万円をひっくりかえすなどアメリカンぶっきら棒なところをみせており、長いコントとして充分に堪能できた。かわいい置物をめぐりトリオとドランクドラゴン塚地武雄のからみでは三人が「買って~」「私を買って~」「ねえ買って」とアニメ声でおねだり、塚地が無難に着地であり・・・今回、ゲストにもっていかれすぎなのでは・・・とふと心配になった。

のんびりとまとまったスペシャルだったが、スターだらけの大運動会で森山ミライ(ドランクドラゴン鈴木拓)のオンエアがひさしぶりに見れたのはそのおかげか。なにしろオンエア率1/8・・・大丈夫なのか。ま、すべてはネタですけどね。なにしろ長~いコントなんですからぁ。

関連するキッドのブログ『うたばんだけど2曲それは奥様ばんだから。』

金曜日に見る予定のテレビ『金曜プレステージ・山村美紗サスペンス赤い霊柩車21灰色の容疑者』(フジテレビ)

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2006年10月 4日 (水)

子供を生んだら帰してくれるって云ったのに。(片瀬那奈)

実在する横田めぐみさんの言葉を帰国した拉致被害者の証言に基づいて片瀬が演じている。このセリフは「朝鮮語を勉強したら日本に帰してもらえる」という13才のめぐみさんを演じた福田麻由子のセリフと対になっている。

つまり、金日成・金正日親子は二代に渡って横田めぐみさんを欺いた。13才の女の子が同世代の友達が一人もいない。その後30年間も。このような非道の行いには刑罰は値しない。金親子は必ずや地獄に堕ち、未来永劫、お互いの肉を喰らい合う業火の中で許しを乞うことになる。しかし、それは許されることがないのだ。先発した父は炎熱の中で息子の到着を腹をすかして待っている・・・と死後の世界を信じるキッドが断言しておく。

拉致発覚後、しばらくは朝鮮学校の運動会で人でなしの二人の写真が掲げられていたが、さすがに最近はとりやめたようだ。もちろん、同じ血を流し、涙を流す人間なら思想や政治的意図を超越して、自ら許しがたい行為というものがあるだろう。キッドは小学校時代のよき友だちだった何人かの在日の人々を思い出し、彼らの麗しい人間性に着目すれば、そうであるはずだと信じることができるのである。

で、『報道スペシャル・再会~横田めぐみさんの願い~』(日本テレビ0601003PM9~)企画・取材・日本テレビ報道局拉致取材班、脚本・総合演出・石田正浩、監督・若林愛美を見た。前後にすでに終了したニュースショー「今日の出来事」の歴代キャスターの1人だった井田由美がコメントする。「今日の出来事」終了の際のインタビューで井田は「キャスターが視点を作ったり、内容を解釈したりするニュースショーではなく、できるだけ素材をそのまま伝えるニュースショーを志した」と話しているが、今回のドラマはまずまず、そのような主旨の作りだった。そういう意味ではエンターティメントとしての評価は困難で、いつものように堀越のりが曾我ひとみさんにそっくりすぎーっ!とか言いにくいのである。

低視聴率枠として悪名高いドラコン枠での放送も、日本テレビの限界であろう。「横田めぐみさんはあれから一度も幸せだったことがない。そしてこれからも・・・」という驚愕のメッセージは視聴率9.1%しか獲得できなかった。しかし、日本人の10人に1人は見た!ということでそれはそれで良かったと考える。

たとえば「いじめ」はなくならない。様々な要因があるが「見て見ぬふりをする」からであろう。また「あきらめ」もあるだろう。同様に「朝鮮民主主義人民共和国から横田めぐみさんを奪還することはできない」という推察ができる。そのためには困難な法的手続きを乗り越え、国際的な了解を得て、北朝鮮侵攻作戦を展開し、双方に多数の死傷者を出し、北朝鮮を独裁から開放し、占領統治するしかない。あらゆる段階で、様々な人々が言うだろう。「たった一人の人間のためにそこまですることはできない」と。つまり「いじめ」が根絶できないのと同じである。

しかし、心ある人々はできるかぎりのことをしたいと考えるだろう。「平和的に話し合いで」がんばる人もいれば、面白いとは云えないができれば見てもらいたいドラマを作る人もいる。人でなしの崇拝を停止する在日の人々もいる。資金源の根絶を目指す人もいれば、不審船を撃沈する人もいる。そういう人々の努力が実り、「横田めぐみさんが両親と再会する日の来ること」を死後の世界を信じないキッドは毎日祈り続けるのだ。

横田めぐみさんが帰れない最大の理由は「大韓航空機爆破事件」であるという説がある。韓国の一部では「事件」そのものが捏造という説まであり、さらには事件そのものを知らない者が多いという説もある。知識も情報も流布しても散逸するものだ。「拉致事件」の発覚の時、「北朝鮮」という通称が一般的であったとは断言できないし、「朝鮮半島」そのものを知らない日本人も多かっただろう。そういう不確かな情報化時代の中にあって「娘の帰還を待ちわびる横田夫妻」には深く深く頭を下げるばかりだ。

そういう意味で『アンフェアTSコード・ブレーキング~暗号解読』原作・秦健日子、脚本・佐藤嗣麻子、演出・植田泰史は別に悪気があったわけじゃないのだが、結果として悪いことをしたような立場になっちゃってちょっと可哀想。しかも、江口洋介も出ていたりして視聴率18.3%と苦戦を続けるフジテレビとしてはそこそこに獲得してしまったのである。ま、「結婚できない男」と同様に関西テレビ系なのですが。雪平夏美(篠原涼子)の育児放棄ぶりはあいかわらずで、・・・ああ、ここも言及をさけたいかぶりだな・・・公安VS警視庁というハードな展開にもかかわらず、革命人情喜劇をからめ、「うたないで~、うたないで~」の雪平に「うちますよ」はどうした「うちますよ」はと思わず舌打ちしたくなるラストまでなかなか楽しめるコメディーに仕上がっていた。そして「映画」につづくである。思わず劇場に行きたくなるのだった。行かないけどね。

関連するキッドのブログ『寝た子を起こせ。・・・火事だから。』

木曜日に見る予定のテレビ『レッド・ドラゴン』(テレビ東京)もしくは深夜の『009-1』(TBSテレビ)で。迷っています。レクター教授か石ノ森章太郎先生か。

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2006年10月 3日 (火)

素っ裸で盆踊りさせるぞ・・・やりたい?(吉野公佳)

元レディースの総長で現在ナース。うふふ。すごい設定をもらってしまいましたね。患者にヘッドロックかけるし、屋上で煙草を灰皿なしで吸うしと暴走族あがりのキャラクター。しかも、実は患者思いのナース谷崎亜希子を演じる公佳お嬢様。残りのすべてのキャラクターをかすませる美女っぷりは健在です。かすれてもつれるハスキーボイス、蒼い目の隈はじける眼力、ああああ、美しーっ。さすが初代黒井ミサ様。カメラマンの気持ちが手にとるように分かります。公佳様だけでいい。公佳様だけ撮っていたいのに~。・・・キッド、見ず知らずの人の心を勝手に精神感応しちゃだめだぞ。

・・・失礼しました。ま、公佳様はストーリー展開上は脇役です。主役はグラビアアイドル・石田未来。知る人ぞ知る堤幸彦のコメディ『加藤家へいらっしゃい!~名古屋嬢っ~』(名古屋テレビ)の三女・瑞希ちゃんだった人。今回は先天性心臓弁膜症で長期入院をしている役柄。ま、ぽっちゃりしていて微妙ですがぁ。お相手はマジレッドこと橋本淳。マジレンジャーの頃から童顔でしたが・・・。今回はA型肝炎の患者役。ま、むくんでいるといえば微妙ですがぁ。母子家庭の淳くんのお見舞いに来る幼馴染が柏木貴代。美少女クラブ31の一期メンバーで上戸彩の妹分の森田彩華の子分です。どんだけ下っ端なんだ。

ちなみにナース公佳の役名が谷崎なら、今回は登場しなかった主治医の岡田浩暉の役名が夏目。ヒロインが芥川龍之介が好きだったり、「銀河鉄道の夜」を読んでいたりと、原作のライトノベルは文学方向に傾斜しています。そしてハーフムーンなタイトル。これは・・・由緒正しい青春サナトリウム物語みたいです。

で、『半分の月がのぼる空』(テレビ東京・公式ホームページまだぁ?061003AM2~)原作・橋本紡、脚本・児玉頼子、監督・位部将人を見た。原作は伊勢(三重県)を舞台にした恋愛小説。ライトノベルはイラストのイメージも重要だが、(例)ハルヒとか、原作ファンの実写版評価はきっとものすごく厳しいのではないかと予想。ま、昼ほどの昼はなく、夜ほどの夜はないということでヨロシクッ。

入院生活一ヶ月目、退屈で深夜に病院を脱走している高校2年淳くん、病室の窓辺に美少女を発見、未来ちゃんは幼い頃から長期入院の「いつか終りがきそうな」身の上であり、当然の如く文学少女なのだった。

脱走を防止するためにバリケードを作り、セクハラ患者は半殺しに・・・しそうな、屋上で「お前も吸うか」と煙草を差し出し「ハイ」と言うと「こぉらぁ、未成年者が調子こいてんじゃねえぞ」と咎めるナース公佳が、心を閉ざし気味の未来ちゃんのために、まあ、こんなやつでもいいかと友達としてあてがうのが淳くんである。

淳くん「芥川、ボクも好きなんだ・・・」未来ちゃん「・・・どの作品が好き?」淳くん「・・・『羅生門』かな。最後、糸がたれてくるところなんかスペクタクルって感じで」未来ちゃん「おいおい、そりゃ『蜘蛛の糸』だろ」って折り目正しいでんがな漫才展開の後で「あんた、バカァ?」うーん、アスカがやってきましたよっと。

未来ちゃんの病室の窓からは「とある山」が見えるのですが、この山にいわくがありそうな思わせぶり展開。未来ちゃんに言われるままに病院を抜け出した淳くん。史上最年少レッド(リーダー)としては情けないパシリとなってしまったのです。ツンデレというよりはおそらくアスカな未来ちゃんと淳くんの恋の物語は「こうして始まったのです」(淳)

ま、第一回としてはそつなくまとまっていましたかね。この手の話はつまるところ役者の魅力しだい。未来ちゃんはともかく淳くんがどこまで魅せるかってことですなぁ。・・・相変わらず男子には厳しいのね。どうせ、今の興味はナース公佳の愛車シルビアがいつ登場するかってことだけなんだろう。・・・いや、男の子だって評価しますよ。今回の『世にも・・・』だって堂本光一のダブルループものが一番だったと思うし。ま、広末は「本こわ」かよぉ。釈は「転校生」かよぉ。理名は「長靴をはいた猫」かよぉとツッコミもしましたけどぉ。星野真理は2時間ドラマの新女王目指してんのかよぉ。『コナン』の黒川智花パンツ見えてなかったし・・・。今夜も修羅場だなぁ。

水曜日に見る予定のテレビ『はねるのトびらSP』(フジテレビ)

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2006年10月 2日 (月)

風よ、光よ、忍法獅子変化!・・・(ライオン丸G)

「2011年10月、中華人民共和国の高度成長大量消費政策により、地球は大競争社会に突入、資源の争奪による紛争は局地戦を誘発し、人類は混沌たる状況にあえぎ、黙示録の示唆する終末の予感におびえていた」(一部空耳採録)なーんてことはなくて「アナログがデジタルに変わった以外、日本では五年前に始まった景気回復の波を受け、景気のいい話が飛び交う日々。しかし、格差社会のあおりを受け、俺のようなダメホストは名前は変わっても治安状況の改善しない《ネオ歌舞伎町》の片隅でうざったく日々を過ごすしかないのであった」(ほぼ空耳採録)

語るのは新宿のタウン誌に「死ねばいいのにダメホストNo.1」と紹介される獅子丸(浪岡一喜)である。浪岡さんといえば、『電車男』(フジテレビ)のAちゃんねらー「きしわだ」であり、ある意味、大抜擢だ。ヒロインは小林恵美さんであり、元イエローキャブで現サンズエンタティメント、フットサルチームCarezzaの選手。どちらかといえばバラエティーの人なのでスライド抜擢と言える。

演出の大根仁はドラマ版『アキハバラ@DEEP』(TBS)で「アキバ系冒険活劇」を目指し、少なくとも「オレザク」というとんでもコンテンツを創作した奇才。今回は元ネタがまさに冒険活劇だけに・・・もうとんでもない作品に仕上がっている。ついでに『GARO牙狼』の雨宮慶太が企画協力しているので特撮テイストも期待できる。

で、『ライオン丸G』(テレビ東京061002AM0130~)原作・うしおそうじ、脚本・演出・大根仁、特技監修・原口智生、脚本協力・川崎ヒロユキ(他)を見た。小田あさ美、大田恭臣とフレッシュな顔ぶれなのだが実力派俳優の遠藤憲一がすべてを引き締める。

近未来のネオ歌舞伎町の顔役、ジュニア(遠藤)は躁鬱症のようにS→Mが切り替わる変態親分である。女王様スタイルで「この格好どう思う?」とタイガージョー(大田)に「・・・別に」と顔をそむけさせた後で子分にムチを打たせて「あ~イイ~」である。

キャバクラ嬢サオリ(小林)には「乳首黒いの?」で「ピンクだよっ! どピンクだよ!」と言わしめる。そして、借金返済の滞るサオリと獅子丸を敵対組織スワンキーズ(ネオ歌舞伎町の草野球チームでキッス調である。スワンキッズと読めばみにくいアヒルの子集団となる)のアジトにおとりとして送り込む。そして実は二人を見殺しにして死んだら労災で借金を回収するというドス黒い一面を覗かせるのである。

主人公・獅子丸はきらびやかでゴージャスなカプセルホテルの住人である。ここでドラマ『傷だらけの天使』(1974)のオープニングパロディー。牛乳瓶のフタ咥えてはずしてなどをやりつつ「・・・古い、それに久しぶりに見直してみたらそんなに面白くなかったし」と元ネタ批判。おいおい、『草原に黒い十字架を・・・』(監督・神代辰巳)の回を見てもそう言うのかい。あがりめさがりめぐるっとまわってねーこのめでもか。ならば、袂を分かつっ! 神代信者を敵に回すと視聴率が取れない呪いにかかりますぞぉ・・・。

ま、それはさておき、これほどダメな主人公設定がかってあっただろうか、サオリと嘘の同伴出勤をすることになった獅子丸は「うわ~。辛抱たまらん。もう大きくなっちゃった。血管浮いてきちゃった。合体しよ~っ」と欲望および馬鹿丸出しである。

罠とは知らずに乗り込んだ敵のアジト、ピンチに陥った二人の前に謎の老人が現れ、秘密のアイテム・キンジの太刀を投げ渡し。「呪文を唱えよ」展開。老人「風よ・・・」獅子丸「かぜよ?」老人「光よ・・・」獅子丸「ひかりよ?」老人「忍唐獅子変化!」獅子丸「忍法?なんだって~?」である。しかもテンポを重視する大根演出では呪文適当でいいやぁで変身開始。ライオン丸登場である。そして、つづく。

うわあ、アクション前で引くのかよ。自信満々だな。しかも石橋蓮司の正体明かさずのチラ出しかよ~。参りました。来週も見ます~。

『純情きらり』では桜子さんが死んじゃって、『功名が辻』では秀吉がお亡くなりになり、めっきり淋しい秋の夜に現れた『怪傑ライオン丸』(1972)のリメイクである。どちらかといえば婦女子向けのアニメ『金色のコルダ』とどちらかといえば男の子向けのアニメ『ギャラクシーエンジェる~ん』にはさまれて、ジェンダーもジェネレーションも無視した独自の世界が展開を始めた・・・かな?

関連するキッドのブログ『仲間由紀恵で上戸彩で岡本綾の夜。』

                                『いーよって言うまで息を止めてくださ~い。(小出早織)

火曜日に見る予定のテレビ『報道ドラマスペシャル・再会・横田めぐみさんの願い』(日本テレビ)VS『アンフェアthe special』(フジテレビ)こんな日に裏番組でごめんなさい・・・だな。

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2006年10月 1日 (日)

彼は風になっていつも傍にいるの。(菅野美穂)

私に恥ずかしい言葉を言って。というニュアンスとは違う意味でハズカシー!セリフ連発のドラマであるが、こういう攻撃がたまらなく好きなのだな。いいじゃないか。恥ずかしくて。恥ずかしい気持ちがなかったら人生なんてつまらないのだ。

由緒正しい歌謡ドラマである。歌謡ドラマとは歌謡曲に刺激されて生み出されるドラマであり、虚構を含めた全世界から部分を切り取るときの核心として非常にお手軽な手法。歌謡ドラマと題されていなくても、結構、多くのドラマが歌謡ドラマだったりするものだ。(例)『年下の男の子』(キャンディーズ)→『電車男』・・・それって妄想の領域なのでは。

とにかく、今回はコブクロの楽曲を原作として銘打っているので、紛れもなく歌謡ドラマなのであった。主演女優三人のオムニバス形式である。関係ないが『喰いタンスペシャルin香港』は亀のゼリーに梨の酢豚、死亡遊戯で燃えよドラゴン、アグネスプリンで綾瀬はるかに続くミックスランチでしたが。亀梨・綾瀬の新ドラマ『たったひとつの恋』の脚本家・北川悦吏子には『見上げてごらん夜の星を』(坂本九)→『空から降る一億の星』という歌謡ドラマがありますよ。

で、『ドラマスペシャル・一生忘れない物語』(テレビ朝日061001AM0030~)を見た。オムニバスなので各個撃破する。『そこにいた風』原作・『風』、脚本・吉田智子、監督・城宝秀則である。菅野美穂のひさしぶりのホラーである。つまり、『ゴースト~ニューヨークの幻』タッチである。事故死した恋人が風になって傍にいるという菅野を周囲の人間は「いつまでも過去にとらわれていてはダメ」と諭す。風になった恋人と菅野の間に入り込むのはビル清掃窓拭きの男。風はこの男にコーヒーをこぼさせ、彼女のため息を感じさせ、風車を発見させる。「どこにいてもいつも君を見守っているよ」伝言入りのグライダーをそっと草に埋もれさせ、菅野の幸せを祈るのである。

「そばにいるならまわしてみろよ」生者に言わせてじっと身を潜める風。菅野はついに思い出と決別する。去り行く新しいカップルを見送りながら狂ったように風車は回るのである。う~ん。とってもファンタスティック。コブクロ「遠ざかる雲、この風はあなたですか。あなたのことを忘れてしまう・・・」扇風機の係の人ご苦労様でした。オチでぞっとするか。よかったねと涙するか。それはあなたの信念で。しかし、前向きに生きようストーリーとしては珠玉の小品と考えます。ちなみに脚本家は仏壇大好き『Ns'あおい』の人ですからぁ。

『Million Films』原作・『Million Films』、脚本・佐藤久美子、監督・高丸雅隆である。日本一美少女な小学生から、可愛くて生意気な普通っぽい少女になった成海璃子の片思い、思い込み、失恋、爆発のせつない三ツ矢サイダー的ラブコメ。ああ、甘くて炭酸という意味でね。成海は「ここにしか咲かない花」(コブクロ)が主題歌だった「瑠璃の島」のヒロインで、縁も所縁もあるキャスティングです。河島あおい(成海)は幼馴染の青井優介に片思い。「結婚したらあおいあおいだ」と冷やかされて育ったのですが、お年頃になって妄想するようになりました。高校生になった誕生日間近のある日、青井くんから「プレゼントの買い物につきあってくれ」の電話が。「しょうがないな。つきあってやるか」と憎まれ口をたたくのですが日記には「両思いかも・・・」と乙女モード。しかし、プレゼントは先輩あてのものでした。先輩は出たな小松彩夏です。

「今日はお姉ちゃんの好きなカニ玉だよ~」と弟に呼ばれても食事が喉に通らない璃子。セーラー服での悶々ぶりに古い言葉で恐縮ですが、萌え~っなのでした。やがて、先輩が異常に悪い性格むき出し、青井くんもどこに惚れたんだか、プレゼント投げ捨て事件発生。璃子はゴミ女にゴミ箱丸投げ攻撃で一矢を報います。やがて日本一制服で清流で裸足の似合う璃子を青井くんがデートに誘います。璃子の答えは「嫌・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃないよ」でした。あはははは。璃子にしか許されない展開だぁ。コブクロの歌なんか忘れた~。

『永遠にともに』原作『永遠にともに』、脚本・小川みづき、監督・都築淳一である。原沙知絵が面倒な女をそこそこに演じている。どのくらい面倒なのかというと、不倫の恋に疲れ、昔のバイト仲間でお手ごろな金子貴俊と結婚したのだが、結婚の動機の不純さに自分で自分を追い込んで一年で離婚を決意、離婚後、淋しくなって、本当は金子と一緒にいた方が幸せなのではと感じて再婚するという面倒な女である。少女マンガで言うと『えんじぇる』(岩館真理子)のヒロインぐらい面倒な感じ。こういう女性は職場とかで運命の男性とめぐりあったりするとまた心穏やかではなくなるに決まっているのだが、とりあえずコブクロは「心がとても穏やかなのは・・・」と歌い出す。金子、お前も大変だなぁ。それでも「そんなの分かってるよ、何年沙知絵とつきあってると思ってるんだ」って言うのだろうなあ。すごく都合のいい男だ。

劇映画、テレビドラマから歌が生まれ、歌から劇映画、テレビドラマが生れる。他ジャンルからのパクリは創作の基本です。時間的にいうと、ドラマから歌へはきりつめる作業、歌からドラマへはひきのばす作業になりますが、ひきのばし→きりつめの連続で、歌→ドラマ→歌や、逆に、ドラマ→歌→ドラマという作業も可能です。ま、創作の基本は根気っていうことなのですね。

月曜日に見る予定のテレビ・・・うわぁ、こりゃあ、困った、『黒川智花の名探偵コナン』で『星野真理の十津川警部』で『釈、広末、内山、その他の世にも奇妙な物語』かよーっ。迷いに迷って火曜日(月曜深夜)『半分の月がのぼる空』(テレビ東京)で。吉野公佳か。吉野公佳なのだな。やっぱり。

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