やっちまいなーっ・・・ってやったのはスナコだよ。
日常は二等身のホラー系女子高校生。しかし、スナコ本気モード(ワタシキレマシタ状態)になるとスーパーモデル級の美少女破壊神に変身。周囲にビジュアル系四天王をはべらせて結局ドタバタ。・・・う~ん、素敵~。しかもオープニングもエンディングも清春だし、クレジットはナナメである。すでに四話なのだが、秋ドラマの充実ぶりに押されて後回しになっていた。シクシク・・・どうせテレ東深夜アニメですもの。・・・う、スナコ様、キレナイデ。
さて、秋ドラマといえば、火曜日は『役者魂!』と『僕の歩く道』なのだが、二回目の『役者・・・』はリアリティーとしてはやや失速でとんでもドラマになりかかった。苦悩するシェークスピア俳優藤田まことに素人がアドバイス。衣装の早着替えフラッシュカットのくだり。ゴージャスな顔合わせのスタッフだがお笑いの軸足がちょっとブレすぎである。脚本家はある意味、いかりや長介さんに最後の一花を咲かせた人だが、それを藤田まことさんにスライドしていくにしても手法はもう一工夫あっていいだろう。いかりやさんは寸前まで体を張って大爆笑コントをやっていた現役であり、てなもんや三度笠以降は必殺したり、はぐれたり、剣客したりして普通の俳優していた大昔の喜劇役者とは違うのではないか。ハラハラしました。松たか子の妄想劇場は対象が普通の人の珍妙な人生から珍妙な人の珍妙な人生にシフト。松の内面に抱える荒涼を示すアイテムなのだが、①セーラー服で女装した男 ②杖を切れない男 ③ピョンピョンする女・・・というのはコメントを控えたい。とにかく、不得意なことはやめた方がいいと思う。
『僕の歩く道』は順調。秘密をめぐり、約束を守るというルールとウソをつかないというルールが背反しておりあいをつけられないテル。そして感謝という気持ちの理解への壁。多数者とは違う時間に生きるテルの成長を静かに描く。テル「手紙を出しました」ミヤコ「待ってます」のくりかえしのギャグは最後まで続けてもらいたい。
で、『ヤマトナデシコ七変化・第四話・スナコ、およびです』(テレビ東京061025AM0130~)原作・はやかわともこ、シリーズ構成・脚本・はるか、監督・ワタナベシンイチを見た。先週「アデュ~」と超特長(全長100メートルと推定)リムジンで怪しい世界の富豪と去っていったスナコのオバさんからスナコを一人前のレディーにするという条件で家賃を免除してもらっている四人のビジュアル系男子。今回は彼らの通う森高の文化祭が舞台である。題して森高祭、もちろん「私がオバさんになっても」や「ストレス」がかかりまくるわけではない。
恐怖の人体模型のアップとともに「人の命ははかなく美しく、そしておぞましい・・・人間地道が一番」とほぼ意味不明のありがたい言葉がヒロシ(人体模型A)の声色(原作雑誌発表からのタイムラグのために微妙なパロディーといえばパロディー)で語られ、設定説明を三秒ほどですませ、オープニング『slow』である。口開けの絵は身もフタもない男子高校生全裸シャワーシーン。せつなく後姿でだ。ああ、永遠のシャワーボーイ企画。清春はますますというか、かわらぬというか、磨きがかかったあの声で「ああぁぁぁきーみぃぃにょうううおねみょうおうよりゅぅはわわわぁるーるーるるるー」(ああ・・・君を思う夜は甘く・・・)と歌い上げる。泣けるボイス。ジェントリー・ウィープスである。
四人組の一人、ヒーロー格の高野恭平はワイルド系なのであるが、生れついての美貌が災いして、常に誘拐されて、特権階級の人々に肉体を狙われるという宿命を背負っている。・・・どんな宿命だ。ちょっとバイトしたいと思っても、職場の上司に、男女を問わずセクハラをされ、「もっと稼ぎたいならいいことがあるよ」とホテルに誘われたり、お尻を触られたりしてしまうので、つい暴力行為におよび、金欠状態なのだ。
そんな彼にふってわいた森高祭「催しものコンテスト」の一等賞金50万円の儲け話。・・・どんな学校だ。恭平は勇んで「たこやき屋」を開店する。一方、ヒロイン・スナコはご愛用の人体模型ABと骨格標本、つまり、ヒロシとアキラとジョセフィーヌを持って登校。「生首ゴロリよ・・・」と子守歌を口ずさむほど、いつになく暗い闘志をむきだしにしていた。クラスから一任され(押し付けられたとも言う)彼女はお気に入りのホルマリン漬けなどを展示したホラーハウスで一人じめじめしたいのであった。そのために憧れの四人組とつるむスナコをねたむファンの人(森高の女子生徒ほぼ全部)たちの冷たい視線もシカトなのである。・・・ぞんざいなその他の人たちの描写はスピーディーかつ経済的だ。
恭平の屋台はファンの人たちの来店でごった返しの大繁盛なのだが、恭平をねたむ不細工男ピンク・ブルー・グリーンヘッドの三人組が因縁つけに参上。たちまち、顔面タコヤキに始まる大乱闘に発展。そしてプロパンガスのボンベが転倒。由緒正しいフリであるガス大爆発である。
挿入企画。レディーへの道。フィンガーボールの水は飲んではいけません。
夢やぶれ、ホラーハウスにたどりついた恭平。「まぶしー、とけるー、こないでー」というスナコを無視して黒布をかぶり、シクシクと泣くのであった。しかし、スナコのホラーハウスでもコンテストの優勝を狙えることに気付き、復活。
その頃、フェロモン系の背は低いけど女顔の美少年・遠山雪之丞はナンパ、硬派の美少年・織田武長はスナコの希少な友人・笠原乃依とデート、ターゲットに年齢も国境もないホスト系美少年・森井蘭丸はファンの集いと青春を謳歌していたのだが、恭平に強制集合させられ、1年G組ホラーハウスを手伝うために、怪奇装束への変身をする。
たちまちホラーハウスは大入り満員。とりわけ人気を博したのが、吸血鬼に扮した恭平と初恋の人にブスと言われたトラウマでまぶしい人(美少年)が接近すると鼻血ブーという特技を持つ中原スナコ共演の血まみれの抱擁ショーなのだった。
さて、後夜祭。集う全校生徒の前で歌われない「夜霧の北酒場ブルース」の後は「コンテストの結果発表」で優勝はホラーハウスで50万円ゲット、さらにミスターモリコーで恭平が選ばれ、10万円、女装した雪之丞がミスモリコーで10万円、しめて70万円が五人組のものに。しかし、ねたみ男子グループがクレームをつけ、ファンの人たちと男女に分かれて大乱闘が勃発。「どくろがいこつしゃれこうべ」とつぶやきつつ舞台の下に隠れていたスナコだったがついにキレル時が来た。
照明は爆発し、月は赤く染まり、タイムラグでまたもや微妙なキルビルパロディーの白装束のスナコは白刃、一閃。不細工な男を素っ裸にするのであった。・・・どんな決着だ。
晴れて70万円を手にした恭平。まぶしー感謝のキスの嵐に襲われるスナコ。鼻血ザバである。そこへ一本の電話が。爆発の始末の費用70万円の請求という由緒正しいオチであったにゃ。
仲良く震える二人。スナコ「死んで死なして死なされて・・・」恭平「70万円が金で、金が70万円で・・・』シクシクシクシクシクシクシクシク忍び寄るのは清春『カーネーション』にぃにゃにゃにゃわぁーんだぅーん、にゅにょにょにょろによろ海でぃゃ花びらぁぁにゃにゃにゃ~・・・(愛したよwaitngフェルトの花びらでwaitng君が居ない海でwaitng)。今宵も泣ける。ってか泣いてる。にゃぁぁぁん。
眼鏡ではなく、前髪あげたら美人というのが新趣向なのだが、ま、美少年ものプラス変身少女ものプラスワケアッテ男女同居ものプラス、いじめをめぐり美醜のストレスを解消するスラプスティックですよ。怪奇趣味でドタバタ。つきつめるとそれだけですが、それはもうキッドのハートにストライクですけどぉ。
『役者魂!』8.4%かぁ。まぁ、SHINJOに負けたといえばしょうがないが、やや、危機感。
『僕の歩く道』17.7%は本当に順当な感じ。『日本シリーズ』、昔のプロ野球の普通の数字なのだが・・・。とったと感じるところが時代だ。ナゴヤに帰さなければ伝説だが・・・。
木曜日に見る予定のテレビ『嫌われ松子の一生』(TBSテレビ)VS『Dr.コトー診療所2006』(フジテレビ)微量だが追い上げているからな・・・。
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コメント
こんばんは。お気遣いどうも♪
一体なんのTBなのかなと思ったら、
役者魂と僕の関連でしたか。
僕と正反対の評価みたいですネ。。
『役者魂!』はコメディだと思ってまして、
藤田まことと松たか子がしっかりしてるので、
後は適当に遊んでくださいって感じ。
とんでもドラマに多少近づくのは許容範囲なんですよ。
役者って存在自体がとんでもないものだと思ってますしネ♪
それに対して『僕の歩く道』は、題材もドラマも
シリアスなので、リアリティと「筋」を要求します。
あれだけ緊張してたテルが、突然説明できるようになったり、
5000円をめぐる犯罪的行為をウヤムヤに処理したりで、
かなり失望しました。脚本家の評価も大幅にマイナス。
次回もあの路線なら、完全撤退するつもりです。
ただ、やっぱり『役者』の直後に『僕』を見るのは、
気持ちの切り替えが難しいのかも知れませんネ。。
投稿: テンメイ | 2006年10月26日 (木) 22時05分
○-○)))テンメイ様、いらっしゃいませ。○-○)))
病を押してのご来訪、恐縮です。
うふふ。感想が正反対で面白かったのです。
キッドは基本的にすべてがお笑いなので
少しでも正面から来るお笑いには
厳しく反応してしまうのが原因と思われます。
まあ、「役・・・」の作者はお笑い畑の出身だし
ほんの一瞬ですが
同じ作品に関係したこともあるので
よりシビアになるのですけどね。
このブログは本来一撃離脱形式なのですが
秋ドラマ開始直前に
テンメイさんたち連ドラウォッチャー軍団と遭遇し、
無理矢理もぐりこんで
なんだかとても楽しいので
今や、4~5本、年末までレギュラー化してしまいそう。
特に火曜の2本は異なる両方向で危険な匂い。
入れ込むとキリがない感じなので。
回避の姿勢です。
日テレのドラコン後のゴールドも気になりますから。
・・・それでは、くれぐれもお大事に。
投稿: キッド | 2006年10月27日 (金) 03時04分