うそつき・・・・・・・・・・・・・・・。(綾瀬はるか)
亀梨和也はガセビアの沼行きですか~。いえ、「赤ん坊のまばたきのようにささやかで美しい恋」に堕ちたのです。
あのサプリの亀梨とは別人のように魅力的。のけぞるような北川ナレーションのモノローグでも違和感がありません。やはり食いしん坊探偵からの「忘れられない恋をする」アグネスぷりんマジックが効いたのでしょうか。
それとも弟(斉藤隆成・『光とともに~自閉症児を抱えて』の光くん)からもらったハロウィン・キャンディーに魔法がかけられていたのか。・・・いえ、やはり、綾瀬はるかの女優魂が照射されているのでしょうね。綾瀬はやはり白い太陽。亀梨は赤い月なのです。キャンデーはお嬢様ボランティアの魔法使い→弟→兄→魔法使いというルートなのかな。何かを象徴しているのかもしれません。
で、『たったひとつの恋』(日本テレビ061014PM9~)脚本・北川悦吏子、演出・岩本仁志を見た。恋愛ドラマの基本であるロミオとジュリエットの新たなヴァリエーションである。たとえばローマの休日では新聞記者と王女。身分という障害でロミジュリに。ストレートにいけばセーラー服と機関銃はやくざと女子高生、年齢という障害も加えてロミジュリに。ある愛の詩なら不治の病。生けるものと死せるもの。つきつめれば恋愛は男という種族と女という種族のロミジュリですからね。性同一性障害も含めてね。脚本家は『ビューティフルライフ』(2000TBS)でロミジュリを極め、神様と異名をとった人。今回は経済格差と学歴格差という基本的な障害でオーソドックスかつ技巧的なロミジュリを披露。お茶の間のハートを奪っていくようです。神様、さすがだな。
男の子と女の子は衝突する。トーストを咥えていればお行儀が悪いのですが、その点はスライドしてお茶の席で展開します。メガネをしていれば相手を見ることができなくなるのですが、その点はスライドして後半、プールでコンタクト。さあ、どうしましょう。そこで「アイナメ」です。いや、「スズキ」です。いや「メバル」でした。魚かよ。男の子は魚をバケツに入れて持っていました・・・と。すげぇっ。アイディアとはこういうものだという教科書プレイです。
しかも、この魚は最後までつなげていくアイテム。パーティーに侵入した男の子に女の子は敵意をむき出しに。なぜなら「友達に避けられた。お気に入りの洋服が魚くさかったから」なのです。最終的に男の子の嘘がばれるのは料亭に「魚」を売ったから。足跡をたどられて本当の姿を発見されてしまうわけです。一度捕まえたアイディアはとことんしぼりつくす。またまた教科書プレイです。
男の子は鬱屈をかかえています。理想とは程遠い境遇。けれど天使がついているので、開き直ることはできません。イスに座ったままの弟がいるわけですから。自分が恵まれていないとか、不幸だとか思い切ることはできないわけです。演出的には弟にまったく移動させずに車イスをインサートするだけの処理が・・・教科書プレイです。
そういうわけで「あなたは優しいのか、意地悪なのか、わからない」男の子になっています。女の子はほどほどに恵まれた環境。ただし健康面に問題がないわけではないフラグが立っています。バッグを変なところに落としたり、兄が要潤だったりといろいろと大変です。「傷ついても本当のことを言葉にしたい。そうでないと何が本当なのか分からなくなるから」などと男の子の痛いところを殴る蹴るしてくる峰隆太の奥様のようなシンの強さも持っています。・・・教科書プレイです。
ゆるゆるとまったりとするすると恋が生れる課程。演技的にはまだまだゆれる亀梨くんを綾瀬さんならではの演技力で引っ張ります。もちろん、もう一つのパワーも魅せつけます。水に落ちたらユラユラ浮かびますし、ありあわせの制服に着替えたらムチムチで、ムチムチのまま、男の子をおいかけてユサユサです。・・・教科書プレイです。
ひたむきにコンタクトを探す少年。「見つからない」「使い捨てだからいいわ」「それを先に言え」・・・教科書プレイです。
ハロウィンの夜。魔法使いのコスプレ。「二人で一緒にと言ったのにみんなでどう?と言われたら、好きでもない女の子にふられた気分。だけど、もしも彼女が待っていたら」という男の子と「思った通りに生きてもそれなりに家族や友達が守ってくれる。でも恋だけはきっと違う坂の上の学校では教えてくれないこと。だけど、あの男の子にはどうしてももう一度会いたい」という女の子は雨上がりの教会で逢うのです。女の子は変な格好していたので男の子にジャンバーを貸してもらえました。
はい、はい。すべてが教科書プレイですわ。恋愛ドラマを勉強するならコレですわ。ベタとかいうレベルではなく、神話とか伝説を紡ぐ神業ですわーっ。
あまりにもよどみないので、主人公のふたりだけでレビュー成立ですが、田中聖、平岡祐太、戸田恵梨香のお友達トリオ、田中好子、余貴美子のお母さんコンビ。みんな絶妙ですな。教科書プレイです。なんだか神様脚本家がおねだりしたようなパパ財津和夫さんだけは微妙で・・・教科書外プレイかな? オフコース頼んだのにチューリップが来たみたいな。いや、それも一味加えた・・・教科書プレイなのかも。
関連するキッドのブログ『・・・・・・・・・・・・・・・・・何ぃ?(亀梨和也)』
月曜日に見る予定のテレビ『のだめカンタービレ』(フジテレビ)・・・うう、もう少しだ。
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コメント
どうも、キッドさん、はじめまして。
そうか、そういうふうに見るのね、とへえ~ということで、思わずコメントと相成りました。
デモね、私はあんまり、、、だったんです。息子といっしょに見てたんだけど、2人ともう~んって感じでした。よくできているとは思ったんだけど、もうひとつのめり込んで見られないというか、ちょっと冷めた感じで見てしまうのです。
何が悪いというわけでもないんだけどね。強いて言えば演出かな。もっと、アップを長くして欲しかったかな。これでもか、という感じが欲しかった。
それと、亀梨くんですが、私は彼ってすごく演技が上手だと思っているんですが、役があってない気がします。「サプリ」の彼の方が魅力的だったな。まあ、ドラマ的には比較にならないですけど、あっちはひどかったから。もっと、こう、自分を出していっていいのになあ、って思っちゃうんですよねえ。ビュジュアル的にはすごくかっこ良いのですが、なんか静止画が動いてるみたいに感じちゃうのです。1話での展開だとそうなっちゃうのかなあ。とすれば、これからの展開次第ですね。
綾瀬さんは、もしかして今までで1番はまってるかも、っと思いました。正直、「白夜行」みたいのはあんまり似合ってないと思う。のめり込みすぎてきつすぎる。なんか、叫んでいるだけみたいな気もするし。これぐらいがピッタリって思います。
周りのカップル候補に期待してます。
投稿: youko | 2006年10月15日 (日) 08時06分
youko様、いらっしゃいませ。
そうですねえ。
魅力と演技力は時には反発するものですから。
金八第5シリーズ~ごくせん第2シリーズ
~野ブタ。をプロデュース。までは
ある意味、素の魅力で役をあてこまれた状態。
サプリは演技力を初めて要求された作品。
ただし、素の魅力でもある程度はカバーできる役柄でした。
相当苦労したと思いますよ。
その上、視聴率は・・・でしたし、
主演の伊東さんもいっぱいいっぱいでしたから。
今回は亀梨くんが主役でしかも相当に深みのある役です。
成功すれば、一人の役者の成長を
あざやかに見ることができると思いますよ。
だって彼には本当に苦しい恋が
しかも忘れることのできない恋が
用意されているようですから。
それから、この演出家はここぞという時以外は
アップは使わないタイプらしいです。
アップがふえるといいですね。
投稿: キッド | 2006年10月15日 (日) 11時46分
こんにちは。TBどうも♪
ゆるゆるとまったりとするすると。
何とも不思議なドラマでした。
これって「神業」なんですかね。
一つ一つは、ベタっていうかフツーの
要素がほとんどでしたが、組合せ方や
味付けが変わってるなとは思いましたけど。。
ムチムチの制服姿は良かったです☆☆
投稿: テンメイ | 2006年10月15日 (日) 15時33分
終始教科書プレイに徹し、魔女やムチムチ制服のコスチュームプレイの大サービス!
あまりのこそばゆさに、あたしゃキレる寸前でした(笑)。
思わず女王様のムチを・・・あわわ、ウソです。
プレイ繋がりでSMをネタにしたかっただけですぅ~
ごめんなさ~い=ε=ε=ε=ε=.・ヾ(。><)ノ
投稿: まこ | 2006年10月15日 (日) 19時57分
テンメイ様、いらっしゃいませ。
エンターティメントの見方は難しい。
分かり易いとものたりない。
難解だとうっとおしい。
だから作り手も迷います。
わかりやすくてふかみのある作品を・・・。
そうすると二重構造、三重構造になっていく。
これを読み解く喜びを求めると
本当に娯楽作品とは言えなくなる。
どこかで「直感頼み」になるわけです。
「たとえ、20%を取っても
五人に四人は見てないんだ・・・」という考え方もあります。
「自分が面白いものをたまたま面白いと思ってくれる人が
いればいいのよ」と言う人もいるし
「面白いように作ってるんだ。面白くて当たり前」という人もいます。
そういう意味でベタと神業は紙一重。
キッドとしてはオリジナル魂には敬意を捧げたいので
恋愛の神様の技術力と認定しました。
投稿: キッド | 2006年10月15日 (日) 20時44分
まこ様、いらっしゃいませ~~~。
女王様(恋愛の神様、キッドのマブダチが下働きをしていじめられ泣いて帰ってきたことがあるエキセントリックな人)と
女王様(まこ様)のSS対決ですよね。
もちろん、Mを務めるのは亀梨くん。
ま女王「あんまりいじめないでよっ」
神女王「ほらほら、こんな風にもできるのよ」
ま女王「おやめなさい。亀をいじめていいのは私だけ」
神女王「泣かせるわよ。亀の涙でみんな溺れるのよ」
ま女王「ああーっ」
亀「勉強してみんなに喜ばれたいんですーっ」
二人女王「ほっほほほっ、健気ね」
女王の心と心はいつしか通い合うのだった。
・・・・フジテレビの爆弾攻勢がちょっぴり心配。
;;;≡≡≡つ::゚д゚)つ●~ 排除ーッ。
投稿: キッド | 2006年10月15日 (日) 21時05分
キッドさん、こんばんは!
教科書プレイですね~。
なるほどそれはベタと言う概念を神話と伝説にして紡ぐ神業だったのですね。
この先に苦しい恋が待っているという弘人が最後に「きちんと愛せていたのだろうか」と述懐する番宣でしたので、
最後は悲劇なんでしょうか?
始まりはまったりとゆるゆると魅せてもらえたのが私は良かった。しかしストーリーは教科書プレイ。
次は、テキストを超えてほしいなと。
投稿: かりん | 2006年10月15日 (日) 23時16分
かりん様、いらっしゃいませ!
元気になってよかったです。
『ビューティフルライフ』(2000冬ドラマ)
平均視聴率31.9%(最終回41.3%)
『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004夏ドラマ)
平均視聴率17.5%(最終回19.1%)
来ますよ。
必ずや、天国からお迎えが。
それが教科書プレイ。
もちろん、神様だから人知を超えた展開が
あるかもしれないですけど・・・。
とにかくティッシュペーパーの消費量は激増。
景気を底上げするのです。
投稿: キッド | 2006年10月16日 (月) 00時05分
芸能情報、今時のドラマ情報に弱い僕はこのキッドのHPが貴重な教科書です。時々、ついて行けないコメントに遭遇して我が年齢を思い知らされるのです。18日に脚本家の中園ミホさんにお会いするので、ちょっと知ったかぶりできるかなぁ。
投稿: 南川泰三 | 2006年10月16日 (月) 00時59分
南川泰三様、いらっしゃいませ。
これはこれは師匠、遠路はるばるすみませんにゃ。
中園ミホさんはキッドの一個下。
巳亥の生まれですから、来年年女。
1児の母ですがシングルマザーらしい。
日芸ですから師匠の後輩ですね。
なんといっても『やまとなでしこ』(00フジテレビ)
(平均視聴率26.4%・・・松嶋菜々子をトップスターに)
キッド的には『南くんの恋人』(04テレ朝)
(特撮もので深キョンこと深田恭子主演だから)
今年も春ドラマで『プリマダム』(日テレ)書いてました。
http://kid-blog.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_580a.html
初期ですから短いレビューで参考にならないかな。
とにかく、現役バリバリで素敵です。
ある意味、『たったひとつの恋』の北川さんとは
対極って感じですかね。
どシリアスVSどコメディー(は言い過ぎか)・・・。
キッドはたぶん会ったことないです。
最近、自分の記憶が疑わしいことがあるので。
それでは、お気をつけていってらっしゃいませ。
投稿: キッド | 2006年10月16日 (月) 02時40分