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2006年10月19日 (木)

ニンジンってカレーに入ってる?・・・赤ちゃんができたの。(志田未来)

す、す、すみませーん。そんなセリフはありません。あまりのシリアスに耐えられなかったのです。キッドが学生時代に習作で撮った自主映画は女子高生が処女懐胎してしまうSFで、妹の妊娠を知った兄が「あははーっ、そりゃ、おめでとう。パパは誰なのかなーっ」っていうノリだったので。

正論は「何才で子供を生んでも罪にはならない。でも生んだ子供育てられなくては罪になる」という高畑淳子さん演じる産婦人科医の言葉。これをつきつめると「生んだ子供がいくつで妊娠しても大丈夫な経済力と知性と覚悟がなければいくつになっても子供を生んではいけない」ということになり、正論通りだとほとんどの親は生んではいけない子供を生んでしまったということになるのですね。

つまり、妊娠出産は理性によってなされるのではなく、欲望によってなされるもの。と考えられます。だから、子供の欲望と親の欲望が繰り広げる骨肉の争いこそが、本番組の見所といえるでしょう。そして、脚本家は実にシビアに期待通りの描写を重ねます。ああ、面白い。

で、『14才の母・第二話・お前なんかもう娘じゃない』脚本・井上由美子、演出・佐久間紀佳を見た。古きなつかしい中流家庭に設定された一ノ瀬家では14才の娘の妊娠という衝撃の事実が早くも認識されます。ここでキッドは嫉妬の描写に注目していました。まず、父親としては娘への所有欲や隠蔽された性欲がストレートに嫉妬心をかきたてるわけで、すべての理性をふっとばす。妊娠証明書をつきつけられても否定するほどの感情の右往左往。男という性の持つ悲哀が炸裂します。そして、それは自己否定に落ち着く。見事です。

一方、いつまでも「天使でいてもらいたかった」母親(田中美佐子)はどうでしょうか。まず、やってくるのは恐怖です。そしてこわいものから目をそらしたい心理。そして、やはり嫉妬なのです。それは女が女に感じる嫉妬です。自分に今ないものを他の女が持っているという嫉妬。もちろん、それはすべての感情の中で宇宙の中の一つの惑星みたいなものでしょうが、それを抜いてはウソになる。それは小さなビンタとして表現されます。その直後、母としてそして同じ性としての抱擁。母は父よりも早く立ち直り溺れるような感情から理性を取り戻す。見事です。

さて、主人公に視点を移します。冒頭に巻き戻して見てみましょう。一ノ瀬未希(志田未来)はエレベーターに乗る。ここでのモンタージュが美しい。ドアの縁の塗料が剥げている。うらぶれたビルの一室にある産婦人科。エレベーターの無機質な裏側のシステムがあえて挿入される。ホラー映画のようなショット。丁寧にとなりの居酒屋の看板は電球がきれかかり明滅しています。素晴らしい。未来の心が恐ろしい現実に押しつぶされようとしている描写です。

未来が持っている武器は唯一つ「愛」です。しかも大人の目から見ればどうしようもなく幼い「愛の雛型」です。人は動物と違い、善悪ふたつの仮面を持っています。未来は主人公として善の仮面をかぶらなければなりません。そのためには愛を失うわけにはいかない。キャスティングの隙のなさであたかも悪の仮面をかぶったもう一人の未来・柳沢真由那(谷村美月)と儀式のような善悪の衝突が行われます。そこで示される善の未来の正義のなんとはかなく美しいことか・・・。悪の美月の反逆のなんと可憐で痛々しいことか。

一ノ瀬家では正義が衝突し、ここで子供の父親である智志(三浦春馬)の桐野家との間ですれちがいのサスペンスが展開されます。受胎告知は本人同志で、家と家の衝突は親同志でなされるのがスムーズなので、はたしてそうなるかのハラハラドキドキ。・・・そうなりました。

縁結びの犬ジミ・ヘンに集った幼い恋人たち。未来は「好き」という名の愛を告白します。はたして春馬は善悪どちらの仮面をかぶるのか・・・母方の親と父方の親の対決はどうなるのか・・・・つづくです。引き伸ばすにゃあ。子育て授乳までは遠い道程。

教訓「女の子は生理が始まったら、男の子はオナニーするようになったら正しい避妊の知識を教育しましょう。避妊したって妊娠するときは妊娠しますが気休めにはなります。それがいやなら箱に入れておくことです」

関連するキッドのブログ『第一話』⇔『第三話

さて、最近「元気のない友達はテレビ電話でなぐさめる、気に入ったものはずーっと使い続ける」という携帯電話のCMをしている女優さんとのスキャンダルで世間を騒がせた高岡蒼佑が主演の『青春★ENERGY・お台場湾岸テレビ』(フジテレビ061019AM0115~)脚本・山崎愛里幸、演出・関卓也も見た。平田薫でホラードラマ「シローのはらわた」(監督・岸部シロー)を作ろうとする弱小テレビ局のAD物語で、初のタイアップなし企画(現在のところ)である。出演者がこれまでのアイドル系と違いお笑い系なのだが、例によってそこそこ面白くはなっている。

だが、あえて、この記事を書くのは韓国出身の次期国連事務総長の日本記者へのインタビューでの発言にキッドが激怒しているからである。彼は「歴史認識の問題は日本に非がある」と発言している。これに対して日本国は即刻、訂正と謝罪を求め、それがならざるときは韓国と断交、国連から脱退すると宣言するべきなのである。少なくとも「美しい国」を教育する立場からはそうであると考える。そういう行動もなく、そういう教育をあいまいにしてきたから、コミック『クローズ』(高橋ヒロシ・著)を愛読しているという高岡くんはあまり頭がいいとは言えない発言を韓国メディアで引用され、たたかれなくてもいい過去をたたかれ、ブログは炎上し閉鎖・・・ただしコメントできないブログとして再開しているが・・・というドタバタ劇が巻き起こるのだ。ま、すべては自己責任といえば自己責任ですが。

もちろん、そういうネット上の騒動をよそにどんなパソコンもすべて囲碁ゲーム専用マシンと成してしまうキッドの父や未だに録画予約のできない母はつつがなく『純情きらり』を楽しんでいたので、まあ、どうでもいいと思えばどうでもいい問題なのだが。いい感じになりつつある東アジア情勢に日本が水を差すはずもなく、それを見越しての次期事務総長発言である。でもね、禍根を残しましたよ。少なくともキッドに限って言えば。・・・後先考えないキッドのような人間が指導的立場にないことを日本人は幸福と考えるべきだとも言えるのだが。やはり、憎まれっ子は世にはばかるのである。

金曜日に見る予定のテレビ『家族』(テレビ朝日)と『セーラー服と機関銃』(TBSテレビ)あの予告のオチを確認せずにはいられませ~ん。

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コメント

「何才で子供を生んでも罪にはならない。でも生んだ子供育てられなくては罪になる」
あぁ、高畑さん演じる女医さんの言葉にいたく感動してたのに、裏を返せばそうですね・・・
未熟なままで子育てしてる親のなんと多い事かっ!
自分を含め・・・σ( ̄∇ ̄;)

あっ、でもうちの場合はこうのとりさんが
勝手に置いていっちゃったんだも~ん♪ヾ(ー ー )ォィォィ

投稿: まこ | 2006年10月20日 (金) 11時31分

>正論通りだとほとんどの親は生んではいけない子供を生んでしまったということになるのですね。

いや~ここで我が身を振り返った方多数と思えます。
しかし、これをしっかりと表明したら、日本はもう子供がいなくなりますね。いつになったら育てられる知性が宿るやら。
やっぱりまこさんのおっしゃるようにほどほどにこうのとりさんの気まぐれにまかせるのが一番かなと。

投稿: かりん | 2006年10月20日 (金) 17時38分

●●●まこ様、いらっしゃいませ●●●

キッドの座右の銘は「逆もまた真なり」です。

思いつめるのは体に悪いので
み~んな、そうだから、平気、平気。
・・・というニュアンスで了承お願いします。

こうのとりさんは心のうさのすてどころですよね。

ま、キッドは

未婚の娘が妊娠。修羅場に・・・。
という事態に遭遇しても
「あはは、そりゃ、すんげぇ~」
と言って、家族から白い目で見られるような奴ですからぁ。

ミナサマ(ーAー)ツツシンデオワビモウシアゲマス・・・。

投稿: キッド | 2006年10月20日 (金) 18時29分

✿❀✿❀✿かりん様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿

キッドが幼い頃くそ生意気なことを言うと
母方の祖父はよく
「お前は実は橋の下でひろってきたのだ」
とファンキーな脅しをかけてきました。

中学生くらいになると
「生れたくて生れてきたわけじゃない」
なんてお決まりのことを言うのですが
祖父は
「オレだってそうだ」
と凄みをきかせます。

キッドはよく口のへらない奴だと言われましたが
そうなったのに理由はあるんじゃあ。

親はなくても子は育つ。という言葉がありました。
親があっても子は育つ。でもいいんじゃないかなぁ。

とにかく、ギュッと抱きしめて
「ごめんね~。私が~。あなたに生れてほしかったの~」
ぐらいで子供はだませる・・・かな?

投稿: キッド | 2006年10月20日 (金) 18時52分

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