子供のケツを拭くのは親の務めです。(長澤まさみ)
「家族 妻の不在・夫の不在」では竹野内豊がおねしょの始末をしていたのだが、「セーラー服と機関銃」では長澤まさみがストリップで筋を通そうとしていたのだった。
秋ドラマは本当にラインナップが充実していて、見逃せない作品が多い。そろそろ深夜アニメや普通のお笑いもレビューしたいのだが、中々、難しいのである。今夜だって「まだまだあぶない刑事」とか「銀河鉄道物語」とか魅惑の作品が目白押しある。
しぼりきれないと中途半端になるのは目に見えているのだが、竹野内VS渡哲也とか、長澤VS本田博太郎とか、どちらも切るに切れない仁義なき戦いである。ああ、分裂している人格と同じだけボディーがあったらいいのになと思う紅葉の季節なのだった。
で、『家族~妻の不在・夫の不在』(テレビ朝日061020PM9~)脚本・清水有生、演出・唐木希浩を見た。脚本は「あぐり」や「すずらん」の人。ま、じっくり家族ものを描かせたら手堅いのです。で、じっくり描いています。まず、日本にはサラリーマン家庭とそうでない家庭があるという大前提がある。で、テレビでは基本的にサラリーマン家庭が多数派ということになっているようです。そして男女雇用機会均等法以前は「サラリーマンと専業主婦と子供」というのが家族の単位だったわけです。ま、これで二世代同居ならサザエさんですね。
まだまだそういう家庭が主流であるという意識もある。しかし、そんなもの、とっくに崩壊しているという意識もある。実は、現在ではサザエさんタイプであることは相当な経済力を夫に要求します。資産があるとか、高学歴で超安定企業に就職しているとか、あるいは成功した会社のトップであるとか・・・ですね。
もはや「普通」は夫婦共稼ぎでしょう。しかし、なかなか、その事実を飲み込めない人がいる。かっては普通の「夫サラリーマン・妻専業主婦の家庭」に育ったカツオくんやワカメちゃんです。「専業主婦になりたいんです」という女性はたくさんいます。しかし、彼女の周囲にいるのは低所得のサラリーマンばかり、彼女のありきたりな願いはもはや見果てぬ夢なのです。そこから目をそらし、気がつくとアイドルタレントのおっかけになっていたりしますから・・・もう、心の病に到着することは時間の問題なのです。おいおい。
さて、そういう数少ない席を確保したのが妻・石田ゆり子。かっての専業主婦の悩みは「夫が仕事ばかりして家庭を顧みない」ということで「子供のピアノの発表会に来る約束をしていて来ないこと」でした。かっては耐えたわけです。そしてフルムーンに温泉に行って癒されると。それが『熟年離婚』となり、若くて手に職があれば即家出となり、そして、子供がいれば子供はいやないやないやな気持ちを味わうことになります。
家出された夫は竹野内。リストラ人事の専門家で高給取り。家事も育児も子供まかせという前時代ぶり。そんな竹野内がかってリストラしたのが渡です。直後に愛妻を亡くし、今は竹野内の子供の通う幼稚園でボランティアをしています。ひょんなことから妻に去られた男が二人、子供をはさんで夕食に。料理などしたことない竹野内の切ったろくでもないごぼうやとんでもないわかめを黙々と食べる渡哲也。・・・こわすぎる。
一方、石田は仕事を始め、育児もおざなり、若い男(金子昇)の影もちらほら。
ああ、幸せとはなんなのでしょうか。ま、いやないやないやな気持ちで過ごす少年の日々が子供をいやないやないやな大人にしてしまわないことを祈るばかりなのですが、他人事だと思うとちょっと面白い・・・かな。
で、『セーラー服と機関銃』(TBSテレビ061020PM10~)原作・赤川次郎、脚本・いずみ吉紘、演出・平川雄一郎も見た。先週、由緒正しい予告の「釣り」で釣られた人々もまあまあ、満足の行く「体を張って縄張りのストリップ劇場を守った星泉組長の巻」だったのではないでしょうか。長澤まさみフニャフニャ発声全開です。
「き、機関銃ーっ」・・・ここはもう少し「機関銃って何?」というニュアンスも欲しかった。
「あの~、私、とばされたんですけど~」・・・うんうん、そういうことってあるある。ねえょ。
「ス、ストリップ~」「ち、血ィ」「スゥジィ」・・・少し汚れなさい。(小泉今日子・談)
「おひけーえなすってぇ。む、むめ、目高組八代目組長、ほ、星泉です。どうぞぉ、おみしりおきをきぼぅ。・・・」場違いに目を細め、和み、萌える若頭・佐久間(堤真一)だった。
勉強のためにレンタルしたビデオ「日本侠客伝」(1964高倉健)「昭和残侠伝 死んで貰います」(1970高倉健)共にマキノ雅弘監督、『網走番外地』(1965高倉健)石井輝男監督。東映ヤクザ映画健さんヴァージョン基本の三本。
「ケンカはやめてくださ~い。ケガしたらど~するんですかぁ」
「なんで、そんなこと、知ってるんですかぁ」
・・・そして、メガネが飛びました。本田博太郎とガンヅケ。近い、近いよ。
で、子分のために靴を脱ぎ、靴下を脱ぎ、・・・ああ、もう充分だよぉ、で若頭が美保純に連れられて登場。
「組長になったからには筋を通します」
・・・筋を通した緊張感から目が寄ります~。そして。
「こわかった~。ふえ~ん」・・・ああ、長澤まさみファン激増です。あーっ、こりゃ、参ったよ。八代目。カタギの皆さんも若い衆のハートもガッチリつかみましたーっ。
先を知っているだけに・・・もう涙がとまりませ~ん。
小泉今日子は抑えた展開。まだまだ片平なぎさの方向にはいかないんだなーっ。まあ、あぶない刑事の浅野温子の領域までいかれるのも考えものだが。それにしても金曜日の夜は激戦だーっ。「逃亡者おりん」(テレビ東京)なんてのもあるしな。それはさておきTBSテレビ、二夜連続ヒロイン脱衣かよ。(昨日は松子で内山理名が実は来週も)・・・ま、『時間ですよ』の局といえば局なのだがにゃ。視聴率がまったく読めませんっ。
関連するキッドのブログ『第一話のレビュー』⇔『第三話のレビュー』
日曜日に見る予定のテレビ『天使の梯子』(テレビ朝日)えーっ、まきまきはーっ。
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コメント
アレッ、タイトルと記事が違うじゃないか、
と一瞬焦りましたよ(^^ゞ
絞り切れない思いがよく表れてますネ♪
僕はもうすぐ強引にパッサリ切る予定です。
長澤まさみのフニャフニャ発声、イイですよね。
ビェーンっていう大げさ過ぎる泣き方もイイ!
という訳で、写真集を衝動買いしてしまいました(^^ゞ
それにしても、ビデオのタイトルにはオォッと驚きました。
3本とも健さんでしたか。一瞬しか映ってないのに。。!
投稿: テンメイ | 2006年10月21日 (土) 13時51分
○-○)))テンメイ様、いらっしゃいませ。○-○)))
ふえーん、しぼりきれましぇーん。
明日のまきまきも見ないつもりが見てしまいそうです。
キッドは気になると途中でも画像を静止させるタイプ。
昔、キッドがヤクザオタク(ヤクザものに萌えるタイプの人)を造型したときにおさらいしたうちにあった三本です。貸し出し袋の中には他にも何本かあったのですがキッドのマシンの解像力では確認できませんでしたぁ。
ちなみに前回、父を偲んで見た映画は『悪名』でしたが、
これに登場するシルクハットの親分は新田たつおのコミック『静かなるドン』にもパロディ化されており、キッドは大爆笑でしたよ。
投稿: キッド | 2006年10月22日 (日) 05時30分
金曜はともに激しいバトルが繰り広げられそうな2作品。
もちろん、【家族】では竹野内さまを応援ですわ~!はぁと♪
ごぼうだって、どんな大きさだろうと
見事噛み砕いてみせますとも~!
広島出身だと知るやいなや【仁義なき戦い】は本当にあった話んんですか?と聞かれる事が多いのは何故?
そして、いまだに町を歩けばヤクザがウヨウヨいるような
イメージを持たれてるのは何故?(T_T)
投稿: まこ | 2006年10月22日 (日) 23時05分
●ショコラナノ?●まこ様、いらっしゃいませ●ショコラデス!●
何をおっしゃいます。
『仁義なき戦い』は☆実話☆に決まってるじゃありませんか。
ついこの間も山陽新幹線に乗ったら、
広島駅でガラガラだった車内に、
たくさんの乗客が、・・・車内の空気は一変。
キッドの周囲もこわい人たちで満席に。
一斉に抜かれるカンビールのプルトップ。
「わしゃのう、オヤジのやり方が気にくわんのじゃ」
「なにを言うとんなしゃる」
「ここんとこアガリが減ったけん」
「おらおら~」
「まあ、一杯飲みんしゃい」
「獲ったる。奴のクビ獲ったる!」
ウヨウヨって・・・広島市民は全員そうじゃないですかーっ。
そして煙草の煙が充満。
禁煙車なのにはいたツバが黄色くなるって・・・。
どんだけ無法地帯なんじゃぁ。
それが広島なんよ~。(このコメントはフィクションです)
渡さんちの夕食の来週のメニューが楽しみです。
投稿: キッド | 2006年10月23日 (月) 04時15分
こんにちは。
大道芸観覧レポートという写真ブログをつくっています。
日本侠客伝の昔の映画広告もとりあげています。
よかったら、寄ってみてください。
http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611
投稿: kemukemu | 2007年1月27日 (土) 09時43分
(. σ_σ)Chaplin~kemukemu様いらっしゃいませ~(. σ_σ)Chaplin
ノスタルジックなものと現在と。
興味のあることがあるのは楽しいことですね。
失われたものと今あるものと。
思い出はいつでも美しいですね。
いつか失われる思い出とともに
今を生きる。
あなた様の作業が末永く継続されることを
お祈りいたします。
投稿: キッド | 2007年1月28日 (日) 01時00分