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2006年11月30日 (木)

『H☆C』幻の試聴デビュー盤を入手!

Hc001s_1          

「ピアノ体操曲第1番(標題:でびう)」アーティスト・H☆C

作詞プロデュース・ads(あず)

キャラクタープロデュース・ikasama4

♪♩♪♩♪♩♫♪♩♪♩♪♩♪♩♫♪♩♪♩♪♩♪♩♫♪♩♪♩♪♩♪♩♫♪♩

おなかがグ~ ぐ~ぶろグ~

腹ペコなのだ どうしよっかな~

いいえ しんぱいありません

そうよわたした~ち キャンディよ~(お腹が空いたらキャンディーで)

へ~ せ~ のキャンディーズよ~(ちゃっかりPRよ)

H☆Cミキちゃん:パープル~
H☆Cスーちゃん:ももいろ~
H☆Cランちゃん:ブルー~
H☆C3人全員:い~ろ~に~て~る~~~!(blogカラーね)

(ここでメンバー3人によるセリフが展開)

ここんとこPCの調子が・・・(ミキちゃん

やめたい時にやめちゃうわ(ランちゃん

みんなまとめておしおきよ~(スーちゃん

いつも仲良きブロガ~なのよ

日本でやること見つけた~のよ(のだめの見すぎ)

グ~ グ~ チョキには勝つよ(ここでVサイン)

平~成~キャンディーズ!

♪♩♪♩♪♩♫♪♩♪♩♪♩♪♩♫♪♩♪♩♪♩♪♩♫♪♩♪♩♪♩♪♩♫♪♩

・・・・・・なお、所属事務所のお気楽社長によるとデビューの日程などは未定である。

正規デビュー盤には追加カップリング曲があるらしい。

とりあえず、入手してしまったので報告しておく。

Hc001sab ・・・・なんということだ。最初のジャケット写真はバッタもんだった。

早くも海賊版が出るとはH☆Cおそるべし。

こちらが正規のジャケットらしい・・・メッシュ入ってるし。







ikasama4様専用業務連絡シート


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「元気にしてるか・・・元気かぁ」と志田未来は言った。

「俺、ちゃんとするから、すぐには無理だから、いつか、ちゃんとするから」と志田未来は言われた。というキリちゃん(三浦春馬)のセリフと迷ったけれど、ドラマは明らかに転調し、もはや、志田未来の背中を指す指の持ち主たちはとるにたらない愚かな人々と位置づけられたので、キッドは安心して未希(志田)の主観に軸足を移すことにした。

このドラマに対する賛否両論は非常に興味深かったが、多くのブロガーたちの共通認識は「14才の妊娠はやはり早すぎる」というものであろう。

しかし、そこから「しかし、出来てしまったものは仕方ない」という意見と「出来てしまったらなかったことにしなければならない」という意見の対立軸が生じた。前者は「それですむ問題か」と叱られ、後者は「人でなし」とレッテルを貼られる。まさに不毛の争いである。だって正解なんてないんだもーん。しかし、この世に不毛の争いほど面白いものがあるだろうか。キッドはないと思う。

で、『14才の母・愛するために生まれてきた・第8話』脚本・井上由美子、演出・佐藤東弥を見た。全世界を敵に回した14才の母だが、あれよあれよと味方を拡大し、もはや見渡せば周囲は味方ばかりである。もちろん、人々が心からそうしているわけではない。

前回、流産流産詐欺で、入院したけれど、母子ともに安全が確認される。ここで14才の妊娠なんて即中絶に決まっているだろ委員会のメンバーをなだめるかのように主治医(高畑淳子)が「成長期なので心身ともに負担が大きい」と説明、ここで母は「もしも、娘か孫かを選ばなければならないとしたら娘を助けてください」と心の底のできれば中絶願望が顔をのぞかせるが、主治医は「娘さんの出産を認めたのでしょう。私は母子ともに無事に出産できるよう努力します」とクギを刺す。・・・う、うまい。

人間の割り切れなさの表現としては「キリちゃん一家の夜逃げを未希に伝えていいものか」問題が浮上する。間違いをしても仕方ない母の母の弟が口をすべらせて、未希に「何か隠し事がある」と悟らせてしまう。ストレスを避けさせたい相手に「隠してもストレス」「隠さなくてもストレス」という状況が生じるのである。割り切れないが、決断を迫られるのである。そういうことを人はいつしか、学ぶのだが、学ばない人も中にはいる。これがまた割り切れなさなのである。

泣かない約束をしたのに、もう泣いたとか、言う人は、逢わない約束したのに、電話したと絶対ツッコミを入れるのだが、約束は破られるためにあるということを学ばなかったのだなぁ。それはそれで幸せな人生だと考える。

さて、今回、最大の裏切り者は狂人・北村なのだが、まず、母の父の来襲を受ける。母の父は単細胞生物なのだが、娘ゆずりの頑固さは持っている。ま、流れとしては逆ですが。この父に「世界の現状を知らずに過保護で子供を甘やかし、中学生なのにセックスして妊娠して中絶させる親たちに正義の鉄槌をくだし、神の放ったメギドの火に炎上させるもくろみ」が「こうなったら無事に出産させたいんだ」の一言で瓦解してしまったのである。

この後はまさに狂人・北村、いつも狂ってはいられない状態。捜索中のキリちゃんからのコンタクトに呼び出され「居場所を教えるから報道してほしい。母を止めてほしいんだ」というキリちゃんに「それは家族の問題だから、君が母親を説得しなけれぱならない」とナイスアドバイスをする始末である。

話は前後するが、ラストシーンでは産気づいた未希に遭遇、狂人・北村でなければ似合わないセリフ「怪しいものではない」・・・クククククク・・・「救急車呼ぼうか」なのである。しかも未希に「ありがとうございます、でも、自分でできますから」と言われお年寄りに席を譲りことわられた態でおろおろ。狂人・北村、かわいいーっ。

さて、次々に繰り出される「中絶賛成派粛清アイテム」、まずは胎児の映像。ここが、口よ、ここがアソコよと、おらおら、奪えるんかい、この無力な命を、えー、この人でなしさんよー。である。次に胎児の胎動。タイトルになったセリフをはじめ、家庭訪問の担任(山口紗弥加)と出戻り親友(北乃きい)にもお腹にタッチ、きゃー動いたーっでダメ押し。ちなみにそっと伺う裏・未希(谷村美月)つきである。さらに出産間際の妊婦(戸田菜穂)を配置。反対派の神経逆撫での「若くていいなー」発言、そして生みの苦しみと産声の協奏曲である。どうだーっ。もはや大沢逸美もイヤミが好意的なのだーっ。

さらにダメを押すわが子の散髪する母。そして「どちらかなんて選べない。だってこの子はもう人だもの」わははは、勝利じゃ勝利の美酒じゃ。母の最期の託宣は「覚悟を決めたからには運を天に任せるだけ」・・・そうですよ。妊婦であろうがなかろうがここもまた戦場なのですからね。

記念撮影は陰口をたたくしか能のない、とるにたりない人々をクローズアップするだけのもの。ちょっとあざといか。勝って兜の緒を締めよですからーっ。

そして出陣の時を迎えたか。苦悶にゆがむ未希に主題歌が「ダーリンダーリン」と二度出しのカットイン。「しるし」これが最終兵器なのだな。

たとえば、「セックス」についてどうしても子供と語れない親がいる。このドラマを子供と見れない親もいるのである。そういう人たちはある意味、一種の障害者である。そういう人たちの救済処置をどうするか。ここが一番問題なのだなぁ。かといって子供の前で親が正々堂々とセックスをし親の前で子供が正々堂々とオナニーしているような家庭は・・・もはやギャグだしなぁ。おりあいをつけるのって本当に難しい。

関連するキッドのブログ『第七話

金曜日に見る予定のテレビ『金曜ロードショー・ALWAYS 三丁目の夕日』(日本テレビ)

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2006年11月29日 (水)

夜なんて来なければいいのに・・・(菊川怜)

ミッドナイトブルー。真夜中の蒼。それはブルース。漆黒の夜の闇にむせびなくブルース。・・・これはもうハードボイルドな匂いがプンプン漂ってきます。『ミッドナイトブルー』といえばナンシー・A・コリンズの吸血鬼ハンターというかバイオレンスものもあるし、ケニー・バレルの珠玉のブルース・ギターの奏でる名曲のタイトルでもあるのだが、今回は『警視庁鑑識課ミッドナイトブルー/北林優』原作のサスペンスドラマである。

これは『警視庁鑑識課アブラムスの夜』に続く、連作なのだが、それをここからスタートしてよかったのか、どうか・・・キッドはちょっぴり不安である。この後、原作は『警視庁鑑識課鎮静剤』と続くのであるが、なんとなく、タイトルがいいので途中から始めてしまいましたが、ちょっと未消化っていうか、こなれていないような気がするのです。証拠を出せといわれても勘なのですけど・・・。

この元々枠の火サスには『警視庁鑑識班』シリーズというのがあってその匂いがプンプンするのも気になるところなんですよね。・・・いや、出来はまあまあなんですけどね。これ、傑作になりそこなった感が漂うんですね。いや、あくまでキッドの勘なんですけど。

で、『火曜ドラマゴールド・警視庁鑑識課<第9班>ミッドナイトブルー』(日本テレビ061128PM9~)原作・北林優、脚本・田中孝治・三島ゆき、演出・猪崎宣昭を見た。ここからは原作のことは忘れて、ドラマに徹するのだが、脚本家が二人いることがもう不安を駆り立てる。監督は相棒サード・シーズンで唯一のヒトケタをたたき出した第8話の監督です。あー、こわい。

主人公・松原唯(菊川)は警視庁鑑識員、元・刑事であり、同僚で婚約者だった刑事を松原が発砲をためらったのが原因で何者かに射殺されてしまった過去を持つ。この事件がどういう事件でその後、殺人犯がどうなったのか、一切説明されません。それはそれでいさぎよいがもはやなんだかなあ・・・です。とにかく、傷心の彼女は鑑識課に籍を移したのです。夜になると恋人を失ったあの日の悪夢に悩まされるために精神安定剤を常用しています。

事件発生。小岩署管轄です。刺殺死体。そして現場に残る血痕の道筋。現場から逃げ去った車に男が乗り込むところが目撃され、捜索対象として手配されます。唯は直観力の優れたところがあり、現場に残された血痕のはね方から、犯人が負傷していると推理します。目撃された男に負傷した様子がなかったことから、現場の刑事たちと意見の対立。刑事VS鑑識の衝突です。しかし、矢面に立つのは彼女だけ、過去を忘れるために仕事に熱中する彼女は鑑識課でも孤立していました。上司の鈴木鑑識課長(峰竜太)も浮気の発覚をおそれるかのように奥さんいや刑事たちの顔色を伺う始末。

そんな最中、今度は少女が連続して事故死し、そこに共通の靴跡が残されていることを唯が発見します。まさに猟奇殺人事件の展開。しかし、捜査担当者は事故として処理が終っていると取り合いません。おいおい、それはそれですごいぞ。

孤独な夜を怪しいバーで過ごす唯。そこに捜査中毒の権藤刑事(石橋凌)が現れます。彼もまた組織捜査が苦手ではみ出し者。独断発砲で懲罰的処分常習者の模様。発砲できなかった女と発砲しすぎの男のコンビ誕生です。ま、そういうことです。

独自に捜査を開始する二人。捜査の過程で過去の幼女連続殺人事件で容疑者となった変質者・矢内純一(大浦龍宇一)が浮かび上がります。実は、彼を捜査すると捜査関係者の身内に不幸が起こり、刑事たちがこわがって捜査が打ち切られたという経緯があったのです。・・・どんな経緯じゃーっ。とにかく、権藤にも余計なことをするなと上司からクギが打ち込まれます。唯一の権藤刑事の手下でもうすぐ退職するので上層部ににらまれても平気な山下刑事(鳥羽潤)が参加。もう死亡フラグたちまくりのセリフを残し、何か手がかりをつかむものの踏み切り事故で案の定の即死です。

最初の死体の家族である妻子が行方不明。次々と殺される子供たち。殺人事件現場から逃亡した謎の男女。ついでに続発する放火事件。そして容疑者の謎の借金返済。さらに退院して行方不明の変質者。バラバラな事件が次から次へと起こり、もう何がなんだか・・・。

さあ、ここからは完全にネタバレの世界へ。実は事件の背景には闇の臓器移植ピジネスがからんでいたのです。そして真相にせまるのはたまたま権藤刑事がテレビで臓器移植の番組を見たからです。・・・まさにどんなミステリファンもはだしで逃げ出す展開です。

借金返済が臓器売買で作った金であることをつきとめた権藤は手術をした悪徳医師をつきとめます。出ました金村芳江(広田レオナ)です。彼女の毛髪がDNA鑑定により幼女事故死の現場に残されたものと一致。二人は金村を追い詰めます。

「私は一人を殺し、一人の臓器から五人の命を救った。どっちが命を大切にしているのか、考えてみなさいよ」こんなセリフがぴったりな広田レオナって。もう、ここまでの捜査のグダグダ感とか、この後の最初の死体が臓器売買のブローカーで別居していた妻が犯人。理由は夫が実の娘の臓器まで売ったから、でも相討ちで妻も自宅で死亡。妹を売ろうとした兄がたまたま居合わせて車を運転。この兄妹は遺棄されたストリートチルドレンでただただ哀れな生い立ち、そして黒幕はなんと鈴木課長。理由は「儲かるから」・・・。そしてさらに黒幕の変質者矢内はいるのかいないのかさえ幻想的に処理されるという・・・もう泣く子も黙る展開も忘れることができますーっ。

広田レオナのバッドドクターを見れたーっ。しかも、唐突にピストル自殺ーっ。もう、それだけは素晴らしかったのです。

ストーリーというか、材料は素晴らしいと思うのですが、セリフがねー。「君山銀針」(ジュンシャンインジェン)なんていうおしゃれな高級茶が出てきて・・・広田レオナ御用達です・・・いい匂いをたちこめるのだが、「刑事の仕事は真実を明らかにすることだ」とか「99いやなことがあっても一ついいことがあればいいじゃないか」とか、なんというか、いきあたりばったりの名セリフになっているんですよー。犯人からの電話につらなるホラーなBGMなんて恥ずかしくて耳を覆いたくなりました。ハードボイルドに恥ずかしいセリフはつきものですが、それが・・・あーっカッコイーと思わせてくれる演出が絶対に必要なんですが、この作品にはそれがない。いや、あくまで勘なんですよ。キッドの。証拠はひとつもないのです。

関連するキッドのブログ『卵焼きを美味しそうに食べる人は万引きはしても殺人はしませんから。(酒井法子)』

木曜日に見る予定のテレビ『嫌われ松子の一生』(TBSテレビ)VS『Dr.コトー診療所2006』(フジテレビ)それはー、松子に吉野公佳が出るからなのさ。またやくざの情夫役かなーっ?

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2006年11月28日 (火)

上野樹里とおなら体操の人_| ̄|○とハリセンと福士誠治とサエコと水川あさみと瑛太と小出恵介とオレ様。

うわー、もじゃもじゃ組曲が~。もじゃもじゃ組曲が~。フランス行って大先生とコミュニケーションをとるための重要なツールが・・・ヒント。ドラマ版のだめはフランスへは行きません・・・ってかあ。今回は大量の新メンバー導入なのであるが、大河内が生き残っているーっ。人気なのかー。それにしても地味にホルン片山(波岡一喜)、ライオン丸Gここにも登場か、まあ、電車男のエレキギター男(ギター男=劇団ひとりではない)だから、流れでいいのだが、それにしても圧力があって役名を書けない「たっ恋」のチンピラといい、今、注目されているのかーっ。それにしてはライオン丸Gを語る仲間少なすぎーッ。

さて、本題に入る前に恒例の週末視聴率チェーック。『家族』↘*9.6%(わーっ、失速してしまった。ぶっさん立ち上がりとったな)、『セーラー服と機関銃』↗13.0%(長澤版平均13%越え、アイドル女優苦戦の中、健闘)、『たったひとつの恋』↗10.6%(微上げ。もう、これがお客の限度なのか。12月の奇跡があるのか。神様~、がんばって~)、『鉄板少女アカネ』↗*8.4%(今週はみんなあげたー。アニが敵にまわるベタな展開。今週、熱くて悪いか~なかったぞ~)。

で、『のだめカンタービレ・Lesson7』(フジテレビ061127PM9~)原作・二ノ宮知子、脚本・衛藤凛、演出・武内英樹を見た。第2章突入ということで演出が戻る。すごく変わるわけではないのだが、ある意味、後半戦の方向を示す回。すごくスムーズにできた気がする。なにしろ、落ちこぼれのオーケストラからエリートのオーケストラに変わるというだけでも庶民の反感を買う要素はたっぷりである。親しみにくいというイメージを払拭しようと曲げる可能性も大いにあったわけだが、時間の制約や、ダイジェストの部分はあったにせよ、ほぽ原作の主張を貫いた仕上がりになっていたようだ。

「で、オレ様がトラウマを抱え、海外に飛び立てないのをいいことに、才能のある奴らがどんどんオレ様のもとへやってくる。それはもう、すごいメンバーが続々と集まって来るのだ、純情きらりからライオン丸まで、この層の厚いメンバーを見ろ。誰だ、最初にキャスティンク゜が弱いなんて入ってた奴は。天才、続々登場ではないか。特に純情キラリの黒木くんは本当に純情キラリなのだ。しかし、よりによってのだめを清純可憐と思うなんて、どれだけ女を見る目がないのだ。(あんたもね=彩子)・・・しかも、すずらんってこの季節、どこだーっ、どこの花屋にあったーっ。青い珊瑚礁で小麦色のマーメイドでピ・ン・クのモーツアルトですよーっ。意味わからーん。そして、峰と清良、スピーディーな展開だな、もっともドラマ版はひっそりと愛を育てる時間たっぷりだからなー。お前らのようなものはスピード結婚、スピード離婚するに決まってる。・・・それはさておき、のだめの様子がおかしいのである。いや、おかしいのはいつものことだが、いつもにましておかしいのだ。何が妻デスだーっ、何が正妻ウォークだあ。・・・ちょっと可愛いじゃねーかーっ。ああ、一体、オレ様の何がこうものだめを気にかける。そりゃ、オレ様は女より音楽に恋してるからに決まってるだろーっ。そうだ。のだめだって音楽を愛し、音楽に愛されるために生まれてきたはずなのに、何故、そうしない。何故、幼稚園の先生だーっ。オレ様がのだめにむいていないなんて言うとオレ様が傲慢だなどという者がいるかもしれないので、のだめが先生にむかない理由をあげておく。ひとーつ。他人様の弁当を盗むような奴に先生になる資格なーし。人のものを盗んではダメですよという立場の人間が盗んでどうするーっ。のだめが園児の弁当を盗んで「味見しただけデス」と言い訳すること間違いなーし。園児号泣。ひとーつ。部屋を片付けられない奴に先生の資格なーし。子供たちと何かやるたびにそのまんまにして次のことをはじめる奴。積み木をやれば積み木出しっぱなし。お絵かきすれば道具出しっぱなし。たちまち幼稚園はゴミ屋敷に。そんな幼稚園に通園させる親はなーし。ひとーつ。無駄遣いする奴に先生の資格なーし。ジュース代とか教材費とか、使い込むに決まってる。ひとーつ、好き嫌いをする奴に先生の資格なーし。贔屓というレベルではなく、園児に嫌いな子がいたらまったく無視するような奴だぞ。そりゃ、もう教育者のレベルじゃないだろう。結論、のだめを雇用する幼稚園なーし。・・・好き嫌いといえぱ、なんと、のだめの指導教官がハリセン(豊原功補)に変更しているではないか。おいおい、そりゃ。無理だろう。オレ様さえ、耐えられなかったハリセンのやり方にのだめが従うはずはない。オレ様ものだめにハリセンのようなことをしたが、そこには愛があるからな・・・って認めん。オレ様はオレ様の変態への愛や変態からの愛など金輪際認めないからな。・・・って案の定、ハリセン、挟まってるじゃね~か。ま、のだめの才能を認めたことは認めよう。仕方ない。オレ様がアドバイスするさ。オレ様だってあいつには何とかなってもらいたいんだから。そして・・・丸腰や・・・丸腰や・・・丸腰や・・・あーっ、ハリセンを捨てたハリセン。これからなんて呼べばいいんだ。そして、もじゃもじゃ組曲でなかったことを忘れさせる「げんきにだそう、いいおとだそう」のおなら体操(リアルのだめ作らしい)。もはや、オレ様に言うことはない」

今回も軽快に進み、あっと言う間の一時間だったわけだが、のだめ(上野)と千秋(玉木宏)の二人の恋愛モードで言うと、千秋のトラウマのイメージがさらに明らかになると同様に、のだめのトラウマの存在がはっきりと示された回なのである。ハリセンの高圧的な指導に福岡県の一部地域で使用される方言体系=大川弁でキレるのだめがそれだ。

「なんが悪いと、のだめでっちゃ、ちゃん、勉強しょっとよ、おまえ言うな」日本語訳「どうしてそれが悪いのですか、私は私のやりたいことをやりたいのです。私は私の出来る限りの努力で私のやりたい範囲で勉強しているのです。それで精一杯なのです。あなたに「お前」なんて呼ばれる関係は私とあなたの間にはないのです」である。

少なくとも幼少時代にピアノを学んだのだめ。原作ではささいな事故として処理されているのだが、高圧的な男性教師を恐怖するのだめの幼女時代に密室で男性の先生ともっと恐ろしい出来事があったのではないかとキッドは妄想しています。

ともかく、千秋とのだめは共に音楽に選ばれしものでありながら、それぞれにトラウマとの葛藤をかかえている。そしてお互いが相手を癒しながら、成長を重ねていく。そういう、ある意味変態的な愛の片鱗がようやく視聴者に与えられた。今回もまたキッドは号泣なのでした。

ただ今のハリセン好感度↗47%(+40point)

そろそろ、大川先生の登場なのだが、十年早く、ドラマ化されてれば、この役は大川慶次郎先生で決まりなのになあ。おいおい、原作さえ、存在してないよ。まあ、大川先生は大川先生だろうけどね。えなりくん登場という話もあるらしいが、やるとすれば、のだめのあのライバルかなあ。・・・ああ、もう、ゴールが見えている。ああ、今年も終わりだが、のだめカンタービレが終るのはいやだなぁ。もっとあなたと・・・。お前は千秋か!

関連するキッドのブログ『Lesson6

水曜日に見る予定のテレビ『14才の母・愛するために生まれてきた』(日本テレビ)

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2006年11月27日 (月)

氷点。何度目だ。・・・・・・でも、また泣いた。

飯島直子の夏枝、石原さとみの陽子である。内藤洋子から40年であるか。この時の夏枝は新珠三千代。それから養女いじめの名コンビが映画にテレビに登場し続ける。南田洋子・島田陽子ペアとか、三田佳子・紺野美沙子ペアとか、浅野ゆう子・末永遥ペアとか、自分の娘を殺した男の娘を育てながらいじめる母親とそれに耐えながら気高く美しく育つ娘。このテーマはまだ持つのである。すごいな。

氷点といえば笑点であるが、テレ朝(当時NETテレビ)VS日テレとはいえ、このテーマをパロディーするなんてまさにお笑いの神様に命を捧げたものにしかできない振る舞いだな。さすがのキッドもじっくりと考えるとちょっとたじろぐもの。

少女時代の陽子は森永永依(ちびまる子ちゃんからここ)である。二枚目も三枚目もできるところが達者だ。そして演技力には定評ある石原さとみ、静御前を上回るような妙なる演技でした。

で、『スペシャルドラマ・氷点(後編)』(テレビ朝日061126PM9~)原作・三浦綾子、脚本・野依美幸、監督・藤田明二である。第二次世界大戦前後のどさくさの中で、三歳の娘を殺された北海道旭川の医師(仲村トオル)はその時、妻(飯島)が男(北村一輝)と不貞をしていたことを怨み、復讐のために犯人の娘を引き取り妻に育てさせようとする。陰湿である。そして、それを知った妻は養女(森永→石原)をいじめていじめて苛め抜くのである。給食費をあげなかったり、学芸会の衣装を与えなかったり、答辞を白紙にしたり、事情を知る実子(手越祐也)もあきれるほどで、美しく成長した娘のボーイフレンド(窪塚俊介)を寝取ろうとまでする。そしてついには「あんたは娘を殺した犯人の娘なのよ」と暴露。それを知った娘・陽子が長い絶叫をあげるまでが前編である。

この他にも仲村トオルと本上まなみの恋情、岸本加世子の粋なねえさんっぷり、など見所満載なのだが、とにかく、水が氷になる氷点があるように、人の心が凍りつく氷点があるという話なのだ。原作発表は昭和30年代後半。北海道はロマンの大地。そして舞台は当時のエリート(今もか)医師の家庭。なんだかうっとりして見ていた物語のはずだか、なぜか、今もうっとり見られるところが不思議だ。40年前の女たちをしっとりと演じる女優陣が抜群である。

そして、後半。陽子の自殺未遂から物語は始まる。雪野原で薬を飲んで自殺。北海道でなければ不可のうっとりである。いわば、氷点である。しかし、凍った心が溶け出すのもまた氷点なのであった。兄によって助けられた陽子。自分のために自殺しようとした娘にとけかかった母の心を一機に沸騰させるのがアカネとダブルブッキングの陣内孝則である。親のない子を里子プロデュースする彼はまったくの別人の娘を殺人者の娘として渡していたのだった。自分がいじめていたのはまったく罪のない子だった・・・もちろん、殺人者の娘にだって罪はないのだが・・・ことを知った母は生死を彷徨う娘にとりすがって詫びる。

息を吹き返した娘に真実「戦時中に夫を戦地に送り出した銃後の妻が不倫してできた子供があなた」が告げられる。殺人者の娘じゃなかったけどそれはそれでどうなのよと娘の心はグレイゾーンに。いわば氷のような水のようないわば氷点なのである。

「氷点」「続・氷点」を盛り込んだドラマ。エピソードもたっぷりで消化不良にもなりかねにいところを・・・唐突な部分やもやる部分もあるが・・・ジェットコースターのようにすっとばし、大学生となった陽子たちがドライブで聞く音楽がビートルズの『涙の乗車券』だったりと余裕さえ見せている。岸本ねえさんは本上を叱って「人の旦那に手を出しちゃダメだよ。そんな泥棒猫のような女は嫌いだ」が印象深い。

スペクタクルの大地震を境に兄と妹と兄の親友の三角関係が清算されたり、夫と妻が最終的に和解したりと人生ドラマ盛りだくさんなのだが、見せ場はやはり母娘。

まずは実の母(賀来千賀子)と育ての母の戦い。実母「あなたのいじめで自殺未遂をしたそうですが」育ての母「いじめましたよ。憎んで憎んでいじめていじめて、でも、憎いだけじゃ、20年間もそだてられませんよ」実の母「あんなに立派に育ててくれてありがとうございました」号泣・・・キッドが。

次に娘と育ての母の戦い。「おっしゃいよ。文句をおっしゃいよ。いじめられてつらかったって、ひどい母親だっておっしゃいよ」「できない。もしも私だったら娘を殺した人の娘を育てるなんてできない。お母さん。育ててくれてありがとう」またも号泣である。

そして捨てた母と捨てられた娘が娘の自殺未遂現場で「お母さんはお前を捨てて、自分のことだけを考えて、自分ばかりが幸せに生きてきた。許しておくれ。許しておくれ」「私はあなたのことは許さない。一生許さない」・・・・・・・40年後に石原さとみが竹下景子にチェンジすると許すのだが。

北海道といえば流氷である。一人流氷を見に来た石原さとみが暗雲から差し込む一筋の光に母なる自然から啓示を受けるシーンはキリスト教も仏教も越えた原始宗教の匂いがたちこめるのだが、きっと説明不足・・・あるいは分からない人には分からないシーンであるだろう。ずーっとローテクできて、ここでハイテクなのだが、まあ、技術がお手軽になったということですかね。その代償に人が失ったものが何かあるのだろうとは思いますが。

メロドラマとしては極上の原作なのだなあ。発端が幼女殺人、そして夫の偏執的な復讐欲というところが、戦後20年という空間に素晴らしくマッチしている。これを現代にスライドしようとするとかなり無理があるような気もする。こういう現代になって良かったのか、悪かったのか微妙だけど。いろいろと複雑なものがよぎるよな、14才の母とか、代理出産とか。オウム真理教の娘とか。

関連するキッドのブログ『花村さん、花村さん、花村さーん(石原さとみ)』

火曜日に見る予定のテレビ『火曜ドラマゴールド・警視庁鑑識課<第9班>ミッドナイトブルー』(日本テレピ)

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2006年11月26日 (日)

オレ・・・いえ・・・ボクにとってはたったひとつの恋なんです。(亀梨和也)

「それは愛じゃなくてただの恋だ」と恋人・菜緒(綾瀬はるか)の父(財津和夫)に攻められて弘人(亀梨)は健気にもタイトルコールである。バラエティショーなら拍手とともにテーマ音楽が楽しげに鳴り出すところだが、恋愛ドラマなので父が少し逡巡するだけだった。

二代目だか、三代目だかは明らかではないが老舗である。祖母(淡路恵子)に「うちはモノがいいからお客がついている」と言わせるほどの実績あるビジネスの跡取りだったわけだから若い頃はブイブイ言わせた父。「ああ、今夜だけは君を抱いていたい」とか「若かった何もかもが大人の恋ができなかった」などといろいろな悪事が走馬灯のようによぎってしまったのだろう。

父親を情熱で態度保留にさせた弘人。しかも、妊娠についての障害を父親から聞かされ「言い出せなかったんだなぁ」とまたもや、恋心を深める弘人なのであったが・・・。

で、『たったひとつの恋・第七話』(日本テレビ061125PM9~)脚本・北川悦吏子、演出・石尾純を見た。ある意味、貧困が諸悪の根源で、裕福の敵は不治の病だけというミもフタもない展開になっているのだが、ま、ミステリーじゃなくてロマンスの神様のなさることなのでそれはそれで面白いです。

ビンボーな弘人のビンボーな同級生がたまたま不良だったおかげで恋路を邪魔された記憶も新しい弘人。今度は武・・・じゃなくてビンボーな従業員が運転資金を盗んで逃亡である。資金繰りに追われる弘人。恋愛どころじゃなくなってしまう。おいおい、恋愛ドラマなのに・・・「それどころじゃないって」自称脂ぎったオヤジみたいな菜緒はガッカリである。

そういう時には甲(田中聖)と裕子(戸田恵梨香)がつなぐのである。仲を取り持つのは例によって亜裕太(平岡祐太)。今回、それどころでない事情を菜緒に伝えるのも亜裕太で、1人きりの時にオレってサービスしすぎとコンビニくんに親近感を感じるほどなので、ついにただのお人よしであることが判明。おいおい、引っ張りすぎだろう。

甲と裕子は「合コンとかにもいったけど甲がしっくりくるみたい」「もう合コンには行くな」ととりあう手と手がいじましい。まさに息抜きモード。

おそらく釣り船も経営しているひもの商店から借金に成功。まあ、とても危機を脱出したとは言えない状態だが、とにかく、首の皮一枚つながった弘人は「たったひとつの恋」モードにチェンジ。菜緒を呼び出しましたーっ。

恒例、船上イチャイチャタイムです。最初は手編み手袋プレゼント予告手のサイズ計測タッチ。弘人手小さいっていうか菜緒手でかい。続いて「初めて、恋人のお父さんに会っちゃいました報告会」、「そんでさー、なんか、応接室だか、会議室だとかに通されて、あんたのパパに会ったじゃん、そりゃー、びびったじゃん。で、あんたの病気のこととか、ズバズバ言われて、守れるのかってこうよ。金も地位も人生経験もない小僧がーっ。って感じじゃんか。これが本当の社長だって思った。マジ。でもって愛じゃなくただの恋だとか、カッコイーって感じじゃん。オレもいつか言ってみたいよねって、あー、でもさ、オレ、あんたがいればいいから、子供なんて関係ないし、あんたがいなきゃやってらんねーって、マジもマジ、大マジで、だって、あんたはオレのハートにタックル、タックル、猛タックルじゃん」そして本日のメインイベント。スリーパーホールドの上手いのは誰か選手権。「幸せすぎてこわいくらい」ラブラブな二人でしたーっ。

そして本日のナレーションは「君の言葉の切れ端が胸を切り刻む」紙でスパーッと切ると痛いよね。痛いんだよね。どんな気持ちなんだーっ・・・でした。

しかし、そんな幸せなカップルを闇で見つめるカメラを持った盗撮ママ(余貴美子)。後に判明することですが、アングルにこりすぎです。

大分、間があきましたが、ビンボーな弘人のビンボーな母はビンボーな店の客に大分貢いでいる模様。従業員が盗んだ金を借金返済のために使い込むアテがはずれ、ついに自分の息子をスキャンダルの材料に。そうよ。ビンボーよ。ビンボーが悪いのよ。弘人の父は景気が良かった頃に、どっかの怪しい店で働いてた女の子と結婚したのではと妄想が働くほど、弘人ママ、山猫状態です。

「こんな立派な店なんだからはした金でしょ。こっちにまわしてくれたっていいじゃん」と菜緒パパから借金。もうダメだ~。そんな姑のいるところに嫁になんて出せるか。たちまち、兄から暴行未遂も発覚。折から菜緒は風邪をこじらせ入院することに。ついにポーカーフェイスの菜緒ママ(田中好子)発動です。

何にも知らなかったと言いながら、すべてお見通しのような菜緒ママ。病院のベッドでクリスマスプレゼントを編む娘に「携帯電話は契約解除したし、ボディガードをつける。弘人さんとは別れてください。あなたに骨髄移植してくれたお兄ちゃんを裏切らないで、店ののれんをお母さんの娘が傷つけるようなことはしてほしくないの。お願いします」攻撃である。しかも涙つき。

心をひきさかれた菜緒は「コンビニでカフェオレ買ってきて。(一晩だけ猶予をください)」「明日の朝、カフェオレを飲むのね。(絶対に一晩だけよ)」という以心伝心をして娘を野に放つ。きゃー、さすがは特別出演。結構、ギャンブルだけど、玄人の打ち筋炸裂だーっ。

今回は、何も知らず、菜緒と会えない不安をかかえつつ弟と菜緒の誕生プレゼント用クジラの手作り模型を作る弘人との対比があって安心。そして、病院を抜け出した菜緒は思い出の場所へ弘人を呼び出す。「泊まれるとこへ行こう」「安心したいからしばらく抱かせてくれ」・・・すべてを知って決意を秘めた菜緒と何も知らない弘人といった予感を感じさせながら・・・つづくである。

なんだかんだと残り三回なのであるな。もう、街はクリスマス。視聴率的にはいまだ波にのりきれていないこのドラマだが、もはや終局を迎えるためにすべての準備は整ったなあ。愛しあいながら、ひきさかれる二人。人目をしのんで、忍びあう二人。貧乏な男は内なる悪から逃れるために家族を捨て、裕福な女は内なる善から逃れるために家族を捨てる。その逃避行の行き着く先は・・・。そういう展開ですかー。そういう展開なんですかーっ。教えてーっ。神様ーっ。

関連するキッドのブログ『第六話のレビュー

月曜日に見る予定のテレビ『のだめカンタービレ』(フジテレビ)

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2006年11月25日 (土)

メダカは海じゃ泳げないのに・・・。(長澤まさみ)

メダカでもクジラにかみつけるという若頭・佐久間(堤真一)のボケにクールにツッコミを入れる八代目組長・星泉(長澤)・・・。この味わいが平成・ドラマ版の特色ですかね。ま、いろいろと物足りなかったけど。これはこれで可愛かったーっ。

平田満が映画版の黒木だったような錯覚を覚えるのはなぜだろう。柄本明だったのにーっ。それはヤスーっのイメージが重なるからなのか。角川映画、二代目はクリスチャン、つかこうへい、平田満という連想なのか、ラストで死ななかった小市慢太郎がヒゲを剃ったわけではないのですね。

これで、DVDには「か・い・か・ん」、「死体とファーストキッス」、「マリリンモンロー」がついてます。・・・などと言ってくれるとやられた~感が漂うのですがーっ。

で、『セーラー服と機関銃・最終回』(TBSテレビ061124PM10~)原作・赤川次郎、脚本・いずみ吉紘、演出・平川雄一郎を見た。ま、一番最初に目をつぶるのが、若頭と組長が殴りこみをかけるその先にいくらヘロイン奪還記念打ち上げパーティー開催直前にせよ。悪の組織が末端にいたるまで全員集合していることである。・・・ま、いいか。

そして、『目高組、八代目組長、星泉、ヘロインをいただきにまいりました。・・・ふざけるなーっ。とぼけるなーっ。バカにするなーっ。武さんは汗っかきで握手するだけでベトベトおもわず手をぬぐうハゲタコおやじおタクだったけど、私の命を守ってくれた・・・金造さんは顔が長くてちょっとこわかったけれど私が武器を使っちゃダメー、殴りこみに行っちゃダメーって言うのを応援してくれましたーっ、英樹さんはすぐに暴力をふるうのでこわかったけれど私にとっては初めて男の人に好きっていわれた大切な思い出の人だったんですーっ、健次さんはドラゴン桜では山Pや小池徹平クンと違ってくさったお弁当食べてお腹こわしちゃうような三枚目だったけれど東大には合格したんですーっ・・・みんな、一緒に笑って泣いてくれる大切な家族だったのに。そんなことも分からないあなたに日本なんか背負ってもらっちゃこまるんですよ。だから、快感じゃなくて、正義じゃなくて、これが今の私の気持ちです。受け取りやがれーっ!」

さあ、最後の見せ場です。大きく開いたそのお口。さすが東宝系。ゴジラを連想したのはキッドだけではないはずだ。連射、連射、また連射。放送禁止のめくら撃ち。やれ撃つな。みんなのけぞるしゃがみこむ。マホガニーなのか、弾痕が、まとわりつきます、めりこみます。手入れがいいのか、観音様のご加護なのか、弾詰まりを起こすこともなく、作動不良もありません。一体何がしたいのか投げつけられたクッションからは羽毛も飛び散るお約束。ヘロイン粉砕、空中散布、呼気すればたちまち天国酔い心地、これは夢か幻か、全弾丸撃ちつくしのその果てに死傷者ゼロとはこれいかに。素手で握った機関銃にベットリ指紋はついたけど、銃刀法違反はセーラー服着用の女子高生には適用されません。これ、ここだけの常識。

・・・ああ、堪能した。佐久間が「あんたにも分かったはすだ。組長をおこらせるととんでもないことになりますぜ。これで仕舞いにしてください」といえば組長ひとにらみデス。

そこへ警官隊突入。真由美(小泉今日子)が通報。全員逮捕。どさくさにまぎれて黒木を刺す森(森)、そりゃ本田博太郎のできないことは子分(学歴なし)がするんです。それが渡世の義理ですからーっ。そしてふとっちょ(緒形拳・特別出演)ピストル自決。真由美思わず「お父さん・・・」うわぁ、ついでに逮捕。容疑はなんだ。自殺幇助か? この世界の法律は謎だらけ・・・でも誤認逮捕っていうか、泉に「お勤めご苦労さまです」言わせたかっただけかーっ。

さあ、後日談へと流れ込み、いや、この話はまだ見せ場が残っているからーっ。さあ、どうする。えーっ、指きりの約束ですか。そ、それは星泉の必殺技「秘儀・死の指きりげんまん」ではーっ。指きりしたものは必ずや非業の死を遂げると言うーっ。もう、だめだー。佐久間さん死んだーっ。

学校に戻った泉、親を亡くした二人の変則家族に電話が・・・。出会いの吾妻橋で待ち合わせ。ここだ。地下鉄ないから、橋の上だ。マリリンモンローチャンス。佐久間が死んでその魂魄が一陣の風となり、川面からつむじ風。スカートを・・・キャーっ、電話だったーっ。キッドの夢破れたりーっ。

ま、いいか、あれは本来、つけたしだからな、高校を卒業した泉がストリップ劇場に就職マリリンモンローショーをやるっていう最後の最後かもしれんしな。ここは気をとりなおして、死体安置所のご対面。「おやじに初キスあげました」シーンだ。そうそう、唐突でもいい、薬師丸は唐突に耐えて、それでも可愛かったんだから。「どうして営業マンがヤクザのケンカ止めたりするんですかーっ。かっこよすぎるじゃありませんかー」・・・わーっ、キスしているようにも見えるし、してないようにも見える。なんじゃー、そりゃー。

そして、衝撃のラストへ。やっぱりな。近親者の死が女子高生をそのままの精神状態にしておくわけないもんなー。見えるんか。見えるようになってしもうたんか。そら、しゃーないわなー。ま、いやなもんが見えるわけじゃなし、幸せだったら、それでええやんなー。そや、そのままでええんやー。そのまま、まっすぐにお行き。真由美はんが待ってるさかいって何故急に関西人?・・・だって、都会の人間にこのラスト。沁みすぎますからーっ。

ふーっ、終ってみると早い七週間だったなぁ。毎年、やるといいのになあ。二時間スペシャルでいいと思うね。さあ、あなたは誰の星泉が見たいですかーっ。キッドは来年はとりあえず、堀北真希でーっ。だってアカネのことを忘れさせてあげたいからーっ。きゃー、う、撃たないでーっ。機関銃はやめてーっ。

長澤まさみは来年は「二代目はクリスチャン」をやればいいのさーっ。

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日曜日に見る予定のテレビ『氷点(後編)』

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2006年11月24日 (金)

速い、速い、チーター速いよ。(相葉雅紀・飼育係)

トラを見れば体を洗い、チーターを見れば、顔面消毒。そしてライオンにはやや霜降りの牛肉をプレゼント。こんなアイドルがかっていただろうか。いや、彼はもはや飼育係芸人だ。嵐の相葉クンは猛獣相手に命知らずの飼育係として今回も「すごいや」とベッキーを感嘆させる大活躍である。

あーっ、和む。あーっ、癒される。女子中学生の妊娠出産問題でことの是非についてフル回転するキッドの頭脳は何にも考えないで動物ものに逃避をするのだった。

今回は『下妻物語』白百合イチゴこと土屋アンナがケニヤでサイを家で飼ったみたりもして、実にアフリカンな展開。もちろん、動物ロケの裏側について様々な仕掛けも脳裏をよぎるのだが、そんなことでは癒されなくなるのでここはのほほんと視聴者に徹するのだーっ。

で、『天才!志村どうぶつ園・祝!パンくんがディズニー映画で大役だぁ!ライオンもサイもハッチも大暴れだョ アフリカに行ってきたぞスペシャル!』(日本テレビ061123PM7~)構成・小野高義(他)、ディレクター・三浦正樹(他)、演出・中野裕子(他)、総合演出・清水星人を見た。二時間を動物コントと動物ふれあい擬似ドキュメントで送るエンターティメントである。

①チンパンジーとブルドッグのコント。ディズニーがらみの映画『ライアンを探せ!』とタイアップして猿が会社訪問をして宣伝部長に任命されるというコント。

②この企画にからみオリエンタルラジオ(映画でカメレオン役の吹き替えを担当)がライオンの赤ちゃんと室内で触れ合う。二頭の赤ちゃんライオン、ライアンとブーちゃんが死ぬほど可愛い。オリエンタルラジオのツッコミが実家に電話をかけ、実母に育児の方法を聞く。赤ちゃんが泣くのはおしめかミルクとアドバイスをされるコントあり。

③飼い主だ~れはロットワイラーがボビーオロゴン、チワワが青田典子だった。ご褒美は生カキ、焼きカキ、牛とフレッシュフォアグラのソテー、トリュフソース添え。ああ、動物は見て楽しい、そして食べて美味しいから大好きだ~。

④カンガルーのコント。夫婦カンガルーで妻が育児疲れ、夫が構ってもらいたがるというシチュエーションで凶暴カンガルーハッチが愛らしいところを見せる。

⑤そして相葉くんは南アフリカへ。目的は二年前に飼育した生後二週間ライオン「しむけん」との再会を果たすというもの。しかし、実際は猛獣飼育三番勝負である。これまでにも数々の猛獣を飼育してきた相葉くん。スタッフもおそれる猛獣相手に超接近の展開である。まずはトラの水洗い。充分脅威を感じさせるトラ。かっては追い回されること度々だが、ベテランの域に達した相葉クンはトラを追い回す。トラをおびき寄せる「クシェクシェクシェ」の鳴き真似もくりだし、トラに袖をかみつかせ放題にさせて水洗いクリア。休むまもなくチーターの顔面の虫除け消毒液ふきつけ作業に。広い敷地に放し飼い同然のチーター。やっぱり逃げるのである。追いかける。逃げる。追いかける。チーター最速伝説である。ここはバード(チキン)の餌でおびきよせ展開。餌をはさんで戦闘態勢のチーターと相葉クン。スプレー成功。そして、再会の時。二歳のしむけんはすっかり成獣であった。なびくタテガミ。しかし、相葉はひるまず接近。しっぽをつかみ、自らカメラマンを兼任。まあ、催眠剤の気配がかすかにただようが相手は百獣の王である。この命知らずのアイドルにキッドは尊敬の眼差しを惜しみなくおくるのだっ。

⑥そしてケニヤのキリンが草原を駆け抜ける空港に降りた土屋アンナ。家でクロサイを飼ってみようである。サイはキューキューと母を呼ぶ生後九ヶ月のキューちゃんである。つぶらな瞳がかわいーのだった。キューちゃんは三リットルのミルクを一日四回飲むのである。アンナはミルク作りに手をなめるキューちゃんに邪魔されながら、三十分。キューちゃんはそれを三十秒で飲みほすのだった。それから、近所に散歩に。通りかかったマサイ族の青年から子供を呼ぶサイの「ハァー」を教わる。「ハァー」と呼べば「キュー」と答えるのである。後からチョコチョコついてくるのである。もう、可愛い可愛いの大合唱だーっ。最後はサイのスキンシップで角でつかれてレディースあがりの巻き舌を披露したアンナがまたかわいいーっのであった。

⑦捨て犬500匹を集めて飼育している大阪のとある山を訪問したベッキーと捨て犬たちの心の交流ドキュメント。経営に失敗して犬500匹が路頭に迷う日がこないことを祈るばかりである。

ああ、楽しかったなぁ。予告によると、「アンナとクロサイ」の後編は来週もあり、相葉クンもホワイトライオンとふれあうようだ。サイファンは見逃せない。ライオンファンも。こ、これは見逃せない。今週の志村けんさんの大仕事、カキを食べて「牡蠣にはアイーン(亜鉛)が含まれてて体にいいんだよー」・・・お疲れ様でした。

土曜日に見る予定のテレビ『たったひとつの恋』(日本テレビ)今度は石原さとみの氷点に阿部寛・黒木瞳の夫婦もの。もう、何が障害なんだかわからなくなってきましたーっ。

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2006年11月23日 (木)

「お母さんに怒られるからあなたの家には行けないの」と志田未来は言われた。

「もっと大きくなったらお腹を触らせてくれる?」どちらも久保田恵(北乃きい=鈴木杏、邑野みあを擁するフォスターの必殺兵器か?今度こそスマートに育つ予感)のセリフである。偽悪に徹した数回前から、ついに少女らしい感性をのぞかせる未希(志田)との和解の美しいシーン。「あんな子と遊んじゃダメ」と短絡的な交際限定をせまるせつないが愚かな親心に反逆したことを匂わせるタイトルのセリフ。そして「友情の復活」を未希に求めるセリフ。どちらも捨てがたいが、貧相な世間を感じさせる前者のセリフの方がより皮肉が効いていると考える。

生活保護家庭や、ワーキングプア家庭、欠損家庭や、施設の子供たちにとってはまるで別次元の家庭である一ノ瀬家に反発する人々は実にごもっともで主張にも一理あるが、ロマンス(理想)を否定し続けると、日々の生活に潤いも喜びもなくなるので注意してもらいたい。

人々の魂の発達段階は千差万別である。ルールや掟、そして法律に縛られてその発達は規定されたりもする。しかし、人々の不幸を願う魂よりも人々の幸福を願う魂の方が結局、自らが幸福になる可能性は高い。なぜなら人は人々の1人にすぎないからとキッドは思う。

で、『14才の母・愛されるために生まれてきた・第七話・お金で未来は買えますか?』(日本テレビ061122PM10~)脚本・井上由美子、演出・佐藤東弥を見た。ま、志田未来の拘束はギャラ次第なのだが・・・違うでしょう・・・ま、15才の父(三浦春馬)の母(室井滋)が息子の輝かしい未来のための障害物除去保証金として一ノ瀬家に提示したのは「認知の放棄を条件とした出産・養育費を含む慰謝料・金20,000,000円」である。うわあ、高くついたなぁ・・・違うでしょう・・・ま、この金額について言葉を濁すあたりがロマンスですよね。知りたければ、画面を止めてお読みってことです。

いよいよ、後半戦に突入。冒頭で役所を訪れた未希は写メールをバシバシとられながら「母子手帳」を獲得。「14才で年齢制限があったらどうしようか」と思った娘に「そんなことない。誰でももらえる」ときっぱりと言う母(田中美佐子)。キッドはいつになく断定的な母親のセリフにぐぐったなと感じました。その後、これまでのあらすじを回想するのは丁寧で好感触。実の母を含めて全世界を敵にした未希。今や、家族と、理解のある医師、理解のある担任まで味方につきました。その度に「14才の中学生がセックスするなんてダメなの、まして妊娠するなんていけないの、よりによって出産するなんてありえないの全国中絶推奨連絡委員会」の皆さんが「偽善、偽善、我々は偽善を許さないぞーッ」の大合唱。ご苦労様ですーっ。

そしてそういう方々が最も信頼を寄せる15才の父の母が来襲。14才の母の母と雌雄を決します。両人とも雌ですが。「息子は未成年ですからなんの決定権もありません」「娘も未成年ですが自分の未来を決める権利はあるのです」「専業主婦のたわごとね」「生まれてくる子供にも権利がありますから」「じゃ、娘さんに決めさせて」「え」「あなたの娘さんには決定権があるんでしょ。ないと言ったら矛盾でしよ」・・・さすがです。ま、2000万円だから、とりあえず、もらっとけばいいじゃんかぁ。後でゴネようと思えばゴネ方はいろいろとあるんだしーっと思うキッドの魂はやはり腐りきってますーっ。

母(未希)よりも恋する女の子(未希)は裁判(争いごと)なんてイヤだからサインすると言います。そこで一ノ瀬家の単細胞代表のパパ(生瀬勝久)は「お父さんのお願いだ。お金は断ってくれ。お父さんはお前とお前の子供に他人の金をからませたくないんだ。貧乏人には貧乏人の意地があるってこと見せたい」・・・これは男のロマンなのか。だから、金は金なんだからもらっとけってばーっ。

父親の相変わらずの無定見・無思慮っぷりはやや度が過ぎていますが、そういう人が悪いわけではないのですよねえ、父親としては立派なのです。でも、そういうレベルとは違うレベルで娘は悩み、不安を抱え、サインをする。その震えた文字がいたいけない。

そうそう「いたいけない」という言葉についてさる人から質問があったので答えておきます。「いたいけ」は「いたいけである」で「仕草などがかわいらしい」という意味ですが、「ない」ならば「可愛くないのか」ということなんですが、このないは「否定」のないではなくて、物事が充満している様を示す「ない」ですから。つまり「いたいけない」は「かわいさであふれんばかりである」ということです。ついでに「切ない」も同様に「切」は「ギリギリの状態」に「ない」が「満々としている」ということですから。「胸が切ない」は「胸がいっぱいいっぱい」で「張り裂けんばかりの状態」なのですね。

さて、本日の名シーンはもう1人の未希とも、未希・裏ヴァージョンともいうべき柳沢真由那(谷村美月=映画『銀河鉄道の夜』のジョバンニ)から音楽の教科書を託された恵が未希を待つシーン。ああ、少女と少女のうるわしのシーン。こういう場面を作らなきゃダメなんですよーっ。これで1%は確保しましたからーっ。それにしてもBGM、今度はコトーの主題歌にメロディーラインがすりより酔うんですけど。

そして出産・育児教室では新たな味方(若年出産、育児断念の指導者)登場。誰かのリードで拍手っていう定番でこんなに胸がしみたのはのだめのミルヒーブラボー以来だぁ・・・つい最近じゃねえか。

さて、狂人・北村は今回も「本当はまだ心の中では反対している」14才の母の母と15才の父を責めるのですが、この選択が北村らしい。おそらく、なんらかの意図があるはずです。しかし、母の母には軽くいなされ、思わず「お天気予報」を。15才の父には「他に書かなきゃいけないことあるだろう」と反駁され、「相手を挑発して本音を引き出す」という取材テクニックの基本が通じず、「親まかせの君が憎くて憎くてたまらないんだ」と本音を披露。狂人・北村ーっ。何があったんだーっ。お前の過去には何がーっ。ああ、もう、狂人・北村いたいけないーっ。

しかし、編集者・北村は部下に別ルートの取材を・・・。

しかし、北村に動かされ15才の父・キリちゃんは14才の母に会いたい気持ちに。会わない約束したけれど、運命は陸橋とバスで交差する。身を乗り出して、手をふる未希。答えるキリちゃん。キッドとしては「14才の母が妊娠出産育児をするのはまったく問題ない」と思うのですが「走行中のバスの窓から身を乗り出すのは絶対反対」ですからーっ。だって危ないってーの。選挙運動のウグイス嬢の皆さんが身を乗りだすのもキッドは絶対反対ですからーっ。お前らバカじゃねーのーっ。

そして天罰が。未希の子宮が異常収縮。流産流産詐欺シーンへ。もっともこれは認知の放棄から会わない約束をしてしまった人に逢ってしまうという経緯に幼い心を痛めてきた未希の心の葛藤が身体のバランスに影響を与えた模様。それを知り飛び出すパパ。もう、このパパには論理的帰結としての行動はありません。その場その場の思いつき行動。でもそれが未希のパパといえばパパなのだ~。一方、未希は意識を失いつつ、涙。1人きりで流した涙にも「泣かないっていったのに泣いたーっ」という三歳児のような様々なプログでのツッコミがあったのですが、これもツッコまれるのかーっ。

そして、15才の父の母の怪しい不動産業が破綻。負債総額82億円ーっ。ハリポタ映画の映画興行収入100億円と松坂大輔の契約金60億円の間くらいの金額だーっ。それに何の意味がーっ。だから、くれるって時にもらっとけって言っただろう。

ああ、夜逃げ夜逃げ詐欺は詐欺じゃなかったーっ。本当に夜逃げだーっ。債権者よりも早く到着したパパだけど、念書は取り戻せずーっ。気持ちは熱いが行動は無力ーっ。そこがまたいたいけないーっ。

前半は心が振るえ、涙。後半は急展開に絶叫。エンターティメントとしても優れたところを見せる本作品。「のだめ」「コトー」「14才」「僕歩く」と視聴率上位だけでなく、「松子」「たっ恋」「セーラー服」「役者魂」「家族」と捨てがたい作品満載の秋ドラマ。こうなると「夏ドラマ」ぐらいのバランスでよかったなーと思う今日この頃のキッドなのでした。

関連するキッドのブログ『第六話のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ゜『セーラー服と機関銃・最終回』(TBSテレビ)うわぁ、最後は犬と菅野美穂の挟撃ですかーっ。がんばれ、星泉。カイカンかカイカンなのかーっ。

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2006年11月22日 (水)

みんなの・・・が沁みこんだソファで。(佐藤江梨子)

キッドの夢としては『火曜ドラマゴールド・ビネツ・美肌の誘惑・現代エステ大奥物語』なんかで三番手の藤結花役の佐藤江梨子を見るよりもテレ東の深夜で毎週『キューティーハニー』のサトエリを見たいのだが、なぜか、世の中って奴はそういう夢には応えてくれないのだなぁ。

で、森口瑤子は『僕の歩く道』で高圧的な教育ママを演じていて、自閉症の主人公よりも自分を見失っているという役をお約束のように演じているのだが、キッドとしては子供の描いた自分の絵を見て我を取り戻す森口よりもどんどん狂っていく森口の方が面白いのだが、なかなか見せてはもらえないのだなぁ。

それならば、聞き取りにくいとか、高音すぎると言う人もいるだろうが、ああ、ハニーは今日はナレーターに変身して公共放送に巣食うパンサークローの正体をつきとめようとしているのだなという心構えでこの番組を視聴するのでした。

で、『ドキュメント72時間・六本木・一坪オフィスの夢』(NHK総合061121PM11~)ナレーション・佐藤江梨子、取材・清水晶、ディレクター・海保香織を見た。番組は素材を72時間追い続けるというドキュメンタリー。ま、犬が飼い主の恩を忘れなくなる期間ぐらい密着取材すれば何かが伝わるだろうという安易な企画です。今回の素材はベンチャー企業の群れ為す一坪オフィスの起業家たち。ま、最近、ニュースの軽い話題で取り上げられることの多い「タダコピ」という学生ベンチャーがいるビルをとりあげているあたりが、まあ、手堅いというか、薄いところですけれども。

で、ここからはほぼ空耳レビューです。

「まず、六本木には、ヒルズがあるでしょ。交通の便を考えたら、立地はよくないけど、イメージがチャラチャラしていて、いいと思うのですよ。だから、家賃四万円払って雑居ビルに一坪事務所を構えるわけね。名刺に会社の所在地・六本木って入れたい人たちの集まりってかわいいな。

でね。みんなは「お金もうけがしたい。そして、いつかはヒルズに引越したい」と考えているの。日本では武士は食わねど高楊枝の士農工商が250年も続いちゃったから、お金儲けを悪いことのように考える習慣がついちゃったけど、ここに居る人たちはそういうことには無関心なのよ。

ディレクターは次々と一坪の会社を訪問して何十枚も名刺を集めたの。でね、紹介するのは学生がベンチャーコンクールで入賞して企業した例の裏が白いチラシはメモになるから裏に広告いれたらコピーをタダにすればいいんじゃねという企業。数人の企業で仕事は広告主の営業が主体だけど、社歌がNHKのアテネ五輪テーマソングっていうところがくすぐるじゃないの。もちろん、勝手に社歌だけどね。みんな音痴で可愛い。他に、口コミでダイエット食品のPRをするサイトの運営会社とか。役員報酬五万円の人材派遣会社とか。社長がルーマニアとうわごとのように言うピアニストSATOKOの国際デビューを目指す音楽事務所とかね。もらった名刺にくらべて紹介する企業が少ないような気がするけど、だって、大半は公共放送では放送できないようなお仕事をしているのに決まってるじゃない。まあ、きっとIT関連なのね。紹介しなくてもきっと未来的で近代的で近未来的な通信のようなお仕事なんだと思うわ。後はきっとどエロね。

・・・ま、とにかく、仕事だからそんなに面白いことが起きるわけじゃないの。たまたま交差点でバイクが接触事故を起こしたから本題にはこれっぽっちも関係ないけど挿入するくらいですから。あわただしい六本木の街って、情景描写に使われる事故った人たち。うれしいのかしら、哀しいのかしら。

危なかったのよ。例の学生の人たち、新宿にもっと広い事務所を借りてるの、それじゃ、企画の柱がなくなるから、そちらは営業の拠点と紹介しておいたの。もちろん、いつまでも一坪オフィスにいるようじゃだめなの。平均、一年半くらいで、転居していくらしいわ。中には夜逃げ同然で出て行く人もいるっていうけど、大半がそうなんじゃないのかな。

口コミ旅行情報サイトの大手は数少ないこのビル出身の成功組らしい。同じ口コミサイトの件の運営者も提携先が出来て、どうやら上昇気流。家賃が44万円とか、47万円とか、49万円の物件資料を見ていたの。夢が叶うといいね。

人材派遣業の会社はヘッドハンティングの会社に人材の売り込みに。きれいなお姉さんだから採用が決まったみたい。独身女社長は「仕事はゆっくりですが自然に覚えると思うんですよ。自然に」自然の強調でゆっくりの弱点打消し。あやしい話術が勉強になります。

そうそう、このビルには管理人みたいな若い男の子がいて、レンタルビデオの店長さんや、ネットカフェの店長さんみたいな雰囲気かもしだしているんだけど、ディレクターが集めた名刺を見せたら「すごいなー、そんなに人いたんだー」ってリアクション。なんだかとっても気になったわーっ。でね。オフィスには共有の仮眠用のソファがあるんだけど、そこにはいろんなものが染み付いている気がしたの。成功脱出組には「あそこで仮眠してよだれたらしちゃったことが一番のいい思い出」なんていってたけど、きっとね、もっといろんなものがしみついているはずよね。

ああ、もう72時間たっちゃった。といってもオンエアは30分だけどね。・・・そうそう、終電であわてて帰った社長さんがいたけど、私は思うんだ。きっと、その後の時間、何かホラーなことが起きるんじゃないかと。・・・出たな。パンサークロー。ハニーフラッシュ!」

ドキュメントとしては小品。テーマの切り口も何もないけれど、定点時間制限ドキュメントとしてはいつか大当たりを引くかもしれない予感があります。ナレーターも石田ひかり、吹石一恵、鈴木杏とそそるラインナップ。ここまで、花火、バックパッカー、バスターミナル、タクシー、横浜中華街、六本木オフィスときて、次は高速サービスエリア。おいおい、・・・もしツアかよ。

木曜日に見る予定のテレビ『天才志村どうぶつ園・・・・スペシャル』(日本テレビ)

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2006年11月21日 (火)

上野樹里とけえ子と学と上原美佐と水川あさみとサエコと瑛太と小出恵介とオレ様。

今回も岩佐真悠子&高瀬友規奈はタイトルに乗れず。今回は説明役として出番も多かったのになぁ。ミルヒー&エリーゼも退場だけだったし、クロキン、沙悟浄、菊池は登場だけだったし、そろそろ、清良(水川)も乗せなきゃなるまい、彩子(上原)はもう一度、出番があるはずだけど、今回は裏主役のようなものだしな、ケーコとマナブのツッコミはカットだったけれど、ミッチーは乗せないわけにはいかない。乗せるならやはりペアで。Sオケの皆さんを乗せちゃうと本当にお別れみたいな気分になるので、ま、大河内は太鼓の選曲が『プリごろ太』でなかったことを覆い隠す大活躍だったのだが、所詮、器じゃなかったのだ。

さて、本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。『家族』↘11.3%(渡の兄貴の裏切り者~)、『セーラー服と機関銃』↗12.0%(あげたーっ。馬には勝ったが紀香に負けた~)、『たったひとつの恋』↘10.3%(東京タワーの裏で微下げ、東京タワーは15.4%、まあ、名作だったけど夢の33.3%には遠く及ばず)、『鉄板少女アカネ』↘*6.5%(ついに脚本家の人数を下回る~、う、撃たないで~・・・ちなみに『アンナさんのおまめ』は*6.4%)

で、『のだめカンタービレ・Lesson6』(フジテレビ061120PM9~)原作・二ノ宮知子、脚本・衛藤凛、演出・谷村政樹を見た。三人目の演出家である。ポエムがものたりなかったり、CM入り前のカットがやや雑だった以外には無難な演出。のだめと彩子のトイレのシーンはのだめの床寝のポーズが秀逸。のだめの音楽家としての悲惨な過去の導入部になるラフマニノフ。ジブリがうるさくて火垂るパロディーは無理だが充分に泣けました。

「で、オレ様はのだめが音楽の魔力に取り付かれてしまったことも知らずジジィに引きずり回されるままに酒とバラの日々を送る。シュトレーゼマンが今度こそ本当に帰国してしまい、オレ様はまた師匠を失い、海外に進出できない、辺境の音楽家に逆戻りしてしまった。どうせ、手に入らぬものなら、なぜ見せた・・・そんなオレ様の周囲でも時は無常に流れていく。しかし、師匠は着々とオレ様の未来への布石を打っていたのだった。あのキャバクラの日々はすべてオレ様のための・・・いや、それは尊敬しすぎだった・・・キャバクラ嬢にしか見えない音楽雑誌編集者が、唇の薄さではオレ様以上の有名なポエマー音楽評論家(及川光博)を連れて裏軒にやってきた。そして飛べないオレ様に飛べといい、泳げないオレ様に泳げという・・・そんなこと言ったってQさまでマナカナにもできる高飛び込みがオレ様には出来ないんだ。飛べないんだ。泳げないんだ。留学できないんだよっ・・・それじゃあ、君は日本で何をするつもりなんだ・・・そう、オレ様はどうしよう・・・そんなオレ様のところにオカモチを持って仁王立ちの彩子がやってきた。相変わらず高飛車だが、オレ様は心が異常にせまいので、一度受けた仕打ちは忘れないので、冷たくしてやった・・・もちろん、音楽については最高のアドバイスをしてやったのだが、彩子が帰ったと思ったら、蝿を漂わせてオレ様の周辺の空間を歪ませるほどののだめが戦争でドロップもなめられなくなったほどにやつれた姿で出現。寝室のドアにはまるでエルム街の悪夢の人が残したような爪跡も残り、オレ様は生きながら幽界に送られたのかと思うほどだった。オレ様の手料理も拒否するのだめはのだめの分際でラフマニノフを弾きたいだと・・・。くそ、そこまで言うなら連弾だ。夜の学校でオレ様とのだめはピアノへ向かう。・・・また、メチャクチャだ。しかし、のだめの音楽は何かを秘めているのだ。っていうか、どうして、こいつはこれほどの才能にめぐまれながら音楽に正面から向き合わないのかっ。やめるか。いや、やめられない。ならば、せめてオレ様の音を聞け。コンチェルト(協奏曲)は一人ではできないんだとわかってくれ。そうだ。オレ様の音とのだめの音が反応し、融合し、オレ様の喜びがのだめの喜び、のだめの喜びがオレ様の喜び・・・だが、まだ、のだめは最後にはオレ様から目をそらすのだな・・・ああ、一体、オレ様はこいつをどうすればいいのか。どうしたいのか。ってオレ様がさらに苦悩に苦悩を重ねているとのだめはすっかり復活している。ええい、理解不能なのだ。しかも、白鳥の湖の踊り子たちのようになぜ、寿司が回転しているのだ。ワケわからねえ。そっちがそうくるならネタだけ食ってやる。のだめはガリ寿司でも食うがいい。鹿や熊は大和煮なのにカンガルーがただのお肉なのは国産じゃないからなのか、そうだとすると筋が通ってるじゃねえか。・・・そんなオレ様に峰がSオケの存続を持ちかける、気持ちはありがたく光栄だが、それではオレ様の目指す山とは程遠いのだ、無理なんだよ、しかし、清良が求めるなら承諾できる。しかし、なぜ、そうか、師匠か。オレ様のためにそこまで深く考えて・・・なんてありえんがな・・・そうだ。峰もコンマスは無理だがメンバーとしてならなんとか、そして真澄。お前がたたくのがプリごろ太の主題歌でないのが返す返すも残念だが、地上の星をたたくお前の音楽(恋心を除外)はオレ様の心を揺さぶった。オレ様は切り捨てる。しかし、這い上がってくる奴を叩き落すようなことはしない。そして、オレ様には新しいステージが、のだめにはハリセンが。新展開の幕上げとともにつづくっ」

ハイテク控え目の演出だったが、裏軒での魂の震えのリレー。のだめの欲望の開放と自覚のない諦念を漂わせたラフマニノフの弾き終わりなど。ローテクの限りはつくされていたと感じる。

岩佐レイナと高瀬まきちゃんは今回、アップに恵まれる。彩子に「もう、やめて・・・」と言わせる悪意のない言葉の暴力はトレビアン。同時にハリセンの登場を二人が繋いでいく、原作通りといえばそれまでだが、この贅沢なキャスティングが説明的なシーンをなかなかにひきしめていると考える。

愛の物語の演出としては前回までを夢の世界として二人がそれぞれに目覚めるという対比を演出している。のだめはミルヒーと千秋の見せつけた夢の世界をせつなく思いながら覚醒し、千秋は一度体験した至福の時から現実に立ち戻るための覚醒をする。何気ない演出だが象徴としては素晴らしい。

同様にウワサをすれば影をスカシたりするのもおしゃれだ。のだめが消息不明、そこに電話がしかし、相手はまったく無関係なけえ子。これはウソをリアルっぽくするひとつの手でもある。

パンダや犬張子、カエルなど画面を彩る動物たちや、ルパン3世、黒糖焼酎『腹中の思惑』や麦焼酎『謀』など姑息なお笑いも気にならない程度におさえ、腹黒コンビと大河内のスリーショットをさりげなく挿入するところが手堅い。

原作未読の方はハリセン豊原功補が重要な役柄を演じるとは思わなかった人も多いのではないか。いよいよ、雌伏の時を終え、ハリセンがその本領を発揮する時がきたようだ。今のハリセンは「ハリセンと関西弁の高圧的なただの変なキャラクター」だと思われますが・・・。はたしてその実態は? ただ今のハリセン好感度→7%。

関連するキッドのブログ『Lesson5

いよいよ、来週はライジング☆スターオーケストラの旗揚げ。清良と峰のラブラブモード。そしてのだめのお国言葉炸裂。さらにハリセンVSのだめの青春の愛と旅立ち編である。今週、青春の終焉でうるうるさせておいて、また青春。まさに青春のクラブハウスサンドである。千秋~、作ってもらった料理は食べなきゃ~。

視聴率↘17,5%。玉緒さんにちょっととられたか。あとはヨコをタテにした遊びが過ぎたか。でも、この面白さが分かるのは5人に1人はいないと思うんだよな。7人に1人くらいだと思うんだ。

水曜日に見る予定のテレビ『14才の母・愛するために生まれてきた』(日本テレビ)

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2006年11月20日 (月)

情報は矛であり盾である。まとめると矛盾だ。

久しぶりのドラマ以外のレビューである。秋ドラマ開始以来、なんだか毎日ドラマのことばかりなのであるが連日上野志田蒼井長澤綾瀬堀北と並べられては仕方ないと思う。日曜日が駄作・・・撃たないで~・・・息抜きの日の夕刻に「軍事」の深夜に「外交」のドキュメントが放送されるのはまさに神の配剤なのだろう。

最初に言っておくが、日本では軍事と外交が一体のものであるという認識は極めて低いと考えられる。しかし、軍事と外交は切っても切り離せない一体のものであり、裏表であり、両手である。そういう認識を共有してもらいたい。軍事は外交手段であり、外交は軍事手段なのである。

たとえば「外国語を話すこと」は外交的なことだが、同時にそれは軍事的なことであり、「防衛予算を決めること」は極めて軍事的なことだが、同時に外交そのものでもある。

日本にはインテリジェンスを知識と訳すか情報と訳すか、インフォメーションを告知と訳すか情報と訳すかという問題があり、ジャパニーズネイビーは日本海軍の意味だが訳すと「海上自衛隊」になるという問題がある。そういうある意味でのごまかしが通用する時代はもはや過去になったと考える。

ミサイルを必要なときに必要な場所に撃つことも情報であり、ミサイルを撃つことが必要かどうかを判断するのも情報なのである。そういう認識がないと大変なことになるとキッドは考える。

で、『日高義樹のワシントン・リポート~太平洋艦隊はいつまで日本を守る』(テレビ東京061119PM4~)企画・制作・日高義樹、ディレクター・日高正乃を見た。不規則のオンエア、しかもテレ東系である。非常に視聴しにくい番組なのだが、これを見ると見ないとでは世界がまるで変わって見える番組だ。いわば、情報格差の典型と言えるだろう。もちろん、内容が米国の国際戦略の宣伝だとか、しかも共和党的だとか、軍事力の重視が過ぎるとかという偏向はある。しかし、世界一の軍事大国がどのように存在するのか、これからどうしようとしているのかという事実を知らずしては、どのような議論も無意味とも言えるのである。

もちろん、常連の視聴者の中には日高氏が今日は米国高官とのインタビューで何回Now ah~(さてとえーと)を言うのか楽しみだとか、日高氏が今日はどんな原子力潜水艦、あるいは原子力空母あるいは最新鋭のイージス艦あるいは最新鋭の戦闘機・・・に乗り込むのか楽しみだとか、まあ、本筋でない楽しみ方もあるわけだが、キッドは少なくとも、日本とアメリカは同盟し、現在は対テロ戦争(第四次世界大戦)を遂行中であり、次の段階では中国との冷戦(第五次世界大戦)が控えているという世界の現実に覚醒するひとときをたまには持つべきだと考える。

というわけで、まとめてみると、東大卒元NHK職員の日高氏が米国海軍長官ドナルド・ウインター氏とのインタビューを中心に美しい軍事艦艇を交えて次のような情報をお茶の間におとどけしたのです。

第1部、「中国は敵か味方か不明の態度でしかも確実に軍備を増強している。しかも北朝鮮は宣戦布告をしている。これは危険といってもいい状態なので太平洋の平和を守るために米軍は戦力を増強している。ミサイル防衛能力をあげるために最新鋭のイージス艦「シャイロ」を第七艦隊に配備したし、空母「ジョージ・ワシントン」の配備が決定。続いて空母「カール・ビンソン」も配備されることになるだろう」

第2部、「米国海軍の潜水艦はすべて原子力潜水艦に変更されているし、空母もまもなくすべてが原子力艦になる。巡洋艦や上陸支援艦などその他の艦艇の原子力化も検討中である。それらが軍事的に有効なのは明らかである。リスクはあるが、米軍は過去50年間、無事故という実績があり、問題はない」

第3部、「イージス(神話に登場する最強の盾)システムはまだ100%のミサイル撃墜能力はないが、その技術は向上しつつある。艦艇によって展開が可能であり、それはミサイル防衛手段としては現段階では最善の手段といえる。米海軍はその点に自信を持っている」

第4部、「沖縄では市街地と基地の隣接が問題となってきたので海兵隊(上陸戦闘拠点占拠能力のある部隊)の縮小は配慮されるべきである。同時にグァム基地に移転することで即時展開の能力向上も期待している。今後は上陸支援艦艇の増強が不可欠だ。移転完了には8年ほどかかるだろう」

第5部、「アメリカ太平洋艦隊は日米両国が存在が有益で必要だと考える限り、展開を続ける。現時点でその方針が変更される展望はない。公海はもちろんのこと、海峡や港湾などの安全を守るために各国と協力体制を強めていくだろう。それにあたって日本海軍が戦力を向上させるかどうかは、日本の人々が決定するべきだろう」

これはすべて絵空事ではなく、事実である。また論理は極めて正論だ。しかし、もちろん異論はあるはずである。それでもまず事実の認識からスタートするべきだと思う。次回は12月10日「アメリカの太平洋戦略が変わる」である。視聴可能な人は視聴することをお薦めする。

関連するキッドのブログ『格納庫のB-2爆撃機がかわいかった件。』

で、『ドキュメント'06・敗北外交~ある異端官僚の逆襲』(日本テレビ061120AM0050~)ディレクター・伊佐治健(他)、チーフプロデューサー・智片健二を見た。外交は官僚の手によって行われる。彼らは国益のために交渉を行うエキスパートである。しかし、彼らが本当に国益を守るために機能しているのかどうか、国民は監視する義務があるのである。しかし、実際には監視は至難の技だし、「国益」そのものの意味の共有も国民には難しい。

ざっとした感想で言うと90年代半ばから、21世紀に至るまで日本は不況におかれたのだが、その原因の一つに外交の敗北があったとされる。今回のターゲットは東大出身の現役・経済産業省キャリア官僚・前田充浩(44)である。彼は英国のシンクタンク王立国際問題研究所チャタムハウスに出向し、日本の外交政策の敗北の研究に取り組んだ。国内で実に困難な研究である。人は手柄を自慢するが失敗は隠すものである。官僚はそのエキスパートともいえる。

日本の外交的失敗はまったく驚きはしないが記録にさえ止められないという。すぐに破棄されてしまうのである。前田のチャレンジは困難を極めるものなのだ。しかし、人間は失敗から多くを学ぶ。おねしょをして始めておねしょをしなくなるのだ。その点、日本の外交はだだもれ状態といえるのである。

もちろん、外交に秘密はつきもので番組で語られることはオブラートにつつまれた内容であったが前田の研究の成果は要約すると次のようになる。1988年OECD(経済協力開発機構)の席で日本はトルコの第二ボスポラス橋のODA(政府開発援助)において主導的役割を果たすことに成功した。一兆円もの援助をする日本の国益とはその受注を国内企業によって為すことで達成される。これに批判を行うものもあるが、それは国際政治を理解していないものでもある。とにかく憤慨したのが英国の首相サッチャーだった。英国は第一橋を主導しており、当然、狙っていた。サッチャーは「飼い犬に手をかまれた」と言ったという。そしてジャパンバッシングが始まったのだ。日本に不利なように国際ルールは変更され、湾岸戦争に大金を投じても「金だけだして血を流さない」と悪役呼ばわりである。

前田の研究はその発端となった日本の外務官僚の発言に行き着く。ODAの金利をめぐり10%に固執した日本が欧州各国に攻められ「ま、これからは私を一割さんと呼んでください」というオヤジギャグでしのごうとした事実である。論拠のかけらもないこの発言から日本外交の敗北が始まったというのだ。・・・ホントかよ?

ま、ともかく、経済力の弱い国家が経済力の強い国家に「クリーンな協定」を結びましょうというときは手加減してお前が少し損をしろと言っているのは間違いないだろう。前田は「全体の利益を考えない国益は国益として成立しない」という結論に到達する。おいおい、そりゃ、単なる和の心だろうとも思うが、官僚がそういう境地に達し、国際会議成功法の理論化に取り組んだというのは、ま、前進といえば前進なのだろう。

しかし、結局は経済力は強いが軍事力の弱い国家が狼の餌食になることは歴史が証明している。日本が情報力という軍事力であり外交力である力の本質に到達するのはまだ先のことになるだろうとエリート官僚の語る日本語の拙さを聞きながらしみじみと考えた。

なにが最善なのか。それを決定するのも情報である。バブル崩壊から立ち直り、軌道にのりつつある日本経済の前には膨張中国が横たわっている。この巨大な獣が日本人なみに食べ、車に乗るようになると世界は破滅することになると思うのだが、そこにどういう和を注入していくのか。日本人のすべてが正念場にたたされている。沖縄で与党候補が当選したことが、良かったのか、悪かったのか、教育基本法の改正案が可決されたのがよかったのかどうか、野党はボイコットなどという戦術でよかったのかどうか。すべては情報である。日本人の情報軽視はお家芸のようなものだが、優秀な情報収集家と優秀な情報分析家そして優秀な情報選択家。その育成こそが最も重要な課題であると思う。もちろん、優秀な007も必要だとキッドは考える。少なくとも重要法案の審議→野党がボイコット→野党が重要な選挙で敗北という負けパターンぐらい野党は学ぶべきだと思う。

火曜日に見る予定のテレビ『ドキュメント72時間・六本木・一坪オフィスの夢』(NHK総合)

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2006年11月19日 (日)

捕まえたから・・・・・・・もう・・・・放さない。(綾瀬はるか)

やめてーっ。耳は、耳はくすぐったいからーっ。ある意味キスよりディープなラブシーンに全国から聞こえてきそうな阿鼻叫喚。「もう会えないかと思った」(亀梨和也)に「そんなのダメだよ」(綾瀬)・・・「私のこと好き?」「す、す、すいか」的な展開に「やっちゃうぞ」「いいよ」の波状攻撃。も、盛り上がってまいりました~。

とはいうものの運命の縁か、山さんがいけないのか、とっくにオンエア終っているはずの『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン』が襲撃中。前半は神木隆之介がこれが最後と言わんばかりのショタ殺しを展開。パジャマにお着替えのシーンでは多数の腐女子が絶命か。抱っこシーンの田中裕子や、抱きしめシーンの大塚寧々に大量のカミソリが送られること必至か。まさに神童二十歳すぎたら大泉洋なのでありますが、後半、看病に入れ込むスーパー・マザー・コンプレックスには泣かない奴は人間じゃねーっパワーが。東京へはもう何度も行きましたかーってキッドは東京生まれなのに涙がとめどないのは何故ですかーっ。リリー・フランキーにしてやられた。まさに広末涼子はおでんクンなら誰ですかー状態。蟹江敬三はがんもどきかしら。・・・なんのこっちゃっ。

・・・とりみだして失礼しました。ここからは恋愛の神様に学ぼう担当のキッドがお届けします。

で、『たったひとつの恋・第六話・ふたりの秘密』(日本テレビ061118PM9~)脚本・北川悦吏子、演出・樹木まさひろをみた。前回ですべてのネタがそろったように見えたが菜緒(綾瀬)にはまだ秘密が。妊娠・出産に障害のある病状なのだった。それがために弘人の遠まわしのプロポーズ「子供作りに参加しない」・・・ストレートか・・・に即答できないのだった。これは弘人に「セックスはいいけど結婚についてはまだ」という印象を与えかねない展開。「病気だったから外国に行けない」「貧乏だったから外国に行けない」「同じね」「どこがだよ」という漫才の裏には震えるような菜緒の不安が隠されているのだが、視聴者に伝わったのかどうか不安。

一方、菜緒は兄に「付き合いは控えている」、弘人(亀梨)には「兄も父も認めている」とウソをついてしまう。菜緒はなんとか今にもこわれそうな「初恋」を守ろうと必死になっているのである。菜緒の母(田中好子)はなんだかポーカーフェイスだった。

間奏曲のように裕子(戸田恵梨香)と甲(田中聖)のもつれた恋のエピソードが挿入される。合コンのエピソードで花束男を拒絶して裕子が本気であることが判明し、菜緒とも普通にケンカしたため、裏表のないいい子キャラであることが示される。ついに怪しいのは亜裕太(平岡祐太)だけになったな。それにしても甲、菜緒に仲直りを頼んでおきながら、一回目の緊急出動は仕方ないにしても次の電話を切るつれなさは・・・素直になれない気持ちの描写としても・・・デスノートに名前を書かれちゃうぞーっと心配になります。

そして、今回は弘人が突っ走るのである。まず、チンピラ同級生(波岡一喜=役名は山Pファンが怒るので書けません)対策である。君子危うきに近寄らずで関わりにならないのが一番だが、関わってしまったら対処に困る毒蛇な人たち。完璧とは言えないが、殺す以外の方法としては「殺すぞ」と威嚇するのもひとつの手である。その決意表明としてもっとも有効なのが自虐行為。相手にナイフを抜かせて刃を握るのは古典的手法だが、まず、効果はそこそこあるだろう。こちらの狂気を見せることが抑止力となるのである。相手がナイフを抜かない場合は自分で抜いて自分で刺すという手もある。この場合は手のひらで血を受け相手の頬に塗ったりしてやるとそれなりに怖い。刺しどころを間違うと失血死の可能性があるので注意してもらいたい。

もちろん、弘人はケガの原因は親友二人以外には秘密にする。菜緒とのデートはケガのためにお預けなのだった。メロン(700円)を持って見舞いに来た亜裕太は菜緒と弘人の交際の先行きを危惧する。そこへ、菜緒の兄(要潤)が登場。「金が目当てか」「怒らないのは腰抜けか」「こそこそ付き合うな」「別れてもらいたい」と言いたい放題。っていうか、要と亀梨、なんだか遺伝子的に似ているぞ。・・・それはさておき、ここで菜緒の秘密がひとつバレるのだが、弘人はひるまない。それは菜緒が自分のためにウソをついていることを確信するまでに愛が揺ぎなくなっている証拠なのだが、視聴者につたわったのかどうか不安だ。

突然、父の部下(池内博之)登場。親の決めた許婚候補か?

弘人は父親に面会へ。「どうしたら認めてもらえますか」と直撃。父は「娘は子供が産めない体だがそれを知っているか」とまたしても「オレは何でも知っている攻撃」・・・弘人はプロポーズをスルーした菜緒の心情を悟り、激しく動揺するのだった。正直に知らないと云うあたりが虚をつかれたとはいえ菜緒より幼い。さらに父は「菜緒は死ぬかもしれない」と「娘は傷物だがそれでもいいのかね」攻撃である。そりゃあ、なんていうか、娘の父としては反則攻撃なんじゃないのかぁとキッドを不安に追い込みつつ、つづくである。

今回のナレーションは「なぜだかメロンが甘くて美味しかったことを強く覚えているんだ」であり、もはや恥ずかしくなく、ちょっといい感じのモノローグになっている。こ、これが教科書プレー・・・・・・・。

関連するキッドのブログ『第五話のレビュー

深夜にはNHK総合で『18年目の学園祭・大人計画フェスティバル』という大沢たかおがかって所属したというでっちあげに基づいた擬似ドキュメンタリーがあり、おそらく大人計画のファンである制作陣によるファンのための番組で気持ち悪い仕上がりになっているのだがそういう気持ち悪さが大好きな人にはこたえられない内容でした。「盛り下げたか~、大沢たかおさんのおかげでもりさがっただろう。なにしろ、あいつはウチをやめてから身長が10センチは伸びたからな」という松尾スズキの一連のデタラメにずーっとクスクス笑いが止まらないキッドだった。その後『地獄少女』『映画・わたしのグランパ』とテレビはキッドを攻撃し続けるのだった。

月曜日に見る予定のテレビ『のだめカンタービレ』(フジテレビ)

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2006年11月18日 (土)

どっちが裏か表か、分からないじゃありませんか。(長澤まさみ)

てめえたち、何かい、あっしを斬ろうっていうのかい。へへっ。およしなさいよ。・・・ビュッ、ドヒュッ・・・いやな渡世だなあ。(座頭市)ぐらいにシビレましたから~。本当に一挙にラストまで流れこんで欲しい気持ちでいっぱいだぁ。やはり、これは娯楽映画のストーリーなのだよなぁ。

しかし、これ以外にどんな手があったかというと、映画部分を1、2話でやって長澤・堤で後日談を延々でやるとか、学園で組長がばれるばれないでドタバタとか、浅草の人々を絡めた人情喜劇に持ち込むとか、ヘロインをめぐるバトルをもう少し複雑にするとか・・・まあ、本筋からずれることは間違いない。だから、全七話と決めた以上これでよかったか。三回分録画して最終回前にまとめて見るとか・・・結局、DVDで見るのが正解というビジネスなんですねーっ。

視聴率が17.3↘ 14.2 ↘*9.6↗ 16.0 ↘10.8と、やはりヒロインが絡まない回は弱く、アイドルドラマとしては当然だけれども、なんかもったいなかったな。浅草が舞台なので様々な祭りとからめるだけでも視聴率はもう少しとれたと思うがロケが大変だからなぁ。

で、『セーラー服と機関銃・第六話』(TBSテレビ061117PM1030~)原作・赤川次郎、脚本いずみ吉紘、演出・平川雄一郎を見た。最終回を前にほぽすべての謎が解けた形になっている。原作の血は争えないある意味ヤクザな星泉がふえ~んふにゃふにゃモードと、筋を通したいモードのメリハリを利かせたアレンジになっていたりするので、もう一球ぐらい隠し球があるのかもしれない・・・いやできればあって欲しいのだが。

健次(中尾明慶)から、黒木刑事(小市慢太郎)の裏切りを知った泉(長澤)たちは警察に出向くが、黒木がすでに手を回していて相手にされない。この世界には現場検証も、司法解剖もないので仕方ないところだ。なにしろ、救急車もどうやらないようなのだ。もう、そういうヴァーチャルな姿勢で見るしかないな。古い言葉では子供だましというのだが。だが、それで楽しめなくなるのも大人気ないし。

真由美(小泉今日子)からの手紙でヘロインを入手した経路と信用できない父親(三大寺=ふとっちょ=緒形拳)を信用したわびが入る。やくざ映画なら、最後はピンチの時に着物姿で長ドスか拳銃片手にのりこんでもらわないとおさまらない不始末だが、それをやると極妻になってしまうのでやらないのだろうな。このままだとキョンキョン脇に徹する展開。

泉は「手打ち」にするため、三大寺にのりこむが、とぼけられてしまう。「こっちは二人もとられてるんだ」と若頭・佐久間(堤真一)がドスを抜くが「ヘロイン撲滅のためには強い議員が必要でそのための選挙資金が必要なのだ」というボケに「矛盾している」と泉がまじめにツッコミを入れている間に逃げられてしまう。変わりに登場する黒木&浜口組。ムード歌謡コーラスグループのようだがチャカで武装。「ヘロイン取引にたまたま泉の父親が巻き込まれただけで交通事故も偶然だった」と黒木が謎解きを補強。

なす術なく組に戻った泉は「自分が組に巻き込まれたのではなく、自分が組を巻き込んだ。自分が組長にならなければ武も金造も死なずにすんだ」と責任を感じる。佐久間は泉をあえて「お嬢さん」と呼び、組の解散を申し出る。

組事務所屋上で季節はずれの花火に興じる目高組。健次も英樹(福井博章)も「組長」に愛を告白。泉もみんなを愛していると応える。そして乱交プレ・・・いや、宴は終わり、泉が去った後、殴りこみの算段を始める男たち。組長を守るためには敵のトップを獲るしか手がないのは明らかだった。

学園の校門で「やっぱりみんなと別れるのはいやです~」と言う泉を佐久間は突き放し、組に戻るのだが、若者二人は佐久間を最後の駒にするために抜け駆けしてしまう。

三大寺暗殺に向かう二人。当然、待ち伏せされ、返り討ちに。叔父の金造のように英樹をかばって死ぬ健次は「組長を守るつもりだったのに兄貴を守っちゃった」と言い、ダイナマイトを巻きつけた健次はライターガス欠のため蘭丸(森廉)に刺殺される。佐久間がかけつけたが時すでにおそし。

ここで泉は組に戻るのだが、少しは組員の行動を危惧する描写があった方がすっきり感があったかなと考える。とにかく、二人の死を知り、見せ場に入る。

「私は目高組八代目組長、星泉です。組の解散を決めるのは私です。若頭、一度だけ人の道をはずれてもいいですか。敵討ちとかじゃなくて仁義を貫きたいのです」小顔二重顎もひきしまり、豹変した憤怒の女神に、佐久間は胸をつかれ「命をかけてお守りします」の決め科白。うわーっ、かっこいいーっ。日本人はやくざが好きなのさ。フジヤーマ、スシ、ゲイシャ、ヤクーザ、サイコーデスネ。死の道行きに向かう若者二人のタンクトップの後姿もお色気プンプンでしたーっ。男の背中ーっ。を思い出して興奮しつつ、いよいよ最終回。泉が機関銃を握ったーっ。一回くらい試射した方がいいと思うぞーっ。

ま、とにかくあれです。最終回までやって来ましたーってことです。フリが長いわ。これから一週間、「やったれーっ」というテンションを持続しようとして特異な視聴者が街角で刃傷沙汰を起こさないことを祈るばかりです。キッドとしては原作を無視して、浜口組事務所、全員皆殺し、血まみれのまま、警察で黒木射殺、重傷のまま、国会議事堂で三大寺ダイナマイトで爆砕、最後は警官隊に包囲され瀕死同士、泉と佐久間が抱き合って「組長・・・」「佐久間さん・・・」キス、唇を交わしたまま絶命という展開が希望ですが・・・ないない。ボニーとクライドかよ。予告編見ただろう。ふえーん。だってここまで付き合ったんだから少しは楽しませて欲しいよ。

関連するキッドのブログ『第五話のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『ワシントン・レポート・アメリカはいつまで日本を守るのか』(テレビ東京)そして深夜『ドキュメント'06・敗北外交・ある異端官僚の逆襲』(日本テレビ)

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2006年11月17日 (金)

女に手をあげる男なんてサイテーだよ。(藤原紀香)

のだめで千秋様の暴力的行為を見慣れてしまうとまりあ(藤原)が暴力ホストを平手打ちをして相手がぼぎゃーとも言わず、壁までぶっ飛んで壁につきささったりしないとなんだか、リアルじゃないと思ってしまう今日この頃です。

木曜日はドラマファンにとっては選択に困る日なんですよね。

8時台には京都に行くか、お江戸に行くかで迷う。今夜なんか、京都の『おみやさん』にはゲストで前田愛、辻沢杏子、お江戸では邑野みあを中心にその姉(小嶺麗奈)その母(北原佐和子)と元少女スター全員集合というメニューである。『おみやさん』はまきまきの顔立ちが前田愛系なのを確認できる貴重な回だったりする。

お江戸の『慶次郎縁側日記3・ふたり』なんて犯罪者の父を持つ姉と妹が凄まじい葛藤を展開する珠玉の一作であり、いくらでも語れる内容だ。

そして、10時台には恒例の「松子VSコトー」があり、特に松子は今回は女囚もの。罪を背負った女の生き様が激しく交錯して、普通に面白い。

間にはさまれた9時台にだっていつかは一度はレビューしたい『渡る世間は鬼ばかり』がある。それなのに、なぜこれをレビューするのかな。でもこれだって充実の秋ドラマの一翼を担っているわけだし・・・。一回くらいは触れても。・・・そこまで言うのなら。・・・どうなっても知らないぞ。

で、『だめんず・うぉ~か~・第五話・No.1美形ホストにハマった女!?』(テレビ朝日061116PM9~)原作・倉田真由美、脚本・高橋ナツコ、演出・麻生学を見た。今さら言うのもなんだが、ダメな男にはまってしまうダメな女の体験談が原作で、2002年には日本テレビの深夜ワクでドラマ化されたこともある。失敗談というのはネタの古典中の古典。女が語る男についての失敗はさらに古典中の古典である。それは男が語る女についての失敗と同様に古典中の古典なのである。だから、何をしても今さら感がつきまとうわけだが、今回はよりによってイケメンホストの外見に惚れて失敗するという・・・そりゃ、もはやネタ以前の問題だろう・・・話なのだ。

ホストに惚れるのは高見ナツ(山田優)である。ホスト(須賀貴匡)はナルシストで猫に顔をひっかかれただけでキレてしまい暴力をふるう「自分の顔が命」の困った男。しかし、ナツはホストの教科書的な常套手段にまんまとひっかかり、借金してまで金を貢ぐ有様。見るに見かねてまりあが乗り込み、ナツを殴ったホストを殴り返して啖呵をきるのである。

「ホストならサービスに命をかけろ。お客を喜ばしてナンボだろうが!」なのである。以上。

・・・・・・・おいおい。・・・・・・だってそれ以上何を言う。・・・・・青木とか。・・・・青木さやかはダメ女代表。以上。・・・・宮迫とか。・・・・宮迫はいつもの演技でダメ男代表。以上。・・・・・・・・。・・・・どうした。・・・・もういいや。

なんだか、どうでもいい感じが全体から匂い立つドラマなんだよなぁ。なにしろ、男で失敗する女は松子以上にいないしなぁ。おみやさんは犯罪をする女だし。渡る鬼には人生かかった失敗のエピソードだらけだし。それにのほほんOLの恋愛失敗談って・・・。太刀打ち出来ない感じ。

ま、世の中、ダメ男とダメ女のカップルで構成されているわけで、それを鏡で見て自虐にひたる人は少ない・・・・・・と思う。大体、失敗するのはギラギラしているからである。ところが田辺誠一というイケメンIT社長に思いをよせられているのに、ダメ男好きなので宮迫の方が気になる藤原という設定・・・。それって趣味の問題ですよね。そんな趣味をワンクール引きずり続けるって無理じゃねーの。

それより、一人一人に的をしぼってオムニバスにして・・・ココリコミラクルタイプでした。

ま、恋愛について失敗以前の人が見て、たまには恋でもしてみるかという気分になったら存在価値があると思いますけど。それだったらもう少しダメ男にも少しはある美点の探し方みたいなニュアンスを追及するべきかと。・・・う、企画の根底が。

藤原さんを活かすもっと素晴らしい企画が宇宙のどこかにきっとある。たとえば007の女版とか。ミッションインポシブルの女版とか。チャーリーズエンジェルの・・・そのまんまとか。そういう生活感のないエンターティメントの方が合う気がして仕方ない。ま、この間、スターの恋の再放送をやってた余韻かもしれませんが。パワフルでポジティブでヒーロー・・・ヒロインな藤原紀香をキッドは見てみたいのです。見せてください。・・・CAT'S EYEでいいじゃないか。・・・まだいけると思うぞ。

映画『CAT'S EYEキャッツアイ』(1997)からもう10年もたったのだなあ。稲森いずみに内田有紀・・・。思えば豪華なキャスティング。長女・泪はそのままで、瞳と愛を若手アイドルでそろえ、ストーリーを泪中心に組み替えればきっと面白いエンターティメントになると考えます。少なくともキッドにとっては。

・・・って言ってるそばから藤原紀香・陣内智則、結婚へって。これか。これがそそったのか。

土曜日に見る予定のテレビ『たったひとつの恋』(日本テレビ)さあ、来い、東京タワー! 京都殺人案内もこわいけど。 

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2006年11月16日 (木)

「他人と違うことをするものに世間は冷たい」と志田未来は言われた。

「じゃ、どーすんだよ。生むのやめちゃうのかよ」と志田未来は言われた。とどちらにしようか迷うところだが、思ったほど世間がものすごく冷たくないので発言者15才の父の母(室井滋)の連続登場である。

っていうか、もはや、世間の冷たさを一身にあびているのは父の母だけである。息子にまで冷たくされている。おいおい、お前が震源地だろうが、という気分がないではないが、母子家庭としては大変だろうが、息子の精子の管理を怠った母親が責任を問われるのは仕方がない。盲点というか、危機管理が甘いというか、失敗を成功に変える意識の切り替えの甘さは経営者として雪印から何も学ばなかった証拠だな。・・・たとえが一般的でないか?

とにかく、サッカーやバレーボールが敵か?と思っていたら、地震&津波かよ。しかも、警戒区域が北方領土周辺って・・・。ドラマも天変地異には勝てないぜ。CMが勝つのは企業がまだまだ温いってことだけどな。「あのCMを見てたら波に飲み込まれました」という事態を想像する力が不足しているのでは・・・という指摘です。今のところ大事なくて良かったけど。

で『14才の母・愛するために生まれてきた・第六話・私にも母子手帳くれますか』(日本テレビ061115PM10~)脚本・井上由美子、演出・佐久間紀佳を見た。「飢えて死ぬ子供や戦争する子供にとらわれるあまりに近所の幸せな子供を憎む」波多野という異常人格の雑誌編集者(北村一輝)の記事によって「14才の母と15才の父」が有名人になり、マスコミから取材が殺到という展開にはならず、・・・近所や学校や家族の職場などに波紋をなげかけた程度では発行部数が伸びないのではないかといらぬ心配をするキッドだった。

娘はヒソヒソと近所でうわさされるのだが、別にデブだったり、ブスだったりしてもあの程度はヒソヒソされる。頭のおかしな少女妊娠フェチがつきまとうぐらいはあってもいいと思うのだが。また、15才の父は学校でノートにいたずら書き「今度はコンドームを忘れるな」とかをされるのだが、そんなのただナイスアドバイスじゃん。嫉妬に狂ったクラスメートが「おめえばっかりいい思いしやがってーっ」と下腹部をナイフで刺すなどという展開も欲しいところだな。14才の母の弟は学校でシカトされるらしいのだが、パンツ脱がされて「小学生でおじさんと呼ばれます」くらいおしりに書かれてしまうのではないか。

・・・まあ、キッドの妄想はさておき、14才の母内世間、冷たくなさすぎ、それでは14才の母なんてきれいごとで甘ちゃんでおしりペンペン同盟の自分の思っている世間じゃなきゃやだやだとダダをこねる良妻賢母強夫雄父がガッカリするではないか。もっと世間て奴のおそろしいほどの冷たさがなくていいのかしら。

罪悪感の消失した世界におけるモラルハザード進行中の日本としてはすでに、異質への攻撃力も減退しているのではないかとふと思う。

たとえばキッドなどは義務教育中に通知表に最高評価しかもらったことがなく、そのためクラスメートに罪悪感を抱き、なにしろ相対評価だったので、キッドのできのよさは他人のできの悪さをどうしたって形成することを頭がいいから気がつくわけである。好成績を維持するためにはまずこの罪悪感を消滅させなければならない。

おそらく、戦後長期安定競争社会が進行する段階でこの罪悪感の撲滅は早期に進行したのであろうな。この罪悪感から、エリートは使命感を生む。他人に迷惑をかけて指導的立場に立つのだからそれなりに弱者に対して責任を負うという心のシステムである。しかし、罪悪感がないので使命感も生まれず結果として無責任なエリートが続々と生産されているわけである。

結局、合理的な利己主義ではないのだ。利己主義は社会全体の強化による利益のフィードバックを含まなければならず、社会を崩壊させる方向に向かう利己主義は単なる愚者の欲望に過ぎないのである。

多数決絶対の民主主義ではいじめは悪になりえない。仲間はずれが多数者による少数者の排除であればいじめられた者こそが悪だからである。そういう宿命を背負った問題の特異な例を一個人が解決できるはずもなく、自殺という最悪の結論を招くのは当然の結果と言える。民主主義の最大の弱点、全体で戦うということの否定がこのジレンマを招く。これを解決するには全体で他の組織と戦うことが望ましい。その時は「仲間同志で争っている場合じゃない」という正義が共有されるのである。クラスのレベルアッブ。学校のレベルアップ。国家のレベルアップという連鎖で相互扶助が実現する。問題はそうなると全体主義の匂いが漂い始めるのだが。まあ、物事ほどほどがいいのだなあ。

そういう意味で仔犬を拾ったら預けられる便利なおじさんに身を預けようとする子供の論理を14才の母の母は優しく諭す。「一度逃げたら逃げ続けることになるのよ。オウム真理教の指名手配犯のように」ということなのである。職場での中傷が気になる母の父もついに軍門に下り、このままでは家族という社会の中で孤立するから正しい判断。弟は「シカトされてどうしたって・・・シカトするなって言ったって・・・オチてねーじゃねえか」となかなかの根性を発揮する。家族一丸となって冷たい世間と戦う覚悟なのだ。だからもう少し世間が冷たくしてくれないと燃えないだろう。

学校では山口紗弥加(この教師役がハマリ役になったな)が退学を休学にしようと運動。「私学には選ぶ権利があるが選んだからには責任がある」という言葉の遊びで学校を説得する勢い。労働者の解雇の自由を保障する資本主義の根底を覆す論理だが、ま、それはそれで。

こうなると攻撃は15才の父へ。狂人北村がキリちゃんにインネンをつける。「あなたは戦っているのか」と切り返すキリちゃん。狂人にそんなことを言っても無駄だが、案の定、北村は自己反省はせずに「見せてもらおうか、連邦軍の新兵器の実力とやらを」発言である。

そして、すべての世間の冷たさは父の母へ向かう模様。彼女こそ、世間と違うことをやってのし上がった社会の敵なのだからな。しかも「みんなやってることなのよ」と自らを欺いて。・・・後はいつ、彼女が頭を下げるかだが・・・場合によっては我が子を道連れに心中という選択もあるわけだが。

一足早く14才の母の町には雪が舞う。母子手帳をもらいにきた志田に対する役場の職員の反応はやや過剰という意見もあるだろうが、人間、珍しいものには弱いという特性があるのだ。志田未来が母子手帳もらいに来たら写メールするに決まっているではないか。来週、路上に倒れる14才の母。流産流産詐欺かよっ。

視聴率↘16.7%。やはり「いじめ」が不足なのかな。

関連するキッドのブログ『第五話

金曜日に見る予定のテレビ『セーラー服と機関銃』(TBSテレビ)なんとか、後二回ですからーっ。薄ーく引き伸ばした七週間のーっ。

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2006年11月15日 (水)

卵焼きを美味しそうに食べる人は万引きはしても殺人はしませんから。(酒井法子)

う~ん。すごい。のりピーだから許される論理展開。まったく説得力ないのに納得してしまうキッドもキッドなのだが。でも人が人を信じるってこういうことなんだよなぁ。・・・おい、本当かよっ。

鉄板少女アカネでお料理ドラマの暗礁に乗り上げたキッドが一条の光を求めてやってきた新枠「火曜ドラマゴールド」ののりピーシェフドラマ。・・・う、ここでもお料理バトルが~。

その頃『役者魂!』では「浮気するのは恋の道に反するが、告げ口するのは人の道に反するんだよ~」里奈(加藤ローサ)のフリオチテンドン風味。視聴率は↘だったがこの黒歴史部分は見逃さなくってよかったと考える。

で、『火曜ドラマゴールド・出張料理人 最後の晩餐届けます』(日本テレビ061114PM9~)脚本・今井詔二、演出・井坂聡を見た。ドラコンの後のドラゴー、視聴率的にはまた苦戦っぽいスタートだが、看板替えるだけではねえ。でも、脚本が原田知世版『セーラー服と機関銃』の人でのりピー主演ということでなんだかそそられてしまいました。いじめ対策として毎年春休みに新作『セーラー服と機関銃』をやればいいのにと思っているキッドとしてはのりピー版のそれを見る気持ちでいっぱいです。・・・何じゃそりゃ。ま、今回、のりピーが機関銃を撃つことはなく、包丁持っても美味しい料理を作るだけでしたが・・・。

のりピーは人妻・神崎直。旦那は高田延彦(刑事)、子供は鈴木悠生です。川島なお美と組んで出張料理人をしていたのですが、川島なお美の「悪」な部分、営業のため、有閑マダムの成り上がりいじめに加担して料理を冒涜する・・・(例)安物のロシアチョウザメのキャビアを高級なオオチョウザメと交換して成金マダムの舌をバカにする・・・ので袂を分かちます。このあたりがのりピーの正義です。

メインの事件は親しくしていた料理人が殺人の容疑者として逃亡。卵焼きを美味しそうに食べたので殺人犯ではないと断定、警察の捜査を妨害します。このあたりがのりピーの人道主義です。もちろん真犯人は他にいてのりピーが正しいに決まっているのです。

いつも正しいのりピーですが、死んだ両親に冷たく当たった祖父には冷たい態度で接します。孫かわいさでのりピーにつきまとう料理界の大御所は藤村俊二さんです。

サイドストーリーとしてノリピーは究極の料理をさまざまな相手に訪問サービスします。料金は不明です。最初にアンケート調査で10の質問。その中に最後の晩餐は何を食べたいですか。という項目があり、それは心の求める料理だからとのりピーは言うのですが、深淵すぎてちょっと意味不明です。他に食べる人のアルバムなどを参考に作る料理をイメージします。このあたりがのりピーの天才です。

①死んだお父さんを怨んでいる嫁入り前の森口博子にはお父さんが死の直前に作ろうとしていたピーナッツ入りなますを作ってあげます。②ガンの手術を受ける、本当は優しいのに世間から怨まれている火野正平には亡き母の作った赤飯おにぎりを作ってあげます。これで一人前1万円くらいとったらキッドだったら「詐欺だーっ」と叫ぶところですが、こころに訴えかけられた森口も火野も涙を流して美味しくいただきます。

さて、袂を分かった川島がのりピーのアイディアを盗んでやりたい放題なのでテレビ番組の料理対決で決着をつけることに。審査委員長がおじいさんなので川島がクレームをつけるのですが「料理に関して贔屓しない」とおひょい宣言。そんなんで納得できるかーっ。しかも番組の途中で旦那と容疑者が「メロンコロッケが作れない」と困っていると聞き、勝負を放棄。料理番組の制作者の生活を省みないドラマ制作者の姿勢が感動的です。

ちなみにリポーター兼司会に彦摩呂を起用してそれなりにちゃんとした番組内番組でした。・・・奥さん、困るんですよね。(料理バトル番組制作者・前田耕陽)

かけつけたのりピーは「メロンを直接使っちゃダメなの。メロンパンでパン粉を作るのよ」ってそれなら電話で指示できるだろうけれどそれをしないのがのりピーの底力です。だってメロンの桂剥きの皮から真犯人を特定。犯人は桂剥きの下手な料理人だったのです。そんなやつ何人いるんだよーっなどとけして言わせないところがのりピーの神通力なのです。

最後は情にほだされたのりピーがおじいちゃんをすきやきに招待。このドラマを見た多くの家庭が今夜はすきやきに。ああ、そろそろ、お肉買いに行かなくっちゃだわ。いただきマンモスー。

結論、料理人ドラマの理想系はまだまだ捜索の余地があるようです。

容疑者が包丁持ってわが子を人質にとりながら「卵焼きを美味しそうに食べたのだから悪い人じゃない」と信じ続けるのりピー。のりピー以外にはけして演じきれない素晴らしい役柄でした。それはそれとして火曜ドラマゴールドの先行きがとても心配になったのはキッドだけではないと考えます。

サンミュージックのオシャレ小鉢として柳沢なな(87年生)がついていました。可もなく不可もなくです。

木曜日に見る予定のテレビ『だめんず・うぉ~か~』(テレビ朝日)さあ、そろそろ視聴率最下位(アンナさんのおまめを除く)の様子を見てみよう・・・。

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2006年11月14日 (火)

上野樹里とマングースとミルヒーとサエコと瑛太と小出恵介とオレ様。

涙でもう何も見えませーんっ! 今回もピアニカ隊で活躍した岩佐真悠子&高瀬友規奈、Aオケコンミスの水川あさみ、キッドには抜群のミーナ感を漂わせる秋吉久美子、「誰?」「誰?」「誰?」のSオケ代理指揮者・大河内(遠藤雄弥)、あるいは超ゲスト・略奪結婚の松本人志、ポエム評論が楽しみの及川光博、電車男のアキバ系秘書からエリーゼに変身した吉瀬(きちせ)美智子などタイトル参加資格者は多数いるのだが、ここはマングース、そしてこれまで悪評高かったミルヒー(シュトレーゼマン=竹中直人)の回だもんなぁ。

本題に入る前に週末の視聴率チェックをメモしておく。『家族』↗13.7%(あげたーっ、唯一あげてるーっ)、『セーラー服と機関銃』↘10.8%(やはり、主役が活躍しないとなー、金さ~ん)、『たったひとつの恋』↘10.5%(バレーボールが無駄なミラクル勝利で奇襲~)、『鉄板少女アカネ』↘*8.7%(脚本家の人数以下にならないことを祈るばかり・・・う、撃たないで~)

で、『のだめカンタービレ・Lesson5』(フジテレビ061113PM9~)原作・二ノ宮知子、脚本・衛藤凛、演出・川村泰祐を見た。ミルヒーと千秋(玉木宏)の師弟愛の極地で泣くのか。のだめの埋もれかかった才能の哀れさに泣くのか。マングースでピアニカで楽しかっただけじゃどうしてだめなのですかーっという打ちのめされた感に泣くのか。それとも単にラフマニノフに泣かされたのか。あるいは真澄ちゃんの優しさにほだされたのか・・・。録画した奴をもう一度見てもまた泣ける~。キッドが涙もろいだけなのかもーっ。とにかく、またまたまたまたあっという間の一時間でした~。

「で、大学に文化祭の季節が訪れたわけだが、オレ様のいるパラレルワールドではどうも時間が一定に流れない。夏休みはどうなるのだろう。まぁ、のだめ(上野)の水着が特に見たいわけではないが、オレ様が溺れるところはそれなりに笑わせる自信があるのだけどなあ・・・とにかく、学園祭で盛り上がるSオケのメンバーたち。何が、仮装オケだっ。できるかっ。そんなものっとオレ様が言うより早く、師匠がまたしてもよからぬことを考えているのだった。なぜだ。なぜ、こんなジジーが音楽の神に愛でられたものなのだ。そしてみそじ(原作に登場するのだめ作のフォント)の変わりに「先輩しゅきでしゅ~」壁紙(スクリーンセーバー?)なのだっ。わけわからんっ。その上、師匠を上回る擬似外人のエリーゼが登場し、ドイツ語と日本語どちらも上手いんだか下手なんだか分からない発音で、オレ様に師匠の過去を明かしたり、師匠を拉致って強制送還したりするのだが、師匠を失い、失って初めて分かる愛をオレ様がかみしていると戻ってくる師匠。これはツンデレの一種なのか。それともオレ様がツンデレなのか、それとも、いや、まさか、まったく実感できないが、師匠はエロカッコイイに分類してもらおうとしているのかよっ。・・・そしてオレ様はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の演奏をピアニストとして命じられる。ピアニスト。たしかに超絶技巧が求められるこの難曲、弾きこなせるものは多くはないだろう。最も偉大なピアノ協奏曲なのだから、オレ様には相応しいともいえるのだが、なぜ、オレ様が弾くのだ・・・オレ様は指揮を・・・しかし、シュトレーゼマンの音楽の魔力にとらわれたオレ様にはもはや、抵抗する力は残っていなかった。・・・ラフマニノフに向き合うオレ様はすっかり、のだめのことを忘れていたのだが、もしや、餓死しているのではないかと心配しかけると、のだめ登場。首をしめるとはうぅんが気持ち悪いのでタンコブができるほど殴ってやった。これが家庭内暴力を連想させるからいかんという人もいるかもしれないが、暴力のない世界なんて人類が滅亡した世界の同義語であることを早く理解するべきだと思う。まして、これはドラマなんだよっ。・・・Sオケは仮装の用意をしているらしい。峰のニコレット見たかったなぁ。メイド・コスプレ、ベルバラ・コスプレ、アムロ・コスプレ、大河内のオレ様コスプレ・・・そしてハブとマングース。今回、すっごいダイジェストな展開だから、マングースを説明するのだめのセリフがカットなのだが、それも聞きたかったなぁ。想像してみよう。・・・あはは、上野のだめ・・・やはりかわいい。・・・タイトルアニメのマングースもかわいいが、着ぐるみはやっぱりツボだなあ。根っからのおタクなのだなぁ。・・・とにかく、もっとクネクネしろなどと相変わらず無理難題を言う師匠に従い、オレ様が暗示療法を受ける前のラフマニノフなみに苦悩しているとSオケ公演のチケットが。・・・・・・・クラシックの中でもある意味、特異なアメリカのクラシック、ジャズをモチーフにしたガーシュウインのラプソディ・イン・ブルーを和装でビッグバンド形式でピアニカ編入で、観客手拍子でなんじゃー、これはなのだが、メンバーがそれなりに魅力的なので、岩佐はどこだとか、真澄ちゃんはたたいているのかとか、峰はサエコはきな子は大河内はたすきがけは~とくりかえし視聴にたえるオタッキーな名場面にオレ様は見せることの大切さを学んでしまった。そして、オレ様は、のだめに襲いかかる苦悩、のだめのおいたちの秘密、のだめを愛し始めている自分自身にも気付かぬままに、音楽の魔性に身をゆだねていく。ああ、ラフマニノフ、100年以上の時をこえて、ああ、シュトレーゼマン、ただのエロジジイのくせしやがって、苦悩から喜びへ、ああ、もう終ってしまうのですか、オレ様はもう、身も心もあなたに捧げたい気分です。どうか、このまま、時よとまって、いつまでもあなたの腕の中に抱かれていたいから・・・・ってオレ様は真澄ちゃんか・・・でもオレ様の名を呼ぶのは峰・・・」

こんなにたっぷりと音楽シーンをやって視聴率は大丈夫なのかという心配と、もっともっと聞かせて欲しいという欲望。すごいなーっ。のだめカンタービレ。ある意味スポーツ根性ものの性格をやどす、この求道と愛の物語が少なくともドラマとして成立していることがすでに感動的である。

「千秋先輩の妻をやりながら幼稚園の先生をやること」がどれだけ叶わぬ夢なのかということを何人が実感できたのかは不明だが、少なくとも、のだめが不安に襲われたことは伝わったのだろうな。しかし、本当に夢と現実の間に横たわる愛し愛されることの難しさを伝える物語はまだ始まったばかり、そしてどんなに急いでも今年中には終らない気がするのはキッドだけではないだろう。っていうか、そんなに簡単に終らないで。いつまでもいつまでもぼぎゃ~を聞いていたいからあ。

さて、恒例のけえ子(畑野ひろ子)チェックであるが、雑誌編集部にいてもキャバクラ嬢にしか見えないのだった。ついに相方の音楽評論家マナブ(及川)登場だが、ナイスキャスティングだなぁ。ポエム楽しみだなぁ。ビバ、ミッチー。はうぅん。

うわぁ、予告編、真澄ちゃんがもう太鼓たたいてる。『プリごろ太』を選曲していればネ申。卒業、そしてライジング☆スターオーケストラまで行くのね~。峰の真っ赤なルビーとのラブシーンはあるのかなーっ。そして萌・薫(松岡璃奈子・恵望子)姉妹の口惜し涙は~。あーっ来週も見逃せない。今、もし自殺したくなっても来週までは死ねないほどに。・・・時節がらその比喩は・・・ま、いいか。

視聴率↗19.9%。はうぅん。

関連するキッドのブログ『Lesson4

水曜日に見る予定のテレビ『14才の母・愛するために生まれてきた』(日本テレビ)

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2006年11月13日 (月)

堀北真希は鉄板ふぐ雑炊おこげで熱くて下関。

日曜日にキッドが楽をしようとして放置していたまきまき(堀北)なのですが、どうやらいい顔になってきたようです。伝統よりも自分が美味しいと感じることを優先する嵐山蒼龍(竜雷太)がそう言っているので間違いないと思います。

ブタ玉から焼きそば、ポテトフォンデュ、ねぎ焼きと鉄板を熱くしてきたアカネ(堀北)が今回はふく(ふぐ)を素材に料理バトルです。

枕の夢(フーテンの寅さん風味)はウェディングドレスのアカネ。こ、これは永久保存版です。行き遅れないないように注意してもらいたい迷信深いキッドでした。

で、『日曜劇場・鉄板少女アカネ・第五話』(TBSテレビ061112PM0910~)原作・青木健生(他)、脚本・松田知子・酒井雅秋、脚本監修・秦建日子、演出・倉貫健二郎を見た。・・・出たー。いつの間にやら、弟子にまかせて脚本家遁走・・・う、撃たないで~。もう、言わないから~。ま、最初から予定の行動だったのかもしれませんしね。公式サイト的には脚本家七人体制になってるし。どんだけ分業なんじゃーっ。・・・う、撃たないでーっ。

ま、大人数でやると複雑な作業はやりにくいので、昨日の『たっ恋』の幽玄で判別困難な脚本に比べると確実にざっくりしています。

①夢(今回のテーマがらみ)・・・心太(塚本高史)との結婚式を迎えるアカネ。教会はお店で牧師は銀造(陣内孝則)である。しかし、牧師が新郎にプロポーズ。新郎がOKするというコント。えーっと目が覚めたアカネは目の前の心太をパンチ! ごめんなさい!である。

②旅先案内(下関でふく)・・・心太の初恋の人が老舗のふく料理の店の女将になっていてライバル店(バックにエレナ様=片瀬那奈)につぶされそうになっており、テレビ局のイベントでふく料理対決で決着をつける予定。アカネは女将の助っ人に。

③料理研究(三角関係がらみ)ゲストの女将(遠山景織子)が結婚しているということで心太はアカネを恋人と紹介。しかし、主人が駆け落ちしていると知って撤回。アカネとコンビ解消宣言。アカネは料理対決か恋愛かの二者択一を迫られる。

④料理対決(三本勝負)、迷ったアカネは遅刻して登場。1対1の場面で心太が作ってくれた雑炊にうりゃーとおこげをコンビネーション。見事に勝利をおさめる。料理に買って恋に破れたアカネ。下関の海岸で波打つ音に心は騒ぐ。次回はまつたけ勝負です。猫ひろしにゃー。主題歌「SAYONARA」(ORANGE RANGE)が淋しく流れてつづく。

以上です。ま、これ以上でも、これ以下でもなく、まきまきが出ているから見るのであって、そういう意味ではアイドルドラマとしては正しいのだが、これを日曜劇場でやってていいのかというと・・・う、撃たないで~。もう、言いませんから~。

なんか、レビューを書いてて情けなくなるドラマって・・・う、撃たないで~。 でも、ホッとするドラマなんだな。きっと。いや、本当に。料理対決で審査員が札だけっていうのも斬新だし、試食も感想もいらないっちゃあいらないもんな。手抜きじゃなくて無駄を省いた、まあ、レトルト食品のようなドラマです。うん、ようやく賞賛できたぞーっ。正直、まきまきカワイソー。

で、口直しに『ライオン丸G』(テレビ東京061113AM0130~)を見た。うわーっ、何ということだ。ライオン丸(波岡一喜)が第七話を迎えて初めてまじめに戦ってるーっ。しかもタイガージョー(大田恭臣)を相手にーっ。でもやっぱり負けたーっ。上手に言葉にできないくらい面白いーっ。こっちを日曜劇場でやれば・・・撃たないでー。悪気はないんですーっ。それにやっぱりこっちは内容的に深夜じゃないと無理でしたーっ。でも、キワモノとしてはいい勝負かもーっ。

料理をめぐるドラマ、難しいんだよなあ。料理で情報番組は定番なんだけど。そういう意味でアカネはけして悪い出来のドラマではないのだが、少なくとも『喰いタン』と比較してもそれほど変わりはない。でも、何か一味たりないんだなぁ。たとえば今回は恋より料理を選び、恋の思い出を料理にプラスアルファするという趣向なのだが、それで何かが変わったのか、よく分からない。まあ、結果は来週まで引っ張るみたいなのだが、そういうことなら、この一話完結形式、意味ないような気もするんですけど。キッドはもっと美味しい料理とアカネの成長がリンクしているストーリーがあるような気がしてならないのです。

火曜日に見る予定のテレビ『火曜ドラマゴールド・出張料理人 最後の晩餐届けます』(日本テレビ)料理ドラマの正解を求めて・・・。

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2006年11月12日 (日)

・・・・・・あれ、・・・・・・・・・違うから。(亀梨和也)

月岡みつこ(田中好子)と菜緒(綾瀬はるか)の母娘。なんだか、本当に遺伝子に相似関係があるように思えるナイスキャスティングである。で、みつこはおっとりしているのか、機転が効くのか、お調子者なのか、世話好きなのか、正体を見せないまま、弘人(亀梨)と菜緒の仲直りの場所をセッティングしてくれる。キッドの経験から言うとこういう人は敵に回すとこわい。だからといってお追従は通じないし、気に入ってもらえるかどうか、運任せで・・・って何故、お前が菜緒の母親に気に入ってもらわねばならんのだ。

君子危うきに近寄らずという言葉があるが、若者がこれを知らないからドラマが成立する。しつこいようだが、野暮用(ウソ)でデートを断った報いは引きずるのである。恋人(本命)とは破局するし、妻は離婚調停を申し立てるし、娘は中学生なのに妊娠したりするのだ。他のドラマでは一週間立つとなかったことになる場合もあるが、教科書プレーでは許されない。

弘人の元カノ・ユキ(高橋真唯)の今カレ・山下(波岡一喜)は今回どころか、来週までつきまとう勢いである。貧富の差でロミジュリするということは貧VS富の争いに恋人が巻き込まれるということで、貧代表の弘人にとって貧乏人が味方にならないところがまたせつないのである。『セーラー服と機関銃』も視聴している人にとっては従業員(田口浩正)の不審な行動に「武、そんなことしちゃだめ~」と叫ぶようなトラップも待ち受けているようだ。せっかく、楽しい青春の日々が野暮用(ウソ)でデートを断ったばかりに・・・。

で、『たったひとつの恋・第五話』(日本テレビ061111PM9~)脚本・北川悦吏子、演出・岩本仁志を見た。前回、見失った「和也に恥ずかしい言葉を言わせて」シリーズが微妙に復活。「菜緒の想い出は海底のタイタニックの宝石のように光輝いて・・・」ってうーん、沈んだばっかってことだよね。今は泥に埋まってると思うけど・・・。

人は忘れることがあるので水族館のチケットはうれしいよね。でもいつかどこにしまったか、忘れるんだけど。思いがけない時に想い出の人とは別の人に発見されて「誰と行ったの?」とネチネチと責められたりすることもあるけどね。

弘人の父親の死が、6年前、弘人は14才。それから、高校に行って、野球部で県大会の準決勝まで行って、工場を継いで2年。なんだか、空白の4年間があるんだよね。これ、設定ミスじゃないかとドキドキする。弘人の父親がただの経営者じゃなくて技術者だったと考えていたのだけど、そうすると4年間、あの工場はどうやって操業していたのか・・・。借金がチャラになったとして・・・母親(余貴美子)が水商売で働いて、工場はとにかく請負仕事で自転車操業。・・・高校で野球やってるムードかぁ? おそらく、そのあたりにツッコミを入れさせない展開で来るのが教科書プレーなのか。経営再建の神様じゃなくて恋愛ドラマの神様だからな。まあ、借金は弟の病気という別要素もあるからな。

金持ちの女「お金だけがすべてじゃないわ」貧乏な男「お金を持ってる人はみんなそういうね」というのはジェームス・ディーンがらみのもはや古典的なセリフだが、「金持ちケンカせず」ということわざもあり、貧乏な男を前にして、菜緒の母は二人を喫茶店に向かわせた後で「寒そうな格好だったわ。大丈夫かしら」とボケて、息子(要潤)にツッコミを入れられるわけだが。ま、ある意味ゆとりがあるのですね。

階上の親子漫才をよそに誤解を解いてお互いのぬくもりを確認する二人。弘人「神様にでも仏様にでも誓うから」菜緒「末永く・・・よろしく」と恋人たちもそこそこ漫才である。

緊張から緩和に向かう序盤。MMシティタワー、母と兄、弘人と菜緒から男三人組の船上パーティーへ。おでんで一杯である。今日、東京は冷え込んで来たのでいい感じだった。ここでもうひとつ別のカップルの意外な好感触が強調される。亜裕太(平岡祐太)がイケメンなのに何故はみだしたかの理由が語られる。ハエが止まるからで、そういうことってあるかもしれない。キッドはまだ疑いの目を離しませんがね。亜裕太、心の恋人メニューの中に菜緒も裕子も入れているだろう。

そして裕子(戸田恵梨香)の部屋。菜緒の変顔でファンは昇天したのでここが緩和の終点かな。甲(田中聖)と裕子の交際が意外だったことを強調しつつ、菜緒も賛意を示す。相変わらず、裕子の家庭の経済状況が謎だ。部屋が微妙に貧富を混交させており、中流の抽象画のようである。ああ、怪しい。

ここで不安要素挿入。ユキ・山下カップルである。なにしろ、山下は日曜深夜に日本特撮史上最低最悪最下品のヒーロー『ライオン丸G』で主演している男なのだ。いくら、ドラマ内だけの話にしたくてもキッドは最初から爆笑してしまうのである。なにしろ、戦うのが嫌で敵に土下座して許しを乞い続けるライオン丸である。それが、なんだか、こちらでは情婦の部屋で猛烈に悪の匂いを発散させているのだ。こらえきれないではないか。

さらに菜緒は父(財津和夫)に呼び出され、「別れなさい攻撃」に「調査するなんて反撃」で「父自殺を知ってるか?攻撃」に「何もかも承知してます(ウソ)反撃」で「・・・本気なら一度会ってみよう」と父親との前哨戦を判定勝ちに持ち込む。親にウソをつくのはやはり恋をしているからというさりげない教科書プレーですね。

ここで本題に入る。ムスタングのオープンカー登場である。そんなつもりはなくても貧乏人のひがみ根性に火をつけるには充分なアイテムだが、「運転中に話しかけないで」でかわす菜緒。確信犯か? こうなったら毎週違う車で登場してもらいたいぞ。

またもや集団デート展開。亜裕太を元気づけるんだったら誰か誘えよ裕子。誘わないところが裕子の怪しいところ。は、ともかくスピーディーに江ノ島観光。「海だ~」「サメだ~」「イルカだ~」「江ノ島神社だ~」「ソフトクリームだ~」「サイクリングだ~」である。そして「夜の母校で遊ぼう」展開。亀梨ファン、綾瀬ファンの皆さ~ん。警戒警報発令ですよーっ。「授業」「バスケットボール」で意味ありげな亜裕太の菜緒を見つめるアップのあと、別行動の弘人。マウンドに菜緒を呼び寄せてサインの確認である。「もっと早く勝負すればよかったのに」「それじゃバッテリー組めなかったかもよ。お前サッカー部に入ったりして」「違うよ。あなたのボールを受けるって神様が決めてたんだから」「暴投してもか」「だからずっとそばにおいてね」キャーっやっぱりここでキス。ストライクバッターアウト。すごすごと引き上げる亜裕太だった。

さらに甲の下校まちぶせ裕子シカト事件が発生し、裕子は菜緒の他にも女友達複数合コン女王ムードを匂わせ、もう一つ別の貧富カップルの問題を提出。これを裕子抜きでメンバーが慰める展開。裕子と仲直りさせるところまで行きたいがいかない。友情の物語ではなく恋愛ドラマだからですかね。

そして、弘人は菜緒の家に招待される。緩和から緊張になだれ込む終盤。ここで山下軍団登場。ただし、何がしたいのかは分からない。古典的な「よ、姉ちゃん」「やめな、いやがってるじゃねえか」「おぼえてろ」展開なのだが、しっかり下見している割には白昼堂々の犯行に・・・ま、バカだってことなんだろうけどな。拉致するつもりならワゴンで即行だろうとか、「弘人くんが事故で」とかだし、単にカツアゲするのなら、場所が違う・・・いや、これはチンピラ犯罪物語ではなくて恋愛ドラマだったな。

菜緒をかばってボコボコにされる弘人。そこへ仮面ライダー登場。変身しないで敵を一蹴。ライオン丸プラスツー撤退である。弘人を見下ろして「お前のように弱くては妹は守れない。もっと腕を磨いて出直してこい」宣言である。いや、変身ヒーロー物ではなくて恋愛ドラマなのだが。

見慣れぬ光景に呆然自失の菜緒。エレベーターの中で我を取り戻し、兄を置き去り攻撃。やや、カットが甘くて、エレベーターが止められそうにも見えるが、兄に逡巡があったと解釈もできる。とにかく、弘人を探す菜緒、会えないかと思わせて、「私はあきらめない」そして弘人の恥ずかしいのかどうかキッドには判断できなくなった「二人の愛を乗せて船出したのに沈没しちゃって海の底に眠る日本中を泣かせたタイタニックに積まれていた宝石箱からこぼれたキラキラの宝石のように光輝く君の思い出」(一部空耳)を語らせつづくである。

なんとなく、セリフが・・・神様の筆が進みすぎるため・・・こぼれて編集に苦労しているような印象があるのだが、そう思わせるところが教科書プレーなのかもしれない。とにかく、仮面ライダーVSライオン丸Gは氷川誠(要)の圧勝でした。山下はもう少し作戦を練るように。前半終了で二人きりのデートはまだ一回・・・それも、すごいっていえばすごいな・・・。あの後、交差点を渡ったところまで見せないところがポイントか。今のところ、足を引っ張ってるのは貧乏だけで、金持ち側失点ゼロである。それで・・・いいのか?

関連するキッドのブログ『うそつき・・・・・・・・・・・・・・。(綾瀬はるか)』

                                『風よ、光よ、忍法獅子変化!・・・(ライオン丸G)』

月曜日に見る予定のテレビ『のだめカンタービレ』(フジテレビ)

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2006年11月11日 (土)

間違いと知っていても、しちゃうんです。(長澤まさみ)

・・・それが人間なんです。「もう誰も死なせません」という八代目の願いも虚しく、若頭補佐・金造(山本龍二)も死に花を咲かせてしまいます。これで組長以下目高組は総員4人。残り2回なので1回につき2人殺せるぞ。

今回も酒井さん叔父甥拉致にからみ、暴力シーンがカットされているが、内容的にはやむをえないダイジェストと認定。

気になるのは終盤、時間が止まることなのだが、ここは心理的な描写として目をつぶることにする。

で、『セーラー服と機関銃・第五話』(TBSテレビ061110PM10~)原作・赤川次郎、脚本・いずみ吉紘、演出・加藤新を見た。映画版が1981年。25年後の今年、制作現場をめぐる状況は微妙に変わっただろう。もちろん、テレビドラマという制約はまた別物という発想もあるが、映画版も編集されたとはいえ、テレビ放映されているわけで、この「女子高校生が機関銃を撃つ」という行為について現在では奇想天外な絵空事としては捉えにくい状況があるのではないかと危惧する。それは小学生が小学生を殺傷するという現実の事件のためでもあるし、一般人による銃器の犯罪にリアリティーがあるという時代のためでもある。

しかし、フィクションがそんなくだらない現実に負けてはいけないとキッドは思う。人は人を殺すことができると言う事実。現実において人々はそれを忘れてはならない。もちろん、どんな時にも人は人を殺してはいけないというルールを人は学ばねばならないのである。しかし、同時にルールは破られるためにあるという現実を知ることも大切だ。また戦争や死刑など国家が認める例外もあるということも知っておくべきなのだ。

衝動は人間の心理的なメカニズムである。その主体は感情であり、さらにその主成分は怒りと言っていいだろう。人が人を殺すとき、怒りは必要ではないが充分な条件となる。目高組記念写真の金造の扇子に書された一家団欒の時は過ぎた。八代目は組員を殺された怒りが静かに心底からふきあがりつつあるだろう。二人の組員の死はまったく不条理なものだった。ありもしないヘロインをめぐり命を奪われた武(田口浩正)と金造。その理不尽さは殺意の形成には充分である。

星泉(長澤)は仇を討たねばならないのだ。夢で叫んだように唇は動くけれど言葉は風になる・・・って歌が違いますよ・・・重い機関銃を軽々と持ち上げて笑顔をみせるために、愛した男たちを輝きに変えるために、・・・黒木刑事(小市慢太郎)、本田博太郎他組員の皆さん、三大寺議員(緒形拳)を皆殺しにしなければならない。

テレビの前の良い子の皆さんに、人が人を怒らせるとどんなことになるか教える絶好の機会ではないか。それが泣き出すほどこわい残虐シーンであればあるほどいじめの件数が減るとキッドは考える。

友達の靴をかくしたり、トイレで水をかけたり、服を脱がしたりするたびに自分の命が危険にさらされていることを知らない子供が多すぎるのである。

とにかく、残り2回のうちで八代目が盛大に殺傷力のある銃器を悪に向かってぶっぱなすことを切に期待する。スポンサーが難色を示すので控え目にしましたなどということはいじめを助長する反社会的行為であることを制作者は自覚するべきなのである。

そういう意味で、ヘロイン密輸の元締めが現職国会議員であることが判明し、警察と暴力団がグルであり、圧倒的な勢力の前に自分たちがいじめられっ子だと組員一同自覚して総員奮起してもらいたいのである。

金造と殉職した稲葉刑事(井澤健)の死に際し、おいおい、元マル暴の刑事が何の仕掛けもなく、罠に飛び込むのか、とか、死んでも渡さないとか言うけど死んだら獲られるだろうとか、先に構えているんだから、撃たれる前に撃てよ、とか、黒木は浜口組にまかせとけば、正体ばれずで問題なかったろうとか、黒木の拳銃は官給品なのかとか、金造の体はどこを撃っても拳銃を貫通させない秘密の構造なのかとか、健次(中尾明慶)が泣かせるやりとりをするためにあれだけ立ち止まってたら絶対逃げられないだろう、とか、浜口組組員はバカなのか、足がおそいのか、とか、ツッコミは許しませんよ。八代目がおっしゃった通りなんです。人間は間違いだと思ってもやっちゃう時はやっちゃうし、いざという時にするべきことができないんものなんですから。親分が黒と言ったら黒なのです。

ま、納得できない人は音楽・河野伸・編曲「めだかの学校」のBGMでも聞いてください。脱力感ただよい、復讐なんて馬鹿馬鹿しくなるかもしれませんけどーっ。主題歌モチーフのBGMをおしのけるほどのパワーだったなぁ。

損な役回りといえば三大寺真由美こと小泉今日子さん、あんたが持ってたヘロインとっとと出せば誰も死なずにすんだろうという役どころ、おそらく来週は弁明の機会が与えられると思いますが、いやいや、言い訳なんていいですよ。キョンキョンのやることに口出しするような奴はものの道理のわからないひよっ子なんですから。キョンキョンが黒と言ったら黒なんです。なんてったって。イエーイ。

関連するキッドのブログ『第四話のレビュー』⇔『第六話のレビュー

さあ、ポンポコ組の金玉攻撃はどうだったのかなーっ。組ついでに八人組のモーニング娘。の新曲『歩いてる』、久しぶりのオリコンデイリーランキング1位ってマジかよ。それにしても『歩いてる』ってすごいタイトルだなぁ。ああ、世界バレーの関連曲なのか・・・。

日曜日に見る予定のテレビ『鉄板少女アカネ』(TBSテレビ)

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2006年11月10日 (金)

「きゃー、水がない」(内山理名)VS「きゃー、カミナリ!」(蒼井優)

20%を割ることなくここまで来たものとなかなかフタケタに届かないものとのそれなりに過酷なバトルの繰り広げられる木曜日の十時台。サオリンはアカネに続いて松子も救えるのだろうか。

今回、松子はなんだかさわやかな回で、コトーは重苦しい回なのである。松子、さわやかでどうすると思うのだが、人間、いつも楽しいばかりではいられないように、苦しいばかりでもやってられないのである。

もっとも、松子の場合、前回、人を殺して、全国指名手配となり、逃亡中である。覚醒剤中毒の禁断症状でときおり、ガクガクブルブルである。・・・これでさわやかに感じるところが松子。波乱万丈だ。

で、『嫌われ松子の一生・第五話』(TBSテレビ061109PM1015~)原作・山田宗樹、脚本・成瀬活雄、演出・酒井聖博を見た。のだめと同じ九州女の血を騒がせながら、松子は東へ東へ。同棲していた小野寺(吹越満)を殺害した松子は玉川上水にたどり着く。太宰治の故事にならい自殺を試みようとしたのだが、あいにく堰によって急流は止められ、水がなかったのだった。そこへ通りかかったのが理容室経営者の島津(杉本哲太)である。いわば哲太が今回のゲストキャラ。交通事故で妻子に先立たれて三年。知り合った女は逃走中の殺人犯。そうとは知らず、松子に惹かれるものを感じた哲太は松子を家に泊め、優しさに包まれたならきっと~の勢いで寝込みを襲う松子。二人はたちまち燃え上がり同棲生活を始める。

ああ、哲太。本当にいい役者になったよなあ。エキセントリックな役もでき、朴訥な役もできる。ロックンローラー出身者としては異色だ。で、今回は傷心の松子にしばしの憩いの場を与えるミスター・グッド・バーである。松子も癒され同郷のよしみもあって郷土料理のがめ煮を披露したりするのだった。ほのぼの松子である。

どうして最初から二人は出会えなかったのか、神様の意地悪~状態である。しかし、迫る警察の捜査の手。松子は所詮、つかのまの幸せと自首を決意。即座に自首しないのが女心。最後になんかしたいのは14才の母・並木道別れの挨拶に通じるところか。松子は赤木(北村一輝)に連絡をとり、トル・・・特殊浴場の先輩・綾乃(鈴木蘭々)の墓参りをする。かけつけた赤木は「あのとき、どうしてお前を無理矢理連れていかなかったのか」と過去を悔やむのだが、まあ、大抵の人間はそうなんですから。

教会でピアノを弾いている松子を背にして赤木は去る。松子の目に涙である。哲太はつがいの小鳥を買って松子を待っていた。そしてプロポーズ。しかし、そこへ警官乱入。情景としては軽いコントだが、もちろん笑える場面ではありません。「待ってるから~。シャバに出てくるのをここで待ってるから~」哲太の声に送られて松子はパトカーに。次週は「女囚松子」である。視聴率を稼ぐならここだ。

現代編は北千住署刑事(羽賀健二)がなんで刑事なんだぁと思う意外に特に言うこともないのだが、「松子おばさんはただ女として幸せになろうとしただけ」と鈴木えみが語れば語るほど非現実感に襲われ、小池栄子(52歳)の設定に違和感を覚えるのにももう慣れましたーっ。

で、『Dr.コトー診療所2006・第五話』(フジテレビ061109PM10~)原作・山田貴俊、脚本・吉田紀子、演出・平井秀樹も見た。原・父(時任三郎)子(富岡涼)がそれぞれに問題を抱えつつ島に帰ってくる。西山(大塚寧々)と安藤(泉谷しげる)は成り行きで原・父の事故を知り、手を差し伸べるが、『ふぞろいの林檎』以来、助けることはあっても助けられるのは柄じゃないキャラなので拒み、一悶着起こる。トラブルはトラブルで解決する常套手段によって低気圧が呼び寄せられ、今回、アピールポイントの少ない蒼井優は雷鳴に絶叫するのであった。当然の如く、子供中心の船が遭難、海の男が救助に向かう。手当てしたらたいしたことのない傷なのに操縦不能になるのはドラマだからである。一難去った後、父の財政的危機の事情を知った息子は父に遠まわしにやりなおしを持ちかけるが、父は断固として拒否するのであった。なぜなら、ふぞろいの・・・だからである。とにかく、そういう話を淡々と語り最後に中島みゆきでしめれば20%なのだから楽な作業といえば楽な作業ですよ~。しかし、王道というものはそういうものなのだなぁ。

水曜日に都会の少女のある意味、優雅な問題作があり、木曜日に問題なく育った女が大人になって大問題になる話と、島の子供には島の子供の生き方があるだろうという話。精神衛生上は実にバランスがとれるのだが、肉体的には非常にバランスをくずしやすい展開なのだった。・・・じゃあ、バレーボールを見るのをせめてやめればぁ。・・・だってながら仕事ができるしー。いいじゃんかぁ。そうこう言っていると密林の階下で若い女の絶叫、コンビニショッピングに出るととなりのビルのエレベーターホールで若い男が若い女を殴る蹴るである。仕方なく、警官を呼ぶ。この子らの親たちは今自分の子供が殴ったり殴られたりしているとは夢にも思わないのだろうなぁ。キッドは駆けつけた警官たちにあいまいな微笑みを浮かべつつ現場を去るのだった。

視聴率「コトー」22.3↘21.9マイナス0.4%  VS「松子」*8.5↘*8.4マイナス0.1%・・・おお、0.3%差がつまった・・・。

関連するキッドのブログ『第三話』VS『第三話』

土曜日に見る予定のテレビ『たったひとつの恋』(日本テレビ)江口洋介のドラマもたけしさんで教育問題もそそるのだがもうこうなりゃとことん『たっ恋』で。

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2006年11月 9日 (木)

「えっ、まさか生むっていうのじゃないでしょ」と志田未来は言われた。

今のところ、最大の悪役(キッドにとってね)である父親(三浦春馬)の母親(室井滋)が息子の行方を捜してきて言うセリフ。もちろん、合理的に考え、リスクの少ない選択を行うことが常に正しいのであれば、彼女の言うことに賛意を投じる人も多いのではないでしょうか。

現在、地球上の人口は65億5226万5294人。1分で150人増えるので実際にはもっと多くなっている。これに1を加えることはマクロの視点からは、まあ、どうってことないわけですが、当事者にとっては大問題。

すべての人間が大学教育を受けることもできる国家において、義務教育を妊娠のために放棄するなんて、ものすごい反逆行為ですからね。しかし、自然は人間を不平等に作り、そして社会はそれを縮小しようとしたり拡大しようとして成り立つ。発達障害や性的不能でその機会のない人間と比較すれば14才の母はまったく幸福な存在です。もちろん、それを許さないのもそれぞれの親の力量や運しだいでまったく構わないと思うのですが、だからといって14才の母が生む行為そのものを否定するのは明らかに不幸なことではないでしょうか。

で、『14才の母・愛するために生まれてきた・第5話・バイバイ・・・初恋が死んだ日』(日本テレビ061108PM10~)脚本・井上由美子、演出・佐藤東弥を見た。世界を敵に回す決意を固めた娘の差し伸べた手をもはや握り返すしか道のなくなった母(田中美佐子)はどうやら最初の世界からの裏切り者(=娘の味方)になったようだ。感情的に納得できないむきもあるかもしれないが、理詰めではこの母親の行動は充分納得の行く描写だった。

少なくとも家族には秘密にできなくなったため、弟もついに生命の神秘に触れる。男の子がいつセックスというものを知るべきなのかどうか、多くの親が戸惑うことなのだが、父親としては血のつながりを説明する際に早くした方がいい気もする。とにかく、そのシステムを知らない限り、子供は父親との血縁関係を理解することができないのである。

親の中にはセックスに対する心理的抵抗が大きいものがあり、自分たちがセックスしていること、あるいはセックスをしたことを子供に絶対に知られたくないというものもいる。それが健全なのか、病的なことなのかは議論の分かれるところだが、まあ、恥ずかしがりやさんということなのでしょうね。

少なくともそれが「性教育」に対する障害となっていることは明らかである。学校で性について教わってきた子供が恥らう大人をいびる情景は美しい日本の姿であると思う。そうでありながら結果的に望まれぬ妊娠が発生した場合、さらに恥らうのがそういう大人たちであるというところが醍醐味である。

本来、生は死に通じるものである。生まれたものはやがて死ぬのであり、それが人間の恐怖の根源である以上、性はおそろしいものに他ならない。しかし、好奇心は猫を殺すのであり、怖いもの知らずの子供が恐ろしいことをしでかす可能性は消えないのである。

これは「殺人」を教えなければ殺人がおこらないかどうかという問題と類似点を持つ、この世からありとあらゆる殺人という情報を消去しても殺人が起こることはまず間違いないことなのだ。

父親はあくまでも堕胎を願う。しかし、第三者である医師はその願いを冷たく突き放す。父親は娘と家族が堕胎によって追う傷と出産によって追う傷を計算し、どう考えても堕胎の方が安上がりだと考えたのであるが、すべてがコストの問題で片付くわけではないのである。

15才の父親は母の説得をふりきり、割り切ることを拒否する。しかし、だからといって何かをできるわけではなく、14才の母親に語る言葉はない。最後に別れを言いに来たという彼女の言葉にただ涙を流すだけ、そして自分の母親の「叱らないし、悲しむことはない」という言葉に「哀しいんじゃない。無力な自分に腹が立つだけ」と苛立ちをぶつけるのみ、そして去っていく。泣かない約束したばかりなのにもう涙の14才の母親。この場面が綺麗すぎると感じる人も多いだろうが、それはただ志田未来が美しいだけ。女優に美しすぎると文句を言っても始まらないのである。ま、キッドが親なら、ロマンチックぶちこわしだとしてもこの状況で二人きりにさせることはしませんがね。一度走って逃げられたのを忘れたのか田中美佐子は。つないだ手を離さないぐらいでもいいと思うが・・・ずーっとそうしているのは不可能だから、ここは娘を信じるしかなかったという方向で納得することにする。

この物語の中の第三者として重要な役割を持つと思われる担任教師(山口紗弥加)とハイエナ偽善マスメディア代表(北村一輝)はそれぞれ、なんらかの過去を秘めて、少しずつ、この問題の渦中へ。このじわりじわり感も非常に計算されていて邪魔にならない。

休日に全校生徒が1人もいなくなるのかどうか、やや、ひっかかるが、最後のDJを終えた14才の母に予告編まで続く主題歌「しるし」が「最初からこうなることが・・・」流れ始めるとああ、もう終わりかと井上脚本の緻密さに舌を巻く。

途中で雑用をしたりして、時は流れ、世界の人口は65億5227万9567人に増えている。いじめを苦にして死ぬ子供もあれば、親を殺す子供もいる、この瞬間、レイプされ妊娠しエイズになる子供もいれば、この瞬間、子供がいるのに離婚する夫婦がいる。このドラマが現実に即していないと考える人も多いだろうが、そういう人にとって現実とはどういうものなのか、キッドはしばらく妄想して、ちょっとこわくなる。

関連するキッドのプログ『第四話』⇔『第六話

金曜日に見る予定のテレビ『セーラー服と機関銃』(TBSテレビ)さあ、今度はぽんぽこ組の襲撃ですよ。がんばれ、八代目!

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2006年11月 8日 (水)

知らないなら知ってる人に聞けばいいぞな。(星野真里)

ねねの星野真里である。セリフは標準語だが、どうせ、11.5%↘*9.1%ぐらいの視聴率なら、もっと方言色を強めてリアル版でやった方が萌えると思うのだが、まあ、御年寄り向きの勧善懲悪時代劇ワクの固定観念がある以上難しいのでしょうね。

キッドとしては星野真里が毎週見れるというだけでそこはかとなく満足なのですが・・・。

星野真里(81年生)だから、安達祐実、池脇千鶴、内山理名、柴咲コウ、安倍なつみ、片瀬那奈、佐藤江梨子と同期なのだよなぁ。子役時代は安達、少女時代は池脇、内山、成人前後は柴咲、なっち、サトエリ、最近では片瀬と、時代時代でライバルに恵まれすぎてる。知名度やキャリアから言うと大スターなんだけどなぁ。作品にめぐまれない気がする。せっかくヌードになったのに「さよならみどりちゃん」・・・地味。

で、『太閤記~天下を獲った男・秀吉・第2話』(テレビ朝日061107PM7~)脚本・小木曽豊斗、演出・猪崎宣昭を見た。来週、殺される石田三成(功名が辻)の中村橋之助が秀吉である。もう死んだ秀吉だった柄本明がナレーター、信長様は村上弘明である。どちらかといえば三成、光秀タイプの似合う村上さんだが、古風な信長をそつなく演じている。

三代目橋之助が猿を演じるというだけでキッドには無理を感じるのだが、つまりイメージじゃないので、しかし、太閤記という素材だからそれなりに楽しい秀吉にはなっている。陰気で古めかしい・・・なにしろ苦悩ばっかりしている秀吉もたまにはいいかな。

で、ねねは機転が効くお転婆娘ではなく、大人しく、茫洋としたアドバイザーになっている。うわーっこんなの秀吉とねねじゃねーっという気持ちをなだめながら、いやいや、案外、これはありかもしれんぞーっと無理矢理思ってみるのだった。

パターンとしては信長様が無理難題を出題→秀吉がねねに相談、ねねがそこそこのヒントを出す→秀吉が苦心してどうにかこうにか正解というパターンである。

前回は桶狭間の戦(対今川義元)、義元の好物で足止め作戦が正解だった。これはもう爆笑するしかない。義元→肥満→食道楽→刺身→刺殺なのである。なんだ、こりゃ。

そして、今回は墨俣城築城である。歴史観も相当イージーな把握であり、道三・信長同盟の意味も、道三が何故息子に殺されたのかの解釈もすっとばし、美濃は美濃、尾張は尾張という発想である。だから、母系が違うために父・道三の仇である兄を憎んでいるはずの帰蝶姫(吉本多香美)が美濃を攻めるなんて・・・と悲しんだりしている。なんじゃ、そりゃ。

ついでにお市の方(相田翔子)が兄様への近親相姦的部分をまったくださず、秀吉にちょっと気のある風情なのである。ふはははは。もう笑うしかないではないか。

さて、墨俣築城。お歴々が失敗した後に秀吉の出番。秀吉「城の作り方など知らないし・・・」ねね「じゃ、大工さんに聞けばぁ」なのであった。ところが、大工は敵前で築城など無理だと言われる。そこで秀吉が見たのは子供が遊ぶ筏のおもちゃ。「おう、これじゃ」と手を打って、蜂須賀小六(的場浩司)の元へ。野武士を率いて墨俣上流の山へ。材木伐採部品加工、現場組み立て方式で一夜城が完成する。

しかし、対岸には美濃勢の砦があり、完成したら乗っ取るという流れ。それって墨俣一夜城の意味を根底から覆す話ではないのか・・・。そしてここを乗り切るのが川に油を流し火をつける忍法火炎の術である。それはどんな油なの? あわれ、美濃の兵は火炎に包まれるのであった。ぎゃぼー。のだめものけぞる予想外の展開である。

話は疑問を投げる暇を与えず、稲葉山城攻略戦、そして竹中半兵衛(天宮良)獲得作戦へと展開する。歴史的にも諸葛孔明獲得三顧の礼のパクリであるこの場面。最後はねねが絹の着物を仕立てて半兵衛の心をつかむのだが、キッドは、これはねねが女の武器を使った展開にしか見えませんでしたーっ。妄想はうぅん。

「戦のない世にするための戦」この矛盾した理は現代にも通じるもの。しかし、それは血なまぐさく善悪を超越した理である。ちょっとこのワクには荷が重いと考えます。しかし、まあ、何とか新しい太閤記を生み出そうという熱意は買えますね。大失敗してますけどーっ。

とにかく、隠し道発覚で稲葉山城は落城。岐阜城と改められ信長様の天下布武がスタートしました。秀吉も武の蜂須賀、知の竹中と良い部下を獲得して、次回は将軍獲得、お市輿入れ、星野真里ジェラシー、愛の裏側の巻なのでございます。NHKが一年がかりでやるところを1クールでやろうという発想がまず間違っていますけどねーっ。ああ、もったいない。今、猿をやるなら岡田准一か、二宮和也か、櫻井翔がいいと思いますけどね。ま、みんなジャニーズだけど。そーゆー方が民放歴史時代劇は楽しくなると考えます。

木曜日に見る予定のテレビ『嫌われ松子の一生』(TBSテレビ)VS『Dr.コトー診療所2006』(フジテレビ)

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2006年11月 7日 (火)

上野樹里とプリごろ太とサエコと瑛太と小出恵介とオレ様。

「ね、燃えてるよ、燃えてるーっ」(岩佐真悠子)や「コンサートマスターはマエストロを助けてあげないとね」(水川あさみ)もタイトル参加資格はあるのだが、ここはやはりプリごろ太・・・。

信じられないことだが、世の中には「ドラマは好きだが音楽の嫌いな人」がいる、さらに信じられないことには世の中には「ドラマは好きだがアニメの嫌いな人」がいる。そういう人たちが去って視聴率0.1%減。ああ、楽しみの少ない可愛そうな人々よ。さらば。残りのおよそ2000万人の皆さん。お楽しみはこれからですね~。

よい子のみんな、人のものを盗んじゃダメだよ~。

で、『のだめカンタービレ・Lesson4』(フジテレビ061106PM9~)原作・二ノ宮知子、脚本・衛藤凛、演出・武内英樹、アニメ演出・青地正行を見た。原作未読の人たちにもやっと解禁。ミルヒーは千秋を手中の玉として愛でているのです。ポスターがその証。そしてそれでも嫉妬する時は嫉妬する。それは手塚治虫が『ガンダム』の作者に嫉妬するようなものなのです。・・・そのたとえ分かりにくすぎ。『こたつ』『プリごろ太』『キス泥棒』『Sオケ初演』とネタの圧縮された今回。またもや、あっという間の一時間でしたーっ。

「で、オレ様(玉木宏)はおちこぼれとはいえ、初めてオケを率いて演奏会に望むことになり、パーフェクトを目指して集中しようとしたのだが、その前にコタツなどというものを初体験することになろうとは天はオレ様に何をさせようというのか。のだめ(上野樹里)が湯をわかし、だしの昆布を投入した以外はすべてオレ様が仕上げた鍋料理・・・美味だ。ぬくぬくと足元から伝わる温泉気分。まったりした音符布団の柔らかさ。ローテクで光きらめくその物体の名はコタツ・・・。ああ~なんだ。オレ様は指揮者として楽曲の解釈を追及せねばならんというのに・・・とろりとろとろ、気持ちいい・・・・・・おっと、寝てた、寝ている間に何か恐ろしい獣がオレ様を狙っていたようなきがするのだが、くそ、こんなところでのんびりしている場合ではないのだ・・・って、渇いた喉に冷えたビール、寝起きに一杯って・・・気がきくじゃねえかーっ・・・っと気がつけばコタツに憑依されたオレ様、のだめのパジャマ姿に色気のひとかけらも感じずコタツ地獄からの脱出をはかるのだが、頭にミニーちゃんのリボンをのせたもじゃもじゃ(真澄=小出恵介)や裏軒の息子(峰=瑛太)までが現れ、オレ様の行く手を阻むのだった。・・・・なんなんだーっ。出前だと。美味い。裏軒の出前は美味だ。ビールに麻婆豆腐。なかなかイケル。蜜柑。いつのまに。ティシュを孫の手でひきよせるなっ。そんなものぐさはオレ様が許さん。プーっだと。なんだ。このおぞましくも心安らぎ匂いと空間。そんなお下劣な状態も許せるような気分になるのは・・・コタツか。コタツなのか。これが今、オレ様の心を支配しようとしているのか。されてたまるか。支配するのはオレ様なのだからっ。・・・ようやくコタツを逃れ、オケの練習に戻ったオレ様なのだが、なんだ、この演奏は、どいつもこいつもヘタで、楽譜をなめているのか、いくら名も無い交響曲とはいえ、腐ってもベートーベン様、かのリヒャルト・ワーグナー様が『聖なるダンス』と呼んだこの名曲をどうして心から忠実に表現しようとはしないのだ。ええい、フルートもダメ、クラリネットもダメ、コンバスも、コンマスもダメダメだーっ。お前ら、もっと練習して来い。・・・しかし、オレ様の指揮がまだまだ指導力不足なのかもしれないと反省したオレ様はどうしたらもっとオケが鳴るようになるのか、さらに深く問題点を追求していたのだが、そこへ首をドアにはさまれても平気な、ヒーッのだめが絶対に失敗しないというおにぎりと演奏のヒントになるかもしれないというアニメを持ってやって来た。・・・なにが友情だ。何がなめないと死ぬ宇宙アメだ。何がケロロ軍曹冬樹役でおなじみ川上とも子のプリリンだ。何がハチミツとクローバーはぐみ役でおなじみ工藤晴香のごろ太だ、何がとっとこハム太郎浪花サダ吉役でおなじみ芝原チヤコのカズオなのだっていうか、オレ様のどこが、乱暴者で独裁者でいじめっ子で嫌われ者でお山の大将のカズオなのだーっ。・・・絵コンテ・カサヰケンイチブラボー・・・とにかく、おにぎり(宇宙アメ入り)の具を喉につまらせたのも気がつかないほどに指揮することに集中したオレ様は楽譜通りに演奏しようとする余り指揮をみるのを忘れたオケの音に酔い、っていうか気管をふさいだ宇宙アメで酸欠状態になり、・・・オレ様の喉まわりの神経はバカなのか・・・失神。差し出された峰の手に何かを感じてしまう。その何かとは・・・のだめの弾くデタラメベトベン交響曲第七番もどきの「イナズマドキュン落雷ゴロゴロ泥棒泥棒ドロボー」ってお前が弁当泥棒だろうが・・・そうか、自分を表現する・・・あいつらもみんなのだめなのかーっ・・・今週は言えたーっ・・・そして、最善をつくすために音楽の山を少しおりて、みんなの心をつかむオレ様、そうだオケはみんなで登らなければ登ったことにはならない山だからな。恥を忍んでSオケTシャツバックプリントつきだって着てやるぜ、踊りたいなら踊るがいい、そうだ、この名もない交響曲は「青春」「友情」「踊りだす我が心」・・・とにかく、楽しーっなのだった。シュトレーゼン先生がブラボーと叫び、スタオベの大喝采。そりゃ、そうだろう、なにしろ、このオレ様のデビューなのだから、キスのひとつくらいのだめに恵んでやるのはご祝儀というものなのだっ」

三度目の正直で寝込みの千秋の唇を強奪したのだめ。ぼぎゃ~。のだめの盗むのはまきちゃん(高瀬友規奈)の弁当ではなかったのだ。まきちゃんはいよいよコンマス峰を発見。Aオケコンミス(水川)との恋の三角関係青春バトルに発展するのか・・・しないしない。

真澄ちゃんの頭にサキイカのS。♫するめを食べましょうカルシウムとりましょう♫(のだめ交響曲第一番)・・っていつ覚えた。いつ合唱練習した。ああ、それが青春。

峰パパ(伊武雅刀)の打倒Aオケラーメン、祝Sオケ存続記念定食、現物が見たかった。

オチ専(西村雅彦)とハリセン(豊原功補)のひそやかな交際と権力闘争。裏軒着席の位置にそこはかとなくはりつめた緊張感。・・・ないない。

しゅき(好き)ではなく・・・しゅき(隙)アリっ!ぎゃぼーっ。むきゃーっ。・・・バーカ。これはお礼だからな。ってこんなキスシーン見たことねーっ。ブラボー。もう、オレ様(千秋)のシャワーシーンもしゅ、しゅてきでしたけど~。・・・お前、男だろ。

というわけで今週もキャバクラのけえ子(畑野ひろ子)は雑誌編集者に見えなかった。っていうかお店のお姉さんたちよりサービスしてるんですけどぉ。

来週は早くも「マングース」かあ。もう前半終わりなんだなぁ。予告編で見る限り、マングースの出来はキャワイイ~。定期公演を第七番で押したアレンジは踊る部分も含めて素晴らしかったなぁ。

今回も替え歌を含めて名曲ぞろいでしたね。冒涜的かつトレビアンでした。興味のある方はこちら様のサイトをチェックしてはいかがでしょうか。さらに補完する楽しみもありますよ。

のだめカンタービレ使用楽曲

関連するキッドのブログ『Lesson3』⇔『Lesson5

水曜日に見る予定のテレビ『14才の母・愛するために生まれてきた』(日本テレビ)

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2006年11月 6日 (月)

旦那様、旦那様、旦那様、・・・だんなさま~」(仲間由紀恵)

「三成、三成、三成、三成、みつなりーっ」(永作博美)を抑えてタイトルに。やはり、主役の強みです。しかし、やはり『関ヶ原』ですから、仲間さんは心配の「だんなさま」と安心の「だんなさま」でお仕事終了。「本能寺」だろうが「山崎」だろうが、とにかく戦闘を一瞬で終らせてきた大石版不戦国大河ドラマ。もう、これでほぼ終りの「天下分け目の関ヶ原」の合戦、・・・まあ、大阪の陣もありますけど、お願いだ~。戦国見せて~の願いもむなしく、ま、またスカシだった~。し、島左近はどこ~。宇喜田軍必死の奮戦は~。薩摩勢決死の前進退却戦は~。ふえ~ん。それでも視聴率は20%越えたか~。

本題に入る前に好例の~、月曜日の視聴率チェック。連休入ったからいろいろたまってる~。

「たっ恋」↗13.6%。(初回越え、まだまだこんなもんじゃないだろう)、「セーラー服」↗16.0%。(武~、お前の死は無駄じゃなかったよ~、プラス6.4ってどんだけデスノート・・・来週はタヌキか~)、「家族」↗13,1%。(渡パーンチ、やっぱり焼きソバ~)、「コトー」↗22.3%。(やっぱりお祭りでしょうか。蒼井優すっかりとけこみ~)、「松子」→8.5%。(これが松子ファンの証)、そして「アカネ」↗10.3%。(まきまき~、フタケタ復活~、棺17.8の裏でよくがんばった~、サオリンのおかげかもしれないけど~)、みんな、あげた~。松子もきっと気持ちあげてる~。

で、『功名が辻・第44回・関ヶ原』(NHK総合061105PM8~)原作・司馬遼太郎、脚本・大石静、演出・尾崎充信を見た。オレ様(山内康豊=玉木宏)はお留守番だった。とにかく、負け組に優しい大石版。明智光秀(坂東三津五郎)と同様に石田三成(中村橋之助)も歌舞伎俳優でそろえてすっかりメロドラマ展開に。・・・まあ、いいですけどねぇ。

勝者=悪、敗者=善という歴史認識はものすごくとんでもない方向に向かうと考えます。

ともかく、キッドとしては三回くらいに分けて欲しい、「関ヶ原の合戦」を、まあ、勝敗の流れがそれとなく分かる程度に点描しました。すべては六平太(香川照之)の舌先三寸、歴史の闇に潜む忍者大活躍の巻なのです。・・・ま、いいんですけどぉ。

「24」方式で6時間の戦闘をリアルタイムでお届けする全8回なんて展開でもキッドは全然構わないのですが・・・。ま、やらないよな。とにかく、一豊(上川隆也)は勝ち組に属し、山内家は土佐のお殿様になり、支配者として代々、地侍を苛め抜き、やがて、反抗心強い下級武士・坂本竜馬とその他の皆さんを生み出すのだから、歴史の流れは止まらないのだなぁ。

今回、東西に分かれた家康軍VS三成軍。数で上回る西軍(10万4千)に対し東軍(8万2千)は鶴翼の陣左翼の石田本陣になだれこむ。結果的には石田シンパの武将、三万前後を残りの15万が袋叩きにする。それが関ヶ原の合戦の実情だったとキッドは思う。もちろん、勝負は時の運。少数が敵に勝つことも可能だが、野戦においては武田信玄に負けて以来、負け知らずの徳川家康と、ほとんど実績のない石田三成の戦い。戦わずして勝つという戦略面でも、それは大人と子供の戦いであっただろう。

戦闘の最中、指揮官自ら、友軍に参戦要請に出向くようでは戦争には勝てないのである。国内戦を勝ち抜き、朝鮮半島侵攻でも生き残った実戦武将たちは、敵も味方も石田三成を「このど素人がぁ」と嘲っていたはずである。

結果、「義よりも利を重んじた豊臣政権下の武将たち」はほとんどが三成を裏切るのである。三成に忠をつくした変人たちは全滅し、三成はただ1人落ち延びる。実に「お笑い」濃度の濃い戦であると言えよう。しかし、脚本家はそういう敗者にとことん優しいので、来週はたっぷり敗者の弁を聞かせる模様。それも一つの手ではあるな。三成死すとも反戦平和運動は死なず・・・なのか。でも、戦争を始めたのは三成なんですけどぉ。

一豊「生きるにせよ、死すにせよ、勝つにせよ、負けるにせよ・・・戦ってこそ・・・か」六平太「千代のために戦え、戦って生き延びよ。・・・死んだら死んだでいいけどな」(一部空耳)

いよいよ残り5回。戦国時代も今年も残りわずかになってまいりました。

で、『日曜洋画劇場特別企画・スペシャルドラマ・信長の棺』(テレビ朝日061105PM9~)原作・加藤廣、脚本・長坂秀佳、演出・三村晴彦も見た。まだアカネをチェックしていないのだがエレナ(片瀬那奈)様、ダブルブッキングですか~。こちらの石田三成は篠井英介でさっきまで井伊直政だったのに~。ついでに徳川家康(西郷輝彦)、秀吉(中村梅雀)、明智光秀(小日向文世)・・・プププ、なんか笑えるキャスティング。そして信長様は松岡昌宏である。松岡くんといえば森蘭丸なのだが、正月の『武田信玄』に続いてついに信長役である。もう、そういう年齢になってきたんですよねえ。

しかし、主役は松たか子パパ松本幸四郎演ずる太田牛一(信長の伝記である「信長公記」の著者)なのだった。彼が架空の漂流民「山の民」の娘・楓(片瀬)とともに本能寺で消えた信長の死体の在り処を探索するというミステリーなのである。他に太田の命を狙う娘で貫地谷しほりも登場する。

とにかく、信長大好きな太田くんなのでその簒奪者である秀吉は徹底的に悪く描かれている。今年、秀吉は受難の年なのだなあ。ま、下っ端から頂点まで登りつめた男が悪くないはずはないとキッドも思いますけど。でも、極端すぎて、ちょっと可哀相になりました。

さてネタバレですが、話は本能寺の変の真相と信長様の最後の実態という二つの謎に迫っていきます。まあ、結論は空想的であり、話としてもそれほど突飛ではありません。

本能寺の変の真相。つまり、誰が信長様を殺したか?には諸説あります。①光秀が疲れて謀反 ②光秀が怨みで謀反 ③光秀がチャンスで謀反 ④秀吉がそそのかした ⑤家康がそそのかした ⑥足利将軍がそそのかした ⑦朝廷がそそのかした ⑧キリスト教勢力がそそのかした ⑨仏教勢力がそそのかした ・・・まあ、みんな、信長様が邪魔だったわけです。16世紀最高の天才しかも英雄だから当然です。奇説の極めつけは「本能寺の変」は無かった・・・というのもあります。これは強力な弾薬を集積していた本能寺の火薬庫が自然発火で爆発し、信長様ごと本能寺を木っ端微塵にしたという説です。あわてた光秀が右往左往しているうちに謀反人にされてしまったという話。ここまでくるともはやSFです。今回は③+④+⑤+⑦って感じの設定です。

さて信長様の遺体ですが、実は本能寺と南蛮寺の間に抜け穴があったというのが今回の結論。まあ、抜け穴は定番だからいいでしょう。信長様に抜け穴は不似合いですが、とにかく、信長様は抜け穴に。しかし、秀吉が出口を埋めておいて、信長様は仕方なくそこで自害したというわけです。後に死体は運び去られ野辺に埋葬。そこはお花畑になっています。ふふふ、ま、いいでしょう。

美濃の地侍である川波衆を丹波の山の民に設定するなどとんでも説満載の物語ですが、松岡くんの信長様が素敵だったので不問に付すことにします。

歴史は勝者が作るもの。という認識を深める上では、秀吉が「信長様をおとしめ、自分を高める記述を強要した」かもしれないことを示してよかったと思います。当然、家康は秀吉をおとしめ、明治は徳川をおとしめ、そして戦後は戦前をおとしめる。しかし、歴史の真実は見える人には見えてきます。もちろん、それはその人が見たいと思う真実にすぎないのですけれど。真実はフィクションに過ぎないのですから。

関連するキッドのブログ『仲間由紀恵で上戸彩で岡本綾の夜。』

火曜日に見る予定のテレビ『火曜時代劇・太閤記・天下を獲った男・秀吉』(テレビ朝日)

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2006年11月 5日 (日)

彼女が私じゃないんでびっくりしたよ。(綾瀬はるか)

みなとみらいの交差点で抱き合ってキスしたから恋人だと思ったら大違いなのだが、なにしろ、あれがファーストキスなのだから、そう思ってもおかしくないし、実際、相手だって恋人だと思っているのだが、ストレートなウソでいよいよ、恋人同志を周囲が引き離す幕が上がったのです。

なにしろ、弘人(亀梨和也)がうじうじもたもたうじうじしている間に三話が重なり、ようやく、二人がその気になったのだが、この期に及んで弘人はまたもたもたなのかよっ。これ、周囲が邪魔しなくても成立しないんじゃないかと思えるほどの弘人、しっかりしなさい状態ではないですか。

しかし、辛抱しきれん状態でついに障害者(体の不自由な人たちではありません)が立ち上がった。先頭を切ったのは天使の弟(斉藤隆成)である。あいやーっ。君が邪魔するのかーっ。まあ、普通の恋愛でも恋人とのデートをキャンセルして昔の女に逢いに行くようでは、それがどんなに善意にあふれる行為だろうと、恋愛の神様は天罰を下すのである。地上の恋愛の神様もまた、それに習うわけですね。

で、『たったひとつの恋・第四話・僕の怒り、君の涙』脚本・北川悦吏子、演出・南雲聖一を見た。すべての鍵を握る男・亜裕太(平岡祐太)の視点から見てみよう。「オレの涙ぐましい献身によって、・・・一体何度、仲をとりもってやったことか、ようやく、弘人と菜緒は恋人っぽくなってきて、わたしたちこれからいいところになるはずだったのだが、そんなにうまくいってはたったひとつの恋にはならないので、なにしろ、菜緒にとっては初恋なのだから、たったと言うからには最後の恋にしなければならない。恋愛の神様のコマにすぎないオレにはなす術もなく、『妖怪大戦争』で川姫の太もものヌメヌメで河童娘ファンを悩殺した高橋真唯が元カノ、ヤンキー、美容師くずれ、貢ぎ女、ノーノーローン、ギャルでもちょっと可愛いという最悪の敵キャラ・ユキとして召喚されてたのだった」

綾瀬はるかVS高橋真唯。なんか、はさまれたらとてもこわい組合せです。

「今回、神様は本来の恋人たちを引き離すために四つのデートを用意した。オレは、まあ、どのデートも脇役として静かにみまもっていただけですけどね。一つ目のデート、恋人たちを引き合わせるために努力した甲(田中聖)とどうやらいい女の子らしい裕子のご褒美ドライブである。オレが何から何までお膳立てを整え、裕子の出方までを綿密に計算し、策を授けたので、上手くいくはずなのだが、予想以上にいい感じになったようだ」

田中聖V戸田恵梨香、焼きソバは食べたのか? それだけが気がかり。

「二つ目のデート。弘人と由緒正しく映画を見る予定が野暮用(ウソ)で弟と菜緒(綾瀬)の草野球見学デートに発展。まあ、教育的指導としてはその後、あれよあれよと破局的展開になるのは恋愛の神様の常套なので実生活においては野暮用(ウソ)でデートをキャンセルしたりしちゃだめだよ」

生まれて初めて立った打席でヒット。弟よ・・・。

「三つ目のデート。ウソをついてまでゴミ屋敷に住む元カノの家に行く弘人。そんなんじゃないとか言うのだが、下心ないとか、未練ないとか、とりあえず一回しておかないとか、オレだったらありえないですけどね」

っていうか、元カノに渡す金があるのなら田口さん他数名の従業員にボーナス出してやれよ~。地上の恋愛の神様、その点は抜かりすぎ~。

「そして、四つ目のデートは天使の発作、どうぶつ奇想天外(ウソ)・弘人の逆上、金持ちの道楽→ボランティア訂正(好きな人の言葉を忘れない綾瀬)、母(余貴美子)のある意味、余計なお世話、ある意味、先回りしすぎの老婆心、ある意味、意地悪のための意地悪なぶちこわし宣言で暗礁に乗り上げ切羽つまった弘人を救済するために裕子に菜緒の過去を教えてもらう海辺のひととき・もらい泣きデートをセッティング。ドリンクの出し入れまで気をつかうオレ。そう、オレは『たっ恋』のフロアマネージャー。神様、オレはこれでいいのでしょうか?」

ま、祐太、それが脇役っていうものだから。つらいだろうが、徹してくれ、なのだな。

ま、映画『卒業』の『スカーボローフェア』のようなのや映画『ロミオとジュリエット(オリビア版)』のメインテーマのような旋律(その気になるとはずれるのでキッドはちょっとメロディー酔いで気持ち悪くなりました)に乗せて、逃げる綾瀬、追う亀梨とドラマは急展開を迎えたのだった。

さらに帝国の要塞内では密偵からの報告をダースヘ゛・・・父・財津和夫が受けていた。本田博太郎ほどのこわさはないが、キレルとこわいいじめられっ子タイプのこわさをかもし出しているのだった。「こんな奴のために娘を育てたわけではない」のである。白血病、クジラおタク(要潤)の骨髄移植、すべてのピースがでそろい、亀梨と綾瀬の恋の試練がようやくスタートしたみたいです。そして、母、兄、本人の前でもじもじ弘人は誤解を解くことができるのか。あまりにも教科書的な・・・つづくなのね。

ま、とにかく、くれぐれも野暮用(ウソ)でデートをキャンセルしてはいけません。キッドはそれをするたびに人生の階段を転げ落ち、重傷を負いましたから、自信を持って断言することができます。・・・ってお前が反省しろっ! いっぺん死んでみるぅ? う、地獄少女・・・。

関連するキッドのブログ『・・・・・・あれ、・・・・・・・・・・違うから。(亀梨和也)』

月曜日に見る予定のテレビ『のだめカンタービレ』(フジテレビ)

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2006年11月 4日 (土)

指きり・・・指をつめるよりいいでしょ。(長澤まさみ)

いよいよ、最初の犠牲者発生。き、金庫番獲られるとは何事じゃ~。でも「組長守れて幸せでした~」(西野武=田口浩正・談)と本人が言っているのだからいいのか~。折り返し地点に達してまあ、可もなく不可もない出来の本作品。長澤まさみの魅力は充分に引き出しているのだが、なんだか物足りないのはなぜだろう。

この物語の魅力は①組長が女子高校生である。②制服がセーラー服だ。③セーラー服で機関銃 ④組長と組員との愛と献身 ⑤組長がピンチになる ⑥組員が殉死する ⑦ヘロインをめぐるミステリー ⑧組織と組織の抗争 ⑨警察組織が汚染されている ⑩謎の男・ふとっちょと謎の女・真由美・・・といったところ。

この中でも①~③は申し分ない。とくに主題歌とタイトル・クリップはうっとりの出来ばえ。⑤に関して言えば銃撃される、ストリップを要求される、柱に縛り付けられる、クレーンでつるされ、コンクリート漬けにされそうになる・・・とここまで順調に消化されてきたといえるだろう。④と⑥は今回も含めてこれからの課題。組員の数だけ愛がなければならない。問題は⑦以降だな。すべてが思わせぶりすぎて、乗れない。ま、敵がやくざだから理不尽ないいがかりをつけてもいいのだが、どうして、そう、手ぬるいのだ・・・と視聴者が思い始めたらダメなのである。原作や薬師丸ひろ子版、原田知世版をリセットして、ストーリーをもう少し練りこむべきだったのではないかと4/7が終了した段階で危惧するキッドなのであった。

で、『セーラー服と機関銃・第4話・愛した組員の死』(TBSテレビ061103PM10~)原作・赤川次郎、脚本・いずみ吉紘、演出・加藤新を見た。紛失した五キロのヘロイン(末端価格三億円)が星泉(長澤)の手元にあると何故か信じ込んでいる浜口昇(本田博太郎)は何故か星泉本人を拘束し拷問せずに何故か家宅捜索をしたり、何故か組員を痛めつけたりする。何故だ、何故なんだ~と思わずにはいられない。

ともかく、一話で組長襲名。二話で組長として受け入れられる。まではごまかせたものが、三話で何故、佐久間(堤真一)を怨むのかもう一つ納得いかないヒットマンの登場。一話二話を何故か繰り返す展開で危険な空気が立ち込め始めたのである。

何故、そうなるかというと「暴力」が排除されているからではないかとキッドは類推する。

設定はとにかくとんでも設定なのである。しかし、あらゆる世代が萌える時代になって逆にそういう魅力で組員を引っ張る組織がなくはないかなという感触はある。しかし、それにリアリティーを持たせるためには他の部分がとんでもなく緻密に描かれる必要があるだろう。その代表が佐久間の刺青である。刺青を出すこと自体がすでに公序良俗に反するわけだから、どうせ出すならもっとてらてらと、彫りの見事さが伺えるほどの陰湿さで、じっくりと見せるべきだったと思うのだ。少なくとも組長のハダカと引き換えである。それぐらいの迫力は欲しいだろう。ついでに言うと、どうせなら、組長はギリ下着ぐらいまでは脱ぐべきだったな。

そして、この物足りなさが暴力シーンの欠如につながっていく。それは殺陣のレベルでいいのである。毎回、殺陣の準備はできている。そして、ある程度、佐久間と郷田英樹(福井博章)は超人的な強さでいい、「うちの人たちに暴力をふるわないでください」と頼んでもふるわれる暴力を「ケンカはやめてください」と言う組長のために真剣でくる敵を峰打ちで倒す、急所を狙ってくる敵の銃だけを撃ちぬく。そういうスタイルで必死の専守防衛をする姿を描かなければもたないのだ。

そして、力及ばず、やられる場合もそれは見せなければならない。今回の場合はまず、西野が1人のところを狙われる。「やめてー」と叫んで次は病院だ。これではダメなのである。それは最初の銃撃のシーンの繰り返しである。あの銃撃のシーンも敵組織が集結し、忍び寄り、配置につき、ひっそりとその時を待つという緊張感を描くという手もあった。しかし、室内のドラマと不意打ちという演出効果であえてすかしたという納得感はある。

しかし、これを繰り返すと手抜きとか抑制とかが連想され、必ずや視聴者は欲求不満になるのである。今回は、西野が恐怖に襲われ負け犬根性をさらけだすほどの暴力を見せなければならない。なぜなら、今の視聴者にはそのような想像力はないからである。

やめてくれと哀願するのにいやないやな暴力を振るわれ続け西野が壊れる課程を見せなければ最後の西野の勇気がどれほどすごいものであったか、そのために命を失うことになる西野の組長への愛の深さがどれほどの深淵であったのか、そして失われた命がどんなにか得がたいものであったのか示すことができないではないか。それを描かないのは表現者として腰抜けであるとしか言いようがない。

ついでに、組長が1人で行くという無謀を冒すひとつの理由「父の無実を確かめたい」の根拠が薄弱でもうひとつの理由である酒井金造(山本龍二)と酒井健次(中尾明慶)の負傷・・・可愛い子分をこれ以上傷つけさせるわけにはいかないという重要な部分を隠してしまうという逆効果が生じている。

「いいヤクザでチャカも使わないしヘロインも扱わないの」とクラスメートに語る組長が組員をかばい、健気に1人で危地に行くという構図を引き立てるためにはやはり酒井叔父甥が組長の命令を守り、専守防衛で袋叩きにされ、しかも叔父が甥をかばい、より重傷を負うという課程をしっかりと描写しなければならない。繰り返して強調するが、こういうものをスカシてもそれを補う想像力は今の視聴者にはないのだ。

おそらく、この二つの暴力をきちんと描くだけで、この回の武の死は涙ちょちょぎれるものになったはずである。もちろん、キッドには想像力があるので田口浩正の八代目組長へのつきせぬ愛の断末魔に滂沱の涙また涙なのであったのだが。

必要以上に暴力シーンを求める必要はないがアクションのないアクションドラマはちょっとねえ。せっかく、下着は透けないが濡れたまさみが輝かないではないか!

もちろん『家族』(テレビ朝日)も見ているのだが、こちらは竹野内バザーでもてもて、就職失敗飲酒酩酊、ついに鉄拳制裁の渡哲也がガツーンとやってくれてます。雑巾縫い指導の思い出と用意された煮魚夕食を食べながら泣きじゃくる竹野内に胸キュンなのだった。しかし、キッドとしては問題ないところより問題あるところを責めたい気分なのである。バイオレンスをもっとちょうだいオフィスクレシェンド。大根さんのように熱意を持ってかつマジの方向で。そして長澤まさみにもっとふえ~んを。あと、セリフも甘いよ。「バカな警察ね」というキョンキョンのセリフには寒気がしたよ。

関連するキッドのブログ『第三話のレビュー』⇔『第五話のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『功名が辻』(NHK総合)そして『信長の棺』(テレビ朝日)ああーっまたしてもマキマキパースっ。でも、関が原のスカシ具合はどうしてもチェックしなければなりませーんっ。

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2006年11月 3日 (金)

木曜八時か。そうだ、京都へ行こう。

・・・・って。JR西日本かよ。と言いたくなるほど定着してきた木曜京都シリーズ。キッドの一番の贔屓は『新旧・科捜研の女』(主演・沢口靖子)ですが、今クールは『おみやさん』でどちらも京都とは言わないけれど舞台は京都です。これに『新旧・京都迷宮案内』(主演・橋爪功)と『京都地検の女』(主演・名取裕子)を加えると春夏秋冬ずーっと京都でもまかなえるのです。さらに2005年秋ドラマには『女刑事みずき~京都洛西署物語』(主演・浅野ゆう子)なんていう新顔もありましたぁ。

やはり、まったりと京都です。一週間に一度は京都です。こうなるともうアナログテレビの終末まで京都で通してもらいたい。京都潜入捜査官とか、京都始末屋、名探偵舞妓とかもおりますし。

今年は京都迷宮→京都地検→新・科捜研→おみやさんと来ましたから実にまったりしています。さらに木曜深夜にはアニメ「009ノ1」(TBSテレビ)がありまして原作・石ノ森章太郎のダブルです。こりゃ、キッド的には奇跡の編成ですね。

で、『おみやさん・第二回・祇園の姉妹骨肉の相続争い!! 遺言の謎・・・』(テレビ朝日061102PM8~)原作・石ノ森章太郎、脚本・塩田千種、監督・吉田啓一郎を見た。主演は渡瀬恒彦。今期は木・弟、金・兄と兄弟揃い踏みです。おみやさんは京都府警鴨川東警察署資料課長でおみや入り(迷宮入り事件)を解決するのでついた通称。原作は1981年連載開始なので元祖「ケイゾク」(TBS1999冬ドラマ)、本家「時効警察」(2006冬ドラマ)と言ってもいいでしょう。まったり度も老舗の味わいです。

部下に櫻井淳子、鑑識に友近、家政婦に菅井きん、行きつけの店の女将に相本久美子という硬軟とりまぜたバックアップ体制を持っています。ちなみに鴨川東署の署長は谷啓でキッド的にはここがポイント高いのです。

今回の舞台は祇園の老舗の料亭生『梅むら』です。やはり、祇園です。祇園のない京都なんてです。これまでも『時効直前 夜の祇園に消えた謎の女」(第一シーズン)、「祇園祭りに消えた女」「泣いた祇園の悪女」「祇園白川殺人事件」(第三シーズン)、「祇園に舞う死美人」(第4シーズン)とことごとく祇園がついたら高視聴率。舞妓さんがらみなら、さらに高視聴率で、舞妓さんが殺されればさらにさらに高視聴率で、犯人が舞妓さんならさらにさらにさらに高視聴率なのです。・・・今回は・・・板前さんと女将さんがらみでした・・・ちぇっ。

しかし、まあ、美人姉妹骨肉の争いですから。姉・秋本奈緒美、妹・雛形あきこ・・・ま、まあ、美人姉妹です。で、二人は昔は仲が良かったのに「梅むら」と「新梅むら」の二つの店舗で老舗後継者争いをしている現状。ガンのくれあい、罵りあいです。

うう、しかし、ほっぺたのひっぱりあいはありませんでした。のだめ・真澄、ちびまる子・お姉ちゃんに続き、おたふく攻撃があれば伝説の一週間になったのに・・・。

記憶力抜群のおみやさんはネタバレですが、昔の事件を掘り起こし、姉が妹の恋人をよこどりしたり、父親の遺言を改竄したりしたことや、妹の新・恋人の過去の犯罪をあばき、一つの殺人事件を解決します。

そして・・・姉の夫は金にも女にもだらしなく、妹には幸せになってもらいたかったという姉心、さらに妹の恋人の犯した罪をなんとかかばおうとしたことが露見。お姉ちゃんがそんなに私のことを想っていたとは知らず、逆らってばかりいた馬鹿な私を許して展開。京都祇園老舗料亭女将ツンデレものでしたーっ。

鑑識・友近の活躍ポイントは「遺言状の平成8年に1を書き加えて平成18年にしたことを発見」したことです。う~ん、まったり。

舞妓さんの巻はいつなんだ~。キッドとしては新・科捜研の女のゲストで殺人犯となった舞妓・木南晴夏を早めに出所させてこちらにワープさせてからめてもらいたいのですがぁ。む、無理ですかぁ~。舞妓カモ~ン。

初回視聴率15%越えの「おみやさん」、兄貴よりも獲っております。「相棒」は16%越えしておりますので今期のテレ朝ミステリーは東西ともに好調な感じ? 来週はまた「松子」VS「コトー」かな。・・・「だめんず・うぉ~か~」は?・・・う~ん、様子見。

土曜日に見る予定のテレビ『たったひとつの恋』(日本テレビ)さあ、勝負の週。目指せ15%。教科書らしく。(なぜ、スローガン?)

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2006年11月 2日 (木)

「本気で反対する・・・絶対ダメよ」と志田未来は言われた。

人と人との欲望がぶつかりあうストーリーに人々が大激論。欲望はエゴイズムに到達し、人々の信じる社会、正義、人間の在り方にハンマーが打ち込まれる。おお、すっかり脚本家のペースにはまってしまったな。

彼を愛したいのも欲望なら、セックスをしてみたいのも欲望。子供を生みたいのも欲望なら子供をおろさせたいのも欲望。バカを友達にしたくないのも欲望だし、それなら友達なんて意味がないと斜に構えたいのも欲望。恥をかきたくないのも欲望なら恥をかかせたいのも欲望。欲望うずまく社会でエゴを守るために「私の選択が絶対なのよ。だって私が絶対なんですから」に行きつくすべての人々へ。

すべては運ですからぁ。あんまり思いつめないでぇ。一つだけ言えるのは正しいのはキッドだけですからーっ。

で、『14才の母~愛するために生れてきた~第4話・旅立ち・・・私はもう泣かないよ』(日本テレビ061101PM10~)脚本・井上由美子、演出・佐久間紀佳を見た。空気を読むことが最優先の我が民族の中でまったく空気を読まないヒロイン一ノ瀬未希(志田)の最終兵器は「てへっ」ではなく「ニコリ」でした。そうだ。この世で一番美しいのはひらきなおりのニコリだものなぁ。

「命を大切に」というスローガンを持つ人も「男の子の親」という立場に立った途端、極悪非道の桐野静香(室井滋)に大きく頷き「そうよ、そうよ、可愛い息子をどっかの野良猫に奪われてたまるもんですか。あたしだって我慢している息子とのセックスをするなんて、なんてはしたない、キーッ、とっとと始末をつけて永遠に消えちゃってちょうだい」である。

また娘の幸せのためになら何でもできるという父親も「なんじゃそりゃ、この、不義密通の胎の仔など、馬の骨やら犬の仔やら、会社に行けば面目たたず、道を歩けばアホの子の親と嘲笑され、何より、あれ、口惜しや、父親より先に娘とセックスするなんてこのがきは。言語道断、コンゴ動乱、お前を八つ裂きにしたいが、それも社会人ままならず、男涙の喫茶店、我を忘れて罵詈雑言、とにかくなかったことにしたいのだ、平和の日々を帰しておくれ、だから二度と娘に手を出すな、やれ、あやまれのあやまってすむことかの、大人と子供の果し合い、悲痛な願いは虚しくも機密保持のできないこの私、秘密の話が盗聴されて、無防備バカは死ななきゃなおらない」のであった。

一方、14才の母の母は打つ手打つ手が裏目に出る悪循環。どちらかと言えば理屈じゃなく子供を愛してきた以上、理屈じゃ子供を説得できない。できるなら、暴力で堕胎敢行したいところを必死にこらえて立ちすくむ。しかし、社会のシステムは無常にも「本人の同意がなければできません」なのだった。ああ、この社会は管理社会。ああ、この社会は競争社会。早すぎる妊娠は、管理の外にはみだすこと。競争社会から脱落すること。そんなことでは富も名誉も栄光も安定した暮しも手に入らないってことをどうしたらこの子は分かってくれるのくれないの。聞き分けのない女の頬を一つ二つはりとばし、ボギーあんたの時代は良かったと歌うジュリーの時代は良かった。などと回想にひたる間もなく、まだまだ子供の弟はむかつき、学校からは呼び出しが。ああ、内々のことにしたいのに、夫も娘もオツムが軽い~。口も軽い~。わが子にも秘密にしようとしたのに、学校にばれます、週刊誌にばれます。今さら本気になったとてもはや手遅れ、後悔先に立たず。どうして我が娘に貞操帯をつけておかなかったのか、そんなことできるか、コンビニじゃ売ってないし。

それでも母の母(田中美佐子)は学校にすがる思いで「退学だけは勘弁してください」学校側は「とにかく心と体のケアを・・・しかるべく体面守る処分はしますけど」体制。しかし、そんな大人の思惑こえて、幼母は単身なぐりこみ、「彼にもダチにも裏切られ、今さらなんの未練もないけれど、ご迷惑をかけた皆々様には一言お詫びをいたしたく、そして、いつわりでかりそめのよしみとはいえ、一度は友と思った皆様にお別れの挨拶を申し上げたく」と1人暴走を続ける我らがヒロインは「私、もう学校へは来ない・・・学校をやめて子供を産むよ」宣言です。

ここで渦巻く教室の主役たち。1人先行く友達に裏切られた気分と女の嫉妬に頭に血がのぼった密告女は久保田恵(北乃きい・91年早生『純情きらり』からここ。来年は映画で主演)、そして誰にも知られず処理をするのはまとも、しないのはバカとうそぶく暗い目をした柳沢真由那(谷村美月・90年生)の二人。善悪立場を入れ替えて、幼母と対峙します。これは名場面。「私は赤ちゃんに会いたいの」「えーっバカじゃねえの」・・・この世に産んだお母さん。あなたの愛につつまれて。何も知らずに生きて行くなら、それはたやすいことだけど、それではドラマになりません。よっ、井上屋。お見事!

14才の子供が母親になり、それをヒーローのように描くのだけは許せないという良識ある日本全国の14才の娘の母親のせつない願いをふみつぶし、どうか、素敵な神話的英雄の物語を美しき女神の物語を語ってください。へそが背中についていると幼少の頃から言われ続けたキッドは心の底からお願いしますーっ。だってその方が面白いからーっ。

大奥の世界やら大河の世界やらあずみの世界やらから現代に蘇り、アキバ@DEEP、電車男とオレザク、オレシャーの秋葉原の帝王を演じた北村一輝。秋ドラマはトル・・特殊浴場の男とこれを掛け持ちだが、偽悪的な匂いをプンプンさせながら、いよいよ、人の不幸を食い物にするマスコミの本質を背負って登場。今週の視聴率は19.4%。ほらほら、世間も面白がっているのだーっ。

関連するキッドのブログ『第三話』⇔『第五話

金曜日に見る予定のテレビ『セーラー服と機関銃』(TBSテレビ)

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2006年11月 1日 (水)

森迫永依のちびまる子ちゃんと姉の福田麻由子と友達の美山加恋。

豪華子役スター共演である。やがて女優となる女の子役には杉田かおる(64年生)や安達祐実(81年生)など、一斉を風靡した子役スターが過去にもあった。最近では鈴木杏(87年生)や、成海璃子(92年生)などがいるわけだが、競争の激しさなのか、システムの完成なのか、驚異的な演技力を持つ子役が続々と誕生しているのである。

『14才の母』の志田未来(93年生)だが、子役というよりはすでに主演女優の域にある。志田と『女王の教室』(05日テレ)で共演した福田麻由子(94年生)がちびまる子のお姉ちゃん「さきこ」役。今春のドラマに続いての出演。ドラマ『白夜行』で綾瀬はるかの少女時代を演じ、「やったのは私だよ」でキッドのハートを奪い、映画『下妻物語』で深田恭子の少女時代を演じ、「だって面白いから~」でキッドを驚嘆させた存在感で、まる子のはじけた演技を文字通りお姉さんとして支えている。ちなみに『役者魂!』の川島海荷も(94年生)だ。

『がきんちょリターンキッズ』で鈴木理子(95年生)と共演した美山加恋(96年生)はまる子の親友「たまちゃん」役で登場。『僕と彼女と彼女の生きる道』の凛ちゃんでブレイクしてから2年。もうすっかりベテラン感がただよっている。

そしてまる子は森迫(97年生)、『野ブタ。をプロデュース』で堀北真希の少女時代を演じ、今春のドラマでそっくりまる子になったわけだが、これだけのビッグタイトルを背負い、前回22.8%、今回17.7%を獲得して立派に仕事をしている。お分かりのように92年生まれの成海から97年生まれの森迫まで、毎年、名子役と呼ばれるクラスの子役が途切れることなく出現しているのである。もちろん、脇をしめる子役をいれればその数はかなりのものになるのだ。この状況を異常と感じるかどうかは人それぞれだが、「子役と動物には勝てない」法則はとにかく子役に限って言えば今も生きているのだった。いや、最高潮なのであった。

で、『祝アニメ放送750回記念スペシャルドラマ・ちびまる子ちゃん』(フジテレビ061031PM7~)原作・監修・さくらももこ、脚本・樫田正剛、演出・西浦正記を見た。三部構成で、各話にゲストが登場する。子役の成長を考えると森迫版はこれが最後かなぁ。

①「まる子作文に悩む」まる子の作文の宿題にさくら家が右往左往する。極めつけはおじいちゃん友蔵(モト冬樹)が年金でカウンター寿司に挑む。お姉ちゃんの失敗は「人生なんて後悔のくりかえしよ」をまる子に「毎日、失敗ばかりしている」と書かれてしまったこと。作文の評価をめぐりブー太郎一家の入浴シーンが。父(河本準一)母(大島美幸)で脱力感漂う場面を構成していた。

②「まる子、ウソをつく」まる子とはまじの恋愛スキャンダルにはじまり、まる子の家で有閑マダムごっこを展開。まる子と姫子(奥ノ矢佳奈)のはみ出し口紅に対し、とし子(朝日梨帆)とたまえはやや上品系。もう少し遊んでもよかったがたまえは「タクの主人はおならがとーってもくさいんですのよ」というセリフをもらっている。しかし、ここで食べたクッキーが他家への贈答品だったため、まる子は困った立場に。ウソをウソでかためたまちゃんにまでもウソをつかせるまる子だった。ウソがばれるきっかけとなる警官役に原田泰造。

③「さくら家、大ピンチ」夜霧よ今夜もありがとうの口笛で始まる父ひろし(高橋克実)と母すみれ(清水ミチコ)のなれそめ物語。回想シーンとして二人の美化された青春時代を玉木宏と国仲涼子が演じる。声は高橋と清水が吹き替え。なれそめがイヌのウンチだったため、お姉ちゃんは「ウンチ、ウンチ」のセリフをもらう。ま、本質的にお下品がちびまる子の売りではあるが、ややあざとすぎるぞ。翌朝、夫婦は離婚の危機に。姉妹がはなればなれになることをおそれたまる子。最初は冷たくあしらったお姉ちゃんだったが最後は二人で泣いて慰めあう。まあ、これが笑って泣けるストーリーといえばその通りである。

750回といえばおよそ、15年である。5才から見ていた子供が20才。だから「のだめ」や「たっ恋」の主人公たちはこれを見て育ったのだなあとふと思う。ま、少しおバカになってもしょうがないか。

メジャーとマイナーの基本でいうと、都会の感性はマイナーで田舎の感性はメジャーである。日本で言えば東京の人は10人に1人で、残りは地方の人だ。共感とは文字通り感性の共有であるから、メジャーの共感を得るためには地方の人は素直でいいし、東京の人はひとひねりしなければならない。その一例がちびまる子である。舞台を富士山の見える駿河の国と考えるとマイナーなのだが、一地方と考えるとそれはメジャーとなる。日本全国にちびまる子的世界があり、それが共感を誘うのである。また地方には時差が存在する。つまり、文化的後進性である。つまり、同時代であっても都会から見れば田舎は懐かしい時間を漂っている。地方はそのために「なつかしさ」というエンターティメントとしての必殺技を持っている。メジャーでなつかしい。地方の人々の持つセンスはヒット作品を作るために絶対に欠かせないということがご理解いただけるだろうか。

生粋の都会人として田舎の人はまことにうらやましいとキッドは時々思う。ちびまる子ちゃんを堪能する時は特に。

ちびまる子ちゃんの高視聴率もあってフジテレビのドラマ二本立ては『役者魂!』11.8%、『僕の歩く道』18.2%と回復。松たか子の妄想はいよいよ予言の展開になってきた。しかし、ドラマとして何かが核心からずれているような気がしてならない。天涯孤独の女性と周囲の人々の人間模様。「コトー」とある意味、まったく同じ設定だけに視聴率が半分であることは興味深い。もちろん「ダンドリ。」のせいであることも否定はしませんが。かぶりでいえば「セーラー服」も「アカネ」もヒロインが若くして両親なしという点は同じである。「14才の母」は若くして親になる話だからこれは際立つな。やはり。

木曜日に見る予定のテレビ『おみやさん』(テレビ朝日)

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