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2006年11月29日 (水)

夜なんて来なければいいのに・・・(菊川怜)

ミッドナイトブルー。真夜中の蒼。それはブルース。漆黒の夜の闇にむせびなくブルース。・・・これはもうハードボイルドな匂いがプンプン漂ってきます。『ミッドナイトブルー』といえばナンシー・A・コリンズの吸血鬼ハンターというかバイオレンスものもあるし、ケニー・バレルの珠玉のブルース・ギターの奏でる名曲のタイトルでもあるのだが、今回は『警視庁鑑識課ミッドナイトブルー/北林優』原作のサスペンスドラマである。

これは『警視庁鑑識課アブラムスの夜』に続く、連作なのだが、それをここからスタートしてよかったのか、どうか・・・キッドはちょっぴり不安である。この後、原作は『警視庁鑑識課鎮静剤』と続くのであるが、なんとなく、タイトルがいいので途中から始めてしまいましたが、ちょっと未消化っていうか、こなれていないような気がするのです。証拠を出せといわれても勘なのですけど・・・。

この元々枠の火サスには『警視庁鑑識班』シリーズというのがあってその匂いがプンプンするのも気になるところなんですよね。・・・いや、出来はまあまあなんですけどね。これ、傑作になりそこなった感が漂うんですね。いや、あくまでキッドの勘なんですけど。

で、『火曜ドラマゴールド・警視庁鑑識課<第9班>ミッドナイトブルー』(日本テレビ061128PM9~)原作・北林優、脚本・田中孝治・三島ゆき、演出・猪崎宣昭を見た。ここからは原作のことは忘れて、ドラマに徹するのだが、脚本家が二人いることがもう不安を駆り立てる。監督は相棒サード・シーズンで唯一のヒトケタをたたき出した第8話の監督です。あー、こわい。

主人公・松原唯(菊川)は警視庁鑑識員、元・刑事であり、同僚で婚約者だった刑事を松原が発砲をためらったのが原因で何者かに射殺されてしまった過去を持つ。この事件がどういう事件でその後、殺人犯がどうなったのか、一切説明されません。それはそれでいさぎよいがもはやなんだかなあ・・・です。とにかく、傷心の彼女は鑑識課に籍を移したのです。夜になると恋人を失ったあの日の悪夢に悩まされるために精神安定剤を常用しています。

事件発生。小岩署管轄です。刺殺死体。そして現場に残る血痕の道筋。現場から逃げ去った車に男が乗り込むところが目撃され、捜索対象として手配されます。唯は直観力の優れたところがあり、現場に残された血痕のはね方から、犯人が負傷していると推理します。目撃された男に負傷した様子がなかったことから、現場の刑事たちと意見の対立。刑事VS鑑識の衝突です。しかし、矢面に立つのは彼女だけ、過去を忘れるために仕事に熱中する彼女は鑑識課でも孤立していました。上司の鈴木鑑識課長(峰竜太)も浮気の発覚をおそれるかのように奥さんいや刑事たちの顔色を伺う始末。

そんな最中、今度は少女が連続して事故死し、そこに共通の靴跡が残されていることを唯が発見します。まさに猟奇殺人事件の展開。しかし、捜査担当者は事故として処理が終っていると取り合いません。おいおい、それはそれですごいぞ。

孤独な夜を怪しいバーで過ごす唯。そこに捜査中毒の権藤刑事(石橋凌)が現れます。彼もまた組織捜査が苦手ではみ出し者。独断発砲で懲罰的処分常習者の模様。発砲できなかった女と発砲しすぎの男のコンビ誕生です。ま、そういうことです。

独自に捜査を開始する二人。捜査の過程で過去の幼女連続殺人事件で容疑者となった変質者・矢内純一(大浦龍宇一)が浮かび上がります。実は、彼を捜査すると捜査関係者の身内に不幸が起こり、刑事たちがこわがって捜査が打ち切られたという経緯があったのです。・・・どんな経緯じゃーっ。とにかく、権藤にも余計なことをするなと上司からクギが打ち込まれます。唯一の権藤刑事の手下でもうすぐ退職するので上層部ににらまれても平気な山下刑事(鳥羽潤)が参加。もう死亡フラグたちまくりのセリフを残し、何か手がかりをつかむものの踏み切り事故で案の定の即死です。

最初の死体の家族である妻子が行方不明。次々と殺される子供たち。殺人事件現場から逃亡した謎の男女。ついでに続発する放火事件。そして容疑者の謎の借金返済。さらに退院して行方不明の変質者。バラバラな事件が次から次へと起こり、もう何がなんだか・・・。

さあ、ここからは完全にネタバレの世界へ。実は事件の背景には闇の臓器移植ピジネスがからんでいたのです。そして真相にせまるのはたまたま権藤刑事がテレビで臓器移植の番組を見たからです。・・・まさにどんなミステリファンもはだしで逃げ出す展開です。

借金返済が臓器売買で作った金であることをつきとめた権藤は手術をした悪徳医師をつきとめます。出ました金村芳江(広田レオナ)です。彼女の毛髪がDNA鑑定により幼女事故死の現場に残されたものと一致。二人は金村を追い詰めます。

「私は一人を殺し、一人の臓器から五人の命を救った。どっちが命を大切にしているのか、考えてみなさいよ」こんなセリフがぴったりな広田レオナって。もう、ここまでの捜査のグダグダ感とか、この後の最初の死体が臓器売買のブローカーで別居していた妻が犯人。理由は夫が実の娘の臓器まで売ったから、でも相討ちで妻も自宅で死亡。妹を売ろうとした兄がたまたま居合わせて車を運転。この兄妹は遺棄されたストリートチルドレンでただただ哀れな生い立ち、そして黒幕はなんと鈴木課長。理由は「儲かるから」・・・。そしてさらに黒幕の変質者矢内はいるのかいないのかさえ幻想的に処理されるという・・・もう泣く子も黙る展開も忘れることができますーっ。

広田レオナのバッドドクターを見れたーっ。しかも、唐突にピストル自殺ーっ。もう、それだけは素晴らしかったのです。

ストーリーというか、材料は素晴らしいと思うのですが、セリフがねー。「君山銀針」(ジュンシャンインジェン)なんていうおしゃれな高級茶が出てきて・・・広田レオナ御用達です・・・いい匂いをたちこめるのだが、「刑事の仕事は真実を明らかにすることだ」とか「99いやなことがあっても一ついいことがあればいいじゃないか」とか、なんというか、いきあたりばったりの名セリフになっているんですよー。犯人からの電話につらなるホラーなBGMなんて恥ずかしくて耳を覆いたくなりました。ハードボイルドに恥ずかしいセリフはつきものですが、それが・・・あーっカッコイーと思わせてくれる演出が絶対に必要なんですが、この作品にはそれがない。いや、あくまで勘なんですよ。キッドの。証拠はひとつもないのです。

関連するキッドのブログ『卵焼きを美味しそうに食べる人は万引きはしても殺人はしませんから。(酒井法子)』

木曜日に見る予定のテレビ『嫌われ松子の一生』(TBSテレビ)VS『Dr.コトー診療所2006』(フジテレビ)それはー、松子に吉野公佳が出るからなのさ。またやくざの情夫役かなーっ?

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