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2006年11月 4日 (土)

指きり・・・指をつめるよりいいでしょ。(長澤まさみ)

いよいよ、最初の犠牲者発生。き、金庫番獲られるとは何事じゃ~。でも「組長守れて幸せでした~」(西野武=田口浩正・談)と本人が言っているのだからいいのか~。折り返し地点に達してまあ、可もなく不可もない出来の本作品。長澤まさみの魅力は充分に引き出しているのだが、なんだか物足りないのはなぜだろう。

この物語の魅力は①組長が女子高校生である。②制服がセーラー服だ。③セーラー服で機関銃 ④組長と組員との愛と献身 ⑤組長がピンチになる ⑥組員が殉死する ⑦ヘロインをめぐるミステリー ⑧組織と組織の抗争 ⑨警察組織が汚染されている ⑩謎の男・ふとっちょと謎の女・真由美・・・といったところ。

この中でも①~③は申し分ない。とくに主題歌とタイトル・クリップはうっとりの出来ばえ。⑤に関して言えば銃撃される、ストリップを要求される、柱に縛り付けられる、クレーンでつるされ、コンクリート漬けにされそうになる・・・とここまで順調に消化されてきたといえるだろう。④と⑥は今回も含めてこれからの課題。組員の数だけ愛がなければならない。問題は⑦以降だな。すべてが思わせぶりすぎて、乗れない。ま、敵がやくざだから理不尽ないいがかりをつけてもいいのだが、どうして、そう、手ぬるいのだ・・・と視聴者が思い始めたらダメなのである。原作や薬師丸ひろ子版、原田知世版をリセットして、ストーリーをもう少し練りこむべきだったのではないかと4/7が終了した段階で危惧するキッドなのであった。

で、『セーラー服と機関銃・第4話・愛した組員の死』(TBSテレビ061103PM10~)原作・赤川次郎、脚本・いずみ吉紘、演出・加藤新を見た。紛失した五キロのヘロイン(末端価格三億円)が星泉(長澤)の手元にあると何故か信じ込んでいる浜口昇(本田博太郎)は何故か星泉本人を拘束し拷問せずに何故か家宅捜索をしたり、何故か組員を痛めつけたりする。何故だ、何故なんだ~と思わずにはいられない。

ともかく、一話で組長襲名。二話で組長として受け入れられる。まではごまかせたものが、三話で何故、佐久間(堤真一)を怨むのかもう一つ納得いかないヒットマンの登場。一話二話を何故か繰り返す展開で危険な空気が立ち込め始めたのである。

何故、そうなるかというと「暴力」が排除されているからではないかとキッドは類推する。

設定はとにかくとんでも設定なのである。しかし、あらゆる世代が萌える時代になって逆にそういう魅力で組員を引っ張る組織がなくはないかなという感触はある。しかし、それにリアリティーを持たせるためには他の部分がとんでもなく緻密に描かれる必要があるだろう。その代表が佐久間の刺青である。刺青を出すこと自体がすでに公序良俗に反するわけだから、どうせ出すならもっとてらてらと、彫りの見事さが伺えるほどの陰湿さで、じっくりと見せるべきだったと思うのだ。少なくとも組長のハダカと引き換えである。それぐらいの迫力は欲しいだろう。ついでに言うと、どうせなら、組長はギリ下着ぐらいまでは脱ぐべきだったな。

そして、この物足りなさが暴力シーンの欠如につながっていく。それは殺陣のレベルでいいのである。毎回、殺陣の準備はできている。そして、ある程度、佐久間と郷田英樹(福井博章)は超人的な強さでいい、「うちの人たちに暴力をふるわないでください」と頼んでもふるわれる暴力を「ケンカはやめてください」と言う組長のために真剣でくる敵を峰打ちで倒す、急所を狙ってくる敵の銃だけを撃ちぬく。そういうスタイルで必死の専守防衛をする姿を描かなければもたないのだ。

そして、力及ばず、やられる場合もそれは見せなければならない。今回の場合はまず、西野が1人のところを狙われる。「やめてー」と叫んで次は病院だ。これではダメなのである。それは最初の銃撃のシーンの繰り返しである。あの銃撃のシーンも敵組織が集結し、忍び寄り、配置につき、ひっそりとその時を待つという緊張感を描くという手もあった。しかし、室内のドラマと不意打ちという演出効果であえてすかしたという納得感はある。

しかし、これを繰り返すと手抜きとか抑制とかが連想され、必ずや視聴者は欲求不満になるのである。今回は、西野が恐怖に襲われ負け犬根性をさらけだすほどの暴力を見せなければならない。なぜなら、今の視聴者にはそのような想像力はないからである。

やめてくれと哀願するのにいやないやな暴力を振るわれ続け西野が壊れる課程を見せなければ最後の西野の勇気がどれほどすごいものであったか、そのために命を失うことになる西野の組長への愛の深さがどれほどの深淵であったのか、そして失われた命がどんなにか得がたいものであったのか示すことができないではないか。それを描かないのは表現者として腰抜けであるとしか言いようがない。

ついでに、組長が1人で行くという無謀を冒すひとつの理由「父の無実を確かめたい」の根拠が薄弱でもうひとつの理由である酒井金造(山本龍二)と酒井健次(中尾明慶)の負傷・・・可愛い子分をこれ以上傷つけさせるわけにはいかないという重要な部分を隠してしまうという逆効果が生じている。

「いいヤクザでチャカも使わないしヘロインも扱わないの」とクラスメートに語る組長が組員をかばい、健気に1人で危地に行くという構図を引き立てるためにはやはり酒井叔父甥が組長の命令を守り、専守防衛で袋叩きにされ、しかも叔父が甥をかばい、より重傷を負うという課程をしっかりと描写しなければならない。繰り返して強調するが、こういうものをスカシてもそれを補う想像力は今の視聴者にはないのだ。

おそらく、この二つの暴力をきちんと描くだけで、この回の武の死は涙ちょちょぎれるものになったはずである。もちろん、キッドには想像力があるので田口浩正の八代目組長へのつきせぬ愛の断末魔に滂沱の涙また涙なのであったのだが。

必要以上に暴力シーンを求める必要はないがアクションのないアクションドラマはちょっとねえ。せっかく、下着は透けないが濡れたまさみが輝かないではないか!

もちろん『家族』(テレビ朝日)も見ているのだが、こちらは竹野内バザーでもてもて、就職失敗飲酒酩酊、ついに鉄拳制裁の渡哲也がガツーンとやってくれてます。雑巾縫い指導の思い出と用意された煮魚夕食を食べながら泣きじゃくる竹野内に胸キュンなのだった。しかし、キッドとしては問題ないところより問題あるところを責めたい気分なのである。バイオレンスをもっとちょうだいオフィスクレシェンド。大根さんのように熱意を持ってかつマジの方向で。そして長澤まさみにもっとふえ~んを。あと、セリフも甘いよ。「バカな警察ね」というキョンキョンのセリフには寒気がしたよ。

関連するキッドのブログ『第三話のレビュー』⇔『第五話のレビュー

日曜日に見る予定のテレビ『功名が辻』(NHK総合)そして『信長の棺』(テレビ朝日)ああーっまたしてもマキマキパースっ。でも、関が原のスカシ具合はどうしてもチェックしなければなりませーんっ。

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コメント

キッドさんこんばんはです~♪♪

ヤマトは、暴力シーンなくても、OKでした。
何がOKかっていうと、
十分悲しかったのでございます。
武さんの死が。泉の苦悩が。あの世界特有の理不尽さが。

武さんが包帯でぐるぐる巻き。
包帯に滲む赤い血。
暴力描写がなくとも、ヤマトは・・・ヤマトは・・・
悲しかっただああぁぁ~。。。

本田博太郎様の歯ぐきの出た笑顔。
恐い。
暴力モノ関連の映画を普段見ないヤマトにとっては、
博太郎様に震撼。
真夜中、体が動かなくなる。
目を開けると、博太郎様がこちらを見ている。
ヤマトは迷わず、
舌を噛みきって自滅。
耐えられない恐怖でございます~。

ヤマトは、女子の友情の浅はかさが好き。
「ごめん、アタシ、巻きこまれたくない。」
解りやすいーーー!解りやすすぎるーーー!!
それでこそ女子。
ビバ、浅はかで薄っぺらい
見せかけの友情!!!
逃げろ逃げろ~。泉から逃げろ~。
姑息で薄情でロマンのカケラもない女子ドモめ~。

投稿: ヤマト | 2006年11月 4日 (土) 22時55分

確かに極悪非道な浜口組の筈が・・・そして、以前はストリップのステージで「脱げ!」と言ったエロい組長なのに・・・

今回は泉を宙釣りにした際に、何を思ったかまるでちょうちんブルマーを思わせるような縄のしばり。
せっかくのパンチラのチャンスを逃しやがって~~~!
と、またどこかの殿方の嘆きが聞こえたような気がするんですが空耳?(笑)

投稿: まこ | 2006年11月 5日 (日) 00時05分

☆*⋄◊✧◇✧◊⋄*ヤマト様、いらっしゃいませ*⋄◊✧◇✧◊⋄*☆

いつでも楽しい本田博太郎さん。
映画『下妻物語』なんかでも一瞬でも
ちょっとこわいという持ち味の凄みが出ています。
次の作品はキッドは見ていないので
語る資格はないのですが、タイトルだけでも
教えたくなる本田博太郎出演映画。
心の準備はいいですか・・・。

~『シャブ極道』~

あーっ、怖ーっ。どんな映画なんだーっ。

まあ、ヤクザと聞いてクラスメートたちが
ねー、ねー、今度、若頭のサインもらって~。
今度、賭場ってところに連れて行ってもらいた~い。
ねー、ねーっ、刺青っていくらぐらいで彫れんの?
とか、積極的な態度に出られてもちょっとこわいですけどぉ。

それにしても連休を
ごくせんDVD→セーラー服ですごすとは・・・。
月曜日までには
かたぎに戻ってくださいよ~。

投稿: キッド | 2006年11月 5日 (日) 03時15分

●chocolate●まこ様、いらっしゃいませ●chocolate●

ふふふ。ようこそ、変態の森へ。
おっと、番組ちがいだぜ。
ふふふ、確かに、パンチラはありませんでしたが
変態を甘く見てもらっては困ります。
あの縛り方、太ももにくいこむワイヤーロープ。
ぐへへへ。あれはあれで
もう、たまらない世界なので・・・。
・・・・ただ今、コメントに不適切な表現がありました。
パーフー、パーフー。キーッ。ドタドタ。
「抵抗するな」
「何をするのかのー」
「あ、あなたは」
「本田じゃっ」
「・・・失礼しました。本田さんじゃしょうがない」
「わかればええんじゃ」
「よし、代わりにこいつを逮捕だ」
「えーっ、オレ様はキッドですよーっ」
「しょっぴけ~」
「ぶぎゃー」

投稿: キッド | 2006年11月 5日 (日) 03時30分

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