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2006年12月31日 (日)

グランド・ホテルも日本では格式を問わないからね。

豪華な出演者。女優は原田美枝子、篠原涼子、松たか子、麻生久美子、戸田恵子、YOUとある種の路線を感じさせ、男優は津川雅彦、伊東四郎、西田敏行、役所宏司、佐藤浩一、唐沢寿明、香取慎吾、オダギリジョーと顔の大小とりまぜて粒よりである。ま、それだけの映画とも言える。

しかし、この顔ぶれをそろえ、グランドホテル形式で映画を作ったということが偉大だ。もちろん、こじんまりとしたタランティーノの『フォールームス』の方が数倍笑えるが、お笑いと思わなければ、スターたちの個人技で充分楽しめる。問題はなんだか笑わせるつもりの口ぶりである。

それは誤解を招くからな。この人の作品はコメディーではなく、あくまでヒューマンドラマなので・・・とキッドは考えます。

で、『土曜プレミアム・THE 有頂天ホテル(2005)』(フジテレビ061230PM9~)脚本・監督・三谷幸喜を見た。大晦日のやや安めのグランドホテル。てんやわんやの騒ぎの中で客と従業員の人生が交錯する。一番ひどい目に遭うのは伊東四郎だが、もっと悪人として描かれるか、もっとひどい目に遭うかしないと笑えない。次にひどい目に遭うのは西田敏行だが、政治記者といえどもスターにあのようなふるまいをさせてはいけないと思う。女優陣はさほどひどい目にあわないが、原田美枝子の再婚相手が角野卓造、麻生久美子のお相手が津川雅彦とまあ、グランドホテルといえばグランドホテルだが、なんだかなぁと思う。オダギリジョーはおでこの広い人に、唐沢寿明は一九分けの人でとにかくかっこいい人を認めないという姿勢は貫かれている。

まあ、基本的に人はかっこ悪く、どうにか、こうにか生きているという話なので、それぞれの人格ははてしなくステレオタイプ。篠原涼子はコールガールだし、戸田恵子は敏腕。そして松たか子は「片付けられない女は認めないが平気で人のアクセサリーは身につける」政治家の昔の恋人である。で、とにかく、YOUは歌がそこそこ上手だ。ということだ。

役所は申し分のない副支配人なのだが、譲れない一点を持っていて「新年最初のお客様は自分が迎えたい」ということ。終盤にふられ、それがオチとして設定されている。

現在、この方式のひとつの到達点は『ER』だと思う。、眠くなってしまうという点で遠く及ばないが、唐沢が変装の上に変装するという乗せ方は楽屋落ちとしてはおしゃれだと思う。しかし、劇的にはただ変装しているだけなので笑いには至らない。けれども今の日本のショービジネスのシステムではこれ以上は望めないのだとも思います。

いくつかのアイテムが話をつなぐための役割を果たす。香取がプレゼントしたすべてのもの。アヒル。そして篠原のケータイ。こういう小道具の使い方は達人です。

元・劇団四季の堀内敬子は重要な役だが、このメンバーに囲まれるといかにも地味で浮いていた。ちょっとかわいそうかな。キャスティング的には唯一のミスだろう。

大晦日だって次の日は明日にすぎないのだが、そうではないと思える虚構を作るのは素敵なこと。キッドは恒例が大好きだから。この手の映画が毎年あるといいなと思う。

臨場感を楽しむ作品なので映画館で楽しむのがベストだろう。次にDVD。CMが入ると気がそがれる典型的な作品。ま、この人が視聴率をとれないひとつの理由なのだな。NHKでもとれなかったが、まだそこそこ面白さがつたわったと思うし。

月曜日に見る予定のテレビ『相棒V元旦スペシャル』(テレビ朝日)

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2006年12月30日 (土)

私はこうして芸能界を生き抜いてきました。(浅野ゆう子)私もその覚悟です。(深田恭子)

本当は大奥の世界ですけど。キッドの耳にはそう聞こえたのです。とりあえず、日テレが劇場版の前編を劇場版の後編に合わせてオンエアするかと思えば(デスノート)、劇場版の公開中に関連スペシャル版をオンエアするフジテレビ。しのぎをけずるアイディア合戦ですね。

レビューをしていると年末のテレビは奔流のごとく、すさまじく、あれよあれよと2006年も暮れてくのです。

で、『金曜プレステージ・大奥・もうひとつの物語』(フジテレビ061229PM9~)脚本・尾崎将也、演出・葉山浩樹を見た。脚本家は今年でデビュー15年ぐらいだが、『結婚できない男』でクリーンヒットをとばし、ここ。平成版『大奥』の流れに乗り、映画の番宣の使命を背負いながら、きっちりと年頃の男女の恋愛をまとめあげました。

年頃の男女が恋をする物語が新鮮・・・って困った世の中ですけどね。主演は深田恭子だが、恋の主役は貫地谷しほりと吉沢悠(1985-1978=7)である。深キョンは身分の低い女中役。自ら忍ぶ恋をしているので側室と町人の身分違いの恋のキューピッド役を勤めるという設定である。

富豪刑事デラックス以来なので禁断症状の出ていたキッドは新人女中としていびられるおまん(深田)を堪能しましたーっ。欲を言えば、一時間以上も女中姿だけで、ピンクの着物バージョンの深キョンがもう少し早く欲しかった。まあ、大奥の演出美学から言えば当然の展開ですけどっ。大奥の奥女中トリオ・大奥スリーアミーゴスの露出中心の展開もまあ、許せる範囲。

そして、顔見せ興行的にくりだされる大奥歴代メンバーの数々。高島礼子、松下由樹。木村多江。映画版から井川遥。しかし、大奥の主役は滝川(浅野ゆう子)である。将軍暗殺の陰謀が忍ぶ恋に組み込まれ、話の途中では滝川様、甘すぎますの危惧が高まるのだが、おまんが鈴を鳴らし、二人が心中。そして滝川がおまんと自分の因縁を語ることできれいに辻褄をまとめあげたのはなかなかに剛腕である。

キッドとしては最後の最後で深田恭子が「そんなことでめげちゃダメ」とエールを送る新たなる新人女中が星野真里だったのがなんだかとてもうれしかった。時々、眠くなる展開もあるのだが、豪華絢爛な女絵巻のファンタジー。末永く続けてもらいたいです。

星野真里は2003年版で篤子(菅野美穂)の奥女中、2004年版でお万(瀬戸朝香)の奥女中なのであった。ついでに今年は「山奥~豚の乱」が生まれ消え去った年でもあったことを一応、記録に止めておくよ。山ちゃん。

日曜日に見る予定のテレビ『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 大晦日年越しスペシャル絶対に笑ってはいけない警察24時!! 』(日本テレビ)

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2006年12月29日 (金)

年末なのでいろいろゴタゴタしています。

・・・というわけでレビューの仮記事です。

なんにもないのもあれなんでろーじーさんでも。ろーじーずカンパニーの楽器運搬トレーラーとろーじー様。

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がばすいとぉー。(新庄剛志) 

がばすいとぉー。(黒木瞳)

というわけで、本題である。写真と記事内容にはまったく関連がないので念のため。企画は三つそろえるのが基本だが、「原田知世と松山ケンイチ」「麻生祐未と小泉孝太郎」に続いて年上の人シリーズ。流れというものはそういう目でみれぱ必ずある。

黒木瞳と新庄は同郷の出身。1972-1960=12なので30すぎた男が女子大生とつきあうようなもので・・・もういいんじゃないか。そりゃ、あこがれの女優さんだもの。五木寛之、黒木、新庄、田中麗奈と続く久留米とか八女とか黒木町のライン。おそるべし。

で、『とんねるずの皆さんのおかげでした・年末特大SP』(フジテレビ061228PM9~)企画・石橋貴明・木梨憲武、構成・秋元康(他)、演出・太田一平を見た。『新・食わず嫌い王決定戦』の二連打である。今年後半のトッププレイヤーである新庄を迎えたので充分に持つためざっくりとした構成になっている。場つなぎとしてミニコント『オレとやはぎと、ときどき、アンザイ』が挿入される。食わず嫌いは「食」をテーマに「食わず嫌い」、「にらめっこ」といったいくつかの日常的要素と「旬のゲスト」という非常にシンプルとした作り。なんとなく「恋愛」よりも「食」の方が長持ちするのだなぁと思う。ゲストもタレントが王道だが、素人参加の魅力を一人で背負うのがアンザイくんである。キッドも知らない人を見る目でこのコントを見てみたかったなあ。それにしてもアンザイくん。芸風が磨かれましたねっと。アドリブきかない風も素晴らしかった。

一組目は黒木がキャビア、レバーペースト、トリッパ、たけのこの煮物。新庄がとんこつラーメン、たまごかけごはん、おはぎ、メロンパン。同郷のよしみで方言爆発展開。日本シリーズの泣きまね展開、新庄ガバスイトォー(とっても好きです)展開で押し切った。結果は第1答で「たけのこ」「おはぎ」が正解。黒木瞳と新庄のラブロマンスか・・・。ちょっと面白い・・・かな。

そして二組目はついに逆転。「長澤まさみVS唐沢寿明」だった。1987-1963=24なので30過ぎた男が幼稚園児を・・・逮捕である。とにかく、ようやく、年上の男と年下の女のパターンになったのだな。とんねるずをあわせると三人のオヤジに囲まれた長澤まさみ、オニオングラタンのチーズをなめあげるしぐさにつっこまれ、可憐である。最近、有名なゴンへの初恋ネタもスルー。捏造か。東宝芸能か。単にネタだからか。・・・オヤジである。

二人が共演するドラマ「明智光秀~神に愛されなかった男」の番宣出演なのであるがパスタについて「ゲッティー」派か「スパ」派か、領収書は落ちるのか、口説かないでくださいなどととんねるずもサービスした。第二答でサーロインステーキとオニグラが当たり引き分けだったが罰ゲーム。キョンキョンと同じくらい顔が小さく、山口智子のすごいところを家でみているし、アルコール度数150度のありえないほどの強さの酒を飲むという唐沢はショッカーの怪人役を披露。長澤まさみは小倉優子のものまねをした。

忘年会の夜。少子高齢化の進む日本では若者をオヤジが囲むこの情景が死ぬほど量産されたのであろうか。

関連するキッドのブログ『沢尻エリカVS加藤茶

土曜日に見る予定のテレビ『土曜プレミアム・THE 有頂天ホテル』(フジテレビ)

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2006年12月28日 (木)

追い詰めないでください。何をするかわかりませんよ。(麻生祐未)

連日の年上の女、年下の男の恋である。原田知世・松山ケンイチペアより年齢的に上の二人であり、不倫になってしまった。お相手は小泉孝太郎(1978)なので1978-1964=14で少し歳の差が縮小した。ま、そんな計算にはあまり意味がないですけど。30を過ぎた男が中学生と付き合うようになった程度である。

原作は結構、パクリターゲットであると思う。若い男と美女、そして年老いてどちらかと言えば醜い夫の三角関係。様々な模倣が成立するので、またかよ。と思われる人も多いだろうが、原作が1959~60年発なので、それ以降のこれはこちらが本家なのである。

原作者はどちらかと言えば美男子ではなかったので美男美女に対する憧憬と嫉視は情熱と冷徹で語られる。もちろん、けして二人を幸せにしたりしない。キッドとしてはそこが面白いのである。

で、『松本清張ドラマスペシャル・波の塔』(TBSテレビ061227PM9~)脚本・竹山洋、演出・大岡進を見た。かっては加賀まりこ(1974「銀河テレビ小説」版)もやったヒロインが青木ケ原で自殺するのだが、この作品によって自殺の名所であることの周知がなされたとも言われる。キッドとしてはそこもちょっと面白い。

ああ、いきなりネタバレじゃないか。っていうか、この作品は死ぬほどリメイクされているのでしょうがないじゃないかと思う。知らない方がバカなのだ。・・・それは言いすぎ。

ドラマはナレーション(蟹江敬三)がちょっと異様だったことを覗いては麻生祐美がラブシーンや入浴シーンを展開し、その美しさを見せ付ける展開。とにかく、冒頭の偶然の連鎖をのぞけば、若い検事とインサイダー取引事件の黒幕の妻とが、それと知らず不倫関係になり、家宅捜索で対面してしまうという話である。周辺をかぎまわるどちらかと言えば美男でない新聞記者を武というか、棚田というか、辺見なのだが田口浩正が演じている。

寝取られ男・朝倉は津川雅彦。検事の上司に柳葉敏郎。灰色役人に風間杜夫。その妻・中田喜子、娘・高橋かおり、朝倉の愛人に小松千春、江波杏子と豪華な布陣。特に朝倉は原作よりも大きく複雑な男に仕上がっている。まあ津川さん的にだが。

メロドラマのサスペンスなのか、サスペンスのメロドラマなのかと考えると、まあ、燃えるような愛はそれなりに燃える理由がいるのであるという結論に至る。

季節はずれの赤い薔薇が一輪。麻生から小泉へ、小泉から津川へとリレーされ、津川は取調べ室で花びらを握りつぶし、面会に来た妻の前で顔をおおい「狂い咲き」とつぶやくのである。

正体を明かさない年上の女との恋に溺れる若者。女は若者のために死を決意する。思い出の場所・京都で女を待つ若者はそれを悟り、「死なないでーっ」と叫ぶのだが、女は富士の樹海で静かに朽ち果てていく。甘美である。

麻生祐未の美女ヴァージョン。コミカルの麻生の方がキッドは好きだが、こういうことができるから、コミカルが光るのである。小泉は芸達者な夫婦の間で翻弄される役柄で精一杯清々しかったと思います。作品としてはまあ、昼メロで延々とやれる素材なので名場面集という感じはしましたけど。

関連するキッドのブログ『モロボシ・ダンVSキケロのジョー

金曜日に見る予定のテレビ『大奥スペシャル・もうひとつの物語』(フジテレビ)深キョンのおまん(女中)である。深夜には『怨み屋本舗ベストセレクション』から『恋の門』(テレビ東京)の強力リレーがあり、『ピンポン』(TBSテレビ)もある。年の瀬って感じ。

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2006年12月27日 (水)

1967年生まれですけど何か問題でも?(原田知世)

いや、いいんですけど。小鹿のバンビちゃん。いつまでも若く、いつまでも美しくって・・・やはり少し罪かな。

ともかく、キッドとしては『役者魂!・最終回』よりも『Happy!2』よりも『その5分前』を選んでしまったのですが・・・。

『役者魂!・最終回』(フジテレビ)は可もなく、不可もなく、松たかこは美しく、また一人になって、そして社長のマネージャーとなった。なんだろう。悪くないのだけど、良くもない・・・この感じ。たとえば最後社長は役者になってわがまま放題。松を困らせるのだが、その場面で笑わせない。なんとなく終るのである。そういうのもアリだとは思うが、エンターティメントとしてはつまらないと考えます。スタッフは満足なのかもしれないが。

『Happy!2』(TBSテレビ)はこのブログのドラマレビューの冒頭を飾る作品の続編である。相武紗季は『アテンションプリーズ』で株をあげ、『レガッタ』で株をさげた。それは本人の責任とは言えない側面もあるのだが、タレントは矢面に立つからタレントなのである。得るものが大きければ失うものも大きい。これはこの世界の鉄則なのだな。ただし、継続さえしていれば、失ったものも大きく返ってくることもある。そういう意味でほぼ春、夏、秋という三つの季節をくぐりぬけ、本格的な冬の訪れに『Happy!』の幸を演じることは中々に趣きがあるのだなぁ。ささやかな勝利を得て、次のステップへ。という物語がまた渋いではないか。新たなる戦いを提示して続くというのは『役者魂!』に比べればはるかにオチとして成立している。しかし、それならばレビューも次回(あるにしろないにしろ)でいいかという気分になりました。

で、『ミニドラマ・その5分前・或る夜の出来事』(NHK総合061226PM1055~)脚本・マギー、演出・川野秀昭を見た。新番組である。帯で五分間のオムニバスドラマ。「かけがえのない一瞬までの五分間を描く」という趣向。24時間を24時間で描くの5分版という発想なのであろうね。ま、アイディア勝負の役者頼りということになると思うがなにしろ5分だからハズレでもいいかと見る気になる。5分でも役者をそろえ、スタッフをそろえれば、それなりに予算はかかり、水増しできない分、どこかが苦しんでいないといいなぁと思うけど。

で、最初の夜は原田知世が演じる恋人のいないサトコ(35)とレンタルビデオ店の店員(20代前半・松山ケンイチ)との、まあ、恋の話である。

松山ケンイチといえばデスノートのL/竜崎であり、ま、非常に魅力的な若者である。キッドはデスノートという素材をそれほど高く評価しないが、L/竜崎を演じる松山ケンイチはかなり高く評価する。彼と原田知世の恋。おいおい、5分ですます話かっと思うほどの豪華なキャスティングだ。ブログで個人的な誰かに語りかけるのは一般論としてあまり得策ではないが、もう何回もやっているので、あえてやると、そう思うでしょ? ヤマト様。

ま、5分なので、語りだすと全部語ってしまうことになるが、とにかく、閉店時間間際の店でいつも恋愛映画を店員に選んでもらっていた独身女性が店員になんとなく恋をしていてその夜を最後に店員が辞めるというので動揺のあげく告白してしまうという話だ。

アイディアとして会話が「恋愛映画」のタイトルで進行していく遊びがある。「アパートの鍵貸します」で始まり「月の輝く夜に」「恋人たちの予感」で終るという感じだ。ただし、オチの方は声にならない声で表現される。

お話としてはそれだけだが、とにかく、主演が原田知世であるからあっという間の五分間である。ウソだろ。いつまでもセーラー服を着れそうだなぁっていっても限度があるだろう。何故だ何故年をとらないのだーっと神秘的な彼女に見とれている間に5分なんか、たやすく過ぎてしまうのである。原田・松山のカップルにまったく違和感なーし。それってファンタジーだよなぁ。松山1985生まれ。85-67=18なんだけどなぁ。30過ぎた男が女子小学生を口説いたら犯罪だけどなーっ。でもそういう計算は無意味だよなあ。いや、第五夜のキャスティングが夏八木勲と福田麻由子なので・・・まさか恋の話じゃないよな。

ともかく、見逃した人ーっ。ちょっぴりもったいなかったかもーっ。

関連するキッドのブログ『家族・セーラー服と機関銃VSデスノート

木曜日に見る予定のテレビ『とんねるずの皆さんのおかげてした・年末特大スペシャル』(フジテレビ)

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★『H☆C』沖縄メンソーレドーム握手会フィナーレ!

Hcakushousaka003okinawa02_1 ★2006年、12月中旬。沖縄の海岸付近に急遽建築されたドーム。(収容人員4万人)その建築現場にお気楽プロ社長、お気楽様とH☆C専属ローディーのろーじー様を発見。

お気楽「これって間に合うのかな?」ろーじー「♪のだめのどあめ~」

Hcakushousaka003okinawa09_1 ★12月23日。沖縄にH☆C上陸。スタッフのads(あず)様、ikasama4様、そしてファンクラブ会長のあんぱんち様と観光しているところをキャッチ。

なんとなくあやしい集団と思えないこともない。トリプルデートなのかっ。

Hcakushousaka003okinawa11_1 ★その後、ランちゃんはスーちゃんを誘って例の映画の22回目の鑑賞。

ラン「でね、ダーがね、あそこから、素敵なの。でね、ダーはね。すごくかっこよくてー。でね。ダーが素晴らしいのよ。もうね。最高なのね。でね。ダーがさあ・・・」スー「うん・・・・うんうん・・・・・うん・・・・・」

Hcakushousaka003okinawa04_1 ★12月24日クリスマスイブ。関係者の心配を払拭してドーム完成。すでに周囲は「H☆C全国縦断握手会フィナーレ&カーニバルin沖縄メンソーレドーム」の参加者で包囲されていた。

そして内部では最終リハーサルも終了。入場開始直前である。

Hcakushousaka003okinawa05_1 ★ドーム内通路で東京朝茶新聞の記者mari様が、H☆C記事の取材中。

mari「ここが最前列のようです。いつから並んでいるんですか?」翠「ずーっと。ポイントはそこっ」mari「誰のファン?」翠「みーんな、ポイントだからデスーっ」

Hcakushousaka003okinawa08_1 ★リハーサルを終えたH☆Cランちゃん(アンナ様)にmari様がインタビュー。mari「今回の握手会フィナーレ、みどころはどこですか?」

ラン「もー、全部、でね、ダーがね、目が不自由になってね、でね・・・」

Hcakushousaka003okinawa15_1 ★全国を縦断した握手会もいよいよクライマックス。例によって最初の握手はH☆C親衛隊(非公認)隊長翠様。H☆Cハウスを順番に訪問して握手ができる新方式。あんぱんち様は二番手。mari様は取材特権をいかして割り込んだらしい。順番を待つファンたちからも「ランちゃーん」「スー様~」「ミキハウスーって」などとエールがあがる。

Hcakushousaka003okinawa16_1 ★長時間に渡る握手会。握手を終えたファンたちは観客席に戻り、H☆Cとファンとの握手を見守りつつ、応援。H☆Cのがんばりにファンたちのボルテージもあがっていく。時々「のだめのどあめ~」の合唱も。

観客席の中に素顔のあんぱんち様を発見。キャラクターもできあがっているのにこうして登場するのは受けるからなのだ。

Hcakushousaka003okinawa07_1 ★12時間におよんだ握手会もついにフィナーレへ。

空中高く登場したH☆Cメンバーに会場からは『でびぅ』コール。スーちゃんが「まだまだおあずけよ~」というと大歓声。ランちゃんは「これ。一度やってみたかったの」ミキちゃん「ダーとおんなじ奴だもんね」で場内爆笑。

Hcakushousaka003okinawa10_1 ★12月25日、疲れ知らずのH☆Cメンバーをプライベートビーチで発見。スーちゃんのピンクのロールスロイスを波打ち際で無免許爆走させたミキちゃん(まこ様)とファン1号の翠ちゃんなのだが・・・。

翠「ミキ先輩、動かなくなっちゃいましたー、はぅん」ミキ「やばっ、ずらかるぜっ、はぅーん」

Hcakushousaka003okinawa13_1 ★愛車ピンクのロールスロイス(英国人運転手付・推定7千万円)の惨状も知らずにうまいものツアー中のスーちゃん(かりん様)とお気楽社長&ろーじー様。スー「この店はうまかったーっ」お気楽「ね、そろそろ・・・」スー「まだまだ、究極のラーメンはこんなもんじゃないはず」ろーじー「酒もなーっ」

Hcakushousaka003okinawa14_1 ★こうして、06年、H☆Cクリスマス全国縦断握手会は全日程を無事終了した。暮れ行く夕日。暮れ行く2006年。

海岸では怪しい老人が今日も妄想業務に励むのだった。「回収作業開始せよ。どうぞ」「・・・こちらHS17。ラジャー」

★来年が皆様にとって素晴らしい一年になりますように。

★H☆C応援本部本格始動。くわしくはこちらへ。   

「平成キャンディーズ(H☆C)」プロジェクト・応援本部 in あずスタ

★H☆Cはお正月をハワイで過ごす予定です。水着撮影会あります。

(※記事の内容はキッドの妄想が責任を転嫁します)

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2006年12月26日 (火)

上野樹里と玉木宏と岩佐真悠子と高瀬友規奈と上原美佐と及川光博と豊原功補と西村雅彦と宮崎美子と岩松了と扇風機と瑛太と水川あさみとサエコと小出恵介とのだめとオレ様。

トレビアン。大川の特上寿司。ミルヒー&ミーナ。そしてツーショットのストップモーション。

恒例の週末の視聴率チェック。・・・はナシよ。

で、『のだめカンタービレ・Last Lesson』(フジテレビ061225PM9~)原作・二ノ宮知子、脚本・衛藤凛、音楽・服部隆之、音楽監修・茂木大輔、演出・武内英樹を見た。開始から25分で千秋とのだめがゴール・イン。それからエピローグが25分。そしてエンディングはサラサーテ「カルメン幻想曲」、ホルスト「惑星~木製」ベートーヴェン「交響曲第七番』、そしてガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」・・・クリスマスの夜にマングースはサンタクロース。序破急の三段構成見事なり。15分拡大。

「で、オレ様とのだめは破局・・・ってつきあってねーっ。とにかく、あわただしく過ぎる師走の日々。失意の日々を通り抜けて、オレ様は旅立ちの日へむかって準備をすすめていた。赤き唇生々しいミッチーはまるで我がことのように、世話をしてくれた、偉大な音楽家をとりまく人間が才能にひれ伏し、道を開くことを無上の喜びとするために。しかし、オレ様の心にはぽっかり開いた空白が。クラブハウスサンドイッチのベーコン、チーズ、トマトの仄かな温もりでも癒されぬ喪失感。先週あたりから気配りの達人と化した峰がオレ様の背中を押す。オレ様がひれ伏すのか。それほど偉大なる才能なのか。あののだめが。ああ、認めよう。変態の森に住む音楽の妖精にオレ様のハートはメロメロなのさ。のだめがいなければオレ様の心は死んでしまうのさ。行くしかないだろう。月9なんだし。最後の最後にホットなラブシーンを決めてやる。飛行機を逃れ、新幹線で九州へ。にぎりしめたプリリンのケータイストラップ。これでのだめを落としてみせる。・・・しかし、その頃、わが歌い手は不良債権、こたつに扇風機。ろくでもない家族に責めたてられ、川面を見つめ、口笛吹いて→ピアノに向かい→おばあちゃんが拍手喝采→故郷に癒され→ふっかーつ。ああ、運命のすれちがい、反対、反対じゃない。背中から抱きしめてメリークリスマス。オレ様は二度ふられない。燃え上がる夕日。ああ、オレ様のスカーレット。ここはアトランタなのか。お父さん。あへーって、気絶だ。気絶するしかない。白目でゴー。やってきましたのだめファミリー。第一ラウンド。しつこいようだが、弟が映るたびに扇風機。今、何月なんだっ。片付けるだろ。普通。いや、のだめの一族が普通のワケはない。彼って二点目って。ああ、流れだ。急流に巻き込まれ、峰が清良とおしゃれな会話を決めてる頃に魔境大川の夜はふけて、オレ様はどこで誰とどんな一夜を過ごしたのだーっ。パリとプラハの遠距離恋愛の説明も快調にのだめを連れ出すスピード感も抜群に。しかし、タイだ。なんの祝いだ。オレ様の「めでたくないし」の遠いフリオチ。そして明かされるのだめの子供の時の傷。親父の発情。ああ、オレ様はなにかとてつもない間違いをしているのではないのか。ああ、メジャーがオレ様にまとわりつく、あたかも高橋クンが真澄に縛られてなんだかうれしそうなのと同じように。コペルニクス的展開で、SとMとは逆転し・・・ラー油レディーっで止めをさされ、オレはオレ様はこたつだこたつだこたつだなぜ扇風機だこたつだ・・・そして華麗なるエンディングへ。教育者たちの為すべきは恩恵を忘れた頃に役立つはずと感謝の言葉もないほどに憎まれ役をかって出る。オレ様の高校時代のヴァイオリン教師はカツラだった。つまり、ヅラ→ハリセン→ヅラという回帰線。ああ、オレ様にそそぎこまれた情報がすべて無駄になりませんように。音楽の神がいるなら、その神に身も心も捧げていく。ああ、まぐわう、オレ様と清良、オレ様と峰、オレ様と真澄・・・楽しい音楽の時間をありがとう。拍手をありがとう。編集間にあって良かったよ。ああ、ギリギリの今できる限りのすべての力をつくすこと・・・もう泣いてもいいか。流れるな涙心で止まれといっても止まらない。だってお前ら、みんなこんなに泣いているじゃないか。そして、オレ様とのだめに続編はあるのか、ないのか、ロシアのギャルは待っているのか。いないのか。パリのアパートは見れるのか、見れないのか。すべては今夜の視聴率しだいなのか・・・」

あくまで原作に忠実に。かつ、時々、軽やかに原作を越えた本年度、最高のドラマ。ついに完結である。すべてが出来うる最高の努力の成果。最終回では黒田知永子までが普通の演技に見えなくもない演技を。無理矢理はめこまれた彩子までもがなんだか面白い。

ああ、由衣子よ、由衣子。お前なしでどうして千秋はコンテストを勝ち抜けることができるでしょう。スペシャルやるならどうか、失われた三善一族を復活再現してください。と原作ネタバレの垂れ流し、待ち遠しいのはのだめ17巻。来年、2月までは死ねない。さようなら、のだめカンタービレ。そして真っ赤なルビー。食べてみたいな清良の真っ赤なチャーハン。あるいは峰の親子丼。「さらば、のだめの諸君・・・ブラボー」

関連するキッドのブログ『Lesson10

ああ、来週、のだめはないのですね。正月ですか。そうですか。・・・そげなーーーっ。(ドラマ『リモート』の玉木宏のセリフより)のだめカンタービレ最終回視聴率21.7%・・・ブラボー!(デスラー)

水曜日に見る予定のテレビ『松本清張ドラマスペシャル・波の塔』(TBSドラマ)

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2006年12月25日 (月)

ライオン丸がピンチの時にタイガージョーの救援が遅すぎる事には理由があります。

とにかく、クリスマスイブ→クリスマスというテレビはがんばったと思う。ナイナイもサラリーマンも北の侍たちもがんばった。しかし、キッドのプログ的には『ライオン丸G』なのだなぁ。みんなが聖なる赤い衣を身にまとい・・・血まみれですけどね、ジョーもやることやってパーフェクトではないけれど2006年一番精一杯の人グランプリは大根仁監督に捧げたい。ま、今年はまだ終ってないけど。

で、『ライオン丸G・最終回』(テレビ東京061225AM2~)原作・うしおそうじ、脚本・監督・大根仁(他)を見た。シリーズ序盤で『傷だらけの天使』をくさすこの物語。オサムとアキラで生き残るのはオサムだが。アキラ死亡の喪失感をもはや楽しめなくなった自分へのいらだちがあったのだろうか。それとも情報の蓄積により失われたシェーマのずれへの哀悼か。またくりかえした尾崎おちょくりは情熱の尾崎への情熱の手のひらこぼれおちてしまう覚醒への怨みか。まあ、自分に裏切られることも楽しんでしまえばいいのです。こんな風にしか表現できない愛もあるのですから。

さあ、素人拒絶文脈展開もほどほどに。ついに豪山(ゴーサン)の手から奪い返したギンサチ・キンサチ、果心居士救出へと向かおうとする獅子丸(波岡一喜)に「待った」をかける錠之介(大田恭臣)「ライオン丸とタイガージョーが力をあわせなけば勝てない」と云われ腕立て伏せを始める即席特訓展開。

最後までふざけたやり口は続くのだった。まさに継続はお宝なり。

さあ、来いと手薬煉引いて待つ豪山。待ち人来たらずに辛抱たまらず、シャドーを派遣。

始まりました大殺戮。まずは「獅子丸とやりたい」「3P狙い」のハルナとハルカのハリセンボン。グフッと口から血を吐けば、背中にナイフが刺さってる。どうせ刺すなら刺す場所が他にもあろうが、メチャクチャの限度がありますオブラート。自分を抑える術も知り、ギリギリ留まるこの一線。蘭丸(設楽)も京介もオーナー亜仁丸(高山猛久)もみんな仲良く真っ赤なサンタさん。オザキ(山岸拓生)も腐ったみかんだらけのマスター(ひかる一平も)も関係者一同容赦なくぶっ殺されました。

おびき出す餌を殺害してしまうという本末転倒の果てに、罠を仕掛けた本人が瀕死の果心居士を投げ込み、隠れ家強襲。話早し。「両親を殺したのは豪山」と錠之介に告げ息を引き取る果心居士。

由緒正しい復讐の名乗りも惜しんでW変身。さあ。クライマックス。倒せ、大魔王。おうおう、やっぱりチャイニーズゴーストストーリーの香り漂うせつないアクション。ああ、ライオン丸がマジで戦ってる。マジでーっ。

まわります、とびます、おどります。しかし、流石は大魔王。痛恨の一撃でタイガージョーの変身解除。そうか、いよいよ、最後は主人公が一騎打ちなのか。しかし、ライオン丸も痛恨の一撃、変身解除。やはり果心居士の遺言通り、力を合わせて戦うのか、復活のタイガージョーがかけつける・・・かけつけて・・・おーい、来ないのかー、・・・なんだよ、名残りおしんでんのかよー・・・来たーっ・・・・えーっ、特攻死なばもろともーっ。残されたのは腕一本・・・いえいえ、しっかり子種も残してましたーっ。

最後のセリフ担当。サオリ(小林恵美)「それにしてもジョーさん早かったな。ありゃ、初めてだったな・・・」(完)

関連するキッドのブログ『最終回直前の巻

やりたい放題やりきりました。そんなライオン丸Gを愛する皆様へ。メリークリスマス。

キッドは今夜うっかり脱いで放置したマフラーを紛失し首元が寒いのですが、マント付の戦闘も一回くらい見たかったのです。マントでシャドーの手裏剣を叩き落とすとか・・・を。ま、いきなり脱いじゃうのもキライじゃないけどーっ。

火曜日に見る予定のテレビ『役者魂・最終回』(フジテレビ)か『Happy!②』(TBSテレビ)・・・・いや、『ミニドラマ・その5分前・或る夜の出来事』(NHK総合)だって原田知世なんだもん。

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2006年12月24日 (日)

約束なんか最初から信じなきゃよかった。(入江紗綾)

「・・・・・・・・・・」(岩田さゆり)でも良かったのだが、さらに言うならば「その場しのぎでいいじゃない」(樋口可南子)でも良かったのだが、さらにさらに言うならばディロン、ハッピー、アリスでも良かったのだが、まあ、クリスマスイブになったことだし、せっかくケーキを用意してお父さんを待っていたのに父帰らずで待ちくたびれて眠ってしまった少女に敬意を表してこのタイトルになりました。

で、『土曜ドラマスペシャル・ディロン・クリスマスの約束』(NHK総合061223PM9~)原案・いのうえこみち、脚本・寺田敏雄、演出・岡崎栄を見た。『ディロン~運命の犬』(06)の特別編である。ディロンは介護犬の名前で人の心を読む超能力犬でもある。この他に普通の介護犬ハッピーや、普通の犬アリスも登場する。ディロンは壊れたり壊れかかった人の心を癒す。飼い主の麻利(樋口)も癒された口。夫(大杉漣)はかって犬嫌いだったがディロンの洗脳により今では犬好きに精神改造されている。

どのぐらい洗脳されているかというと、保健所の犬保護センターにボランティアに行き、飼い犬を引き取りにきた飼い主母娘と遭遇。「こっちの犬の方が可愛いよ」「じゃ、こっちの犬を引き取ってウチのはちゃんと処分してもらおうか」という見知らぬ娘と母の会話に「いいい犬のいいい命をななな何だと思ってんだーっ」と激怒するほどなのである。

さて、ディロンと麻利は山村留学先で母親が引き取りに来ないで落ち込んでいる小学生を励ますために出動。たちまち子供を癒してしまう。ここから同行した看護助手(吉沢悠)との瞼の母展開。彼は幼い頃離婚のために生き別れになった生母が八ヶ岳で介護助手をしており、育ての母への遠慮や捨てられた恨みもあって会うかどうかを迷っていたのである。ディロンがコントロールして結局、生みの母(市毛良枝)との再会を果たすのだが、母の職場前で迷う。母の働きぶりを見て迷う。母と会話して迷う。母と犬の散歩をして迷う。ここで母は息子がいることを明かす。母のおにぎりを食べてついに決心。母に名乗りを上げるのだが、その前に抱きついてしまう。母もそれと悟り抱擁。待たされたけどさすがに涙が止まらない。ディロン。ありがとう。ご褒美にホワイトクリスマスだ。

関連するキッドのブログ『こわれた樋口可南子とセラピー犬。』

で、『地獄少女・第8話・聖夜の奇跡』(日本テレビ061224AM0135~)原案・わたなべひろし、脚本・森山あけみ、演出・長沼誠を見た。テレビアニメ企画→漫画→テレビアニメ→実写版ドラマという紆余曲折を経て実現した変り種作品。今夜は特に変り種である。

地獄少女は閻魔あい(岩田)で人の怨みをはらす手伝いをする。ただし、依頼人もターゲットも「人を呪わば穴二つ」方式で地獄送りにする。依頼人はインターネット・サイト「地獄通信」にアクセスする。あいから赤い糸が結ばれた呪いの藁人形が届く。この糸をほどくと依頼完了。呪われたターゲットは即効で地獄に流される。ここでは地獄は現実世界にリンクしており、一般人もターゲットが突然消滅するのを目撃することができる。依頼人は寿命まで生き、死ぬと同時にあいの棹差す地獄の渡し舟に乗船する。ターゲットが寿命を削られるのでその分「怨みを晴らした感」がある。

あいから「罪に溺れし業の魂、いっぺん死んでみる?」と告げられたターゲットは気がつくと渡し舟に乗っている。そして「この怨み、地獄へ流します」というのが決まり文句。

あいには手下として一目連(加藤和樹)、骨女(杉本彩)、輪入道(小倉久寛)がいて、怨みを晴らすための盛り上げ役となる。

地獄の実在を前提としたフィクションだが、『スカイハイ』『デスノート』よりも『エコエコアザラク』や『ゲゲゲの鬼太郎』に近い世界観である。一般の人には感知できない存在だが縁あって雑誌記者(西村和彦)の娘の小学生つぐみ(入江)はあいの姿を感じることが出来る。

という基本設定で依頼人とターゲットで目先を変える一話完結なのだが今回は特別。インターネットが登場する前から地獄少女が存在していたことを物語る1編になっている。

クリスマスイブの夜。「ケーキを手作りするからキャンドルを買って早く帰ってきてね」とおねだりするつぐみ。しかし、例によって地獄少女を感知してしまう。それを聞いたパパは「地獄送りを止めさせる」は口実で特ダネを求めて町へ。

古本屋で「煉獄少女」という作品を発見したパパは作者(高松英郎)を発見。大滝警部からの情報で強姦殺人事件の被害者の遺族だと知る。真相を聞きだそうとするパパは娘との約束を破り、しつこく取材。停電。折りよく持っていたキャンドルをつけると作者は真相を語る。犯人はやはり地獄に流されていた。作者はアトリエへ。そこには巨大な地獄少女の絵姿が。ああ、岩田さゆり絵になるなぁ。そしてその瞳から涙が「わしのために泣いてくれるか・・・」そして作者絶命。

パパは行き着けの店のマスター(田中要次)に「待ちつかれて眠っちゃったよ」と叱られながら娘の寝顔に見入る。

というストーリーで三人の手下は出ないし、岩田の決めセリフもない。それどころか岩田はほとんどセリフなし。なかなかにおしゃれな展開だった。難を言うとこの展開では被害者は妻ではなく娘であった方がストレートだったな。

小学生Fカップ(推定)アイドルとして注目された紗綾(現在中学生)、とろ~りプリンの岩田さゆり、そしてエロスの女王杉本彩と妖しい魅力たっぷりのキャスティング。あともう少しで素晴らしい作品になるところを・・・いつもツメが甘いと思う。でも見ます。次回は1月6日深夜、ゲストは岩佐真悠子である。岩佐、レイナの後、ここか・・・。

関連するキッドのブログ『神秘的という意味で吉祥天キャストは可。』

地獄というフィクションは中々にしぶといな。消えそうで消えない。もちろん、地獄は実在するし、人々は罪を償う必要がある。地獄を信じられない人間は多いが、地獄がないことを証明することは誰にもできないのである。あることを証明したものがいないように。キッドも証明はしないが地獄が実在することは断言しておく。それにしてもクリスマスに相応しい話題・・・かな?

月曜日に見る予定のテレビ『のだめカンタービレ・最終回』(フジテレビ)

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2006年12月23日 (土)

朋江はその縁談をお受けしてしまいました。(宮沢りえ)

パーフェクトである。もはや、レビューの必要なし。以上・・・では終われないけれど、藤沢周平原作・山田洋次監督・真田広之主演で宮沢りえにこんなこと言われた日には何も言えません。

ま、「隠し剣 鬼の爪」(04)で永瀬正敏・松たか子が、「武士の一分」(06)で木村拓哉・壇れいと作品は続いていくのでこればかりをあまりパーフェクトというと問題があるのでどれもこれもパーフェクトだと言っておく。

そのぐらいパーフェクトである。

で、『金曜ロードショー・たそがれ清兵衛』(日本テレビ061222PM9~)原作・藤沢周平、脚本・朝間義隆(他)、監督・山田洋次を見た。原作は短編小説『たそがれ清兵衛』『竹光始末』『祝い人助八』の三篇。舞台は幕末の海坂藩(庄内藩をモデルとした藤沢作品御用達の架空の藩)であり、剣客ものと言える。

すでに故人である原作者の作品はほぼ読了しているキッドだが駄作にあたったことがない。非常に危険な作家である。今もこの映画を見てしまったために再読の欲望が疼き始めている。まず、「用心棒日月抄」から行ってみるかと誰かがささやくのである。まあ、一冊ぐらいならと手にとったら最後、続編、続々編、完結編と読んでしまい、蝉しぐれだの暗殺の年輪だの一茶だの止まらない汽車に1人飛び乗った状態になってしまう。

藤沢作品にはいくつか、パターンがあるが、まず、主人公が剣の達人であることが多い。そして、金に不自由している。つまり、貧乏な剣の達人なのである。そういう意味でたそがれ清兵衛は代表格と言っていいだろう。映画では真田広之と宮沢りえが男やもめと出戻り娘の恋を演じるのであるが、この恋がせつないのは主人公が貧乏であるという一点につきる。

米櫃をのぞくと米がないと分かる時の恐ろしさを語る敵役。勝負の前にお互いの貧乏自慢。まったく夢も希望もあったものではないのだが、なぜか、星降る夜に恋人たちがお互いの瞳に抱くようなロマンスに包まれるのである。まさに藤沢マジック。

そのサムライ像には黒沢明の『用心棒』や『七人の侍』に通じるものは確実にある。しかし、そこにしがないサラリーマンが絡んでくるのだった。藩という会社から絶対に逆らえない命令が下る、その命令は理不尽な場合がほとんどだ。しかも、命令されるのは最下級の、下の下の、パートタイマー扱いの従業員的身分保障のサムライたちなのである。そして彼らは、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び粛々と任務を遂行し、帰還する。時には命を落とす。やってられないよねぇ的な話なのにロマンチックで憧れさえ感じさせる。そんな奇跡のような作品・・・。ここにありますなのだ。

五十石は一家四人が食べるのがやっとという給料なのだが、海坂藩はいつも台所事情が苦しく、借り上げ米をする。まあ、税金のようなものだが、すると手取りが三十石である。一家四人は飢え死に必定なのだが、自給自足や内職などで食いつなぐ。出世というステップアップがないわけではないが基本は世襲である。五十石の家に生まれたものは五十石を継いでいかなければならない。加増よりも減収の恐れの方が大きい。この映画には出てこないのだが「やっかい叔父」というものがいる。五十石の家に生まれた次男三男は基本的に結婚できない。分家する余裕がないのだ。どこかで欠員が生じた場合のみ婿入りという手段で独立できるのである。そういう運がないと居候として「厄介者」としての生涯になってしまう。そういう世界である。

格式の高い家の娘に主人公が恋するのもパターンだが、たそがれもその口である。相手が百五十石なら、もう高嶺の花なのだ。朋江と清兵衛もその口でお互いに恋しながら格式の合った違う相手と結婚しなければならない。しかし妻を亡くしたやもめと夫と離縁した出戻りとして再会する。だからといってどうにかなるわけではない。身分を越えての友人である朋江の兄はそれでも縁談を清兵衛に持ちかけるが、清兵衛は受けることができない。なぜなら、夢を失うのがこわかったからだ。

しかし、お家騒動の後の粛清騒ぎの中、清兵衛は生死を懸けて死刑執行人を命ぜられる。しかも、相手は剣の達人で大人しく斬られるけではない。「死ぬかもしれない」可能性に清兵衛はついにプロボーズを口にするのだが朋江はタイトルのセリフを口にする。

決闘。リアルな殺陣である。キッドは幼少から十年ほど剣を修行して一瞬だがある境地に達したことがある。これは人を殺すための技術なのだという悟りである。その時、キッドは確実に人を殺すことができたと思う。しかし、すべては積み上げたあげくの一瞬のことである。一日おこたれば一日なまるのである。清兵衛も達人になった記憶はあるがそれを再現できるとは限らない。しかし、相手もまた最高の状態ではない。失意の底にあり、消耗し、酩酊している。達人と達人の戦い。それはどちらがどれだけ衰えているかの勝負になるのである。映画では清兵衛が竹光であることを知った敵(田中泯)が「愚弄するのか」とプライドを傷つけられたので勝負を始めたともとれるセリフがあるのだが、実は最初から心理戦を展開しているのでそれが口先だけのものと知れる。敵は清兵衛を油断させ、敵意を削ぐために会話をした。そして勝てると読んで勝負に出たのである。清兵衛が途中でなだめる口を使うのも戦術なのだ。お互いに自分が生き相手を殺すためにすべての力を使う。それが剣の道の本道だからである。リアルな殺陣というのはそういう意味だ。

そして・・・。ロマンチックなハッピーエンドがやってくる。映画ではかなり蛇足と思われる部分もあるが、大衆娯楽としてはこういう部分があってもよく、それが傑作であることを損ねるほどのものではないとキッドは考える。

深夜には『生物彗星WoO・第五話』(NHK総合061223AM0110~)脚本・岡野ゆうき、演出・川崎郷太を見た。ジュブナイルであるので、まあ、何がどうしたということはないのだが、今回、舞台は荒川区だし、拾ったアイ吉(ちびウルトラマン)を連れて防衛隊から逃げ回る少女は谷村美月なので、そこそこ楽しいのである。テイストとしてはテレビ東京深夜の平成『ウルトラQ』である。脚本はすべりまくり、演技も演出もものたりないが、ウルトラシリーズだから見なければならない。永島敏行、とよた真帆、黒谷友香、塚本晋也など脇役は真面目に演じている。今回は使徒もどきの造形の怪獣ゲルバイルとの対決がある。全十三回だが、6話は来年でそれ以後の放送予定は不明である。今回は女性自衛隊と婦人警官のコントがあり、笑えないが言いたいことは分かる。キッドとしては谷村美月がコインランドリーでゴミ袋を着ているのがツボでした。

日曜日に見る予定のテレビ『ナイナイクリスマス』(TBSテレビ)で『北の零年』(テレビ朝日)で『謎のホームページ サラリーマンNEO冬のスペシャル拡大版』(NHK総合)で『明石家サンタ』(フジテレビ)で『ライオン丸G最終回』(テレビ東京)のコースでクリスマスイブなのだが、・・・うっ、日テレが抜けている。レビューは未定です。

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2006年12月22日 (金)

「ついてないなぁ」(内山理名)VS「おもちをついてます」(蒼井優)

「コトーじゃ、まだまだかぁ」(大塚寧々)「握手してください」(柴咲コウ)でも良かったのだが松子にだって立場があるしなぁ。「あなたを待っています」(内山)VS「一緒に連れてってください」(蒼井)でもいいのだが、要潤VS筧利夫のバランスが・・・っていうか、しつこいようだがミナ、和田さんでいいのかーっ。ホントに。

まあ、どうしようもない戦いだったな。平均視聴率はここまでコトー21.8%VS松子*8.2%。先週なんかついにコトー23.0%VS松子*5.9%である。まさに「お客様」がついていないのであったな~。

それでも見てくれる人がいたんだよ。松子~。キッドも見たよ~。だけどコトーは余裕でもちついてたよ~。

で、『Dr.コトー診療所2006・最終回』(フジテレビ061221PM10~)原作・山田貴俊、脚本・吉田紀子、演出・中江功を見た。前回に続き、柴咲コウの生死をかける主役の回である。キッドとしては鬼太郎じゃなかった(ウエンツだったがそれはどうだろう)コトー(吉岡秀隆)VS鳴海先生(堺雅人)の回である。ああ、鳴海先生のネチネチした物言いにしびれるのはやはりMの気があるのですね。「キッドさん、世の中を甘くみない方がいい」などと言われたらキッドも少しは低姿勢で生きることができるかもしれん。

で、コトーは愛する彩佳(柴咲)の手術を、自ら執刀することになるのだが、反意を示す鳴海先生はコトーを自宅に連れ帰る。そこに待っていたのは動物というよりは植物になったような鳴海の妻だった。鳴海先生のために表現が穏便になっています。かって鳴海は周囲の反対を押しのけて愛する妻を手術したあげく失敗していたのだった。

「君はどう思う。妻は死んでいるのか。生きているのか」と鳴海節炸裂。コトーは答えに窮する。「家族と患者は違う。家族と医師も違うのだ。家族は家族を手術できないのだ」とたたみかける鳴海先生。しかし、コトーは彩佳の手術に踏み切る。

そして冷静さを失い、予期せぬ出血でパニック状態に。交代を申し出る鳴海。しかし、ここで交代してしまっては主人公ではないのでメスを渡さないコトー。「医者だ。医者になるんだ。コトー」と丹下段平のような鳴海先生の喝。無心の境地にいたったコトーは愛する人ではなく患者であるモードにスイッチが入り、手術は無事終了。本当の家族には見せられない密室の出来事だった。

もはや、どSはみかけだけになった実は優しい鳴海先生、精魂つきはてたコトーを激励。「君はこれまで島人を愛する家族だなどと言っていたが本当に愛する人にはこの始末だ。ちょっと言いすぎだったんじゃないの。それって偽善っぽいのですよ」・・・痛いところをつかれたコトーは本当の家族のお母さんに電話をかけて泣きつくのだった。

「まあ、元気なの。お母さんはいつもあなたのことばかり考えているのよ。元気なのね。元気ならいいのだけれど。本当に元気」と宮本信子ママはシークレットゲストとして顔をぼかしたままさすがの演技を披露。ああ、手をゆるめない攻撃だにゃー。

まあ、よくわからない展開を演技力で押し切りコトーは復活「答えましょう。人としてなら生きているし医師としても生きているです。そして奇跡にも絶対はないんです。僕も最近、奇跡体験しましたし、くわしいことはこちらのパンフ・・・」鳴海はこの野郎調子に乗るなよと思いつつ「島に帰るのだな」と凄むのだった。・・・絶対違うぞ。

茉莉子(大塚)の予想通り、「手を握る」のではなく「握手する」コトーと彩佳。中学生かよっ。そして恒例のコトー船でゲロを吐く。島ではもちつき大会。和田がミナのナンパに成功。さあ、もういつでも中島みゆきが歌っていい体制だが、スペシャル延長なので時間があまった手紙展開。でも、コトーの相手は東京留学中の原の息子だーっ。コトー。せ、せめて彩佳に書いてやってくれーっ。茉莉子なんとかせんかいーっ。彩佳、た、ためましたーっ。微笑みましたーっ。手製カレンダーの表紙をコトーとの2ショットで飾り、銀の龍降臨である。ま、いいかーっ。

で、『嫌われ松子の一生・最終回』(TBSテレビ061221PM10~)原作・山田宗樹、脚本・成瀬活雄、演出・酒井聖博も見た。いよいよ、最終段階。りりィの尼僧が宮本信子には対抗できないと思うが、キッド的にはなんかうれしい感じ。きっと鈴木えみは松子と要潤の娘だなぁと思わせる展開なのだが、物語でそれが明かされることはなかった。あくまで流産を主張するのである。哀れ、流産させられるために妊娠させられた子供。原作にないことをしても問題ないが意味あることにしてもらいたいのだなあ。

鈴木えみは妊娠したことを誰にも告げられずに悩んでいたが松子の人生を知ったことで出産を決意するというのだが、どう見ても小池栄子にそそのかされたとしか思えない。まあ、小池が松子の親友だから、松子なしではそうならなかったのだという理屈は通るけれどもね。理屈だけどね。

結局、覚醒剤の後遺症でフラッシュバックに苦しめられた50代を送る松子は愛するものたちへの貯金で貧しい生活を送り、老いさらばえる。すでに金さえだせば老化を遅らせる時代になっているので不気味に老いることのない小池栄子と不気味に老いてしまった松子との対比は納得できる。

原作ではホームレスと思われ若者に殺される松子だが、ドラマでは若者たちは松子を助けてくれる。犯人はマスクをした外人風の男たちだった。・・・この変更に何の意味があるのか。解読する気も起こらない展開である。スタッフはみんなシャブやってんじゃねえのとふと思うほどである。とにかく、松子は「お腹いたいから眠って元気になろう」と永遠の眠りにつく。この演技もいいので、後に墓参りにきた小池のセリフでうるっとすることができる。人を殺したら天国には行けないというのは間違いで悔い改めさえすれば天国に行けるので「天国でまってろよ」と小池が言っても笑ってはいけない。

こうして、松子の一生は終った。最後は幻想としてもう一つの別の世界の松子が描かれる。妹・久美(渡辺夏菜)は元気な高校生。父も母もほがらかに明るい松子は大人の龍(要)の自転車に乗って永遠の青春の彼方へ走り去るのである。なんじゃそりゃーっ。

関連するキッドのブログ『第9話』VS『第9話』

人の生死をめぐる問題で対抗した二つの物語。まあ、どちらもそれぞれに面白い部分がありました。松子の名演技とミナの可憐さ。キッドの心に残るのはこの二つです。うん、いい勝負だった・・・かな?

「009ノ1」「慶次郎縁側日記」なども最終回を迎えているのだが語る時間がなく残念だ。ま、それが限りある人生というものですれどね。

土曜日に見る予定のテレビ「たっ・・」は終ったのだな、『ディロン・クリスマスの約束』(NHK総合)か『地獄少女・聖夜の奇跡』(日本テレビ)どちらかクリスマスっぽい方で。・・・どういう基準?

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2006年12月21日 (木)

「そらはもう重いです」と志田未来は言った。

小学校の教師が「君たちが大人になるまでいくらかかるか計算してみよう」という授業をやっていた。小学校6年の時だった。教師にはキッドと同じ年齢の息子があり、きっと、家で計算してみて、いろいろなことを考えたのだろう。主旨は親のありがたさを教えることだったのだと思う。親のありがたさをお金に換算するあたりが微妙であるけれどなぁ。とまだまだ子供だったキッドは口元をゆがめた。

あれから世紀を越える年月が流れて、そんなことを思いつく教師は今もいるのだろうか。長島の息子は日テレの失敗したニュースショーのコメンテーターで「高齢化社会なんだから定年をひきあげるべきだ」という主旨のコメントを一分以上語るのにしどろもどろになっていたが、こんな程度の大人を作るためにも長島家では相当にお金を費やしたはずである。

先週で最終回でよかったこの番組がもう一回稼ぐことができるのは関係者にとって喜ばしいことだし、14才の母に反対の反対であるキッドが延長戦に望めるのもいいことかもしれない。ま、近所のおばさんのコントはやりすぎで面白すぎる気もしますけれど。

で、『14才の母・愛するために生まれてきた・最終回』(日本テレビ061220PM10~)脚本・井上由美子、演出・佐藤東弥を見た。結局、高度情報社会では職業選択に際し、ある程度の情報の蓄積が求められる。また社会生活を潤滑に行う上でも、ある程度の教養は必要だ。しかし、専門化した職業に就ける人数は限られているし、その中で指導的立場につける員数も限度がある。つまるところ、ほとんどの高等教育は無駄であるとも言える。

もちろん、柔道の世界チャンピオンだけが柔道をするのであれば柔道のチャンピオンは成立しないという問題があり、チャンピオンになれない人もそれなりに意義を見出して柔道をするのであり、ピアニストにならなくてもピアノを習いたければ習うのである。だから、高等教育が無駄になるとしても参加することには意義がある。

問題はだからといって14才が妊娠出産することは悪にはならないということなのだ。子供が宝くじのようなもので22才になる前にハズレであると分かったという程度にすぎない。浅田真央のように14才で当たりが判明することがあるし、12才で当たりだと思った加護ちゃんが18才になったらハズレだったりもする。

だからといってそれぞれの命の重さはかわらない。というのが大前提である。バカな親からはバカな子供しか生まれないとは限らないのが遺伝子の不思議である。優秀な親の優秀な子がいて、バカな親の優秀な子供がいて、優秀な親のバカな子がいて、バカな親のバカな子がいる。それが人間社会というものだ。

そして人間社会がもし優秀な人間を求めるならばある程度の数は生まなければならない。そういう意味で30才を過ぎても子供を生まない人間ばかりの社会は困った社会なのだが、・・・30才を過ぎても子供を生まない人間が困った存在とは言えないところが問題である。そういう意味で14才で子供を生む人間は社会にとっては排除対象どころか歓迎すべき存在である社会に極東の島国がすでになっていることを認識すべきだと思う。

ゆとり教育の問題点がいろいろと指摘されているが、義務教育はもっと情報を蓄積する時期として考え、発達速度の差異にどう対応するかを考えるべきだし、極論すれば、義務教育終了後は成人とみなすという発想があるべきだろう。芸能・スポーツに限らず、幅広いエリート教育について研究が必要であり、そうでない人は無理に高等教育を受ける必要はないのである。

この程度の認識のない人々の中で「子供に性について語るなんてできない」という知的障害を持つ親、「いつまでも子供には子供のままでいてもらいたい」という癒着的な親、「わが子はひょっとしたらものすごい可能性を秘めているのではないのか」という夢見がちな親の皆さんが「14才の母」に対してものすごくネガティブな感情を抱くのは実にギャハハなことであった。

たとえば近所のおばさんコントに登場する主婦(円城寺あや・他)が「ウチの娘に真似されたら困る」とか「ウチの子に子供の作り方を聞かれて赤面した」とかで「引越した方がお互いのためにいいのではないか」と「貴重なご意見」をすることも、「正論だ」とか「口に出しては言わないが本音はそうだ」と考える人もいれば、「可愛そうな人たちだ」とか「かわいそうだが死んでもらった方が社会は明るくなる」と考えるキッドもいる。

そういう、情報の蓄積程度や分析・処理能力に差のある人々が集まっての社会の醍醐味なのである。ま、志田未来と三浦春馬のカップルが美的に偏りすぎていてそれが許せないという美に不自由な人々には同情の余地があります。

物語は保育室へ入る前に見上げた青空のフリに従い「そら」と命名。15才の父の母の自殺未遂。14才の母の搾乳。「そら」の無呼吸発作。感染症危篤詐欺。出生届の記入と14才の母の父無惨のコント。近所のおばさんのコント。最後まで半分しか正体をあかさないのが恐ろしい裏ミキ。・・・大学生とつきあい別れさせられ一度死んだというだけではなんの実態でもないだろう・・・それにしても、もしも裏ミキの父親だったら大学生殺人犯になりかねないのでそうでなくてよかったと思うキッドだった・・・そして15才の父、勇気を出してわが子との対面2、14才の母と15才の父「18才になったら結婚します宣言」中卒聖夫婦の誓い。でも、第2子誕生は時期を見てね。14才の母は育児終了後、はたして医師になれるのか。それは未知数であるけれどね。フィナーレは15才の誕生日前日「そら」の無事退院である。

生きていることが「奇跡」であるかどうかは謎だが、そう主張した方が生きやすいようだ。誰もが未希(志田)のような恵まれた環境にはないという意見もあるが、それを言い出すとすべてのドラマは成立しないと考えます。

関連するキッドのブログ『第十話のレビュー

笑顔で恒例の家族写真撮影。だぁぁぁぁりぃんが流れる頃、狂人・北村は他人の子供を褒めたとはいえ「バカ息子」呼ばわりする礼儀知らずのくせに一発あてようと執筆活動にいそしむのだった。ガラガラはともかく達筆である。・・・あ、イメージとしてはジオン軍の手榴弾かな。

金曜日に見る予定のテレビ『たそがれ清兵衛』(日本テレビ)、深夜には『生物彗星WoO』(NHK総合)も見るのさ。谷村美月・主演だから。

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2006年12月20日 (水)

てる、おはよう、みやこちゃん、おはよう。(僕の歩く道)

人の心というものは解明されたようで解明されない不思議なものだ。しかし、人は歩いていく。歩いていくと道ができる。道は心の中にも外にもある。様々な人の通る道もあれば、ほとんど人の通らない道もある。人の心の中は幸せに通じる道を探している部分があるという人もいるし、そうとは限らないという人もいる。もちろん、歩かない人だっているのである。だから、人というものは解明されたようで解明されない不思議なものだ。

一般的な人とは何か。説明することはできるが万人を納得させることは難しい。このドラマの主人公が一般的な人であるかどうかを判断するのも難しい。いや、人であるのかどうかも定かではない。

しかし、それではあまりにも虚しいので、彼もまた人なのだと思ってキッドはずっとこのドラマを見てきました。

で、『僕の歩く道・最終回』(フジテレビ061219PM10~)脚本・橋部敦子、演出・河野圭太を見た。草彅剛の主演での三部作の最終回である。脚本家とのコンビは『スターの恋』(2001)もあり、草彅は二十代の後半を、脚本家は三十代の後半を共に過ごしてここにたどり着いた。そういう意味で脚本と演技者は実によどみない歩調で「人」と「人でない人」のボーダーラインを示す物語を描ききったと思う。

本編の主人公は自閉症である。自閉症としては多くの医師が「軽度」と診断するレベルの障害がある。31才だが10才程度の知能しかない。場合によって10才の人ならできるであろうこともできない。しかし、10才の人ができないことをできる場合もある。ここで理解すべきは主人公テルが理解しにくい人であるということだ。彼はいつもと違うことをするのに困難があり、カレーはチキンカレーしか食べない。大きな音でパニック状態になる。そして違う道を通って家路につくこともできないのである。

そんな彼を母親と兄夫婦と甥、妹。そして幼馴染のみやこ(香里奈)が支えているというのが物語の発端だった。テルは厄介者であり、人の世話にならなければ生活できない人である。死んだ父親は登場しないが、生前はテルを人でない人として接した気配がある。テルを生かすための苦労は母親が背負い、それは兄妹の成長過程に絶えず負担となっていた。人でない人の兄、人でない人の妹として、様々な暗い影が心に刻まれている。

そんなテルに転機が訪れたのはみやこの紹介による動物園への就職であった。みやこはテルを人であると考える数少ない人であり、彼女の努力により、テルは人の世界に受け入れられて行く。仕事場の先輩をあきれさせ、園長には人でない人であることを半ば利用されつつ、仕事の幅を広げ、世界をひろげていく。人に近付いていくのである。

これはテルが発達可能な自閉症であるためであり、自閉症のすべてがそうであるとは言えない。しかし、そうであるか、そうでないかの判別は人には難しい。とにかく、テルは発達し、やがて他人に影響を与えるまでになっていく。このドラマの惹句である「純粋な男」という表現にキッドは抵抗があるのだが、外界への対応力や自由度に限界があることが純粋であるとすれば、そうであるがゆえに特異な影響を与える存在として、テルは「人より多くできなくてもできることを一生懸命やればいい」という母の教えで出世病に取り付かれた園長を救い、「ちくってんじゃねえよ」と鸚鵡返しをすることで若い人に反省を促し、「緩やかな成長を示すこと」で自閉症の子供を遺棄した過去を持つ父親の心を和ませる。

つまり、人は人とつながっていくから人であるという意味で彼も人であることを示すのである。そして、彼は人は人に愛されるから人であるという段階に足を進めていく。みやこは欠損家庭という背景で人でない人の部分をもっており、不倫関係という人でない人への日常があった。そういう意味でテルは彼女にとっても人でない人であった。やがて彼女は不倫相手の離婚後、彼と結婚することで人でない人からの脱出を図る。しかし、夫は隠れた人でない人だったのだ。人でない人と結婚した彼女はまたもや人でない人になってしまう。家出。そして離婚。その時、みやこはテルが人であったと気がつくのだ。そしてテルを愛するのである。ここはかなりのファンタジーであるが、ドラマだから当然なのである。

テルはロードレーサーという人にしかできない行動をなしとげ、また一歩人に近付くのだが、ついにはみやこに愛されることにより、人に愛されるから人の領域にまで足を運んでいく。このファンタジーを草彅剛と脚本家は淡々と描き、人でない人も時には人になるかもしれないという希望の物語を完結させるのだった。

関連するキッドのブログ『第一話のレビュー

僕シリーズは共演女優を一挙に開花させるのだが、このドラマも香里奈を申し分なく魅力的な存在に押し上げている。人は時にはペットに癒されるというが、障害者にも同様に癒される。癒されることもまた人でない人と人を分ける能力の一つであるからだろう。だから、きっと多くの人がこのドラマで癒されたのではないかと考える。

木曜日に見るテレビ『Dr.コトー診療所2006・最終回』(フジテレビ)VS『嫌われ松子の一生・最終回』(TBSテレビ)

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2006年12月19日 (火)

上野樹里と喜びの島とペトルーシュカとマングースと火の輪ときょうの料理と瀬川悠人母子とムッシュ・オクレールとサエコと小出恵介と瑛太と水川あさみと福士誠治と木村了とオレ様。

響き渡るきょうの料理のテーマ(冨田勲)とペトルーシュカ(ストラヴィンスキー)の合体は火の鳥つながりなのか。まさに神の善意を疑う魔的な運命。友情出演・白石美帆とハリセン夫妻も軽く原作を越え、実写版ならではの展開が次々に、あっさり演出の数々もなんのその、畑野ひろ子とミッチーペア、岩佐真悠子と高瀬友規奈ペア、そして真澄ちゃんと高橋君ペア・・・。数々のペアの嵐も一人月9ドラマ展開の上原美佐もなぎ倒し、のだめのピアノがすべてを圧倒していくのである。そして、風と共に去りぬなのだった。

本題に入る前に恒例の週末視聴率チェック。「たったひとつの恋」は12.6%でフィニッシュ。(以上)

・・・・・・・・・・・「純情きらり総集編*6.0%(えーっ)

で、『のだめカンタービレ・Lesson10』(フジテレビ061218PM9~)原作・二ノ宮知子、脚本・衛藤凛、音楽・服部隆之、演出・川村泰祐を見た。のだめを講談社のスポーツ根性ものの延長で捉えるならば、まさにクライマックス。天才が花開こうとして夢叶わずつぼみのまま散華する挫折の刹那。全エピソード中、もっともドラマチックなマラドーナ本選の幕上げであります。

「のだめの心の中に何が秘められているのか、オレ様は知らない。だが、のだめの音楽はオレ様の心に響く。28番、野田恵、お前に何があったのか。かたくなに拒絶されたショパンのエチュードの後、オレ様と目と目で通じ合ったのだめ。墜落寸前からバランスを取りもどしたように蘇った恋心に輝くドビュッシーの喜びの島。ああ、シリアスな展開だ。目にも留まらぬ速さで流れ去るゲスト審査員オクレール先生の日本語訳字幕スーパーの如く、のだめはまだまだベーベちゃん、作品を理解し表現しているのではなく、本能の趣くままたまたま正解のタイトローブ。危うい魅力満載だが、それがまた誰にも真似できぬ天賦の才というものだからな。恋を語らせたらもっとも説得力のあるかおり(白石)さんの音のキラキラ解説通り、満場の拍手とともにのだめは奇跡の本選進出を果たすのだった。才なきものには残念なことに天才が本気になったらこんなものだろう。・・・のだめが進化の階段をかけあがっている一方、オレ様にも決断の・・・いや、決断はしたのだった。その報告を同志たちにしなければならない時が迫っていた。前半から手に汗握る展開なので、ここはのだめの代わりにオレ様が不本意ながら、笑いをとっておかなくてはな。いよいよ、真澄の真のライバル高橋(木村了)の登場である。その前に原作ではリハーサルにコンマスとして飛び入り参加しアンナ様をのけぞらせる「ヨロシコ」を連発するはずだったカイ・ドゥーンは早々に帰国。HEROスペシャルで本家もやらなかったくらいなので「ヨロシコ」回避のために帰国したのかもしれないが、とにかく、オレ様だけでなく、清良もまたR☆Sオケとヨーロッパ留学の板ばさみに。そこへ登場するまぐわいエクスタシー高橋。清良に勝るとも劣らない演奏力。天才と凡才の狭間でジュピターを背負って男を揚げる峰。二枚目と三枚目の間で金勘定も恋の駆け引きもめきめき上達、かゆいところに手が届くプロデュース力を発揮する。えーっ、清良と峰ってそういう関係なのかーっ。鈍感ーって、オレ様は音楽以外のことはまだまだクロキンなのかもしれない。それにしてもひーっ。高橋くんと真澄、毒をもって毒を制すとはこのことか・・・それにしても私は身を引くわモードの彩子(上原)、君だけ妙に月9を感じさせるのは何故なんだ・・・さあ、コメディーパートは終った。真澄の線付ダッシュもギリギリだったが精一杯の演出で・・・とにかく、間が悪いのは天賦の才と関係しているから仕方ない。・・・ああ、のだめ、どうしているのか。上野ののだめ以上にかおりを感じさせる白石さん。のだめがトランスモードに入れば目撃者として、こっちがプラスならこっちがマイナス、それで通電? 何を云っているのだ。すかさずCMではパンテーン、清良が静電気、気になります。神は舞い降りた。それで通電。またしても凡人がのけぞる一夜にしてシューマンクリアの天才のだめ炸裂。しかし、神はサイコロをふらないのだ。たちまち襲い掛かる人間としての限界。静電気を使い果たしたのだめはショートして煙をくすぶらせる。疲労の蓄積による熱発。38℃越え。のだめにストラヴィンスキーが立ちはだかる。彼の三大バレエ曲の一つ、ペトルーシュカ。人形遣いにあやつられる哀れな道化師の人形。人間になることに憧れるが、中身はわらくず。閉じ込められた魂はもがき苦しむが、所詮は人形。その動きはギクシャクとして人間のようにすべらかに動くことはない。しかし、情熱に燃えるのだめは立ちはだかる、オレ様も知らぬ、心の傷、火の輪くぐりに挑むのだ。周りを彩る人形たちは省略されたが、心の記憶の部屋に隠された闇の炎、蓄積されたトラウマの連鎖に恋の情熱で立ち向かうマングースの運命は。ケータイ電話の着メロに打ち砕かれてしまうのだ。そしてのだめは壊れてしまった。そうとは知らず、オレ様は勇気を出して初めての告白。オレんとこ来ないか・・・じゃなくて、オレ様と一緒にヨーロッパで勉強しよう。しかし、トラウマに立ち向かい返り討ちにあったのだめは黒のだめに。このオレ様の言葉も届かない。・・・のだめ、お前は素晴らしい(演奏をした)。真剣に(音楽に取り組んだ)お前が好きだというオレ様を拒絶するのだめ。・・・だけど、ダメだったじゃないデスか・・・オレ様はふられたのか、のだめにふられるなんて・・・もう・・・知ったことか・・・オレ様にはもう関係ない・・・で最終回へつづくのだ」

ああ、涙なくしては見れないのだめの報われない情熱と挫折の巻。ついにここまで来てしまったのだな。常人にはできない、異常な能力の反動で極限まで張り詰めた緊張。その糸が切れたとき、何もかもが崩壊してしまう感覚。チンパンニュースにでて、ぶらり途中下車の旅のナレーションの真似をサーフィンに乗りながらやると言いつつチンパンジーに踏みつけられている場合ではない千秋(玉木宏)なのだった。もう、しばらくは玉木と上野は千秋とのだめにしか見えないのだろうなぁ。

そして、いよいよ、最終回である。予告編ではまたしてもミルヒー登場。隠し立てもなく、のだめは復活し、旅の途中経過報告ではありながら、フェスティバル&カーニバル的な大盛況のハッピーエンドは確実か。フィナーレにベト七再演奏が鳴り響き、のだめファミリーはあるのか、ないのか、マキちゃんの恋の行方は? そして恋のゴールは決まるのか。いないはずの客席で涙を流すのだめは夢か幻か。

もはや、キッドは九州海苔農家のもてなしの特上寿司にすべてを賭けたい気分ですーっ。

関連するキッドのブログ『Lesson9

まあ、瀬川母がもたいまさこでなかったことをのぞいては大満足のクライマックスだったなぁ。しかし、上野樹里のビィジュアルでショパンやストラヴィンスキーを全曲通しで聞いてみたくなるなんて、どれほどの演技力なのだ。まさに上野のだめおそるべし。

対原作としては思い切ったきょうの料理メロディーライン投入や、クロウサギ単位の省略も分かりやすさのレベルダウンとして正解だったと思いマス。

水曜日に見るテレビ『14才の母・愛するために生まれてきた・最終回』(日本テレビ)

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2006年12月18日 (月)

最終回直前だというのにお下劣全開のライオン丸Gに後を頼めるのか?

先週、聖也(ドラマ夜王で北村一輝が演じたナンバーワンホスト)風の通りすがりのホスト(北村)が「クークククク」とケロロ軍曹のクルル軍曹笑い(ドラマアキハバラ@DEEPで北村が演じた中込の持ちネタ)を残して去るというカルトの世界へまっしぐらな友情出演があった。

もう、普通の人にはなんだかわからない世界である。キッドはちょっぴり普通ではないので仲間ーっ。仲間ーっ。と今週、ケロロ軍曹Bパートで「収納できないオタ」たちが共感合唱に興じたごとくに叫ぶのだった。

で、今週は主人公の勤めるホストクラブの店長・蘭丸(バナナマン・設楽統)の元へ、性転換して女になったバナナマン・日村勇紀が登場。五年後の近未来、バナナマンが解散して、日村が設楽への愛を告白しているという展開にもう、なんでもアリの極みをムフフと見届けました。

で、『ライオン丸G・第12話』(テレビ東京061218AM2~)原作・うしおそうじ、脚本・演出・大根仁(他)を見た。なぜか、この番組の初回レビューはスパムの嵐に見舞われている。いい加減にしてもらいたいが、ま、いいかとも思う、今日この頃だ。どんなにバカで、他にやることない、ド腐れた人生でも生きていかねばならんのだものなーっ。

ネオ歌舞伎町のダメホスト獅子丸(波岡一喜・・・秋ドラマ、のだめのホルンの片山役、たっ恋の圧力団体のため役名の書けないチンピラ役と地味に活躍)がライオン丸に、黒衣の用心棒(童貞だけど)の虎錠之介がタイガージョーに変身するためのキンサチとギンサチを狙い、豪山(石橋蓮司)に操られたシシトラ(唐橋充)が来襲。

獅子丸と虎を上回るパワーで二人は大ピンチ。虎は重傷を負ってしまう。そこへ現れた謎の老人・果心居士(大久保鷹)は「久しぶりだな」とシシトラをコントロールする豪山に呼びかける。豪山は額の第三の目を見開き、大魔王の正体を見せる。果心居士は二人を逃がし、シシトラからキンサチとギンサチを奪い返すが手傷を追う。そして、錠が思いを寄せるサオリ(小林恵美)は謎の男たちに攫われてしまうのであった・・・。

こう書くとまともな冒険活劇なのだが、逃げた二人は奇妙な友情に芽生え、「錠さんのために今度筆卸のお膳立てをしますから」「ほ、ほ、ホントか」などとお下劣さ全開の会話をしている。そして、攫われたサオリはキャバクラ嬢なのである。ま、キャバクラ嬢が攫われることだってあるだろうけれど。

しかし、サオリが連れ込まれたのはあこぎな商売をしている組織の若頭ジュニア(遠藤憲一)の元である。人格障害者デコスプレーヤーのジュニアは魔王・豪山の息子らしいのだが、ここまで、メイドからスチュワーデスまで女装コスプレを繰り広げてきた。その変身願望は「偉大な父親のように悪の変身ヒーローになりたかったのに無能で願いが叶わなかったためである」と判明。サオリと結婚することで「まともな人間」になることを決意し、最後のコスプレは新郎新婦である。そして、更生の手始めに部下を射殺する。おいおい。

サオリの妹・香織(小田あさ美)とマスター(ひかる一平)に介抱された果心居士はキンサチ・ギンサチの二刀を香織に託し、豪山のアジトへ。

豪山はジュニアと対決。 父親を殺そうとジュニアの放った弾丸をはねかえし、ジュニアを一刀両断「パパは僕を嫌いなんだーっ」「この役立たずがっ」・・・哀れ、ジュニア。豪山はサオリを殺しにかかるが、果心居士が割って入る。しかし、豪山の実力は果心居士を凌駕していた。絶体絶命のピンチである。たたみがえしで跳ね起きた無数のたたみがグルグル旋回し、和風チャイニーズゴーストストーリー的味わいの殺陣の舞。

そのころ、香織は傷を癒すために隠れている獅子丸と虎の元へ、二刀を持って急ぐのだが、果たして・・・でつづくである。

いや、本当に冒険活劇みたいなのですけどーっ。

関連するキッドのブログ『第二話のレビュー

『ドキュメント'06・13歳の遺言・いじめ自殺それぞれの12年』(日本テレビ)も見た。12年前に中学生が遺書を残して自殺。自殺してからいじめがあったことを知った父親が「いじめられた子供のかりそめの父」として全国のいじめられっ子の心の支えになる軌跡をたどるドキュメンタリーである。いじめられていることを実の親にも相談できない子供たちがかりそめの父に救われたり救われなかったりする。「ただ本当の自分(いじめられている自分)がいることを知ってくれる人がいることが救いになった」と語る女性(現在は教職)もいれば、かりそめの父を訪問した後で自殺してしまった者もいる。学校では生徒たちが自主的にいじめの撲滅運動を展開するが、校長は取材を拒否する。「自分の恥を語ることになるから」が拒否の理由である。

キッドは教育とはある意味いじめだと考えるのでいじめの良否はケース・バイ・ケースだと考える。かっては若者はしごかれるのが当たり前で、しごきに耐えて生き残った者だけが成人できるという慣わしだった・・・いつの時代だという人がいるかもしれないが、どのようにソフィスティケーテッドされていようが、本質は現代でもまったく変わらないとキッドは考える。問題はソフィスティケーテッドされたがために、子供同士の模倣的なしごきであるいじめが管理できずに暴走していることなのだ。教師がきっちりいじめていれば、子供はお互いにいじめあう必要はないのである。これは子供のいじめにのって教師がいじめに参加するのとは違うので念を押しておく。弱いものをいじめることを恥じる気持ちを教えるためにはしごく他に方法はない。それは命懸けの作業である。力及ばす、子供が死ぬような事態が起きたときは実態を調査し、再発防止の確率を高める必要がある。しかし、人は全能の神ではないので、間違いは必ず起きる。その時はケース・バイ・ケースでそれぞれが責任を負うしかないのだとキッドは考える。確実なのはマスコミがいじめ撲滅キャンペーンといういじめをいかに展開しようがいじめは根絶できないということだ。それは人間の本質に関わることなのだから。

関連するキッドのブログ『子供生んだら帰してくれるって云ったのに。(片瀬那奈)』

火曜日に見る予定のテレビ『僕の歩く道・最終回』(フジテレビ)

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2006年12月17日 (日)

どうして・・・忘れちゃうの(綾瀬はるか)・・・そっちが・・・今、捜すから・・・(亀梨和也)

「・・・君といると僕は忘れ物を捜してばかりいるんだ」(亀梨和也)でも良かったのだが、そのためには先週あたりに「私・・・忘れられちゃったんだ・・・」(綾瀬はるか)とかが欲しくなるのである。一回短縮の余波がこんな世界の片隅のブログにまで及ぶとは神様もご存知ないとは思いますが。

映画『卒業』では恋人の母親と肉体関係を持ってしまった男が他の男と結婚する恋人の結婚式に乗り込んで、花嫁を強奪し、バスに乗って逃げるというハッピーエンド(花婿側を除外)でしたが、これをどのようにスカシていくか、結婚の決まった菜緒(綾瀬)と見えない縄で呪縛された弘人(亀梨)、そしてバス。

ま、原点を知っているとクスッと笑えるラストシーン。さすがは・・・神様ですね。

で、『たったひとつの恋・最終話』(日本テレビ061216PM9~)脚本・北川悦吏子、音楽・池頼広、演出・岩本仁志を見た。先週、弘人の失意にどっぷりつかったので、今週は「あーっ、もうどうにでもしてくれーっ」という気持ちで見ることにした。これまでの結論としては「自殺した父親、山猫の母親、虚弱な弟という家族に呪縛され、しかし、それを振り切る勇気のない少年」と「初恋に燃えるお嬢様」との気持ちのすれ違いドラマだったということ。そして、最大の謎は「何故、三年目にオレンジイガイガ・懐中電灯通信が不通になったのか?」だった。

一回短縮で「弘人だけが知らない」という描写が抜け「視聴者も知らない」という展開になってしまったのかもしれないが、謎は「入院してたから」だった。・・・きっと、亜裕太(平岡佑太)のコンビニは就職で閉店になり、裕子(戸田恵梨香)と甲(田中聖)は「遠距離恋愛で自然消滅などと過ぎてきた昨日を物語に変えているがそれなりに修羅場」だったりして誰も弘人に菜緒が入院していることを教えなかったのだなーっていうか、オレ・懐通信はみんなの知らないことだったんだから、いいのか。・・・とやはりどこかギクシャクしたものが残る菜緒と弘人みたいな展開になってしまったのだなぁ。

「私、来ちゃった」(だってあんた結婚するんだろう)「私は心配しちゃいけないの」(だって他の男と結婚するんだろ)「私、悲しいよ」(やめてくれよ、オレは泣いちゃうよ)「じゃ、行けないけど行くね」(なんだよ、それ、止めたいけど止められないじゃん)・・・ああ、もう、この男はと亜裕太でなくてもドロップキックをしたくなるのだな。

さて、世の中には20才に出来なくても24才になると出来ることがある。20才には分からないが24才には分かるのだ。50才くらいになるとそれを忘れてしまう人と忘れない人がいる。菜緒パパ(財津和夫)はお坊ちゃまなのでそれを知らずに過ごしたかもしれないが、菜緒ママ(田中好子)はすべてを読んでいる。

そしてフィアンセ(池内博之)に因果を含め引導を渡すのだった。「あなたには悪いけれど娘にはどうしても忘れられない男性がいると思うの。子供ができたら話は別だけど、その可能性は低いでしょう。そのことがいつか、二人の間に溝を作るかもしれないわ。溝はどんどん深くなってやがて亀裂を生み、いつか、とてつもない不幸があなたを襲うかもしれない。いいえ、きっとそうなるわ。そのあたりのこと、もう一度お考えになってね」

こうしてフィアンセは「君のウェディングドレスには笑顔が足りなかですばい」の名セリフを残して退場。『卒業』スカシの第一歩として結婚式は露と消えたのだった。菜緒ママはさらにデパ地下を偵察して、最大のネックだった山猫(余貴美子)の動静を探る。山猫は借りてきた猫になっていた。兄(要潤)は相手が誰でも妹を嫁にやるのは反対だが鮟鱇は食べるより観察するのが好きな男として好きにしてればいいし、菜緒パパはあっという間に初老の色を濃くしている。もうすぐ、もうすぐね。あの店は私のものに・・・おほほほほ・・・いや、そういうドラマではなかった。

「何かをし続ける・・・」という英語の授業の解釈はテンメイ様がきっとするだろうから、割愛して、菜緒には最後の障害「自分の夢のために海外(北海道)行き」が設定される。さあ、神様は結婚式の代わりに旅立ちを持って来ましたよ。これは別世界に去るという意味で同じものだからな。

さて、キャスティングがどうにかしたのか、物語から消えた弘人の弟は本当は死んでしまったのかもしれない。弘人も山猫も幻想の中で「高校に行って野球部のエースになった」弟を見ているのではないかと思わせる展開。山猫がただの猫になったのはそのショックなのではないか。ともかく、残された長男の縁談をぶちこわしたことをわびずにはいられない弘人ママは菜緒ママに謝罪。ついに弘人に障害はなくなってしまった。

さて、まだ視聴者も知らないことだが、弘人が告白できないのは「最初に菜緒が裏切った」という思い込みである。まあ、のだめなら「ケツ・・・」というところだが、お嬢様には「陣地から出てこない」と言うしかないのだったな。だって「入院してたんだから」「別れた弘人に心配させたくなかったから」「一回ふらなかったからって四年目なしってどういうことよ」ともう自分で自分が制御できないのだなぁ。矛盾しているという人がいるかもしれないが、人間なんてそんなものなのですよーっ。特に菜緒の場合は。

さあ、お互いに意地をはる男と女のすれ違い、天国から天使がおりてきて、四年間の時の流れを越えてクジラを出現させます。ああ、神様、かなり強引でしたが、神様のなさることは人知を越えるのですものねーっ。弘人は父の形見をはずし、もう心の準備はできているのですものねーっ。さあ、トリオ、最後のお勤めだ。妊婦が機械の下敷きってちょっとこわいニュースだったけどなーっ。

さあ。バスです。バスですよーっ。お待たせしました、バスですからーっ。走りますよ。弘人は走りますよ。その足で。ガス欠になる怖れもないしね。さあ、すっかりラブコメです。それでいいのです。「抱き合う二人」「プロポーズ」「即承諾」「遠距離恋愛だねっ」見守るトリオ(内二人は遠距離恋愛に失敗経験アリ)ですが。そしてバスには「スーツケース」が。みんなで走れーっです。ああ、菜緒も三年目に死んでいたのですね。無人のバスに夢だけを乗せて・・・。走り去って行くのですね。・・・そして弘人は一人、おそらく、形見の手袋をはめて無人の部屋に挨拶を残し・・・仕事に出かけるのです。たった一つの恋を胸に。

関連するキッドのブログ『第9話

堪能しましたーっ。哀愁あるラブストーリーではないですか。何故に楽しめない人がそんなにたくさんいたのか。今となってはわかりません。数々の名場面。数々の珠玉のセリフ。どこでもいい子じゃいられないけど、悪意ばかりの人はいないといういつもの神様のストーリー。ま、神様、こういうこともありますよ。人間はなんてったって気まぐれなもんですから。また、いつかお願いしますね。教科書プレーの神髄を。

月曜日に見るテレビ『のだめカンタービレ』(フジテレビ)

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2006年12月16日 (土)

『H☆C』クリスマス全国縦断握手会速報!

Hcazabuokirakupro001 ★2006年、12月某日、東京麻布のお気楽プロダクション前の

交差点にH☆C(平成キャンディーズ)の三人を発見。

デビュー直前、全国縦断握手会のために衣装合わせか?

三人は仲良く近所のカフェでランチタイムしてました。

Hcakushfukuokakaijo008 ★北海道札幌の握手会場付近で制服姿のH☆Cをキャッチ。

クリスマスイルミネーションの街へこっそりエスケープか?

Hcakushfukuokakaijo005 ★仙台の握手会会場仙台ドームに潜入! 大盛況!

H☆C公認ファンクラブ会長あんぱんち氏の姿もありました。

Hcakushfukuokakaijo006 ★札幌、仙台、新潟、長野、横浜と各都市のドーム会場で握手会。

折り返し地点の夜。六本木でオフを楽しむ三人を激写。

Hcakushfukuoka004 ★福岡博多ドーム握手会を終えたスーちゃん(かりん様)が単独行動。

夜食に大盛りとんこつラーメンを食べたとは思えない上品さを漂わせる。

ここまで10会場、のべ23万人を動員。H☆Cおそるべし。

Hcakusyukoube002 ★神戸マリンドームでの握手会を終えたH☆C。

広島で小学校の同窓会と遊びすぎ体調をくずしたとウワサされた

ミキちゃん(まこ様)。元気にお散歩していました。

Hcakushousaka003 ★大阪浪花ドーム握手会の終了後、百貨店を貸切にして

ショッピングを楽しんだランちゃん(アンナ様)をスクープ。

昼間は八度目の『武士の一分』鑑賞。プレゼントを購入か?

Hcakushfukuokakaijo007 ★いよいよ、クリスマスを前に東京・千葉・埼玉の三大ドーム握手会。

一週間ぶりの東京だが、お気楽社長の運転する車で移動。

都内各所で、ikasama4様と写真集の打ち合わせ、ads(あず)様と

新曲の打ち合わせなど勢力的に行った模様。

来年初めのデビュー曲発売に向けて多忙の中、スリーショット。

★なお、先行発売のインディーズ版はインディーズチャート三週連続首位。

総売り上げ枚数はすでに100万枚を突破している。H☆Cフィーバーは始まっている。

ファン一号翠様「楽しみデス、ポイントです」

ローディーのろーじー様「デビューライブは最高のものになります」

など各方面で期待は高まっている。

(※記事の内容はキッドの妄想が責任を転嫁します)

アンナお嬢様専用ピンナップ

Annasamabp

『H☆C』沖縄メンソーレドーム握手会フィナーレ!

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美人でモテモテと勘違いしている・・・みたいなベッキー。

えーと、最終回である。鈴木由美子原作のドラマだから一回もレビューしないわけにはいかないのだが、秋ドラマ充実と「Kiss」ドラマかぶりで最終回まで放置してしまった。

差別化はされているが、ちょっと変な女の子が主人公。という点では『のだめカンタービレ』の変化球でもあるのだが、およそ、10才年下の二ノ宮先生が鈴木先生の「変な女」路線の影響下にのだめを造形したとも言える。とにかく、変な女の子が周囲の愛に守られながら恋をするということではまさしく少女マンガの王道なのだ。

のだめが「音楽」という武器を持っているのに対し、本作品の主人公リリは「お嬢様」という武装。そして、スポイルによって現実離れした自意識を持ち、その妄想が現実に侵食していく物語であります。

で、『アンナさんのおまめ・最終回』(テレビ朝日061215PM1115~)原作・鈴木由美子、脚本・高山直也、演出・常廣丈太を見た。アンナ(杏さゆり・・・「黒い太陽」からここ。5thミス・ヤングマガジン(2000)準グランプリ)の親友・リリ(ベッキー)はアンナの恋人・恭太郎(柏原収史・・・崇の実弟)が自分に惚れてしまったと妄想し、親友と親友の恋人を一方的に三角関係化していく。巻き込まれる方には迷惑な大騒動が繰り広げられるというドタバタ。

リリのパパ(草刈正雄)は娘を溺愛するナルシスト。ママ(高橋ひとみ)もほぼ同様のナルシストである。兄(池田努)は恭太郎を妹のフィアンセと思いこむほどの妹想い。

恭太郎はリリなど眼中にないのだが、唯一の親友を恋人と同じように大切に想うアンナによってリリの妄想に巻き込まれ、いつもひどい目に遭う。このあたりは無関係なものが一番痛い目に遭うというドタバタのオーソドックスな手法をくりかえすのだ。

リリは恭太郎の父に会えば、父親なのに自分に色目を使うと妄想するほどの脳天気なのだが、そのあまりのポジティブさと財産の力で本来なら解決不可能なトラブルも乗り切ってしまうのだ。

リリと恭太郎の心が入れ替わってしまう『転校生』パターンなど、なんでもありの展開で爆走し、恭太郎はホモの小説家にせまられたり、やくざの組長に殺されかかったり、さんざんな目に遭う。最終回もやらせのリンチで若者の集団にボコボコにされ、リリを追いかけて交通事故で死ぬような目に遭うのだった。

最終回はなんと映画『卒業』のような恋がしたいと愛されている恭太郎とは別のお坊ちゃま(桐島優介)と結婚をしようとするリリ。すべてが妄想による行動なので、恭太郎にとって無視すればいいはずだったのだが、いつしか、リリの妄想は恭太郎の心を深く蝕んでいた。リリが恭太郎とアンナから卒業することに動揺するほどに。狂気は伝染するということなのだな。あるいは妄想による洗脳である。

「たっ恋」より一足はやく、卒業パロディー、しかも妄想オチという逆転劇があり、花嫁を強奪したのは花嫁のパパだった。追いかけた恭太郎はお決まりのひどい目に遭い・・・ふりだしに戻るのである。

アンナと念願の同棲を始めた恭太郎、しかし、リリも同居しているのだった。・・・ま、一夫一婦制度に対するアンチテーゼと考察することもできるが、要するにキチガイに逆らってもしょうがないという諦念がそこにある。でも、それなりにハッピーならいいのじゃあるまいか。と妄想王キッドは素直に思う。

関連するキッドのブログ『冷蔵庫に美容整形機能がプラスされました。』

ちなみにナレーションは本田博太郎で、リリの妄想に対するツッコミという形式になっている。妄想だか現実だか時々不明になるからである。平均視聴率が*7%そこそこのドラマだが、このワクとしてはまあまあである。「だめんず・うぉ~か~」が*8%そこそこなのでがんばったとも言える。軽い恋愛ドラマが冬の時代なのだな。

金曜深夜はNHK総合で「ちびウルトラマン」とも言える『生物彗星WoO』をオンエアしている。14才の母の裏・未希こと谷村美月の主演である。今回(第四回)は裏・仲間由紀恵とも言える喜多嶋舞が怪しい外国人を演じていてストーリーはともかく、なかなか楽しかった。特撮もそこそこにおしゃれなので、一回くらいはレビューしたいのだなぁ。変則オンエアで残り2回(BSの再放送なのだ)ですが、来週はオンエアがあります。

月曜日(日曜深夜)に見る予定のテレビ『ライオン丸G』(テレビ東京)、サッカーしだいで『ドキュメント'06・13歳の遺言・いじめ自殺それぞれの12年』(日本テレビ)も見たい。

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2006年12月15日 (金)

ねんドル岡田ひとみ、『ワナゴナ』に登場。

ひさしぶりに岡田ひとみ関連番組レビューである。

最近、なんだか、忙しくて、もはや週末なのだが、月曜日早朝のオンエアでした。

ま、興味のある人は録画チェックして見るのだろう。

で、『ワナゴナ』(TBSテレビ061211AM4~)構成・池田裕幾(他)、演出・市島晃生を見た。BS-iでは土曜日の23時30分からオンエアしている番組である。MCはしょこたんこと中川翔子と変な帽子をかぶっている鉄平。ワナゴナバスにのり、なんとなくザワザワする情報を発信するという・・・まあ、よくわからないという意味でおしゃれな番組である。

しかしーっ。そんな紹介の仕方でいいのかーっ。という天の声がするので、今回は岡田ひとみの登場により、分かりやすくて面白い展開になっているのです。と訂正します。

ワナゴナバス(おしゃれな二階建てバス式スタジオ)で今回のテーマの説明。「ねんど」でザワザワしようということです。

岡田ひとみ、バス内通路から登場。しょこたんのリアクション「えーっ、かわいーっ」ここでVTRで丁寧に作られた岡田ひとみプロモーション挿入。「ねんどを使ってミニチュアフードを作るアーティスト、ねんドル。ショートケーキのできるまでを行程付で紹介。技能を見せた後で作品の展示。ラーメンやショートケーキの対実物比較、露店やこたつおせち、クリスマスディナーなど、セット物もピックアップされている」なかなか、資料的価値あり。

三人で作品をチェック。鉄平は「デパ地下弁当」に興奮。しょこたんは「プリン」に感激。「サクランボの枝はハブラシの毛なんです」と岡田ワザのアピール。

ここで、岡田リードで「作品制作チャレンジ」に行かず、もう一工夫がこの番組の主張なのである。そこで登場するのがクレイ・アニメーター・石田卓也氏。クレイ(ねんど)を使ったアニメーションにチャレンジなのである。

しかし、さすがは岡田ひとみなのであくまで食べ物にこだわる展開に持ち込んだ。

冷蔵庫に眠るカワキモノたちが変身して、食材ヒーローとなり、ゴキブリと戦うというアニメを作ることに。デザイン画→ねんど造形→コマ送り撮影である。

岡田は腕の冴えを見せ、二人に色使いなどをアドバイスしながら、キャラを作っていく。

鉄平はウインナ・レッド(興奮すると脱皮サラミになるという下ネタにしょこたんのお前は帰れ発言あり)。岡田ひとみはかわいい仕上がりの枝豆三兄弟グリーン、しょこたんはエヴァ使徒もどき・さけるチーズイエローである。

番組のサイトはこちら。

http://www.wanagona.jp/

できあがったクレイアニメ『超冷蔵つまみマン』はこちら。

http://www.wanagona.jp/viral/wanagona1210.html

岡田ひとみのオフィシャルサイトはこちらです。

http://www.radical-planet.com/hitomi/

岡田ひとみ、制作場面用の衣装も一工夫ありかもしれん。ま、今回はアーティストっぽかったので良かったと思います。

この記事はかなりPRの要素が強いです。ご了承ください。

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祇園の女やさかい、言えへんこともあるんどす。(高岡早紀)

そんな理由で黙秘されたら捜査もへったくりもありゃしないのだが、お茶屋の女将にそう言われたら黙るのが京都府警の方針らしい。最終回なので祇園、舞妓がらみの事件である。キッドの「そうだ、京都へ行こう」のハートを直撃する展開であることは間違いないのです。

実は「松子」VS「コトー」が山場なのであるが、①今、スケジュール的に表裏視聴はきついのである。②おみやさんが最終回だ。③視聴率がついに*5.9%VS23.0%になってあまりにも松子が不憫だ。という様々な理由から今回はやめたのだが、これだけは言っておきたい。今回のコトーの終盤はあまりにもき、き、鬼太郎ーっ。なのであった。

ちなみにおみやさんは平均視聴率13.5%でフィニッシュ。相棒ほどではないが、まずまずだったのではないか。これでしばらく、渡瀬恒彦さんの「洋子」という呼びかけもお休みだ。洋子は櫻井淳子さんだが、キッドはなぜか「洋子」と呼びかける渡瀬さんの声が好きなのだなあ。どんなフェチなんだ。

で、『おみやさん・最終回スペシャル』(テレビ朝日061214PM8~)原作・石ノ森章太郎、脚本・塩田千種(第一部)、石原武龍(第二部)、監督・吉田啓一郎を見た。変則的なスペシャルで共通テーマの二本立てである。テーマは出生の秘密をめぐる母と子の葛藤である。

第一部は出産を望む母と望まない父の間に生まれた少年(松川尚瑠輝、「女王の教室」の志田未来のボーイフレンド)の物語。父は殺害、母も病死なのだが、ここからはネタバレです。父を殺したのは産婦人科の医師(中田喜子)であり、時効寸前、少年に真相を告げるために罪の告白。少年の母が殺されそうになったため、母子を守るために医師が犯行に及んだのだと告げるおみやさん。孤児の上に半分のぞまれない子供だったのは中学生の少年にとってつらいことだと思うが「君の命を守るために君のお父さんを殺さなければならなかった人を責めないでくれ。そして、君の命を命懸けで守った人がいることを忘れないでくれ」と励ます。・・・そんなこと言われてもと普通なら思うのだがおみやさんが言うのでは納得するしかないのである。

さて、少年の出産に立ち会った元・看護士で現・保母さん(西尾まり)が転落死体となって発見され、第二部のスタートである。西尾まりさんといえば、ケイゾクの柴田刑事の親友で恋人に催眠暗示をかけられ転落するので有名だが、また墜ちてしまったのだなぁ。

現場には千鳥の根付(和服の生地を使ったデザイン)が落ちていて、いよいよ話は祇園の方向へ。元・舞妓で現・お茶屋の女将(高岡)が捜査線上に浮かび上がる。根付はお茶屋のお客様への粗品だったのだ。そして、その根付は迷宮入り寸前の暴力団員構成員の殺害事件の現場で発見されたものと酷似していた。

そして女将には一人娘(小池里奈、14才の母にも出演中だが、美少女戦士セーラームーン(2004)のセーラールナであり、グラビアチャイドル系子役)がいることがある。祇園の女として子供の存在を隠してきた母に中学生の娘は憎しみを抱く。そして、殺された保母さんは家族同然の関係だった。事実をつきつけられても「言えへんものは言えまへん」なのである。祇園のしきたりは刑法を越えるのだ。さすがは京都。やがて、御茶屋の跡目を争った芸子の存在が浮上する。出生の秘密を嗅ぎつけ、恐喝、止めに入った保母さんは誤って転落なのであった。橋から勢いあまって落ちちゃうなんて。さすがだ。なかなかできることではない。そして、父親が男衆(おとこし、尾美としのり)であることがある。舞妓と男衆の色恋はご法度なので隠していたのだが、さらにそれを嗅ぎつけた暴力団員を殺してしまっていたのだった。こうして、殺人犯として逮捕直前の父親はようやく、娘に名乗りをあげることができる。

男は黙って資料室のおみやさんなのだが、逮捕直前ははげましの言葉なのである。「母を母と名乗れず、父を父と名乗れず、お母さんとお腹の中の君を守るために人を殺してしまい、ずっと君を見守り続けた人が、君の父親であることをどうか忘れないでほしい。君がどれほど愛されているかってことを」と娘をはげますのだが、京都の人間にしかわからない独特の感情が流れているのだろう。しかし、おみやさんにそう言われたら納得するしかないではないか。

関連するキッドのブログ『木曜八時か。そうだ、京都へ行こう

面白さの要素に「懐かしさプラス珍しさ」というちょっと矛盾したジャンルがある。例として「再放送」の魅力が挙げられるのだが、シリーズ展開もその口。さらに多くの日本人は京都という舞台に「懐かしさと珍しさ」を感じるのである。ま、ある意味とんでもドラマでもこういう有利な条件に支えられてある程度面白いのだなぁ。

舞妓や芸妓の世界はある意味芸能界、児童福祉法が子供に芸をしこむことを困難にさせたり、児童買春防止法が子供の色気を禁じたりして、それはまことに正しいことなのだが、そのスキマを縫って、子役があったり、ジュニアアイドルのグラビアがあったりする。そんなことを話題にすることさえ、背徳的なことなのだが、そういうグレーなゾーンにも確実に面白さは潜んでいる。それをキッドは否定しない。

土曜日に見る予定のテレビ『たったひとつの恋・最終回』(日本テレビ)純情きらり、消しゴム、エデンの園に西村京太郎。完全な包囲の中を二人の恋は突破できるのでしょうか。

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2006年12月14日 (木)

「長い夢を見ていた。生まれてくる夢を」と志田未来は言った。

「あなたに会うために生まれてきた・・・ありがとう」でも良かったのだが、すべてがフィクションであるキッドにとってはタイトルに相応しいのは目覚めのファンタスティックなセリフなのだな。すべては夢なのですから、あまり、真剣になられても困るのである。

それにしても未熟児、演技うますぎ、もう、どんな映像でも可能な時代なのだなぁ。

「おっぱいが出ないなんて母親失格ですね」と対応して、・・・女王の手術室でなくて、グレートドクター土田(反町隆史)だったわけだが、GDT曰く「不思議なことに赤ちゃんは生まれたときから自分の母親が分かる」のだから・・・新生児に触れた未希(志田)の乳がにじみ出るというオチかと思ったのに。・・・・・名付けかっ。

で、『14才の母・愛するために生まれてきた・第十話』(日本テレビ061213PM1030~)脚本・井上由美子、演出・佐久間紀佳を見た。ある意味、ハッピーエンドの最終回であり、これでやめるのが正解だと思うが、バランスをとるために最終回は次の段階へ向かう。次の段階が終らせるための最終回であるとすると、キッドとしてはエンターティメント失格だと思うが、まあ、お手並み拝見であるな。

人間らしく、どちらかと言えば、愚直な父親を演じてきた14才の母の父(生瀬勝久)が今回も脈絡なく行動。会わせないと誓った15才の父(三浦春馬)に一目会ってくれ懇願である。次から次へやってくる人生の新展開にあたふたと大人になるヒマもない15才の父であるが、「赤ちゃんなんて死ねばいいと思ったりしたからこんなことに」という人は瞬間的にとんでもないことを思ったりするが、子供はそれが心のすべてだと思いがちを示すセリフで昏睡状態の未希が目覚めるあたり、ねじれたロマンスの追求を感じる。

15才の父はわが子1648グラムと対面して恐怖におののく。しかし、父親としての自覚というロマンスに従って、母親と対峙、さらに狂人・北村にふたたび正論をつきつけてもらうために面会し、「認めたくないものだな、若さゆえのあやまちというものを。ぼうやだからさ。責任を取るつもりなら自分で仕事ぐらい探せ」と言われるのだが、じっくり考えると、中学生のできる仕事を思いつかなかっただけとも考えられる。というか、「14才の母」を本にする場合、自分が当事者にならないことが重要だと功利的な計算も働いているとも考えられ、この狂人のそれなりのずる賢さを匂わせる。

14才の母の弟は母親に似て皮肉屋という設定なのだが、今回は素直に「姉ちゃん、起きろよ」と健気なセリフを与えられ、父親の血も引いていたのだなぁと微笑ましい。

教室では「食物連鎖」の授業中、まだまだ子供の中学生たちにまだ正体を明かさない裏未希と教師が暗黙の了解を交わす。一体、何故隠し続ける。

病院では恨みの出産祝い。こわいぞ。15才の父の母。

すべてが「最初からこうなることがわかっていたのかどうか」予告編はまたしてもハッピーエンドではありません展開。流産流産詐欺に続き、またしても詐欺なのか。それとも14才の母バッシングで終るのか。ま、キッドはどっちでもいけるという展開にワザを感じました。

それにしても今回、視聴率が21.1%なのである。キッドがなんて言おうが、作戦成功なのだな。もしも、南米代表の2点目が入らなかったりして延長、11時台スタートだったらどうだったのかしら。

それにしても14才も僕歩も20%を越えるのに越えられないのだめってシュテキ。

関連するキッドのブログ『第9話のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『アンナさんのおまめ・最終回』(テレビ朝日)

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2006年12月13日 (水)

占いなんてアテになりませんね。私はどうすればいいんでしょうか。(涼風真世)

占い師が主役のミステリー。犯人を占いでは当てないことが占い師にとっていいことなのか。悪いことなのか。だからといって占い師がインチキだとはキッドは言わない。不真面目な占い師もたくさんいるだろうが、中には真面目な占い師もいるだろう。当たるも八卦、当たらぬも八卦であり、根本的にインチキなのであるから、仕方ない。

時にはインチキだって人を救うことがあるし、何かの役に立つものだ。そう想わないとブロガーなんてやってられないしーっ。

ドラマの中で「宿命と運命は違う」という占い師にありがちな論理展開がある。これは人間に自由意志というものがあるという前提で行われるジャンル分け。「宿命」はたとえば、父と母から自分が生まれるということ。男だったり女だったりすること。こういう定めは変えられない。それに対して「運命」は人間の選択によって変えられる定めだというのが論理の中核である。朝ごはんを食べるか、食べないか、誰かに話しかけるか、かけないか。あらゆる機会に人は何かを選択している。その選択の結果、起こることは選択者の責任の生じるところという考え方です。つまり、人が選択権を持っているということですね。キッドはそれはおごりであり、結局、定められた時間にそって人は選ばされているという考え方を心にとめつつ、ま、何かは自由にできると思っていないと人間なんかやってられないんだよなぁ。と考えます。

で、『火曜ドラマゴールド・カリスマ占い師殺人鑑定』(日本テレビ061212PM9~)脚本・宇山圭子、監督・松島哲也を見た。脚本家はすでに80期を越えた脚本家連盟の脚本教室の37期生なのでベテランである。よどみない脚本だが、それぞれの過去を女優たちが演じるという展開に何か工夫があればなあと想ったりする。ま、脚本家の仕事ではないけれど工夫ってそういうものだから。

故・伊丹監督のなんとかの女シリーズの大女優・宮本信子(妻ダカラ)、宝塚のトップスターの中でもキッドにとって独特の風情が魅力の涼風真世。角川映画三姉妹の渡辺典子の顔合わせ。ま、二時間ドラマの常連の皆さんだが、豪華な顔合わせなのである。で、主役の宮本さんが「渋谷のお母さん」と呼ばれるカリスマ占い師すずこ(55)。子宝に恵まれない妻(36)役の涼風さん。そして怪しいブティック経営者(32)が渡辺さんである。ここからはネタバレ全開です。

被害者発生までおよそ30分。涼風妻の夫(梨本謙次郎)は妊娠したという愛人渡辺と密会後、刺殺死体となって発見される。部屋は指紋がふきとられており、それに使ったカーテンと凶器の洋バサミが付近の川を浚うと発見される。夫は妻の母の経営する不動産会社の婿養子。妻の母は脳梗塞でリハビリ中だが、その付き添いで病院にいたというアリバイ。密会の目撃者があり、愛人は事情聴取を受けるが犯行を否定する。

もはや、妻か愛人かどちらかが犯人。いや、妻が犯人としか思えない展開だが。一応、容疑者として愛人の元・愛人(唐渡亮)が浮上する。ダーツバーの店長なので女に暴力を振るうし、街角の占い師にインネンをつけるし、人を殺してもおかしくないという断定である。全国のダーツバーの店長・・・かわいそう。

占い師にとってすべての人がお客様。本来は彼女も客だった。若い頃、不倫の子を宿し、未婚の母となった占い師は子供が四歳の時に、体を壊し、里子に出した過去があり、自棄になっていたところを亡き先代「渋谷のお母さん」に救われ、跡継ぎになったのである。今はワケあって甥(杉浦太陽)と二人暮らしなのだが、・・・若い頃のやつれた占い師はスッピンで老婆にしかみえず・・・痛いのである。

ともかく、被害者とその妻もお客様で「子供に縁はない」「生涯妻も夫もただ一人」と占うのだが、現代は不妊治療も進んでおり、「どちらかが原因と判明してギクシャクするのがイヤという」二人の建前を喝破し、医師の治療を受けさせなかったことが悲劇を生む。「ああ、一番大事なことを忘れてた」と占い師は後悔するのだが、ま、根がインチキだから仕方ないとキッドは思うのである。

被害者は死ぬ前に「旧姓」に戻ったらどうなるかを占いにきたのだが、占い師は被害者の手相に凶相を見出し、不安に襲われる。この時、被害者は浮気が発覚し、愛人の妊娠の真偽を疑い検査を受けた結果、自分に子種がないことを知っていたのである。それを聞き出せなかった自分の未熟に占い師は愕然とするのだった。

その夜、愛人と会った被害者は愛人が自殺しようとして取り出したはさみをとりあげる。そして、愛人が帰った後に妻が、夫としては自分に子種がないこと、それでも夫婦であることを認めてくれるかどうか・・・という意味で「愛犬」がいることを口にするが、愛人に子供ができたことを知っている妻は自分が不妊症の原因だと思いこんでいたため激怒。気がつくと夫を刺していたのだった。これを目撃した愛人の愛人は強請をかけるという展開。

占いではつきとめられなかった真相を顔なじみの警官(矢崎滋)や常連客(角田ともみ)からの情報によって知った占い師は自殺を決意した妻の元へ駆けつける。そこは夫婦が知り合った想い出の展望台。七年前の回想シーンで妻は七年前の自分を演じるが、ま、これはそれほど痛くない・・・とにかく、自殺はくいとめられ、真相を知って崩れる涼風はそこそこに自首をすすめる占い師だった。

結論、占い師なんてものに頼る夫婦は殺しあう可能性があるので注意しましょう。

関連するキッドのブログ『夜なんて来なければいいのに・・・(菊川怜)』

口は災いの元というが、うっかり「オレたちには犬しかいないけどいいかな」と言うところを「犬がいるからいいだろう」なんて言ってしまうと殺される可能性があるので、国語力を養うことは大切なんですね。それにしても人は常に助言を求め、生きるものなのだなあ。しかし、助言に耳を傾けることは大切なことなのだ。それは自らの愚かさを認めることなのだから。たとえ、占い師でも助言をしてくれる人がいるのはありがたいことなのだなあ。キッドは世界で自分が一番正しいってことを疑ったこともないから、誰も助言してくれないけど必要ないし。

木曜日に見る予定のテレビ『おみやさん最終回スペシャル』(テレビ朝日)

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2006年12月12日 (火)

上野樹里と北海道のカニとウニとラーメンと白い愛人とちびのだめと白石美帆とサエコと小出恵介と瑛太と水川あさみと福士誠治とオレ様。

バンザーイッ。北海道のカニ、バンザーイ。のだめの喰いっぷりバンザーイ。のだめが千秋の彼女と聞いて目の玉飛び出る江藤かおり(白石)バンザーイ。もう、思い残すことはない。オクレール先生も瀬川悠人もけえ子と学もミルヒーも千秋ママもタイトル参加資格はあるのだが、北海道みやげに敵対は許されない。それにしても、ついにマキちゃんレイナのピアノ科コンビは出番なし・・・。このまま、タイトルに登場できずに去るのか。岩佐真悠子なのにかっ。大河内にも出番はあったのに・・・。

本題に入る前に恒例の週末視聴率チェック。「家族」↗12.2%(幸せの黄色いハンカチでしめた最終回。平均11.9%はレガッタと比べれば大躍進)、「笑える恋」↗*8.7%(だってしょうがないじゃない)、「たったひとつの恋」↗13.0%(よかったーっといっていいのかわからないが最終回に希望アリ)、「おまめ」↘*7.2%(まあ高視聴率じゃなくってもそこそこ)、「アカネ」↗*9.5%(あげたーっ、よかったね、まきまき、終って。次は仕事選んでね・・・う、撃たないで~・・・最後になるので言っておきますがこれは篠原涼子のアンフェアのセリフでおちょくりの対象は秦建日子さんです)

で、『のだめカンタービレ・Lesson9』(フジテレビ061211PM9~)原作・二ノ宮知子、脚本・衛藤凛、音楽・服部隆之、演出・武内英樹を見た。いよいよ、まとめにかかってきた。どうやら、日本編のエビソードの中にパリ編の感動まで持ち込もうとしている気配があり、あんまり、欲張りすぎると大変だと思うのだが、ミルヒーというカードでまとめあげる気配が濃厚である。先週から、始まったセリフの分捕りあい合戦。今週は千秋(玉木宏)のセリフに続いて、龍太郎(瑛太)のセリフを真澄(小出)ちゃんが奪いまくり、そして、龍太郎は存在の抹消されたあの一家の長男に代わって千秋と一緒に夢とおみやげの王国へ。原作を越える裏軒マスター(伊武雅刀)の生唾ゴックンが北海道みやげの存在感の大きさを物語るのだった。

「で、オレ様がR☆Sオーケストラで世界に与えた喜びの調べは半端ではなく、オレ様の知らないところで龍太郎と一夜をともにした清良(水川あさみ)でさえ、その喜びの渦からなかなか抜け出るのは困難で、まさに放心状態になるほどの快楽だったわけだが、音楽は官能の宴なのだから当然なのだ。・・・とはいうものの、何故だ。何故なんだーっ。何故、オレ様は空港に、何故、札幌にラーメンを食べに、何故、龍太郎と一緒に。ひ、ひ、飛行機に。ひーっ。・・・大丈夫ですよ・・・誰だ、オレ様に語りかけるのは、天使? それとも悪魔。乗るのかーっ。飛行機に。飛ぶのかーっ。大空を。スチュワーデス。なぜ笑う。パイロット、コ・パイロット、なぜ優しげ。オレ様の中で激しくせめぎあう、過去と未来。そして、テイク・オフ。ガクガクブルブルの中でオレ様は飛んだ。龍太郎に抱かれて仔犬のように震えながらオレ様は北海道に降りた。ああ、呪縛は解かれた。オレ様の夢のヨーロッパ。あの乾いた空気。それがこの手に戻ってきたのだ。そして、悪魔は囁いた。・・・カニを買ってきてくださいね・・・カニ、カニ、カニか、カニなのだな。そ、そ、それが目当てだったのではないだろうな。オレ様におつかいをさせるために、ついでにトラウマを除去したのでは、いや、一体そんな馬鹿なことを誰が考えるーっ。の、の、のだめなのかーっ。カニが食いたかったのかーっ。しかし、オレ様の音楽によって心を揺さぶられたのだめはハリセン(豊原功補)の家に。そして、あ、あなたは陣釜さーん。桜井さんと結婚していたのですかって・・・ちがーうっ、ハリセン妻かおりさん、存在感すごいですね、登場しない瀬川ママより存在感あるじゃないか。まさにサプライズ・キャスティング。え、のだめがマラドーナ・ピアノ・コンクールにって。本当かよっ。のだめ、オレ様の手を離れ、ハリセンの手によって花開くことができるのか・・・。それなら、それはいいことなのかもしれん。しかし、あのハリセンにそれができるのか。オレ様でさえ、我慢できなかったハリセンの指導にあののだめが・・・。とにかく、このカニはのだめに食べさせるためのもの。何故かは知らんが、オレ様の心の中で何かがそう命じている。なんだ、この気持ちは・・・そう、飼い主のような、とにかく、餌だけは与えなければいけないという義務感・・・しかし、何故カニなんだ。・・・そして、のだめからメールが、シューベルトか・・・、靴の紐、ウィーンのアマチュア音楽家の息子、14人兄弟の四男、すでに音楽の英才教育が存在した19世紀初頭、貧しさゆえに充分な音楽教育を受けられなかったシューベルトとのだめ、実は相性がいいのではないだろうか。なにしろ小悪魔と魔王の作曲者なのだから。それより驚くべきことはのだめがケータイ電話を持っていることだが。もっと驚くのはクロキンがのだめを素晴らしい女性と賛美していることなのだが。どこまで女を見る目がないのだーっ。それにしても、さすがは月9なのだな、ひたひたと押し寄せる恋をしてなきゃドラマじゃないモード。彼氏、彼氏とみんながオレ様をのだめの彼氏にしたがっている。なぜだ。どこが彼氏なんだ。のだめには毎日のように餌を与え、時にはシャンプーしてやり、時にはキスも許してやり、ピアノ演奏で心を通わせ、ハブラシもおかせ、半分同棲しているようなものだが・・・つきあっているのかーっ。オレ様は客観的にはのだめと付き合っている状態なのかーっ。・・・しかし、もはや、ヨーロッパが夢の大陸でなくなったオレ様には新たな問題が浮上。オレ様を支えてくれたR☆Sオケが重荷になってしまったのだ。それとはうらはらに盛り上がるクリスマス再演。続々集う新鋭たち。高まる龍太郎の想い。いや、オレ様は。さらにシュトレーゼマン再々来日。ああ、オレ様は贅沢な悩みの中に。そこへ。奇跡のように1次審査を突破したのだめが。まさか、のだめが多重人格に分裂しかかり、擬似人格のオレ様が、のだめの幻覚でのだめを導いているとは露知らず、好きです、とか、淋しくさせてごめんなさい、とか、言いながら、オレ様の餌を拒否するそぶりに思わずカッとなり、まるで痴話ゲンカのような状態に。け、け、ケツの穴の小さい男って真澄にも言われたことないのにって、そーゆー意味じゃねーだろーってダレにツッコミをいれているのだーっ。のだめ、オレ様はお前の彼氏なのか、そしてハリセンまでが恋のキューピッドに。さすがは月9だな。のだめ、バカな奴。本当にオレ様を恋人だと想っているのか・・・。オレ様は、オレ様は、どーなんだ。ってお前、そのショパン、どんなトラウマがお前を苦しめる。いつからマラドーナピアノコンクールは二次予選と三次予選が混濁してしまい、そして会場には妖怪が、そしてのだめの記憶の中にはちびまる子ちゃん(森迫永依)が・・・。超絶技巧で適当というありえない音を響かせながらつづくなのだな」

ああ、いよいよ、後二回かぁ。時は流れていくのだなぁ。それは可愛い子馬だからなぁ。どんなに止まれと念じても駆け去っていくのです。今回はカニを中心に爆笑ポイントが点在。やはり極め付けは「あの千秋にカニを貢がせるほどの何かを持っている」というハリセンのセリフでしょうかね。ま、原作の時点で反則の瀬川の頭は除外するとして。今回は白目の黒のだめ爆発も堪能できました。賞金200万円も恋愛モードにおきかわり、裏技も時代劇つきで、この後ののだめ悪夢「パガニーニの輪をくぐれば15クロウサギ」にも期待が持てそう。なにしろ、千秋擬似人格という原作越えをしているので期待は膨らむーっ。

それにしても、ハートの大きさといい、のだめ白目電磁波といい、武内演出はやはりおしゃれなんだよなぁ。押コンも押コンでケツの穴のでかさが漂う。まあ、気のせいかもしれませんがね。そういう目で見るとそういう風に見えてくるということがありますから。

R☆SメンバーもSオケもさりげなくひろいながら、いよいよ、千秋とのだめの愛のカンタービレの開幕か。のだめが演奏し、千秋が聞く。千秋が演奏してのだめが聞く。このくりかえしの果てに、やがてくる合体。いや、共演。原作も果たせぬ夢の園へ。二人の関係は最終回どこまで進むのか。のだめファミリーは一体、どんなキャスティングなのか。まだまだ楽しみは果てることがない。千秋様、真澄です。どこにいらっしゃるの? 千秋様、真澄です。どこにいらっしゃるの? 千秋様、真澄です。 千秋様、真澄です。千秋様、真澄です。 千秋様、 千秋様、 千秋様、 千秋様 千秋 千秋 千秋 千秋 ・・・真一ほどに。

いよいよ、来週は一挙に本選モードのようだ。まあ、マラドーナテレビ版のシステムはどういう変更になっているか、わからんが、ドビュッシーは千秋のなんらかのアクションで恋の喜びの島に変わる予感。のだめのあのセリフが予告に登場しているから、千秋のさしのべる手をふりはらうところまでは必至か。最終回、1.5倍モードだからかなりのアクロバットを展開するスペースはあるわけだが・・・。とにかく、北海道のカニが見れたから、キッドはもう満足ですー。それにしても「NANA」失速したんだなーっ。

関連するキッドのブログ『Lesson8

水曜日に見る予定のテレビ『14才の母・愛するために生まれてきた』(日本テレビ)うわーっ。バカな日テレが出たなー。編成、何を考えている。まだ、どっちか、飛ばした方がいいだろう。

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2006年12月11日 (月)

続・旦那様、旦那様、旦那様、だんなさまーっ。(仲間由紀恵)

『功名が辻』最終回の視聴率が23.4%、平均視聴率20.9%である。『利家とまつ』(2002)以来の20%超えで、戦国と夫婦の相性の良さを物語っている。視聴率ついでに『鉄板少女アカネ』のいつの間にか最終回は*9,5%(平均*8.7%)で週刊ザ・テレビジョンも間に合わないほどの打ち切りっぷりにマキマキカワイソ~の涙で前が見えなくなるほどだ。最終回なのにレビューする気のしないドラマって・・・・う、撃たないで~。

一方、功名が辻は司馬遼太郎原作は低視聴率のジンクスを打ち破り、大石静、大勝利の展開である。戦闘シーン欠乏症のキッドの夢は破られたのだ。戦闘シーンなんか、ありものでパッパッでも20%とれちゃうんだもんねーっという「私ってブスだったの?」「いや、それほどでも」の人が夢に出てくる勢いである。

最終回も「慶長19年11月、大阪冬の陣が始まった」と思った次の瞬間、夏の陣で秀頼・淀が火薬庫で死ぬ直前にワープ。淀(永作博美)が「死ぬのはイヤじゃーっ」「御免」グサリ。ドッカーンで終了である。もう、なんか清々しささえ漂う展開だ。ここまでやってくれるとどれだけ戦闘シーンを回避してくるかがひとつのお笑いポイントでキッドは爆笑してしまいました。

で『大河ドラマ・功名が辻・最終回(全49話)・永遠の夫婦』(NHK総合061210PM8~)原作・司馬遼太郎、脚本・大石静、演出・尾崎充信を見た。関ヶ原の合戦の後、土佐一国の主となった山内一豊(上川隆也)が領国支配のために土着の武士を粛清し、妻・千代(仲間)に反発されるもののヨリを戻したのもつかのま卒中で倒れるというのが前回。今回も「旦那様」で始まり「旦那様」で終る物語なのだが、一豊は中盤で一足先にあの世に旅立つ。関ヶ原から五年後のことだった。この時、千代は45才ぐらい。見えないけど、気にしない。なにしろ、日本史上、最も有名な妻=山内一豊の妻だから、いつまでも若くて当然なのだ。千代は戦乱の世を共にした夫の末期の水を口移し、夫の死体と一夜を明かし、朝、夫の頬を挟み、その冷たさから夫の死を受け入れる。この描写が実に幽玄で、仲間千代ならではの魅力がほとばしる。

その後、見性院となった千代。性を見るとは実に知的なネーミングである。人の性、男の性、女の性。あらゆるサガを見抜くことに優れた女性である千代にはピッタリだ。高台院(寧々=浅野ゆう子)もまた、物見を連想させ、知性を連想させる院名だが、寧々が全体を見ることに長け、千代が本質を見ることに自信を持っていたことを想起させる。

この二人は京都で徳川家の影の外交官として、旧勢力の豊臣家を半ば案じつつ、滅亡に追い込む片棒を担いでいく。すべては生き残るための戦だから。浅井と織田の血を引き、豊臣の子の母として良血中の良血であるだけだった淀には抵抗する術もなかったのである。

主従関係とは不思議なもので、あらゆる人間関係の中に含まれながら、主(あるじ)たる者と従う者の判別は容易ではない。これに反するものは敵対関係と、友好関係である。友という人間関係は主従と敵対との狭間に生まれる幻のようなものとも言える。

千代は常に従うものでありながら、友という魔力で、主としてふるまうことができた。それを人は内助の功とも呼ぶし、才女とも呼ぶし、女大名とも呼ぶ。どれだけの賢さであろうか。ありあまる才能を嫉視されずに開花させることのできる賢さ。まさに妙なのだ。

見性院(千代)にとって高台院(寧々)はかっての夫の主の妻である。当然、千代にとっては主の系列に属す。しかし、二人が並んだ姿は信頼で結ばれた友に他ならない。寧々が「私の築いた豊臣の家が滅ばぬよう配慮したい」と言えばその意を受けて淀を説得する。しかし、「もはや、滅びるしか道はないのだろう」という寧々の本心も分かっているのである。まさにあうんの呼吸を通わせるものとして描かれる二人。素敵である。

淀「織田の姫であり、豊臣の母であるこの私に従えぬと申すのか」千代「すでに山内の主は徳川なのです。それが実力のなせる業なのです。どうか、ご理解くださいませ。まずは秀頼様のお命、子を守るのは母の第一の役目でしょう」と説得する。徳川家康(西田敏行)はかって淀の叔父・織田信長に家康長男(信長の娘の夫)の死を命じられ、実行した過去がある。それが主従というものであり、今、淀の長男は家康の孫娘の夫でもある。どちらが主であり、従であるかの選択は非常に難しい。拒否すれば主従関係から敵対関係へと変換するのである。淀はこの時点で従であることを受け入れた。そうでありながら、家康は敵対関係へと従う淀(旧政権)を追い込んでいく。徳川は源氏政権である。平家が源氏の命脈を絶たなかったために滅んだという歴史から、源氏は旧政権の命脈を絶つという習いになっている。

その時が来て、大阪城は落城する。才女である寧々が千代に「あなたと私は似ていると思っていたが、私の家は滅び、あなたの家は残ったわね」と友ならではの感慨をもらす。そして戦国時代は終焉したのだった。この時、千代は54才になっていた。

山内家は直系相続ではないが十六代豊範まで続き明治を迎える。千代は余生を巡礼の旅で夫や家臣たちの菩提を弔うことで過ごしたとドラマは結ぶ。終焉を千代は永井杏の演じた少女時代の一場面を仲間由紀恵が演じるという幻想的な回想シーンで飾る。主となる夫・一豊との出会いのシーン。裸足の千代に一豊は草鞋を与える。主たるものは従うものにこの優しさを与えねばならない。それを示すこのシーンは涙なくしては見られない名場面だった。こうして仲間由紀恵の「旦那様」を求める旅は終ったのだ。千代は61才だった。「む」と「ぶ」を曖昧に発音する仲間ならではのおばあちゃん声色がちょっと楽しかったな。武は武士ならぶしだし、武者ならむしゃだ。日本人の心の琴線に触れる発音なのだろう。

関連するキッドのブログ『旦那様、旦那様、旦那様、・・・だんなさま~(仲間由紀恵)』

さて、来年は『風林火山』(原作・井上靖)である。仲間由紀恵という旬の女優を使った今作と変わり、武田信玄を市川亀治郎(市川猿之助の甥)、由布姫を柴本幸(真野響子・柴俊夫夫妻の娘)、主人公・山本勘助を内野聖陽という・・・キッド的には地味なとりあわせだ。まあ、ライバル上杉謙信はGacktだけど。予告を見る限り、作用反作用で戦闘シーン増量の気配があるが、武田の合戦はキッドにとってはもう一つ地味なんです。でも、期待していいのかな。テリー伊藤さんが今川家臣・福島越前守役でキャスティングされており、ちょっと楽しみ。ま、最大の関心は池脇千鶴の三条夫人である。池脇のSかあ。ある意味、ジョゼ?

『ラストサムライ』も見たけれど、ツッコミどころ多すぎてとてもレビューできないと判断しました。あしからず。

火曜日に見る予定のテレビ『火曜ドラマゴールド・カリスマ占い師殺人鑑定』(日本テレビ)それは宮本信子も涼風真世も渡辺典子も出るからなのさ。

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2006年12月10日 (日)

・・・・・冷静になれよ、大人になれよ・・・信じろよ・・・・・・・・・・(亀梨和也)

「今じゃなきゃダメなの」「弘人もなんか捨てて」「サヨナラってこと」菜緒(綾瀬はるか)の乱れ打ち。おいおい、「信じろよ」だよ、聞こえなかったのかよ。そりゃ「もう少し待ってくれ」とか「時期を見て」とか、そういう約束の言葉を思いつけなかった弘人(亀梨)も中学生レベルの言葉の不足なんだけどさ、「信じろよ」っていってるじゃんか。もう、精一杯なんだよ。それ以上、弘人の中の誠意が許さないんだよ。泣いてるし。ママからの電話で里心ついているし、・・・ああ、弘人(とりあえず家族は)「捨てられないし」(とりあえず今は)「それぞれの居場所に戻るんだ」(とりあえずしばらくは)「別れる」(しかないだろうという)つもりだったのか。「信じろよ」があるからか。おいおい、そりゃ、無理だろーっ。で、ナレーションで「もっとうまいこと言えたかもしれないのに、待ったなしだと彼女の瞳が言ってたから」って言い訳すんなーっ。

せつなーい。ああ、せつなーい。ちょっと、待ったーっ。大人になるぞーっ。冷静になるぞーっ。神様のテクから逃れるぞーっ。キッドは弘人じゃないしーっ。20才じゃないしーっ。亀梨くんじゃないしーっ。まして、菜緒とか綾瀬はるかに愛されているわけじゃないんだからーっ。・・・それはそれで哀しいーっ。

で、『たったひとつの恋・第9話』(日本テレビ061209PM9~)脚本・北川悦吏子、演出・岩本仁志を見た。亜裕太(平岡祐太)がコンビニ男の純情を貫き、ああ、あの一瞬の温もりだけを抱きしめて、男・亜裕太20才の思い出胸にしまいます。ハックション。と風呂上りに冬の浜風はきくな~。こうなりゃヤケだ船上デートもセッティングしておきました。と好感度アップに励むイントロダクション。

そして、最後の航海、湾岸クルーズの始まり始まり。ただごとでない二人のムードを感じ取り、他の乗船客はデッキに立ち入り禁止。愛し合う二人だけど、状況がそれを許さない二人の心と心が今、すれちがう。

「かけおちしたら三日で泣くでしょう」「泣いてもいい」「オレが君をそんな風に悲しませたくない」「悲しまないもん」・・・「お別れなの」おいおい、何故。「・・・」おいおい、否定しないのか~。時間切れ。「後、15分手をつないで」「いいよ。ひとつだけお願いがあるんだ。毎年、クリスマスの日にはオレンジのイガイガよろしく」「・・・いいよ」・・・ああ、弘人。心を語っている場合じゃないんだよ。人間は行動がすべてなんだよ~というキッドの場外からの叫びも虚しく、クルージング終了。

やはり菜緒ママ「あなたのせいでパパとママ、ケンカしちゃったわ。でも、心配だから帰ってくるのよ」の持久戦なんて必勝よ攻撃炸裂。どこで、どこで修行したの~。

えーっ。別れちゃうのかよ。「もしもあなたがアルタイルなら離れ離れの私はヴェガね」(引用元が分かる人はキャンディーズの幻のもう一人メンバーを知っているし、ハンカチは木綿だ)ってクリスマスイブですよーっ。七夕じゃありませんよーっ。この季節ボケは教科書プレーかーっ。

亜裕太、圧力団体の抗議も恐れぬ、「こらえにこらえて耐えに耐えたオレの純情どうしてくれるー」必殺真空飛び蹴りが弘人の背中に炸裂~。とりあえず、ケンカしておくかーっ。一線越えたら誰か止めるだろーっ。・・・小学生かよっ。

そして、一年目「いるよーっ。私いるよーっ」「オレもいるよーっ」

そして、二年目「いるからーっ。私いるからーっ」「オレもいるしーっ」

そして、三年目「・・・・・・・・・・・・・」(まあ、ものには限度があるってことだよな)

時は流れて甲(田中聖)の結婚式。三年立つと、裕子(戸田恵梨香)もずいぶん庶民的になるもんだーって、裕子じゃねーっ。こんなことで驚かせるのが教科書プレーなのかっ。リアルすぎて涙がとまりませーん。裕子は医学生に。亜裕太はセールスマンに。そして弘人は工場を人手に渡し、雇われ工員に。ついでにママはデパ地下。弟は中学生で野球部に入りました。

そして、運命の再会。ニアミス。菜緒の指には婚約指輪。手にするのは結婚式場パンフレット。うわぁ、弘人に対する感情移入中止モード発令。緊急回路遮断要請。だめです。間に合いません。うわーっ。後悔。嫉妬。裏切りに対する軽い憤怒。失意。失望。とりつくろい。絶望。「とりかえしのつかないことをしてしまった・・・」せ、せ、せつなーい。神様の業炸裂ーっ。もう、ダメだーっ。とりあえず、ギムレットをもう一杯。弘人、ともに反吐をはくまでーっ。圧力団体がこわいのでゲロのシーンはありません。ナレーション処理が精一杯ですぅ。あーっかっこ悪いよ。かっこ悪いですよ。かっこつければつけるほどかっこ悪いもんですよーっ。おーい、酒、酒持ってこーい。地団太を踏んでも踏んでも「急ぎすぎて大切なことを忘れて」しまった模様です。

さらに運命の再会。本格的。明日は婚約者の両親とお会いするのよ。もう後戻りはできないの。だってしょうがないじゃない。すべては思い出の中に、初恋の宝箱に、過ぎ去ったハロウィンの飴だって賞味期限切れなのよ。なのに、どうして、あなたはここに。asなのよ、asなのよ、くりかえしてもasなのよ、ads(あず)さんではないのよーっ。こ、これは・・・ロミオとジュリエット、『卒業』ヴァージョン展開か、エレーン、バンバンバン。ナオーっ、バンバンバン。なのですかーっ。友情出演の人そりゃ、あんまりだーっ。神様、これまでのまったり加減はどこへやら怒涛の最終回につづく・・・・。

関連するキッドのブログ『第8話

ああ、これだけやって視聴率がとれないようだと、もう、みんな、他人の恋愛なんて知ったこっちゃねーのかもな。いや、もう、みんなこーゆー恋愛なんか忘れちゃったのかもなー。そりゃ、そーかもなー。こんなせつない想いをするくらいならー。毎日を面白おかしく、自分を磨いたり、何かに萌えたりしていた方が楽だしなーっ。神様、キッドはそー思いますよー。教科書プレーは問題なかったですしーっ。勉強になりましたし、今夜は久しぶりに20才の気分になりましたからーっ。恋愛ドラマに感情移入しちゃうようでは大人になんかなれないですよねー。キッドはそれで満足ですけどーっ。素直な気持ちで最終回が楽しみです。

月曜日に見る予定のテレビ『のだめカンタービレ』(フジテレビ)

ねんドル情報■岡田ひとみテレビに登場

「ワナゴナ」

TBSテレビ 12/10(日) 28時~28時30分OA
中川翔子さん、鉄平さん、ゲストのクレイアニメーターの巨匠・石田卓也さんと
粘土します!!

☆☆☆これは・・・ど深夜? それとも・・・ど早朝?☆☆☆

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2006年12月 9日 (土)

幸せの真っ赤なアップル・・・だったのです。(竹野内豊)

もしも、やりなおす気があるのなら、あの木に林檎を一杯生らしておいてください。・・・とはいえ、林檎は一個でした。結局、夫婦喧嘩だったのかよーっ。・・・とキッドの多重人格を代表してツッコミを入れることだけは許してくださいね。

それにしても五体満足で容姿端麗、子供にも仕事にも恵まれ、浮気をしているわけでもないのに「離婚」をせまられるなんて、なんて「夫」(竹野内)に厳しいドラマだったことか。しかも、相手はもはや、憧れの職業ナンバーワンといってもいい「専業主婦」(石田ゆり子)である。ま、人間、ないものねだりは尽きないのですねーっ。

そして、周囲の人々が一致団結して、二人のヨリを戻すために右往左往。も、もう、うらやましくてうらやましくてうらやましくてうらやましくてうらやましくて今夜は泣くと思います。という中島みゆきが心の友の欠損家族の皆さんが全国で涙の洪水を巻き起こすファンタジー、ついにフィナーレなのです。

で、『家族~妻の不在・夫の存在』(テレビ朝日061208PM9~)脚本・清水有生、演出・唐木希浩を見た。ファンタジーなのでファンタジーとしての視点でもう一度、ふりかえってみよう。若き王様が狩を終えて、城に戻ると、そこには王子(宇都秀星)が取り残され、王妃の姿はない。どうやらダークサイド(かまってくれなきゃすねちゃうぞの森)に迷い込んでしまったらしい。王子はトラップ(父親不在のピアノ発表会)にひっかかったのは自分のせいかもしれないと思い悩む。若き王様は王妃が生活の鍵を持ち去ったために装備を次々に失い、丸腰で試練の旅に出ることになる。そこに現れたのがセイブケイサツ・ジュクネンリコン・タイガナラノブナガの老師(渡哲也)だった。老師はかって王様のために国を追われた過去を持つが、恩讐を乗り越えて、王様に秘伝「幼稚園のお弁当」や「雑巾縫い」の術を伝授するのだった。

元々は一代で若くして王にまでなった男である王様は数々の苦難を乗り越えて、王妃を捜す、その頃、王妃は「自立したできる女の都」にいて、「昔のボーイフレンド」などをはべらせ、新生活をエンジョイしていたのだが、心のかたすみで残した王子の面影が疼く。そこで王様から王子も奪ってしまおうとあとくされのないように法的処理しますよという昔馴染みの魔女(木村多江)をお城におくりこむ。しかし、王様は魅力的なので魔女をも味方につけてしまうのだった。王子は奪われたが王様の周囲にはピエロ(劇団ひとり)、侍女(さくら)なども集って、それはそれで楽しい生活。

暗黒面に堕ちた王妃は最終兵器『離婚届け』を炸裂させる。今週は「コトー」でも炸裂していた。老師、ピエロ、侍女、魔女、そして「昔のボーイフレンド」までが王様をバックアップ。王様への復讐心にこりかたまった王妃の呪いはついにわが身にふりかかる。神の力万有引力に撃たれた王妃は「ちょっぴり贅沢だったのかもしれない」と反省する。王様は「サンタクロースに変身」したり、王子は「パパとママに捧げるピアノ」を弾いたりして、なんとか王妃の正気を取り戻そうとする。

しかし、王様はうっかり忘れた合言葉を思い出さないと、王妃に会うことはできない。王様として海外に遠征する期日も政治日程的にせまっている。そこへ、王子から暗号絵画が届く。それは「エデンの園にあったという林檎の木」だった。この地図に記された場所で「ともに白髪が生えるまで」と言えば、二人は再会できるのである。王妃のわがままに散々振り回された王様はためらう。そこで老師が「ワシが亡き妻に復活の呪文を唱えることはできん、星野真里はゲストだから行方不明だし、しかし、王様。そなたの王妃はそこにいるではないか。いきなされ」しかし、なおもためらう王様。すると老師は魔王に変身。「行かんか!」と一喝。王様は脱兎の如く約束の土地へ。こうして王様と王妃と王子は再会し、王国に平和が戻った。宮廷合唱団EXILEの歌声が鳴り響くのだった。

ま、何も言うことはありません。みんなが幸せになろうと思えばなれるかもしれないというお話です。キッドは心が洗われた思いですにゃ。にゃーっ。

関連するキッドのブログ『第一回のレビュー

で、『羊たちの沈黙(1991)』(フジテレビ061209AM0250~)も見た。ああ、クラリス(ジョディー・フォスター)で、『ハンニバル』も見たかったなぁ。20世紀で一番好きな映画がコレっていうのもいろいろ問題があるよなぁ。じっくり語りだすと、キリがないだろうなあ。なにしろ「人を大量に殺せば死刑になる」が「人を生きたまま大量に食べたら死刑にはならないかもしれない」というファンタジーであるからなあ。実際にそうだった人が実在する国だからなあ。いつか、じっくり語りたいが、今回は子供の頃好きだった歌をやや替え歌で残すに止めよう。「人食い土人のサムサム、お腹がすいて、お父さんもお母さんも弟も食べちゃった。食べ過ぎたー」元詩は童謡『人食い土人のサムサム』(谷川俊太郎)だが、キッドがこれを歌うと父も母も弟もゲラゲラ笑ったものだった。今だとかなり危険な光景かもしれない。

日曜日に見る予定のテレビ『功名が辻・最終回』(NHK総合)ま、ヒマなら『ラスト サムライ』も見るかもね。

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2006年12月 8日 (金)

「束縛して」(内山理名)VS「解放して」(蒼井優)

まあ、松子はそうは言わないけれど、結局、松子(内山)の求めることはそういうことなのだなあ。縛り付けておきたいの裏返しの縛られたい心。「ずーっと見ていてほしい。私から目を離さないで欲しい。そういう人を私はずーっと待っている。あなたを待つのも松のうち」これはやはり「執着」と呼ぶべきものなのだなあ。一方、ミナ(蒼井)は解放を求めていた。しかし、それもまた「解放したい」の裏返しなのだなあ。「あなたの心を解放したかったけれど、それは無理だった。だから、私を解放して」・・・結局、松子は呪縛への執着から逃れることはできなかった。ミナは・・・。

まるで、計算されているかのようにシンクロする松子とミナの人生。つまり、男と女だの、人生だのって奴はそんなに違わないってことなんですねーっ。・・・おいおい、いいのか、その結論で。

視聴率は恐ろしく違いますけど。蒼井優主役の今回、「コトー」は微上げ(22%)でおタクとしてはほのぼのな気分。

で、『Dr.コトー診療所2006・第9話』(フジテレビ061207PM10~)原作・山田貴俊、脚本・吉田紀子、演出・高木健太郎を見た。「ミナって呼んでください」(原作ではミナチンだからな・・・)とある意味アブナイ描写の仲依ミナの過去が明らかになる今回。まずは夫がいたーっ。しかも、きたーっ。しかも夫は忍成修吾だーっ。これはもはや映画「リリイ・シュシュのすべて」(2001)ーっ。さらにアブナイ人だったーっ。

施設で育った二人。家族を持たない二人がひっそりと築いた家庭。ミナにとってようやくたどりついた居場所から逃亡した理由は。もう見るからに狂気を漂わせた美男子。二人きりにしたら直後に痣だらけになる蒼井。ここは誤解を恐れずに言うとニコモ出身者ならではの妖艶さ漂いまくりーっ。さすがだにゃー。猫でなくても苛めたくなるだろう。

今回、忍成のセリフの数少ない手懸りだけではなんとも言えないが、忍成は心の病。おそらく虐待によるトラウマから暴力にたいする自制のできない人格障害者。そして、それが家庭内暴力に特化してしまうタイプらしい。しかも、「ミナに虚言癖がある」などと虚言癖もあるようだ。

ミナは離婚届を置いて島に逃亡してきたのだが、ミナに執着する忍成は当然、捜索発見。ミナが殺されてもおかしくない展開が二回。ピンチを救うのは筧利夫である。愛か。愛なのかーっ。筧でいいのかーっ。蒼井ーっ。

ここで島の神様たちの相談。「ミナはよそ者だがなー」「島にいたら役に立つー」「そーじゃなー」「じゃから守るよー」「じゃなー」ということで、小林薫・朝加真由美「あんたのことは実の娘だと思っている」攻撃、そして、止めは恋愛沙汰ならおまかせ大塚寧々「過去と決別しなきゃいけないときってのがあるもんよ。幸せをつかむ気があるんなら」グサリである。ここが松子には手が届かないところ。同じことをAV女優に言われるのと島の女に言われるのでは説得力に差があるらしい。

しかし、壊れているとはいえ、相手は忍成、油断は禁物。来たー。伝家の宝刀。とにかく発病。だってここはコトーの世界じゃーっ。「オレやお前にとって世界は敵だろう。お前の本当の味方はオレだけだろう。少しくらい殴ったり蹴ったりしたって、オレしかお前を幸せにできないだろう」という狂った論理展開で蒼井とヨリを戻す気でいた忍成の心臓を停止させましたーっ。

ミナ「やった。これで助かった」と思うまもなく、善意の世界観発動。とりあえず、人命救助だーっ。忍成、結局、命冥加な奴だったーっ。

ミナは懺悔。コトーは一緒だよ。僕だってと癒し攻撃。二人のささやくような小声のやりとりに思わず、テレビのボリュームをあげるキッドは難聴気味ーっ。小声の人たちってうらやましーっ。

そして、コトー、暴力夫に説諭。「心の病を治すのは本人の努力がなくちゃ」って村の駐在さんかーっ。本人がどうすることもできないから精神障害じゃないのかーっ。ま、島の神様にとっては「この男は不要じゃーっ」という結論なのだな。とにかく、離婚届は確保したからそれでいいのだーっ。村役場を挙げて受理するのだーっ。

こうして心の闇をかかえたまま、忍成は世に放たれたのだった。次に毒牙にかかるのは貴女かもしれない・・・。結論、蒼井優は美しい。来週は柴咲コウの回。お見逃しなく。

で『嫌われ松子の一生・第9話』(TBSテレビ061207PM10~)原作・山田宗樹、脚本・成瀬活雄、演出・堀英樹を見た。「ああ、洋くんはヤクザもシャブもやめて私たちは幸せになれるのだ」と夢見心地の松子なのだが、なわけもなく、死に至るリンチ開始、しかし、歴史の改編は行われず、要脱出である。脱出できないと思うが脱出したものは仕方ない。二人は追及を逃れるために覚醒剤で自首の方向に。年末年始に微罪で捕まり、留置場に温もりを得る浮浪者の気分なのか。警察のスパイが入り込むほどの組織なら、刑務所まで執行人は来るのではないのか。それはヤクザ映画の見すぎなのか。ということは追求しないでおく、朝から天丼出されるような世界では文句を言うと胸焼けをするからである。そして「あなたがいれば地獄でも平気の松子」と「オレがいたら地獄から抜けられない洋一(要潤)」との男と女の悲しいボタンの掛け違い。とばっちりはすべての諸悪の根源の校長(佐藤B作)へ。まあ、こいつは殺されても仕方ないことをしているからな。そう思わない人はいい人だと思う。とにかく、妊娠? 年表的には鈴木えみの年頃が・・・。げ、原作を越えるのか。そ、それはやめた方がよくないか。ま、この数字(*7.2%)だから何したっていいんだって気になるのはわかりますが。記事内容がいつもと逆転していると思う人はキッドが蒼井優のファンなのだということを受理してください。

人は人に縛られたり、縛ったりして生きているし、解放したり、解放されたりしても生きている。息がつまるような束縛もイヤだし、果てしもなく解放されるのもちょっと不安。ジャニス・ジョプリンは言いました。「自由ってのは失うものが何もないってことなのよ」

関連するキッドのブログ『第8話』VS『第8話

土曜日に見る予定のテレビ『たったひとつの恋』(日本テレビ)うわあ。硫黄島ドラマを見ないでそれを・・・。こだわりか。こだわりなのか。ネット社会の安全・・・はいいのか?

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2006年12月 7日 (木)

「本当のことを教えて・・・赤ちゃん、生きてるの?」と志田未来は言った。

予定日より1ヶ月早い陣痛の到来。胎盤剥離による母子ともの危機に。とまどう母の母、母の父。ここは専門家が「大丈夫だよ」とプロフェッシナルな言葉をかける。専門家だってそんな気休めを言うのにも勇気がいる時代。脚本家はこらえにこらえてきた主題の展開を怒涛のごとくに行う。「生きている」「みんな生きている」「それを否定したら自分を否定するのも同じ」「それでもあなたは14才の母を否定しますか」「自分の生命を否定しますか」さあ、世間の反応はどうでしょう?

「だからぁ、妊娠と出産には適切なタイミングがあると思うのね」「子供も見ているんだからあおるようなことはやめてよね」「家の子に限ってこんなこととは無関係ですから」「14才なんて経済力ないし問題外でしょう」・・・なのでしょうか?

それにしても、もう一人の未希としか、思えない柳沢(谷村美月)、この期におよんでも正体を明かさないとは妊娠堕胎に自殺未遂つきとしか思えない。さあ、どうなんだーっ。

で、『14才の母・愛するために生まれてきた・第九話』(日本テレビ・061206PM10~)脚本・井上由美子、演出・佐藤東弥を見た。主題歌『しるし』の使い方に注目しているads(あず)様などがお書きになるだろうが、今回は番組タイトルによるエンディング。ほぼ、ダーリン、ダーリンまでである。残り2回を残して、あたかもここからが本番ですという終り方になっている。構成としては非常に上手というしかないのだな。

さて、狂人・北村(一輝)を正気に戻す幼い妊婦・未希(志田)の陣痛の到来。正気の狂人の救援を断り「来ちゃったみたい」と母に電話する未希。男であるキッドは分かるのか~、そういうものなのか~と納得するしかないところ。しかし、あまりの苦しみぶりに狂人はタクシーを止め、病院に向かう。狂人はいつでも必要な時にタクシーを呼び寄せることができる超能力者なのだった。ま、タクシーの空車が多いのは構造的な問題ですが。

ここで今日の小道具、未希の日記が狂人の手に。狂人は報道人としての特権意識で日記を検閲する。そこには幼い妊婦の心の経緯が短い言葉で記され、15才の父(三浦春馬)とのツーショットプリクラ写真を発見。狂人は正義のコレクターとして幼い妊婦を戦争の犠牲者と認定。内なる教条主義に従い、プリクラ写真を失敬し、戦場取材・思い出のアルバムに加えるのだった。

一方、病院には母の母(田中美佐子)、母の父(生瀬勝久)、母の弟(小清水一揮)が順次集合してくる。母は「最期のわがまま聞いてあげる」と言うのだが、未希は本心を隠し「生まれるときには連絡するといったから先生(山口紗弥加)に・・・」と言う。父は珍しく心配性が功を奏し、未希の病状変化を見抜く。やったーっ。父だってたまにはお役に立ちたいのですーっ。弟は「苦しいことをするなんでバカだ。もちろん、それをバカだっていうことがバカだっていうことぐらいわかってるさ」と暗に出産反対派に同意しながら批判するませたセリフ展開である。ふふふ、やりますな。彼がそれほど美少年でないことも的を射ている。

学校では「起きてしまったことは仕方ない派」と「起きてしまってもかくすことは出来る派」が対立。危機管理に対し組織が必ず直面する問題に肉薄。これに失敗すると雪印がこの世から消えるというとんでもないことが起きるのが現代社会である。ここはお約束の生徒乱入で問題の次元を即時解決の方向に進ませる。とにかく、反対派には「私は反対しましたから」という約束手形が必要だし、問題解決派には解決の糸口への突破口を与えてもらう安堵感があるからな。しかし、状況はたえず変化、「出産のための入院」が「母子ともに危険」という事態になっていても、遅れた情報を伝えるしかない場合もあるのだを暗示する。

転院して緊急手術(胎盤剥離による胎児の酸欠死を回避するための帝王切開)へ。意識の混濁した未希はついに愛しい人の名前を呼ぶ。

一方、情報を整理した狂人は彼女に彼の居場所を教える必要に迫られる。この辺は複数の選択肢から必ず必要な選択をすることができる正しいパラノイア機能が発動している。さすが狂人である。15才の父の家で手がかりを得た狂人は超能力でタクシーを呼び寄せると情報狩人として追跡を開始する。そして情報を「何もしてやることができない」父親の元へ。「訪ねるのはあまり薦められないが・・・」狂人の中にまたしても正気が芽生える一瞬。しかし、できることはなんでもやるどうせ左遷されたこの身どうなろうとも。

小岩、新小岩市民が暴動を起こしかねない、格差社会の底辺として描かれる魔都コイワの香港でいえば旧クーロン街のような魔窟アパートの一室。たちこめる阿片の煙の向こうに15才の父と「とりあえず中絶しとけば」派の希望の光・父の母はうらぶれた姿をさらしていた。

妊娠編のクライマックス。「コッヘル」「コッヘル」「母体の血圧低下」「輸血」「胎児は生きている」「母体は意識が・・・」「最初からこうなることが・・・・ダーリン、ダーリン」つづくである。

生きていることが楽しいことなのか、苦しいことなのか。人は日々迷いながら生きていく。より楽しくなるために苦しさに耐える場合もあるし、なるべく苦しくないように苦楽を忘れる場合もある。どんな苦しさも楽しさに変換する強さも求められるし、あらゆる苦しみから逃れるために死を選ぶこともある。人はみな孤独だ。その孤独から逃れる方法はただ一つ。みんなが孤独だと知ることである。「淋しいのはお前だけじゃない」(西田敏行の持ち歌のタイトル)の変奏曲として「14才の母」は秀逸であると考える。

関連するキッドのブログ『第8話

金曜日に見る予定のテレビ『家族・最終回』(テレビ朝日)そして金曜深夜『羊たちの沈黙』(フジテレビ)も見るのさ。何度目でも見るの。明日、忙しいのに・・・。

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2006年12月 6日 (水)

毒じゃないのに毒だったと言うひっかけをする小出早織。

そんな古典的手法で自白してしまう殺人犯人が今時、いるのかと思うとホッとするなぁ。ある意味、すっかりのどかな探偵シリーズ。小学生の謎解きゲーム。それがケータイ刑事。しかし、そこそこ可愛いアイドルが主役なのですべては許せる展開なのだ。

ルーズソックス刑事銭形紅子(平山あや)、ケータイ刑事銭形愛(宮崎あおい)、舞(堀北真希)、泪(黒川芽以)、零(夏帆)に続く六番目の銭形警視総監の孫、それが雷(小出)である。愛、舞、泪、零は四姉妹だが、雷は従妹である。紅子も従姉だが、雷と姉妹ではない。ま、この中では宮崎あおいがずば抜けて出世しているが、他もそれぞれに成功していて、なかなか、福のある役どころと言える。歴代・黒井ミサがそれほど成功していないのを考えるとやはりつまらなくても正義の味方であたりさわりのないこと言っている方がアイドルとしては正解なのだなぁ。

もちろん、旧スケバン刑事が先行しているのだが、やはり、新スケバン(アナログ)より、ケータイ(デジタル)なのであるな。キッドはケータイよりは「全存在がうぜぇんだよ」の方に心が疼くけど。

銭形雷の小出早織といえば、「電車男」シリーズの萌えアイドル武田花梨でおなじみなのだが、「1リットルの涙」では主人公・沢尻エリカの親友・杉浦まり役もやっていました。こぉおなああゅきぃぃぃぃ。相棒の刑事は往年のトミーこと国広富之である。シリーズ後半は草刈正雄となる。

で、『ケータイ刑事・銭形雷・8・死ぬほどつまらない合コン!~こいつほんとに死んでるよ殺人事件~』(TBSテレビ061206AM0314~)脚本・加藤公平、演出・吉川厚志を見た。番組そのものはBS-iで放送されたものの再放送である。

番組内容はともかく、オープニングの主題歌バックの映像がビデオ・クリップとして素晴らしい。これはこのシリーズに共通している。キッドはまきまきの銭形舞版に激しく萌えました。ちなみに四姉妹でおなじみの鑑識係は金剛地武志から大堀こういちにチェンジしている。

銭形雷はIQ180の女子高校生で、警視正。気象予報士の資格を持ちお天気クイーンの称号を持つ。まあ、ふざけた設定です。

今回、トミーは合コンの予定が入っているのだが、そこへ、警視庁から入電。殺人事件の発生である。

事件「被害者・経理課の会社員男性。30才前後。飲食店でいわゆる合コン中。いつのまにか死体となっていた。死因は南米産の猛毒ウラリによる中毒死。容疑者は合コン参加メンバー。被害者の後輩男性二人(うち一人は合コンの幹事)、女性参加者三人、(うち一人は幹事でかわいい設定だがそれほどでもない。残る二人はブスという設定だがその通りである)、被害者は最初から機嫌が悪かったという。トミーは女性参加者がブスばかりだったので人生に絶望して自殺と断定するが、そういうこともあるかもしれないが、それではあんまりなので、事件当時を再現することになる。なお、店の従業員は対象外どころか、最初からキャスティングされていないところがこのシリーズの素晴らしいところだ。

集合したメンバーは最初に自己紹介。何度か席替えをして、王様ゲーム。このとき、幹事の男性はなぜか、被害者の正面にいた。被害者はサングラスをしていた。王様ゲームでは女性幹事が被害者に口移しで氷を飲ませたが、この指令をしたのは男性幹事だった。この後、男性幹事はトイレに行くと席を立った。それからしばらくして被害者の死亡が判明した」

雷の推理「トイレからドライアイスの入った魔法瓶を発見。犯人が二重にした氷で毒殺したと推察。被害者に氷を飲ませることができるのは指令した男性幹事と推定。お酢を毒と偽り犯人を追い詰める」

雷「澱む悪の天気・・・・・雷鳴轟く積乱雲、何枚ハラマキ重ねても、悪のおへそは逃さない。その名も人呼んで、ケータイ刑事銭形雷。私のイナズマでシビレなさい」バリバリバリっである。一件落着。

解決後、合コンに行きそびれたとぼやくトミーに友達と偽って祖父を紹介する雷だった。

オープニングとエンディングでイギリスの天気にまつわる諺「春はライオンのように来たりて、子羊のように去る」が引用されるがこれは初放送が二月中旬であり、初放送時からそれほどカレンダーに忠実ではなかったことがわかる。ま、初放送時はもうすぐ春ですが、今回は師走ですから。余計に唐突でした。季節感バックアップの難しさの例としてあげておく。夜の番組なので台本に「こんばんは」と書くと放送が朝の地方もあるのでと、構成作家はよく注文をつけられる。すると「どうも~」としか書けなくなるのである。こうして美しい日本の言葉は消滅していくのだ。

関連するキッドのブログ『いーよって言うまで息を止めてくださ~い。(小出早織)』

木曜日に見る予定のテレビ『嫌われ松子の一生』(TBSテレビ)VS『Dr.コトー診療所2006』(フジテレビ)う~ん。先週の引きで見たくなってしまったのだった。

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2006年12月 5日 (火)

上野樹里とR☆Sオーケストラとミルヒーの魔法の金時計と向井理と福士誠治とサエコと水川あさみと瑛太と小出恵介とオレ様。

いよいよ、真っ赤なルビーが輝き、クロキンが散華し、菊池(向井理)くんの女遊びが問題となるところまできた。裏軒マスター(伊武雅刀)やけえ子(畑野ひろ子)と学(及川光博)そしてハリセン(豊原功補)、さらに初登場の千秋ママやカイ・ドゥーンのわざと大根役者代表もタイトル資格はあると思うが・・・大川先生、存在そのものを抹消かぁ。幻の大川先生を忍んで、・・・大川先生、・・・やはり故人の出演は無理だったか・・・フジテレビだから在りし日の姿を合成で、アフレコで、復活なんて途方もない妄想をしていたのだが・・・R☆Sオケ中心でタイトルを構成しました。

のだめと千秋の間に横たわる音楽が壁なのか、架け橋なのか。いよいよ、物語は佳境です。

「セーラー」終了なのでやめようかとも思いましたが、本題に入る前に恒例の週末視聴率チェック。「金曜ロードショー・三丁目の夕日」22.5%(なんだかんだいって鬼太郎視聴率持ってるな)、「家族」↗10.5%(ふみとどまりました~)、「笑える恋はしたくない」*7.5%(ふみとどまれませーん)、「たったひとつの恋」↘10.1%(ふみとどまりましたがーっ、これでいいのかーっ)、「功名が辻」↗23.8%(ラス前、淀君爆走~)、 「アカネ」↘*8.1%、「おまめ」↗*7.6%(いい勝負だ~、う、撃たないで~)

で、『のだめカンタービレ・lesson8』(フジテレビ061204PM9~)原作・二ノ宮知子、脚本・衛藤凛、音楽・服部隆之、演出・川村泰祐を見た。原作ファンにはアレがない、ソレがない、武内演出ファンには薄いんだよ~、北海道ファンにはおいおいカニエピ大丈夫と様々な不安を抱かせる回であったが、キッドとしては原作中もっともマンガなエピソード、素人が催眠療法の部分、無難にクリアして良かったと思いマス。ベタBGM万歳。

「で、オレ様が幻覚症状に悩む日々、のだめの奴、おにぎりにまた妙なものをしこんでるんじゃないだろうな、ああ、転がるビンって。シャブか、シャブなのか。考えてみれば、オレ様とのだめってたっ恋な物語だよな、貧富の差だろ。これ。そしてトラウマとDVなら松子にだって負けていない。それなのに高視聴率。音楽は偉大だ。それとも恋愛らしい恋愛をしないからいいのかな。しかし、今夜、のだめはおこがましくも、オレ様の幸せを取るか、自分の幸せをとるか。悩むというのだから、驚きだ。もちろん、オレ様の心にはいつも音楽しかないのだがな。・・・それにしても、手に入れたと思ったら、逃げていく、オレ様のオーケストラ、しかし、ママから電話で「半端は許しません」と伝言形式で師匠シュトレーゼマンに叱られたオレ様は、そうだ、今しかできないことを今するのだと決意する。くそ、じじいめ、いいこと言うじゃねーかーっ。・・・おそうざい、お弁当、飯山盛りすぎる奴が言うなーっ、熊のフレーク上等じゃねーかーっ。真澄ーっ。クロキンにオレ様の代理で言ってくれたけど無駄だったなーっ。弁当泥棒で、ゴミ屋敷で、方言隠匿罪で、変態なんだよ。なぜ、わからん。それにしてもウナギ三匹で300円ってスーパーひとしくん、原作より値上げしてるじゃねーかー。でも五匹で、だろーが、三匹でだろうが、一匹100円のウナギなんてこわくて食えるかーっ。何がジュテームだっ。うわぁ、クロキン、し、し、失恋。・・・そして、オレ様の知らないところで、痴話げんか、傷心演奏リード水びたし、寝違えたけどベッド・インと愛と青春の旅立ちだの愛と幻想の泉だのが繰り広げられていたのである。そして、ひとつの失敗は新たなる成功の扉を開くのだな。清良(水川)クロキン(福士)、時空を越えたシンクロ決意表明みごとな心のデュエットだ。それにしても峰(瑛太)、くぁふ、くぁふって寝息が可愛いじゃねーかーっ。・・・「浮気なんてしませんよ。そんなにのだめが心配ならクサリでつないでおけばいいのに」だとふざけるなーっ。・・・それにしても、母さんから電話が来るたびにすべての会話を把握するのだめって、やっぱり耳がいいな。・・・いや、関心してる場合じゃない。もはや、幻想ではなく、本番だ。クロキン。みせてやれ。君の真の実力を。ラヴェルのボレロか。ベタだが、盛り上がるな。オレ様の音楽への思い、クロキンのリベンジに燃える侍スピリッツ。君の一分を見せてやれっ。ボレロが途切れ、さあ、本番だ。ってCMかーっCMなのかーっ、久しぶりにムカッとしたぜ。そして、さあ、楽しい音楽の時間だ。クロキン、それにしても語らせるよなー。クロキンの心の声を。まあ、分かりやすくていいのだが。失恋の場面でもモノローグでなくてセリフで「のだめちゃん、君は千秋くんのことを・・・」ってそれって日常生活ではかなり恥ずかしい瞬間だよな。でも、まあ、正直すぎるクロキンの描写としてはありかって、何の話だーっ。失恋のコンチェルト、場内はオーボエの音色にうっとりだ。大河内、まだいたのかーっ。しかも、カイ・ドゥーンのセリフパクリかぁ。その口の控え目な表現。微妙だったーっ。このあたりの演出が不評なのだなーっ。清良でも笑いを一つ落としてたし、でもおなら体操の人増量はシュテキーってオレ様だろー。黄金の島に眠る高貴なる芸術の至宝ってミッチー、誰のことなんだーっ。そして、物語におけるオレの心情とスリリングにからみあう。ブラームス、シンフォニー、ナンバーワン、せめぎあう、情熱と絶望、オレ様の今できることのすべてをこめて、希望の扉を開き、救済を願う歌を歌いたまえ・・・・・・・。ああ、カイ・ドゥーン、大河内のツケをミッチーにまわすのか。ま、地味におしゃれだな・・・・。オレ様はやった。ご褒美ってなんだよ。お前はオレ様に何を・・・ベタなBGMだな、バーバーのアダージョかよ。何を思い出すんだ。エレファントマンか、冬ソナは勘弁してくれよ。やはり、プラトーンだろう。前線で味方のために撃たれて命を落とす、哀れな正義の兵士・・・。ああ、涙が止まらない。オレ様が救えなかった命。オレ様が殺した命。殺すことの恐ろしさ。その恐怖。いいのか。許してもらえるのか。オレ様のこの罪を。天使よ。あなたは許したもうと・・・おっしゃるのですか・・・北海道ロケは・・・ないのですか・・・つづくなのですか」

あーっ。R☆Sオケの初演終了。刻一刻とせまる最終回。どうしましょう。おなら体操の完成版でもメモしておくか。みんなしてるだろうけど、「なんだかでそう もうすぐでそう ソラシド プップップー (ワー) げんきなおなら かわいいおなら こんどはどんなのでるんだろ そーれ みんなで さあいくぞ ヘイヘイブー (でたあ)」

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みんな、おつかれーっ。

オレ様のトラウマが解消したかどうかは来週のお楽しみだが、のだめがハリセンから譜読みを指示されたときの古典的恐怖の表現。ヒッチコックかよ。とにかく、次はのだめトラウマの克服だな。それにしても、のだめ、千秋様の演奏に感動するたびに泣くなー。その度ににキッドももらい泣き。そのあと、ドライアイで困るんだよ。

それにしてもオチコンになってたかな。どんな略だ。フジサンケイグループとしては読売音楽コンクールの略の読コンのパロディである押コンも許せないのか。押し売り新聞の略なんだからいいじゃねえか。ま、空耳かもしれないが。それにしても速報早いな。

のだめの恋のかけひきが原作より強調された展開になっていて、マングースのときもそうだったが、ピュアなファンにはカチンとくるポイントかもしれん。しかし、ドラマとしてはこの方が良かった気もする。なにしろ、ここは月9なのだからな。すっかり忘れていたが。

オレ様のヴァイオリン自慢も落ちていたわけだが、ま、くりかえしの押しがイヤなのかもな。BGM使いはベタベタなのにな。そーゆーところが薄いと後ろ指の原因かもねえ。

関連するキッドのブログ『lesson7

マラドーナピアノコンテストはのだめ一人の参加になるのだろうか。今週の演出によるとそういう気配だが。坪井くんはいると思うけどなーっ。いないとハリセンのお笑いがいくつか消えてしまうだろー。それとー。北海道だよなーっ。カニがー。見たいよなー。別にキッドが食べられるわけじゃないのになー。でも、のだめの世界のカニが見たいんだよなーっ。それが変態ってもんだからーっ。

水曜日に見る予定のテレビ『14才の母・愛するために生まれてきた』(日本テレビ)

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2006年12月 4日 (月)

痛みは我慢するが腹ペコは我慢できない。

受信料の徴収に苦労するNHKの国民健康保険料(税)の徴収に苦労する地方自治体のドキュメンタリーである。先週の世界的自動車製造業者PR番組といい、アナログ断末魔のNHKの自分を見失った番組作りは続いていくのである。キッドは何度も爆笑をこらえ切れなかった。

あけて、国会では国民健康保険の問題を含む予算質疑である。予告編だったのか。

驚くほどの貧しさというものが世界一の公務員給与額をほこる日本で今日も進行しているのだ。

で、『NHKスペシャル・もう医者にかかれない~ゆきづまる国民健康保険』(NHK総合061203PM9~)ディレクター・中関武志(他)、制作統括・佐藤高彰(他)、語り・柴田祐規子、インタビュアー・堀尾正明を見た。我が国は1958年から国民皆保険を建前として、国民の健康に留意する先進国の仮面をかぶってきた。つまり、いつ病気になってもどんな人も医療を受けられるというシステムである。その中で、今回、問題とされるのが国民健康保険である。現役のサラリーマン(公務員を含む)の人々とはある意味無関係の国保。それはかっては個人経営者などのための健康保険であった。ところが、非正規雇用者の増加や、定年退職者の増加とともにその対象者は増加し、また、国家における医療費負担も大きくなったのである。

もちろん、ご存知だろうが、保険というものは用心である。つまり、ギャンブルの一種であって、危機管理の方法でもある。つまり、いつ誰が病気になるか分からないので健康な人もある程度、病気の人の負担を支えておきましょう。という助け合いの精神に基づくものだ。キッドはここ、一年、医者にかかっていないので、保険に入っていることはすごく損をしているわけである。・・・おいおい、違うだろう。

とにかく、国民健康保険の加入者の医療費は30%自己負担、45%国庫、25%保険料だったのが1984年アップルマック誕生の年にだじゃれ的にはナカソネを泣かそうね内閣が国庫負担を7%削減、38%国庫、32%保険料にした頃から溺れ始め、保険料をアップアップしなければなんともはやの状態になってしまったのである。もちろん、驚くべき無駄遣いの役人たちも松本人志が「もっとうまくできるかと思った」という驚きの白さに対する驚き顔のスカシボケ並みに爆笑なのだが、高度先進医療に金がかかり、経済格差が広がり、保険料滞納者が増えるという問題は必然的に発生してきたのである。

今回、主役は60代の福岡ドームの建設でも活躍した左官職人さん。福岡市民である。彼はヘルニアではみだした腸が腸閉塞を起こす恐れがあるため、医師に手術をすすめられている。日常的に激痛を感じることもある状態だ。しかし、彼は入院治療を受けようとしない。それは国民健康保険の対象外だからだ。保険料(税)を滞納しているからである。職人さんの仕事はいかにも腸をはみ出させるような姿勢で痛々しい。なぜ、滞納しているか、もちろん、生活が苦しいからである。「痛みは我慢できるが、ガス・水道を止められたら困る」のである。「ガス・水道費を払うと保険料は払えない」のだった。・・・ま、そうなると痛みをこらえてもらうしかないですねー(役人風)なのだが、痛々しい。

しかし、このように働いてなんとか生活もできるが保険料を払う金が足りない。という人は福岡市内の保険料滞納世帯32万の10人に1人だとしても3万人強いるのである。福岡市内に三万人もの痛みをこらえて暮らしている人の痛々しさは街の中で魔女に遭遇してかえるにしようと杖を出される前におぉっっとと通り過ぎるぐらいの緊迫感があるではないか。なお、文中に「ガキの使い」で松本人志様がネタにしていた表現が混じるのは気のせいです。

ここでNHKはそんなに大変なら全国で100万人いる生活保護者の一人になればいいのにという示唆をする。そうすれば生活保護の枠組みで医療が受けられるからである。しかし、気分はまだまだ現役職人「若いものには負けない」男には到底受け入れられない。ま、NHKとしてはそこが狙いだよな。

ここで堀尾くんは厚生労働省に素朴な疑問を「国民が医療を受け入れられない実態をどう考えるのか」とぶつける。役人は「しかし、国民保険は国民保険料を払っている人のための制度ですから」と当然の回答。「国に出来ることには限界がありますから、後は地方の自助努力におまかせする」のであった。

これに対し地方は「保険料を払えるのに払わない人からどうやって徴収するか」という対策に取り組んでいた。はい、NHKの抱える問題と接近してきました。そして、未払い者の資産調査や、取立てマニュアルの特訓などが紹介されます。なるほどと肯くNHKの顔。しかし、口から出る言葉は「心を鬼にして取り立てるんですね」それに対し地方公務員は「鬼じゃありません。結局、本人のためになるのですから」・・・キッド爆笑。

保険証の変わりに資格証明書を発行せよと国家指令。これは窓口10割支払いで保険料納入で七割返還というシステムである。そうすれば、あるくせに払わない不届き者は減るはずだという役人発想。しかし、未納者はガンガン増加。そこで地方では短期保険証という案を提示。一ヶ月分の保険料で一ヶ月の保険証発行というテクニック。ああ、小手先のやりとり。

例によって問題からは遠い立場の大学教授が発案。①医療費のみ保護という準生活保護制度の導入。試算で負担が半額になると予想。②非正規雇用者の企業負担。パートの人の健康は企業の責任という発想。・・・ま、どちらも賛否両論の分かれるところ。NHK的結論は「とにかく抜本的解決が求められる」である。どんな苦情も「明日にしましょう」という漫才的なテクニックだなぁ。

結局、短期保険証を発行されたおじいちゃん。しかし、「入院したら、退院後の生活がなぁ・・・死にたいとも思うけど、死んだら借金が返せんから、死ぬに死ねん」・・・働けど貧乏。この世のワーキングプア地獄はまだまだ続く模様。国民健康保険制度ただ今崩壊中と言うレポートでした。

関連するキッドのブログ『貧乏人は早く死ねというのと同じこと。(老テーラー)』

番組の発端はNHK生活食料番組(すごいジャンルだ)の「難問解決!ご近所の底力」「生活ほっとモーニング」に「保険料が高くて払えない」「保険証をとりあげられた」という投書が600通近く来たことだという。値上げにふみきった役人を追及するのだが、とにかく、保険料滞納者に対する視線がNHK独自の視線だったような気がしたことだけは追記しておく。まあ、気のせいかもしれませんが。

水曜日(火曜深夜)に見るテレビ『ケータイ刑事銭形雷』(TBSテレビ)

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2006年12月 3日 (日)

今度は・・・もう・・・本当に本当に行くからね。(綾瀬はるか)

すごく素敵なところって。結局、そこかーっ。そこだったのかーっ。弘人(亀梨和也)、堅実すぎるーっ。そんで、その船って誰の船なのーっ。人の船だとしたらーっ。持ち主、ラブホにされてますーっ。廃船だったらーっ。こわすぎーっ。素敵が過ぎたな。

・・・長い、道程だったなぁ。ようやく二人は結ばれたのだなぁ。キッドは・・・もうちょっと早くても良かったなぁ。

でも、結局、最後の最後は友達も裏切る。それがー、大人にー、なることだからー。なのかーっ。

で、『たったひとつの恋・第8話』(日本テレビ061202PM9~)脚本・北川悦吏子、演出・本間美由紀を見た。初めて結ばれた次の日の若者の朝のコントでスタート。毛布で夜明けのコーヒーである。カフェオレにしてねと菜緒(綾瀬はるか)は言ったのか。「こういう時ってチュッとかするの」・・・一応、恋のフルコースを楽しみたい菜緒なのだった。だって、最初で最後の初体験の朝だものなのだった。しかし、弘人は噴出しスカシをくりかえし、しかも結局しないのだ~。これは演出だな。「指輪とか、欲しい。女の子はそういうものなの」である。「じゃ、行くからね」「またすぐに会いたい」「・・・・・・・・」である。

そして、この賭けに小さく勝利したのは菜緒ママ(田中好子)だった。

監禁事件発生。しかし、人を見かけで判断してはいけないのだが、運転手弱そう。緊急事態に対処できるのか。この事態に菜緒は友達頼り。けれども、裕子(戸田恵梨香)は軽い迷惑感を覚えるのだった。なにしろ、裕子は甲(田中聖)とラブラブなのである。他人の恋路に構っている暇はないのだった。このために神様は時間をさいて、甲と裕子の恋模様も描いてきたのだからなあ。手のひらを返すまであと少し。「何とかしてやりたい」なんて甲が言えば裕子は軽い嫉妬の炎のくすぶりさえ感じるのである。

会えない時間が愛育てるのさ。オレンジのイガイガ、イボイボ、トゲトゲ光通信。天使の弟(斉藤隆成)は何でも知っている。鯨、愛の詩集。おーい、おーい、そこにだーれーかいーるーのー?・・・いーるーよ・・・あーっ、いたんだーっ。なのだった。

一方、菜緒パパ(財津和夫)は、弘人を呼び出し、つぶしにかかる。母親の悪事をつきつけて弘人を粉砕。それにしても弘人の装いはいかがなものか。そーゆーファッションの奴なんだと言われればそれまでだが、ここは、自殺したお父さんの背広を着て寸足らずが基本じゃああるまいか。しかし、圧力団体が一瞬たりともかっこ悪い弘人を許してくれないのかーっ。弘人、ビッグ・バッド・ママを待ちつつ自棄酒。ああ、指輪、完成したら捨てられて、水の中でキラリ。魔法の指輪だったのー。ねー。そーだったのー。男の扱いにはなれていたのだが、菜緒パパ、ここからはステレオタイプ、娘の心が読めないで、結局最悪のパターンへ。社長ーっ。戦略ミスーっ。

飼い犬(池内博之)をあてがうものの、菜緒ママの読み通り、菜緒の激情引き出しに成功。「子供じゃないのよ」「子供だ」「出て行くわ」「出て行け」・・・子供のけんかレベル1、菜緒ママ、「ち、このミュージシャンあがりが、使えないわ、この手は何度もつかえないのに」と心の中で舌打ちしつつ、泣き落とし。「お母さんを裏切るの」「裏切るー」という結論に「ち、そんじゃあ、何、荷物つめてんのよ、この家を捨てるんなら、荷物なんて持っていけないでしょう。全部捨てなさいよ、服も脱いでいきなさい」作戦を0.5秒で検討、「下手すると本当にハダカで出て行きかねないわ。私の娘だけに」で作戦決行断念。持久戦モードに。ここで要、今日の唯一の出番に弘人に変わって恥ずかしいセリフ展開。「お母さんの涙を捨てていくのか・・・」「捨てて行くーっ」家出なのであった。

そして、神様だけに許された特権で菜緒の電話より、逃亡従業員棚田(田口浩正)の狂言自殺予告電話より、0.1秒早く着信。キャッチホンもないのか。会社の電話だろーっというツッコミを与える隙もなく、箱根のホテルへ。横浜→小田原、小田原からロマンスカーで箱根湯本コースなのかーっ。菜緒は直接、弘人の家へ。天使の弟、なぜ、ひきとめん。お前もまさか、菜緒か弘人を好きなのかーっ。ああ、禁断の愛。

弘人は棚田の命を救った。弘人は従業員を回収した。ってそんなだからー。そんなだからなのー。ナレーションも忘れられちゃうのー。予告編でたっぶりだったけど。演出?

そして、菜緒は松子のルートに乗ったかのように裏切りの街角へ。まずは私さあ、これから甲とラブラブ電話するつもりだったのよねー気分の裕子に「やっぱり無理なんじゃね」で痛恨の一撃。「こいつ、家にたれこむかも・・・」と追い詰められた猫モードの菜緒は風のように消える。そして、神様が手塩にかけて育てた「本当に狼のような奴だけど」「だけど友達思いのいい奴だけど」「奈緒には年中無休24時間営業なんだけど」・・・そこはほら、やっぱり男だから、こういう風になっちゃうよおおおおおの狼の巣へ・・・つづくなのだった。

奈緒「彼を傷つけて」奈緒パパ「それが現実なんだと彼も知るべきだ」だったので、神様が奈緒はもう錯乱してしまったのです。とおっしゃるのだが、それなら、弘人が帰るまで、家の前で待つのが自然だと思うのですが・・・奈緒が家を捨てたように弘人も家を捨てる必然はまだないのであり、あるとすれば嫁姑ぐらいかぁ。友達に頼り、友達に裏切られる街を彷徨うお嬢様を演じさせられる綾瀬はるか。ちょっと哀れ。しかし、これが教科書プレイなのかもしれない。それはここまでくるともはや視聴率次第ですけどーっ。

関連するキッドのブログ『第七話のレビューヘ

月曜日に見る予定のテレビ『のだめカンタービレ』(フジテレビ)

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2006年12月 2日 (土)

初めてシュークリームを見た私は腐っていると注意されたのに我慢できずに食べてしまい激しく嘔吐した。(堀北真希)

1950年代の終わり頃の日本(主に東京の下町)を描いた1970年代のコミックの2005年の映画化である。ノスタルジーのノスタルジーなのであった。あれから1年。一番、ノスタルジーなのはまきまきこと堀北真希だなぁー。もう、可愛さ爆発である。「アカネ」だって可愛いが、作品として・・・、う、撃たないで~。

原作では「六ちゃん」は男の子だが、映画では少女に設定変更されている。原作の「六ちゃん」にはさくらという妹がいるのだが、いわば、二人が融合してしまったようなキャラ設定だ。東北から集団就職でやってきた少女。これは泣ける。

そういう日本はいつ終ったのだろうか。キッドは東京タワーが出来てから20年後に剣の師匠を訪ねて秋田を訪れたことがある。それは春休みのある日だったのだが、帰りの列車でそういう現場を目撃した。上野へ向かう列車。ホームに見送りの人々。そして車内には制服の少女たち。みんなわんわん泣いていた。みんな涙を流していた。まだまだ若かったキッドは非常にいたたまれない気分だった。あの少女たちはどうしているのであろうか。あの日からまもなく、そういう物悲しく甘美な日本は終ってしまったような気がするのだが。

で、『金曜ロードショー・ALWAYS 三丁目の夕日』(日本テレビ061201PM9~)原作・西岸良平、監督・脚本・VFX・山崎貴(脚本は他に古沢良太)を見た。監督は東京タワー完成から6年後の誕生なので、ある意味、架空のノスタルジーである。『ジュブナイル』『リターナー』とSFというよりはSFX的な世界を造形してきた監督であり、この作品もまたファンタジーの色彩が強いのである。

昭和33年、東京の下町に小さな自動車修理工場と駄菓子屋が向かい合っている。「鈴木オート」と「茶川商店」である。鈴木(堤真一)は太平洋戦争で南洋の島から帰還して、裸一貫から工場を築いた男。心根は優しいがキレるとこわい。90年代の中学生のような性格である。妻・トモエ(薬師丸ひろ子)と小学生の一平(小清水一揮)という家族持ち。ここに集団就職で六子(堀北)が加わる。一方、茶川竜之介(吉岡秀隆)は一人暮らし。文学者を目指しながら、大衆小説で食いつなぐ男。彼は飲み屋の女(小雪)から「縁も所縁もない」小学生(須賀健太)を押し付けられてしまう。

建設中の東京タワーの建設が進む風景や、上野駅、路面電車の走る街などノスタルジックな情景がこれでもかと再現される。その中で「神は与え奪う」という主題が淡々と進行していく。そのシンボルがアクマこと医師宅間(三浦友和)である。六子の食中毒や、一平の発熱の度にスクーターで往診する彼の妻子は空襲で死んだ。それから13年後の世界で彼が妻子に出会うのは酔いつぶれ、下町の影に潜むタヌキに化かされた時だけだ。

原作者は作品中にたくみにSF的設定を夢とも現実ともとれる形式で挿入する嗜好があるのだが、彼は少年の夢の中のサンタクロースを演じたりもして、一番、原作世界を体現している。サンタクロースがいないという虚構を人々が信じるのは多くの人々が「良い子」ではないからだが、「良い子」であるキッドには今もちゃんとクリスマスプレゼントが届く。本筋ではないがサンタは実在することだけは言っておかないとな。

さて、薬師丸ひろ子には別に婚約者がいたのだが、戦時中に生き別れとなり、堤と結婚したのである。堤は急成長する車社会の末端にいて、三種の神器と呼ばれたテレビ、電気冷蔵庫、電気洗濯機を周囲に先駆けて導入する。テレビはお約束ですぐに壊れ、冷蔵庫は氷屋の仕事を奪い、洗濯機は主婦の井戸端会議を奪った。「神は与え奪う」のである。

六子は憧れの東京で小さな工場に失望するのだが、それよりももっと幼い胸を痛めていた。自分が「口べらし」のために東京に追い出されたという思いである。彼女が得意なのは自動車修理ではなく自転車修理なのであるが、キッドはそこに大きな違いはないと思うので面白さが半減する。

さて堀北とともに萌えを担当する須賀健太は東京タワーを崩壊させるいたいけなさを連打するのである。鬼太郎・・・いや、茶川の鬱屈した心を解きほぐすのである。これはキッドにとって「長屋紳士録」のシチュエーションで作品の中でまだまだ戦後が続いていることを暗示している。幸福のすぐ前後にある不幸。神は与え奪うのだから。やがて、吉岡は身の程知らずにも小雪にプロポーズするのだが、彼女は親の病気治療の借金返済のため踊り子に戻る。松子ではないのでトル・・・特殊浴場には行かないのだな。そして健太にも実の父が現れる。神は与え、奪うのである。

堀北にはクリスマスプレゼントとして故郷へ向かう最終に乗れる切符が贈られるのだが、捨て子された想いの堀北は素直に喜べない。胸は怒りと悲しみに満ちている。しかし、薬師丸が母からの手紙を隠し持っていたことを告げる。里心がつかないようにと実母から願われ封印していたのだが、そろそろ時期もいい頃だと、経営者の妻的にも判断して、真相を明かすのである。実の父よりも育ての父を選んだ健太と同様に、神は悲しみを与え、そして奪っていく。それがハッピーエンドというものなのだ。もちろん、現実世界では神はさらに奪い続けるものなのだが。続編は2007年11月公開予定、神は新たなる作品を与え、チケット代を奪っていくのだ。

世紀末までは実在の下町にあるキッドの密林の窓から東京タワーが見れたのだが、21世紀になってついに視界を高層ビルが閉ざしてしまったのだ。ああ、人は今日も何かを与えられ、そして奪われながら生きていくのだなぁ。今年も人々が穏やかに故郷に帰り、東京の街がシンとするあの日が近付いてきた。うーんとシーンとしてもらいたい。それが東京の人間の故郷なのだから。それまでは楽しんでもらいたい。東京の年の瀬ってやつを。東京タワーのできるずっと前から、東京は世界一の大都市なのだから。

関連するキッドのブログ『鉄板少女アカネ』   『怪談新耳袋・劇場版              

日曜日に見る予定のテレビ『NHKスペシャル・もう医者にかかれない』(NHK総合)

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2006年12月 1日 (金)

「ヤクザをやめるのが無理ならシャブだけはやめて」(内山理名)VS「良かった。本当に良かった」(蒼井優)

どうしようもない人生を送る松子(内山)と何か異常なことを隠しているだろうミナ(蒼井)。とびとびで対決レビューなのだが、来週の方が良かったかなあ~、来週はミナの松子的部分のようではないか・・・・・・・っていうかーっ、吉野公佳はーっ。組長の愛人はーっ。ザ・テレビジョンのう、うそつきーっ。先週かーっ。先週だったのかーっ。公佳公佳詐欺ですかーっ。

失礼しました。ここまでの対戦成績 「コトー」平均21.5%VS「松子」平均*8.7%・・・片やぶっちぎりのトップ。片や「アカネ」「だめんず」と三つ巴の最下位争い中。ま、比較するのも無理がある。ただし、これだけは言える。「松子」日曜日だったらもう少し取れたかな。でも風俗、ヤクザ、殺人、刑務所、覚醒剤、AV女優、情夫、・・・このフレーズが日曜はダメよなのだろうなあ。ま、鉄板かついで全国股旅修行もカタギとは言えないけど・・・ほほう、すると秋ドラマ、TBSはヤクザ、ヤクザ、またヤクザだったのか。・・・う、撃たないで~。

で、『Dr.コトー診療所2006・第8話』(フジテレビ061130PM10~)原作・山田貴俊、脚本・吉田紀子、演出・中江功を見た。ゆかり(桜井幸子)がターゲットに。開腹した鬼太郎・・・いやコトー(吉岡秀隆)があわてて閉じるほどの転移の見られる末期ガンだった。で、ネタバレなのだが、今回はある意味でとんでも展開である。抗癌剤治療を開始したゆかり。幼い子供に残そうと「写真」を撮ってくださいと言うほどなのだっったが・・・これが奇跡的に回復の兆しを見せる。いわゆるガンの自然治癒である。

コトーの中でも一番愛すべきキャラクター鳴海医師(堺雅人)が「ガンを甘くみない方がいい」と断言するにもかかわらず、経過はありえないほど良好で、内視鏡検査では転移した病巣が発見できない状態になってしまう。末期を宣告したコトーとしては非常にまずい立場である。なにしろ、立ち会ったのは経験の浅い看護婦と素人なのである。「あれ、ボクってば、なんか、間違っちゃったかな」状態と言ってもいいだろう。しかし、コトーは一切そのことには触れず、医学の常識を越えた生命力とかなんとかに責任を転嫁するのだった。

そして、あくまで、もしかしたら、再手術をしても無駄かもしれない。それどころか、ゆかりの命を縮めることになるかもしれない。となるべく、なかったことにしようと努力するのだが、根っからの悪人ではないので、「可能性に賭けてみたい」と患者に言われては再手術に踏み切るしかないのだった。

そして、再手術。転移はまったくなく、病巣の切除は簡単に成功。ゆかりは生還する。ものすごく不自然な展開に本来、どこか不自然なミナは「ゆかりさんが助かって本当に良かった」と言うのであったが、コトーは「みんなど素人で良かった」と思うのであった。そして、泉谷しげるなどには「末期がんもスーパードクターにかかっちゃ盲腸みたいなもんだな」と言われ、わずかに残った良心を疼かせる。「末期ってなんでしょうね」などとうわ言のようにつぶやいたりするのである。

しかし、なんでまたコトーはガンが転移しているなどという幻想にとらわれてしまったのだろうか。答えは明確である。愛しい彩佳(柴咲コウ)の病状を心配するあまりに軽い神経症となり、すべての内臓が転移したガンに見えてしまうという幻覚症状を発症したのだ。つまり、誤診だ。医療ミスだ。しかし、コトーをのぞけば無医村のここではコトーの罪を問うものはいない。ただただ感謝されるばかり。ラッキーだったとコトーは唇をかみしめる。

そして、来週はミナさんが主役ですよーっと言わんばかりの「捜してる」電話。そして、つづくである。実によどみない展開で、キッドの無理目な解釈にもまったくよどみがないのとあい通じている。これで20%越えだからコトーは三日やったら止められないな。

で、『嫌われ松子の一生・第8話』(TBSテレビ061130PM10~)原作・山田宗樹、脚本・成瀬活雄、演出・酒井聖博も見た。いよいよ、中学教師時代の教え子でヤクザの洋一(要潤)と本格的再会である。組長の情婦(吉野)の通う美容院で働く松子とお付きの洋一が運命の再会。用が済んだので吉野公佳の出番がないのである。ま、おかげでコトーの無理矢理な生命の神秘の奇跡を見れたのでよしとする。

で、相変わらず、松子は無理矢理な転落人生である。もはや、美容師になったら、組長の情婦が来るので、運転手の愛人になるしか道はないのだというような展開だ。ともかく洋一は「たっ恋」の善良なお坊ちゃまと差別化を図るため、過去は眉毛薄め男。現在はヒゲ男とメーキャップをそれなりにこっているため、どちらもそれなりに変だ。ヒゲ男がチンピラ女(鈴木あみ)にしか見えない松子の姪と話すシーンは脳内で編集処理でモザイクがかかるようになったのか、さほど違和感を覚えない。ただ退屈なだけである。

一方、松子は胸元はエッチだわ、下着姿は色っぽいは、シャブで発狂して洋一になぐられるはけられるはで、顔はアザだらけ、打撲でむくむという怪談的ご面相で華麗に飄々と松子を演じていく。素晴らしい。素晴らしいよ内山理名。

心配してやってきた元祖AV女優(小池栄子)に「心配しないで、私は大丈夫。カレのこと愛しているしカレは私がいないとダメだし、何もかも一からやりなおしたいの。カレはヤクザでシャブ中だけど、私はカレと故郷に帰ってやり直したいの。どんなに痛くても平気。私は約束したし、カレも約束した。堤さんとカブリ気味の刺青も素敵だし、何より、カレは12年も私を捜して、ヤクザになって、そして愛してくれるんですもの」ともう何から何まで分かっちゃいるけど止められない人生を松子は語りあげるのだった。もう、笑うしかないのかな。笑っていいんだよね。笑います。という展開である。

そして、シャブの取引の末端に関わりながら、警察の犬でもある洋一は「ヤクザやめてシャブやめて」の松子の涙に足を洗う決意をする。それは死を意味していた。たちまち、警察が洋一をヤクザに売り、それは内通者が他にもいることを意味するのだが、洋一抹殺指令が下される。そしてつづくである。これだけがんばってヒトケタだから、お正月が待ち遠しいスタッフであると思われる。

で、今回、「コトー」↗21.8%、「松子」↘*7.8%である。ああ、8.5 8.4 8.3 8.4ときたから8.5が欲しかったのに。ま、なんとなくですけど。充実しすぎの秋ドラマもいよいよ佳境に入ってきたなあ。師走なのだ。

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