幸せの真っ赤なアップル・・・だったのです。(竹野内豊)
もしも、やりなおす気があるのなら、あの木に林檎を一杯生らしておいてください。・・・とはいえ、林檎は一個でした。結局、夫婦喧嘩だったのかよーっ。・・・とキッドの多重人格を代表してツッコミを入れることだけは許してくださいね。
それにしても五体満足で容姿端麗、子供にも仕事にも恵まれ、浮気をしているわけでもないのに「離婚」をせまられるなんて、なんて「夫」(竹野内)に厳しいドラマだったことか。しかも、相手はもはや、憧れの職業ナンバーワンといってもいい「専業主婦」(石田ゆり子)である。ま、人間、ないものねだりは尽きないのですねーっ。
そして、周囲の人々が一致団結して、二人のヨリを戻すために右往左往。も、もう、うらやましくてうらやましくてうらやましくてうらやましくてうらやましくて今夜は泣くと思います。という中島みゆきが心の友の欠損家族の皆さんが全国で涙の洪水を巻き起こすファンタジー、ついにフィナーレなのです。
で、『家族~妻の不在・夫の存在』(テレビ朝日061208PM9~)脚本・清水有生、演出・唐木希浩を見た。ファンタジーなのでファンタジーとしての視点でもう一度、ふりかえってみよう。若き王様が狩を終えて、城に戻ると、そこには王子(宇都秀星)が取り残され、王妃の姿はない。どうやらダークサイド(かまってくれなきゃすねちゃうぞの森)に迷い込んでしまったらしい。王子はトラップ(父親不在のピアノ発表会)にひっかかったのは自分のせいかもしれないと思い悩む。若き王様は王妃が生活の鍵を持ち去ったために装備を次々に失い、丸腰で試練の旅に出ることになる。そこに現れたのがセイブケイサツ・ジュクネンリコン・タイガナラノブナガの老師(渡哲也)だった。老師はかって王様のために国を追われた過去を持つが、恩讐を乗り越えて、王様に秘伝「幼稚園のお弁当」や「雑巾縫い」の術を伝授するのだった。
元々は一代で若くして王にまでなった男である王様は数々の苦難を乗り越えて、王妃を捜す、その頃、王妃は「自立したできる女の都」にいて、「昔のボーイフレンド」などをはべらせ、新生活をエンジョイしていたのだが、心のかたすみで残した王子の面影が疼く。そこで王様から王子も奪ってしまおうとあとくされのないように法的処理しますよという昔馴染みの魔女(木村多江)をお城におくりこむ。しかし、王様は魅力的なので魔女をも味方につけてしまうのだった。王子は奪われたが王様の周囲にはピエロ(劇団ひとり)、侍女(さくら)なども集って、それはそれで楽しい生活。
暗黒面に堕ちた王妃は最終兵器『離婚届け』を炸裂させる。今週は「コトー」でも炸裂していた。老師、ピエロ、侍女、魔女、そして「昔のボーイフレンド」までが王様をバックアップ。王様への復讐心にこりかたまった王妃の呪いはついにわが身にふりかかる。神の力万有引力に撃たれた王妃は「ちょっぴり贅沢だったのかもしれない」と反省する。王様は「サンタクロースに変身」したり、王子は「パパとママに捧げるピアノ」を弾いたりして、なんとか王妃の正気を取り戻そうとする。
しかし、王様はうっかり忘れた合言葉を思い出さないと、王妃に会うことはできない。王様として海外に遠征する期日も政治日程的にせまっている。そこへ、王子から暗号絵画が届く。それは「エデンの園にあったという林檎の木」だった。この地図に記された場所で「ともに白髪が生えるまで」と言えば、二人は再会できるのである。王妃のわがままに散々振り回された王様はためらう。そこで老師が「ワシが亡き妻に復活の呪文を唱えることはできん、星野真里はゲストだから行方不明だし、しかし、王様。そなたの王妃はそこにいるではないか。いきなされ」しかし、なおもためらう王様。すると老師は魔王に変身。「行かんか!」と一喝。王様は脱兎の如く約束の土地へ。こうして王様と王妃と王子は再会し、王国に平和が戻った。宮廷合唱団EXILEの歌声が鳴り響くのだった。
ま、何も言うことはありません。みんなが幸せになろうと思えばなれるかもしれないというお話です。キッドは心が洗われた思いですにゃ。にゃーっ。
関連するキッドのブログ『第一回のレビュー』
で、『羊たちの沈黙(1991)』(フジテレビ061209AM0250~)も見た。ああ、クラリス(ジョディー・フォスター)で、『ハンニバル』も見たかったなぁ。20世紀で一番好きな映画がコレっていうのもいろいろ問題があるよなぁ。じっくり語りだすと、キリがないだろうなあ。なにしろ「人を大量に殺せば死刑になる」が「人を生きたまま大量に食べたら死刑にはならないかもしれない」というファンタジーであるからなあ。実際にそうだった人が実在する国だからなあ。いつか、じっくり語りたいが、今回は子供の頃好きだった歌をやや替え歌で残すに止めよう。「人食い土人のサムサム、お腹がすいて、お父さんもお母さんも弟も食べちゃった。食べ過ぎたー」元詩は童謡『人食い土人のサムサム』(谷川俊太郎)だが、キッドがこれを歌うと父も母も弟もゲラゲラ笑ったものだった。今だとかなり危険な光景かもしれない。
日曜日に見る予定のテレビ『功名が辻・最終回』(NHK総合)ま、ヒマなら『ラスト サムライ』も見るかもね。
| 固定リンク
コメント
理美が一番家族にこだわっていたのかもしれないっていう
エピソードが結構よかったかなって感じです。
理美の離婚の原因はそこなんでしょうけど
夫が気付くまでがホント長かったです(笑)
老師のお言葉は王様にわしと同じ道を歩んで
30年経ってその事を後悔してからでは遅すぎる事を説く辺りに
もし我が子が生きていれば、王様と同じ年だったかも
しれないと思っていたのかもしれんですね。
できれば王国に老師も一緒に住んで欲しいものです(;・∀・)ゞ
投稿: ikasama4 | 2006年12月 9日 (土) 15時23分
真ぁ赤なリンゴをほぉばる、ネイビィブルゥのTシャツ♪
は~ぃH☆C@ミキ、懐かしい曲を歌いながらの登場デス!
やっぱ家族は仲良しさんでなければダメですよね。
でも・・・王様の侍女になって、恋の奴隷になりたいミキなのでした。
王様しゅてき~♪はぅ~ん
とアホ丸出しで、別の王様の【深紫伝説】のBGMが流れる中を退場デス!
紫はミキのイメージカラーですから~~~
投稿: まこ | 2006年12月 9日 (土) 17時38分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
核家族から個人主義へ。
集団で生きる人間が自我を発達させて
たどりつく人の孤独。
まあ、一人も悪人のいないこのファンタジーの中で
ま、ゾンビのようなリストラ復讐鬼とかはいたわけですが。
少なくとも竹野内さんの周囲はいい人ばかりだった。
なにしろちょっと意固地な妻が悪人に見えるほどの
善良ワールドでしたからね。
もちろん、誰もがいつも善良でいるわけではない。
しかし、この温もりを得るためには
ちょっと面倒なことをしなければいけないってことを
訴える作品でしたね。
下町でも共稼ぎだったり
人の流動性が激しく、
コミュニティーはかなり破壊されています。
しかし、それはさびしいぞーっ。
渡さんの老後の面倒を竹野内夫婦が見取る。
そんな空想を許す。
なかなかエレガントな最終回だったと思います。
投稿: キッド | 2006年12月 9日 (土) 21時10分
☽●chocolate●まこ様、いらっしゃいませ●chocolate●
淋しがりやで生意気で
憎らしい上に間違いだらけのキッドです。
ミキ・ダー、竹野内様、あのさの男と呼ばれマス。
あのさ・・・何なのさ。
ハッピーエンドです。
ハッピーエンド。
こんなすがすがしい終り方。
まこ様はきっとお好きですよねーっ。
キッドも嫌いじゃありません。
羊たちの沈黙でレクター教授が
夕食を食べに夕闇の雑踏に
怪しく消えていくのと
同じくらいほのぼのとしましたーっ。
全然ち・が・うーっ。
場合はまったくもってお許しください。
リセットしてやりなおしますーっ。
はうぅん。
投稿: キッド | 2006年12月 9日 (土) 21時20分