美人でモテモテと勘違いしている・・・みたいなベッキー。
えーと、最終回である。鈴木由美子原作のドラマだから一回もレビューしないわけにはいかないのだが、秋ドラマ充実と「Kiss」ドラマかぶりで最終回まで放置してしまった。
差別化はされているが、ちょっと変な女の子が主人公。という点では『のだめカンタービレ』の変化球でもあるのだが、およそ、10才年下の二ノ宮先生が鈴木先生の「変な女」路線の影響下にのだめを造形したとも言える。とにかく、変な女の子が周囲の愛に守られながら恋をするということではまさしく少女マンガの王道なのだ。
のだめが「音楽」という武器を持っているのに対し、本作品の主人公リリは「お嬢様」という武装。そして、スポイルによって現実離れした自意識を持ち、その妄想が現実に侵食していく物語であります。
で、『アンナさんのおまめ・最終回』(テレビ朝日061215PM1115~)原作・鈴木由美子、脚本・高山直也、演出・常廣丈太を見た。アンナ(杏さゆり・・・「黒い太陽」からここ。5thミス・ヤングマガジン(2000)準グランプリ)の親友・リリ(ベッキー)はアンナの恋人・恭太郎(柏原収史・・・崇の実弟)が自分に惚れてしまったと妄想し、親友と親友の恋人を一方的に三角関係化していく。巻き込まれる方には迷惑な大騒動が繰り広げられるというドタバタ。
リリのパパ(草刈正雄)は娘を溺愛するナルシスト。ママ(高橋ひとみ)もほぼ同様のナルシストである。兄(池田努)は恭太郎を妹のフィアンセと思いこむほどの妹想い。
恭太郎はリリなど眼中にないのだが、唯一の親友を恋人と同じように大切に想うアンナによってリリの妄想に巻き込まれ、いつもひどい目に遭う。このあたりは無関係なものが一番痛い目に遭うというドタバタのオーソドックスな手法をくりかえすのだ。
リリは恭太郎の父に会えば、父親なのに自分に色目を使うと妄想するほどの脳天気なのだが、そのあまりのポジティブさと財産の力で本来なら解決不可能なトラブルも乗り切ってしまうのだ。
リリと恭太郎の心が入れ替わってしまう『転校生』パターンなど、なんでもありの展開で爆走し、恭太郎はホモの小説家にせまられたり、やくざの組長に殺されかかったり、さんざんな目に遭う。最終回もやらせのリンチで若者の集団にボコボコにされ、リリを追いかけて交通事故で死ぬような目に遭うのだった。
最終回はなんと映画『卒業』のような恋がしたいと愛されている恭太郎とは別のお坊ちゃま(桐島優介)と結婚をしようとするリリ。すべてが妄想による行動なので、恭太郎にとって無視すればいいはずだったのだが、いつしか、リリの妄想は恭太郎の心を深く蝕んでいた。リリが恭太郎とアンナから卒業することに動揺するほどに。狂気は伝染するということなのだな。あるいは妄想による洗脳である。
「たっ恋」より一足はやく、卒業パロディー、しかも妄想オチという逆転劇があり、花嫁を強奪したのは花嫁のパパだった。追いかけた恭太郎はお決まりのひどい目に遭い・・・ふりだしに戻るのである。
アンナと念願の同棲を始めた恭太郎、しかし、リリも同居しているのだった。・・・ま、一夫一婦制度に対するアンチテーゼと考察することもできるが、要するにキチガイに逆らってもしょうがないという諦念がそこにある。でも、それなりにハッピーならいいのじゃあるまいか。と妄想王キッドは素直に思う。
関連するキッドのブログ『冷蔵庫に美容整形機能がプラスされました。』
ちなみにナレーションは本田博太郎で、リリの妄想に対するツッコミという形式になっている。妄想だか現実だか時々不明になるからである。平均視聴率が*7%そこそこのドラマだが、このワクとしてはまあまあである。「だめんず・うぉ~か~」が*8%そこそこなのでがんばったとも言える。軽い恋愛ドラマが冬の時代なのだな。
金曜深夜はNHK総合で「ちびウルトラマン」とも言える『生物彗星WoO』をオンエアしている。14才の母の裏・未希こと谷村美月の主演である。今回(第四回)は裏・仲間由紀恵とも言える喜多嶋舞が怪しい外国人を演じていてストーリーはともかく、なかなか楽しかった。特撮もそこそこにおしゃれなので、一回くらいはレビューしたいのだなぁ。変則オンエアで残り2回(BSの再放送なのだ)ですが、来週はオンエアがあります。
月曜日(日曜深夜)に見る予定のテレビ『ライオン丸G』(テレビ東京)、サッカーしだいで『ドキュメント'06・13歳の遺言・いじめ自殺それぞれの12年』(日本テレビ)も見たい。
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