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2006年12月11日 (月)

続・旦那様、旦那様、旦那様、だんなさまーっ。(仲間由紀恵)

『功名が辻』最終回の視聴率が23.4%、平均視聴率20.9%である。『利家とまつ』(2002)以来の20%超えで、戦国と夫婦の相性の良さを物語っている。視聴率ついでに『鉄板少女アカネ』のいつの間にか最終回は*9,5%(平均*8.7%)で週刊ザ・テレビジョンも間に合わないほどの打ち切りっぷりにマキマキカワイソ~の涙で前が見えなくなるほどだ。最終回なのにレビューする気のしないドラマって・・・・う、撃たないで~。

一方、功名が辻は司馬遼太郎原作は低視聴率のジンクスを打ち破り、大石静、大勝利の展開である。戦闘シーン欠乏症のキッドの夢は破られたのだ。戦闘シーンなんか、ありものでパッパッでも20%とれちゃうんだもんねーっという「私ってブスだったの?」「いや、それほどでも」の人が夢に出てくる勢いである。

最終回も「慶長19年11月、大阪冬の陣が始まった」と思った次の瞬間、夏の陣で秀頼・淀が火薬庫で死ぬ直前にワープ。淀(永作博美)が「死ぬのはイヤじゃーっ」「御免」グサリ。ドッカーンで終了である。もう、なんか清々しささえ漂う展開だ。ここまでやってくれるとどれだけ戦闘シーンを回避してくるかがひとつのお笑いポイントでキッドは爆笑してしまいました。

で『大河ドラマ・功名が辻・最終回(全49話)・永遠の夫婦』(NHK総合061210PM8~)原作・司馬遼太郎、脚本・大石静、演出・尾崎充信を見た。関ヶ原の合戦の後、土佐一国の主となった山内一豊(上川隆也)が領国支配のために土着の武士を粛清し、妻・千代(仲間)に反発されるもののヨリを戻したのもつかのま卒中で倒れるというのが前回。今回も「旦那様」で始まり「旦那様」で終る物語なのだが、一豊は中盤で一足先にあの世に旅立つ。関ヶ原から五年後のことだった。この時、千代は45才ぐらい。見えないけど、気にしない。なにしろ、日本史上、最も有名な妻=山内一豊の妻だから、いつまでも若くて当然なのだ。千代は戦乱の世を共にした夫の末期の水を口移し、夫の死体と一夜を明かし、朝、夫の頬を挟み、その冷たさから夫の死を受け入れる。この描写が実に幽玄で、仲間千代ならではの魅力がほとばしる。

その後、見性院となった千代。性を見るとは実に知的なネーミングである。人の性、男の性、女の性。あらゆるサガを見抜くことに優れた女性である千代にはピッタリだ。高台院(寧々=浅野ゆう子)もまた、物見を連想させ、知性を連想させる院名だが、寧々が全体を見ることに長け、千代が本質を見ることに自信を持っていたことを想起させる。

この二人は京都で徳川家の影の外交官として、旧勢力の豊臣家を半ば案じつつ、滅亡に追い込む片棒を担いでいく。すべては生き残るための戦だから。浅井と織田の血を引き、豊臣の子の母として良血中の良血であるだけだった淀には抵抗する術もなかったのである。

主従関係とは不思議なもので、あらゆる人間関係の中に含まれながら、主(あるじ)たる者と従う者の判別は容易ではない。これに反するものは敵対関係と、友好関係である。友という人間関係は主従と敵対との狭間に生まれる幻のようなものとも言える。

千代は常に従うものでありながら、友という魔力で、主としてふるまうことができた。それを人は内助の功とも呼ぶし、才女とも呼ぶし、女大名とも呼ぶ。どれだけの賢さであろうか。ありあまる才能を嫉視されずに開花させることのできる賢さ。まさに妙なのだ。

見性院(千代)にとって高台院(寧々)はかっての夫の主の妻である。当然、千代にとっては主の系列に属す。しかし、二人が並んだ姿は信頼で結ばれた友に他ならない。寧々が「私の築いた豊臣の家が滅ばぬよう配慮したい」と言えばその意を受けて淀を説得する。しかし、「もはや、滅びるしか道はないのだろう」という寧々の本心も分かっているのである。まさにあうんの呼吸を通わせるものとして描かれる二人。素敵である。

淀「織田の姫であり、豊臣の母であるこの私に従えぬと申すのか」千代「すでに山内の主は徳川なのです。それが実力のなせる業なのです。どうか、ご理解くださいませ。まずは秀頼様のお命、子を守るのは母の第一の役目でしょう」と説得する。徳川家康(西田敏行)はかって淀の叔父・織田信長に家康長男(信長の娘の夫)の死を命じられ、実行した過去がある。それが主従というものであり、今、淀の長男は家康の孫娘の夫でもある。どちらが主であり、従であるかの選択は非常に難しい。拒否すれば主従関係から敵対関係へと変換するのである。淀はこの時点で従であることを受け入れた。そうでありながら、家康は敵対関係へと従う淀(旧政権)を追い込んでいく。徳川は源氏政権である。平家が源氏の命脈を絶たなかったために滅んだという歴史から、源氏は旧政権の命脈を絶つという習いになっている。

その時が来て、大阪城は落城する。才女である寧々が千代に「あなたと私は似ていると思っていたが、私の家は滅び、あなたの家は残ったわね」と友ならではの感慨をもらす。そして戦国時代は終焉したのだった。この時、千代は54才になっていた。

山内家は直系相続ではないが十六代豊範まで続き明治を迎える。千代は余生を巡礼の旅で夫や家臣たちの菩提を弔うことで過ごしたとドラマは結ぶ。終焉を千代は永井杏の演じた少女時代の一場面を仲間由紀恵が演じるという幻想的な回想シーンで飾る。主となる夫・一豊との出会いのシーン。裸足の千代に一豊は草鞋を与える。主たるものは従うものにこの優しさを与えねばならない。それを示すこのシーンは涙なくしては見られない名場面だった。こうして仲間由紀恵の「旦那様」を求める旅は終ったのだ。千代は61才だった。「む」と「ぶ」を曖昧に発音する仲間ならではのおばあちゃん声色がちょっと楽しかったな。武は武士ならぶしだし、武者ならむしゃだ。日本人の心の琴線に触れる発音なのだろう。

関連するキッドのブログ『旦那様、旦那様、旦那様、・・・だんなさま~(仲間由紀恵)』

さて、来年は『風林火山』(原作・井上靖)である。仲間由紀恵という旬の女優を使った今作と変わり、武田信玄を市川亀治郎(市川猿之助の甥)、由布姫を柴本幸(真野響子・柴俊夫夫妻の娘)、主人公・山本勘助を内野聖陽という・・・キッド的には地味なとりあわせだ。まあ、ライバル上杉謙信はGacktだけど。予告を見る限り、作用反作用で戦闘シーン増量の気配があるが、武田の合戦はキッドにとってはもう一つ地味なんです。でも、期待していいのかな。テリー伊藤さんが今川家臣・福島越前守役でキャスティングされており、ちょっと楽しみ。ま、最大の関心は池脇千鶴の三条夫人である。池脇のSかあ。ある意味、ジョゼ?

『ラストサムライ』も見たけれど、ツッコミどころ多すぎてとてもレビューできないと判断しました。あしからず。

火曜日に見る予定のテレビ『火曜ドラマゴールド・カリスマ占い師殺人鑑定』(日本テレビ)それは宮本信子も涼風真世も渡辺典子も出るからなのさ。

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コメント

キレイな感じでまとまりましたが、
大河ドラマは最近ホームドラマ化してるようですね。
それが意外にウケがいいという事にちょっと複雑です。

独眼竜政宗で渡辺謙を見た時の衝撃はかなりのものでした。
ああいうドラマを今度の大河に期待したいものです。

そういえば「功名が辻」で森蘭丸を演じたのは
渡辺謙さんの長男だそうで。
つい最近知りました(;・∀・)ゞ

「ラストサムライ」・・・幕末の時代にあそこだけ
安土桃山の時代になってます(笑)

投稿: ikasama4 | 2006年12月11日 (月) 20時37分

✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥

歴史オタク、戦国時代オタク、大河オタク、信長オタク、軍事オタク、ドラマオタク、女優オタク・・・これだけのオタクを満足させるドラマはなかなかできるものじゃないですからね。

そういう時代に20%を獲得するのは運もいるけれど、作家なら自分のベーシックな部分を守っていけるだけの技量がいると思います。

大石静さんはそういう意味では堅実感が漂っていた。

「利家とまつ」の受けた部分も研究しているし、戦闘だけが戦じゃないだろうという主張もそこはかとなく漂っている。

ただし、スペクタクルは予算的にも困難であったでしょうが、一回くらいは欲しかった。

キッドは『信長 KING OF ZIPANGU』(1992)の長篠の戦いで武田騎馬軍団の様式美にあふれた軍勢とクールビューティーな織田・徳川連合軍の静謐な演出が大河ドラマ史上屈指の記憶です。

たちこめる霧の中。
武田軍の呪術的な戦のための楽の音だけが接近してくる。
英国におけるバグハイプのような戦を駆り立てる音色。
笛と太鼓が哀切な響きで高まり、
霧の中から踊りながら演奏する楽隊がまず、現れる。
そして、一瞬後、突如として馬蹄の音が響き、
騎馬武者が恐ろしいスピードで来襲する。

あの衝撃。あの戦いにおけるしびれるような甘美。

もう一度、味わってみたいものです。

投稿: キッド | 2006年12月12日 (火) 11時38分

キッドさん、こちらにも。
功名が辻って20%超えてるの・・すごいですね。ひと恋に分けてあげたいわ~~。千代と一豊の口移しのシーンはびっくりでしたね。初めて見たかもしれません。きれいに撮れていてちょっとした感動でした。
個人的に大きくなった秀頼がかっこよく見えたわ。誰ですか?家康もあんまり美貌なんで嫉妬して冬の陣なんて起こしちゃったわけで美しさは時として罪ですね~~。って本当は「美」じゃなくて「若さ」でしたけどね・・てへ。
とにかくさっぱり日本語に聞こえないドラマを繰り返し聞きながらやっとこ書きました。一年は長かったですね~~。
お疲れ様でした!!パチパチ

投稿: かりん | 2006年12月12日 (火) 17時05分

✿❀✿❀✿かりん(スー)様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿

豊臣秀頼の成人役は石黒英雄くんですね。
公式サイトはこちら。
http://www.ogipro.com/talent/ishiguro/

17thジュノンスーパーボーイ(2004)のグランプリ。
『ごくせん』では赤西仁くんの弟役で登場。
来年の山P白虎隊にも出るみたいですよ。

・・・スーちゃん、浮気はほどほどにね。

日本人としては、戦国時代がどのようだったのか。
少しは知っておきたいですよね。
もちろん、ドラマは歴史そのものではないけど。
大河ドラマは
その入り口として
みんな見るといいのになぁと思います。

もちろん、幕末ものも同じで・・・。
みんながラストサムライを爆笑しない世の中になったら
ちょっとこわいです。

投稿: キッド | 2006年12月12日 (火) 18時41分

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