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2006年12月24日 (日)

約束なんか最初から信じなきゃよかった。(入江紗綾)

「・・・・・・・・・・」(岩田さゆり)でも良かったのだが、さらに言うならば「その場しのぎでいいじゃない」(樋口可南子)でも良かったのだが、さらにさらに言うならばディロン、ハッピー、アリスでも良かったのだが、まあ、クリスマスイブになったことだし、せっかくケーキを用意してお父さんを待っていたのに父帰らずで待ちくたびれて眠ってしまった少女に敬意を表してこのタイトルになりました。

で、『土曜ドラマスペシャル・ディロン・クリスマスの約束』(NHK総合061223PM9~)原案・いのうえこみち、脚本・寺田敏雄、演出・岡崎栄を見た。『ディロン~運命の犬』(06)の特別編である。ディロンは介護犬の名前で人の心を読む超能力犬でもある。この他に普通の介護犬ハッピーや、普通の犬アリスも登場する。ディロンは壊れたり壊れかかった人の心を癒す。飼い主の麻利(樋口)も癒された口。夫(大杉漣)はかって犬嫌いだったがディロンの洗脳により今では犬好きに精神改造されている。

どのぐらい洗脳されているかというと、保健所の犬保護センターにボランティアに行き、飼い犬を引き取りにきた飼い主母娘と遭遇。「こっちの犬の方が可愛いよ」「じゃ、こっちの犬を引き取ってウチのはちゃんと処分してもらおうか」という見知らぬ娘と母の会話に「いいい犬のいいい命をななな何だと思ってんだーっ」と激怒するほどなのである。

さて、ディロンと麻利は山村留学先で母親が引き取りに来ないで落ち込んでいる小学生を励ますために出動。たちまち子供を癒してしまう。ここから同行した看護助手(吉沢悠)との瞼の母展開。彼は幼い頃離婚のために生き別れになった生母が八ヶ岳で介護助手をしており、育ての母への遠慮や捨てられた恨みもあって会うかどうかを迷っていたのである。ディロンがコントロールして結局、生みの母(市毛良枝)との再会を果たすのだが、母の職場前で迷う。母の働きぶりを見て迷う。母と会話して迷う。母と犬の散歩をして迷う。ここで母は息子がいることを明かす。母のおにぎりを食べてついに決心。母に名乗りを上げるのだが、その前に抱きついてしまう。母もそれと悟り抱擁。待たされたけどさすがに涙が止まらない。ディロン。ありがとう。ご褒美にホワイトクリスマスだ。

関連するキッドのブログ『こわれた樋口可南子とセラピー犬。』

で、『地獄少女・第8話・聖夜の奇跡』(日本テレビ061224AM0135~)原案・わたなべひろし、脚本・森山あけみ、演出・長沼誠を見た。テレビアニメ企画→漫画→テレビアニメ→実写版ドラマという紆余曲折を経て実現した変り種作品。今夜は特に変り種である。

地獄少女は閻魔あい(岩田)で人の怨みをはらす手伝いをする。ただし、依頼人もターゲットも「人を呪わば穴二つ」方式で地獄送りにする。依頼人はインターネット・サイト「地獄通信」にアクセスする。あいから赤い糸が結ばれた呪いの藁人形が届く。この糸をほどくと依頼完了。呪われたターゲットは即効で地獄に流される。ここでは地獄は現実世界にリンクしており、一般人もターゲットが突然消滅するのを目撃することができる。依頼人は寿命まで生き、死ぬと同時にあいの棹差す地獄の渡し舟に乗船する。ターゲットが寿命を削られるのでその分「怨みを晴らした感」がある。

あいから「罪に溺れし業の魂、いっぺん死んでみる?」と告げられたターゲットは気がつくと渡し舟に乗っている。そして「この怨み、地獄へ流します」というのが決まり文句。

あいには手下として一目連(加藤和樹)、骨女(杉本彩)、輪入道(小倉久寛)がいて、怨みを晴らすための盛り上げ役となる。

地獄の実在を前提としたフィクションだが、『スカイハイ』『デスノート』よりも『エコエコアザラク』や『ゲゲゲの鬼太郎』に近い世界観である。一般の人には感知できない存在だが縁あって雑誌記者(西村和彦)の娘の小学生つぐみ(入江)はあいの姿を感じることが出来る。

という基本設定で依頼人とターゲットで目先を変える一話完結なのだが今回は特別。インターネットが登場する前から地獄少女が存在していたことを物語る1編になっている。

クリスマスイブの夜。「ケーキを手作りするからキャンドルを買って早く帰ってきてね」とおねだりするつぐみ。しかし、例によって地獄少女を感知してしまう。それを聞いたパパは「地獄送りを止めさせる」は口実で特ダネを求めて町へ。

古本屋で「煉獄少女」という作品を発見したパパは作者(高松英郎)を発見。大滝警部からの情報で強姦殺人事件の被害者の遺族だと知る。真相を聞きだそうとするパパは娘との約束を破り、しつこく取材。停電。折りよく持っていたキャンドルをつけると作者は真相を語る。犯人はやはり地獄に流されていた。作者はアトリエへ。そこには巨大な地獄少女の絵姿が。ああ、岩田さゆり絵になるなぁ。そしてその瞳から涙が「わしのために泣いてくれるか・・・」そして作者絶命。

パパは行き着けの店のマスター(田中要次)に「待ちつかれて眠っちゃったよ」と叱られながら娘の寝顔に見入る。

というストーリーで三人の手下は出ないし、岩田の決めセリフもない。それどころか岩田はほとんどセリフなし。なかなかにおしゃれな展開だった。難を言うとこの展開では被害者は妻ではなく娘であった方がストレートだったな。

小学生Fカップ(推定)アイドルとして注目された紗綾(現在中学生)、とろ~りプリンの岩田さゆり、そしてエロスの女王杉本彩と妖しい魅力たっぷりのキャスティング。あともう少しで素晴らしい作品になるところを・・・いつもツメが甘いと思う。でも見ます。次回は1月6日深夜、ゲストは岩佐真悠子である。岩佐、レイナの後、ここか・・・。

関連するキッドのブログ『神秘的という意味で吉祥天キャストは可。』

地獄というフィクションは中々にしぶといな。消えそうで消えない。もちろん、地獄は実在するし、人々は罪を償う必要がある。地獄を信じられない人間は多いが、地獄がないことを証明することは誰にもできないのである。あることを証明したものがいないように。キッドも証明はしないが地獄が実在することは断言しておく。それにしてもクリスマスに相応しい話題・・・かな?

月曜日に見る予定のテレビ『のだめカンタービレ・最終回』(フジテレビ)

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