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2006年12月 8日 (金)

「束縛して」(内山理名)VS「解放して」(蒼井優)

まあ、松子はそうは言わないけれど、結局、松子(内山)の求めることはそういうことなのだなあ。縛り付けておきたいの裏返しの縛られたい心。「ずーっと見ていてほしい。私から目を離さないで欲しい。そういう人を私はずーっと待っている。あなたを待つのも松のうち」これはやはり「執着」と呼ぶべきものなのだなあ。一方、ミナ(蒼井)は解放を求めていた。しかし、それもまた「解放したい」の裏返しなのだなあ。「あなたの心を解放したかったけれど、それは無理だった。だから、私を解放して」・・・結局、松子は呪縛への執着から逃れることはできなかった。ミナは・・・。

まるで、計算されているかのようにシンクロする松子とミナの人生。つまり、男と女だの、人生だのって奴はそんなに違わないってことなんですねーっ。・・・おいおい、いいのか、その結論で。

視聴率は恐ろしく違いますけど。蒼井優主役の今回、「コトー」は微上げ(22%)でおタクとしてはほのぼのな気分。

で、『Dr.コトー診療所2006・第9話』(フジテレビ061207PM10~)原作・山田貴俊、脚本・吉田紀子、演出・高木健太郎を見た。「ミナって呼んでください」(原作ではミナチンだからな・・・)とある意味アブナイ描写の仲依ミナの過去が明らかになる今回。まずは夫がいたーっ。しかも、きたーっ。しかも夫は忍成修吾だーっ。これはもはや映画「リリイ・シュシュのすべて」(2001)ーっ。さらにアブナイ人だったーっ。

施設で育った二人。家族を持たない二人がひっそりと築いた家庭。ミナにとってようやくたどりついた居場所から逃亡した理由は。もう見るからに狂気を漂わせた美男子。二人きりにしたら直後に痣だらけになる蒼井。ここは誤解を恐れずに言うとニコモ出身者ならではの妖艶さ漂いまくりーっ。さすがだにゃー。猫でなくても苛めたくなるだろう。

今回、忍成のセリフの数少ない手懸りだけではなんとも言えないが、忍成は心の病。おそらく虐待によるトラウマから暴力にたいする自制のできない人格障害者。そして、それが家庭内暴力に特化してしまうタイプらしい。しかも、「ミナに虚言癖がある」などと虚言癖もあるようだ。

ミナは離婚届を置いて島に逃亡してきたのだが、ミナに執着する忍成は当然、捜索発見。ミナが殺されてもおかしくない展開が二回。ピンチを救うのは筧利夫である。愛か。愛なのかーっ。筧でいいのかーっ。蒼井ーっ。

ここで島の神様たちの相談。「ミナはよそ者だがなー」「島にいたら役に立つー」「そーじゃなー」「じゃから守るよー」「じゃなー」ということで、小林薫・朝加真由美「あんたのことは実の娘だと思っている」攻撃、そして、止めは恋愛沙汰ならおまかせ大塚寧々「過去と決別しなきゃいけないときってのがあるもんよ。幸せをつかむ気があるんなら」グサリである。ここが松子には手が届かないところ。同じことをAV女優に言われるのと島の女に言われるのでは説得力に差があるらしい。

しかし、壊れているとはいえ、相手は忍成、油断は禁物。来たー。伝家の宝刀。とにかく発病。だってここはコトーの世界じゃーっ。「オレやお前にとって世界は敵だろう。お前の本当の味方はオレだけだろう。少しくらい殴ったり蹴ったりしたって、オレしかお前を幸せにできないだろう」という狂った論理展開で蒼井とヨリを戻す気でいた忍成の心臓を停止させましたーっ。

ミナ「やった。これで助かった」と思うまもなく、善意の世界観発動。とりあえず、人命救助だーっ。忍成、結局、命冥加な奴だったーっ。

ミナは懺悔。コトーは一緒だよ。僕だってと癒し攻撃。二人のささやくような小声のやりとりに思わず、テレビのボリュームをあげるキッドは難聴気味ーっ。小声の人たちってうらやましーっ。

そして、コトー、暴力夫に説諭。「心の病を治すのは本人の努力がなくちゃ」って村の駐在さんかーっ。本人がどうすることもできないから精神障害じゃないのかーっ。ま、島の神様にとっては「この男は不要じゃーっ」という結論なのだな。とにかく、離婚届は確保したからそれでいいのだーっ。村役場を挙げて受理するのだーっ。

こうして心の闇をかかえたまま、忍成は世に放たれたのだった。次に毒牙にかかるのは貴女かもしれない・・・。結論、蒼井優は美しい。来週は柴咲コウの回。お見逃しなく。

で『嫌われ松子の一生・第9話』(TBSテレビ061207PM10~)原作・山田宗樹、脚本・成瀬活雄、演出・堀英樹を見た。「ああ、洋くんはヤクザもシャブもやめて私たちは幸せになれるのだ」と夢見心地の松子なのだが、なわけもなく、死に至るリンチ開始、しかし、歴史の改編は行われず、要脱出である。脱出できないと思うが脱出したものは仕方ない。二人は追及を逃れるために覚醒剤で自首の方向に。年末年始に微罪で捕まり、留置場に温もりを得る浮浪者の気分なのか。警察のスパイが入り込むほどの組織なら、刑務所まで執行人は来るのではないのか。それはヤクザ映画の見すぎなのか。ということは追求しないでおく、朝から天丼出されるような世界では文句を言うと胸焼けをするからである。そして「あなたがいれば地獄でも平気の松子」と「オレがいたら地獄から抜けられない洋一(要潤)」との男と女の悲しいボタンの掛け違い。とばっちりはすべての諸悪の根源の校長(佐藤B作)へ。まあ、こいつは殺されても仕方ないことをしているからな。そう思わない人はいい人だと思う。とにかく、妊娠? 年表的には鈴木えみの年頃が・・・。げ、原作を越えるのか。そ、それはやめた方がよくないか。ま、この数字(*7.2%)だから何したっていいんだって気になるのはわかりますが。記事内容がいつもと逆転していると思う人はキッドが蒼井優のファンなのだということを受理してください。

人は人に縛られたり、縛ったりして生きているし、解放したり、解放されたりしても生きている。息がつまるような束縛もイヤだし、果てしもなく解放されるのもちょっと不安。ジャニス・ジョプリンは言いました。「自由ってのは失うものが何もないってことなのよ」

関連するキッドのブログ『第8話』VS『第8話

土曜日に見る予定のテレビ『たったひとつの恋』(日本テレビ)うわあ。硫黄島ドラマを見ないでそれを・・・。こだわりか。こだわりなのか。ネット社会の安全・・・はいいのか?

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コメント

こんにちは~!
お久しぶりで、お邪魔します~。

「コトー」も見ているのですが
両方の女性を比較すると、面白いですよねー。

それと、スイマセン~。
「嫌われ松子」8話を遅れてアップしたので
こちらをTBさせていただきました<(_ _)>
(何もないと淋しいものでして、、、苦笑)

投稿: ルル | 2006年12月 8日 (金) 16時03分

キッドさん、こんばんは!
松子の方は見てないのですが、本当おもしろいみたいね。

さて今週のミナ。んもぉ~DVだったの。痛々しい。可哀想すぎる~~号泣って感じでした。でもミナってばじっと耐えてるんだもん。どこかアタシのドS刺激するじゃないですか。亀ちゃんじゃないのにぃ~。結局、この子かわいいのね。
ところで夫の暴力は心の病と言ってたけれどそれは幼少時に受けた暴力が大きくなって噴出したんですか・・。こういうのって連鎖するのね。治るといいですね。

投稿: かりん | 2006年12月 8日 (金) 20時20分

キッドさん、こんばんは。

いつも「コトー先生」のレビューも拝見させていただいていたんですが、今回はすごく良かったのでコメントさせていただきますね。

前回が「これをコトーでやっていいのか?」って内容だったので、よけいにうれしかったです。

マリコちゃんが久しぶりに最強ぶりを発揮したのもうれしかったし、筧さんはヒーローやってたし、コトー先生はDrらしかったし、これで雛ちゃんと神木くんが出てれば言うことなかったんですけど。

でも、なんといってもミナちゃんですね。蒼井優ちゃんはじっくりと見たのは初めてだったんですけど、とってもステキな女優さんですね。彼女の周りに透明な青い風が吹いているような、さわやかな、それでいてしっとりした少しはかなさも感じるような、そんな感じです。
今の女優さんって強い感じの人が多いと私は思ってるんですが、そんな中で貴重な存在ではないかしら。

今回のシリーズは見始めてすぐ、ミナちゃんをみるのが楽しみになっています。

投稿: youko | 2006年12月 8日 (金) 21時13分

キッドさん、こんばんは!
忍成修吾さん、、、あまり見た記憶がないですが色々出演しているんですね。^^:
彩佳のことがあるので、そんなに引っ張らないだろう…と思って見ていたせいか妙に一歩引いて見てました(汗
あ、やはり離婚届は島の役場に出すんですよね。
心停止騒ぎで離婚届誰が持っていったのかな?って思っていたのですがミナですよねやはり。

あ、自分も土曜は「ひと恋」見ます。「硫黄島」は録画しておこうっと(笑

投稿: | 2006年12月 8日 (金) 23時00分

キッドさん、こんばんは。
和田さんは気配りのできる、イイ人ですね。
つい頼ってしまいそうです。ミナにはお似合い!

>止めは恋愛沙汰ならおまかせ大塚寧々「過去と決別しなきゃいけないときってのがあるもんよ。
いつも、グッドタイミングですね。
DV相手が、夜王の光さんじゃ、怖いですよ!

投稿: mari | 2006年12月 9日 (土) 00時38分

YY*★*YY~ルル様、いらっしゃいませ~YY*★*YY

原作では松子から人生を学ぶ人がいるのですが
ドラマの松子からは何も学べないと考える人が
多いのではないか・・・と思う今日この頃です。

上三行が偶然、シンクロしたのでびっくりしました。

いわゆる負のスパイラルに陥った松子なのですが
やり直せるポイントはいくつもあった。
しかし、松子だって幸せを感じていたわけで
松子の幸せが不幸を呼び寄せるきっかけになっている。
これは松子の責任とは言えないものなぁ。
こういう女に憧れる作者は
一体どんな哀しい過去があったのかと思うと
涙を禁じえません。

投稿: キッド | 2006年12月 9日 (土) 19時56分

✿❀✿❀✿かりん(スー)様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿

とりあえず、松子は劇的なことだけは劇的です。
ま、基本的に愛欲のもつれですが。
それも松子の独り相撲なんですけど。
相手がいる恋愛でこれだけ独り相撲を続けられるところが
松子の魅力。

一方、ミナは一切相撲はとりません。集団ナイト体制に
しっかり守られていますから。
島に馴染んだものが勝つのです。
ま、キッドもミナが近所の看護婦さんなら
一肌も二肌も脱ぐってもんです。
キッドならDV夫なんて簀巻きにして川へ・・・。
またかいっ。お前には他に手段がないのか~。
だって確実なんだものーっ。

今回、役者魂につぐ、施設出身孤児の登場。
プロデューサーはかぶりものがお好きシリーズです。
世の中には千夜一夜ほどのお話の種があるはずなのですが
みんなーっ。同じゴールを狙いすぎーッ。
前回も書いたのですが、あれもDV、これもDV、きっとDV。
なのでした。

かりん様、だから言いますが・・・。
ミナのような子をいじめるなんて・・・うらやましい。
もちろん、相手の嫌がることをしてはいけないのです。
あいても喜び、自分も楽しい。そうでなくては。
何の話じゃーっ。

それにしても体の傷は直せるけれど
心の痛手はなおせはしないーっ。ジュリーって。
結論なのかーっ。
先週の奇跡の復活といい、
原作がそうだからといえば仕方ないけど
高視聴率をバックに
コトーやりたい放題と感じるのは
キッドだけですかーっ。

投稿: キッド | 2006年12月 9日 (土) 20時12分

♢♦~山~♦♢youko様、いらっしゃいませ♢♦~P~♦♢

きゃーっ。蒼井優ちゃん人気ーっ。

ま、山Pで言うと『池袋ウエストゲートパーク』の
シュンくんのような
はかなげな魅力だと思うのです。

ああ、性を乗り越えたこの萌えの感覚。
お許しくださるでしょうか。

栗山千明、沢尻エリカ、新垣結衣と比べると
蒼井優は素朴の匂いがするのですが
しかし、ニコモならではの妖艶さがないわけではない。
このアンバランスさがえもいわれぬ魅力を醸しだします。

ああ、山Pや蒼井優と同じ人類であることの幸せ。
いや、彼らは妖精なのかもしれませんが・・・。

どんだけひたってるんじゃ~。
キッドはフラガールを早くテレビで見たいのです。

投稿: キッド | 2006年12月 9日 (土) 20時27分

☆☆✫チバ☆☆翠様、いらっしゃいませ☆☆✫チバ✫☆☆

彩佳もいて、ミナもいる。茉莉子がいて、ゆかりがいる。
ひながいて、昌代もいる。
ああ、コトー、おさえすぎ。

でも、キッドが一番萌えるのは
成海先生(堺雅人)なのです。
コトーが成海先生に何やら冷たい口調で
ネチネチするシーンが一番好き。

ああ、電話越しなのに
今にもキーッとなって
メスで切りつけられそうな緊迫感。
来週はたっぷりと堪能できそうな気がして
今からワクワクしています。

投稿: キッド | 2006年12月 9日 (土) 20時42分

❁~✾~❁~~✾mari様、いらっしゃいませ✾~~❁~✾~❁

きゃーっ。
和田さんとミナさんがお似合いなんて・・・。
そんな、あまりにも手近でOKなカップリングじゃありませんか。
ま、毎日、顔をあわせ、
苦難を乗り越えて、ケガもさせて
しかも、ピンチを助けられて
今、王子様に見えてもおかしくない展開。
ああ、コトー。三枚目に優しい島だーっ。
どんな美人も二枚目も
年を取ったら三枚目ーっ。
やはりセカンドライフは
南の島なのね。
コトーにいるあの島へ。
行きたくなるのは
東京12月冷たい雨がふってるからーっ。

投稿: キッド | 2006年12月 9日 (土) 20時54分

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