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2007年1月31日 (水)

・・・どっちもどーでもいいんですけど。(釈由美子)

これも第三の選択なのか。二者択一を迫られて全否定。それを言ったらお仕舞いだろう。いや、渥美清ではないのですが。でも、まあ、本当にどうでもいいことだからいいのか。「パパとママどっちが好き?」とか訊かれたときに「どっちもどうでもいいんですけど」とか子供が答える・・・ん? ちょっと面白いな。

「おタクの空腹問題と他人の領収書の整理、どっちが大切だ」と訊かれた場合の答えとしては妥当か。いや、微妙だよなぁ。特異な才能のある労働者と一般職の労働者の職業に貴賎はないという前提に立てばな。でもなぁ、希少価値も認めてもらえんとやっとられん時もあるからなあ。

「自民党と民主党、どっちがいい?」「どっちもどうでもいいんですけど」「米国は間違っていたと女性は出産する機械、どっちが失言?」「どっちもどうでもいいんですけど」「あるある捏造問題と不二家不衛生スキャンダル、どっちが重要?」「どっちもどうでもいいんですけど」・・・ああ、自分でも何が言いたいんだか、わからなくなってきた。きっとどうでもいいからなのだな。

で、『ヒミツの花園・第四話』(フジテレビ070130PM10~)脚本・永田優子、演出・小松隆志を見た。主題歌を歌う安室奈美恵はかって沖縄の空手少女としてテレビで紹介されたことがあるが、その時、すでに沖縄アクターズスクールの所属だったのかどうか、キッドには記憶がない。もし、「そうだった」として、視聴者が「素人だった」と思ったとしよう。そして「素人だから好感をもった」としよう。彼女が所属事務所のあるプロだと知って「だまされた」と言って怒り出す人がいたら、それはキチガイだと思う。今、あるある捏造問題で騒いでいる人がそうだとは言わないが、テレビでまったく実証性のない死後の世界を語る人々がまったく問題視されていないのに、テレビから発信される情報が正確無比だと考えるのは愚かしいと言っておく。いいですかーっ。この世のすべては基本的に虚構ですからーっ。どうでもいいんですけどーっ。この主題歌。「Put 'Em Up」の次くらいに好き。

「すいません」(月山夏世・釈)「いえ・・・こちらこそすいません」(片岡航・堺雅人)と意味もなくあやまる二人。そして「・・・あの、じゃ、そういうことで、おやすみなさい」(堺)、「おやすみなさい」(釈)である。どういうことなんだーっ。

とはいうものの、なんか、ほのぼのしていていいなー。キッドは意味もなくあやまるタイプなので目上の人に頭を下げない主義の人から「意味もなくあやまるな」と注意をしばしばされたが、あやまると気持ちいいんだよなーっ。とくに意味もなくあやまるのは気持ちいいーっ。どういう性格なのじゃーっ。

そして、職場へ向かう釈。編集長に「原稿はどうしたーっ」と言われ「すいません」とまたもやあやまるのだった。ほのぼのするなーっていうか、それでいいのかーっ。この釈の仕事量の少ない感じ、とってももやもやするのーっ。で、思ったのが、釈は「仕事をやめよう」と思っていたのではないという妄想である。そうだ、この主人公は「人生をやめよう」と思ったのではないのかということなのだな。だけど、実行にふみきれないでいる。そういう設定なのだ。縄を渡せば首をつり、崖に連れ出せば飛び降りる。そういう精神状態なのだ。なぜ、素直に見ない。なぜ、主人公をビョーキにしたがるのだ。

そう考えると辻褄があってくるのである。仕事に対する情熱なし。「だって死ぬんだもん」、恋愛に対して来るものを拒まず、「だって死ぬんだもん」、立場を考えずに本音で対応、「だって死ぬんだもん」・・・そうか、そうだったのか。そして、それが死を覚悟した開き直りにしては弱すぎるのは根は努力家で不器用な性格だからなのだな。う~ん。スリリング。

ちょっとした「からかい」のゲームが、断崖絶壁ギリギリで展開しているのである。だから、バイク便なのだな。おいおい、その必要経費、ワークシェアリングにもほどがあるだろう。経営者が自殺したくなるぞ。そういう心情を無視して(察しているという解釈も可)田中一郎(寺島進)登場。釈を説教して自分のくしゃみ脱力(テレビを見ながら読んでいた『エロイカより愛をこめて34』青池保子のシュレッダー裁断書類復元作業を妨害する部長のくしゃみとシンクロニティーして恐怖する)の作業、確定申告のための領収書の分類作業を押し付けるのだった。あーっ、もうそんな時期かーっ。しかし、あたえられた仕事はやれる釈。「だって死ぬんだもん」そこへ空腹の次男・修(池田鉄洋)登場。「どうでもいいんですけど。(だって死ぬんだもん)」があって片岡家のカードを持って買い物へ。カードの残高が「二億円・・・」(全額、引き出して逃亡。どうせ死ぬんだもん。いや、どうせ死ぬんだからそれも面倒だな)ということでカレーを作る。「抱擁、どうよう」の動揺のある航は無口に。

そして物語は片岡家のヒミツへ。四男・陽(本郷奏多)には「大切な思い出がない」というのだがそれと奥の部屋には何か関連があるらしい。そして長男から三男までは四男に対して何か負い目があるらしい。だが、「死のうとしているのに」流されて生きている釈の心のヒミツよりもヒミツなのか。だからそれはキッドの妄想だろーっ。

さて、周囲をまったく気にしないのに自分は気配りができていると思っているタイプの真矢みきはカフェの客、全員を硬直させる、恋の悩み相談を展開するのだが、なにしろ、今度はちゃんと着ろよ、ウエディングドレスなのだからな。まあまあ、面白いのだが、キッドにはどうでもいいんですけど。

「ハワイアンセンター」「ドボン」はプールなのか、プールに飛び込んだのか、水着サービスはないのですかーっ。そりゃ、どうでもよくないぞーっ。

「お金があるのに使えないなんてかわいそう。三男(要潤)は据え膳食わないので私に恥をかかせた上に遊び人風でなんかむかつくから意見してやる。だって死ぬんだもん」という展開。キッドも四歳くらいの時に、祖母に向かって「おばあちゃんは働いていないからなまけものだ」(専業主婦だった)と言って烈火のごとく激怒された記憶があるので釈の精神年齢はキッドの四歳児レベルなのだな。

そのために三男の精神は破壊され、片岡家に崩壊の嵐が吹く。ああ、年に一度の家族旅行が・・・。ま、「死ぬ気になってる」人間にはどんなことでも可能だからな。

四男の高校時代の同級生と大学で交際しているのに四男に「高校生?」と訊くみすず(松岡璃奈子)はキッドにとって渡辺満里奈と区別がつかないタイプ。猛獣使いに成長するのかな。それにしても四男、直観力強すぎて壊れるタイプなのだなぁ。

それにしても釈、要を拒絶するとは・・・死ぬのをやめたのか。「カレーがおいしかった」と言われたからか。前半、そこそこいい感じで、後半失速。釈が本当に死にたくなりそうな展開はつづく。

謎の女・滝沢沙織のくりかえしのギャグはついに子連れになった。エスカレートさせていけるかどうか。パターンだと次は次男が目撃することになるのだが。

だが担当作家三人の大東俊介や、五人の岸博之にも秘密にしていることをなぜ新人の釈に明かすのだーっ。この理由は相当難しいと思うのでごまかす気だと思う。脚本家の方、まさか「だって死ぬんだもん」状態なのではーっ。

関連するキッドのブログ『第三話のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『拝啓、父上様』(フジテレビ)木曜日はもう、どうでもいいんですけど。

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Hcinhawaii0037 ここより、H☆C情報。赤坂のヘイセイ・ホールにてステージ感覚を磨くための模擬リハーサルをするメンバー。お気楽社長をはじめとしてメイキャップ・アーチストくうふう3様、ボイストレーナーミマム様、振付師aki様、ローディーのろーじー様などH☆C専属スタッフが集結していた・・・。ステージでは歌唱とダンスのバランスをミマム先生とaki先生がチェック中。

Hcinhawaii0038 休憩時間、歌詞の内容と歌いまわしについてミーティングする作詞家のads(あず)様とミマム先生。ミマム「あずさん、ヒゲのびるの早いですね」

一方、掘出学園中等部在籍(H☆C親衛隊長・お気楽プロアルバイト)のぷっち☆翠ちゃんは楽譜をチェックするかりん☆スーちゃんにしのびよる。翠「ピーピーピー!」スー「ピー?」翠「ピーピーピーピー・・・」謎の会話である。

Hcinhawaii0039 イメージ戦略部長のikasama4様の新作・Tシャツでダンスの部分修正をaki様に指導されるH☆C。

aki「カレンダーが一月の終わりに届くってどうなのよ。ま、show your smileだけどもさ」アンナ☆ラン「東京タワーでね。内緒だけどね。泣いちゃうとね。10時でね。気持ちを切り替えないといけないの。それが困るの」謎の会話である。

Hcinhawaii0040楽器編成について打ち合わせるろーじー様とミマム先生。ろーじー「コブクロがリリース遅すぎですねん」ミマム「とりあえず見とくっしょ」 お気楽「はいはい、みんな、がんばってーっ。今日はリンカーン見ないといけないんだからー」あず「歌詞がねー。スランプでねー」ikasama4「ミツがねー。死んでしまいましたーっ」aki「韓流がちょっとピンチなのよねー」くうふう3「今年ロクなことがないあなた。いいえ、旧正月は二月十八日ですから。大丈夫。そこから再スタートするのよーっ」・・・Hcinhawaii0041 もうなんだか分からない。

すべてのスケジュールを終えて・・・。まこ☆ミキ「あ、くう先生。おみやげなのデス。かまぼこをどうぞ」くうふう3「あら、どうもありがとう、ミキちゃん」ろーじー「くうさん、お腹は丈夫な方なの・・・」・・・危険な会話である。

Hcinhawaii0042 H☆Cついにメジャーデビュー。インディーズ版でミリオン達成しているのにまだまだ売る気らしい。2007年2月1日ヘイセイレーベルよりリリース決定。初回限定版にはハワイでの水着ミニ写真集付き。ちなみにジャケット写真の背景はヨーロッパの有名な教会に似ているが都内にある平成財閥の本家お屋敷らしい。どこだーっ。どこにあるんだーっ。

ぷっち☆翠「またおこづかいが足りなくなっちゃうのデスー!」

※記事の内容はキッドの妄想が責任を転嫁します。

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2007年1月30日 (火)

おかん・・・どげんしたと?(速水もこみち)

いつかこんな日が来ると分かるのは何才ぐらいなのだろうか。もちろん、人間の平等の問題。人間が平等である唯一のこと。それは「いつか必ず死ぬ」ということだ。「死」についてはわからないことが多い。その最大の原因は生きている人間は「誰も死んだことがない」からなのである。

人間にとって最大の謎「死んだらどうなるの?」は永遠に謎であろうところが素晴らしい謎なのである。もちろん、他人の「死」を目撃することにより、人は少しづつ、「それ」があることは理解する。「死」というものはある。しかし、それがどんなものであるか、経験者がいないというのはすごいことだ。

「死ぬかと思いました」とか、「死ぬほどの苦しみでした」とか、言うのだが、どの人も「死んでいない」のである。謎のあるところには物語がある。神話はほとんどが「死」を説明する物語だし、最近だって『デスノート』とか『地獄少女』とか『しにがみのバラッド。』とか、「死」についての妄想の物語は絶えることなく、続いている。

そして、おそらく、多くの人がこわいので「死」からは目をそらしていて、時々、どうしても目をそらせない状態になるとゾッとするのである。こわくて、不安で、せつなくて、名前を呼ぶのは誰ですか。愛しいその人の名は? そしてその人が「死」に包まれてしまったら、人間はもうどうしようもないのです。

で、『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン・第四話』(フジテレビ070129PM9~)原作・リリー・フランキー、脚本・大島美里、演出・谷村政樹を見た。若者は多くの人々に囲まれている。基本は家族であり、両親や兄弟姉妹、祖父母、親類、場合によっては子供(ヤンママヤンパパの場合)である。また、同性の友人がいて場合によっては異性の恋人がいる。いや、異性の友人や同性の恋人がいても良いのですが。それから、周囲の人々である。近所とか、学校とか、職場とかいろいろとある。それぞれに人間関係とそれに関連する情がある。肉親への愛情、友への友情、恋人への恋情、周囲の人々への人情。これらの情はそれなりに質量があるので、時には煩わしくなったりする。孤独という、自己への愛情にどっぷりひたりたくなるのである。何度も書くが、「孤」とは「幼くして親のない状態」、「独」とは「老いて子のない状態」であり、「孤独」とは「子もないのに親もないという虚しさ」を著わしているのだが、「情」の重さに耐えかねるととても魅力的な状態にもなる。人間の基本は「ないものねだり」だから。

ともかく、親を失った人や、親の愛情に恵まれなかった人から見ると腹立たしいほどの「愛」に甘やかされた「ボク」(速水)なのだが、ついに「死」によって「祖母の愛」の継続が断線してしまう。この損失により、立ち直れないタイプの人もいるのだが、「ボク」は立ち直る。オトンとオカンが微笑むほどの立ち直りである。「甘える」のにもエネルギーはいるので「甘えられなくなった」分、他に転化したのである。それは「バイトを真面目にやる」「掃除をする」「洗濯をする」「食事をする」「光熱費を払う」「家賃を払う」さらには「イラストを描く」までになる。つまり、それだけ「ボク」は「甘え」に情熱を捧げていたのである。すごい「甘えん坊」なのだな。

普通でない「甘えん坊」体質に周囲の目は優しい。人間は「ないものねだり」だからだ。その代表は鳴沢(平岡祐太)である。金を貸し、仕事を紹介し、彼女を譲り、そして主人公が迷えば自分の恥をさらしつつ、適切なアドバイス。鳴沢ーっ。キッドにも甘えさせてくれーっ。である。ま、一将功成りて万骨残るなのですね。

そして恋人(香椎由宇)も優しい。鳴沢と逢っても「ボク」の話、「ボク」が奢ってくれるなんていえば、天国にも昇る気持ちで、しかもラーメンで満足、「ボク」がむせたらティッシュである。鉄仮面も笑みくずれるのである。ボクも「いいことあったら教えてね」という母をさておき、「恋人」を優先して「いいこと」を教えちゃったりしている。マザコンがテーマの物語に相応しく、恋人の顔立ちは「母」の面影を感じさせるキャスティングになっている。(もっともキッドは顔の区別には自信がないので無理して断言しています)・・・笑顔が特にかぶると考えます。ともかく、この世の春である。いい感じで「東京タワー」に登ろうとするとそうはいかない物語なのであった。

母(倍賞美津子)は甲状腺にレベル5の腫瘍(ガン)ができ、声帯への転移のために要手術状態に。叔母(『じゃあまたね』(作詞・安井かずみ)でおなじみ浅田美代子)から状況を聞いた「ボク」は母をなじる。「なんね。そんなにボクが頼りにならんとね。なんで相談してくれんの」「もう、決めたことじゃけん」「命にかかわるとよ」「声帯ばとったらマー君と、電話でしゃべれんようになるけん。それはできんと。大丈夫ったい。ガンぐらいじゃ死にゃあせんからね」・・・・・・ああ、もう涙で前が見えません。

関連するキッドのブログ『第三話のレビュー

『しにがみのバラッド。』では幼くして死んだ姉が弟に死神を通じてメッセージを送る話。メッセージは「(いつか)死ぬよ」というものだった。もちろん、意地悪でなくて美談なのである。

恒例の週末の視聴率チェーック。「わるいやつら」↘10.1%(週末に巨悪があるからなぁ)、「花より男子2」↗23.1%(爆上げーっ。華麗に肉薄押し倒せ元祖俺様)、「只野」↘14.4%(わるいやつらやられる)、「演歌の女王」↘*8.5%(唯一のヒトケタドラマだけどキッドは応援っ、今いじめられている人の何の役にも立たないところが爆笑)、「風林火山」↗21.9%(ミツーっ、今度は日向更、幸せになれるといいなーっ)、「華麗なる一族」↗23.5%(アンナ様~気を楽に~)・・・ちなみに「金曜ロードーショー・赤い月」*9.6%(だなーっ。常盤貴子を生かす物語ではないものなーっ。ロト6を越えないとなーっ)でしたーっ。

水曜日に見る予定のテレビ『ハケンの品格』(日本テレビ)

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2007年1月29日 (月)

おじいさんの何に嫉妬しているんですか。(木村拓哉)

昭和42年(1967)は第二次世界大戦後22年目である。34才という設定の鉄平(木村)は昭和ヒトケタの生まれなのだな。つまり、現在生きていれば70代の老人なのである。それほど、昔の話なのだが、人のやっていることはそれほど変わらない。自分のために家族のために組織のために戦い、あるものは勝ち、あるものは敗れ、そして、憎み合い、愛し合う。

人間の幸せがたやすく達成されないのはこの「複雑さ」に負うところが大きい。自分の幸せが家族の幸せであり、家族の幸せが組織の幸せであり、組織の幸せが自分の幸せである。そういう組み合わせはそうでない組み合わせに圧倒され、飲み込まれていくのである。

それは愚かであったり、賢かったりしてもあまり大差なく、人が不幸になってしまうシステムであり、それを受け入れることでしか、人は幸福にはなりがたいのだと考える。鉄平には受け入れがたい考えであり、だからこそ不幸は鉄平の前途に佇んでいる。

で、『華麗なる一族・第三話』(TBSテレビ070128PM9~)原作・山崎豊子、脚本・橋本裕志、演出・福澤克雄を見た。血相を変えて父親を追いかける鉄平。「愛人をめぐる家庭内のいざこざ」が「融資の減額」となって現れたと夢想する鉄平は「父に会えば結果」は変わるはずだと信じる愚者として描かれる。この物語の中で鉄平の演じる役割はピエロに近い。しかし、このピエロは自分がピエロであると疑うことはない。理想が現実に負けることなどありえないと信じて父親を追う。そして、ついに父親に拒絶されてしまうのだ。

「どこまで甘えれば気がすむのだ」という父(北大路欣也)に甘えたりない鉄平は「どうしておじいさんにこだわるのですか」と自分が「おじいさんの夢を叶えるというこだわり」を持っていることを差し置いて言いつのる。祖父の幸せと父の幸せと自分の幸せがイコールにならない驚き。鉄平はようやく、自分の無力を悟るのだった。オヤジになぐられちゃったからなのである。この頃はオヤジは子をなぐるのが当然だった。なぐられたのを反面教師にしたものたちが体罰反対路線を打ち出し「オヤジにもなぐられたことないのに」という名セリフを生み出すのはこの後のことである。

本来の主役である父とこのドラマの主役である鉄平。二人の主役はそれぞれの道に分岐していく。父は金融再編というお上の仕掛けた富国強兵策を生き残るために自分の組織にムチを入れ、競争相手のフトコロに手をつっこむ算段にいそしむ。政治家、官僚機構、そして企業がそれぞれのグループの生き残りをかけて複雑なダンスを踊り始めたからである。ルール無用の悪党ではなくルールを知り尽くした悪党が己の身体を苛みながら弱肉強食を繰り広げる。

そしてそれは「ノルマの底上げ」という形のプレッシャーとなり、企業戦士の過労死という今もある問題を露呈する。次男(山本耕史)は父親に消極的な抵抗を試みるが、自らの情「死ぬほどのノルマを与えるなんてひどい」が父親の情「そのノルマをこなさなければ全員が滅ぶのだ」に及ばないことを悟り、父に屈服する。それは山田優とのベッドシーンで表現される。この頃はエリートもベッドでタバコを吸って問題なかったのである。

ナレーションは淡々と説明不足の説明を繰り広げるのだが、このドラマの現在1967、エキスポ70、キムタクの誕生1972なのである。

一方、鉄平は父から課せられた20億の資金調達というノルマ達成のために奔走する。そして、義父(西田敏行)の画策により、10億円を都市銀行(父が合併のターゲットにしている銀行)から調達する。

「鉄平は義父の実力に感謝した」と倍賞千恵子さんはナレーションするのだが、もっと言うべきことはあるし、言い回しがあまりにも固い。素人かっ。テンメイ様はこれが味があっていいらしいので、ま、いいか。

これでサブバンクから二十億借りられない、メインバンクと同額出資になってしまうから問題はクリアされたのだが、残り十億で鉄平は躓く。「融資減額は内緒」という父のアドバイスを無視して柳葉敏郎の情にすがったのである。さすがに、リスクの大きさから一度は拒否されてしまう。

失意のピエロを昔の恋人(稲森いずみ)が偶然の装いで励ましにかかる。それはピエロの情熱に火をつけるのだが、別の情熱にも火をつけたのではないか。ちょっと心配だ。

そして、接待狩猟でイノシシが獲れたので一発逆転融資はなった。このあたり、鉄平がタイトロープの上にいることが明らかになる場面なのだが、ほとんど伝わっていないのではないかと考える。鉄平、ついてるな・・・で、つづくである。

関連するキッドのブログ『第二話のレビュー

長女(吹石一恵)一瞬だが出番確保。山田優本人登場。多岐川裕美入院。相武紗季ーっ。どこだーっ。みんな、がんばれーっ。カメラを追いかけろーっ。渋井ーっ。大阪国際、またしても撃沈。終わりかっ。終わりなのかーっ。メグは復活。引退覚悟だったのかーっ。大変だったんだなーっ。

火曜日に見る予定のテレビ『ヒミツの花園』(フジテレビ)

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Hcinhawaii0031 当然の如く、今週のH☆Cアンナ☆ランちゃんの「華麗なる一族ごっこ」情報なのだが、先週に続き、作詞家のads(あず)様が呼び出されているらしい。

アンナ☆ラン「鉄平様の肖像画をあず先生ヴァージョンで作ったんだけど本人と同じじゃダメなの! 若さが足りないの!」

Hcinhawaii0032 あず「そんなこと、言われてもなあ・・・」

アンナ☆ラン「でも、大丈夫なの! 鉄平ウイッグを開発したから! これを装着すれば誰もが鉄平!」

あず「・・・どう?」

Hcinhawaii0033 アンナ☆ラン「うーん、なんか、もうひとつなのね・・・あ、ヒゲ、ヒゲ~。鉄平様はヒゲないの!」

あず「え、ひげって・・・あ、あぁーっ」

アンナ☆ラン「うーん、どうしようかなっと・・・やっぱりアンナダーロイド①号出動!」

Hcinhawaii0034 あず「えーっ」

アンナ☆ラン「きゃーっ、鉄平様ーっ」アンダー①号「・・・おじいさんの何に嫉妬しているのですか?」

あず「そげなーっ」

Hcinhawaii0035 アンナ☆ラン『私は鉄ちゃんを目標にがんばってきたの。だから鉄ちゃんはいつも輝いていてください。名前負けしちゃ、ダメよー! 鉄ちゃん、錆びんなよー!」

アンダー①号「・・・強化プラスチック製なので錆びないのです」

Hcinhawaii0036 あず「こうなりゃヤケだーっ」お気楽「このイノシシは無理だってばーっ、ちっとも萌えないしーっ」

ぷっち☆翠「マンモスプレー、ヒエーっデス。やっぱり逃げるデスーっ!」

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「・・・・・・・・・・・・・・・」(貫地谷しほり)なので涙が止まらないのは何故ですか。

今年の大河ドラマはもはや貫地谷しほりにつきるではないかと思う。主人公に生まれて初めて愛を与えたミツ。武田信虎の狂気に見つめられたミツ。そして青白い骸となったミツ。その後の勘助(内野聖陽)のふるまいの一つ一つ、いや、平蔵(佐藤隆太)を始めとする全登場人物の一言一言がすべて「ミツの不在の慟哭」を物語り、涙で前が見えなくなりましたーっ。すごいぞーっ。貫地谷ーっ。この役にめぐりあえて良かったっ。今週、『花より男子2』で復活していると思うとホッとするぞーっ。

「生きたまま妊婦の腹を割き胎児を観察する」という行為が医師による帝王切開ではなくただの嗜虐的行為であった場合、それをしたものはまさに「鬼畜」の名にふさわしい(鬼さん畜生さんごめんなさい)ものと言える。語るのさえ、おぞましい行為であり、描写のスカシにはうるさいキッドも今回の演出はギリギリに抑制されたもので伝わるものだけに伝わればいいという意図があり、賛意を表する。それにしても「甲陽軍艦」などが伝える「武田信虎」の暴虐残忍ぶりのエピソード「妊婦の腹を生きたまま裂く」を「主人公を初めて愛した女ミツ」に結びつけるとはなんと巧妙な発想なのだろう。キッドも度胆を抜かれました。ちなみに「日本書記」には武烈天皇が「妊婦の腹を割いて、胎児を見る」と記されており、いわば「これ以上なく暴虐なこと」の代名詞のような行為なのである。武烈も謎の死を遂げて継体天皇という別系統の天皇が後を継ぎ、信虎はやがて我が子に追放されて所領を失う。行為があって結果としてそういうことになったのか。結果から行為が脚色されたのかという疑問を抱くに相応しい歴史的題材なのである。犠牲者・ミツ・貫地谷しほりも素晴らしかったが加害者・信虎・仲代達矢も素晴らしかった。これだけ惨く忌まわしい行為を美しくせつなく描くことこそがドラマの醍醐味ではないか。残されたものの「なんてことしてくれたんだ」感はこの上なしである。

で、『大河ドラマ・風林火山・第四話・復讐の鬼』(NHK総合070128PM8~)原作・井上靖、脚本・大森寿美男、演出・清水一彦を見た。鹿狩りで獲物を逃した武田信虎は偶然、鹿を逃したミツに矢を射掛ける。矢は真利支天のペンダントで食い止められるが、凶悪な運命は狂気の信虎の前に震える妊婦を差し出した。それから繰り広げられた武田の歴戦の荒武者たちも戦慄するミツの苦痛、恐怖、いたたまれなさはカットである。とにかく、ミツは生きたまま、腹をさかれ、たとえようのない絶望と苦悶の果てに母子ともども絶命したのである。

そのやりきれなさは山本勘助を絶望の縁に追いやると同時に渇望していた仕官の道を開くのである。残された遺族たちの代表は胎の子の父、勘助。ミツの兄・伝助(有薗芳記)。そしてミツに恋慕していた平蔵。三人はそれぞれに復讐を胸にたぎらせるが、それを実行できる力はない。刀を握るミツの兄を勘助はとめ、武田に仕官をして戦場で信虎を討つという決意を示す。しかし、平蔵は「ただ戦がしたいだけなのでは」と懐疑を示す。勘助は「オレだって素人だ。だがこれだけは真剣だ」と本音を明かす。平蔵は形見(真利支天→勘助→ミツ)を胸に「もしも仇をとってくれたらあんたのために米を作る」と美しい言葉を残して甲斐を去る。あまりにもせつなくおぼろな男と男の約束である。

お坊ちゃま、武田晴信(市川亀治郎-香川照之のいとこ、猿之助の甥)はお坊ちゃまなりに父の悪行に胸を痛める。それをいさめる母・大井夫人(風吹ジュン)も苦しい。「民をいたわる心を忘れてはなりませぬがこの戦の世の生んだ荒みを許す誰かも要るのです」そんなきれいごと、テロリストに通じますか。そこで晴信は仇の子として勘助の前に身を曝す。もしも勘助が復讐にすべてを賭けていたら「仇のわが子」を奪うことは手順としてありえるのだが、本命をうちもらす恐れがあるので討たないという戦略が晴信の心にはあった。そして晴信はそういうことの分かる軍師を求めていたのである。ま、基本は坊ちゃんとしての興味本位70%なのですが。

剣の腕に優れる守護神・板垣(千葉真一)を配置して勘助と面談する晴信。後の主従はそれぞれの思惑を胸についに邂逅する。・・・見事な展開だ。勘助の感想「青二才め、なめやがって目にものみせてやる」・・・復讐の鬼の心が美しいのは大望があるからなのか、目的を見失わないからなのか、キッドは微妙だと思いますが、人の心は複雑なものなので二人の最初の出会いとしては極めてすぐれた場面になっていたと考えます。

しかし、実際に勘助に与えられた仕事は間者役。しかも、仲間を人質にとられた形。ただし、板垣はすでに勘助の器量を認めており、機会を提供したのはいかにも好意なのである。そして、運命の糸車は今川に「花倉の乱」を綾なしはじめる。ミツが去り福島越前守(テリー伊藤)登場。それは代償には程遠いのですが・・・つづくなのである。

関連するキッドのブログ『第三話のレビュー

貫地谷しほり、映画『スウイングガールズ』からドラマ「H2」「刑事部屋」「大奥~華の乱~」「信長の棺」「氷点」と地味に歩を進め、ついに開花・・・そして散ったのですね。いや、これからだーっ。

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続いて『華麗なる一族』のレビューをお届けします。

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2007年1月28日 (日)

幻想の眉毛と回想の眉毛は違いますがそれが何か。(福田麻由子)

おそらく、幻想の幸子(福田)はひまわり(天海祐希)の眉を模倣していて、回想の幸子は自然な眉になっているのだと思う。幻想のまゆゆがちょっとこわいというかスタートレックのミスタースポックのように見えるのはそのためで、回想のまゆゆがちゃんと可愛いのもそのためでる。お気楽社長、回想シーンで萌えて!

今回はおふざけ要素として『女王の教室』が挿入されていたが、気にならない程度の処理であり、全体的な演出にそつがなく、スマートだったために、初めて水準に達したドラマになっていた。

演歌は『帰って来いよ』(松村和子1981)だったが、物足りないほどで、つまり、それだけシャクが足りていたのである。これ以上、長くするためには「本人との共演」といった遊びがいるので、このシャクにできることが演出力というものなのだな。

「ひまわり」が恋愛依存症ダメな女であることがはっきりと明示されて、でも、しょうがないだろう、それだって生きていかなくちゃならないんだからというスタンスに立ち、ストーリーが明快になっている。これはキッドの妄想だが、ラスト近くで低音になるひまわりは美空ひばりを意識しているのだと断定。

で、『演歌の女王・第三話』(日本テレビ070127PM9~)脚本・遊川和彦、音楽・池頼広、演出・岩本仁志を見た。こなれたのである。設定としてはかなりクドカンっぽいものになりつつある物語。それをベテランが若手から学んだ構図になり、そして見よう見まねでそれらしくなった状態と言える。で、演出がそつなく、こなしたので、普通に面白いドラマになってしまった。

メインディッシュは五味貞子(成海璃子)である。中学生でいじめられっ子。友達に貢ぐために家のお金を100万円使い込み、それでも足りずに出会い系サイトで援助交際をしようとしてヒトシ(原田泰造)に引っかかった。「何もしていない」とヒトシは主張するのだが、それはテレビ番組としての言い訳であり、この社会病質者が淫行に及んでいることは疑いない。いわばひまわりとは棒姉妹になるのだ。

そして幻想・幸子が指摘するようにひまわりは善意ではなく、ヒトシの付属物として貞子に関わっていく。貞子と同様にひまわり=幸子もいじめられており、顔にマジック化粧、トイレでバケツシャワーの過去からも「逃げる」「逃げない」の分かれ道に挑むのだが、この幻想シーンがさらに派手になっていてよろしい。つまり、演出もめげなかったのだな。

例によって妄想では無敵のひまわりだが、ありえない展開で夢はやぶれ、結局、貞子の学校における立場をさらに悪くして終る。貞子が逃げながら転ぶのだが、校庭で前転二回はちょっと笑う。お気楽社長、ここで萌えてーっ。

自殺を匂わす置手紙「私が死んだら読んでください」を発見したひまわりは無能にあわてふためくのだが、クールで有能なヒトシJr.信(武井証)は「あてつけ自殺なら学校だ」とパラノイアな推理力を発揮する。救助に向かったひまわりは屋上の貞子を発見。不幸自慢のあげくにじゃんけんで負けることで自分の人並みはずれた負の運気を証明。貞子の心を開くことに成功するのだが、屋上から墜落。しかし、ちょっとした重傷で復活する。

今夜のドクター(半海一晃)はひまわりの不死身ぶりにちょっとのけぞり、刑事温水は避妊具持参のやる気満々で貞子相手に買春未遂、マネージャー(段田安則)はみっつの「ふ○ん」を示す。女を不幸にする不満、不安、不倫の教え。マネージャーそこまで見抜くなら何とかしてやれとも思うがなんともならないのもきっと見抜いているのだな。

例によってヒトシの「ひまわりの家財道具全部売って100万円」でさしあたっての問題は解決し、貞子はひまわりの弟子になるのだった。

さて、ストーカーひまわりの行動についに切れたヒトシの嫁(酒井若菜)が「ひまわりを潰す」ことを決定し、(つづく)である。来週はモー子大爆発なのであるな。このあたりがクドカンテイストもどきですよね。ま、こなれていればパクリもまたワザですからーっ。

もはや、視聴率的な挽回はないと思うので今回のようなお約束の展開で毎週楽しませてくれればそれでいいかとキッドは思いました。

関連するキッドのブログ『第二話のレビュー

深夜の『地獄少女』(日本テレビ)は最終回を迎えている。つまるところ、岩田さゆりの少女ぶりと入江紗綾のグラマーぶりを楽しめればいいドラマなのだが、最終回は前後編で「怨み」と「冤罪」の問題に切り込んでいる。西村和彦に姉を殺されたと誤解した田中要次が西村の妻を呪い殺してしまう。これはあきらかに呪いシステムの受理ミスなのであるが、地獄少女としては田中を地獄に流すことで辻褄をあわせようとする。・・・ま、あってませんけれどね。無謬であるからこそロマンである地獄幻想にミスを持ち込んでリアルになったのか、夢がこわれたのかは受け手の習熟度によるだろう。キッドとしては視聴目的がそこにないのでどっちでも良いのですけれど。怪奇ものとして全体のムードはまあまあだった本作品。次週からの新シリーズもホラー色が強いらしい。

関連するキッドのブログ『クリスマスの地獄少女

月曜日に見る予定のテレビ『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(フジテレビ)

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2007年1月27日 (土)

私は満州にありがとうと言うわ・・・。(常盤貴子)

ラストシーン。無価値となった満州国紙幣をばらまいて「満州のバカヤロー」と叫ぶ男たちをあざ笑うように常に前向きに自身のエゴを貫く主人公はつぶやく。すべて現実に起こったことかどうかは当時七才の原作者に理解の範囲でそうなのだと思う。

とにかく、ものすごい美人の人妻なのである。美しいので年齢も定かではない。自由奔放にふるまい、やりたいことをやり、いいたいことを言う。己の欲望に恥じることはなく、己の生のあるがままに生きる。だから、汚れることもなく、敗戦を乗り切っていく。美しい怪物。常盤貴子がこの難役を淡々と演じていく。

監督は『冬の華』(1978)から淡々とした映画を作り続ける人なのでこの作品も淡々としている。キッドはあまり買わないが、常盤の美しく白い背中を記録にとどめただけでもこの作品は価値があると思う。常盤、美しいよ。常盤なのである。

で、『金曜ロードショー・赤い月(2004)』(日本テレビ070126PM0903~)原作・なかにし礼、脚本・井上由美子(他)、監督・降旗康男を見た。波子(常盤)は満州国で軍部にとりいり、成功をおさめた酒造会社を経営する夫(香川照之)と長男、長女(斉藤千晃)そして幼い次男(なかにし礼がモデルと推定される)とともに栄華を堪能していた。軍には昔の恋人(布袋寅泰)もいて、さらには商社員を装った情報将校(伊勢谷友介)とも情を交わすという、愛がなければ生きている意味がないという魔性の女である。

夫はそんな妻に激しく嫉妬しながらも愛を断ち切れずに悩むのだが、そんなささいな人の心の営みを粉砕するかのように大日本帝国は崩壊を開始する。ここに数奇な運命に翻弄されるロシアの娘(エレーナ・サハロヴァ)がからむ。帝国ロシアから追われた父が関東軍のスパイとなるため、人質となり、自身はソ連のスパイとして波子の家の家庭教師となるのである。

主人公がまったく善の存在でないことは恋人を独占するためにロシアの娘を軍に密告することで明らかになる。そのためにロシアの娘は恋人に一刀両断されることになる。描写は血しぶきで表現されるが、反戦平和を主張する波子がおのれの犯した罪におののくためにはゴロンと首がころがるくらいの描写が必要だったと思う。

もちろん、波子はただロシアの娘を恋人から遠ざけたかっただけで、この結末を望んだわけではないのだが、人が無知から恐ろしい結末を導き出すことは「自分の息子が出征するのに万歳と叫ぶことは出来ない」などという底の浅い反戦論を語るよりよほど説得力のある愚行の証明であり、この辺が淡々としているのがもったいないと考える。

ロシアの娘と同時にドイツを屈服させたソ連軍は東部戦線に兵を送り込み、火事場泥棒のような対日参戦を開始する。満州国は崩壊し、波子一家は路頭に迷う。「生」にこだわる波子は恋人たちのコネを最大限に利用して、牡丹江から脱出する。強姦され、殺され、飢えに苦しむ脱出行ではなく、顔も汚さずに生き延びていく波子は幸運に包まれているという他はない。生活力を失った夫はそんな波子をもてあまし消極的な自殺をはかる。そして、波子は阿片窟で失意の恋人を発見。「性」にこだわる波子は恋人を自分の身体で復活させようと試みるが、罪の意識に悩む恋人もまた波子のようには生きていけない。「まったく男ってやつは」なのである。波子の長女や次男はそういう下半身のだらしのない波子をなじるが「生きることが一番大切なのよ。生きて生きて生き抜くの。生きるためには愛する人が必要なの。あなたもそのうちきっとわかる」と独自の理論を展開するのだった。

その後、波子と子供たちは日本に帰国するのであるが、絶望する男たちを尻目に冒頭のセリフを述べる。そう、この世界は「楽しんだ」ものが勝つのである。もちろん、この映画は常盤貴子が美しいことをのぞけばそれほど楽しい映画ではありませんが。

自分の母親についてその美しさを賛美する物語を語ることのできる男は幸せと言えるだろう。常盤貴子に今、男の子がいれば、将来、その資格を得るのだが、常盤も30代半ば、そろそろ、どうなの・・・と言っておく。

ところで『花より男子2』では井上真央がいちゃいちゃで加藤夏希に復讐ラスト。来週は貫地谷しほりがミツの転生として登場するのだな・・・それは違うと思うぞ。

日曜日に見る予定のテレビ『風林火山』(NHK総合)『華麗なる一族』(TBSテレビ)

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2007年1月26日 (金)

二宮和也はリンゴを食べられてしまったのだが喉を枯らしたリンゴ売りは窓の外なわけで。

なんのこっちゃーっ。なのだが、関東ローカルでは『氷の世界』(1999)の再放送が始まったわけで、ついでに『ぼくの魔法使い』の再放送も始まり、謎の死を遂げた野沢尚と舞妓Haaaan!!!まで待てないクドカンという旬の脚本家の再放送共演・・・一人、亡くなってるけれど・・・なのである。しかも今日は木曜日だ。

最近、ケアレスミスが多い(昔からだろーっ)、これもダークタワー崩壊の余波か(新潮文庫・刊も何気に読んでます)・・・趣味に逃避しすぎーっ、でもなあ、『ぼくの魔法使い』にはもこみちも出ているし、小田茜・元祖鉄仮面だし、前田愛とかもでるし、神木も出るしなぁ。『氷』には栗山千明が出るし、なんといっても竹野内だしなーっ。えーい、見ちゃえ、見ちゃえ~。

というわけでヘロヘロになり、ついにはぷっち☆翠様のコメントを公開しようとして削除してしまいました。す、すみませ~ん。

で、『拝啓、父上様・第三話』(フジテレビ070125PM10~)脚本・倉本聰、演出・西浦正紀を見た。正妻・森光子VS愛人・八千草薫の対決は愛するものを失ったもののなぐさめあい展開。清々しいのだが、そりゃ、男のロマンがすぎるだろう。このオヤジ(倉本先生)何夢見てんだ・・・と思わないでもない。だからこそ、岸本加世子が現実をつきつけて母と対立。「私は消えます」と母家出。どこに行くの。さらに二宮くんの父親候補の作家(他に政治家・板前などがいる)にいたってはベストセラー作家で人妻キラーである。なんじゃあ、そりゃーっ。格差社会となり、持てるものが持たざるものを買いまくる世界を暗示しているのかもしれないが、・・・してないしてない。それにしても現役女子高校生・福田沙紀、つまんない役ばかりやらされて腐ってしまうのではないかと危惧。横山裕は不気味な役を不気味に演じていて、ちょっと面白い・・・かな?

で、『きらきら研修医・第三話』(TBSテレビ070125PM10~)原作・織田うさこを見た。脚本・荒井修子→徳永友一、演出・今井夏木→森永恭朗にチェンジである。予定通りなのかもしれないが、妄想的には修羅場交代がふくらむ。だって、まったく別のドラマになっていましたからーっ。ドジだがひたむきな研修医と実力はあるが人間性に問題のある指導医の葛藤の物語。先に理解を示したウエンツと加藤雅也が小西真奈美を応援。ついに生瀬勝久の心を融かすという話。終わりか、終わりなのか。いつもははずしているお笑いパートなのだが、今回の「必ず眠る学会」は笑えた。っていうか、あの発表していた先生、催眠剤として派遣してくれないかなーっ。眠れそうだからーっ。松嶋初音の出番もセリフもほとんどなく、終わりか、終わり・・・なのか。大体、人生経験のない人のエッセイでは世界は雲って見えるのであり、瑞々しい感性も期待できないのでは・・・ま、それを楽しむ人がいるのだから、いいか。

で、『エラいところに嫁いでしまった!・第三話』(テレビ朝日070125PM9~)原作・槇村君子、脚本・後藤法子、演出・森田空海も見た。またしても実家にまんまと召還されてしまう仲間由紀恵だった。温泉サービスつきなのだが、もう、本田博太郎(今回はセリフがあり、いいことを言うがオチ)がヤクザの親分で敵襲を受け全滅、一人残された嫁が復讐を誓うとか、取材に出かけた山田奈緒子が怪しい村にまぎれこみ・・・役名違う・・・ぐらいの面白いドラマにしてほしい。脚本が上手いのでつい最後まで見てしまうのだが、なんか、上手にたいくつなものにつき合わされているようで、後からうんざりしてくるのである。ま、寿命がのび、晩婚化がすすみ、どちらの両親の両親も生き残っていたりすると八人のジジババがいて結婚したとたん、次から次へと葬式ばかりしている新婚夫婦みたいなこともあったり、田舎の怪しい習慣も普遍的なことなのかもしれないけどーっ。再放送の方が面白いのは問題あるだろーっ。

関連するキッドのブログ『前回のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『演歌の女王』(日本テレビ)えーっ、水野美紀に杉本哲太に高橋真唯のNHK、中村雅俊で山田太一スペシャルのテレ朝、そしてフジテレビは『トリビアの泉』ですかーっ。じょうおおおおおおおうさまーっ。

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Hcinhawaii0030 H☆Cのレッスンは続く。今回は下北沢でワークショップを開催中の劇団どらま・のーとの主催者にして天才子役・ちーず様による演技指導である。天才だけれど小学生なのでステージパパ&ママが常に立ち会うのであった。ちーず「演技とはねー」まこ☆ミキ「演技とは?」ちーず「とにかくねー」アンナ☆ラン「とにかく?」ちーず「あらすじなのよ」かりん☆スー「さすがですね、ちーず先生」ちーず「あらすじであらすじでえぐりこむようにあらすじよーっ」まこ☆ミキ「あらすじなのデスねー」ちーず「あらすじなのよーっ、そして、コピペは許さない!」三人「おーっ!」・・・。

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2007年1月25日 (木)

身体がガチガチになっちゃうカルマなんですーっ。(加藤あい)

「失敗しまいと緊張するとなっちゃう」のだが「それは緊張しちゃうからだろーっ」と答えるしかないのである。はい、リラックスしてーっ。人はどんなものを愛するのだろうか。自分より優れているものを? それとも劣っているものを? その答えは愛とは何か?と同じくらい風に吹かれているのだな。

危なかったなー。もう少しで「愚か者の知恵くらべに勝者なし」(篠原涼子)ってタイトルになるところだったぞ。キッドの愛が揺らいだ一瞬である。

しかし、まぐろの買いたいショーの口上が思ったよりグッとこなかったので加藤あいはタイトルを死守したのであった。オレは北大路欣也かーっ。

で、『ハケンの品格・第三話』(フジテレビ070124~)脚本・中園ミホ、演出・南雲聖一を見た。主題歌は『見えない星』(中島みゆき・・・美嘉でしたね。アンナ様、ご指摘ありがとうございました。キッドの黒歴史にまた新たなる一章が・・・)なのであるが、それは昼下がりの流星のことなのか。すっごい視力の持ち主には見えるけどね。例によってお茶こぼしから始まるが社内メールによる社内恋愛コントにスムーズに持ち込みタイトルへ。この辺が中園テク。ハケン・森(加藤)と正社員・黒岩(板谷由夏)は実は一人で食事が出来ない仲間。心と心が今日もすれ違うのであった。そしてまぐろである。

ハケンの業務内容にまぐろの解体ショーが入っているというのもすごいが、例によってスキルがその道の達人に一番弟子と認められている大前(篠原涼子)という設定。キッドの妄想並になんでもありだが、それがドラマだ。

ハケンではなく徒弟制度の話だと思うがそれはあんまりきれいごとではない場合もあります。さて、前回、改心したかにみえた東海林(大泉洋)だが、一週間後にはリセットされ、ハケン差別主義復活。彼が語る会社家族論と論理性のない愚痴にこの男がやり手とみなされるこの会社の将来性が心配になるところ。一方、里中(小泉孝太郎)は大前に見とれるようになっていた。しかし、後半、東海林のために声を荒げるシーンがあり、これは里中が男女として大前を尊敬し、本当に愛して抱かれたいのは東海林なのではという疑念を抱かせる。

東海林は功利主義を隠して職人を誘導するのだが、化けの皮をはがされて窮地に陥る。しかし、職人(小野武彦)と篠原の交友関係により危機を脱する。このあたりのツキが彼を願望達成能力による全能感へと誘っているのかもしれない。

「ごらんくださいこのマグロ。カジキマグロにクロマグロ、メバチにキハダにビンナガマグロ、マグロもいろいろあるけれど、皆々様がお寿司屋さんで好んで食べるのは脂の乗ったミナミマグロ、またの名前をインドマグロと申します。が、しかーし、マグロの王様、ホンマグロといえばクロマグロなのでございます。はい、頷いているそこのご主人、お目が高くて話が早い。クロマグロは黒いダイヤとも言われ、名前を聞いただけでお口にじゅわーっとよだれがわきでるほどのマグロの中のマグロでございます。さあ、皆さんの目の前にどーんとねそべるこのマグロ。何をかくそう、これぞうわさのホンマグロなのでございます。人と生まれてきたからにゃ、一度は食べたい極上の生唾ゴックンホンマグロ。もちろんただとは言えません。皆様のサイフの中からいただくものをいただかないとご満足はいただけないのではございますが、見るだけはただでございます。もちろん、見れば買いたい、買いたくなるのがこちらの思う壺。ああ、申し訳ない。さあ、口上もほどほどにまぐろの解体ショー、とくとごらんいただきたい。はい!」

・・・てなことがあって大盛況。さて、大泉洋がその器なのかどうかは別にして、どうやら、篠原涼子にキスできるボジションにまでは彼が置かれているらしい(つづく)なのですが、どうやらオレのこと好きらしいって自惚れってすごいよなーっ。でも、男と女なんて美しい誤解で結びついたりすることもありますからーっ。

加藤あい消費者金融で昼飯代調達という路線はなかったのですねーっ。それにしてもお婿さん探しってまだそんな寝言言ってるのかーっ。会社でーっ。せめてパートナーとかなんとかいってくれーっ。それとも貧しくても専業主婦の懐古主義なのかーっ。

関連するキッドのブログ『第二話のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『金曜ロードショー・赤い月』(日本テレビ)常盤貴子だから。

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Hcinhawaii0025 本格デビューに向け、レッスンを続けるH☆Cの三人。今日は午後からダンス・レッスン。華韓何処ダンス教室の振付師兼ダンサー・aki様の特別指導を受けた。お気楽「みんな、しっかりねー。それにしてもレッスン場広すぎー。風邪気味の人はハナかんどこー。社長ギャグでしたーっ」まこ☆ミキ「久しぶりに人間として登場したのはそれを言うためデスかーっ」aki「さあ、踊るっしょーっ。I Can't Give You Anything  But My Love  But My Loveよーっ。チャングムゲストで軽く20%越えっしょーっ」アンナ☆ラン「でね、でね、でね」かりん☆スー「なんだか、アンナちゃんと同じ気配が・・・」まこ☆ミキ「耳タコイヤリング装着ーっ」

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2007年1月24日 (水)

最初からやり直すなんて面倒くさい。(釈由美子)

よりどりみどりなのだな。結局、うろたえていたのだな。女ばっかりの職場から男ばかりの職場へ。結局、ラブコメなのだな。恋愛力って・・・。結局、恋愛シミュレーションゲームドラマなのですかーっ。

ま、そうとわかったからには・・・女心で見ることにしますわ。とりあえず、今回は長男好感度↗、次男好感度→、三男好感度↗、四男好感度→・・・と一番、落すのが難しいのは意外に次男。四男は恋愛と友情のステータスがまじりやすいのと主人公の恋愛モードに点火する選択肢が捜しにくいという設定か。

後は、どこが引き返せない一点か、冬ドラマはバレンタインデーとホワイトデーをはさむ一ヶ月が長いのだよな。チョコは全員にあげといて、しかし、義理チョコと本命チョコのアイテム限定とかあったりして、ホワイトデーまでに選択を間違うと本命と破局という設定がありそうだな。できれば、ギリギリのセーブポイントで、サクサクッと全員クリアを・・・何の話ですかーっ。

で、『ヒミツの花園・第三話』(フジテレビ070123PM10~)脚本・永田優子、演出・二宮浩行を見た。結局、キッドの感じていたむずがゆさは主人公の性格設定がキッドの望む釈由美子と違うという違和感だったのか。もはや、釈に乗り込んだ恋愛ゲームプレーヤーと化したキッドはこの思いっきり自由度の低い一本道ゲームを楽しむことにしたのであった。許される操作はゲーム・オンとゲーム・オフだけなのだが。

ターゲットは四兄弟で、場合によっては隠れキャラをおとすという設定もあるかもしれない。田中一郎(寺島進)。案内役の顔をして実はおとせたりする。その場合は昔の上司(真矢みき)が強力なジャマーになるのだな。上司の編集長(田中哲司)。無理難題をなげかけるがケータイの着信音を三三七拍子から太陽にほえろのテーマに変えることでおとせたりするかもな。新しい同僚の若い方は「昔、熱中した作品を読み返したりしてみては」と割とまともなヒントをくれるので中立キャラでもおとせそうな気がする。年寄りの方は「そんなこと聞いてどうするの」とか役に立たないヒントばかりでたとえ落としてもうれしくないーっ。後は四男の同級生(山本裕典)・・・これを落すより四男だもんな。ただし、四男を落すためには知り合う必要があるのか。最後に謎の男(神保悟志)、落せるがバッドエンディングというパターンか。

さて、四兄弟の攻略。まず、ヒミツは二つあるようだな。長男(堺雅人)の美術大学時代の友人が語る十年前のあのこと。両親の死に方に関係あるのかな。次に四男(本郷奏多)が学校を辞めることになる事件。この謎を解かないと恋愛モードに入れないシステムになっているに違いない。それが「男の合作であること」を秘密にしていることと関係あるのか、ないのか。前回の「読者がよろこばない」のはダミーの理由なのかどうかも謎だな。今回は四男の書いたシナリオという仕掛けがあり、「トマトを分け合うほど貧乏」がシナリオなのか事実なのか紛らわしかったぞ。

主人公の設定。「彼氏いない歴15年、中学の時に男の子のポケットの中ではじめて手をつないだのが胸キュンの思い出。それでどこまで恋愛したかは謎なのだな。ときめきは五年ないのだが、それはときめいただけで終ったのか。女ばかりの職場だったので辞めたかったのだが男よりどりみどりになったので辞めるのを止めました」ということか。

今日の選択「どんな映画を見ますか、1、BOROCOP 2、私の頭の中のクレヨン」で2を選択と・・・。ま、ヤクザ映画、ホラー映画、アニメという選択肢もあったわけだな。三男(要潤)の好感度をあげるためにはクレヨンで正解なのだな。その前に「前の夜は1、ぐっすり眠る 2、ドキドキして眠れない」で2を選択しないと肩枕というときめきポイントを得られないのだ。それにしても「クレヨン」どんな映画だ。観客がみんな声を出して泣くとは。消しゴムなら早期認知症だが、クレヨンとなると妄想か。妄想なのか。なんとか妄想か。

さて、無理矢理ライバルが女子大生(松岡璃奈子)になるのか。彼氏がいるくせに、長男にも四男にも興味津々というのがいかにもジャマーだな。立ち読み女子高生は・・・これはその他キャラか。いや、四男を落せるゲームなら、田中一郎と合わせて意外なジャマーに・・・ならない、ならない。

三男を落す場合は真矢がライバルになるのは必然だな。最悪のバッドエンディングは長男・女子大生、次男・美那絵(滝沢沙織)、三男・真矢、四男・立ち読み女子高生にとられてしまうということか、伝説の立ち読みコーナーに次々にカップルが現れ、「オレたちつきあうことになったんだ、お前もがんばれよ」と言われてグスンの釈なのだな。

今日の主人公(プレイヤー)キャラのリアクション。「ねすごしたーっ」「自慢?」「近い」「(ときめかねーっ)」「(みんな泣いてるーっ)」「めんどくさい男」「なんだか優しい」「これって」「二人きりーっ」「悪意がなくたって傷つくんです」「(何気に誘惑キタ━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!!!!!)」

それにしても鳴海先生(長男・コトーの時の役名)は「ホラー映画」の似合う男としてイメージされるのだな。それはなんとなく分かる。

さっき、三男とキス寸前までいって、長男にドキドキって恋愛ゲームだから全然OKだぁ。

最大の謎は四男は高校を途中まで行ってて今、18才・・・。事件は最近なのか。それにしても何年も合作していたわけで、四男が最初からストーリーを担当していたとすると小学生くらいから・・・。そりゃ、天才以外の何者でもないな。そういう人に対して年下だからすぐタメ口って編集者としてダメじゃないか。

妙に説明っぽい部分もあるのに「ネーム原稿」がどういう存在なのかの説明いっさいなし、まあ、話のながれで「シナリオ」みたいなものだなと推測はできるれけど、そういうところがこの作品のちぐはぐさを助長してしまうのではないのかな。ああ、ヒミツがたいしたことのないヒミツだったらどうしようとまたしても思う。

関連するキッドのブログ『第二話のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『拝啓、父上様』(フジテレビ)森光子VS八千草薫・・・うう、そんなものに興味がある若者はいないのでは・・・と思いつつ。

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Hcinhawaii0024 いよいよ、本格デビューに向け、レッスンに入ったH☆Cの三人。今日は午後からボーカルレッスン。塩ひとつまみ音楽教室のボイストレーナー・ミマム様の指導を受けるのだが。かりん☆スー「ミキちゃん、何をやっているの」まこ☆ミキ「ピアノに隠れてミマム先生をびっくりさせるのデス」アンナ☆ラン「・・・クスクスクス」ミマム「うっかりピアノの中で寝てたわ。低血圧だからーっ」まこ☆ミキ「ぼぎゃーっ」ミマム「レッスンするっしょ。歌はCメロ勝負でいいんでないかい? 返事はYES-YES-YESでねー。北海道はしばれるよー。ガス代がすごすぎるんだからーっ、すぐにはじめるっしょ」三人「・・・」

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2007年1月23日 (火)

マー君、がんばりいよ(赤木春恵)ばあちゃん、がんばりようよ(速水もこみち)

このタイトルに赤木春恵(82)様が名前を刻もうとは・・・。最年長・・・かな。今回はグランドマザコンドラマである。オカン(倍賞美津子)にとってはマザコンドラマである。この場合のマザーコンプレックスはエディプスコンプレックス(印象として近親相姦をともなう)ではなくて母という記号に対する記憶情動複合体である。キッドはこれを広義のマザコンと呼ぶが、これには男女の性別はない。母に対する子の心理複合体である。同様にファザーコンプレックスもあり、つまり、「風林火山」も「華麗なる一族」もファザコンの物語といえる。

今シーズンは「東京タワー」と「拝啓、父上様」がマザコンの物語。その他が未知数である。

本題に入る前に、久しぶりの恒例の視聴率チェック。『わるいやつら』13.6%、『花より男子2』↘19.4%、『特命係長只野』↗15.5%、『ちゅらさん4』↘*9.1%、『演歌の女王』↘*9.5%、『風林火山』↘19.8%、『華麗なる一族』↘21.8%なのであった。ちなみに『東京タワー』↘14.9%である。只野だけがあげたのだな。

で、『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン・第三話』(フジテレビ070122PM9~)原作・リリー・フランキー、脚本・大島里美、演出・谷村政樹を見た。九州男児という言葉があるが、その意味は甘やかされた男の子ということである。男尊女卑の気風のもと、九州の男子は徹底的に甘やかされて育つ。これは恐ろしい教育方針で、大抵の男はクズになるのである。とあるバスジャック事件で、刃物を持った犯人がたてこもるバスの窓から妻を残して夫だけが逃げ出してくるという一幕があったが、これが普通の九州男児というものなのである。しかし、クズを大量に生み出しながら、とてつもない男の中の男を生み出すのが九州男児というものなのだ。つまり、クズにしかならないような教育の中から輝きだす男こそ男なのである。ここで、例として西郷隆盛とタモリとリリー・フランキーをあげておく。

で、本編の主人公、マー君(速水)はリリー・フランキーを原型としているのでやがて男の中の男になるのであるが、まだ途中経過なので九州男児にふさわしいダメっぷりを発揮している。最近ではそのまんま東が超話題だが、彼もまた男の中の男の原石といえるだろう。彼がダメっぷりを発揮していた記憶もそれぞれにあるのではないか。ちなみにこの記述は相当にデフォルメした論理展開をしていることを一応、おことわりしておきたい。

さて、今回のマー君はダメの頂点を極めている。先週、反省して大学卒業までこぎつけたのに、就職活動を一回して、受け入れられないとすぐにめげてしまう。甘やかされているので凹むことに耐性がないのである。そして、口に出すのが「自由」なのであった。自由とは失うものが何もないというストイックな解釈もできるが、自らよしとすることという解釈もある。「ボクが良いのだからそれで良いのです」という甘えの極みである。甘やかすとは「刺激や圧力」のスポイルなので鍛えられず、当然バカである。バカであるから自分がバカであることに気がつかないのである。しかし、その結果、自分を追い詰めることになるのである。

マー君は就職もせず、バイトもそこそこに怠惰にすごす。これは『俺たちの旅』(1975日本テレビ)の中村雅俊さんだけに許される生き方であり、普通の人には無理なのである。しかし、家賃を半年も滞納し、ついにホームレスにまで落ちぶれることは普通の人でない証拠でもある。普通の九州男児であるバカボン(柄本佑)は耐え切れず逃げ出す。

ここから、絶望の谷底にいるマー君は無言で描写されるのだが、音楽(澤野弘之、河野伸)が中々良かった。マー君を救うのはムサビの友人(平岡佑太)である。友人にはタイコ(アキハバラ@DEEPの登場人物)こと星野源もいるのだがほとんど判別不能でここはやっぱりアユタ(たった一つの恋の登場人物・平岡が演じた)なのである。下宿仲間(高岡蒼甫)などはちっとも助けにならないのだ。友にするならやはりアユタだ。アユタは有り金全部を援助しつつ(むしりとられるともいう)母の手紙をマー君に渡す。もちろん、甘やかすための手紙である。

こうして、マー君は死期せまる母方の祖母のもとへ向かう。思い出すのは宝物昭和33年製のギザ10の思い出。シジミの味噌煮。ばあちゃんが甘やかしてくれたこと。ばあちゃんは病院のベッドに枯れた身体を横たえ、「マー君のために100万円ためた。それで鍋を買え」と豪快な遺言を残す。そして「母を泣かすなよ」と秘中の秘を明かす。死ぬまで甘やかした果ての一言であり、これが利かぬようだと男ではないのである。それが九州女の生き様なのだ。ギザ10をジャラジャラしながら、マー君は男の中の男への一歩を踏み出す・・・のかな、で、つづくである。もう涙で前が見えないのは先週と同じ。

関連するキッドのブログ『第二話のレビュー

それにしても、香椎由宇におごってもらえると悟ったときのもこみちのいい笑顔。もこみち、「九州男児」をつかんだな。

水曜日に見る予定のテレビ『ハケンの品格』(日本テレビ)

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Hcinhawaii0021 H☆C速報です。模様替えしたまこ☆ミキ様のお部屋に、掘出学園高等部の先輩、「かわいいお洋服を着てお笑い芸人を評論する会」の部長でミスマジシャンこと美少女手品師みのむし様が来訪。まこ☆ミキ「みのむし先輩、まずはこれを食べて欲しいのデス」みのむし「これは何かやー」まこ☆ミキ「かま☆ぼこデス」みのむし「うみゃーよ」まこ☆ミキ「来年のお正月に売って儲けるのデス。もう大量生産にはいってマス」みのむし「来年って。かまぼこは日持ちしにゃーよ」まこ☆ミキ「不二家に出来てまこ☆ミキに出来ないことははぅーんなのデス」みのむし「・・・」

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2007年1月22日 (月)

お父さんはボクが嫌いなんですか?(木村拓哉)

大河ドラマ・風林火山』と父と子の骨肉の争いの連打になっている。双方、面白いので二本立てになってしまった。

前回はほとんど描かれなかった父(北大路欣也)の苦渋が今回は滲み出る。息子に問われた父は「いつもお前のことを第一に考えている」というのである。そして「お前には銀行を継いでもらいたかったのにお前はじいさんの言うことを聞いて鉄鋼の道を選んだ。俺の言うことはきけないのに自分の言うことはきけと言うのか」と可愛さあまって憎さ百倍の心情を吐露する。父もまた祖父に純情を踏みにじられ、苦悩した過去がこのシーンで強く示され、やや、ホッとする。こうした描写がなければラストのやりきれなさは深まらないだろう。

というわけで、息子(木村)が若さゆえの甘さを強烈に放射した今回。シャアではなくガルマの道を行くのである。その方がいいと思うぞ。

で、『華麗なる一族・第二回』(TBSテレビ070121PM9~)原作・山崎豊子、脚本・橋本裕志、演出・福澤克雄を見た。公私に渡り、悩める若者、鉄平(木村)。公では既得権益に胡坐をかく中央の産業構造に戦いを挑む。しかし、そこにはトップ企業と官吏の癒着による露骨な妨害工作が。しかし、鉄平には義理の父・西田敏行(職業・政治家)という強い味方が。「寝技で勝負、まかせといて」と言う義父に「いえ、自分の力で・・・」とはにかむ鉄平。しかし、最後は押し切られる。西ヤンがどんな寝技を使ったのかも描いてほしいところだが、一難去った鉄平は「私」の問題に間髪置かずチェンジ。

前回では謎の女だった鶴田芙佐子(稲森いずみ)の過去が明らかに。つる乃家の廊下で失われた初恋の理由を知る二人。「今さら私に何をしろって言うの」「何で僕の前から姿を消したんだ」「あなたの将来のために身をひけと言われたのよ」「高須相子か。高須相子なんだな」「あなた・・・何も知らなかったの?」・・・お坊ちゃまだからな。とはいうものの「オレは先週・・・愛してる・・・なんてハセキョン(妻)に言っちゃったしな。こんな、オレにしたのは・・・高須相子だ。何もかもあの女が悪いんだ」と新幹線に飛び乗る鉄平。それにしてもこの料亭が誰の贔屓かということを考えると稲森の出生にも秘密が・・・。

今回の息抜きポイントは相武紗季の恋である。萌えないと我慢できない人のための唯一のポイントと言ってもいい。「お兄様」で「恋の相談」で「コレと偶然同席」である。鉄平は若者であるが、唯一、子供として接することのできる相手である。しかし、高須相子(鈴木京香)は着々と次なるターゲットに狙いを定めている。

鉄平の「公」のもう一つの生涯は資金繰りである。海外資本に対する金融再編による日本の生き残りという国家事業は一企業の都合を考慮しない。父・大介もまた存亡の瀬戸際に立たされている。そして、理想に燃える鉄平にはそこへ思いが及ばない。「理想があれば何でもできるという年齢」なのである。父はまたそういう苦悩を奔放な性の営みで解消しようとする。由緒正しい三輪車に挑戦なのである。「あなた、それだけは勘弁してください」という正妻(原田美枝子)なのだが、そこへ鉄平が到着。

何だ。何があったのだ。将軍(池の鯉)、知っているなら教えてくれ。と心で叫ぶ鉄平だが、弟の銀平(山本耕史)が「3Pだよ。昔もやってたし、お母さんはそれがイヤで里帰り、でも実家から追い返されて自殺未遂なのさ。でも自殺なんてあのお母さんには無理だったりのさ」ってそこまで言ってないけれど。それを妻(長谷川京子)が立ち聞き。「いやー、そんなのいやー」お嬢様だからさ状態である。

ついに高須相子に鉄平が挑む。もちろん命令系統は無視。お坊ちゃまならではの「いざとなったらみんなボクの言うこと聞くんだから攻撃」である。しかし、すべてを読んで行動している高須相子の敵でなかったのは言うまでもない。

父は妻も愛しているし、鉄平も愛しているのである。しかし、忌まわしい記憶を頭から消し去ることができない。それを消すことができるのは毒を飲むことだけなのだ。諸悪の根源である祖父の肖像画の見守る中、鉄平は敗北し、悔し紛れに「融資の決済には私情を交えないでください」と言わないでもいいことを言ってしまうのだった。分かるよ。鉄平。分かるけどさ。もう少し、大人だったら良かったと思うよ。

そして、「融資は10%の減額」に。「そんなー、パパー、そりゃ、ないよー、ボクぐれちゃうよー」状態だが、後の祭りである。残り20億円の不足、どうする鉄平・・・でつづくである。

日本全土に予告編長すぎの叫びとささやきが響くのだった。

山田優、見合い写真で登場。多岐川裕美一瞬。吹石一恵、発見できず。みんなーっ。大丈夫かぁ。なんとか、出番を確保ーっ。各自自力でーっ。

関連するキッドのレビュー『第一話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『ヒミツの花園』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

Hcinhawaii0029 当然の如く、今週のH☆Cアンナ☆ランちゃん情報なのだが・・・。今週はads(あず)様が呼び出されているらしい。お気楽「また、お庭を改造したのねっ・・・って、雪山って」まこ☆ミキ「でも平成財閥ロボット部門が設計ミスをしたのデス。じいやがボケて縮尺を間違えて発注したのデス」ぷっち☆翠「あれではいのししじゃなくってマンモスデスね。華麗なる一族ごっこではなくてジュラシックパークプレーになってしまうのデス」お気楽「・・・」

Hcinhawaii0026 まこ☆ミキ「あ、更衣室でお着替えしたみたいですよ」

ぷっち☆翠「どうやら、お兄様あず先生、妹ランちゃんみたいですね」

お気楽「食堂セットも作ったの? しかもエキストラ付なの?」

Hcinhawaii0027 ads(あず)「で、話って何よ」アンナ☆ラン「お兄様とお昼でも食べようと思って」

ads(あず)「って今、食べてるでしょ。コレ・・・・」

Hcinhawaii0028 アンナ☆ラン「・・・コレはまだでしょ。お兄様・・・」ads(あず)「・・・えっととにかくお茶かけて全部入れて食べなきゃ」アンナ☆ラン「だからまだですってば、お兄様」ads(あず)「ねえ、ランちゃん、後、何回やるの、これ・・・」アンナ☆ラン「まあ、お兄様、ランちゃんってどなた? 冗談ばかり、おっしゃって私、二子ですよーっ」ads(あず)「・・・・・・・・」(記事の内容はキッドの妄想が責任を転嫁しますっ)

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信じていいんか・・・本当に信じていいんか(貫地谷しほり)

ああ、「演歌の女王」のひまわりとヒトシとくらべたら、なんてまともな二人なんだ~。と思わざるを得ない山本勘介(内野聖陽)とミツ(貫地谷)・・・。しかし、まさか、来週は、そんな・・・でつづくである。今年の大河ドラマ、面白すぎる。もちろん、こちらの二人にだって分岐点はあるのだが、けなげな愛の形がなんだか新鮮に思える最近のドラマって・・・。

物語は再び、甲斐へ。山梨県の県知事が横内氏に決まったりしたのだが、横内氏は清和源氏でも信濃(長野県)の衆。物語では逆に甲斐(山梨県)の衆が信濃に攻め入る算段である。甲斐の衆も基本的には清和源氏である。甲斐源氏の棟梁としての武田家の歴史は古い。源頼朝の挙兵に従い戦功のあった武田信義の一子信光が甲斐守護を安堵されている。それから十三代目が武田信虎(仲代達矢)だ。一族繁栄して武田だらけになるので与えられた土地によって新しい名を名乗るのが一種の通例になっている。武田も元は逸見の分家の出身である。板垣も古い分家で信光の兄弟の代で分かれている。板垣信方(千葉真一)はその末なのだな。甘利家も同様で武田一條氏の分家。甘利虎泰(竜雷太)はここに属す。分家山縣氏の分かれに原氏があり、原虎胤(宍戸開)。坂東平氏の流れも汲む小山田家の信有(田辺誠一)、他に有力な分家として穴山家がある。この他に同じ清和源氏でも多田氏系もあって諸角虎定(加藤武)、多臣系の飯富虎昌(金田明夫)など、要するに一族がうじゃうじゃいるのである。それが縁を結び合い武田家臣団を形成している。一枚岩のようであって流動的、それが戦国時代の守護大名家だった。

そこに流れ者である。山本勘助なのである。駿河の庵原は吉備氏だが、もはや土豪化して清和源氏足利家の分家今川家の家臣にすぎない。そのさらに末端に山本家があり、そして勘介はその家さえ継げないのだ。そんな人間が武田家で将となり、軍師となる。まさに伝説のロマンなのだなぁ。だからこそ、勘助とミツのロマンスにはリアルがあり、そしてせつない。

で、『大河ドラマ・風林火山・第三回・摩利支天の妻』(NHK総合070121PM8~)原作・井上靖、脚本・大森寿美男、演出・清水一彦を見た。三河の養家の実子に手柄を奪われ、駿河の実家の兄に殺されかけ、勘助は甲斐に戻る。そこではお尋ね者の身だ。まさに八方塞の様相である。そしてそこに待っていたのは妊婦となった土民の娘ミツ。傷心の勘助をミツが優しく包む。飢饉のさなか、一杯の雑炊。それが持つ慈しみの心をさりげなく示す演出がまた素晴らしい。

一方、地位あるものたちの間でも時が流れていく。やがて勘助の主人となる武田家の嫡男(後の武田信玄)は父親(信虎)に疎まれ、その原因である父をしのぐ器量を隠すためにうつけを演じている。叔父を討ち甲斐統一を果たした父にとってたとえ我が子といえども心を許せなかったのである。しかし、その好戦的一途な性格は周囲に敵を作り、今川、北条、諏訪と三方から攻められ、領土拡張は妨げられていた。今もまた信濃(諏訪氏支配)侵攻を計画中なのである。傅役の板垣(千葉)はその心中を察し、歌に託して来るべき謀反を約する。

さらに、隣国の今川家では福島(くしま)家を中心とした陰謀が渦巻き始める。福島が武田への寝返りを約束してきたのだ。信虎はこれに乗る。

そうした世の流れとは別にミツと勘助には別の時が流れていた。臨月に近付くミツ。勘助は野望をもてあましているようで、ミツは思いつめる。ミツは「こんなところにいたくないのでねえか」と勘助に問う。しかし、勘助は「俺は誰からも求められず、生きてきた。戦をして人を殺した。しかし、それは本当の戦ではない。戦とは何かを守るためにするものだ。俺には守るものなどなかった。だが、ミツ。お前は俺の城だ。俺が生まれてはじめて得たまもるべきものだ・・・」愛の告白である。

そんなミツと勘助の愛の暮らしに暗雲が漂い始める。最初は武田長男の侍女募集。そして武田父の狩猟ゲームである。放たれた矢は、まさか。このキャラは生かしておいた方が・・・。そして次週タイトルは「復讐の鬼」・・・えーっ、そげなーっ・・・でつづくである。

先は長いのに貫地谷とはお別れなのだな。それにしても公式ページ、信虎に惨殺って・・・ネタバレすぎるだろう。これでは「花より男子2」をレビューしなければならなくなるではないか・・・。

関連するキッドのブログ『第一話のレビュー

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続いて『華麗なる一族』のレビューをお届けします。

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2007年1月21日 (日)

小学生で中学生で高校生なのですがそれが何か?(福田麻由子)

子供時代の回想は福田麻由子が一手に引き受けるのか。そりゃあ、大変だなぁ。あらすじ解説までするのか。子役に頼りすぎなんじゃないのか。でも、ま、いいかぁ。それにしても「役者魂」とかぶってしまったなぁ。擬似家族展開に作り手がひかれるのはひしひしと「家族というほどの家族がいない」という揺らぎなのか。それは気持ち悪いなぁ。家族なんていらないという人と家族は大切だという人の対立に善悪を持ち込むのだけはやめてほしいなぁ。一人ぼっちでいられる人も一人ぼっちでいられない人もいるっていう大前提でお願いします。・・・それは無理なのか。

で、『演歌の女王・第二話』(日本テレビ070120PM9~)脚本・湯川和彦、演出・大塚恭司を見た。冒頭、あらすじを福田が視聴者のお便りに答えるというDJ風のお遊びが入る。そのハガキをバシッとおくのが気になった。当然、やらせのハガキなのであるが、そういう無神経さが子役に対する愛のなさを示している。

今回の「哀しい現実」は「子供を愛せない親がいる」ということだが、ニセの視聴者からのハガキをそっと置きなさいという演出ができない演出家にその「現実」を語る資格はないのではないかと考える。

「子供を愛せない親」の問題は微妙な問題だ。よく言われるのが「親に愛されないで育ち親になり子供を愛せない」という負の連鎖なのだが、そういう場合があるというのにすぎない。愛されて愛さない場合もあるし、愛されて愛せない場合もある。それは愛の発達の問題を含んでいる。発達したものには「どうしてこんなに簡単なことができないのだ」といらだつほどのことができないものなどいくらでもいるのである。

ひまわりは依存という深刻な問題を抱えている。それは「自分の愛したものは自分を愛してくれるはずだという幻想」に基づく「愛」への依存。この場合はヒトシ(原田泰造)への依存である。麻薬と同じだから、いくら理性がそれは有害だと知っても感情が拒絶を許さない。本来、相手がそれなりに発達した相手であれば、それほど問題のない依存なのであるが、たまたまヒトシは上位自我が非常に未発達で、モラルが欠如した反社会的な人格であり、いわば悪魔に魅入られたようなものである。

ヒトシは善悪の判断がつかない異常人格であるから、善意はないが悪意もない。ひまわりがなぜ、ヒトシに惹かれるのか不可解な視聴者もいるだろうが、悪意のないことは善意があるかのような錯覚をもたらしやすいのである。そういう錯覚の原因がひまわりがヒトシを愛しているわけではなく、ヒトシを愛している自分を愛しているにすぎないことにあることはまず明白だろう。

ひまわりは崩壊した家族の孤児である。父母のに対する二者択一をせまられ、母を選択し、母の再婚によりその選択が失敗だったことを許容できないまま、大人になってしまった。そのためにとてもじゃないが他人を愛することなどできないのである。自己陶酔の歌である演歌歌手としてひまわりがヒットを飛ばせたのはそのやるせなさを燃焼させることができたからなのだが、ヒトシと出会うことによってその炎は消火されてしまう。悪意も善意もないヒトシは鏡のような存在であり、ひまわりは鏡に映った自分を他人と思い愛してしまうのである。

こうして負の軌道に乗ったひまわりは理性の制止も虚しく、ヒトシを得るためならばどんな最悪の条件も選択してしまう習慣を身につけたのだった。

ヒトシは七年前、ひまわりの交際中に女(西山繭子=伊集院静の娘)との間に信(武井証)を儲け結婚離婚していた。女はその後、別の男(村井克行=ケイゾクの斑目)と結婚し、男は信を女ともども虐待し、就学時期に就学させないという育児放棄状態に。そこで信は父親を頼ってヒトシの元へ。しかし、ヒトシはできちゃった結婚で妻(酒井若菜)のいる身だ。妻は敏感にひまわりの危うきを察知し、できれば排除(潰し)たいと考えている。

ここで脚本家は揺れ動くだろう。ひまわりは「不幸」を見逃せない「いい女」なのか。それとも「別の女の生んだ子」でも「ヒトシの子」なので「子」と関係を持つことで「ヒトシ」にすがりつくことができるのではと「ワラをつかむ女」なのか。どちらの女を演じさせるべきなのか。ここでは前者を演じる後者を選択している。それはエンターティメントとしてはどうかな。少なくとも子供に見ぬかれるよりも「あんたを通じてヒトシを愛したいの」と告白するひまわりの方がキッドは好感が持てるのであるけれど。ま、どうしようもなさはあまり変化しませんがね。

さて、ヒトシのもう一人の関係者、ヒトシの母(池内淳子)には痴呆の症状が現れている。これに親切をほどこすひまわりもまた「いい女」ではないのである。ヒトシの妻は見抜き、警戒を強めるのだが、新婚家庭にいろいろ理由をつけては立ち寄るひまわりという夫の昔の女が異常であるから当然だろう。

そういうひまわりを見守る男たち。刑事温水洋一、ユー段田安則、ドクター半海一晃は君子危うきに近寄らずなのだった。しかし、遠くから見守るのである。

今回の演歌は『心のこり』(細川たかし)だった。「私、バカよね、おバカさんよね。後ろ指、後ろ指さされてもあなたひとりに命をかけて耐えてきたのよ今日まで」なのであるが、二番の「大切な純情を悪い人だと知っていながらあげてしまった」のが天海ならまだしも福田だとしたらそりゃ、犯罪だろうと思うまもなく、ラブホテルから男は13才の少女・貞子(成海璃子)と登場する。た、たいぞーっ。で、つづくである。

関連するキッドのブログ『第一話のレビュー

土曜プレミアム『新美味しんぼ』(フジテレビ)は山岡(松岡昌宏)栗田(優香)海原(松平健)のトリオ。普通に面白いので犬のフンからおならと少し下品さをおさえたとはいえ、難解なコメディーは視聴率的に苦戦するのではないか。

月曜日に見る予定のテレビ『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(フジテレビ)

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Hcinhawaii0023 貸切にしたスケートリンクにかりん☆スー様を発見。男の子と二人で軽やかにスケートを楽しんでいる模様。お気楽「きゃー、男女交際は禁止ですよーっ。アイドルだから」まこ☆ミキ「あれは掘出学園の詐欺問題研究会の部長でかりん☆スーちゃんの先輩。後輩として大学合格のお祝いだから部活の延長デス」ぷっち☆翠「でもあの人誰かに似ているのでなんだかピーピーデス」お気楽「・・・ま、貸切だからいいかーっ」

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2007年1月20日 (土)

しいなきっぺいと仲間由紀恵が言うチャンスが何度もあったわけだが。

もちろん、言わないのだな。とある場所で2005年度のワースト第一位に選ばれた映画。それはくそっと言われた映画なので見ないわけにはいかないのだ。オダギリジョーと仲間由紀恵でくそっと呼ばれる映画を作るのはなかなかに難しい作業だからなぁ。

しかも、沢尻エリカと黒谷友香もついているのにである。

本題に入る前に『わるいやつら』(テレ朝)なのだが、米倉くんと小島聖はナイスファイト。ちなみに1985年の火サス版では小島の役は泉じゅんが演じている。悪い看護婦は名取裕子。米倉→名取って分かりやすいラインなのだなぁ。北村シャア一輝は今季はここです。もう少しみんながわるくなってきたらレビューしたいと思う。ちなみに『花より男子2』は井上真央が松本潤と加藤夏希のキスシーンを目撃、ふぇ~ん、ムカフーンで一時間。すごいなっ。

で、『金曜ロードショー~SHINOBI-HEART UNDER BLADE-(2005年)』(日本テレビ070119PM9~)原作・山田風太郎、脚本・平田研也、監督・下山天、アクション監督・下村勇二を見た。原作は甲賀忍法帖で1958年の作品。この作品が忍者マンガに与えた影響はものすごいのだが、あまりにものすごすぎて、今では原点がかすむのである。たとえば「不死身の忍者」は横山光輝の不死身の邪鬼や白戸三平の不死身のガロから遠く機動戦士ガンダムのクローン人間(プルツーとかね)、エヴァンゲリオンの綾波レイまで続いていく。だから、若い観客がええーっと驚かないのも無理はない。それは使い古された手になっているのだから。

もちろん、使い古された手を使ったって素晴らしい作品はできるのだが、・・・すごい傑作とは言えない作品に仕上がっていることは確かだろう。ざっと見渡すと、沢尻エリカが蛍火という身代わりに特化された哀れな忍者として犠牲となる。黒谷友香が妖艶。りりィが老婆。椎名桔平が不死身。オタギリジョーが無敵。仲間由紀恵の乗馬。・・・以上という映画である。仲間は他にも目から血を流したり、横顔が美しかったりする。・・・以上。

う~ん。どうして、もっと面白く作れないのーっとみんなが思うことは間違いない。ま、第一にスケジュールの問題ですね。それから、監督が俳優に演技指導ができないこと。そして脚本家が馬の骨だということでしょうか。

とにかく、2003年『バジリスク~甲賀忍法帖』としてコミック化され、それを受けての映画化というのがきっと問題なのだなぁ。原点に対しての敬意というものが感じられないのである。もっとエログロナンセンスでなければいけないのです。

いきなり、全裸の仲間オダギリの騎乗位で始まるくらいでなければならないと思う。あるいは忍者なので映画「スターリングラード」の声を忍ばせるセックスでもよろしい。そうでなければ二人のロミジュリが成立しないのである。

次に歴史劇として充分に注意しなければならないのが、何故、こんなに強いのに戦国を支配できないのかという問題である。このためにはこの場合なら徳川家康が最強の忍者でなければいけないのである。

だから、家康と天海が「伊賀と甲賀の相殺」という陰謀を仕組んだ以上、ラストシーンで「恐ろしい忍法を使う器官としての目」を仲間がつぶして、自分の里の助命を願い出たときに家康(最悪でも天海)が仲間の首をはねとばすラストでなければ辻褄があわない。そういう映画を作りたくないのであれば、そういう甘さをかもしだす何かを工夫しなければならず、工夫がなければくそっという評価を甘んじて受けなければならない。でも、いいじゃないか。くそっでも。キッドはそこそこ楽しめましたから。

服部半蔵という実在する忍者の頭領は概ね、初代があまりにも卓越した指導者だったために二代目、三代目が部下を掌握できなくなってしまったというのが、通説である。また柳生忍群との確執が没落を早めたともされる。しかし、実際のところは不明なのが忍者の忍者たる所以で、本当は現代もまだ忍者がこの国の支配に関わっているとしても何の問題もないほどなのだ。いや、これ以上は言えないですけど。

さて、キッドが期待したのはもちろん、沢尻エリカ。素顔に近い印象が楽しめ、設定も「体術に劣る仲間のために護衛役に選ばれ身を挺して守護するという洗脳をほどこされた蟲使い」という設定がなかなかに萌える。舌たらずっぽくしゃべり、金粉を飛ばし、仲間の弾除けとして一度は負傷し、二度目で絶命する。うーん。素晴らしい。このネタだけでワンクールのドラマにしてもらいたいくらいだ。

ま、山田風太郎の遙かな子孫のひとつに「あずみ」があり、その進化した作品ぶりにくらべると、この原点直系は時代おくれの観をただよわせる哀れな作品になってしまったことは間違いないと思う。

ちなみに「タイトル」といい浜崎あゆみの主題歌「HEVEN」といい、なんか違うだろう。と思えてなりません。まさに忍者映画製作は修羅の道なのですねぇ。

深夜、NHKでは「生物彗星WoO」が続いている。ちょうど怪獣の出ない展開の部分。ドラマには侵略と防衛の問題が暗流として流れているのだが、ウルトラマン(核と米軍)、科学特捜隊(自衛隊)論の延長線上としてあらゆるものからの独立論が展開される。ま、それは夢想なのだが、一度は考えてみるべき問題点ではある。そして現実のどこかに着地すればいいのである。次に怪獣がでるのは・・・第十回か、見逃しそう・・・。何気に黒谷友香の二本立てなのだな。そして昨日、今日で北乃きい、谷村美月、の14才の母同級生続きも成立したのであった。いや、別に深い意味はないです。

日曜日に見る予定のテレビ『風林火山』(NHK総合)『華麗なる一族』(TBSテレビ)こうなるかな。

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Hcinhawaii0022 最近、H4が花男のF4やらヒミツの四兄弟やらに闘志を燃やしていると聞き、ikasama4様の取材に訪れた朝茶新聞のmari様とGTVの女子アナ結城美里様。美里「思ったより普通のアトリエですね」mari「ええーっ。そう。アレが・・・」美里「ikasama4専用ザクⅡらしいです」mari「家紋が武田菱なのね。それにしても花男レビューしないなんて、やはり男って」美里「ねえ」mari「そういえばあなたドイツ好きなのに何故北京?・・・」美里「それはぁ・・・」・・・ikasama4様への取材は?

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2007年1月19日 (金)

えーっ、木南晴夏なしですかーっ。それはキツイわけで。

などと書くとコニタンの立場がないのだが、松嶋初音だけではもたないわけで。それだったら福田沙紀にターゲット変更をしてしまいたくなるわけで、それは二宮くんもぷりんぷりんと揺れ動く方に不純にも目が行ってしまうようにキッドも行ってしまうわけで。仲間由紀恵だって面白いピンクの用具をつけてそれなりにがんばっているわけで。今回も全部見てしまったわけで。で、深夜の『恋する日曜日』は夏帆の「僕の森」ではなく、北乃きいの「夏の記憶」だった。また、ザ・テレビジョンに騙されてしまった。ま、それほどがっかりしないのですが。っていうか。逆にうれしいし。

本題に入る前に『わるいやつら』をのぞき、ほぼでそろった07年冬ドラマ。視聴率をざっと見ると、『華麗なる一族』(27.7%)でぶっちぎり。次に『花より男子2』↗20.1%。『ハケンの品格』↗18.6%。と続く。次が『エラ嫁』で16.1%なのだが、すごいのは『渡鬼』が16.5%になったこと。いい勝負なのだな。今回の視聴率がちょっと楽しみだ。ついでに『相棒』は最新がついに18.1%に達し「とったな」なのであった。で、とにかく、ようやく、『東京タワー』↗15,6%でCXである。『ヒミツの花園』も↘13.1%。『拝啓』が12.9%。『妻浮気』が12.5%である。CX「はずしたな」状態。もっとも『演歌の女王』10.9%(日テレ)、『きらきら研修医』10.4%(TBS)もありますけど。演歌は巻き返しがあるかもしれないが、きらきらは・・・どうでしょう。

で、『きらきら研修医・第二話』(TBSテレビ070118PM10~)原作・織田うさこ、脚本・荒井修子、演出・今井夏木を見た。う~ん。困った。コント路線終了である。もう、何がしたいのか、さっぱり分からないドラマになってしまった。こりゃ、一回目で相当にたたかれた模様である。か、かわいそうに。とにかく、小児科チーム、医師(寺島進)看護師(木南晴夏・ふせえり)から産婦人科チーム、医師(生瀬勝久)看護師(松嶋初音・濱田マリ)に移り、研修医(小西真奈美)は手術の前立ちデビューに失敗、糸結び恐怖症になり、それを克服するという話になっている。ウエンツは出番を確保し、恋する看護師なのだが、サボテンとサボテン型目覚ましを並べたテンドンに参加するだけである・・・いや、冗談のようだが、本当なのだ。研ナオコのコスプレは快調だが、こういうのは周囲のドラマがとどこおりなく進行して初めて効くのであり、可哀想な感じになってしまっている。加藤雅也も同様で「フラメンコ」かぶりだけが一矢報いたか・・・何に?である。どこ、どこに行きたいの~。とにかく、ハルハルが出ていないと、視聴がかなりつらいです。「そんなこと言わないでお願いしマックス」とイズム(松嶋)が言ってもなぁ。富豪刑事の婦警のかたわれ(中山恵)がなんかおねだりしてもなぁ。も、もたねーっ。ああ、大変なことになってしまいそうで見逃せないドラマになってしまった。おならおちはまあ意地を見せたのかなぁ。

で、『拝啓、父上様』(フジテレビ070118PM10~)脚本・倉本聰、演出・宮本理江子(山田太一の娘)を見た。ドラマ後半で一平(二宮和也)が坂下一家を乗せ、花街の日陰者の一族として旦那の葬儀を遠くからそっと見守るというシチェーションと演出は非常に素晴らしく、優雅な短編映画を見るようだった。・・・しかし、それだけだ。なんていうか、こらえきれないおかしみがわいてこないのだ。八千草薫はついにおばあちゃんになったのだな。岸本加世子と高橋克実はつりあいのとれていない夫婦だな。福田沙紀はプリンブリンだったのだな。・・・と思うしかない。比較はあまり意味がないとしりつつ『前略おふくろ様』と共通点を探ってみる。主人公の恋の行方についてだ。ショーケンをおにいちゃんと呼ぶのは桃井かおりだった。自由奔放なタイプである。ま、今ではフツーの女の子なのだが。当時としてはもう困るくらいに恐怖のウミちゃんだったのである。そして主人公をさぶちゃんと名前で呼ぶのが坂口良子である。可憐な娘だが渡辺「組」の娘である。本人はさておき、その周囲が恐怖のかすみちゃんなのである。この二人から好意を寄せられショーケンが困る。それがこのドラマの魅力だった。今回、二宮をおにいちゃんと呼ぶのは福田沙紀である。妾の娘の娘であり、影がある。一方でフランス語をしゃべるメルシーな謎の少女がいて黒木メイサである。この少女に二宮は憧れを抱いている。つまり、底流にはサブ・海・カスミの影を見出すことができる。しかし、お笑いがないのである。唯一、一瞬だが二宮・福田にはその香りがした。だが、その先におかしみがあるような気がしない。まあ、原点のおかしみもダラダラと話を続けるうちにふと気がつくと面白くなっていただけだったのかもしれない。前略、おふくろ様はある意味東京タワーの原点なのであるが、本家のやる換骨奪胎にはまだその気配はない。それは高島礼子と二宮の年の差に関係があるのかもしれないし、現代にはもはや笑ってしまうような不幸がなかったり、あったとしてもそれを笑う力がないのかもしれない・・・とキッドは考える。

で、『エラいところに嫁いでしまった!』(テレビ朝日070118PM9~)原作・槇村君子、脚本・後藤法子、演出・片山修を見た。とりあえず、本田博太郎は「ん」と言うのだった。こちらは脚本が力で今回もねじふせていく。ちなみにこの脚本家と「ヒミツの花園」の脚本家はともに「アテンションプリーズ」の脚本を担当している。

くりかえしのギャグである。せっかく「嫌な場所」から抜け出したのにまた「そこ」に戻らなくてはいけないという話。嫌なら戻らなければいいと思うのに戻り、それでも話を成立させるためにはそれなりの力が必要なのである。頭の弱い夫を演じる将軍様(谷原章介)を許せるかどうかでもノリは変わるだろう。とにかく、ひとつひとつのエピソードはそれほど無理がなく、仲間が熱演するので持つのだが、「出来の悪い嫁だけど一族にとけこもうとする努力は買いたい」と松坂慶子がかばう時点で耐える仲間的要素のないキッドにはほとほとついていけないドラマなのであるな。いや、本当に嫌なことはしたことないから。キッドは。

関連するキッドのブログ『前回のレビュー

とにかく、甲乙つけがたく、面白くもなく、つまらなくもない、木曜日の三本なのだなぁ。全部、やめちゃう手もあるが、この状態が、これはこれでちょっと面白いのだなぁ。来週、どうなってるんだろう。まったく読めない。

土曜日に見る予定のテレビ『演歌の女王』(日本テレビ)

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2007年1月18日 (木)

今日は毛糸のパンツなんですーっ。(加藤あい)

主役は篠原涼子なわけだが、キッドとしては序盤の加藤あいのセリフでピークを迎えてしまうドラマなのだなーっ。ま、セリフがですが。ラストの篠原涼子の笑みが和解の笑顔なのか、嘲笑なのか、判然としなかった。そういう曖昧さは得なのか、損なのか、見極めたい。

大泉洋VS篠原涼子のドラマなのだろうか。それでいいのだろうか。

ホチキス対決する前になんか、緊急事態だったような気がするのだが・・・いいのか。

で、『ハケンの品格・第二話』(日本テレビ070118PM10~)脚本・中園ミホ、演出・南雲聖一を見た。時計目線はレギュラーになったのだな。日本の企業もピンキリだが、レギュラー(正社員)とイレギュラー(ハケン)の比率は業種によっても変わるだろうし、この対立が普遍的なものとは限らないが、レギュラー=無能、イレギュラー=有能という図式は今後も深まるのだろうか。それとも、レギュラー=管理職、イレギュラー=消耗品が正しい在り方なのだろうか。共産主義、社会主義思想は弱体化しても、階級闘争は残るわけだな。もちろん、企業防衛本能は既得権益者によって一層強くなるわけだが。不二家はダメなのか。攻撃されてんのか。どっちなんだよぉと思うのだが。

とにかく大前春子(篠原)の哲学はいくつか開示されたのな。「ハケンがいないと企業は成立しない」「ハケンが有能であるためには正社員とある程度コミュニケーションをとる必要がある」「ハケンであり続けることがプライド」ということである。

プライドの問題を考えてみよう。この言葉には自尊心や誇りという日本語が対応するわけだが、時には見栄とか虚栄心としての意味を持つことがあり、その場合は「つまらないプライド」という言い方をされることがある。「つまらないプライドは捨てろよ」というようにだ。このあたりが言葉のあやなわけだな。で、ニュートラルな言葉に「名誉」がある。実利を重んじると名より実を獲る場合がある。

で、スポーツという戦いの場合。プライドは「フェアであること」と関係が深い。勝てばいいというものではないという建前で、たとえばボクシングの亀田が八百長疑惑を持ち出されるときのことを想起すればいい。しかし、フェアであれば負けてもいいのかという問題も生じてくる。

そこでホチキス対決だ。ホチキスもまともに打てない社会人がいることがすでに困ったことだが、学生がレポートをクリップや、場合によっては端を折るだけで提出してくると、提出される立場のものは非常に腹立たしかったり、相手を不憫に思ったりするのであり、相対的にそれだけで評価は下がるのである。だから、もっと大切なことがあったような気もするがホチキス対決というネタは認めたい。じゃんけんと殺し合いの中間くらいのバランスなのだろう。そこで器具を違うものにすることがフェアなのか、アンフェアなのかという問題が出てくるのである。そりゃあ、篠原涼子だからアンフェアなのだが。

しかし、スイマーが水着の素材を工夫することはルール違反ではないという考え方もある。それはプライドの許す範囲の行為なのだな。きっと。また、それでこそ大泉はヒールとして輝くのである。そして、最後は篠原がわざと負ける展開。プライドという意味ではアンフェアなのはやはり篠原だったのである。

結局、企業に利益をもたらす労働者だけが良い労働者という結論だ。ま、今のところは。これが和解の始まりなのか、本格的な対立の前の前哨戦の終了なのか。微妙なところ。最後は立場の違いを乗り越えて企業防衛に一致団結するというコースには乗ったのかもしれない。

「大前さん」「東海林主任」と名前を呼び合う二人。クルクルパーマから坊主頭へとイメチェンした大泉の方がインパクトあったけどな。その点は日和見したか。

すでにレギュラーより有能だと認知された大前にとってはわざと負けるのもテクニックであるというのは明白だが、同時に「加藤」に対する教育的指導でもあり、それを「加藤」が理解しないというのもなかなか手がこんでいる。本当に良い指導者は相手に指導されたと気がつかせないで指導する場合もある。特に自立とか、自発とかを指導する場合には欠かせない技術だ。加藤は篠原への好意=依存度を下げ、その分、自立するのである。

しかし、そういうツンデレのデレの部分を早くも示してしまっていいのかなぁとキッドは思ったりする。ま、まだもう少し奥の手があるのでしょうねえ。サラリーマンコントとしては松方部長がしめてつづくである。いつ、ハンカチを取り出して汗をふくのかと期待しているのだが、もう、そのネタは古びてしまったのですか。

来週はラブシーンめいた予告。キスキス詐欺の気配が濃厚だな。スタッフがチェンジしてもここは水10なわけだから。裏のオリラジのキス企画はそこそこ面白かったが視聴率的にはどうだろう・・・。

関連するキッドのブログ『第一話のレビュー

釈ドラマは少し下げたが誤差の範囲内、デブ死亡の『相棒』の裏で『123』のゲストコメンテーターとして世界一のデブを見ていたりしていました・・・。

金曜日に見る予定のテレビ『金曜ロードショーSHINOBI』(日本テレビ)う、米倉よりも井上よりも結局、沢尻を選択するのだな。主演は仲間ですけれど。

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2007年1月17日 (水)

イケテル感じもあればイケテナイ感じもあるっていうか。(釈由美子)

ああ、またこんなエロスパムのターゲットになりやすいタイトルにしてしまいました。自業自得っていうのですよね。哀しいおタクのサガなのです。それにしてもオタクがオレはオタクじゃないなんて言うなんてちょっとねと思いました。まだ、そういう時代かっ。

前回、書き忘れたが、釈が堺雅人に言われる「逃げる場所なんてあるのかな」は「逃げる場所はありませんよ」(「七人の弁護士」06テレビ朝日)→「おゆきなさい」(「スカイハイ」03テレビ朝日)との関連があるとおタクは感じる。ちなみに「スカイハイ」の第一回ゲストは堺(と吉野きみ佳・現・公佳)である。

そうですよ。こういうチマチマ感は受け入れられない人には受け入れられないのですよーっ。

で、『ヒミツの花園・第二話』(フジテレビ070116PM1015~)脚本・永田優子、演出・小松隆志を見た。釈由美子マニアとしては釈の役柄が脱皮をはかろうとしているようでうれしくもあり、哀しくもあるドラマなのだな。釈は病的なほどに頭のいい女の子なのだが、それが外見的に伝わらないという天性の魅力を持っている。それは一種の悲しみをともなっているので、なんともいえない存在感をかもしだしている。犬なら思わずひろっていきたくなるタイプである。そんな子が普通にバカな女の子を演じるのは・・・どうなのだろう。

もちろん、普通でない(平均値より優れているという意味で)彼女の魅力が発する部分もある。たとえば、原稿に水をこぼして追い出されるシーンのとほほな表情。もう理屈抜きで萌えるのである。しかし、大筋は違う。キッドとしては彼女が「やめたがっている」理由がとても説明不足に感じる。それはありがちな底の浅い理由でありすぎる。「誕生日にいつも仕事をしているほど忙しいから」なのである。・・・違うんじゃないか。いや、違う理由であってほしい。職場に凶悪な宇宙人がいるからぐらいの理由であって欲しいのである。・・・そりゃ、無理だろ。

まあ、このむずがゆさを説明するのはむずかしい。ある意味、子供にいつまでも子供でいてほしいと願う親みたいな気持ちだからな。

この脚本家はおタクとコレクターを同一のものと考えているようだが、そういう人間には表現しきれない魅力を釈が持っていることは確かだと思う。整った顔立ちでスタイルが良くて頭がいい。きっといじめられたはずである。そういうことを抜きにしてキャラクターは造形できないと思う。最近のスキャンダルだってなんとなく人間離れしていたのである。

そう。キッドは釈には非人間的な何かを期待してしまうのであり、ありきたりな喜怒哀楽を演じさせようとするこのドラマが時々つらくなるのである。

「女子高生が何故泣いてるのか分からなかったけれど待っている人がいるんだから」というセリフは悪くないのだが、このセリフを言う人が「仕事をやめたくなる」のは別の理由があるはずだと思うのである。

そういう意味で普通の人を演じることのできる真矢みきにはすべてがフィットしている。ファッション雑誌から月刊石仏に移動することも、実在しない女性を恋敵として認知していることも、尊敬されていない部下に尊敬されていると思い込んでいることもすべて納得できる展開だ。もちろん、演技力の差であると言ってしまえばそれまでだが、男役のタカラジェンヌだから普通でないように見えて、真矢は普通なのである。

四兄弟は儀式をする。それはあうんの呼吸で展開する。儀式であるから、終了の合図とともに終る。彼らは一心同体なので声をそろえて笑う。それは基本的に嘲笑である。そこには重大な秘密があるはずであり、タイトルがヒミツなのだから、当然なのだが、キッドが怖れるのは大したヒミツじゃなかったらどうしよう・・・ということなのだな。

そのヒミツが変な釈を生かすものであってほしいと思う。そのヒミツが釈をフツーにしようというものなら、そんなことはしないで・・・と思うのである。もちろん、フツーにならないと生き残れない世界ではある。20%はそういう数字だ。しかし、フツーでないことが魅力的な人がフツーになったときに何もかもなくしてしまう可能性もあるのである。キッドは10~15%でいいじゃないかと思う。それでもうしばらく変な釈が楽しめるなら。ま、それが気楽な視聴者というものだから。

ああ、今日もまた伝わりにくい文章になっている。「フランソワがオレンジペコにてんてんてんというニュアンス」ぐらい思わせぶりな文章である。まだまだ不調なのだなぁ。

とにかく、釈由美子がウルトラセブンに変身しようとしたことは素晴らしかったのです。

つまり、イケテル釈由美子もあればイケテナイ釈由美子もあるのです。

それにしても本郷奏多は魚が好き。池田鉄洋は変なものが好き。要潤は女が好きだとすると。寺島進とそういう関係になるのはやはり堺なのか。いや、堺は「絵」が好きということか。杉本みすず(のだめのフルート=松岡璃奈子)はレギュラーだったのかっ。

関連するキッドのブログ「第一回のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『きらきら研修医』(TBSテレビ)深夜の『恋する日曜日』も夏帆だから見るだろう。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

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Hcinhawaii0020 H☆Cまこ☆ミキちゃんとローディーのろーじー様が地下倉庫で深夜の密会?!・・・ってまたガセかよ。まこ☆ミキ「ろーじーさん、ご苦労様デス」ろーじー「水槽を作れっていうから、何かと思ったらサメ飼うの?」まこ☆ミキ「サメの養殖デス。ミキはかま&ぼこというかまぼこメーカーをたちあげました。かまぼこの中にはまこが入っていると気がついたからデス。はぅーん」ろーじー「・・・・・」

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2007年1月16日 (火)

そしたらねー(美津子)そしたらねー(もこみち)じゃあまたね(美代子)

ああ、あんなにいいシーンなのに。あんなにあんなにいいシーンだったのに。そのバックボーンにこの歌が潜んでいたことに思い至り複雑な気持ちに。あの人は手をふる。夕暮れの人ごみに。もう姿が見えない。忘れられないけど忘れようあなたを・・・なのであった。

でもよく考えてみれば「そしたらねー」のよろしく哀愁が「じゃあまたね」で繋がっていても何の問題はないのである。会えない時間が愛育てるのである。

震えるほど痛烈にあの方の言葉はキッドの心の形成に忍び込んでいた。虹をこえてやってきて、あなたにもチェルシーあげたいのであった。何のことか分からない皆さん、ごめんなさい。ただ、キッドは愛、おぼえていますかと問われれば、覚えていることが愛なのですと答えるのです。そして東京タワーは視聴率がアガッタ。愛のピエロが数えると↗15.6%(プラス1.4)ですが。誰が歌うのか子守唄なのですねー。

で、『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』(フジテレビ070115PM9~)原作・リリー・フランキー、脚本・大島里美、演出・久保田哲史を見た。虚構と現実のスリリングな交差点。もしも、この原作が輝かしい成功だとしたら、どんなにか、どんなにか、その輝きをその人に見てもらいたいことだろうか。だが、その人はいないのである。その人がいないからこの輝きがあるのだから。・・・すみません。涙がとまらなくなってしまいました。それはたまたまのこと、この輝きはたまたまのこと。輝かずに埋もれていった星の数ほどある原石の中でたまたま輝いただけのこと。それにしてもその人がどんなにか喜んだろう。そう想像すると、その人の不在で胸はいっぱいになる。

それにしても、反則だろう。びっこの母親なんて。そしてその母親がろくでもない息子のために看病にやってくるなんて。ああ、そうなのです。この世界は本当はこういう無償の愛で支えられているのです。愛するだけで幸せだなんて。時々、起こるそうじゃないような母親の物語は幻。ただ何かが壊れてしまっただけ。そんな幻想を抱かせる初めての東京。倍賞美津子はそれでも期待をするのだなぁ。息子が何かとてつもないことを成し遂げるのを。そして、星の数ほどその夢は叶えられないのですが、たまたま、叶う人もいる。叶うけれどそこにあなたがいないのですから、一体、どうして輝いてしまったんだ。何のために輝いているんだと思わずにはいられない。じゃあ、またねじゃないじゃないですかーっ。

とにかく、速水もこみちは急速に成長。いいぞ、いいぞ、このままだ。今の自分を大切に。この役を与えられた幸福を祝うがいい。それはもはや祝福だ。恩寵だ。奇跡なのだ。そして自然に髪を伸ばし、かっこ悪い自分を知るかっこいい奴になってくれ。

ああ、ついにここまで、調子をとりもどせないまま、分かってもらおうという姿勢になれず、言葉が尽きてしまうのだなぁ。今、井の中の蛙のくせに大海に溺れ、挫折しつつある皆さん。だからといってみんなが輝けるわけじゃないことも確実ですからーっ。でも、それだってあなたが悪いとは限らないのですからーっ。それなのに、あなたを愛する人は言うでしょう。絶望は愚か者の結論だと。もちろん、絶望のふちでゆらゆらしている人には慰めにもならないんですけどねーっ。

ああ、ところでマドンナは鉄仮面(香椎由宇)でよかったのかーっ。まあ、良かったのかもなーっ。千恵子、美津子、日、月リレーだったのかーっ。結局、千恵子でなくて良かったよなーっ。美津子ならここでいったん復活が納得できるものなーっ。千恵子だったら、改心してももこみち許されないかもしれん。ああ、絶妙キャスティングだったのね。

それでも・・・ああ、センチメンタル。やめて・・・。あぁん。

ついに最後まで暴走。たまにはいいか。

関連するキッドのブログ『第一話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『ハケンの品格』(日本テレビ)相棒もとりそうだけどねーっ。

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2007年1月15日 (月)

・・・・・・愛してる・・・・・・(木村拓哉)

義理の父親(北大路欣也)が正妻と愛人を同居させていることを「破廉恥」と罵り、夫(木村)への不安を覗かせる妻(長谷川京子)を引き寄せ、そっとささやくこのセリフ。「覚えていてくださいましたのね」(稲森いずみ)、「閨閥のことは私が仕切ります」(鈴木京香)、「お前が呼べばきっと来る」(北大路)をおさえてタイトルを獲得しました。もう、どうにでもしてくれよ状態です。

今回は大河ドラマも親と子のもつれにもつれた情愛の物語を含んでいますので、あわせてレビューしたくなるところですが、ぐっとこらえて、短く抑えるだけにしておきます。山本勘助は身体が不自由なことから出家することを求められ、これを拒否、他家に養子に出るのですが、実子誕生のためにまたもや居場所がなくなります。そのため駿河→三河→駿河→甲斐と流浪して甲斐へたどり着きます。そこでは長男を憎み、次男を愛する武田信虎が領主をしているのです。やがて長男は武田信玄となり、父親を追放するのですが・・・華麗なる一族の場合は・・・ま、フィクションですから悲劇になるのでは・・・と申し上げておきますーっ。

ついでに「鉄板少女アカネ」にもさ、もう少し予算かけてあげても良かったと思うのです。

で、『日曜劇場・華麗なる一族・第一回』(TBSテレビ070114PM9~)原作・山崎豊子、脚本・橋本裕志、音楽・服部隆之、演出・福澤克雄を見た。ちなみに演出家のひいおじいちゃんは福澤諭吉です。脚本家は『熟年離婚』からここ。重厚さを要求されるこのドラマ。ギリギリ踏みとどまった印象です。音楽はのだめに引き続き、素晴らしいと感じました。

それにしてもおよそ40年前の出来事ですから、もはや時代劇。技術が進歩したとはいえ、町並み再現は圧巻でした。人もものも金も高度成長していたのですね。実はキッドは両親ともに銀行員の家庭に育ちましたので、万俵大介(北大路)が行員たちを睥睨して「この従業員とその家族を守らねばならん」と言ったとき、そうかあ、守られていたのかーっと思わず納得しました。もちろん、人間はどれだけ尊大ぶれるのかという気持ちと一緒にですけれど。

とにかく、金融再編という弱肉強食の世界に地方財閥が生き残りを賭けて陰謀の限りをつくす話とああ、そんな人がどうしてそんなささいなことにこだわるのかねえと庶民の理解を超える近親憎悪の心の話がミックスされた華麗なる一族の物語。豪華絢爛に幕開けなのでございます。

主人公の義理の父親の国会議員が西ヤンなのでまるで白い巨塔が蘇る一瞬がありましたが、唐沢さんではなくキムタクです。キムタクは留学帰りのお坊ちゃんなのですが、34才ですでに鉄鋼業のホープと称される経営者兼技術者です。彼が戦いを挑むのは硬直した産業構造。しかし、悪い奴ほどよく眠るのです。彼の敵は巨大なのです。そして、彼にはもう一つの内なる敵がいる・・・というのが第一回のポイント。

それは父親が兄弟かもしれないというドロドロとした昼ドラマの世界。しかし、原作的に言うならば、昼ドラマの原点の一つがこれだというだけなのですけどね。とにかく、第一回から火花を散らす女の戦い。キムタクを中心に見ると、まずは母(原田美枝子)VS愛人(鈴木)、そして妻(長谷川)VS昔の恋人(稲森いずみ)である。ああ、豪華。これに弟(山本耕史)のお相手(山田優)、妹(吹石一恵・・・ミムラではない)、末妹(相武紗季)と絢爛である。ついでに稲森の母は多岐川裕美でもう文句ありません。みんなーっ。出番を確保できるのかーっ。

念のために言うと山陽特殊製鋼倒産事件という実際にあった事件が下敷きになっています。三井住友銀行→さくら銀行→太陽神戸住友銀行→太陽神戸銀行→神戸銀行まで遡り、これが阪神銀行のモデルと言われています。

ま、とりあえず、経済的には銀行の吸収合併の物語、心情的には近親憎悪の果ての悲劇を合体したものがこのドラマ。どちらかに偏るとさじを投げる人がいると思うのでさじ加減が大切です。・・・いや、うまいことを言うつもりはありませんでした。

キッドはとても満足しましたが、「じいさんの肖像画があまりにもキムタク」「金の鯉があまりにも賢い」ということで伝説を作ったのではないかとちょっと心配しています。ま、多くの庶民にとっては「あんな庭のある家に住んでうまいもの食って息子が兄弟かもしれないくらいで何をオタオタしてんだよこのオヤジは・・・」なんて思ったりするかもしれませんが。禁句ですから。・・・まったく下々のものは、これだから・・・。

火曜日に見る予定のテレビ『ヒミツの花園』(フジテレビ)ユースケサンタマリアの嫁が浮気しても別にいいのじゃないか?

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Hcinhawaii0019 H☆Cの独占スクープ。平成財閥邸の庭園であんぱんち様とアンナ☆ランちゃんが密会!?・・・まこ☆ミキ「あ、またやらされてるよ、華麗なる一族ごっこ」かりん☆スー「あんぱんち様も大変ですわね。あ、またロボット鯉をお呼びになってる」まこ☆ミキ「プールからじいやがサメを追い出してこっちに移したら死んじゃったの・・・根性ないよね」かりん☆スー「・・・」

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2007年1月14日 (日)

またしても擬似人格役ですがそれが何か?(福田麻由子)

「昔の私もあなたなのよ」と矛盾に満ちた表現でせまる心の中の自分自身の少女時代。そういう経験がある人とない人がいて過去の自分と対話なんかできるかと言われればそれまでだが、これが過ぎれば多重人格になるのであり、他者としての自分を幻覚することはまだ穏便な精神作用であるとも言える。

創作に携われば登場人物たちがそれなりに人格を持ってふるまうことは日常茶飯事なのであるけれどね。

で、この手法で赤川次郎原作・大林宣彦監督の映画『ふたり』(1991)があったりする。深田恭子主演映画『下妻物語』で深田恭子は幼い少女時代の自分にアドバイスされたりするのだが、それが福田麻由子であることは繰り返し書いている。キッドはこの手法をこよなく愛するからである。福田麻由子は『白夜行』では綾瀬はるかの少女時代を演じ、そして今度は天海祐希の心に潜む童心を演ずるわけだ。

で、『演歌の女王』(日本テレビ070113PM9~)脚本・遊川和彦、演出・大塚恭司を見た。主題歌は平井堅「君の好きなこと」で登場人物たちが一節ずつあてぶりをするというエンディング。口開けが男役でならした天海なのでちょっと面白い。裏に『アテンションプリーズ』あんぱんち様が出演することもさることながら(お気楽社長ーっピントが甘くて使いにくそーだよーっ)上戸彩が数多い百恵候補から一歩抜け出すほどの百恵ぶりを示すコメディー。『ちゅらさん4』平良とみさんと田中好子と加藤ローサと違うのだなと納得できる国仲涼子が癒しまくるコメディー、船越英一郎の火災調査官に包囲されてどれほどの視聴率を獲得できるかどうかは別にして、冬ドラマでようやく普通に笑えるコメディーだった。

ダメな男とバカな女は古典なわけだが、古典というものはとことんやるとそれなりに面白いものだ。ちゅらさんは男は全員ダメなくらいで脱力だが、演歌の女王は原田泰造が一手に引き受ける。ヒトシ(原田)はダメなだけではなく、始末に困る男である。ひまわり(天海)にとっては悪い男なのだが、そんな男に騙されても騙されても懲りないのひまわりで、そんなのありえねーだろうと思うほどなのだが、天海はしっかり演じきるので痛快だ。

「めぐりあったのもまた運命。愛する人はただ一人」と「さよ~なら~さよな~ら~好きになった人」の間でめくるめく天海は非常に馬鹿馬鹿しくてよろしい。苦労に苦労を重ね、アドバイザーとして登場する過去の自分(福田)の制止も虚しく、馬鹿は死ななきゃなおらないのである。お人好しなので爆発できるのは妄想の中だけなのだが、恋敵・真佐美(酒井若菜)を張り倒すシーンはそれなりにドタバタである。モー子なので笑える。

で、ヒトシが本当の悪ならこうはならないのだが、ギリギリで手のひらを返し、話に含みを持たせる。池内淳子もわが子かわいさで悪い女にもなるし、羽田美智子がいきなり、お金を返すポーズを見せるのもすべて始末に困る次第なのである。

そして刑事・温水(温水洋一)は実名登場の業界展開を匂わせておいて実は役名なのというおふざけも楽しい範囲。母(高畑淳子)も父親違いの弟(黄川田将也)もドライにならざるを得ないほど天海は人生に対して甘いのであり、甘いのも良し悪しというニュアンスをこの後も引きずっていく模様。

これに不運が加わるのだから、痛々しいのだが、他人の不幸は蜜の味なので、乗ることができれば大笑いなのである。キッドはもう乗りました。

ともかく、現実にこんな女の人がいたら、キッドは近寄らない。君子だから。でも、いてもらいたい気持ちはあります。面白いから。どうやら、成海璃子も加わるようである。とりあえず犬のウンコはひたすらリアルで好感を持ちました。

ああ、大河内ひまわり、演歌一筋どこへいく~なのです。

ER』は産婦人科研修編、素直にこれのパロディーをきらきらは目指せばいいのにとふと思う。日本の人たちはどうしてああいうドラマを作れないのか不思議だなぁ。システムの問題なのかしら。深夜『バズル』(テレビ朝日)はこのワクにしてはちょっと面白い。どうしていつもこういう温度で制作できないのだろうか。それもキッドには不思議な気持ちがする。つまり、ひまわりのようなとことんつくしてしまう人が少ないということかもしれませんが。だが、女子高生アナウンサー佃美奈(実は月城ミーナ)が活躍する『月面兎兵器ミーナ』(フジテレビ)は予想を上回る出来で『地獄少女』ともっとも熱い日テレVSフジの勝負がひっそりと展開しているのを一体何人が注目しているというのだろうか?

月曜日に見る予定のテレビ『東京タワー』(フジテレビ)

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Hcinhawaii0018 ちなみにH☆Cハワイでの未公開写真を発見。アテンションプリーズのロケも行われたという場所でのかりん☆スーちゃんとプッチ☆翠ちゃんのツーショット。周囲の人々はピーピーという鳥のさえずりがずーっと聞こえたという。

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2007年1月13日 (土)

私は宇宙に二度行く。(菅野美穂)

向井千秋の物語である。女の一代記だが向井さんはまだ存命なので特別編だ。今回は菅野と森迫永依が演じているが、実は向井千秋の独身時代の内藤千秋は中山忍も演じている。ドラマ『弟』(テレビ朝日04)で石原裕次郎の入院した慶應病院の外科医が内藤千秋だったからである。

趣味の多い医者なんかろくなもんじゃないと思うのだが、二回も宇宙に行かれたとなればもう文句も言えない。好きにしてくれよーと脱帽するしかないのである。

二回目に宇宙で「宙がえり何度もできる無重力」という上の句を詠んで下の句を募集したところ15万句も寄せられて句集もでている。宇宙短歌百人一首 -「宙がえり何度もできる無重力下の句選集- ヤマハミュージックメディアである。どんな下の句があったかというと「湯舟でくるりわが子の宇宙」(東京都・坂本一郎様・向井千秋賞)「乗せてあげたい寝たきりの父」(東京都・清水綾子様・宇宙開発事業団理事長賞)などである。まあ、キッドなら「面白いからずっとそのまま」とつけたい。

で、『女の一代記・特別編・向井千秋~夢を宇宙に追いかけた人~』(フジテレビ070112PM9~)原作・向井万起男、脚本・折戸伸弘、演出・鈴木雅之を見た。ま、超人である。群馬県館林に生まれたかばん屋の娘が外科医を経て宇宙飛行士になるのである。それは宝くじで三億円を当てるより難しい。こういう人間離れした人を演じるのはやはり菅野美穂なのだな。富江なのだから、たとえチャレンジャーに乗っていても復活できたのにと思わせる風格がある。それ以外はもうひとつのドラマだったが。

もう少し、宇宙というものを味わえるドラマにして欲しかったなぁ。船なのだ、板子一枚向こうは地獄なのである。死ととなりあわせの栄光なのである。なぜ、人は宇宙に行くのかとかももっともっと宣伝してよかったのではないか。千秋を宇宙に上げるために使った金額とか、宇宙の軍事利用が日本にとってどれほど大切かとか。もう、いい加減、夢のような宇宙の話はいいのではないか。

原子力研究所では核兵器開発の基礎研究をしているのであり、宇宙開発機構は大陸間弾道弾の基礎研究をしているのである。それは秘密でもなんでもないだろう。とっとと二つを結び合わせて北朝鮮や中国を威嚇する体制作りに移行するべきではないのか。とキッドは妄想いたします。

いや、キッドも宇宙には行ってみたかった子供の一人だからくやしくていちゃもんつけてるだけなんですけどね。いいなーっ。医師になれるだけの頭脳と宇宙飛行士になれるだけの体力。そして実際に宇宙に行ける実行力とツキ。うらやましい。

ジェンダーの問題はさておき、初ということで言えばまた「女性で初の月面散歩」の栄誉が残っているよ。と若き乙女たちには言っておきたいなぁ。月行きの再開はいつなのかなぁ。そして月面都市、スペースコロニー、そしてガンダムは・・・。

ともかく、日本人で初めて二回宇宙飛行した人になるためには頑固で、こわいものしらず、勉強ができて、満腹の後に栄養ドリンクを飲むほどの消化吸収力があり、ぐるぐる回転するのが好きで、死体を解剖することができ、一度じゃなく、二度行かなければならぬという決意があり、ちょび髭でヘルメットヘアの夫(石黒賢)を持ち、自分が選ばれないと泣くほどの負けん気があり、サボーターを一生懸命やり、お母さん(吉行和子)が手打ちうどんを作ってくれて、小学生時代はグリーンのランドセルを背負い(欲しい)、加藤ローサのような妹(加藤ローサ)がいることなのだなあ。

それにしても「地球の重力(引力)」の描写のためにチャレンジャーをはじめとして万年筆やらうどんやら、本人やらがやたらと落ちる描写を重ねるのだが、受験シーズン、こんなに縁起の悪いドラマもなかったのではないか。

21世紀だというのにそんなことを言っているキッドはいけない子なのです。なんだか、悪口めいたレビューですがキッドは宇宙飛行士を心の底から尊敬しています。今夜も少年宇宙飛行士になった夢を見るでしょう。ああ、少年が宇宙飛行士になるのはいつのことなのでしょうか。やっぱり、宇宙戦争のさなかなんでしょうねぇ。

日曜日に見る予定のテレビ『華麗なる一族』(TBSテレビ)お待たせしましたアンナ様。

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2007年1月12日 (金)

前略、二宮くんはショーケンとは違うわけで、キタローともちがうわけでエライところに配置されてしまったわけで、きらきらはドタバタなわけで・・・。

キッドは今、お風邪を召しています。お出かけコメントも控えています。うつしたら悪いし。っていうか、木曜日、どーすりゃいいーんだーっ。

こうなりゃ、ヤケだーっ。熱に浮かされてるからーっ。まずは視聴率だーっ。世間の評価で一線引いておくのだーっ。

「風林火山」21.0%・・・そこからかーっ。だってキッドも満足で視聴率もとれているから、言い訳になると思うの。・・・「相棒」17.9%・・・とったな・・・だから、まだ水曜日だってーの。「エライところに嫁いでしまった!」16.1%・・・やはり山田母娘共演が効いたな・・・山田じゃねー・・・いや、どうみても山田だった・・・山田はどんと来いをフリ、マジシャンを辞めて嫁に行ったのではないか・・・違うと思うぞ・・・「拝啓、父上様」12.9%・・・みんな「北の国から」と似ていると言っているのだな、もう、前略おふくろ様とか通用しない時代になってしまったのだな、恐怖のウミちゃんのお肌はまだうるおっているのにな・・・かすみちゃん、ヘチマコロンです・・・「きらきら研修医」10.4%・・・だけどーっ、だけどねーっ、木南晴夏が出ていますよーっ。

木南晴夏が出ていますからーっ。

ベビーエロファンのみなさーん、かしこさんマニアのみなさーん、自虐少女隊カイラおタクのみなさーん。はるはるはここですよーっ。関連するキッドのブログ。

で、『エラいところに嫁いでしまった!』(テレビ朝日070111PM9~)原作・槇村君子、脚本・後藤法子、演出・片山修を見た。まーなー。結婚が男と女がするものなのか。家族と家族がするものなのかでまだまだ揺らぐのだよなーっ。見栄っ張りだと恥ずかしくない家族を持っている人間なんて奇跡に近いものなーっ。でも、自分が恥ずかしい嫁だと認めるのはもっとイヤだしなーっ。こんな話、山田いや仲間じゃなかったら見ないよなーっ。しかし、近所の人で野際陽子出演って反則だろーっ。しかも鼓が趣味ってもうなんのパロディーなんだか、出所わかんねーっ。松坂慶子さんパーフェクトな姑だけど、役名志摩子って岩下志麻をやはり意識してるのか、つまり、開きなおっておふざけってことですねーっ。それにしても谷原章介ならどんなことをしても許されんのかーっ。仕事は何なの?

で、『拝啓、父上様』(フジテレビ070111PM10~)脚本・倉本聡、演出・宮本理江子も見た。これってさー、日テレの「前略、おふくろ様」のスタッフはどんな気持ちで見るのかなぁ。30年前のドラマだからぁ、当時の中学生が40代半ば・・・。もう、時効なのですかぁ。半妻さぁーん、死んだか。利夫さーん、死んだのね。夢をもう一度か。夢をねぇ。ショーケンも井上尭之バンドも抜きでは正直、キツイです。でも二宮くんはがんばっています。秀治さんも竜次さんに転生し、かやさんも夢子さんになっています。ま、いいのか。昔のことを忘れて今を生きれば・・・。でも葛藤があるなぁ。まず主役はすべてのやくざな男の憧れの人だったのに対し、二宮くん。二宮くんに共感する人はいても、憧れの対象なのか・・・ということ。その憧れの人がビクビクしたキャラクターを演じるなんともいえないおかしみが・・・。今だったら、ジャニーズなら長瀬くんが演じてこそのキャラなのでは・・・。いえ、倉本先生が二宮くんの素朴さがいいーっていうなら、いいんでしょうけどね。・・・と思うわけで。

で、『きらきら研修医』(TBSテレビ070111PM10~)原作・織田うさこ、脚本・荒井修子、演出・今井夏木。まあ、正論で言うと、研修医はブログなんて書くヒマあったら真面目に研修してくれ、お願いだから。ということですかね。キッドの経験から言うと、趣味の多い、医者にろくな人はいないです。だって医学は究めても、極めても、窮めても、果てしのない最先端があるわけで、人の命がかかっているわけで、勉強してたらブログなんて書いてるヒマはないはずーっ。と考えます。でも、ま、書きたいものは書きたいんだからしょうがねえかーっ。さあ、その部分をパスできれば、これはドタバタだから、真面目なこと言っててもしょうがねーっ。ギャグもほとんどはずしているけど、コントはこうして失敗しながらまとめていけばなんとかなるかもーっ。研ナオコだしーっ。看護婦にイズム(松嶋初音)まざってるしーっ。濱田マリ、スライド連投だし。ふせえりも何気にいるしーっ。寺島さん、もうちょっと出まくり注意報だけどーっ。気持ち分かるしーっ。加藤雅也もいるとアンフェアかよっ、アンフェアかよ、アンフェアかよって思うし、ガチャピンってもう何チャンネルの番組だかわけわかめだし、そしてなによりも。

木南晴夏がナースですから。

・・・あ、小西真奈美が主役だってこと忘れてました。コニタンは普通。

アニメ『のだめカンタービレ』(フジテレビ)も見た。上野のだめでも玉木千秋でもないのでちょっと今は無理みたいです。ドラマ版見てない人にはおすすめ。

アニメ『すもももももも地上最強のヨメ』(テレビ朝日)も見た。・・・もういいか。キッドとしては一番面白かったけど・・・きっと熱のせいなのでしょう。

ああ、木曜日が来るのが毎週、こわくなってしまうラインナップだな。ま、なるようになるのだけどな。人間には限界ってものが・・・ぐふっ。

土曜日に見る予定のテレビ『演歌の女王』(日本テレビ)VS『アテンションプリーズスペシャル』(フジテレビ)VS『ちゅらさん4』(NHK総合)・・・殺せーっ。もう殺してくれーっ。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2007年1月11日 (木)

焼きソバパンを買ってくるのですーっ。(加藤あい)

あやしいキノコに独占されていた加藤あいが連続ドラマに復帰である。去年、一年、何をしておったのだと思うのだが、・・・ま、いいか。

で、「やまとなでしこ」とか「anego」とか働く女性を分かりやすく描く脚本家は「プリマダム」以来でここ。anegoでは脇役だった派遣社員を主役に据えるところが嗅覚である。就職不況とは別の意味の労働者不遇時代を織り込んでいく気配。

ようやく、微妙にかぶってきたな。働く女の主役が二人。釈VS篠原・加藤あい連合軍である。・・・そりゃ、まともに勝負できないだろう。当然、変化球VS直球の勝負になるのだな。

で、『ハケンの品格』(日本テレビ070110PM10~)脚本・中園ミホ、演出・南雲聖一を見た。主題歌は中島美嘉「見えない星」である。anegoからは板谷由夏がついてきている。前回の篠原の恋のライバル。今回も正社員VSハケンとライバル関係に配置されている。あと、一回発見したら定番といいたい。

一応、松方部長である。

なにしろ、篠原涼子と加藤あいなので、もう充分と言う感じなのか、男性陣は小泉孝太郎と大泉洋である。それはもう大泉小泉でそろえましたとつっこんでもらいたいだけなのだろうなと思える緩いキャスティング。もちろん、勝地涼(永遠の仔のモウルね)も立派に成長した姿を見せているのだが。

で、充分だったようである。篠原涼子は時給3000円の超できるハケン。加藤あいはアパート保持に必至の根性パシリ。そしてどこかぬるめの正社員の皆さん。抜かりなく、皮肉も散りばめられ、笑わせようとしなくても笑うしかない毒もあり、視聴率18.2%の好発進である。ま、冒頭の怪しい海外ロケが必要だったのか、どうかは謎だが・・・。タンゴ、タンギージョ。アレグリアス。・・・なるほど、これは花よりタンゴ・・・なのか。

ま、毎週、篠原がどんな資格を繰り出してくるのか資格マニア必見なのですかーっ。そしてハケンと正社員の人口比率がこれからのOLドラマ(死語)に影響を与えるのですねーっ。一度も社員になったことのないキッドにはすべて夢の物語なんですけれどもーっ。とにかく、加藤あい禁断症状が回避されてよかったーっ。

うーん、なかなかに大はずししてこない冬ドラマ。全部視聴するのは無理だろう。どーするんだーっ。今夜なんか、仲間と研修医と二宮くんだし、非常に消しがたい展開なのだにゃー。う、思わず猫に・・・。

金曜日に見る予定のテレビ『向井千秋・夢を宇宙に追いかけた人』(フジテレビ)うわーっ、いきなり『花より男子2』から離脱かーっ。だって菅野なんだもん。

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皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2007年1月10日 (水)

大人になったらずっと一人ぼっちなんだと思ってました。(釈由美子)

ラブコメです。初コメディーという話ですが、「おゆきなさい」(スカイハイ)はコメディーだと思って視聴していたのでキッド的には認めません。出版業界もの。しかも少女マンガ家と編集者(釈)という設定に怪しい気配を感じていたのですが、普通に面白いコメディーでした。

で、『ヒミツの花園』(フジテレビ070109PM10~)脚本・永田優子、演出・小松隆志を見た。主題歌は安室奈美恵「Baby Don't Cry」である。人間は「やめたくなる生き物」なので、主人公の気持ちは分かるのだが、やめたくてもやめられない場合もあるし、やめたくないのにやめさせられる場合もあり、そういう様々なケースが頭をよぎるとこの設定はいらなかったのではと思わないでもない。しかし、まあ、やめたい時にやめたくなくなるような何かが起こって続けられて良かったと思うこともあるので、ま、いいか。

その一点を除くと快調なコメディーである。初回視聴率15%弱もまあまあなんじゃないか。誕生日に退職を決意していると職場そのものが崩壊してしまい、移動が決まっているという天の配剤。運がいいのか、悪いのか、本人にも分からない。なにしろ、そこそこ大きな出版社に勤めていて何の不満があるのじゃと視聴者が思うか思わないかギリギリのところである。しかし、一人暮らしのアパートが都電荒川線の三ノ輪橋にあるというニュアンスなので辛うじてセーフ。「やめちゃおうかな」と俯瞰で回転イスで腰フリがちょっと可愛い。

そして、移動した先が少女マンガの編集部。主人公(釈)はありえないほどマンガ音痴である。いきなり、一人で原稿取りに行かされる。新人じゃないというものの、そんなことありえるのかと思うが目をつぶる。巨大なマンションの55階で出迎えるのが寺島進。ライバル社のベテラン編集者である。唐突だが「こちら亀有公園前派出所」に少女マンガ家ネタがあるのだが、そのありえない美形編集者キャラから、美形をとったいたれりつくせりタイプの少女マンガ家担当編集者という設定。主人公(釈)はいきなりふりまわされはじめる。

少女マンガ家・花園ゆり子は合作者で男の四人兄弟だったのである。ああ、F4バリエーションなのだった。昔は男一人に女が多数だったのにもう、そういう夢のようなドラマはないのだなぁ。兄弟は、「にこやかだけど何考えているのか分からない不気味な」背景作画担当の長男(堺雅人・・・鳴海先生ーっ)、「足が短くてヒゲが濃くて性格が悪いけれど」人物作画担当の次男(池田鉄洋・・・下北サンデースからここ、大丈夫か)、「背が高くて妙に偉そうな」マネージャー担当の三男(要潤、今回はこれ一本にしぼったな、その方がいいと思う)、そして「観察力に優れすべてを見抜く直観力を持つ生意気な」ストーリー担当の四男(本郷奏多・・・つまり、ドラマ松子の龍洋一の少年と成人の共演なのである)という布陣。釈(28)の設定に対し、(33)(30)(27)(18)とそろっている。ま、一応よりどりみどり。

でも、要は滝沢沙織と交際しているらしいので、ラブコメ要素はやはり鳴海先生が主役なのであろうか。今回は最後までおだやかだったがいつかキレると思うと楽しみだ。公園でスケッチしている時にニアミスしたのはのだめのフルートの人らしい。そうなると釈のラブは控え目にするのかもしれないな。いや、やはり「ランチの女王」パターンかな。釈はケーキを食べさせられたしな。

まあ、心の通わない女上司としての真矢みきも適材だし、びっくり箱の中身が頭に乗るのが似合う女優だなぁ。上手く回転していくとそこそこ楽しめるコメディーになりそうだ。後は釈がどこまで変な女になれるかどうか。変であればあるほどもしも恋をすれば笑えるのだから。

とにかく、ようやく新番組を見た気がしたのだった。

関連するキッドのブログ『009-1が釈由美子でうわぁと叫んだ件。』

木曜日に見る予定のテレビ『拝啓、父上様』(フジテレビ)って前略、おふくろ様のパロディーなのですか、先生ーっ。VS『きらきら研修医』(TBSテレビ)と『エラいところに嫁いでしまった!』(テレビ朝日)も一応チェック。

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2007年1月 9日 (火)

上野樹里と・・・じゃなかった広田亮平と神木隆之介と速水もこみちとオダギリジョーと大泉洋とリリー・フランキー。(年令順)

ま、のだめじゃないのが残念なのだが、歴代日本一のマザコンヒーローである。久世さんが逝去し、極楽とんぼが解散し、難産のあげく、神木-大泉版がオンエアされてからふた月足らず。今度は広田亮平と速水もこみちがボク(中川雅也=リリー・フランキー)を演じる。オカンは田中裕子から倍賞美津子へ、オトンは蟹江敬三から泉谷しげるへバトンタッチだ。で、四月には映画でオダギリジョーと樹木希林と時々、小林薫なのである。

まさに200万部のベストセラーのなせるワザ、作家としてはうらやましいの一語につきるな。

歴代ボクではもっとも若い主役。上京の年は基本的に18才なので、なんちゃって高校生をやるなら若い方がいいわけだが、もう、どれがボクなのか、やや当惑気味なのだな。

で、『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』(フジテレビ070108PM9~)原作・リリー・フランキー、脚本・大島里美、演出・久保田哲史を見た。脚本家は『1リットルの涙』から『働きマン』経由でここである。神は与え奪うのだが、子にとって母親を奪われるのは神の不在を疑ったり、神を呪ったりするきっかけとしては実に王道なのである。『白虎隊』は子が母から奪われる物語でそれもまた恐ろしい出来事だが、寿命から言って子が母を奪われる方が自然とも言える。この物語は子が母を奪われるまでの物語でこわいこわいお話なのです。

同時に田舎の若者が都会へ出てくる物語でもある。都会の若者が田舎に出て行くこともあるにはあるだろうが、やはり、上京の方が普遍的だろう。そして、田舎の人が都会に出るのはやはりこわいこわいことだ。

つまり、この物語はダブルのホラーなのである。しかも、自然で普遍的なホラーなのである。みんな、やはり、こわい話が好きなのだなぁ。

愛してくれる親を子供も愛するので、その親から独立するのは難しい。愛を否定しなければ離れられないほど。そのために親に「汚い言葉」を投げつけるのはよくあることだ。そうでもしないと断ち切れないほど愛が濃いのである。だから、子供から汚い言葉を投げつけられる親は「親に向かってその口の利き方は何だ」と怒るのではなくて「ああ、ああ、そんなにも自分は愛されていたのか」と思うべきである。特に若者の方が記憶力が優れている。もこみちでさえ、上京の際に列車の中で、愛しい愛しい母の姿の記憶を思い描くほどなのである。あの小さな頭で立派なものだ。

そこそこ貧乏でそこそこ複雑な家庭に育った絵の得意な田舎の少年が上京し、やがて母を失う物語である。香椎由宇(ボクの彼女)と出会い、ちょっと浮かれたもこみちなのだが、こわいこわい東京でこわいこわい結末が待っているかと思うと、キッドはもう、ちょっと涙ぐんでいます。そして、例によってコブクロです。レガッタのリベンジなるか・・・で、視聴率14.2%・・・う、微妙だっ。

関連するキッドのブログ『たったひとつの恋を東京タワーが襲撃中

で『しにがみのバラッド。』(テレビ東京070109AM0230~)原作・ハセガワケイスケ、脚本・カロルコ(他)、演出・寺内廉太郎も見た。こちらは「半分の月がのぼる空」に続くライトノベルの原作シリーズである。「いちばん暗いのは夜明け前」から始まるフォーサイド・ドット・コムがらみのあやしいドラマ展開はまだ続いているのだった。でもそのあやしさにつられてつい見てしまうのである。ちなみに原作は累計発行部数130万部超であるらしい。

そして今回は主役の死神モモに浜田翔子。使い魔ダニエルに吉田里琴(よしだりこ1999年生、「みこん六姉妹」からここ)なのであるが・・・吉田里琴、キューテイーである。男の子のセリフまわしなのでさらにチャーミングである。しかも、「ご主人様~」なのである。だ、大丈夫か。

しかし、話はいたってオーソドックス。モモは死神のくせに白い。変わり者と呼ばれ、真面目な使い魔(早い話が奴隷である)ダニエルはとまどうことしばし。

生前の対象者(この話の死神は死者の魂を天上にエスコートするのが使命)に話しかけてはいけないのにモモは話しかけ、死者がこの世に思いのこすことがないようにアドバイスをしてしまう。今回はおかげで家族にいい遺言のできた死者に「あなたはいい死神だ」と感謝されるほどなのである。この調子で一話完結するらしい。

ま、キッドにはダニエルが可愛かったという記憶しか残っていませんが。

ああ、冬ドラマがスタートしているのである。しかし、「花より男子」も「東京タワー」もなんだか、新鮮な感じがしない。・・・当然か。次は釈と鳴海先生なのだが。どうなのかしら・・・。

水曜日に見る予定のテレビ『ハケンの品格』(日本テレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

で、大量削除している内に次の皆様のTB削除してしまいました。

こちらでリンクさせていただきます。

アンナdiary 東京タワー オカンと僕と、時々オトン

乙女千感ヤマト 東京タワー オカンと僕と、時々オトン

まあ、お茶でも 東京タワー オカンとボクと時々オトン

多数に埋もれる日記 東京タワー 第一話

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2007年1月 8日 (月)

人の首を獲るのも野辺の花を手折るのも同じです。(貫地谷しほり)

映画『スウィングガールズ』(2004)からは上野樹里が花開いたのだが、今年、前半は貫地谷しほりが頭角を現して来そうだ。『花より男子2』にも出演するし、映画『愛の流刑地』にも出る。そして、大河ドラマでは主人公・山本勘助(内野聖陽)の恋人ミツ役である。

一方、二夜連続の『白虎隊』・・・血しぶきは最近のドラマには珍しく盛大にあがったのだが、ドラマとしては中途半端な作り、脚本家は人間関係のドロドロを描くのが得意なのだが、ある意味、白虎隊は正反対の物語。潔く散ったものと生き残った者との葛藤に触れ難い部分がある。もう少し、負け組の清らかさあるいは馬鹿馬鹿しいほどの愚かぶりに偏った方が良かった気がする。

で、『大河ドラマ・風林火山・第一回』(NHK総合070107PM8~)原作・井上靖、脚本・大森寿美男、音楽・千住明、演出・清水一彦を見た。脚本家は劇団3○○出演経験もある舞台出身の人。NHKでは『てるてる家族』(03)の脚本を担当。そういえばてるてる家族には上野樹里が出ていました。井上靖の原作はそれほどボリュームがないのでオリジナルの部分の真価が問われるところ・・・ちょっと心配していたのですが、第一回を見る限り、素晴らしい出来ばえです。もちろん、貫地谷しほりの役どころがです。

基本的に山本勘助は謎の存在で実在そのものも疑われることがある人物。キッドが最も愛する山本勘助は今川の忍者だったという新田次郎的造形だが、忍者としては北条との関係も考えられ、要するに武田、今川、北条という三大名の間を渡り歩いた怪しい人だったわけである。そういう怪しさは充分に引き出されており、また、戦国時代の解釈も妙な現代的反戦思想の反映のない、殺伐としているけれどどこか自由な空気の漂う空間として描かれている。

ミツ(貫地谷)は父母を戦でなくした甲斐の百姓の娘だが、危ういところを勘助に救われ、そのために負傷した勘助を看病したことで情が芽生えるという実に無理のない展開。「こわいのは知らないからだ。知ればこわくない」という教育的指導も理にかなっていて、その言葉尻をとらえて無鉄砲な行動をとるミツをもてあましたり、つきはなしたり、ふたたび、助けたりと脈絡のない行動でありながら、ミツが魅かれるだけのヒーローとしての「情の深さ=優しさ」を充分に感じられる展開になっている。

後はもう犯されて殺されるだけのミツを救いにくるあたり、兵法者としても白馬の王子様としても計算された演出を感じさせ、キッドはワクワク、夢中になりました。

武田家の滅びの前に絶命する山本勘助なので、信玄も謙信も死なないわけである。いわば全国統一戦を知らない終わりなき戦国時代の男たちの物語。これは楽しみなのである。なかなかの悪武者でいきなり首を獲られる赤部(寺島進)も笑わせてくれ、今年の大河ドラマは快調にスタートしましたーっ。

で、『白虎隊・二夜連続』(テレビ朝日070106PM9~、070107PM9~)脚本・内舘牧子、音楽・大島ミチル、監督・橋本一を見た。う~ん。困った白虎隊である。現代編と幕末を交差させる演出といい、大島ミチルの音楽といい、倒幕朝廷側が方言なのに会津藩士たちが標準語という脚本といい、すべてが気持ち悪い感じなのである。

だから、主役の母子である陣中で病没する母(薬師丸ひろ子)と不覚にも生き残ってしまう子(山下智久)の好演がもったいない感じになってしまうのだった。いや、あくまでキッド的にはですが。もちろん、少年たちのせつない青春はそこそこ上手に描かれており、年頃の子供を持つ母親だったら胸がキュンとなる展開はあるのだが、はまり役である松平容保の東山紀之、西郷頼母の小林稔侍を生かしきれていない甘い演出になっている。

東山といえば浅野内匠頭といい、この松平容保といい、潔癖がすぎる人物を演じさせたら右に出るものがいないのである。会津藩はこの養子で頭脳明晰な名君によって貧乏くじを引いてしまうのだが、それは美しくもあり、そして運命の残酷さをも感じさせる物語なのである。なぜ、会津藩がそこまで追い詰められてしまうのか、有名だから説明不用という展開が随所に見られ、キッドはえーっ、そこを説明しないのかいというイライラに悩まされ続けての視聴になってしまった。

たとえばラスト近くで降伏論者だった西郷一族が本人以外自決してしまうというのは素晴らしい展開なのである。浅野ゆう子も素晴らしい。しかし、二人の関係性のフリが弱いので多くの人が感情移入できないだろうなぁと思うのある。このかゆいところに手が届かない感じは祖母(野際陽子)が幕末編の冒頭で孫(山下)の手をとり、「戦はいやだ。この暖かい温もりを奪うから」などと言ってしまったことに端を発する。

祖母の長い人生はおろか、250年の安息の後にふってわいたような戦乱なのである。祖母には「戦の実感」なんてないのである。誰もが「戦の実感」のないまま戦いに突入し、白虎隊の戦いの二年前の第二次長州征伐で大敗北を喫するまで、戦の痛みなど知らぬ暮らしをしていたのである。だからそんなセリフはありえないのだ。

少なくとも征伐を受け、外国軍隊の侵攻を受け、内乱をも戦った長州は戦争の恐ろしさを知っており、だからこそ、幕府側を圧倒していくのである。それに対し、会津の婦女子には戦に対してロマンのようなものこそ感じることはあっても戦のこわさなどは語れないのだ。そしていきなり、近代戦が来襲して吃驚仰天するのが1868年のこの戦なのである。

なにしろ、敵を迎撃するのに各地に分散し、何の戦果も得られぬまま、城に敗走してくるという近代戦そのものをまったく理解していない集団なのだ。だからこそ、城下への放火によって絶望し、自害してしまう白虎隊が哀れなのである。もちろん、それは思わず笑ってしまうほどの哀れさなのであるが。

そういう現実を知らぬものの哀れさを演じてこそ、白虎隊の物語には意義が見えてくるはずである。それは一億玉砕を叫びながら結局は耐えがたきを耐え忍びがたきを忍び無条件降伏をする我が国の一つの生き方であり、武士の意地を通しつつ、玉砕しないで白旗を掲げる会津藩主の決断の仕方なのである。そのおかげで我々の今の暮らしがあり、そして白虎隊は290名が生き残るのである。敗残者として辛酸をなめることになるのだが、その中には後の東大総長となる山川健次郎、明治学院創立者の井深梶之助がいたりもするのである。それがこの世のおかしみというものではないのかな。

戦闘シーンも素晴らしい部分もあったのだが、アームストロング砲と250年前の大砲の差異がどれほどのものであったのかの説明ぐらいは必要だったと思う。そういう滑稽さが白虎隊の肝なのだから。

火曜日に見る予定のテレビ『ヒミツの花園』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

で、大量削除中あやまって 翠さまのTBも削除してしまいました。

こちらにリンクを貼らせてもらいます。

ちょっと変な話 白虎隊 後編

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2007年1月 7日 (日)

人を信じるのには勇気がいるってこと。(成海璃子)

Hcinhawaii0005 本題に入る前にH☆Cハワイ速報(完結編)。いきなりですが、これはどこかでみたことのあるマングース着ぐるみ隊。しかもピアニカはH☆Cカラーである。原作もしっかり読み込んだまこ☆ミキちゃん。BGMは「ブルーハワイ」である。

まこ☆ミキ「ぼぎゃー、シュテキーっ、はぅーんデス」

Hcinhawaii0009 おっとーっ、中身はろーじー様でした。もはやなんでもやるねんろーじー様。ついには着ぐるみアクションまで。

ろーじー「ま、たまにはこういうのもええやろう」まこ☆ミキ「おおきにデス」そうなると残りの二体には一体誰が・・・?

Hcinhawaii0012 撮影スケジュールはすべて終了。

ちょっと見えなくなったと思ったら海から上がってきたまこ☆ミキ&プッチ翠ちゃん。その手に握っているのは・・・。まこ☆ミキ「獲ったどーっ、サメとったどーっ」プッチ翠「翠もねーっ。獲ったのーっ。ちょっとプッチなのーっ」・・・こ、怖いもの知らず。

Hcinhawaii0017 巨大なトレーラーを発見。これはH☆C専属メーキャップ・アーチストのくう(くうふう3)様の特製化粧車「レッド剣道号」である。ハワイには平成財閥輸送機で空輸されたらしい。

くう「早く早く、もたもたしないで、もたもたしているとビシバシいくわよーっ」メイクから着付けまですべてをこなすくう様。晴れ着完全装着5分の実力者である。

Hcinhawaii0016 すべての撮影を終えたH☆Cにテレビ取材を試みるのは「突撃レポート!ハワイの芸能人全部見せます」担当のGTV女子アナ結城美里嬢。自らカメラを背負ったスタイルはカリオストロの城の不二子ちゃんを意識しているらしい。美里「ハワイはどうでしたか」かりん☆スー「とっても楽しめました。まだまだ楽しみますよ」アンナ☆ラン「まさに華麗なるハワイって感じ。でねー」まこ☆ミキ「サメを獲ったどーっ」プッチ翠「翠もとったどーっ」

K0055 ちなみに結城美里様はH☆Cファンクラブの会員番号55番の人でもありました。

入会希望の方はH☆C応援本部(inあずスタ)の専用BBSをのぞいてみてください。

Hcinhawaii0013 沈み行くハワイの夕陽。冬のひと時を常夏のハワイですごしたH☆C。

いよいよ、日本に帰国。

本格的なボーカル&レッスンに入り、まもなく正式デビューシングル&アルバムリリースの模様。乞うご期待!

それでは本題に入ります。『白虎隊・第一夜』は明日、第二夜とまとめてレビューすることにしました。戦闘シーンなどなかなかに頑張っています。

で、『瑠璃の島スペシャル2007初恋』(日本テレビ070106~)原作・森口豁、脚本・寺田敏雄、演出・猪俣隆一を見た。沖縄の孤島を舞台にした2005年春ドラマのスペシャル版である。親に捨てられた瑠璃(成海璃子)が島の子となり成長する姿を描く本作。コトーにくらべると地味なのだが、そこは主役の魅力でカバーである。トリック劇場版以来日本一の美少女である成海も14才になり、子役から女優へと転調しつつある。シリーズでは擬似父親役の竹野内豊(養父母となっている緒形拳、倍賞美津子は擬似祖父母といえる)にファーザーコンプレックス的な恋心をいだいていたのに対し、今回は初恋編。お相手は日本一の美少年・神木隆之介である。まさに美少年・美少女の恋であるので二人が初恋したことはまったく描写がなくても納得しなければならない。

いずみ(永井杏)も元気に成長しているのだが、今回は神木とその父(田辺誠一)の物語である。さなえ先生(小西真奈美)もちょっと成長したところを見せる。もちろん、精神的にである。岸部一徳の元・校長もいい味出している。でもコトーに比べると地味だ。

田辺誠一はすっかり都会に敗れた男。負けを認めることができず、勝負などしていなかったのだと自分を偽るダメ人間である。それに対し神木は親を見守るいい子。島に逃げてきた父の立ち直りを耐えて待っているという設定。そんな姿にかっての自分を見た瑠璃は少年をはげまし、同時に恋に落ちるのである。

14才の恋なのであるが、同じ研音所属の志田未来とは違い、成海は母にならない方向で処理。恋人の木。離れて生えた男の木と女の木に二人がさわりつつ、手をのばして届けば交際してもいいというわかりやすい成長の証。・・・って手が短いと不利なんですけどね。しかし、中学生の二人は手が届かない。ここは神木が反則で手を握ります。全国の14才の母妊娠出産絶対反対派もホッと胸をなでおろす幼い恋の展開。「僕はこの島が好き。だって君がいるから」・・・ストレートな攻撃だ。美少年・神木でなけれぱ許されない展開。まあ、上戸彩の胸を触り(映画『インストール』にて)今、成海璃子の手を握る。男の子なら次に生まれ変わるときには神木でお願い神様なのです。

ま、とにかく、そんなところしか、見せ場のない地味なドラマなのですが、これはこれでいいのではと思うキッドです。「探偵学園Q」(日テレ06)では志田未来とも共演した神木くん。このまま、美少年からいい俳優に成長してもらいたいと心から願います。

結局、独善的な自分というものに酔って失火という醜態によって目覚めた父親が息子を連れて島を去ることになり、初恋は終了。はたして、瑠璃としての成海璃子の再登場はあるのか、ないのか。現時点では微妙。おそらく、子捨てや親の未熟という深刻な問題についてスタッフがもう少し研究する必要があるのではないかと思うのです。それがあれば地味から脱する素材だと考えます。

この日はNHKで「その5分前」の福田麻由子版の再放送もありました。もう一人の美少女も順調に成長。本当に90年代生まれの子役たちは充実しています。火花が散るほどに。

月曜日に見る予定のテレビ『東京タワー』(フジテレビ)深夜の『しにがみのバラッド。』(テレビ東京)も一応チェック。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2007年1月 6日 (土)

「・・・ってハッピーエンドじゃなかったのかよ。ざけんなよっ」とは井上真央は言わないのだが。

Hcinhawaii0014 本題に入る前にH☆Cハワイ速報。正月五日。アンナ☆ランちゃん中心の撮影。

ニューヨーク時代に覚えたサーフィンを披露するランちゃん。小学生の頃から夏休みにはビッグウェンズデーを求めてカリフォルニアへ通ったという。素人のかりん☆スー、まこ☆ミキちゃんを乗せてもこの腕前なのだ。

Hcinhawaii0007 おっとーっ。これはどういうことなのか。

アンナ☆ラン「でね、ダーがね。素敵なの。サーフィンもね。ダーがするからランもするのよねーっ」

Hcinhawaii0008 アンナ☆ラン「やっぱりね。ダーにはね。青い海と青い空が似合うと思うのよ。去年はやっぱり一分でしょ。今年はやっぱり華麗なるなのよ。今年は春から縁起がいいのよねーっ。今年は卓袱台も控え目にするかもしれないの・・・だってやっぱりダーなんですもの。ニューヨーク生まれでもダーがいるから日本が好きっ」

Hcinhawaii0015 このダーの肖像はビジュアル戦略担当のデザイナー兼カメラマン兼イラストレーターのikasama4様の作品。ikasama4「耳にタコはできましたが腰はなんとか・・・」

セッティングはろーじー様とお気楽社長。ろーじー「もうローディーやら運送業やら建築家やらなんやらわからんようになってんねん」社長「雑用大好きですっ」

それでは本題に入ります。本年度の連続ドラマのトップを飾るのはふりだしに戻ったこのドラマ。そして裏には「マグロ・後編」と「悪魔が来りて笛を吹く」なのです。「マグロ」に関して言うと、鎌田敏夫・脚本、石橋冠・演出で渡、松坂、天海に内田、西田、高島、高橋克典とまあ、すごい顔ぶれで「前編」が泉ピン子の「佐賀のがばいばあちゃん」に敗北した(13.5%VS19.2%)ので語らぬが花という方針になりました。

「悪魔が来たりて笛を吹く」は稲垣吾郎の金田一耕助シリーズ。星護の演出もさることながら佐藤嗣麻子(映画『エコエコアザラクⅠ・Ⅱ』監督)の脚本が例によってよどみなくお耽美なのであえて語らないことにしました。ただひとつ言えるのは国仲涼子と加藤ローサの区別はキッドには無理ということです。

で、『花より男子2(リターンズ)』(TBSテレビ070105PM9~)原作・神尾葉子、脚本・サタケミキオ、演出・石井康晴を見た。まあ、リターンズというよりはリセットである。あんなに心が通い合い、ハッピーエンドをしたくせにふりだしに戻るのであった。ま、本当の恋愛でも破局したり、ヨリを戻したりするので、遠距離恋愛で気持ちも身体もすれ違うのはよくある話なのですが、それにしても、また最初からなのかよ、という気分になる展開でした。

ある意味、少女マンガの王道で、小学生女子が夢中になる内容。シンデレラストーリーですから、恋愛が成立したら終了。続ける場合はなかったことにするしかないのですよね。なにしろテーマが「玉の輿」だからな。

専業主婦制度がほぼ崩壊した日本でこの「好きで好きでどうしようもなく好きなら」すべてが上手く行くという純愛至上主義がある程度の数字を稼ぎだすってところが面白いですねーっ。

まあ、普通の女の子は勉強もできず、スポーツもできず、美人でもないのが普通なのですが、そんな女の子が「好き」っていう気持ちだけですべての問題が解決するという幻想にひたるのはそう悪くないと思うのです。少なくとも世の中の基本が愛だということですからね。夢を持ったり、キャリアを目指したり、自己実現をしようとしたりするより、無難なのです。ある程度の発達を遂げれば誰でも「好き」という感情を持つことができるわけです。もちろん、現実の社会ではそんなことではどうにもならないのですが、「好き」だからを出発点に勉強ができるようになったり、スポーツができるようになったり、出世ができるようになったり、綺麗になったりすることもあるわけで、「好き」だけじゃダメだけど、「好き」にならなきゃ始まらないってことですからね。

さあ、道明寺司(松本潤)です。千秋よりオレ様としては元祖なのです。今回も「ガキの遊びにはつきあっていられないんだ」とか「オレ様の気分なんだよ」と飼いならされる前の野生の王様に逆戻り。そしてついには婚約者(加藤夏希)まで登場。このゲームはとにかく「好き」であれば勝てるというルールなのですが、主役・つくし(井上)には「好きではいられない」トラップが次々に襲い掛かります。

今回はニセの白馬の騎士(生田斗真)が来襲。女の子にさわっても大丈夫になったのか。ってアキハバラ@DEEPを見ていない人すみません。このドラマの裏テーマ、力あるものの過去の悪事はうやむやでいいのかよを武器につくしを誘惑するのですが、ヒロインは即効でモデルになれるくらい綺麗なのです。ここがトリックですよね。そうです。女の子は自分がそこそこ美人だとすぐに思いこめるワザを持っているんだもの。だから、つくしが「好き」以外の武器を装備していても我を忘れることができるんだな、これが。

とにかく、つくしにはそんな誘惑は通じません。だって天使のお姉さん(松嶋菜々子)の前で涙ながらに「好きで好きで大好きでたまらなく好きで好きを隠すことに罪悪感を感じるほどに好きなんです」と語るほど「好き」だから。それにしてもお姉さんは確実につくしの身辺に追跡用の発信器を仕掛けていますよね。なぜ、そこまで・・・とも思いますが、それはもちろんつくしの身体の中が極めて「好き」で満たされているからなのです。

ああ、これぞ少女マンガ。さあ、来い、宿敵、好きな人の母(加賀まりこ)よ。「好き」と「好き」で勝負なのよーっ。なのですね。ああ、井上真央、加藤夏希、そしてまもなく貫地谷しほり。濃い目の美少女たちがおりなす、どんなに貧乏で、どんなにとりえのない女の子でも夢中になる女の子のための物語。好きな人に親の決めた許婚が・・・ってどんだけ古典なんだよーっという絶叫をものともせずに王道を行くのです。果たして、キッドは最後までレビューできるのか・・・。ま、とりあえず、今回は豪華、ニューヨークロケ。回想のキスシーン、サービスつき、ま、なんとか行けるみたい。だってぇ、井上真央が「好き」だからぁ。

それにしても「ニューヨークの旅二泊三日一名様」ってどんだけご都合主義の賞品なんだ。キッドのご都合主義すぎて笑うリストのベスト10にランクインしましたーっ。

日曜日に見る予定のテレビ『風林火山』(NHK総合)から『白虎隊・第二夜』(テレビ朝日)ああ、ハードだなあ。とても深夜のアニメ『がくえんゆーとぴあ・まなびストレート』とか、『マスターオブエピックAnimation Age』(テレビ東京)には手が届かない。っていうか来週からは「華麗なる」だし・・・。見ないわけにはいかないのだなぁ。

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2007年1月 5日 (金)

こわがりだから生きていけるの。(神田沙也加)

Hcinhawaii0004 本題に入る前にH☆Cハワイ速報。かりん☆スーちゃんが体調を崩したと心配されたのだが、順調に回復。予定通り、クルーザーで孤島に渡り、水着撮影が行われた模様。

かりん☆スー「白虎隊があるのですもの。体調崩している場合じゃないのです」

Hcinhawaii0010 正月四日はスーちゃんのソロパートが中心に。

かりん☆スー「もうすっかり、元気です。皆さん心配かけてごめんなさい」と心はすっかり山P方面に向かっているようだ。山Pといっても「たっ恋」で問題になった波岡一喜の役名ではありません。念のため。

Hcinhawaii0011 ・・・などといっていると海亀がひょっこり出現。

かりん☆スー「いえいえ、亀ちゃんだって大好きなんだけどね」

メンバーの中で一番おしとやかなのに一番恋多きアイドルになるらしい。

それでは本題に入ります。昨日は滅びの美学の男と女の話だったのだが、今回は滅びの中での男と女の生き様の話である。

で、『ドラゴンヘッド(2003年公開)』(TBSテレビ070105AM0114~)原作・望月峯太郎、脚本・斉藤ひろし(他)、監督・飯田譲治を見た。傑作なのだが、評価は低い。なにしろ、ヒーローもいないし、ヒロインもいないし、ただひたすら滅びていく世界の物語である。原作も傑作であるが『漂流教室』や『サバイバル』など先行系がないわけではない。あえて特徴付けると「救いがない」ということだろうか。「生き残り」の物語ではあるのだが、とにかく地獄へまっしぐらなのである。・・・そりゃ、受けないよな。

まず、原作と違うので観客が引く要因となると、トンネルの中で「非常灯」がついているという冒頭のシーンがある。状況からいって送電はないと思うのだが、ま、難しかったんでしょうね。しかし、闇の恐怖の描写は必要だったと思う。ノブオ(山田孝之)が一人『地獄の黙示録』を演じるに至る過程はもう少し丁寧に描いた方がテーマが分かりやすいだろうに。

テル(妻夫木聡)もアコ(SAYAKA・当時)も普通の高校生でサバイバルには不向きであるが、執念で生き残るタイプだった。体力や技術ではなく生き残りは運もものをいうが、最終的には執念である。ふたりは「正気であろうとする」人間として終始行動していく。世界が狂気に彩られようと自分たちを変えない姿勢。それがタフということなのだから。

ストーリーはざっくりと端折られるのだが、自分の欲望に忠実であろうとする仁村(藤木直人)も、「恐怖」の前には無力であることが示される。人間にとって根源的な恐怖とは「死」なのであるが、逆に「死ぬのがこわい」という執念を失えば、人は生きてはいられない。ノブオはたやすく狂気に傾斜し、恐怖心を猜疑心に置き換えた人々は殺し合い、恐怖心を除去した人々は自滅する。狂った大自然の描写もそれによってもたらされた廃墟の光景も素晴らしいのだが、少なくとも恐怖についてのロジカルな展開は絶妙である。しかし、そんなことで一般大衆はよろこばんのだなぁ。

で、すべてが、滅びにむかって突き進む状況。しかし、テルもアコも飲まず食わず、負傷、あるいはヘリコプターから墜落しても、前へ前へと進んでいく。ありえない偶然の連鎖は続くのだが、この二人が生き残ったことそのものが奇跡なのだから問題ないのである。

生への欲求が希薄化する時代。恐怖を失う人間は理由なき全能感に身を委ねる。まさしく「見下す」体制である。その中で弱々しく、しかし、滅多にいない少年と少女を二人は好演しているのだが、それも一般大衆には読み取れないのではないだろうか。二人はお互いを特殊な人間であると認め合い抱きあう。「あなたを失った悲しみを失うよりこわい方がいい」というアコ。どうあがいても死にそうな状況に「生きて生きて生き抜いてやる」というテル。こういう勇気ある若者はもはやこの映画の中にしかいないのではないかとふと思う。

絶望のしたたる映画。できればもう少し長編で見たいものだが。

ラストがなんだかわからないという人もいるだろうが、まあ、理由もなく滅びるときは突然来たりするのだということだと考えます。さて、年末年始、キッドとしては怪獣映画がないのが不満でした。いや、ジュラシックパークもエイリアンもあったのだけれど、ゴジラかガメラが欲しかったのです。

土曜日に見る予定のテレビ『新春ドラマスペシャル白虎隊』(テレビ朝日)VS『瑠璃の島スペシャル2007』(日本テレビ)山下・薬師丸VS成海・神木・・・そんなぁ。

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2007年1月 4日 (木)

キャッチ&リリースでござりまするな。(長澤まさみ)

Hcinhawaii0003 本題に入る前にH☆Cホノルル速報。正月三日。アンナ☆ランちゃんは幼馴染の結婚式に参列するため、カメハメハ教会へ。挙式後、日本の文化を紹介するために余興として羽子板を披露。ファンクラブ会長から贈られた特製あんぱんち羽子板とお気楽羽根を使い、ろーじー様と羽根突きの実演。打たれているのはお気楽社長ではなく、あくまで羽根です。アンナ☆ランちゃん「華麗なる勝利なのでーす」ろーじー「結局・・・・一族ネタかぁ」

では本題に入ります。正しくはひろ子(光秀の妻)「釣りに行きましょう」光秀「殺生はしたくない・・・釣ってすぐ逃がすとしよう」です。ま、どっちにしろ、とんでも時代劇なのでたいして違いはないのですが。

で、『新春ドラマスペシャル・明智光秀・神に愛されなかった男』(フジテレビ070103PM9~)企画・石原隆、脚本・十川誠志、演出・西谷弘を見た。ま、そもそも歴史というものはフィクションですから、どんなデタラメもOKなのですが、定番と考えると、それはどうかな・・・と思うシーンが多ければ多いほどお客は逃げると思います。演出としては暗い夜景や室内の描写のこだわりが過ぎ、ちょっと見難かった。

ただし、出演者は豪華。明智光秀に唐沢寿明、妻ひろ子が長澤まさみ。娘たまに佐々木麻緒(相棒Ⅴ元日スペシャルからここ)。甥で養子の秀満に大泉洋。織田信長に上川隆也。羽柴秀吉に柳葉敏郎。おねに小西真奈美、丹羽長秀に本田博太郎である。

ま、どうやってもダイジェストなのだが、詰め込めるだけ詰め込んだ感はある。長澤まさみを起用したのであれば青春ものにしてもよかったのだが、カット数から言って長澤まさみはあまりスケジュールをくれなかったようだ。

愛妻家・光秀としてはちょっとものたりなかった。貧乏流浪中ひろ子が髪を売るくだりなんかは定番としては落としてはいけないと思う。魔王・信長、天才・秀吉、秀才・光秀という色彩で描くにしてもやや中途半端の感がある。筋立てとして「海には土地によって色が変わる」というひろ子の感性と「瑠璃色の海を見たい」という信長の気性とのはざまで揺れ動く光秀がついに「金柑として猿に食らわれよう」とする滅びの美学の物語なのだが、ま、伝わっていないと考えます。

ひろ子の回想を除けば、織田に仕官して山崎の戦いに敗れるまでの14年間の物語。定番としては足利義昭(谷原章介)との葛藤(ただし、おんぶで脱出なし)、金ケ崎退却戦の秀吉殿助成(ますまず)、叡山焼き討ちの指揮(ただし、最後までへたれ・・・苦笑)、坂本城築城(ただし農民に土下座・・・失笑)。武田壊滅の宴。本能寺の変(ただし、信長と直接対話・・・微笑)、山崎の戦(ただし、秀吉との鉄砲一騎打ち・・・爆笑)となかなかにとんでもない展開であった。

信長が爪弾くチェンパロの音色はなかなかに、せつない魔王の心情を物語る。「そんなこともわからんのか」と絶望する信長に「理解できないビジョンは無に等しい」と独善的に信長の形成する未来を解釈する光秀。日本が大英帝国になる可能性を小心者がつみとる物語としては非常に明確なのだが、そう理解するものは少ないのではないか。

当時、鉄甲船は世界にもなく、銃の生産量は世界一、銃の武装兵数も世界一であった信長軍団が、世界征服に進出していればまったく違う歴史があったのだが、それはまた夢のまた夢である。少なくとも尾張弁が英語に変わる可能性はあり、全世界でみんながみゃーみゃー言ってたかもしれないと思うとちょっとうれしいのである。

下層民の哀しさで限界のあった秀吉のように朝鮮半島から大陸へという進路をとらず、南洋から太平洋、そして新大陸へと信長が侵攻した可能性は充分に考えられ、織田天国が形成された歴史。想像しただけで快感だ。おそらく、月にも一世紀は早く到達することになっただろう。そういう意味では明智光秀は日本国にとって非常に痛い存在なのだが、まあ、光秀を生んでしまう日本的土壌というものもまた必然なのかもしれない。

主を失った安土城でチェンパロを信長よりさらに拙く弾く光秀。それは「とりかえしのつかないことをしてしまった男」の哀愁が漂う。光秀の謎は多いが、それというのも輝かしい日本の未来を奪う分岐点に光秀が立ってしまったからだとキッドは思うのだなぁ。

信長を殺した後、光秀は我を失い、味方を失い、そして数日で命を失う。哀れである。

関連するキッドのブログ『スペシャルドラマ・信長の棺

長澤まさみと唐沢寿明のラブシーンは長澤が唐沢の手をとって頬にあてしなだけかかるというソフトなものだったが、ま、しょうがないところなのでしょうね。東宝芸能さん。

金曜日に見る予定のテレビ『花より男子2』(TBSテレビ)VS『悪魔が来たりて笛を吹く』(フジテレビ)なるほど冬ドラマ第一弾、ジャニVSジャニ、井上VS国仲なのですねーっ。とてもまぐろまでは手がまわらない。渡さん以下ごめんなさーい。

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2007年1月 3日 (水)

刻限でござりまする・・・抜かりなく、手筈通り、良いな。

Hcinhawaii0002 本題に入る前にH☆Cホノルル速報。正月二日、グランドホテルカメハメハのインペリアルホールで市長主催の新年晩餐会が催され、H☆Cから、かりん☆スーちゃんが招待を受け出席。まずは市長とトロピカルドリンクを飲みくらべ、一蹴した後、たまたま取材で居合わせた朝茶新聞の記者mari様とかくし芸を披露。演目は「いのししに乗った中年ads(あず)様の火の輪くぐり」だった。会場に集った老若男女は絶賛。スーちゃん「まだまだよ。燃えるのよ」ads(あず)様「萌えました」mari様「(あず様の頭が)焦げてますよーっ」

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それでは本題に入ります。今年もやってまいりました。テレビ東京の長時間時代劇。定番中の定番は「忠臣蔵」しかし、なかなかの変化球。なんでもかんでも女性の視点で描けばいいっていうもんじゃありませんが、これはかなり秀作でした。

で、『新春ワイド時代劇・忠臣蔵・瑤泉院の陰謀』(テレビ東京070102PM2~)原作・湯川裕光、脚本・ジェームス三木、監督・重光享彦(他)を見た。第一部「刀傷・松の廊下」第二部「激突!吉保VS内蔵助」第三部「吉良邸討入り」の三部構成でほぼ10時間である。死ぬかと思いました。

今回主役は浅野内匠頭長矩(高嶋政伸)の妻・阿久利こと瑤泉院(稲森いずみ)である。タイトル通り、忠臣蔵はすべて瑤泉院の画策したものだったというお話。そのため瑤泉院は忍者のような大活躍で、変り身の術は使うは、将軍の夢枕に立つはの大活躍である。

阿久利は備後浅野家のお姫様、播磨浅野家(赤穂藩)に嫁ぐのであるが、夫の乱心・切腹により、お家断絶、家中騒然の大ピンチに見舞われる。お坊ちゃん、お嬢ちゃんにも出来不出来はあり、妻は前者。夫は後者だったわけである。もちろん、忠臣蔵の歴史的解釈は様々であり、善悪の解釈も様々だが、今回は基本的には中立で、良くも悪くもない浅野家を善玉に、良くも悪くもない吉良家を悪玉に阿久利と彼女を補助する大石内蔵助(北大路欣也)が仕立て上げていくという一種のプロジェクトX物語になっている。

柳沢吉保(高橋英樹)と徳川綱吉(津川雅彦)を相手にして将棋指しのように一手、一手を読みあう遠大な物語である。重要な駒で徳川家宣の側室・左京の局(吹石一恵)が配置されている。この他に阿久利の作戦参謀・唐崎(梶芽衣子)、敵中に入り情を交わす志乃(水橋貴己)、そして例の図面の大工の娘・艶(小倉優子)、大石りく(松坂慶子)という布陣。その他、たくさんの男たちである。

日本人は何故、忠臣蔵が好きなのかは定かではないが、定番の持つ面白さというものは明らかだ。次にこうなると分かっていながら、何故そうなったのか、いろいろと解釈ができ、思わぬ展開があると意表をつかれたりして、楽しいからなのである。フリオチでいうと、フリがつまらないとオチまで待ってもらえないというジレンマが解消され、フリはもうすんでいるのでオチの連打ができるということなのだ。

もちろん、とんでも要素満載である。忠臣蔵で人気が高い場面は実は大石が遊郭三昧をするところにあるのだが、未亡人の瑤泉院を主役にすることによって全編にその匂いを漂わせることができるのである。瑤泉院・内蔵助のラブロマンスも瑤泉院の影武者のような妹設定でさらに濃密になっている。

「人命より犬が尊い」とする法が悪法だったかどうか判然としない現代であるが、とにかく、元禄という平和で腐った時代にテロリズムを賛美する空気は必然的に生まれる。忠臣蔵の面白さの一つはテロリストと忠義の士が紙一重であることなのだが、それをオブラートに包むのが瑤泉院の愛であるという仕掛けが絶妙なのだ。

で、とにかく七時間ほど費やして討ち入りが結構され、討ち入りはたっぷり一時間。成功の知らせが瑤泉院に届く場面では雪の積もった庭に使者を呼び「申し上げます」「・・・待て、・・・申せ」と間をとったりする。そして「いそぎゆく~・・・、花を散らして自らも散り行く花ぞ愛おしき、一目逢いたや今生の別れとならむ雪の道、悲願成就の朝なれど忠義は忠義、恋は恋、知るや知らずや女心の裏表・・・」文楽うなり浪花節だよ人生はなのである。このドラマのすごいところは討ち入り後が一時間以上あるところである。泉岳寺に墓地を買うところから始まって、浪士の助命嘆願、遺児たちの遠島、そして、家宣養子の顛末、さらに綱吉の死による恩赦。陰謀の主と駒が人形浄瑠璃で「忠臣蔵」に涙するまで、じっくりと描いていくのである。大地震、浅間山噴火、富士山大噴火付だ。

ドラマでは夫が妻に籠を譲るなど情のこまやかなところの描写もオツでした。蛇足ですけれど、内匠頭の養子・浅野大学長広は綱吉死後(1710)、500石取りの旗本となり、浅野家は小規模ながら御家再興を果たす。四年後、瑤泉院は41歳で生涯を終えるのだ。

高輪・泉岳寺はキッドの少年時代の通学路の途中にある。寺を抜けていくと近道なので、よく利用した。だから赤穂浪士はなんとなく親しみがある。陣太鼓がみやげ物の変な寺だとも思う。

金曜日(木曜深夜)に見る予定のテレビ『ドラゴンヘッド』(TBSテレビ)

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2007年1月 2日 (火)

バビロンの言葉は乱れ人々の心は遠ざかりました。

Hcinhawaii0001 本題に入る前にH☆Cホノルル速報。グランドホテルカメハメハのロイヤルスイートに宿泊中のまこ☆ミキちゃんは元旦の昼すぎからH☆C親衛隊長・様や到着したばかりのイラストレーターであり、カメラマンでもあるikasama4先生と部屋に閉じこもりっぱなし。一体、何をしているかと思えば・・・人生ゲームだったらしい。時々「貧乏じゃーっ。貧乏農場じゃーっ」などと絶叫がホテルの廊下にまで響き渡るらしい。

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それでは本題に入ります。グランドホテルにまつわる作品として『THE 有頂天ホテル』、『ガキの使いやあらへんで』と続き、まさに流れるように『相棒』もまたグランドホテルの係累なのでした。

で、『相棒Ⅴ元日スペシャル・バベルの塔』(テレビ朝日070101PM9~)脚本・古沢良太、演出・和泉聖治を見た。大晦日のグランドホテルで政治家がパーティーを開催。そこで様々な人間模様が交錯する・・・ので明らかに『グランドホテル』(1932アカデミー賞受賞作)なのである。この形式は大晦日のホテルでなくても、エアポートだの、タワーリングインフェルノだのポセイドンアドベンチャーでもそうなので、じっくり研究するとパクリについての造詣が深まる。

相棒シリーズはスペシャルになると難があるのだが、今回は古典的手法に乗っ取っていたので二時間三十分のスペシャルがよどみなく展開していた。大晦日、新婚の「特命係の亀山」刑事(寺脇康文)は新妻が年越しそばを打っているので帰宅しようとするのだが、例によって右京さん(水谷豊)ともども、官房室長・小野田(岸部一徳)に足止めを食らう。

三人はホテルへ。過激派に命を狙われている国会議員のパーティーでコンビは警護をそれとなく依頼される。右京&亀山はシャーロック・ホームズとフィリップ・マーローのコンビである。ま、頭脳派と肉体派ってことです。キッドとしては類型としてコミック『NERVOUS BREAKDOWNなあばすぶれいくだうん』(たがみよしひさ)をあげておく。

ミステリーなので、登場人物の人間関係には隠された部分があるが、まず、警察側は三人の他に、覚醒剤取引の売人逮捕に向かう生活安全課の刑事たち。後に応援に来る捜査一課の刑事たち。鑑識課の米沢(六角精児)や刑事部長、そして監察官などレギュラーメンバーも師走モードである。次に政治家とその秘書、そしてボディガードでありながら、政治家の婚約者でもある元・警察官の楓(大塚寧々)、別れた夫(ココリコ遠藤)、二人の娘で耳の不自由なはるか(佐々木麻緒1999-ドラマ「火垂るの墓」05日テレの節子役など)がいる。ホテルの従業員は支配人と不倫交際中のウェイトレスがいる。やがて、はるかが誘拐され、人質となり、「テロに屈するとはどういうことか」をめぐるクライムストーリーが展開していく。

小泉純一郎に対するテロとしては小泉孝太郎を誘拐することが最も適切であるという暗示を含み、テロリストがそれを実行しないでいることがなかなかに日本というシステムなのであるな。ともかく、娘を人質にとられた母親は婚約者の射殺を命じられるのである。息子の命にかえても「テロに屈しない」という小泉純一郎を首相在任中に何度か想像したが現実にそうならなくて良かったと思う。

そして過激派のリーダーを名乗る男が杉本哲太である。哲太ーっ。何でもやるし、どれも素敵だ。ま、ボディーガードがフィアンセで、フィアンセが子連れで、子供が聴覚障害者という設定が無理があるといえば無理があるのだが、そこに目をつぶると話はスムーズにながれていく。最初の狙撃は犯人が遊び心をそそられ、失敗。時限爆弾を仕掛けられた娘の命は風前の灯に。

ウェイトレスを人質にとった楓は政治家を呼び出す。そして警察はスナイパー(寺島進)を配置する。

ちなみに元旦の放送であるので、ある程度、おめでたい事件解決がもとめられる。ところが冒頭で楓が拳銃自殺をして倒れるという描写があり、これをどのように回避するのかがひとつのアイディアを求められるところ。またダメな元・夫もそのままではお茶の間向きとは言えず、これもまた処理の求められるところ。

結局、政治家を名声重視のいやな奴として描くことで問題点を排除するストーリーになっている。手話をいかしたコミュニケーション、鑑識の活躍、偶然に見えるがそうでない人質と犯人の邂逅、事件解決とみせかけて、真犯人は別の羊沈黙手法、ちょっと無理があるがとんでもないところから飛び出す元・夫と渡せなかったクリスマスプレゼント。別れるつもりでいた妻に帰るコール。杉本哲太の嗚咽。そしてスナイパーは忘れた頃にやってくる。

とにかく、今回の相棒スペシャルは「相棒、とったな」と思える優れた作品だった。「最高の年になりそう」というセリフ通りに高視聴率だといいのですけれど。

それにしても「揺れる観覧車からの狙撃」はスーパーな腕前と言えるのです。・・・よね。

関連するキッドのブログ『相棒Ⅴスタートスペシャル

人々の心が遠ざかりやがて争いが生じました。そしてそれは今もなお、続いているのですが。

水曜日に見る予定のテレビ『新春ドラマスペシャル・明智光秀・神に愛されなかった男』(フジテレビ)

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2007年1月 1日 (月)

あけましておめでとうございます。・・・生じゃないけど。

Hcinhawaii000 本題に入る前にH☆C速報から、平成キャンディーズはハワイに無事到着。オフに入っているのだがホノルル周辺であるがままにくつろぎダイアリーな日々を過ごしているらしい。ファンに届いたメール年賀状を入手したので報告しておきます。

ラン☆アンナスー☆かりん、  ミキ☆まこ の三人はハワイではかなり盛り上がっているらしい。どのような盛り上がりなのかは情報が入りしだいお伝えします。

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それでは本題にはいります。昨年最後に見て今年最初のレビューがこの番組なのはやはり愛なのです。

で、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 大晦日年越しスペシャル絶対に笑ってはいけない警察24時!! 』(日本テレビ061231PM9~070101AM0015)企画・松本人志、浜田雅功、構成・高須光聖(他)、総合演出・斉藤敏豪を見た。キッドは初期スタッフとして特別な思いいれがあるので、レビューは控えていたが、あまりにも面白かったので記録しておくことにした。

まず、罰ゲームは『底抜け脱線ゲーム』のパクリである。スタッフそれぞれに思い入れはあるだろうが、キッド的にはそう。日本史上最高の漫才コンビの青春ドキュメンタリーとして企画された本番組は二人が雌雄を決する対決とそれに続く罰ゲームが重要な要素となる。現在では発展を重ね、二人をとりまく仲間たちが参加する形式になっているが、お笑い芸人の魂と魂のぶつかり合いはやはり、ボケとツッコミのどちらがお笑いの本質なのかという、ある意味虚しい、しかし、青春だけにやるせない情熱の炎を感じさせる。今回はすでに対決の終った「タライアンルーレット対決」の結果、負け組となった浜田、遠藤章造(ココリコ)、山崎邦正の三人が罰ゲームとして『絶対に笑ってはいけない警察』で研修生として24時間を過ごすという長いコント。録画番組で越年をするという画期的なスタイルもコントの一環であるし、一応、VTRをスタジオで受けるお約束の安全システムも松本の「VTR回転」というフリをやりたいだけのコントの一環なのである。

負け組三人が集合し、スケバン刑事鉄仮面のパロであるインチキな高知弁「おーい、ぜよ」を叫ぶガイド役の婦人警官(藤原寛・元・ダウンタウンマネージャー)の登場で罰ゲーム開始。ルールは「笑ったら、アメリカンなポリスにケツを棒でたたかれる」である。

基本は「にらめっこ」であり、罰ゲームとして「痛い目」に遭う「罠」が各所に仕掛けられている。「お笑い」の分析はある意味無意味なものであるが、そうと知りつつ、ある程度は分析していく。たとえば「ボケ」と「ツッコミ」とは何かと問われれば、それは「役割」であり、どんな役割がと問われれば「お笑い」と「お笑いの解説者」という役割であるという程度には認識する必要があるからだ。

本質的なお笑いは「快感」に基づくものである。たとえば欲求が充足したときの「快感」では赤ん坊が乳を与えられた場合の天使の笑いが出発点となる。それはさらに優越の笑いに発展する。「勝者の笑い」がそれで、これはたやすく「敗者への笑い」に転ずる。「ボケ」が文字通り、焦点のズレを意味するなら、「ボケ」に対するのは基本的に嘲笑なのである。ここで「笑い」は複雑性を帯びる。「笑うことの快感」と「笑われることの不快感」が交錯するからである。それほど単純ではないが、あえて簡略化すると、そこから「社交上の笑い」が発生する。代表的なものは「愛想笑い」である。人間の感情表現のどこからが「笑い」でどこからが「笑い」ではないのか、判別することは困難だが、不条理にも「笑ったか否か」は即座に判定されるという「お笑い」が進行役によって展開される。こうして負け組は「あらゆる笑い」を禁じられてしまう。

客観的な笑いに視点を移すとそれは劇的状況から「構図のズレ」として集約される。観客は「あるべき主観」を捻じ曲げられると「笑う」というのが基本だ。

一行がたどりついたのは「しゃくれ警察署」(この場合しゃくれは顔つきであり、ある意味下あごが発達し、下唇及び下の歯がつきだした状態でのしゃべり方も含む、こうした特定の特徴を区別することは差別であり、それがお笑いの重要な要素であることを注意しておく)ココリコ遠藤が「指名手配の写真」に番組プロデューサーの顔を発見し、最初の尻たたきの刑を受ける。一つのお笑いは多くの場合、複合した素因で誘発されるのだが、この場合は基本的に認知のドーパミンが大きく関与する。人間の記憶は感情と密接に関わり、コンプレックスを形成しているわけだが、「親しい、よく知っている事象」に対しては認知のドーパミンがエンドルフィンの分泌を促す。基本的に脳内麻薬物質であるから、「知っているものを見た快感」は正常な人間には抗うことのできない「笑い」の素因となる。これに相手が番組の権威ある立場にあるという記憶とそれが辱められているという矛盾認知が伴われ、それはシェーマ(構図)のズレであると同時に発見の喜びをもたらす。好奇もまた体内麻薬性物質の誘発を即すのでもはや辛抱たまらんのである。その他にも個人的な好み、たとえば下克上的な現象が好きであるとか、菅氏の顔立ちが好みであるとか、様々な素因が混然一体となり、「笑ってはいけないという実は無意味なルール」がタブー逸脱の笑いへの要求を承認し、ついに遠藤は最初の犠牲者となる。

まあ、キリがないのでこの辺で分析遊びはやめておく。この後はある意味、すべてこのバリエーションであり、「THE 有頂天ホテル」がまったくひとつのバリエーションで進行していくのに対し、いかに工夫がこらされているかを比較対象してみると「お笑い」の根の深さは一目瞭然だろう。

日テレの伝統文化である「太陽にほえろ」のボスで食べていくゆうたろうが登場し、常に「山崎」を仲間はずれにするという定番のくりかえしを重ね、渾名を決めるコントでは浜田の好きな食べ物が「焼きソバ」でありながらコントなので「くちびる」となり、「遠藤」が「遠藤」となり、山崎は殿下(小野寺昭・本人)に「チン☆カス」される。まあ、爆笑です。

コントとしてのフリで山崎には「ゴボウ」が与えられ、浜田には「バナナ」、遠藤には「実の妻」が与えられる。「お笑い」が連想の産物であるとすれば、すべてのギャグは繰り返しのギャグに集約されるのだが、形を変えたテンドンはこの後もしつこいほどに続くのである。時報のギャグは「実の妻」から「欽ちゃんファミリー」まで続くし、ゴボウは山崎の持ちネタに、「実の妻」はさらに「板尾の実の妻」へと展開していく。

たとえば笑いのこらえ方も浜田は舌を出す、遠藤はうつむく、山崎は上をむくとある程度、特徴的で見ようによってはそれさえも繰り返しのギャグの素因にな.る。

刺激は連続すると無感覚になる。そこで、絶えず、刺激の方向を変えることも大切だ。認知系でも松島トモ子はあっさり、水木一郎はしつこくというように緩急がある。

歓迎式では窓辺のゆうたろう、東北訛りの課長、イルカに乗った少年と古典的なお約束であればあるほど我慢のできない展開になっていく。

お笑いが強者弱者のコミュニケーションと密接な関係にあることから「いじめ」は当然、お笑いの重要な要素である。刺激のリセットの要素として「叫ぶ」を禁じる「カースタント同乗」、「近親者がいる建物のありえないほどの大爆発」なども、スペクタクルの要素でありながら、実はいじめの変形なのである。終盤近くにポーカーフェイスのどSとして西川史子が医師として「死体がいかに動かないか」というコントを演じる場合、それまでにいじめられていればいるほど他者のいじめに敏感に反応できるという構成も実は神がかり的な緻密さを感じさせるのだ。

さて、最後に松本にも触れておかなくてはならない。しょうもないマジックですかす、ココリコ田中とのダブルジーパンズはともかく。その後のしりとりトラヒゲ危機一髪や。古今東西サザンのものまねで魚の名前。といった簡単なゲーム展開こそが松本のお笑いに対する真摯な態度を見出すポイントだ。しりとりをどうしたらもっと楽しくあそべるのかという強迫的な欲求。まさに貧困が生み出した狂気であり、「笑い」のために神様が「貧困」をけして根絶しないことの一つの証拠と言えるだろう。

もちろん六平、いろは、ドンクライ、はさみ、ハゲやがって、東の乳首、たむらけんじ、ジミー、DV、友近となだぎ武、岡本信人、マナカナ、花子など・・・枚挙の暇がない情報が満ちているのだが、確かな数字を挙げてこの記事を終える。山崎167回、浜田174回、遠藤189回、どれほどの手加減があってもこの回数はリアルに痛いのでみんなのお尻が心配だ。一人の視聴者として感動の涙が止まらない越年であった。

ところで前回記事の『THE有頂天ホテル』に続き、これもグランドホテル形式の亜流なのである。企画は三つ続けるのが基本なので次回記事の『相棒』もこれに類するのである。

火曜日に見る予定のテレビ『新春ワイド時代劇・忠臣蔵・瑤泉院の陰謀』(テレビ東京)・・・本気か?

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