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2007年1月 2日 (火)

バビロンの言葉は乱れ人々の心は遠ざかりました。

Hcinhawaii0001 本題に入る前にH☆Cホノルル速報。グランドホテルカメハメハのロイヤルスイートに宿泊中のまこ☆ミキちゃんは元旦の昼すぎからH☆C親衛隊長・様や到着したばかりのイラストレーターであり、カメラマンでもあるikasama4先生と部屋に閉じこもりっぱなし。一体、何をしているかと思えば・・・人生ゲームだったらしい。時々「貧乏じゃーっ。貧乏農場じゃーっ」などと絶叫がホテルの廊下にまで響き渡るらしい。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

それでは本題に入ります。グランドホテルにまつわる作品として『THE 有頂天ホテル』、『ガキの使いやあらへんで』と続き、まさに流れるように『相棒』もまたグランドホテルの係累なのでした。

で、『相棒Ⅴ元日スペシャル・バベルの塔』(テレビ朝日070101PM9~)脚本・古沢良太、演出・和泉聖治を見た。大晦日のグランドホテルで政治家がパーティーを開催。そこで様々な人間模様が交錯する・・・ので明らかに『グランドホテル』(1932アカデミー賞受賞作)なのである。この形式は大晦日のホテルでなくても、エアポートだの、タワーリングインフェルノだのポセイドンアドベンチャーでもそうなので、じっくり研究するとパクリについての造詣が深まる。

相棒シリーズはスペシャルになると難があるのだが、今回は古典的手法に乗っ取っていたので二時間三十分のスペシャルがよどみなく展開していた。大晦日、新婚の「特命係の亀山」刑事(寺脇康文)は新妻が年越しそばを打っているので帰宅しようとするのだが、例によって右京さん(水谷豊)ともども、官房室長・小野田(岸部一徳)に足止めを食らう。

三人はホテルへ。過激派に命を狙われている国会議員のパーティーでコンビは警護をそれとなく依頼される。右京&亀山はシャーロック・ホームズとフィリップ・マーローのコンビである。ま、頭脳派と肉体派ってことです。キッドとしては類型としてコミック『NERVOUS BREAKDOWNなあばすぶれいくだうん』(たがみよしひさ)をあげておく。

ミステリーなので、登場人物の人間関係には隠された部分があるが、まず、警察側は三人の他に、覚醒剤取引の売人逮捕に向かう生活安全課の刑事たち。後に応援に来る捜査一課の刑事たち。鑑識課の米沢(六角精児)や刑事部長、そして監察官などレギュラーメンバーも師走モードである。次に政治家とその秘書、そしてボディガードでありながら、政治家の婚約者でもある元・警察官の楓(大塚寧々)、別れた夫(ココリコ遠藤)、二人の娘で耳の不自由なはるか(佐々木麻緒1999-ドラマ「火垂るの墓」05日テレの節子役など)がいる。ホテルの従業員は支配人と不倫交際中のウェイトレスがいる。やがて、はるかが誘拐され、人質となり、「テロに屈するとはどういうことか」をめぐるクライムストーリーが展開していく。

小泉純一郎に対するテロとしては小泉孝太郎を誘拐することが最も適切であるという暗示を含み、テロリストがそれを実行しないでいることがなかなかに日本というシステムなのであるな。ともかく、娘を人質にとられた母親は婚約者の射殺を命じられるのである。息子の命にかえても「テロに屈しない」という小泉純一郎を首相在任中に何度か想像したが現実にそうならなくて良かったと思う。

そして過激派のリーダーを名乗る男が杉本哲太である。哲太ーっ。何でもやるし、どれも素敵だ。ま、ボディーガードがフィアンセで、フィアンセが子連れで、子供が聴覚障害者という設定が無理があるといえば無理があるのだが、そこに目をつぶると話はスムーズにながれていく。最初の狙撃は犯人が遊び心をそそられ、失敗。時限爆弾を仕掛けられた娘の命は風前の灯に。

ウェイトレスを人質にとった楓は政治家を呼び出す。そして警察はスナイパー(寺島進)を配置する。

ちなみに元旦の放送であるので、ある程度、おめでたい事件解決がもとめられる。ところが冒頭で楓が拳銃自殺をして倒れるという描写があり、これをどのように回避するのかがひとつのアイディアを求められるところ。またダメな元・夫もそのままではお茶の間向きとは言えず、これもまた処理の求められるところ。

結局、政治家を名声重視のいやな奴として描くことで問題点を排除するストーリーになっている。手話をいかしたコミュニケーション、鑑識の活躍、偶然に見えるがそうでない人質と犯人の邂逅、事件解決とみせかけて、真犯人は別の羊沈黙手法、ちょっと無理があるがとんでもないところから飛び出す元・夫と渡せなかったクリスマスプレゼント。別れるつもりでいた妻に帰るコール。杉本哲太の嗚咽。そしてスナイパーは忘れた頃にやってくる。

とにかく、今回の相棒スペシャルは「相棒、とったな」と思える優れた作品だった。「最高の年になりそう」というセリフ通りに高視聴率だといいのですけれど。

それにしても「揺れる観覧車からの狙撃」はスーパーな腕前と言えるのです。・・・よね。

関連するキッドのブログ『相棒Ⅴスタートスペシャル

人々の心が遠ざかりやがて争いが生じました。そしてそれは今もなお、続いているのですが。

水曜日に見る予定のテレビ『新春ドラマスペシャル・明智光秀・神に愛されなかった男』(フジテレビ)

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コメント

いつもながら「相棒」シリーズは安心して見る事ができます。
手話による連絡をとるというアイディアはなかなかいい流れでした。
またどこか日本社会を皮肉ったような演出が感じられるのもいいですね。

>それにしても「揺れる観覧車からの狙撃」はスーパーな腕前と言えるのです。・・・よね。
ウォン・カイコー並の腕前という事なのでしょうね(笑)

投稿: ikasama4 | 2007年1月 4日 (木) 00時39分

✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥

キッドはとったなと思ったのですが
視聴率は13.8%と意外にとらなかったようです。
去年が16.1%なので
ま、スペシャルはつまらないというのが
定着していたのかも。
そういうときに面白いのが来るのも
また定番なんですけどね。
麻雀で言うところの切る来るの法則です。

王凱歌VS日野警部補VSゴルゴ13なんていう
とんでもスナイパードラマが
見てみたいなぁ。
と妄想するキッドです。

投稿: キッド | 2007年1月 4日 (木) 12時28分

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» 相棒 2007元旦SP 「バベルの塔」 [渡る世間は愚痴ばかり]
折角描いたのでちょいとばかし語ってみる事にしました(;・∀・)ゞ 今後は内容に応じて気が向いたときに書いてみるとします。 [続きを読む]

受信: 2007年1月 2日 (火) 18時04分

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