小学生で中学生で高校生なのですがそれが何か?(福田麻由子)
子供時代の回想は福田麻由子が一手に引き受けるのか。そりゃあ、大変だなぁ。あらすじ解説までするのか。子役に頼りすぎなんじゃないのか。でも、ま、いいかぁ。それにしても「役者魂」とかぶってしまったなぁ。擬似家族展開に作り手がひかれるのはひしひしと「家族というほどの家族がいない」という揺らぎなのか。それは気持ち悪いなぁ。家族なんていらないという人と家族は大切だという人の対立に善悪を持ち込むのだけはやめてほしいなぁ。一人ぼっちでいられる人も一人ぼっちでいられない人もいるっていう大前提でお願いします。・・・それは無理なのか。
で、『演歌の女王・第二話』(日本テレビ070120PM9~)脚本・湯川和彦、演出・大塚恭司を見た。冒頭、あらすじを福田が視聴者のお便りに答えるというDJ風のお遊びが入る。そのハガキをバシッとおくのが気になった。当然、やらせのハガキなのであるが、そういう無神経さが子役に対する愛のなさを示している。
今回の「哀しい現実」は「子供を愛せない親がいる」ということだが、ニセの視聴者からのハガキをそっと置きなさいという演出ができない演出家にその「現実」を語る資格はないのではないかと考える。
「子供を愛せない親」の問題は微妙な問題だ。よく言われるのが「親に愛されないで育ち親になり子供を愛せない」という負の連鎖なのだが、そういう場合があるというのにすぎない。愛されて愛さない場合もあるし、愛されて愛せない場合もある。それは愛の発達の問題を含んでいる。発達したものには「どうしてこんなに簡単なことができないのだ」といらだつほどのことができないものなどいくらでもいるのである。
ひまわりは依存という深刻な問題を抱えている。それは「自分の愛したものは自分を愛してくれるはずだという幻想」に基づく「愛」への依存。この場合はヒトシ(原田泰造)への依存である。麻薬と同じだから、いくら理性がそれは有害だと知っても感情が拒絶を許さない。本来、相手がそれなりに発達した相手であれば、それほど問題のない依存なのであるが、たまたまヒトシは上位自我が非常に未発達で、モラルが欠如した反社会的な人格であり、いわば悪魔に魅入られたようなものである。
ヒトシは善悪の判断がつかない異常人格であるから、善意はないが悪意もない。ひまわりがなぜ、ヒトシに惹かれるのか不可解な視聴者もいるだろうが、悪意のないことは善意があるかのような錯覚をもたらしやすいのである。そういう錯覚の原因がひまわりがヒトシを愛しているわけではなく、ヒトシを愛している自分を愛しているにすぎないことにあることはまず明白だろう。
ひまわりは崩壊した家族の孤児である。父母のに対する二者択一をせまられ、母を選択し、母の再婚によりその選択が失敗だったことを許容できないまま、大人になってしまった。そのためにとてもじゃないが他人を愛することなどできないのである。自己陶酔の歌である演歌歌手としてひまわりがヒットを飛ばせたのはそのやるせなさを燃焼させることができたからなのだが、ヒトシと出会うことによってその炎は消火されてしまう。悪意も善意もないヒトシは鏡のような存在であり、ひまわりは鏡に映った自分を他人と思い愛してしまうのである。
こうして負の軌道に乗ったひまわりは理性の制止も虚しく、ヒトシを得るためならばどんな最悪の条件も選択してしまう習慣を身につけたのだった。
ヒトシは七年前、ひまわりの交際中に女(西山繭子=伊集院静の娘)との間に信(武井証)を儲け結婚離婚していた。女はその後、別の男(村井克行=ケイゾクの斑目)と結婚し、男は信を女ともども虐待し、就学時期に就学させないという育児放棄状態に。そこで信は父親を頼ってヒトシの元へ。しかし、ヒトシはできちゃった結婚で妻(酒井若菜)のいる身だ。妻は敏感にひまわりの危うきを察知し、できれば排除(潰し)たいと考えている。
ここで脚本家は揺れ動くだろう。ひまわりは「不幸」を見逃せない「いい女」なのか。それとも「別の女の生んだ子」でも「ヒトシの子」なので「子」と関係を持つことで「ヒトシ」にすがりつくことができるのではと「ワラをつかむ女」なのか。どちらの女を演じさせるべきなのか。ここでは前者を演じる後者を選択している。それはエンターティメントとしてはどうかな。少なくとも子供に見ぬかれるよりも「あんたを通じてヒトシを愛したいの」と告白するひまわりの方がキッドは好感が持てるのであるけれど。ま、どうしようもなさはあまり変化しませんがね。
さて、ヒトシのもう一人の関係者、ヒトシの母(池内淳子)には痴呆の症状が現れている。これに親切をほどこすひまわりもまた「いい女」ではないのである。ヒトシの妻は見抜き、警戒を強めるのだが、新婚家庭にいろいろ理由をつけては立ち寄るひまわりという夫の昔の女が異常であるから当然だろう。
そういうひまわりを見守る男たち。刑事温水洋一、ユー段田安則、ドクター半海一晃は君子危うきに近寄らずなのだった。しかし、遠くから見守るのである。
今回の演歌は『心のこり』(細川たかし)だった。「私、バカよね、おバカさんよね。後ろ指、後ろ指さされてもあなたひとりに命をかけて耐えてきたのよ今日まで」なのであるが、二番の「大切な純情を悪い人だと知っていながらあげてしまった」のが天海ならまだしも福田だとしたらそりゃ、犯罪だろうと思うまもなく、ラブホテルから男は13才の少女・貞子(成海璃子)と登場する。た、たいぞーっ。で、つづくである。
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ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
貸切にしたスケートリンクにかりん☆スー様を発見。男の子と二人で軽やかにスケートを楽しんでいる模様。お気楽「きゃー、男女交際は禁止ですよーっ。アイドルだから」まこ☆ミキ「あれは掘出学園の詐欺問題研究会の部長でかりん☆スーちゃんの先輩。後輩として大学合格のお祝いだから部活の延長デス」ぷっち☆翠「でもあの人誰かに似ているのでなんだかピーピーデス」お気楽「・・・ま、貸切だからいいかーっ」
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コメント
きゃ~~キッドさま~~♪
嬉しいですっ!
スーは詐欺研究会部長のPさまとスケートデートで~す!
本当は部活の延長ですが、貸切だから何でもいいのデス!
あんまり嬉しくて目が回って倒れそうです。
さっきPさまにむかって4回転半のジャンプを披露して最後にくるくる20回転したので本当に目が回ってしまいました。
で、Pさまも一緒に滑ってくれて二人で手をつなぎながら場内一周するの・・うっとりの時間でした。
ああ~夢なら覚めないで!
投稿: かりん | 2007年1月23日 (火) 17時53分
✿❀✿❀✿かりん☆スー様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿
お嬢様の妙技、影から見守るじいやも
ハタと感服いたしましたぞ。
フォースアクセルなど男子でも世界に類のない快挙。
そして華麗なるスパイラル。
多彩極まるピールマンスピン。
グランプリファイナルで世界の頂点に
立つのは確実なのに寒がりなので
出場なされないとはもったいない。
しかし、あまりにもノリノリなので
じいやは怪我でもしたらとハラハラ。
黒崎ピー様とのコンビネーションも
抜群で・・・お嬢様の青春なのですな。
じいやはじいやは・・・ほろほろ・・・シャキッ。
しかし、平成財閥のお嬢様として
あくまで清く正しい交際を
お願い申し上げますーっ。
ささ、お風邪をお召しにならぬよう
お着替えなされませーっ。
投稿: キッド | 2007年1月24日 (水) 02時13分