またしても擬似人格役ですがそれが何か?(福田麻由子)
「昔の私もあなたなのよ」と矛盾に満ちた表現でせまる心の中の自分自身の少女時代。そういう経験がある人とない人がいて過去の自分と対話なんかできるかと言われればそれまでだが、これが過ぎれば多重人格になるのであり、他者としての自分を幻覚することはまだ穏便な精神作用であるとも言える。
創作に携われば登場人物たちがそれなりに人格を持ってふるまうことは日常茶飯事なのであるけれどね。
で、この手法で赤川次郎原作・大林宣彦監督の映画『ふたり』(1991)があったりする。深田恭子主演映画『下妻物語』で深田恭子は幼い少女時代の自分にアドバイスされたりするのだが、それが福田麻由子であることは繰り返し書いている。キッドはこの手法をこよなく愛するからである。福田麻由子は『白夜行』では綾瀬はるかの少女時代を演じ、そして今度は天海祐希の心に潜む童心を演ずるわけだ。
で、『演歌の女王』(日本テレビ070113PM9~)脚本・遊川和彦、演出・大塚恭司を見た。主題歌は平井堅「君の好きなこと」で登場人物たちが一節ずつあてぶりをするというエンディング。口開けが男役でならした天海なのでちょっと面白い。裏に『アテンションプリーズ』あんぱんち様が出演することもさることながら(お気楽社長ーっピントが甘くて使いにくそーだよーっ)上戸彩が数多い百恵候補から一歩抜け出すほどの百恵ぶりを示すコメディー。『ちゅらさん4』平良とみさんと田中好子と加藤ローサと違うのだなと納得できる国仲涼子が癒しまくるコメディー、船越英一郎の火災調査官に包囲されてどれほどの視聴率を獲得できるかどうかは別にして、冬ドラマでようやく普通に笑えるコメディーだった。
ダメな男とバカな女は古典なわけだが、古典というものはとことんやるとそれなりに面白いものだ。ちゅらさんは男は全員ダメなくらいで脱力だが、演歌の女王は原田泰造が一手に引き受ける。ヒトシ(原田)はダメなだけではなく、始末に困る男である。ひまわり(天海)にとっては悪い男なのだが、そんな男に騙されても騙されても懲りないのひまわりで、そんなのありえねーだろうと思うほどなのだが、天海はしっかり演じきるので痛快だ。
「めぐりあったのもまた運命。愛する人はただ一人」と「さよ~なら~さよな~ら~好きになった人」の間でめくるめく天海は非常に馬鹿馬鹿しくてよろしい。苦労に苦労を重ね、アドバイザーとして登場する過去の自分(福田)の制止も虚しく、馬鹿は死ななきゃなおらないのである。お人好しなので爆発できるのは妄想の中だけなのだが、恋敵・真佐美(酒井若菜)を張り倒すシーンはそれなりにドタバタである。モー子なので笑える。
で、ヒトシが本当の悪ならこうはならないのだが、ギリギリで手のひらを返し、話に含みを持たせる。池内淳子もわが子かわいさで悪い女にもなるし、羽田美智子がいきなり、お金を返すポーズを見せるのもすべて始末に困る次第なのである。
そして刑事・温水(温水洋一)は実名登場の業界展開を匂わせておいて実は役名なのというおふざけも楽しい範囲。母(高畑淳子)も父親違いの弟(黄川田将也)もドライにならざるを得ないほど天海は人生に対して甘いのであり、甘いのも良し悪しというニュアンスをこの後も引きずっていく模様。
これに不運が加わるのだから、痛々しいのだが、他人の不幸は蜜の味なので、乗ることができれば大笑いなのである。キッドはもう乗りました。
ともかく、現実にこんな女の人がいたら、キッドは近寄らない。君子だから。でも、いてもらいたい気持ちはあります。面白いから。どうやら、成海璃子も加わるようである。とりあえず犬のウンコはひたすらリアルで好感を持ちました。
ああ、大河内ひまわり、演歌一筋どこへいく~なのです。
『ER』は産婦人科研修編、素直にこれのパロディーをきらきらは目指せばいいのにとふと思う。日本の人たちはどうしてああいうドラマを作れないのか不思議だなぁ。システムの問題なのかしら。深夜『バズル』(テレビ朝日)はこのワクにしてはちょっと面白い。どうしていつもこういう温度で制作できないのだろうか。それもキッドには不思議な気持ちがする。つまり、ひまわりのようなとことんつくしてしまう人が少ないということかもしれませんが。だが、女子高生アナウンサー佃美奈(実は月城ミーナ)が活躍する『月面兎兵器ミーナ』(フジテレビ)は予想を上回る出来で『地獄少女』ともっとも熱い日テレVSフジの勝負がひっそりと展開しているのを一体何人が注目しているというのだろうか?
月曜日に見る予定のテレビ『東京タワー』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
ちなみにH☆Cハワイでの未公開写真を発見。アテンションプリーズのロケも行われたという場所でのかりん☆スーちゃんとプッチ☆翠ちゃんのツーショット。周囲の人々はピーピーという鳥のさえずりがずーっと聞こえたという。
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コメント
福田ちゃんは娘じゃなかったんだ・・・。あんぱん画像は・・・拡大しない方が良かったですね・・・。
今回ばかりは天海さんでも大はずししそうな雰囲気!!
投稿: お気楽 | 2007年1月14日 (日) 10時26分
元気で悪いかーーーっ!!!( ̄ヘ ̄)凸
スーちゃんとプッチ翠ちゃんが
(←みどりちゃんがとばかり思ってたので「プッチみどりちゃん」の脳内で呼んでいたんですが正しくは「プッチすいちゃん」だったとは…何だか怪しい水の名前のように聞こえますが何か?)
あんまりピーピー言うもんだから、ついにランちゃんの
お腹がピーピーになっちゃったんですねーーーっ!
それともお腹がグーな時に、華麗なるカレーパンを食べ過ぎてしまったのかな~?
で、天海姐さんのドラマですが・・・
豪華な子役ちゃん達の競演が見れるだけでウハウハで~す♪
投稿: まこ☆ミキ | 2007年1月14日 (日) 11時57分
演歌の女王はまだストーリーがよく掴めていないのですが
エンディングは成功してハッピーエンドになりそうな感じ、、ですかね。^^;
「女王」というにはなんかちょっとカリスマ性が・・(汗)
どちらかというと「ハケンの品格」の方が「ハケンの女王」って感じがしました(笑)
投稿: ろーじー | 2007年1月14日 (日) 12時07分
✞✞エコエコアザラク✞✞お気楽様、いらっしゃいませ✞✞エコエコザメラク✞✞
お気楽様、あんぱんち様キャッチご苦労様でした。
まあ、こんどは群集の中にまぜて
あんぱんち様を捜せ!を
しようと思うので小さいサイズにすれば
それなりにあんぱんち様だっになると考えます。
21世紀の百恵レースでは
上戸が一歩リードですね。
ただ今の暫定順位。
1↗ 上戸彩
2 石原さとみ
3 綾瀬はるか
4 長澤まさみ(薬師丸に路線変更か)
5 蒼井優
6 貫地谷しほり
7 宮崎あおい
8 上野樹里
9 井上真央
10 沢尻エリカ
ランク外有望 成海璃子、福田麻由子、岩田さゆり
となっています。(妄想)
投稿: キッド | 2007年1月14日 (日) 18時45分
●choco●まこ☆ミキ様、いらっしゃいませ●choco●
元気でなりよりなのでございます。
まこお嬢様は幼少のみぎりより
ご健康でじいやは
本当に助かっているのでございます。
ちなみにキッドの妄想では最近、
ブロガー翠(すい)様と
新鋭隊長プッチ☆翠(みどり)様と
変換されるようになってきました。
ファンクラブの会員としては翠(すい)様です。
それから翠様は親衛隊長として
三つのH☆C魂を継承しているのです。
かりん様からピー魂。
アンナ様からアメリカン魂。
そしてまこ様から爆走魂です。
じいも自分で妄想していてなんのことやらですが
ま、妄想ですから。
翡翠(ヒスイ)の翠の字なので
グリーンの中でも宝石のようなグリーンなので
ございます。
演歌の女王はまたしても問題作になる予感ヒシヒシしています。
これは善とは何なのかを
世に問うのです。
立場逆転してまゆゆが天海に
「いい加減に目覚めなさい」
と言ってるところがミソですよーっ。
投稿: キッド | 2007年1月14日 (日) 19時28分
☎aiko☎~ろーじー様、いらっしゃいませ~☎aiko☎
キッドが期待するのは
次の点。
毎回、メジャーな演歌を天海がうなる。
今回は「好きになった人」(68都はるみ)でしたね。
偽善者の行う善を嘲笑する。
たとえばわが子と会話しないで
地球環境問題を考える人とか
わが子の幸せを願うけど
地球環境問題には無関心な人とか。
どっちもできるかよっとどっちつかずな人とか。
この世には善人は一人もいない。
でも悪人もいないのでは・・・。
あたりに着地すると思います。
ま、そんなところですかね。
この世には勝ち負けはない。
レースを続ける人と止める人がいるだけだ
というのがこのスタッフのいつもの主張ですから。
投稿: キッド | 2007年1月14日 (日) 19時36分
こんばんは♪
こよなく愛する手法だったんですか。
言われてみれば、らしいですネ。
僕は、手法自体よりも、手法の具体化の部分で
もっと工夫して欲しかったです。
まあ、幅広い層が見る時間帯だから、分かり易さを
考慮してるのかも知れませんけど。。
ひまわりの妄想も、ヒネリが感じられなくて。。
ただ、この先の展開はさっぱり読めないし、脚本家には
興味を持ってるので、また見てみようとは思ってます。
今度は笑えるかな~。
投稿: テンメイ | 2007年1月15日 (月) 04時29分
○-○)))テンメイ様、いらっしゃいませ。○-○)))
自分が自分に語りかける。
自分の声がする。
これは精神作用としてはかなり高度な発達段階で
場合によっては
そこまで発達しない人が多数派だったりする。
すると発達しすぎの狂人が認定されるわけです。
「別の誰かがやれと命令した」
何をバカなこと言っているんだ。
ということになります。
するとこの設定は
体験者にとってはノンフィクション。
未体験者にはフィクションなんですね。
しかし、まあ、夢の中では
他人が存在しないのに
誰かと話をしたりすることはあるわけで
その延長線上という発想でもあります。
多重人格には
交代性のものと
こうした主体を維持しながら、
客体を幻視幻聴できる二種類あるわけです。
ま、一般人はこのジャンル分けに
何の意味があるかと思われるでしょうが。
しかし、思いやりとか優しさとかは
この「自分自身の過去を含めた他者の立場に立って考える」
ことができる人とできない人では
ニュアンスが変わって来るはず。
というのがキッドの論理です。
誰かのために役立とうとして
その他のみんなに迷惑をかけてしまう。
そういう人間を認めるのか。
認めないのか。
視聴率的には低空飛行ですけれど
そのあたりの「あや」を
追求していけば
そこそこ素晴らしい作品になるだろうと
キッドは予測しています。
投稿: キッド | 2007年1月15日 (月) 15時55分