バスガイド、デパートガール、遊園地の迷子係、コスプレにもほどがありますけれどそれが何か?(福田麻由子)
それとも日テレの受付のお姉さんの制服は今はこうなのか? ま、グリーンベースのチェックは嫌いじゃないから、いいか。絶叫顔までいかないのが、いい演出なのか、どうか微妙だが。ジェットコースターって・・・ま、たとえとして申し訳ないけれど浅草・花やしきのそれっていう意味なら、ちょっと分かってやってもいい。
もう、普通の神経では対応できないドラマになってきたので、妄想のレベルをあげることにします。目盛り3で・・・。
ああ、正気の間に酒井若菜のメモだけはしておこう。キッドは酒井若菜の出ているドラマは見たい度が倍増するのだからな。『池袋ウエストゲートパーク』(2000)は加藤あいがこけしをこよなく愛する二重人格者を演じるのだが、その親友で恋敵で犠牲者・リカが酒井若菜である。いわゆるかわいくってちょっとバカのキャラはすでにここで成立している。それは『木更津キャッツアイ』のバンビに愛されながらぶっさんを愛してしまうやっさいもっさい好きの処女なのにサセコというありえない設定のモー子で爆発する。さらに『マンハッタンラブストーリー』では下半身ゆるゆるの女子アナでバカなフリをしているけれど本当にバカというさらにありえないキャラクターを演じて、クドカン作品の重要なファクターになっている。そして『恋の門』(2004松尾スズキ監督)でコスプレーヤーの両親を持つ同人誌おタクとしてのぼりつめてしまったようだ。最近では『黒い太陽』(テレビ朝日)で情の厚い普通のキャバクラ嬢を淡々と演じている。そして、ここに来て、キッドの期待はいやがおうにも高まったのだが、ああ、なぜ、普通を目指すのですか。なぜいつまでもありえない女でいてくれないのですか・・・という気持ちばかりがつのる今日この頃である。でも、それが時は流れて、時は流れて・・・ということなのだなぁ。
で、『演歌の女王・第七話』(日本テレビ070224PM9~)脚本・遊川和彦、演出・木内健人を見た。まず、今回の歌は『あずさ2号』(狩人1977作詞・竜真知子、作曲・都倉俊一)である。歌のジャンル分けにそれほど厳密さがあるわけではなく、それが当時のレコードショップで陳列ケースに並べ立てるための便宜上のものだとしても、キッドが店主ならこの曲を演歌の棚には置かない。邦楽・ポップスか、フォークソング、あるいは歌謡曲である。人によってはフォーク・ロックにだって置きかねない。・・・だが、まあ、今回はこの部分の演出は極めて良かった。このドラマの定番であるひまわりの人命救助の「階段落ち」はダサダサだったが、それも、まあ、普通といえば普通の手法である。ただし転げ落ちるのではなく、ひまわりが下になって頭を下に一段づつガンガンと頭を強打しながら血まみれになっていくぐらいでないとインパクトも整合性もないと考える。
さあ、もたもたとのろのろとあらすじを最初からたどっていこう。前回、ひまわり(天海祐希)に対し狂人・ヒトシ(原田泰造)が「女房と別れるから一緒に暮らしてくれ」と要求した後の物語である。「いやな予感に背筋が寒くなった」ひまわりは統合された人格ではなく、ひまわりの上位自我ともいうべき昔のひまわり・幸子(福田麻由子)に近い人格である。これをひまわりAとする。複合人格であるひまわりの主体ともいうべき日常のひまわりは「いよいよ私の恋の終着駅がやってきた」とばかりに「身重の妻と別れたというヒトシの報告」を一日千秋の思いで待っている。携帯電話の着信記録から目が離せない執念の恋する女。それがひまわりBである。貞子(成海璃子)がヒトシの告白の現場にいたことを記憶していないのはひまわりBならば当然なのである。ついでに前半の定番であったひまわりの妄想で啖呵をきる暴力的なひまわりはひまわりAの抑圧により、ひまわりBから分離したひまわりCなのである。ひまわりCは超人的なひまわりの守護者なのでひまわりが人間離れした体力を発揮するのはこのひまわりCが体内を活性化するためである。超人なので集中力を要するためにその活動期間は短期的であるという特徴を持つ。同時にひまわりAは内なる他者としてひまわりBとの対話が可能であり、主体となるひまわりには幸子という擬似人格として認知が可能なのである。
そこへやってきたのは妻に逃げられ従業員に逃げられた元マネージャー・萩本(段田安則)だった。ひまわりBはがっかりするのだが、萩本は心機一転、金回り、立ち回りのためにひまわりが必要だと、演歌歌手とマネージャーとの再出発を提案する。ここで燃え上がる演歌魂の持ち主・歌手ひまわりはすでにひまわりDなのである。
ひまわりDは一時的な支配権を確保し、萩本ともに地道なキャンペーン活動を開始する。有線放送の会社を回ったりするのである。誰もが待ち望む展開・・・しかし、当然の如くにヒトシと呆けた老母(池内淳子)が進入して、誰もが待ち望まない、狂人と狂人の母の狂化の物語のリフレイン。正気を取り戻す奇跡の「女のわかれ道」独演である。・・・それ、前回もうやっただろうという全国のここまできたらしょうがないからひまわりウォッチャーのやるせないツッコミがこだまする。さらにヒトシの妻・真佐美(酒井)とヒトシの兄(矢島健一)と妹(中島ひろ子)がなぐりこんでくる。三人は共謀して母を施設に送り、母の店を売却処分しているのである。ヒトシは施設に送るのは母が自分にお金を援助してくれなくなることだと本能的に察し、とりあえず反対しているのだ。ここでひまわりCが覚醒し、「お前ら親を介護するのが嫌なだけだろう」とヒトシの兄妹をつきとばす。たちまち消耗してひまわりBが登場。ひまわりAが混濁したひまわりABなので優柔不断である。「あの、最近、私、あれで・・・」と意味不明なつぶやきをもらす。母を連れ去ろうとする三人、とにかく、母親の保護を失うのは絶対いやなヒトシは「なんで奇跡を信じちゃいけないの」と泣く。三人は「何をバカな」と当然の対応。すると母親が「私はうれしかった」と正気発言。ああ、お母さん、あなたのその親バカがヒトシを果てしなく狂わせていくのですけれど・・・。そして「施設に入る。店は売らない」と巨額な貯金があることを匂わせるのである。
こうして施設に入ったヒトシの母を見舞うひまわりは当然、ひまわりABである。老母・正気バージョンは「あなたの歌を聞くと若かった頃の恋の思い出が蘇る」と呆けて若返る引き鉄がひまわりの歌にあるともとれる発言。「若い頃に失くした恋に未練があり、今の自分の来た道が間違いだったかもと弱気になった時、あなたの歌にはげまされた」という母。いや、「女のわかれ道」の歌詞(前回レビュー参照)にそんな気配はこれっぽっちもないですけれど、お母さん、あなたの心にそう聞こえるんだとすればそれはそれでしかたないんですけどね。
ひまわりABは施設のロビーで真佐美を発見。店を売ろうとしている真佐美に「あのお母さんの正しい行為を無にしようとしている真佐美は悪い」ということで良心的なAの拘束が弱まり、ひまわりBが前面に突出。「ヒトシと別れて、ヒトシを私にちょうだい。ちょうだい」土下座攻撃である。ここで「自分のためにする悪、他人の為にする善という誰かの都合のいい道徳観」論争が始まる。「あんたは愛していないならヒトシとわかれるべきだ」とひまわりBである。自己中心的な恋愛バカなので真佐美や真佐美の子供の幸福は念頭にはない。ひまわりAを抑えるためにあくまで「真佐美が悪なので自分の主張は世の為、他人の為を願った善意」を偽装する。他人の偽善に敏感な真佐美はこれをたちまち見抜き、そこまで言うのなら「階段から落ちてあんたの誠意を証明しろ」と要求。たちまち、自己中心的なひまわりBは行き場を失いひまわりABに。さらに真佐美は「私にはできるのよ」と階段の縁を危険方向に移動。「私のお腹の子供の幸せのことをあなたは考えて言ってるわけ?」とひまわりBの痛いところをついていく。こうなると前面に出で来るひまわりA。「お腹の言葉に罪はない」と正論。さらに「本当はあなたもヒトシやお母さんを愛しているのでしょう」とひまわりBにとっては致命的な性善説を展開し始めるひまわりA。真佐美もひまわりの180度違う言説に「この人、いやだ、キチガイだわっ」と悟る。恐怖で足のすくんだ真佐美は足をすべらせ落下。充電のすんだひまわりCが発動。超人的な力で真佐美を受け止め人命救助。
例の病院で死の淵から蘇ったひまわり。ここで、真佐美は命の恩人に土下座。「あなたの言う通り、私は本当はヒトシを愛してしまったのです」と泣く。嘘泣きとも誠の涙とも判別しがたい展開。しかし、病院ではなぜか力が弱まるひまわりBは表出できず、ひまわりAはうなづくばかり。おそらくBは病院の死のムードや、痛みに我慢できないのだろう。
そこでひまわりDが登場。ひまわりBの妨害でできなかった演歌興行どさまわりの旅を決意するのである。
雪の降る旅立ちの道。母の代用品(いざとなったらお金をくれるから)ひまわりの脱出を察知したヒトシはさっそく妨害に。しかし、痛みのためにセーブされたひまわりBを圧倒する演歌魂満載のひまわりDにはヒモのテクニックが通用しない。「あんたが私をダメにする。私があんたをダメにする。私たちは一緒だと一生しあわせになれませぬ」とヒトシを突き放すのである。いよっ。ひまわりさん、日本一。ああ、この瞬間のために7回か。7回必要だったのか。それは・・・フリが長すぎます。「さようなら、あなた。生まれ変わったら、今度は・・・」と心のナレーション入りで去るのだった。
そして駅、イントロに乗って雪が舞う。明日、私は旅に出ます。今夜だけどね。あなたの知らないひとと二人で。マネージャーの萩本だけどね。いつかあなたと行くはずだった春まだ浅い信濃路へ。ひまわりBの妄想ではね。8時ちょうどのあずさ2号で私は私はあなたから旅立ちます。ひまわりDだけどね。駅がひなびた田舎駅である。「外用駅」なのだが、これはおそらく外用薬、塗布された鎮痛消炎剤の象徴なのであろう。つまり、この駅は幻想なのである。ひまわりは不死身のエピソードのどこかの場面で生死の境にあり、長い夢を見ているのだった。温水刑事は今日は結婚詐欺師をおとり捜査中だった。つづくである。
関連するキッドのプログ『第六話のレビュー』
もう、このまま、旅の思い出編に突入し、すべてを水に流してもらいたいくらいだとすべての視聴者が嘆願書を提出したいぐらいだが、傷が治ればひまわりBは復活し、当然、ヒトシもつきまとうのである。ま、みなさん、あきらめるしかないのです。ハゲタカを見に行く人を止めませんからーっ。
月曜日に見る予定のテレビ『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
しまった!!今週もハゲワシを忘れてしまった・・・。酒井さんには、ちっとも萌えないお気楽です♪彩名は好きだけど・・・。
投稿: お気楽 | 2007年2月25日 (日) 11時39分
先週あたりから、逆に残り少なくなった皆さんのレビューを見に行くのが楽しくなっているのです。
このとまどいを、この失笑を・・みなさんはどのように
表現するのかしら・・?と。
ブログを始めてから3年・・中盤すぎてもこんなにつかめないドラマは初めてです。
一瞬つかんだかと思っても、うなぎのように(掴んだことないけど)にゅるりにゅるり・・シャーーーっと逃げてきます。
ウナギは意外と早く走る・・らしいです。
投稿: きこり | 2007年2月25日 (日) 12時39分
✞✞エコエコアザラク✞✞お気楽様、いらっしゃいませ✞✞エコエコザメラク✞✞
コンドルは飛んでいくのです。
酒井彩名はお気楽様にあげますーっ。
キッドは若菜派。
デビューした頃は若菜はちょっと広末だったの。
ま、顔の区別が苦手なキッドならではですけれど。
ちなみに彩名は「百鬼夜行抄」(日テレ)で
やってるけど。そっちではどうなの?
キッドは彩名だったので一回しか見てないけど・・・。
投稿: キッド | 2007年2月26日 (月) 16時26分
❆❆コタツミカン❆❆きこり様、いらっしゃいませ❆❆チョコレート❆❆
キッドも同じです。
きこり様はいつでも最後の砦ですから
きこり様がいなくなったら
北風が吹くのです。
もう、春なのに。
でもまあ、このドラマを見ているおかげで
「華麗なる一族」の主人公の中に
ヒトシっぽい部分を見つけたりして
ならではの楽しみもあります。
今回の「あずさ2号」のシーンは
とても気にいりました。
三回見ました。
でも・・・演歌じゃないと思うの。
うにゃぎ。好きにゃー。
どじょうよりも好きーっ。
投稿: キッド | 2007年2月26日 (月) 16時32分
初回を見逃してしまった以上、今更ハゲタカを見る気は
薄れましたが、旅の思い出編嘆願書は出したいぞと・・・
あずさ2号で信濃路を旅した後は、次の目的地は
【コスモス街道】なのデス!
右は越後へいく北の道~ 左は木曽まで行く中山道~♪
投稿: まこ | 2007年2月28日 (水) 15時17分
●no choco●まこ☆ミキ様、いらっしゃいませ●no choco●
そうなんでございますよ。
あれをごらん、竜飛岬、北のはずれと
【津軽海峡冬景色】も見てもらいたいのです。
で、日本一不幸の似合うアイドルソニンと
トラキチの六角精児(電車男より)がカケオチしてきたりして
局が違うけれどひまわり一肌ぬぐみたいな
そんなベタで心あたたまるドラマが見たいのでございます。
もう【港町ブルース】でも【能登半島】でも【函館本線】でも
とにかく、東京に帰ってくるなっ。
と叫びたいじいやでございますーっ。
そしたらですのじゃーっ。
投稿: キッド | 2007年3月 2日 (金) 01時40分