二宮和也は夢の中にシャンゼリゼが現れるほどおフランスなのだがもんだかどうだか三週続けて引っ張っているわけで。
先週に引き続き、二宮クンがグイグイ引っ張っていく。今週もいい感じなのだが、松子(高橋史子)、澄子(森上千絵)、ルオー(久保隆徳)と富良野塾の地味な役者で押されるとあまりの地味さに「優しい時間」になってしまうのだなぁ。ルオーはまだいいとして、松子や澄子にはもう少し相応しい女優の顔がつい浮かんでしまうのはキッドだけなのだろうか。
先週は一平(二宮)-松子でつづき、今週は夢から醒めて松子である。なんのインパクトもないぞ。しかも澄子は大女将・夢子(八千草薫)派で、松子は若女将・律子(岸本加世子)派という流れがあるのだが、松子も澄子も単に同じような演技をする地味な女優なのでキッドには区別がつかないんですけど。
いや、別にそれはそれでいいんですけど、せめて片方は名のある別系統の脇役女優さんにした方がキャスティング的に親切だと思うのです。
で、『拝啓、父上様・第六話』(フジテレビ070215PM10~)脚本・倉本聰、演出・西浦正紀を見た。先週はかなり凝った一平の妄想シーンが展開されたのだが、今回は白い背景で竜次(梅宮辰夫)がナオミ(黒木メイサ)を連れ去るという悪夢。このフランスへのこだわりはオヤジのロマンなのですかっ。シェーッザンス。そして夢の原因と思われる「竜次が坂下(一平の勤める料亭)の板前を辞める」という話をした松子が夜中にその話を否定しにくる。・・・いい場面なのだが、やはり、・・・いや、もう止めておこう。女優に罪があるわけではないからな。同居人の時夫(横山裕)が「アンダーバスト・・・ムニャムニャ」と寝言を言うのだがキッドには後半が聞き取れなかった。ま、重要じゃないからいいのだが、気になる。
エリ(福田沙紀)が見習いとして仲居に参加。ビールの本数の注文も間違え、戸の開け方も知らない。ま、ご愛嬌なのだが、父(高橋克実)が叱り、一平が助け舟を出したときの笑顔が良かった。話の流れから、エリは一平を婿候補と考えているわけだが、一平はナオミにときめいているという設定であるのだが、キッドの拙い経験から言って一平を幸せにする確率はどうみてもエリの方が高く、それなのに一平が青春の過ちを起すというところが「やきもきする」ポイントなのである。ここで本当は「一平はそれとなく察するがその気がないので困る」という選択もあるのだが、まったりしているドラマなので「鈍感すぎて一平はそれを指摘されるまで気がつかない」という方向で話は進んでいく。
この後、一平はナオミの店へ行き、エリとエリの友達・ユウコ(高山紗希=第八回美少女コンテスト出場なのでダブルデートが成立するとジャニジャニオスカオスカである。そんなのばっかりだな)に遭遇する。それと察している一平ならこの場面は相当にあたふたとしてコミカルな場面になるはずだが、ここはさらっとかわすだけである。・・・ものたりません。それにしても黒木は実年齢で十代。二宮クンは二十代。おそらくドラマ内設定もそうなのだが、電話での黒木の命令口調が気になってしまう。「同年齢か年下だと思っていた」という設定がない限り、「若い子は口のきき方を知らないから」という論理なのだろうか。そういう理由ならつまらないと考える。
今回も夢子は大活躍。巣鴨トラッドで登場し、亀と戯れ、赤いパンツをプレゼントである。とどめは「もんだんだって・・・いいのよ。男はそっちの方に自然と手がいくんだから」である。いや、本当のとどめは金接ぎですが。
魯山人の皿の縁が欠けて(どのように欠けたのかは一切描写されないおしゃれな展開だが考えようによっては不親切だ)お運びの仲居頭である澄子が責められる。そのことで律子は長時間説教。これを時夫は「ゴロマキ五分」という怪しい業界用語で説明する。相手を脅すのに五分以上時間をかけると切れるので危険だというのだが、さすがに倉本先生はいろいろなことを知っているのですね。「ゴロマキ」に「ケンカをする」という意味以外に「脅す」という意味があるとは初耳でした。「クンロク」で「脅すような説諭」というのはよく聞くが・・・。先生、まさか、間違え・・・いえっ、何でもありません。
ここでは松子(律子派)が有力な情報を一平にもたらし、澄子(夢子派)が律子に叱責されるという展開があり、さらに夢子が金接ぎ(陶器の補修技術)で澄子を救うというおだやかな世代間の暗闘がある。夢子は「律子だっていつも割ってたのよ」とまで言うのである。ここも律子がいれば一瞬即発の火花の散るところなのだが、律子は不在。・・・ものたりないです。
律子の紹介のアパートを下見に行く一平。トイレットペーパーの切れ端をポケットにしまい、お風呂にしゃがみこみ、懐石料理をナオミにふるまう妄想で感動の涙までナオミにこぼさせた一平は一人暮らしの澄子の体の柔らかいところを発見。特技があるのは素晴らしいがキッドは・・・いえ、何でもありません。澄子が母一人子一人と知り、娘の母へのバースデープレゼントから自分の母・雪乃(高島礼子)の誕生日が今日だったと思い出す一平。はい。連日の誕生日オチです。かぶりありがとうございます。
ここで、ナオミとのフランス料理予行演習を兼ねた母にフランス料理をご馳走する親孝行展開。「チーズ・・・記念写真じゃないから」「乾杯の時チーズって言うの?」「チアー・・・だったかな」うーん。まったりと流れるような展開で話はふりだしに。「竜次さんやめるよ」である。その情報源は現職議員の真田(小野武彦)なのだが、名前だけ出されて顔が思い浮かんだ人はどれほどいたのだろうかと案じつつ・・・つづくである。エンディングテーマがより悲しげな「手」に変わっているのだった。より清水ミチコのネタっぽい森山良子を堪能したい人は聞くといいだろう。来週は時夫がまわし蹴りを披露する模様。
関連するキッドのブログ『第五話のレビュー』
カレンダーということでは『拝啓』はまだ師走をやっている。12月10日に雪が降っているとか。町にクリスマスソングが流れたりして、来週はクリスマスイブなのか・・・。パチンコの玉を持ち帰ると窃盗になるのではないか。顔見知りだから「雪乃ちゃんにプレゼントしたいんだ」「しょうがねえなあ」という一平とパチンコ店オーナーとのやりとりを脳内補完しておくことにする。
土曜日に見る予定のテレビ『演歌の女王』(日本テレビ)
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皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
今回、初めて時夫がおもしろいと思いました~
あの顔も体型もどうも生理的に受け付けないのですが・・
「ゴロマキ5分」・・・勉強になります。
確かに黒木メイサって命令口調ですね~
やっぱり、ニノが小さくてかわいいから
つい弟をパシリで使ってるような感覚になるのでしょうか?
まあ、この子と付き合っても振り回されるだけだな~というのを感じさせてそういう意味でいい感じかもしれません。
投稿: きこり | 2007年2月16日 (金) 15時27分
❆❆コタツミカン❆❆きこり様、いらっしゃいませ❆❆スケートスイスイ❆❆
ジャニ・・・が帝国と化したので
昔で言えばピラニア軍団とか
悪役商会のような人員まで
確保しているのですよね。
良し悪しは別として・・・。
田中聖クンとか横山クンとか
チンピラ役が似合う人材が
ジャニ・・・というのがキッドには
ピンとこないのですが・・・。
フッくんか、フッくんがいかんのか?
横山クンの不気味さはとてもいいです。
こずるそうで
ふてぶてしそうで
やっぱりちょっとバカ。
貴重だよな~。
ナオミについては・・・キッドが二宮くんの兄貴なら
「あの娘はやめとけっ」
とアドバイスしたいぐらいです・・・。
投稿: キッド | 2007年2月16日 (金) 20時43分
キッドさん、初めまして。
このたびTBをどうもありがとうございました。
あちらこちらでお姿を見かけてはいたものの、恐れ多くて(^^;)こちらからはお声を掛けられない状態でしたので、とても嬉しいです。
仲居さんやルオーさんは富良野塾の方たちだったんですね。
このドラマ、現代の話のようで、流れている空気にひと昔或いはふた昔前くらいの雰囲気を感じます。
エンディングが今回は変わっていましたね。
ラストで、竜次さんが辞めてしまう・・・と一平が知った所から、すっとすんなり入り込めるような曲の雰囲気で、とてもいいと思いました。
投稿: さくらこ | 2007年2月16日 (金) 21時27分
❀❀❀✿❀❀❀~さくらこ様、いらっしゃいませ~❀❀❀✿❀❀❀
ちっとも怖くないですよ~。
きこり様のところでは近所のノラですし
H☆C関係者では妄想じいやでございます。
そうですね~。のんびりしてますものね~。
東京の中にも時計の止まったような街は
まだまだありますからね~。
大人っていうのは本来、時が止まったような様子が
あるのですが
もちろん、ゆっくりと老いてはいくのですけどね。
子供はどんどん変わっていくでしょう、姿が。
そういう意味で大人のドラマなんだろうなぁ。これは。
あの曲がこの曲に変わったっていうのは
まあ、大人だって変わることがあるんだぞ・・・
という意地みたいなものでしょうかね。
キッドはそう思いました。
また、遊びに来てくださいね。
投稿: キッド | 2007年2月16日 (金) 23時39分
キッドさま、こんばんは。
まだお返しTBが間に合いませぬ。
待ったり過ぎ行く時間の中で、一平の妄想だけが
かなりの大きさに膨らんで、いつ破裂するのかと
心配になってきました。
ナオミが相手では、私も無理でないかい?と思いました。
投稿: mari | 2007年2月17日 (土) 00時31分
❁~✾~❁~~✾mari様、いらっしゃいませ✾~~❁~✾~❁
コマンタレブー(お元気ですか?)
ジュマペールナオミ(私はナオミです)
・・・ってのだめですかーっ。
ナオミと付き合うのは大変だと思うなーっ。
でもナオミも「連れて行きたいレストランがある」とか
まんざらでもないのか?
一平の妄想の行方も気がかりですが
このドラマ、このペースで行くと
話が最後まで行くのかどうかも気がかりです。
もう少し視聴率がいいと
だらだらとパート2というのも楽しそうなんですけど・・・。
投稿: キッド | 2007年2月17日 (土) 01時12分
思わず批判?されてる役者さんの弁護です。
まあ、、確かにヨコ(時夫君)はヤンキーっぽい雰囲気は確実にありますし(一時期あだ名が「総長」だった;)鋭ーい眼差しが悪役顔に見えたりもしますけど、ものすごくかわいい人ですから!
不気味ってなにぃ??けなしてもいないみたいだけどとても誉め言葉には聞こえないし、そんな事言われて喜ぶ人は居ませんよ!
「良し悪しは別にして…」なんていやらしい言い方をする位なら、どこが足りてなくて良くないと思うのかを正々堂々具体的に書いたらいいんじゃないですか?人を純粋に誉めれなくてヒネた言い方をする人は見苦しいっす。
ファンからしたら応援してる人の演技と努力が世間の人にどう写るのかをすごく楽しみにしていて、それは否定的な意見も含めてそうなんですが、こんなひねくれて不誠実で中途半端な受け取り方を聞くとがっかりしますし全く面白くありません。意見じゃなくただの悪口ですよ。
顔立ちは凄くきれいで黙ってると間違いなく美少年ですよ?!(ちょっと今プヨってますが。)手を見てみてください。ヨコの手は大きくて指が長くてきれいで有名です*
そして何より中身が魅力的なんですって。粋で男前で本当に惚れます。ジャニーズがみんな同じようなタイプだったら気持ち悪いと思う。でもヨコは入るべくして入って、残るべくし残ってきた人でもあります。ヨコのジャニーズに居ながらも気取らない気取れない性格、正直で飾らない所不良っぽく見える位強い所は同性の男の人には好感なんじゃないかと予想してたんですけど何も感じなくて気づかない男も居るんですね。。
冷静じゃなかったらスミマセンね
投稿: るる | 2007年2月17日 (土) 12時33分
❀反乱のボヤージュ❀~るる様いらっしゃいませ~❀反乱のボヤージュ❀
横山裕くんがとても好きなのですね。
ものすごくかわいいのですね。
匿名で発言している人に何が正々堂々なのかを
教えるのは難しいですが、
そういう立場で人を見苦しいとか言っちゃう人は
かなり見苦しいですよ。
ただし、誤解もあるようなので
訂正しておきます。
ご理解いただけるかどうかは別として・・・。
良し悪しは別として・・・。
というのは企業の市場独占にたいして
発生する弊害に対する危惧です。
いやらしい言い方ですが
それには良い面もないわけではありませんからね。
ということで「所属事務所」についての指摘で
直接、横山くんの良し悪しを別にしているわけではありません。
「不気味」は褒め言葉です。
そんなこと言われて喜ぶ人はいないというのは
ルル様の感性で尊重しますが
そんなこと言われて喜ぶ人はいますから。
次にこの場合、横山くんは「不気味な役」を
「不気味に演じている」わけで
二重に褒めているのですよ。
つまり「いい役」を「いい演技」で
ということです。
ジャニーズがみんな同じタイプだったら気持ち悪い
と思うという点では同感ですが
横山くんも充分にジャニーズタイプですから
そういう意味では気持ち悪いですね。
いろいろタイプがいる芸能界であってほしいと
キッドは考えます。
そのためにはいくつかの芸能事務所が
競争している方が好ましいのです。
実際に現場にいると「裏切り者」になる場合も
あるので発言はつつしみますが
現在は自由な立場なので正論を言うわけです。
正直で飾らないのが魅力の人もいれば
不良が魅力の人もいれば
強いのが魅力の人もいますが
今回の横山くんの魅力は「不気味」なところ。
それが分からないようでは
るる様は横山くんの魅力を一つ損していると思います。
好きな人はとことん好きであるべきです。
キッドから不気味と言われる横山くんも
好きでないといけません。
また、遊びに来てくださいね。
投稿: キッド | 2007年2月17日 (土) 23時30分