二宮和也は胸をつかんでもんだと言われてもよく覚えてないとか言うしかないわけでとにかくコーヒーばかり飲んでたわけで。
ささやかな暮らしである。失っても惜しくない気持ちもあるし、どこか他にもっと素晴らしいことが待っているという胸騒ぎがしてならない。そんな20代前半。まあ、それを「浮付いた気持ち」といってしまえばそれまでだが、包丁一本さらしにまいて腕におぼえの板前稼業なので、その気になればどこでも食っていける職業の人である。
就職しなかったりできなかったりする若者であふれるこの時代。最初の居場所さえ確保できないとこの気分さえ分からないかもしれない。ま、居心地の問題ですが。
とにかく、人生の岐路に立ち、一平(二宮和也)はコーヒーを飲み続けるのだった。「エラ嫁」が↘11.3%、「きらきら」が↘*8.4%をとり、危険なことになっている中、↗14.1%とあげてきた「拝啓」・・・だってちょっと面白いものな。黒木メイサのキャラ設定が不安だけどな。
で、『拝啓、父上様・第五話』(フジテレビ・070208PM10~)脚本・倉本聰、演出・宮本理江子を見た。エリ(福田沙紀=1990年生熊本県出身)の胸をつかんでもんだあげくに、窃盗の現行犯で捕まった一平はとりあえず「盗もうとしたのではなく頼まれた」ところまでは白状してしまうのだが、家出中の夢子(八千草薫)の居場所については口を閉ざす。律子(岸本加世子)は「もうお店に来なくていい」と宣告されてしまう上にしゃく半(松重豊)に殴られてしまう。
竜次(梅宮辰夫)に「店の経営が苦しいから若女将も苦しい」のだと内情を諭され、ついに夢子の居場所をもらす一平。竜次はペテラン刑事のように情報交換のテクニック「情報を知りたければ情報を提示しなければならない」の達人なのだった。
雪乃(高島礼子)の店の二階に潜む夢子を竜次は確保。「一平は口を割らなかった」と一平をかばい、周りを巻き込んではいけないと夢子をなだめ、回収に成功する。ま、迷惑な話だけれど「いい女にふりまわされるのが男のロマン」と考える脚本らしいので、一平は男をあげるのである。
で、成り行きで辞表を提出した一平は朝寝を楽しむ。父親候補の小説家の『甃(いしだたみ)の町』を六角精児のいる本屋で購入し、外堀沿いのカフェへ。ここでなんとなく、一平のいる場所について記しておく。基本的にJR飯田橋駅と市谷駅の間に舞台の神楽坂はあるのだが、南(つまり皇居方面)から九段の町があり、その西側は麹町でいわば旧日本テレビが位置していて、「前略」はお膝元ドラマだったのだが、市谷の西は曙橋であり、旧フジテレビが位置する。ま、「拝啓」もお膝元と言えないことはないのだな。・・・で、九段の町があって、中央線があり、総武線があり、外堀で、外堀通りで神楽坂の町である。今、一平は神楽坂の町の境界線のひとつ外堀通りを踏み出し、外堀沿いのカフェにいるのです。
主人公、綾音は雪乃がモデルと聞いて読む気になった小説なのだが、慣れないので途中で投げ出す一平。ふと気がつくととなりには「しゃく半」がいる。「あんたは根性がある。俺はわびたい。でもなぐったのはあんたじゃなくて俺自身なのだ。不甲斐ない俺をなぐったのだ。わかるよな」キッドには分かるが一平には分からないのだった。とにかく、一平はコーヒーをおごってもらった。
そこへ、ついにリンゴの君・唐沢ナオミ(黒木メイサ=1988生沖縄出身のクオーター)登場。ついに正体が少し分かる。もちろん「いい女にふりまわされるのが男のロマン」なのでスカウトにひっかかったナオミと神楽坂を疾走。しかし、外ではなく、外堀通りを渡って神楽坂方面へ。そこには東京日仏学院があるのだった。学院内のテラスでコーヒーである。ナオミは洋菓子店で働くパティシェの卵で将来のパリ留学のために週の半分はフランス語で通しているという。こういう設定を好む若者は確かにいるが、面倒くさそうなのでキッドは絶対に付き合わない。だが面倒くさそうな「女にふりまわされるのも男のロマン」なので一平はますますナオミに興味を持ち、自らのパリ留学まで口にする始末だった。しかも一緒に逃げてくれたお礼にコーヒーをおごってもらうのだった。
しかし、ロンドンとパリの区別がつかないので六角精児のいる本屋でパリの本を購入。そして馴染みの喫茶店へ。すっかり神楽坂へ逆戻りなのだった。「どこかへ行きたい気持ちと引き止めてもらいたい気持ち」に揺れ動く一平。そこへ一平に胸をもまれたエリが登場。女将気質のDNAを受け継ぐエリは「水」を頼んで、「胸をつかんでもんだのよ、えへへー、どうだった」なのである。そして「子供みたいにダダをこねてないでさっさとお店で働きなさい」なのだった。面倒見の「いい女にふりまわされるのも男のロマン」なのであろうか。一平は店に引き戻されて一件落着である。コーヒーはおごってもらえなかったのだった。
来週は竜次の進退問題。・・・それはちょっと弱いかな。やはり、気になる女の子が二人とも南方系という点。一人は北の女にすれば良かったのに。それが男のロマンじゃねえのか。だが、面倒くさいということでは桃井かおりの匂いがしてきた黒木メイサ。それはいいと思うな。逆に福田は据え膳連発でそこが逆に面倒くさいという方向で笑わせてもらいたい。お願いしますよ~。倉本先生ーっ。つづくである。
関連するキッドのブログ『第四話のレビュー』
今回は最初から最後までほぼ主人公の行動を追う一本道ドラマ(毛の抜けやすい夫婦のみ挿入)。小さな町の中の展開といえど、非常にスムーズな展開でさすがは巨匠なのだなぁ。
土曜日に見る予定のドラマ『演歌の女王』(日本テレビ)う~ん。裏番組的には微妙にチャンスの回だなぁ。ヒトケタ脱出なるかっ。東山紀之の森村誠一スペシャルも国生、佐藤仁美だけにちょっと見たいけど。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
二宮くんはどう見ても胸は揉んでいないのに来週は大女将にまでイジられちゃうんですね・・・。
自分も面倒なのは苦手なので沙紀ちゃんでOKです♪
投稿: お気楽 | 2007年2月 9日 (金) 20時48分
キッドさん、こちらにも。
盛り上がりに欠ける嫌いはありますが、じんわり見るにはいいドラマです。ほっとできる空間といいましょうか。
>キッドには分かるが一平には分からないのだった
シャク半さんのところ、笑ったね~。あの不思議な感じ、説明できないけどニノは絶妙な顔をしてくれたと思うわ。
こういう微妙なところでの揺れ動きの表情が凄く上手い子ですよね。
ところで拝啓14・1%・・凄いですね。
だって、しみじみ面白くなってきてるもの。
キッドさんと同じ感想だわ♪
投稿: かりん | 2007年2月 9日 (金) 20時49分
✞✞エコエコアザラク✞✞お気楽様、いらっしゃいませ✞✞エコエコザメラク✞✞
そうですねー。もんではいないっ。
しかし、あの下乳を腕に充分に感じていたはずで
それはそれで・・・。
何を言わせるんですかーっ。
黒木メイサも悪くないんですけどねー。
なんか、かぶってるんだよなーっ。
でも演技力はありますね。
つかさんとこで修行したみたいだし。
キッドとしてはできれば
クオーターなら沢尻エリカぐらい
かっとんでいてもよかったと思うのですが・・・。
・・・あ、そういえばいつの間に福田萌えに・・・。
お気楽社長ーっ。
投稿: キッド | 2007年2月 9日 (金) 21時54分
✿❀✿❀✿かりん☆スー様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿
しゃく半さんはもう最高のキャラですよね。
しゃっくりがキレる前触れって
もうそこからして分からない。
登場が遅いくらい。
「前略」で言うと室田と川谷を
足して二で割った感じ。
本屋の六角さんももっと出してもらいたいなぁ。
今回、触れなかったけど
トキオのエロ黒い感じもいいですよね。
鉄火肌って・・・。
先輩の母親に向かって惚れたとか言ってるし・・・。
不気味で素晴らしい。
すごく日常的で
でもちょっと変わってる・・・というのが
倉本先生の味で
ここ二回はそれが
すごくいい感じです。
このまま、しみじみ続いて欲しいです。
投稿: キッド | 2007年2月 9日 (金) 22時07分
キッドさま。こんばんは。
今回は、しゃく半さんに尽きます。
しゃっくりすると、一平が飛び上がるのが
面白かったです。
ナオミは、突然出て、かき回されましたね。
しみじみと、つづくの、私も賛成!
投稿: mari | 2007年2月10日 (土) 02時09分
>こういう設定を好む若者は確かにいるが、面倒くさそうなので
そうですね~もし私が一平だったら、フランス語を話し続ける時点で「めんどくさ・・」と思って別れると思います。
でも、こういう子の方がいろいろ妄想が広がりやすくていいのかも・・・
黒木さんの活躍に来週も期待します~
投稿: きこり | 2007年2月10日 (土) 07時00分
❁~✾~❁~~✾mari様、いらっしゃいませ✾~~❁~✾~❁
今回は二宮くんが演技力のあるところを
見せつけましたね。
しゃく半さんにおびえるところ
ナオミに見栄をはるところ
エリにあたふたするところ
どのリアクションもコミカルでよかったです。
これまでも悪くはなかったのですが
ここにきて急に成長したような気さえするほどです。
この調子で楽しませてもらいたいと思います。
投稿: キッド | 2007年2月11日 (日) 00時46分
❆❆コタツミカン❆❆きこり様、いらっしゃいませ❆❆チョコレート❆❆
ナオミはどんどん変な娘になってくれるといいのになぁ。
と思うキッドです。
ケーキもすごく斬新すぎるケーキを作り
試食させられる二宮くんが困ってしまう・・・
でもやっぱり好きになるというような感じで。
どういう感じにゃ?
「青の炎」は二宮くんやあややの演技力うんぬんよりも
監督の演出力に問題があったと思いますにゃー。
投稿: キッド | 2007年2月11日 (日) 00時56分