二宮和也は黒木メイサの手を握ったのだが、横山裕に胸を触らせた福田沙紀はオスってものまねするわけで。
ま、黒木メイサも福田沙紀も終ってみればそこそこ評価(好感度)をあげたのではないか。これで視聴率がもう少しあると波及効果があったのになぁ。最終回14.5%、平均13.2%でフィニッシュ。
一平(二宮)の父親が誰なのかは謎のまま。一平の進路も未定。一平とナオミがフリスビーで遊んだのだけはガチだと思う。「ほらっ、イッペイ、それーっ」みたいな。
一平は「教えない」というのだが、ナオミ(黒木)と一平の夜の営みは・・・ジュテーム、じゅ、て、えむ。ジュテーム、じゅ、じゅ、て、え・・・・む。ジュテーム!みたいな。神楽坂のおしゃれなホテルでとなりの部屋には雪乃(高島礼子)と冬彦(奥田瑛二)ペア。さらにとなりにはエリ(福田)と時夫(横山)ペアがいたりすることも充分ありえる展開だった・・・か?
で、『拝啓、父上様・最終話』(フジテレビ070322PM10~)脚本・倉本聰、演出・宮本理江子を見た。まあ、なんと申しましょうか。一平は1月4日から30日が計算できないと・・・板前として食材を腐らせてしまうだろう。
新潮文庫「愛が好きです」(中島みゆき・1982)という中島みゆきの初期歌詞集があるのだが、某所にコメントを書くための参考資料として手にとると序文が倉本先生だった。ここで倉本先生は北の国で鬱状態になっているところを躁状態の女性に襲われるという体験談を紹介している。ま、中島みゆきのための序文なので「異国」を聞かせると躁状態がピタリと治まるというネタなのだが。躁状態の女性が八千草薫のようだったのではないかと妄想してしまいました。
夢子(八千草)は姥捨山へと向かう車内でボケたり、はしゃいだりしているのだが、歌う歌が「誰もいない海 二人の愛を確かめたくて」(『17才』/南沙織/森高千里)である。ああ、楽しい夢子の痴呆。そして向かう先は「党の迎賓館」なのだった。
さて、話は遡るが、憧れのお父さんとナオミの父親が同一人物だったために、仔犬の思考力の限界を超えた一平はトゲトゲしくなってしまう。もう23才とは思えぬスネぶりである。「オレはペットじゃない」などとペットとは思えぬ言動なのである。
雪乃は飼い主としてなだめようと努力するのだが、いじけた一平は「お父さんじゃないとか言われても嫌だし、お父さんだと言われても嫌だし」ともう自分を見失った展開。その頃、時夫は着々とエリに接近していた。エリにはちっともその気がないくせに、他の男に手を出されるとなんだか、ムッとする一平。時夫を問い詰めるが軽く交わす時夫。エリからの情報で事情通になっているので二人の仲はかなり進行しているのである。もちろん、一平には理解できないようです。
仕方なく雪乃はナオミを急襲。ナオミは父・冬彦を急襲。そして冬彦は一平を急襲。「ボクは君の父親ではない宣言」・・・一平、ああ、この人がお父さんならよかったのになショボンである。おいおい、本質を見失いすぎだろう。冬彦はついでに雪乃を急襲。「ボクは恋をしていますよ。恋ができなければおしまいですから。妻が自殺したって恋をするのです。ところであなたは今特別な人は」「いませんよ」しっぽりなのか。・・・しっぽりなのですかーっ。それにしても子種を渡しても眼中になかった一平の実の父親・・・哀れ。「あなたとはプラトニックな関係だったけど一平の父親はあなたです」ってもう哲学ですかっ。
夢子を送り届けた駐車場。エリ「芸者になるために学校やめた宣言」一平「それってあのオレのせいですか」エリ「それはあるけど、もういいの。かえってスッキリしたの」一平「あの、時夫が変なことしたりしてたりして」エリ「胸をさわらせてあげたの。お兄ちゃんみたいにギュッとじゃないけど。でも、オス。こんなことを他の人にさせてはいけません。自分だからよかったのです」一平「あーっ、なんてことを」エリ「お兄ちゃん、ずっといい友達でいようね」・・・大人の階段上る~(「思い出がいっぱい」H₂O)の歌の幻聴が聞こえてきました。
そして、「坂下」の向かいの家、破壊。エリをなぐさめようとする一平の手を逃れ、走り去るエリ。ああ、もう、女心を分かってもらおうなんて無理なんだってば・・・。
竜二(梅宮辰夫)はもう店を今日限りでやめる宣言。「女将さんのいない坂下には興味ない」・・・夢子一筋包丁一本なのだった。まあ、限りなく、父親候補だな。一平にたくさんの選択肢と左利き一平包丁を餞別としてプレゼント。見送りを申し出る一平に「お前には逢わなくちゃならない人がいるだろう・・・」韓国ドラマにもあるのか、このテイストが。
ついに一平にも決断の時が。仔犬から成犬になるときが来たのです。
「りんごだ。りんごを投げてもらうんだっ」
尻尾をふりふり、彼女のいる店へ。しかし、そこには彼女はいなかった。がんばれ、一平、もう時間がないぞ。そこへ飼い主から電話が。ブリーダーとしていい犬を手配したのであった。日曜日もフランス語になって、さらに面倒くさい展開だけど血統書付である。
そして・・・どうやら、一平はちょっぴり大人になったらしい。いい飼い主なのでお使い犬としてがんばっている。エンディングテーマはスーパーマリオの水中面みたいの呼び声も高い「バピエ」に戻り、犬的にはまあまあのノスタルジックなハッピーエンドに突入。すべては消えゆく、思い出もやがて・・・である。
ドラマ終了後、そこはかとない喪失感で倉本先生が鬱にならないことをひそかにお祈りします・・・。
神楽坂猫の諸君、お疲れ~。
関連するキッドのブログ『第十話のレビュー』
これでキッドが連続レビューした冬ドラマはすべて最終回を迎えた。視聴率ベスト3の「華麗」「花より男子2」(一度脱落)「ハケン」・・・。ドラマとしては佳作の「東京タワー」と「拝啓」・・・。主役を立てないという離れ業の連続で駄作となった「ヒミツ」・・・。近来稀に見る失敗作「演歌」・・・なんていうか。見事なラインナップだったな。しかし、「ヒミツ」も「演歌」も魅力的でなかったわけではない。「わるい」とか「エライ」とか「妻浮気」とか「キラキラ」とか・・・語る気にもなれないドラマよりも良かったのだ。いや、あくまでキッドの個人的な感想ですから。春ドラマはもう少しドラマレビューから離れたいのだが・・・なんか、どれも魅力的なんですけど・・・。金曜日が特に困ったことになりそうだな・・・。
日曜日(土曜深夜)に見る予定のテレビ『ゼブラーマン』(TBSテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
かなかな面白かったですね。結局、肝心な部分は分らなかったけど一平とナオミもうまくいって、続編も出来そうな終わりだったので・・・。時夫が婿養子になればいいのに・・・。
来クールもよろしくお願いします♪
投稿: お気楽 | 2007年3月23日 (金) 22時34分
キッドじいや、こんばんは。
これでも神楽坂だぜぇ~っと言わせてしまった
ドラマでした。お陰で神楽坂詣でが人気だそうです。
確かに残る日本の現風景がミスマッチでステキな
部分ではありました。
焦点の絞りきれない、ドラマのままの終わりでした。
投稿: mari | 2007年3月24日 (土) 03時06分
竜さんが父親だと何かなまなましくなっちゃうんで・・
できれば行きずりの人であって欲しいですね~
もう、一平の父親は誰でもいいっていうか・・
続編、保さんじゃな~
時夫は加賀まり子さんの所へ行っちゃうのでしょうか・・
意外と他の水商売やヤクザな道に入ってたりして、
道でばったり再会とか・・
春ドラまだチェックしていないのですが、
またどうぞよろしくお願いします~
投稿: きこり | 2007年3月24日 (土) 09時49分
✞✞エコエコアザラク✞✞お気楽様、いらっしゃいませ✞✞エコエコザメラク✞✞
冬ドラマレビューお疲れ様でした。
このドラマはお気楽様がストレートに
楽しめてる感じでしたよね。
前略パターンだと
二宮は別のお店で
新しい女将の元で修行を続ける・・・。
ということになるわけで
お楽しみ要素として旧坂下メンバーも出るという感じ?
女将には岩下志麻。
花板に渡哲也。
困ったヒロインに北乃きい。
マドンナに黒木メイサさもなくば蒼井優(浮気?)
みたいなのはどうでしょう?
投稿: キッド | 2007年3月24日 (土) 13時20分
❁~✾~❁~~✾mari様、いらっしゃいませ✾~~❁~✾~❁
あんな子供なんて生まなきゃ良かったとか
こんな親から生れたくなかったとか
人の心にはそういう暗がりがあって
それを口に出したりすると
世界も暗くなってしまう。
一平親子には母一人子一人の絆が深いだけに
母として心を傷めつつ
女の意地も通したい雪乃の
「なんとかしなくちゃ」
という頑張りが
心に沁みました。
ケンカしても
スレちがっても
最後は親子。
大女将と女将。
女将とエリ。
冬彦とナオミ。
竜二と故郷の親。
澄子と子供。
さりげなく配置された周囲の親子たちが
主役母子の影になり
絶妙のドラマでした。
投稿: キッド | 2007年3月24日 (土) 13時31分
❆❆コタツミカン❆❆きこり様、いらっしゃいませ❆❆チョコレート❆❆
そうですねぇ。
続編があるとすると
雪乃ちゃんとワケアリの
新たな父親候補が登場。
こいつが父親というのは勘弁して欲しいみたいな
まあ、原田泰造みたいな・・・。
もちろん、結局違ったオチでいいわけですから。
坂下旧メンバーは背景に交代して
新たなお店が舞台になる。
一平は少しボジションがあがり
ライバルが登場してもいいですね。
時夫は少し加賀さんのところで修行して
婿養子として新坂下にもどるかどうかで揉める
というのがヒトネタになるでしょう。
芸者のエリもお酌さんとしてからんでこれるし。
療養所の大女将も一回くらいゲスト登場して
「巣鴨でキムタクとマリーアントワネットが
おしのびできていたのね・・・」
などと時空を超越した新たな真相を・・・。
にゃー。
投稿: キッド | 2007年3月24日 (土) 13時46分
夢子さん、本当は呆けてなかったりして…。
でも七福神めぐりの時のはしゃぎっぷりと走る姿を考えると、やっぱかなぁ…。
しかしあの二人だけには「分かってますよ」って言ってたし。う~む、まだらボケか?
希望としては、ホントは呆けてるふりした夢子さんのかなしみと処世術を次のドラマにして欲しいなぁ。
ところでキッド、元気なようでなによりですわ!!
投稿: ななせ | 2007年3月24日 (土) 18時17分
こんばんは!
今回一番気になったのは、一平の本当の父親の存在価値と言いましょうか、やはりそこです。
別に知らなくていいとは思っているんですが、雪乃の思いを聞いていたら、何だか気の毒に思えてしまって。
津山との失恋で雪乃はかなりやけっぱちになってたんでしょうか。
続編は作れそうで、作る気は無いんじゃないかな、というように感じました。
ドラマの人たちの生活は、こんな風にずっと続いていくんでしょうが、この先はそれぞれの妄想の中で・・・と言う感じでいかがでしょうね。
夢子さんに負けないくらいの面白い妄想。
キッドさんお得意そうですね。
僅かの間でしたが、お付き合いどうもありがとうございました♪
またどこかでお会い出来るといいですね^^。
投稿: さくらこ | 2007年3月24日 (土) 18時24分
*:.。..。.:*・゚ななせ様、いらっしゃいませ゚・*:.。..。.:*
今朝、ウチダくんと電話で話していて
あぺさんの話題が出ていまして
まあ、他愛もない原稿の話なんですけど・・・。
そこへこのコメントなので。
軽くシンクロニティーの神秘を感じています。
お元気ですかぁ?
キッドはこの通りでございますーっ。
夢子さん詐病説はキッドも疑うところなのですが
痴呆というより躁病的妄想の発症ですしね。
嫌気がさして「消えます」の延長線上のことかも
しれないけど
それだと律子やエリ対してあまりにも
情がないので
ここは「まだらぼけ」というか
正気と狂気を往復している人格障害なのだな・・・。
と推測しています。
ま、ボケてるフリだとすると
作っている妄想があまりにもぶっとんでいるので
天才になってしまいますけど。
それにしてもこのドラマ
倉本先生の男のロマン追及の姿勢が
ちょっと病的に思えるキッドです。
それはさておき、
ななせ様、また遊びに来てくださいよーっ。
(七瀬サン。ワタシハアナタノ崇拝者デス)
筒井康隆『七瀬ふたたび~邪悪の視線』より
投稿: キッド | 2007年3月24日 (土) 21時06分
❀❀❀✿❀❀❀~さくらこ様、いらっしゃいませ~❀❀❀✿❀❀❀
そうですねぇ。
とにかく、隠すというより存在も抹消されている
そういう相手なわけですから・・・。
子供自身の権利から言うと
だからといって知る権利はあるという主張も可なわけです。
ま、女のロマンなんか、知ったことじゃない
というとミもフタもないわけですが・・・。
DNA鑑定の技術が確立された現在では
隠し通せる秘密ではないのですが
昔の父親なんていうものは
信じるしかなかった
子供との血縁。
意外と女のロマンの結晶は
巷にあふれていたのかも
と思ったりもします。
それにしてもやけっぱちの結晶である一平。
・・・哀。
まあ、ろくなもんじゃねえ親から生れた
ろんなもんじゃねえ子供で
世界は回っていくとも言えるのですけれど。
妄想が広がるのは
どこにでもありそうだけれど
本当はない「拝啓ワールドの住民」たちの
息遣いが聞こえたからでしょうね。
近所の人々が明日はこうなるだろうと予想がつくように
登場人物の明日が想像できる
そういう造形力はやはり匠のワザなのですねーっ。
キッドは高島礼子さんの
声の美しさに魅了された
「拝啓」
それだけでも名作と呼びたいくらいなのです。
さくらこ様、またお会いできるのを楽しみにしています。
投稿: キッド | 2007年3月24日 (土) 22時27分