・・・出して、出してっ。(釈由美子)
・・・ああっ、久しぶりにスパムみたいなタイトルに。っていうか、釈にもっといいセリフ言わせてくれよ。ちなみにこのセリフはオフで食べてはいけないものを食べた修(池田鉄弘)が「小娘、どうしよう?」と言うのを受けてオフで月山(釈)が言うのである。画面は智(要潤)がニヤニヤしている。ほのぼのとしたいいシーンであるので、変な想像をする人はいけない人。
でもさぁ。狙っているだろーっ。この「親しき仲にも札儀あり」がっ。
先週、主役としてがんばったご褒美なのか、いきなり、担当に復帰している釈。「初めて居場所を見つけられた気がする」まで言うのだ。しかし、「花より男子2」の滋が去った後のようにつかの間のほのぼのの後の修羅場というか、いじいじシーン突入である。今季、様々にかぶり続ける連続ドラマたちだが、ここではストーリー展開のパターンがかぶっている。
今季は何作かドラマを視聴していればそのかぶりぶりにちょっとあきれる。特に主役の造形。「恋愛に対して奥手でにぶくて臆病で当たってくだけない」という性格設定の連打。確かに、そういう主役は感情移入しやすい典型だが。別のベクトルだってあるはずだろう。つくし、ひまわり、マーくん、一平、大前、鉄平、最後の二人は異論もあるだろうが、キッドには同じに見える。そして女子の極めつけが月山である。ええーい、こんなヘタレばっかの主役でみんなは楽しいのかーっ。・・・失礼しました。
で、『ヒミツの花園・第十話』(フジテレビ070313PM10~)脚本・永田優子、演出・二宮浩行を見た。そういう主役なので、脇役がちょっと積極的行動に出ると思いっきり悪役に見える。ここでは変な帽子の女・みすず(松岡璃奈子=松岡姉妹の妹=のだめカンタービレの萌)がそれである。もはや異常性格に見えてくる。いや、病気ということでは川村(真矢みき)の図々しさも充分病気だし、変な男とからむみなえのママ美那絵(滝沢沙織)もかなりおかしいのであり、ラブコメの鉄則、「ちょっと変な人が恋をしてしまうから面白い」で言えば正解なのだが、それは主役がそうであるべきなのであって、脇役があまり、調子に乗って変だと「いやな奴」に見えてくるのである。
特に主役のターゲットに恋敵として登場するともう目もあてられない状態に。キッドは別に東京ガスのまわしものではないが、TVCMサイトを紹介しておく。「マイホーム発電・読み合わせ編」でさわやかな松岡璃那子が見れるからっ。ついでにあの人も見れます。こんなところで共演していたのだなっ。
で、釈は「告白していい関係が壊れるよりもぬるま湯でいい」などと言うおいおい風邪ひくぞ的なキャラクター設定なのだが、恋の相手役もまた「弟たちが傷つかなければ他人はどうなってもいいのでできれば他人にかかわりたくない」というキャラクター設定である。二人は「恋愛なんかしなくても人は生きていける」という共通の価値観を持っている。それが現代の日本の適齢期男女の本音なのかい。そりゃ、婚期も逃すわな。
で、この二人に割ってはいるのがみすずである。基本的にはデリカシーが「不思議系」なので無神経にも見えるタイプ。しかも粘着質である。初回、彼女は見晴らしのいい場所で航(堺雅人)がスケッチしているのに出会い、恋をする。みすずにはペットというか、男奴隷がいて拓実(山本裕典)である。拓実はみすずを恋人と考えているのだが、みすずにはその気がないというあたりがもう嫌われそうだ。みすずは自分にふさわしい男として航に狙いを定めるのであるが、最初の告白でふられている。この時、拓実を同伴しているのでもうとんでもない女だと認識されるのである。だが、一目惚れした相手に勇気を出して告白するのがそんなに悪いことですかっ。
視聴者がもう、全然味方じゃないので、問題にされないのだが、みすずは深く傷ついたのです。ここでターゲット外なのだが、視聴者の多くが可愛く思っている陽(本郷奏多)がからむ。彼は「みすずには航は高望みすぎる」とバッサリである。みすずに敵意を抱いている視聴者には胸のすく展開なのだが、みすずはさらに深く傷つきました。このあたりから、みすずの心はあきらかにダークサイドに堕ちていくという描き方をされている。片岡家の情報を詮索し、知られたくない秘密に肉薄するストーカーになるのである。でも、それは恋する者にはありがちなことですから。あきらめられなくていいじゃないですか。どの時点でみすずが「片岡家のヒミツ」をつきとめたのか、微妙であるが、「弟が血縁ではない。その弟の親が片岡の盗作問題にからんでいる。そのために愛しい人(航)は茨の道を歩いている」という直感はかなり早い段階で得ているのではないかと思われる。そこで彼女はその障害を取り除こうと決意するのである。これは愛しい人が自分を愛してくれないのはその障害があるためだという明らかな錯誤が介在しているのだが、恋は基本的には錯覚のようなものだから仕方がないのです。相手が迷惑と思えば邪恋になるだけだ。そして、次々と片岡家のヒミツを暴露していくのである。「四男の血縁関係」「片岡家の盗作問題」と秘密を公にして狂気に陥った彼女は再度の告白を試みる。だって愛しい人を重荷から解放したのだから愛されるはずなのだ。もちろん、航にとってはいい迷惑だから、「好きです。あなたも。あなたの描く絵も」というみすずに「この傲慢女め、二度と顔を出すな」とつれないのである。みすずの心は打ち砕かれました。航の怒りは彼女を経由して航の宝物である陽に向かう。彼女は単なるメッセンジャーなのだが、「あなたは邪魔だ」という言葉はどうしようもなくどす黒いのである。ああ、恋は人を地獄に落すのである。だから、臆病になるのですって堂々巡りですけど。
航とみすずの愁嘆場を目撃した月山は問いただすこともせず、立ち去る。なにしろ、航と月山は「何でもない仲」なのだから。智は弟として兄に「追いかけろ」とそくすのだが、「血縁のない弟」のことで頭が一杯の兄は「さらにただの関係のない女」などどうなってもいいモードに。智は月山に恋しているので月山を追う。実は月山は智には最初に恋をしていたのだが、月山にとってはひどい悪戯をされた過去があるので、智を恋愛対象として見直すことはできない。臆病な女は心のせまい女でもあるからな。もちろん、月山の中にも奔放な部分はあり、迷いもある。智の愛を受け入れたい気持ちもあるのであるが、「恋に奥手=純情」の法則を打破することはできない。そんなことをしたら数少ない視聴者の支持をさらに失うからである。このあたりの機微は一切説明されないので、表面上の月山はひどく知能に問題のある人にも見えるのであるが、「それとなく」ということができないという描写もあり、知能にまったく問題がないわけでもないと見えるところがこの脚本の穴である。もう、これ以上はこの点を責めるのはやめにしておく。ある意味、これはこれでいいのだからな。
「好きだけど好きだといえない二人の恋」は人類が滅亡した後にかかる虹のようなものだから、なんとかしなければならない。そこで自分も告白はできないのだが、他の誰かにはお手本を示してもらいたいと考える次男・修が長男・航に噛み付くのである。「あんたが告白しないのは他の誰かのためじゃない。自分が傷つきたくない。ただそれだけなんだ」なのである。四男の出自や片岡家の過去にまつわる話のように聞こえるかもしれないが「好きな女に好きって言えないなんてそんなお兄ちゃんはいやだ」という話なのである。
兄が「好きだ」とは言えないが「嫌いだ」とは言えるという性格的欠陥で投げた波紋は前述のようにもっとも守りたかった四男・陽を傷つけ、ついに封印の扉は開かれる。陽を追って主人公が禁断の部屋へ。そしてその背後には「腰のあるマシュマロなんて想像したくもない男」が・・・。幼い視聴者たちが志村けんいや月山に向かって後ろに、お化けがミイラ男がジェイソンが貞子がエイリアンがいるよーっとそれぞれのこわいものを思い浮かべ絶叫しつつ、つづくなのである。
関連するキッドのブログ『第9話のレビュー』
予告編。花嫁衣裳。へそだしなのか。あー父さん母さんなのかーっ。アーッ感謝してますなのだな。鳴海先生(堺)、お願いだーっ。「好きだー」って「好きだー」ってイズコ(釈)に言ってやってくれーっ。それで八方まるくおさまりますからーっ。最終回なんだからー主役にスポットライトを当ててくださいませーっ。
木曜日に見る予定のテレビ『拝啓、父上様』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
こんばんは!
陽に対するみすずの復讐だったわけですね。
一度傷ついた恋心を振り向かせたいための策謀というわけですか・・それにしてはプライベートに踏み込みすぎて、逆に嫌われるということがわからなくなるほど恋って盲目なんですね。ええ、もちろん脳みそ春まっさかりのあたくしもよく分かります・・てへっ。
今週の釈ちゃんは変な服も着てなかったですが、テンションあげたかと思うとたちまち下げまくりやはり華が足りないわね。しかし修がアドバイスを求めてくるとは・・びっくりな展開でした。扉が開いたわね・・あの先には無数の手があるの・・恐いですっ!!
投稿: かりん | 2007年3月14日 (水) 21時49分
まぁ最後くらいは鳴海医師にハッキリ告白してもらいたけど、出来るのかなぁ?結婚が決まってから田中ちゃんのように奪いに行くのか?どっちもなさそう・・・。
投稿: お気楽 | 2007年3月14日 (水) 21時57分
あぁ、せっかく前回主役として輝いてたがっさんなのに、
今回は又もや亮子・・・ついでにみすずにも持っていかれてやんの・・・・( ̄。 ̄ )ボソ...
智の事をふっちゃうのは、やはり主役としては
この程度の男には落ちないわよぉ~との
プライドなのかっ!?
と、言う事なので、傷ついた智の心を癒すのは、このあたしなのデス、(妄想中)はぅ~ん♪
投稿: まこ | 2007年3月15日 (木) 15時44分
✿❀✿❀✿かりん☆スー様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿
じいやは嫌われ者につい手を差し伸べる傾向があるようです。
ま、ヘソが背中についているので・・・
おみせできないのでございますが・・・
あ、おやめくだされーっ。
それだけはお嬢様でもお見せできませーん。
まったく、釈ちゃんの持ち腐れです。
ま、美人を使って一般大衆にアピールする
セリフが書けてこそ
脚本家は一人前だと思うのですが・・・。
この作者は
今季の中園ミホ・大島里美をじっくり研究するといいのです。
お嬢様はどSなのに
こわがりでございますからね。
じいやがお化けの話をすると
夜中にトイレにいけなくて
お泣きになっていたころが
忍ばれますのでございます。
投稿: キッド | 2007年3月15日 (木) 23時41分
✞✞エコエコアザラク✞✞お気楽様、いらっしゃいませ✞✞エコエコザメラク✞✞
月山くん。君は担当と作家は家族のようなものだと・・・。
それはまちがっている。
君は家族に何があっても〆切守れと言えますか。
君は家族に向かって連載打ち切りと言えますか。
・・・だから、担当やめて
ボクとケッ、ケケケケケケ・・・・。
ま、とにかく、月山を中心にしたハッピーエンドを
キッドは希望します。
最終回、一郎くんとしゃぶしゃぶの結婚式だったりしたら
関西テレビに抗議しますーっ。
投稿: キッド | 2007年3月15日 (木) 23時48分
●no choco●まこ☆ミキ様、いらっしゃいませ●no choco●
そもそも、がっさんっていうニックネーム。
オヤジギャルかっ。
という気分いっぱいのキッドです。
少しでもファン層拡大につながるのかな。
オヤジギャル好きに・・・。
いや、そもそもオヤジギャル好きは
しゃぶしゃぶが持っていくだろうしな。
結局、智ロイド発注なのですね。
お嬢様が遠まわしにおねだりするとは
奥ゆかしいのでございます。
来週は四兄弟ロイドのそろい爆破か・・・。
航ロイド、智ロイド、陽ロイドはお相手があるとして
修ロイド・・・一人で自爆・・・。
そしたらねー。
投稿: キッド | 2007年3月15日 (木) 23時56分