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2007年3月 4日 (日)

雪ん子のコスプレってことになると一応妖怪になるわけですがそれが何か?(福田麻由子)

子供の妖怪というものは大抵哀しいものである。座敷童も河童も基本的には子供の霊の表現にすぎない。基本的には水子である。もちろん、幼くして病や事故でなくなったものや、人柱として神前に捧げられたもの。すべてかよわきがゆえに命を失ったもののシンボルである。

甲信越地方を根として全国に広がる雪ん子は「雪女」の使い魔として流布される。雪女は山姥の変化形でもあるから、食人の餌として雪ん子を使役するのである。雪ん子は可愛らしい童女であり、主に子供を誘い、雪女がそれを捕食するのである。

そんなものにコスプレさせられて、本人がどう考えるか別にして、少女時代のひまわり(幸子)が分裂人格として徐々に力を失い、同化しつつある今回。ひまわりの「恋の病」はひたすら進行を続けるのだった。

で、『演歌の女王・第八幕』(日本テレビ070303PM9~)脚本・遊川和彦、演出・岩本仁志を見た。幻想のあずさ2号に乗って北の国へと旅立ったひまわり(天海祐希)とマネージャー萩本(段田安則)なのだった。当然の如く今週の演歌は『北の宿から』なのである。「着てはもらえぬセーターを寒さこらえて編んでます」なのだが、どうしてそんなに「好きなの」と視聴者を疑問の渦に巻き込みながらついにここである。ヒトシ(原田泰造)の男としての魅力のなさがいけないのか。そうなのですか。

大宴会場付の旅館の演歌ショーで心機一転やり直そうとするひまわり。ふとん部屋に住み込みで日中は女中としても下働きをするという契約。しかし、問題はそんなことではないのである。ヒトシという人物中毒・・・つまり恋という病・・・であるひまわりはたちまち禁断症状に見舞われる。発熱・悪寒・頭痛・幻覚など様々な症状がひまわりを襲うのである。心の病はすなわち「わがまま」であると言ってのける人も世の中にはいるのだが、人の心という複雑怪奇なものは身体に異常をもたらす充分な力を秘めているのである。悲しみが人の体に穴をあけ、喜びがその穴を塞ぐこともあるのだ。

東京に残された貞子(成海璃子)と信(武井証)は電話で「師匠の帰りを待っている」と励ますのだが、信をヒトシの付属物としか見ていない恋するひまわりには忘れようとしていることを思い出させる病状悪化の要因に過ぎない。

そういう意味でヒトシ欠乏症に陥ったひまわりは体調の変化を感じつつ地元テレビのインタビューには「悩んだり苦しんだりもあったけど今は歌ひとすじ、心のままに生きていこうと決めました」などと意味不明のうわごとを言いつつ、ステージに出るのだが・・・。

女のわかれ道の二番らしい。

倒れても くじけても 幸せ信じ 生きていく

あなた恋しくて 奄美行き

抱いて抱きしめて津軽宿

霧かすむ女の・・・・・

南の奄美から北の津軽へメチャクチャな移動に心身が耐えられなくなったのか。歌の途中でステージに昏倒するひまわり。心の病=わがままの論者には「いくじなし」とか「根性不足」というフレーズがかけめぐる瞬間だろう。とにかく不死身の体を持つひまわりとしては発熱ぐらいで意識を失うのは脚本上のご都合主義と言われてもしょうがない場面だが、しかし、人の心は複雑怪奇なものですから・・・。

熱にうなされるひまわりへヒトシの妻・真佐美(酒井若菜)から電話が。「ヒトシさんが恍惚の母を殺して自分も死のうとネットで安楽死のための毒薬を入手しようとしているらしい。ひまわりさんから説得してやめさせて」というお願いである。ひまわりは「それは妻のあなたの役目でしょう」と心を鬼にしようとする。しかし、幻覚では「母を殺した」とヒトシが布団部屋に現れ、心配で仕方ない。薬を買ってきたマネージャーはそんな心中を驚くべき洞察力で察し、「そんなに心配なら東京に会いに行け。会いたくないなら影からそっと助けてやれ」ともはやシナリオを先読みしたようなナイスアドバイスをする。

女の分かれ道で幻想の幸子は「もうあきらめた。あんたみたいなどうしようもない女になるのはイヤだけどなってしまったものは仕方ないものね。そんな女でも生きていかなくちゃならないんだものね。あなたはあなたでしかないんだから。おゆきなさいよ」と上位自我としての責任を放棄するのだった。どんなに吹雪が吹こうともなのだな。

東京に戻るとさっそく恍惚の母(池内淳子)は行方不明である。どうやら若い頃に分かれた恋人タカアキさんに会いたい一心であるらしい。こうなったらタカアキさんに会わせようと温水刑事に個人情報漏洩の罪を犯させて近況を照会してみるとすでに故人だった。

それにしてもひまわり、ヒトシに接近しただけで病の影が消失し、ピンピンなのである。まさに心の神秘だ。以前にも発見した川のほとりのかけおち待ち合わせ場所でひまわりと真佐美は恍惚の母を発見。呉服屋に連れ戻すと突然「ヒトシにタカアキさんになってもらおう」とひまわりが言い出す。まことに都合のいい症状である。以前はタカアキさんモードになるとヒトシは誰だか分からなくなっていたはずだが。

真佐美に作戦を授け物陰に隠れるひまわり。ヒトシと真佐美と恍惚の母の芝居が始まる。「タカアキさん、私には夫を愛し、店を継いで、子供を育てていく自信がない」という母に「いや、あなたは、それをやり遂げます。子供たちは立派に育ちます。次男のヒトシはろくでなしですがお母さんを誰よりも愛していますから」と詐欺の常習犯だけに嘘はおてのものなのだった。ホッとして抱き合う恍惚の母と不肖の息子。見守る妻。物陰でひまわりは複雑な思いをかみしめる。

その証拠にひまわりは病室に向かうのである。仕事を終えてもさっさと帰らないところが恋の未練というものだからな。そして、歌手ひまわりとしては不運、恋するひまわりとしてはラッキーなことにヒトシと遭遇してしまうのである。もちろん、ヒトシはひまわりの行動はお見通しである。その証拠にひまわりへの贈り物(店の小物)を用意しているのである。

ヒトシと会話して心華やぐひまわり。バカにつける薬はないというのはこのことなのだな。

一時帰宅したひまわりは子供たちのカップラーメンの宴の誘いになかなか応じず、ヒトシの匂いのするような赤い反物、ひまわりの髪飾りに頬をスリスリと恋する乙女にひたる。そして狂人ヒトシの罠である「母を殺して自分も死ぬ遺書」を発見してしまう。ああ、もう、わかったよ。もう、どうしようもない運命なのですね。

病院に行くとヒトシは母に毒薬を注射する寸前。夜更けの病室で大騒ぎでナースがかけつけてもよさそうなのに来ない。「自分を守ってくれない母には耐えられない」と「甘えん坊」の正体を露呈してひまわりに甘えるヒトシ。もちろん、こうなることを見越しての遺書なのである。しかし、二人の話を聞いた母は自ら「生まれてきてくれてありがとう」と親バカを貫き、自ら毒薬を飲んでしまう。

たちまち大騒ぎになる。病室。湧き出るような関係者である。しかし、介護施設と病院の区別が非常にあいまいだなぁ。温水刑事が来院していたりしてここは介護施設も完備した病院ということになるのだろうが。徘徊癖のある老人を収容する施設にしては・・・まあ、これ以上の言及は避けておくが。母の心音は戻らない。薬の存在についてひまわりを詰問する医師。

計画外の出来事に錯乱したヒトシは廊下で暴れ、病院関係者に傷を負わせる。もうメチォクチャである。そして逃走。それを追いかけるひまわり。道路に飛び出すが車がヒトシを微妙に避けるので志田医師はついに出番を失う。

ヒトシはひまわりを引っ張ってかけつける警官たちから逃げ出す。「一体二人はどうなるの」とここまで見ていた視聴者の誰もが心配にならないのではないかと危惧しつつ、つづくなのである。

関連するキッドのブログ『第七幕のレビュー

来週は貞子が小ひまわりデビューを果たすらしい。もう、そういうところしか楽しみがない。ひまわりの父が登場しようが、ひまわりの弟が投資に失敗しようが、ヒトシが逃亡しようが、みんな、興味ないよねーっ。

月曜日に見る予定のテレビ『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(フジテレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン

Hcinhawaii0095_1 H☆Cイベント速報。もう3月なのであるが、H☆Cは先月、札幌雪祭りに雪像参加していたのだった。北海道在住の歌の先生ミマム様とダンスの先生aki様とイベント後の記念撮影。

かりん☆スー「ごっこやデートばかりじゃなくて仕事もしていまスー」

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コメント

最後まで見た人には何か商品でも出して欲しいものです。
終り方がいつもと違ったけど、1週早く警察に捕まって終ってしまっても構いません。

投稿: お気楽 | 2007年3月 4日 (日) 22時31分

✞✞エコエコアザラク✞✞お気楽様、いらっしゃいませ✞✞エコエコザメラク✞✞

まったくでございますとも・・・。
キッドとしてはこんなことなら
土曜日はめちゃイケレビューでもしていればよかった
と何度も思いましたが
ま、これはこれで毎回、どうしようもないドラマを
面白がるという視点の開拓が
できたような気もします。
ま、本編視聴に際しては
麻由子、璃子コンビの魅力に
すがるような状態でございますけれど。

貞子VS雪ん子妖怪大戦争とかなら良かったのに・・・。

投稿: キッド | 2007年3月 5日 (月) 02時22分

こんにちは、こちらにもお邪魔します
今回は、どうなんでしょうね。
全体的に暗かったし、唯一の光だった貞子が見ていてもなかったし、
最後の口上もなかったし・・ 奄美行きにはビックリしましたがね。
あと何人のレビュアーが残ってるんでしょうね、
みなさんが続けているのは心強いですが・・

来週は石田ひかりさん?


では・・
I appreciate in your cooperation.
Best Regards,Chablis

投稿: シャブリ | 2007年3月 5日 (月) 17時55分

貞ちゃんが小ひまわりっ!!!
ワーイ♪ゝ(▽`*ゝ)(ノ*´▽)ノワーイ♪

ほんのちょっとでも、こういう楽しみがあると思うと
次週テレビの前に座る際の憂鬱が薄れますぅ~!

次のお楽しみは、麻由たんと璃子たん、二人の共演が
あるかどうかですぅ~~~!あってほすぃなぁ~。

北海道はさすがに寒かったデス!
とっくりaki先生とヨンさま巻きのミマム先生に比べ
H☆Cは半袖姿なので、ブルブルでしたヨ!
でも、アイドルなので、笑顔笑顔♪

投稿: まこ | 2007年3月 5日 (月) 19時26分

▯▯black rabbit▯▯シャブリ様、いらっしゃいませ▯▯black rabbit▯▯

お約束の崩壊が予定のものだったのか、
なんらかのプレッシャーによるものなのか。
想像の膨らむところですが
まあ、かなり共感を得るのが難しいテーマを
拙い演出でドラマ化すると
誰がやっても何をやってもダメじゃないか。
ということになるのだと分かって面白いです。
この手のコメディーでは
主役がドライであることがお決まり
とキッドは思うのですが
よりにもよってウェット中のウェットを設定して
もう何がなんだかわからなくなっていると考えます。
演歌をテーマということで言えば
「東京タワー」の
「うそ」「夜の銀狐」のエプロン姿の方が
よほど味わい深いし・・・。
適齢期を過ぎた女の恋を描くのなら
ドタバタにこだわる必要もない。
不幸とは何かという深遠な疑問に関してこだわるには
作者の来歴はあまりにも底が浅い。
女王の教室で得た主題を
煮詰めさせてもらえなかったことで
ヤケになっているようにも思えます。
離婚弁護士で得た「不器用に恋する女」を
天海さんがさらに特化してやりたかったのかもしれませんが
それは役者の欲望であって
作者はもう少し最初に練りこむべきだった気がします。
まぁ、キッドとしては後二回、狂い咲きを楽しみにしているのです。

投稿: キッド | 2007年3月 6日 (火) 18時10分

●no choco●まこ☆ミキ様、いらっしゃいませ●no choco●

小ひまわりでございます。
アンラッキーもひとまわり小さくなって・・・。
小娘のわかれ道でございます。
っていうか、璃子ちゃんの歌ってはじめてなの。
そんなに発音のいい方じゃないから
ちょっと心配です。
ま、歌わない可能性もございますが。

麻由子と璃子共演はもはや心霊現象ですが・・・。

じいやが多忙でなかなかに
H☆Cの活動レポートに手がまわらず
申し訳ございません。
「うーたーばん」「ヘイヘイヘイカコイ」とか
音楽番組に出演したり、レギュラー版キャンペーンで
全国を回ったりしているのですが・・・。
ようやく、すでに開催終了した雪祭りレポート。
本当はヨン様雪像とあんぱんち様の
ポートレートなんかもあるはずなのですが・・・。
それにしても雪祭りのヨン様、
どう見てもリアルあんぱんち様にしか見えないのです。
ま、H☆C関係者限定ですけど。
お気楽様は即効で気がついていたっ。

H☆Cの冬衣装もあったのですが、
イベント会場で「でびう」歌唱があった後の
ステージ衣装での記念撮影にしました。
どうかご容赦くださいませ。


投稿: キッド | 2007年3月 6日 (火) 18時23分

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