栃木県から東京都まで新幹線で一時間で来てっ。(黒川智花)
休憩中の教室で、女子高校生(黒川)が男子高校生(水嶋ヒロ)に愛の告白である。彼女は成績優秀、スポーツ万能のマドンナ的存在。彼はイケメンだが、地味な男の子。突然の事件に教室は静まりかえる。・・・初恋コメディーである。
舞台となるのは田舎町。アイディアは「子供のころのごっこがいつまでも続いたらどうなるか」という一点である。この場合は「お姫様と家来ごっこ」である。
キッド的に見ると答えは「かなり気が狂う」のであって、「気が狂った姫の愛の告白」は爆笑の連続となる。もちろん、それは一過性の「恋の狂気」なので嵐が過ぎ去れば日常に戻っていく。ふつりあいな二人がその後も愛を暖めるという結末はロマンスだが、たまにはこういう話もいいのである。
「第六回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞」の受賞作である。賞金800万円は高いのか、安いのか、微妙なところなのだが、誰もが書けそうな素材で誰もが書けない面白いものを書くというハードルを突破したものはそのくらいの成果を得ても問題ないと思う。ここから果てしないサバイバルレースに参加するのであり、その準備金としてはやや不足かもしれないけれど。
で、『彼女との正しい遊び方』(テレビ朝日070323PM1115~)脚本・朝倉寛、演出・木内麻由美を見た。「新キッズ・ウォー」「小早川伸木の恋」「特命!刑事どん亀」「Xenos」など地味に主題歌担当しているナナムジカ1stアルバム「ユバナ」より「アメノチハレ」がエンディングテーマになっている。変わりなく地味で良いです。
小学生の頃、公園で優奈(後の黒川・北澤鞠佳・セントラル子供劇団・・・お気楽様曰く黒川に似ているらしい・・・ちなみにスマスマの粘土の王国のお姫様である)は恭史(後の水嶋・松川真之介・セントラル子供劇団)に「お姫様と家来ごっこをしよう」と持ちかける。つまりエキセントリックな女の子なのである。どのようにエキセントリック(突飛、ずれている)かというと子供のくせに企画屋である。「バレるまで続けるルールね」と子供のくせに法律を制定する。自分が勝手にお姫様になる。そして、その後、高校生になってもまだ遊びを続けている。というあたりがである。一方の男の子は平凡で、月並み。この場合、それは劣っていることを意味する。そしてお姫様にひきづられてズルズルと遊び続ける家来根性の持ち主なのであった。
まあ、こういうエキセントリックなシチュエーションの場合、本当はささいなルールなどにこだわるところをどう印象付けるかが難しいのだが、当然の如く、失敗している。ま、そこは目をつぶります。
高校に入る頃には優奈は美少女で文武両道に秀でた存在に。恭史は目立たない存在になっている。優奈には美少女の友人・舞子(江澤璃菜29thホリプロタレントスカウトキャラバン決勝進出)がいたりするのだが、恭史はオカマっぽい英昭(濱田岳)に言い寄られたりする程度である。
休日には優奈が気晴らしと称してデートする大学生との交際を影から見守る家来なのだった。このあたりはコミック『頭文字D』のとあるカップルが連想されます。幼馴染の二人は高校でもクラスメートなのだが、学校では無関係を装い、地元に戻ると自転車で二人乗りをしたりする。もちろん、「お姫様と家来」としてなのだが・・・。
そんな二人に亀裂が入る。姫が「一緒に東京の大学に進学すること」を命じたのに家来が「地元の大学への進路」を提出したのである。「私の命令に逆らうの?」と云う姫に「もうそこまでくると遊びじゃすまない将来に関わってくるから」と家来なりに精一杯の抵抗。そんな時、英昭が「二人の関係に気がついた」と報告。家来は「バレたから終わりにしよう」と言うのだが「じゃ、ルール変更。三人にバレたら終了ね」と姫の権力を振るうのだった。
大学生とのデートの日、家来は約束をすっぽかす。人気のない場所で車を停めよからぬふるまいにおよぼうとする「三回目のデートなので何かしてもいいはずだというマニュアル君」に「たすけて~。恭史~」と叫ぶ姫。どこからかかけつけた恭史。二人は逃走するが家来は名誉の負傷。そして、恭史は「もう、やめよう」宣言。
で、翌日である。姫は教室で「どうして、やめようなんていうの。どうして東京に一緒にきてくれないの。私のことが嫌いになったの。東京に行ったら一人ぼっちなのに。こんな裏表のある性格の私は誰の相手もされないのに。あなたはそれで平気なの」である。ま、いわゆるひとつのツンデレなのですが、恭史としては長年の家来根性がしみついていてただオドオドするばかりなのである。結果「たいしてとりえもないくせに学園のマドンナに何かひどいことをした男」として認知されてしまった恭史。散々である。
高校を卒業した二人。姫は東京に。家来は受験に失敗して予備校に通っている。姫からは「東京タワー」の絵葉書が届く。「日付と日時がついた呼び出し状」なのである。もう遊びは卒業したんだと素直になれない家来。予備校で偶然再会した中学時代の同級生・西園寺静香(谷村美月・花飾りギャルにコスプレ)から「優奈が中学時代に恭史とつきあっていることをヒミツにしてくれと頼まれた」と告げられ、ようやく「優奈が自分を家来ではなく恋人だと思っているらしい」と悟る。ま、この遭遇はかなりご都合主義です。いや、愛の奇跡と呼んでも良いですけど。
駅にかけつける恭史。そこにはさらに魅力的になった優奈が。「何か言ってよ」「・・・お帰り」なのであった。エピローグ。今度は殿と家来ごっこにしてもいいよという提案に即座に殿になる恭史。ほのぼのとエンドである。
ま、黒川智花が最後に本当に可愛く見えたので、素晴らしい脚本だったと言えるのではないだろうか。
関連するキッドのブログ『てるてるあした』
日曜日に見る予定のテレビ『仮面ライダー電王』(テレビ朝日)『風林火山』(NHK総合)をダブルで・・・。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
こんばんは!!
800万円も貰えるんだ・・・。すごいなぁ!!
美月ちゃんはかわいくなってましたね・・・。どんどん大人になっちゃうなぁ。志田未来じゃ子供過ぎて無理そうな役まで・・・。
水嶋くんは見た事無いと思ったら、ごくせん・仮面ライダーやってたのね・・・。
投稿: お気楽 | 2007年3月24日 (土) 20時48分
✞✞エコエコアザラク✞✞お気楽様、いらっしゃいませ✞✞エコエコザメラク✞✞
まあ、あくまで賞金ですからね。
この後、は新人としてその十分の一以下の
原稿料で稼いでいくので
結構大変ですよーっ。
しかも、売れ続けないといけないわけですからーっ。
谷村美月は笑わせてくれましたね。
カブトの水嶋ヒロも谷村も志田も出る
「わたしたちの教科書」と
ハセキョン、井川遥の「孤独の賭け・愛しき人よ」
木曜10時、激突なのですが
菅野が主演なのでキッドはおそらく「わたしたちの・・・」
になる模様。
まあ、今は金・銀の安藤美姫、浅田真央に
萌え~なのでございますが。
投稿: キッド | 2007年3月24日 (土) 22時42分
今晩は、シャブリでございます。
TBありがとうございました。
このドラマ、智花ちゃん目当てで見たのですけれど、
智花ちゃんが、ちょうどいい演技をしたと思います。
そのおかげで見やすかったかなと。
ボーダフォンのベッカムCMに出ていた智花ちゃんも
もうすっかり主役を張るようになって・・・
と、その成長ぶりに嬉しくなった45分でございました。
>>木曜&火曜の裏表ドラマ
なんとかならないのかなぁ・・と頭を悩ませています。
I appreciate in your usual cooperation.
Best Regards,Chablis
投稿: シャブリ | 2007年3月28日 (水) 23時02分
▯▯black rabbit▯▯シャブリ様、いらっしゃいませ▯▯black rabbit▯▯
黒川智花は鈴木京香っぽいと
キッドは思います。
黒川芽以をちょっと突き放してきましたね。
キッドはどちらも応援しています。
今回は良さが際立っていましたね。
主役も敵役もできるところが仇にならないと
いいのですけど。
火曜日は石原、観月、そして松山ケンイチですか。
見てからですけれど
今のところはロボが有力かなぁ。
意外とテレ東の美少女仮面ものだったりして・・・。
投稿: キッド | 2007年3月29日 (木) 23時43分