本当はツヨシだった二宮和也はタクヤとジウを国際不倫させたと八千草薫は真相を語るわけで。
それはさておき「なぜ、ナオミの父が津山冬彦(奥田瑛二)だと言わないのか」というのが今回の脚本の問題点なのだが・・・つまり、近親相姦のリスクが存在するとして、一平が「妹を愛してはいけないのでないか」と悩むのだから、父親かそうでないのかは母・雪乃(高島礼子)は答えてくれるだろうにと視聴者が思うのである。この場合、雪乃がそれでも教えない場合、「妹だろうとなかろうと好きならそれでいいじゃない」と答える場合があり、キッドなんかもわりとそう思うのだが、それはまずいという配慮があるのかもしれない。
もちろん、雪乃が「それなら教えます」だった場合、「妹」にしろそうではないにしろ、話は終るので、あえて一平(二宮)にその質問をさせなかったということになる。それはアクロバットなので、セリフのなりゆきとか、二宮は実は「ついでに父親の名前を」とか「彼女抜きでも知りたかった」とか「父親のこと」を考え出して「彼女のこと」を忘れたとかそういうずっとフリとしてある「ちょっとおバカ」な一平を強調するものだったり、様々な解釈が可能になる。自信を持ってごまかせたと思っている可能性さえある。
次に「答えられない理由」によるものだとする可能性がある。たとえば一平が雪乃の子供でもなかった場合。捨て子とか、死刑囚の子供とか、宇宙人の子供だったとかそういう場合である。父親の可能性多数で分からない場合もある。これはコメディーとしてはあまりブラックな方にはならないと思うので除外するが、北朝鮮との女性工作員と誰かの間にできた子供であるとかいう場合だ。この場合、男が津山かどうかはDNA鑑定の必要があるのである。さらに雪乃が性転換した元・男性で本当に雪乃が実の父で律子あたりが実母・・・きりがないのでやめておく。ま、「父親が誰だろう」ということでスタートしたので最後まで引っ張りたかったというだけなのかもしれない。倉本先生、実はキッドは一平の父親がだれか、あまり興味がありません。近親相姦も欠陥遺伝子の重複配合以外は科学的にそれほどリスクはないと考えますし・・・。法的な問題だけですし・・・。本当は「韓国ドラマみたい」って書きたかっただけなんじゃないんですか?
で、『拝啓、神様じゃなかった・・・拝啓、父上様・第十話』(フジテレビ070315PM10~)脚本・倉本聰、演出・西浦正記を見た。元旦に夢子(八千草薫)が狂を発し、妄想を人に語るようになって、とりあえず弁当を作って届ける一平。夢子の妄想第一弾は後のオチの前フリでもある。
病室の廊下でひそかな監視行動をする夢子は一平に「キムタクが入院しているの。不倫しているの。相手はチェ・ジウなの。秘密なのね。それがジャニーズ事務所の方針らしい・・」と語るのであった。キム・・・というからジョンイルかと思いましたよ。北朝鮮ネタからは脱出したらしい夢子だった。
ま、そういうわけで一平としては困ったことになったなぁと思うのであるが、とりあえず1月4日のナオミ(黒木メイサ)との鎌倉デートははずせない。ウキウキと出かけていくのであった。八万円代のワインも四万円代のワインも十代や二十代が飲むものではないというキッドは育ちが貧しいのでしょうね。
ともかく、ナオミはそういう気持ちはないらしく、また、半額かよとツッコミもせず、おおらかにおっとりと育ったお嬢様らしい。噂をすれば影なので、父親登場である。海岸でのデートで彼女の母親は死んだと言っている。父一人娘一人である。その父親が一平の父親でもある確率はどのくらいなのだろうか。・・・と考え始めるとドラマなどというものは成立しにくくなるのである。ウソのようなホントという言葉があるくらいなので、ウソのようなウソがあってもいいだろう。ま、キッドはウッソーと思いましたけど。
その後の一平の壊れ方もまたありえないほどだったのだが、もう一平は人間離れした感性の持ち主だということが分かっているので我慢することにする。特にバスを下車して鉄道の改札をくぐるあたりはもうもののけかと思いました。
さて、一応、解説がいるのはナオミの方かもしれない。ナオミが一平のこわれっぷりをどう感じているのかという問題である。有名人の娘というのはそれだけで重圧がかかるものである。特に成功している有名人の場合、それゆえにちやほやされる場合もあるし、邪な目的での接近という災厄もある。彼女があの年齢に達するまでに何度かそういう目に会い、経験値をつんでいる可能性がある。一平の豹変ぶりを好意的に解釈すれば「父親が有名人だと隠し事をしていた自分に腹を立てているのではないか」とナオミは想像する可能性があり、そこに危機感を感じているとすればナオミは一平に本気で惚れているらしい。
そこからは「ナオミが妹かどうか」「父親が津山冬彦かどうか」で心が一杯の一平。とっとと「ナオミの父親が津山なんだけどオレ、やっちゃっても大丈夫」と雪乃に聞けばいいのだが、仔犬の一平にはそういうポイントをおさえた質問はできない。したくても倉本先生が許してくれないのだった。で、とりあえずルオーの店でルオーの出番を作るのだった。ここでもやや精神に異常をきたしている一平。妙に怒りっぽい。自分が誰と何を話しているのか分からなくなるタイプなのだな。
ナオミからのメールにせきたてられるようにようやく雪乃を訪ねる一平。もちろん、一平が質問を躊躇する本当の理由は「もしも妹だった場合ナオミといろいろできなくなるのがイヤだ」なのである。だから「雪乃ちゃんが答えないで欲しい」という気持ちもあるのである。脚本的にはちょっと分かりづらいですけど。
結局、答えを引き出せなかった一平。おかげでナオミは深夜の呼び出しをすっぽかされるのであり、最後に一平は彼女がそんなひどい目に逢うのも「雪乃の沈黙」のせいだにどと言うのだが、キッドは一平がバカだからだと思う。
さて、気がふれても一番楽しい夢子さん。一平がキチガイ相手に本当のことを教えてくださいとさらにバカをさらけだすと「雪乃と冬彦の子供の名前は私がつけた。名前はツヨシ。大人になってクサナギツヨシ。キムタクにチェ・ジウを紹介したの。そして国際不倫。それが真相。真相って面白いでしょ?」一平「面白すぎた」さすがに爆笑してしまいました。
いつから兄妹が愛しあうことが韓国ドラマの代名詞になったのかはしらないが、イザナギイザナミの近親相姦の末である日本国民としてもいささか、手垢のついたテーマ。しかし、前座として登場する律子(岸本加世子)の幼馴染(加賀まりこ)の人情話は涙を誘う。その前に一平は律子から呼び出され、「新坂下」の誘いに「どうしたらいいかわからない」と仔犬の答えをしているので、大人の女たちの人情がより際立つ。ライバルに頭を下げ、従業員の後の事を頼んだ律子。言葉だけのやりとりなので律子の人の良さが伝わらない可能性のあるのがドラマのおそろしいところでもある。女優の年齢差にいくつ年齢が違う同級生なんだよと筋違いのツッコミをしたりしてはいけない。女に年のこと言うのは無粋よ。
とにかく「韓国ドラマみたい」という竜次(梅宮辰夫)に「韓国ドラマにだって真実はある」と突然評論家になる一平。漫画しか読まなくても韓国ドラマは見るらしい。とにかく「義務です」の押しで竜次さんに聞いてもらえることになったらしい。面白いのだがやや強引な気もしつつ、つづくである。
関連するキッドのブログ『第9話』のレビュー
もはや、話の内容はどうでもよくて、一平というちょっと頭の足りない与太郎の落語を聞くような展開である。それはそれで楽しいのだが、エリや時夫が疎外されていて残念だ。ルオーさんや澄子よりもそっちを見せてもらいたい。いや、先生にも先生の事情があるでしょうけれども。来週の最終回、神楽坂が爆撃されるのだな。(妄想)
土曜日に見る予定のテレビ『雪山スペシャル第二夜・演歌の女王』(日本テレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
>女優の年齢差にいくつ年齢が違う同級生なんだよと筋違いのツッコミをしたりしてはいけない
最初、加賀まり子の幼馴染って夢子?と思いましたが・・・
違いましたね・・
年齢設定がよくわからない・・・
「ハケンの品格」といい、今期はわんこなキャラクターが
活躍しています。
何だか大人の輪の中で困っている子供のような一平ちゃんなのに母性本能には訴えないという・・不思議な役なんですよね~
ルオーのマスター、けっこう好きなんですが、彼も富良野塾関係なのでしょうか?
投稿: きこり | 2007年3月16日 (金) 17時53分
❆❆コタツミカン❆❆きこり様、いらっしゃいませ❆❆チョコレート❆❆
いけないと思いつつ・・・。
加賀まりこ(1943)
岸本加世子(1960)
ついでに
高島礼子(1964)です。
ちなみにエリと一平の年齢差を考えると
役の上で一番年上は雪乃?
律子が年下という設定は許せるが
そうなると・・・。
こわいのでこれ以上は言えません。
東海林かませ犬。
里中仔犬。
一平捨て犬・・・かもしれません。
ルオーさんは久保隆徳(富良野塾第11期生)
キッドは「優しい時間」とこれしか
記憶にないです。
「北の国から'02遺言」にも出ていたらしい。
ま、ようするに「先生」御用達の役者さんですね。
キッドもオカマキャラとしては好きですにゃ。
投稿: キッド | 2007年3月17日 (土) 00時43分
こんにちは。
私も誰と幼馴染って言った??って、しばらく(うそ・長いい間)悩みましたよ。
キッドさんの数々の妄想・失礼、推理はさておき、実は雪乃も一平の親ではない、という説もあるのかな、と思えてきてしまいました。
何だか話に収拾が付かなくなって行きそうですね。
投稿: さくらこ | 2007年3月17日 (土) 16時54分
こんにちは。
>八万円代のワインも四万円代のワインも十代や二十代が飲むものではないという…
これ、私も思いましたよ。
一平も随分思い切ったことをするもんだと…。
この支払いは結局、津山にうつったわけですが
父親疑惑・妹疑惑で彼はきっとそれどころではなかったんでしょうね(^^;)
投稿: ミマム | 2007年3月17日 (土) 22時36分
❄~❄~❄~ミマム様、いらっしゃいませ~❄~❄~❄
キッドは最高に贅沢しても
二人で10万円以上のものを
食べたことがありません。
ごちバトルとかを見ると
そんなにお金をかけなくても
おいしいものはたくさんあるだろ~と
思ってしまいます。
もちろん、食いしん坊なので
おごってもらえるときは
一食100万円でも
喜んでいただきます。
あのワインも
冬彦が払うことになったので
じゃいいやと思いました。
こういうのを貧乏人根性と申しますのでしょうか・・・。
投稿: キッド | 2007年3月19日 (月) 01時01分
❀❀❀✿❀❀❀~さくらこ様、いらっしゃいませ~❀❀❀✿❀❀❀
ま、加賀まりこさんはいつまでも少女のような
女優さんなので・・・おいおい、誰にフォローを。
倉本さんのドラマは視聴歴が長いので
記憶をたどると
様々な妄想が増殖していきます。
ま、今回はかなり遊んでいる感じが
強いのですが
作者も妄想、視聴者も妄想なので
かなり楽しいです。
一平の父が今まで登場していない誰かというのは
アンフェアなのですが
ま、推理ものではないから
何があってもいいかとも思います。
最後まで正体不明で
しかもナオミとの障害は消えるという
展開になるのかな・・・。
ま、一平が気が狂ってしまう
と言っているので
それも面白いと思うキッドなのですが・・・。
投稿: キッド | 2007年3月19日 (月) 01時09分