待っていろと言われたから待っていた。(戸田恵梨香)
準主役として様々なドラマに顔を出しているのだが、連続ドラマ初主演である。ま、「ギャルサー」はヒロインとしては主演と言ってもさしつかえなかったが・・・。「花より男子2」で史上最悪の敵キャラ・中島海をそつなくこなしてここである。何ていうか、たたきあげの大物感が漂っている。まだ、18歳ですけど・・・。バーニング系の事務所で上に広末涼子、下に福田麻由子なのである。ま、なんとなくキッドは納得の布陣。
原作はコミックだが、いわゆるコンゲームの展開。20世紀後半なら映画「スティング」(1973・ジョージ・ロイ・ヒル監督作品)を出せば例になったのだが、現在ではどうでしょうか。いわゆる詐欺とか、詐欺師の話である。犯罪の匂いがイヤなら頭脳ゲームと言ってもいい。
日本でキッドの好むその手の小説をあげると「気まぐれ指数」(星新一)、「紳士同盟」(小林信彦)、「新麻雀放浪期」(阿佐田哲也)などがある。最後は異端に感じるかもしれないが、ギャンブルというものは基本的にコンゲームなのであり、この作品はある意味、究極のコンゲームだとキッドは思っている。たとえば、ギャンブルの勝者が得た金を保持することができるかどうかもまたギャンブルなのだというあたりがまことにコンゲームなのである。
そういう様々な先達に比べれば、ものたりない部分もある原作ではあるが、「お金」の「知的な奪い合い」という点ではなかなかに特化したエンターティメントになっている。
ゲームのためのゲームという設定なので、「導入部分のありえなさ」を突破すれば、なかなかに楽しいゲーム観戦者になることができるのである。何しろ、「1億円を無担保で融資された少女」が「30日間」で「相手から自分の1億円を守りつつ相手の持つ1億円を奪う」というゲームだ。それはある種の虚しさを漂わせているが、虚しさにしか燃えられないタイプというのがそろそろ増加しているのかもしれない。
で、『ライアーゲーム・第一回』(フジテレビ040714PM1110~)原作・甲斐谷忍、脚本・古家和尚、演出・松山博昭を見た。100円拾って交番に届けるような社会性のない大学生・神崎直(戸田)、届けられた制服警官(渡辺いっけい)の面倒も少しは考えてもらいたい。バカ正直な性格だと紹介されるのだが、もちろん、想像力のないタイプの人間で、世間知らずなのである。末期がんで入院中の父がいて、なかなかおしゃれな部屋に一人住まいしている。相当にリアリティーのない設定だが、まあ、原作者・脚本家・演出家の夢の女なのであろう。主人公の生活のリアリティーなんてどうでもいいだろう。ようするにゲームが面白ければと思っているらしい。まあ、そうなのかもしれません。
そんな神崎の部屋に「一億円」が届けられる。100円拾ったら届けるのだから、1億円もらっても届けるのでは・・・という指摘はやめておく。神崎はびっくりして同梱されていた封筒を開いてしまう。そこには「これはゲームです。あなたが持っている一億円は原点。対戦相手も一億円を持っている。ゲーム期間は30日。ゲーム期間終了後に残金のプラス分が賞金となり、不足分は借金してでも返済してもらう」というルールが謎の主催者によって明らかになる。
ここで一億円を一ヶ月無担保無利息で借りられたら、あんなこともこんなことも・・・などと考えてはいけない。原作はヤングジャンプの連載なのでそのような知的な読者を想定してはいないのだ。対戦相手が中学の時の優しい教師(北村総一郎)と知り、神崎は相談に行って、教師の言うまま、全額を渡してしまう。教師は「これは新手の詐欺で主催者が全額盗みに来るかもしれないから全額、銀行の貸金庫に預けてしまおう」と説得したのである。
しかし、教師が第三者に電話で「バカな娘だ。オレはこれでたった一月で一億円稼ぐことができる」と言っているのを聞いてしまう。「ライアーゲーム」の最中にそんな大事な話を庭先でするかどうかは考えてはいけない。何しろ原作はヤン・・・もういいか。「ええーっ、どうすればいいの」と交番の警官に相談する神崎。しかし、警官は「そういうことき警察に相談されても困る。そういうのは詐欺師の領分だ」と・・・いや、やめておこう・・・ナイスアドバイスをするのである。そして、運がいいことにその日、天才的詐欺師・秋山(松田翔太)が刑務所を出所してくると情報提供するのだった。・・・おいおい。
押しの一手でついに秋山を仲間にすることに成功する神崎。ニコロボに続く、ヘッドとボディの相棒誕生である。この場合、秋山がヘッド。神崎がナイスボディなのである。うん、うまい。バカ正直な女の子と天才的詐欺師のコンビなのでバカサギと呼んでもいいな。うんうん。うまいうまい・・・失礼しました。
さっそく、藤沢調教師じゃなかった藤沢元教師の家を訪ねるバカサギコンビ。藤沢が金を返す気がないことを聞き出す。「たった一回業者にキックバックを要求したのが発覚して教師はクビ。家族は家を出ていくし、オレは金がいるんだよっ」なのであった。
騙されたと知ったバカは怒るという知的能力はないので困ってしまう。「一億円の借金なんて困っちゃう」のであった。ここでサギが「5000万円で二億円を奪ってやる」と条件を出す。バカは「1億5000万円でいい」とは言わずに契約を飲む。こうしてバカサギのコンビの絆は深まったのだった。
サギの考えた作戦は「監視」だった。藤沢から目を離さないこと。実は重労働である。二人で交代してやるにしても、家の前後の監視のためにはカメラ設置なども必要にはずだが、近所に監視にぴったりの物件があったり、バカは体力には自信があったりして、とりあえず監視は成功する。結果論だがあくまで推理のような装いで「これで金は銀行できなく、家にあることが分かった。藤沢が逃亡しないのがその証拠だ」とサギは断言。
そして、期日まで後わずかの時点で一計を案じる。音響効果による擬似火災である。教師の家に乗り込んだバカサギは教師が部屋から動かないのを見て「金はこの部屋にある」と指摘する。家宅不法侵入だけどな。下手すれば恐喝罪だ。
しかし、何故か追い詰められた藤沢元教諭は「はははは、バカめ。そんなことがわかったって金はとりもどせないぞ。なにしろ金は金庫の中なのだっ。指一本触れられん」蒼白になり泣きそうになるバカ、しかし、サギはニヤリと笑って「そんな金庫なんて問題じゃない。オレは金を奪うことができる」なのである。相当にバカバカしいのだが、つい、どうすればいいのかなぁなどと考え出したらあなたはこの番組のとりこ。そしてつづくなのだった。
ちなみに、対決相手は次々に変わり、金額も増えるらしい。対戦相手には岩佐真悠子などもキャスティングされており、翼の折れた天使たち共演である。
関連するキッドのブログ『旭山動物園物語』『ギャルサー』『もうひとつのシュガー&スパイス』花より男子2』なんだかんだ言って戸田の追っかけ・・・かよっ。
月曜日に見る予定のテレビ『プロポーズ大作戦』(フジテレビ)お待たせしましたーっ。って感じなのでございます・・・。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
キッドさま。
奇異が消えると、かなり雑な感想になるのは、
私の性分で・・・
でも、書くぞ!と思いなしましたが、半分眠くて
とんでもない日曜の始まりでした。
”バカサギ”ナント素晴らしい響き♪
少し動きが少ないから、来週からは、もっと楽し
ませてほしいです。
投稿: mari | 2007年4月15日 (日) 10時35分
❁~✾~❁~~✾mari様、いらっしゃいませ✾~~❁~✾~❁
キッドがよくやるのは
半角キーを押そうとしてtabキーを押す奴。
何故か全消えします。
バックアップもなく、脱毛するような気がしますね。
バカサギ・・・つい筆がすべりました。
圧力団体の皆さーん、見逃してくださーいっ。
・・・大丈夫か。
ゲームはいろいろな種類が出てくるようですよ。
じいやはこれから予告編を作らねば・・・。
投稿: キッド | 2007年4月15日 (日) 10時56分
なるほど「バカサギ」ですか。
個人的には「世にも奇妙な物語」チックで
あの作品と比べるとこっちのテイストの方が
いい仕上がりだと思います。
ただ、こんな事を言ってると
夜中のブログ歩きは気をつけた方がいいかな。
特にかりんさん方面は(;・∀・)ゞ
原作は終わってないようですが
ドラマではどのような方向で結末にまとめるのかが
楽しみですね。
投稿: ikasama4 | 2007年4月16日 (月) 20時01分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
ふふふ、クロサギにはクロサギの良さが
バカサギにはバカサギの良さが
あるのだと申し上げる次第・・・。
まあ、ロープレとシュミレーションロープレの
違いくらいですが・・・。
ゲーム理論に裏付けられた
虚々実々のかけひきによる
コンゲームなんていうのも見たいですよね。
もちろん、今年の大河なんかは
かなり、その路線なのですが・・・。
国獲りはまさにコンゲームですし
そういうことに萌えるのは
男の宿命でございますよね。
ま、次は岩佐VS戸田の要素もあり
そういう部分でも萌えるのでございますけれど・・・。
投稿: キッド | 2007年4月17日 (火) 11時18分
>>待っていろと言われたから待っていた
大笑い!!というわけで、今晩は、
やっと見終わりましたよ。
戸田さんの初主演の連ドラ。大変満足でした。
ちょっと、海っぽかったけれど・・
まさか、複数話完結とは知らず、「え~~!!」と声が出てしまいました。
ブランコに乗っていた女の子が誰なのかが気になっている、今日この頃です。
では・・・
I appreciate in your usual cooperation. Best Regards,Chablis
投稿: シャブリ | 2007年4月20日 (金) 00時31分
▯▯black rabbit▯▯シャブリ様、いらっしゃいませ▯▯black rabbit▯▯
戸田さんは実は演技派・・・ですから。
ちょっと悪い女の子から
かなりバカな女の子まで
こなせるわけで・・・。
ただし今回はかなりバカによってますね。
「ギャルサー」ちょっとバカ。
「たっ恋」ごくノーマル。
「花男2」天然でわがまま。
「ウソゲ」相当なバカ。
とどんな役柄でもそこそこ可愛いという
ポジションです。
ま、バーニングならではの
ちょっとワルかも・・・という気配は
ただよってますけど。
ちょっとショートのドラマですからね。
来週、ヒキのオチがあって
次の前フリでヒキという展開だと思いますよ。
ブランコの少女はただのエキストラなのか
どうか・・・
可愛かったのでがらんでもらいたいですね。
投稿: キッド | 2007年4月20日 (金) 08時00分