もっと楽しいことがあると思うんだ。青春なんだから。(松山ケンイチ)
・・・と言うことで集められたなんちゃって女子高校生たち。共学なのに男子高校生にはほとんど影がない。小粒だが強力なゲストである。まずは黒川智花。おっとりした美人だが、霊的なものに触れる演技力は「雨と夢のあとに」で練られている。実年齢17才。続いて入山法子。ハケンの品格で先輩ハケンの一人。21才。仲里依紗は冗談じゃないの次女・香恋で17才。高瀬友規奈は「のだめ」で弁当を狙われたマキちゃんである。19才。そして・・・ハルハルこと木南晴夏、リカちゃんでベビーエロでカイラでかしこで麗香なスーパーサブである。こんな役しかもらえんのかーっと虚空に叫びたいところだ。
さて、キッドはモ娘。の中でも辻ちゃんが好きなのである。その辻ちゃんができちゃった結婚である。キッドは幸せになってもらいたいなーと心から思うのだが、初心なファンにはトラウマになるような衝撃を感じた人もいるかもしれない。そういう人のために昔書いたショートショートをお届けしておく。
コチラへ→26万人のおタク(主に男)と一人のアイドル(たぶん女)
虚構の異性に恋をするというのは素敵なことでおタクの基本だと思うが、それはそれ、日常は日常だからね。
そういう意味で今回はなかなかに意味深なテーマを含んでいたと思うのだが、例によって中途半端だった。いや、バランスがとれていたといっても言いのですけれど。
で、『セクシーボイス アンド ロボ・第五話』(日本テレビ・070508PM10~)脚本・根本ノンジ、演出・池田健司を見た。脚本家は連続ドラマは初めて・・・のような気がするぐらいの初々しさである。きっと、力が入っていたと思う。時効のケラと同じようなキャリアだけれど、下積みの人とスターの差のようなものを味わうにはいい感じの連鎖である。
まず、テーマについて考えておく。今回は「学校生活、あるいは青春はどうあるべきか」という問いがあったと思う。そこから派生して「金を稼ぐことの是非」がある。それから、「霊的なことの真偽について問うべきかどうか」という問いがあった。そこから「霊的なもので金を稼ぐことの是非」があった。
結論から言えば「金を稼ぐ行為は楽しいことだ」と思える人は「青春時代に金を稼いでもいい」と思うキッドや、「霊的なものに真偽はないが霊的なもので金を稼げば地獄行きは間違いなし」と考えるキッドにとっては実りなき作品である。でも、いいじゃないか、面白ければ。ちなみに、細木さんだろうが、江原さんだろうが、それが愛する美輪さんであっても霊的な言動でビジネスをしてしまったら、必ず地獄行きであるとキッドは信じている。もちろん、根拠はない。そして、キッドは肝試し企画は大好きだったので、地獄行き決定だし、今回のスタッフも全員地獄行きなのである。わはははははは。ま、地獄があればね。
さて、今回の妙手はなんちゃって女子高校生が集う学園に女子中学生ニコ(大後寿々花)が潜入捜査というところだろう。まあ、こなゆきぃぃぃぃぃドラマで璃子が看護婦やるほどの落差ではないが、中学生が高校生に化けるという点がちょっと新鮮だった。
社会人のロボ(松ケン)を手下にしているニコが無理矢理でヤケクソな展開で教育実習に来ている姉・一美(村川絵梨)に授業中に指名され、教科書を読むことができず、困るのだが、この笑いのボイントが「妹だと知れると潜入捜査がばれる」方向に向かったのはちょっと残念。「高校の授業なんてわかるかよっ」というニコのぼやきが生きないからだ。
このあたりがキャラクター設定の揺れなのだが、ちょっとした頭脳の持ち主なら、一学期の始めに配られる教科書を二週間くらいで読んで理解してしまい、後の一年は無意味ということはある。本屋に行けば各学年の教材が置いてあり、小学校一年で高校の教科書読みすすめるぐらいの人はいてもおかしくないのである。それは天才の一種だからな。で、原作のニコはそういう気配を持った女の子だ。だからこそ、大人のロボを手下にしているのである。
しかし、ドラマは設定はイタダキでニコのキャラはかなり普通の女の子にしてしまっていて、実はちくばくな感じが漂っている。本来、ニコは一般人には感情移入がしにくいキャラであり、そこが魅力なのであるが、半減しているのである。ま、そこがドラマですが。
で、どうせそうなら、普通の女の子で笑いを取ればいいのになぁと思うのである。
今回は女の子たちの「うしみつ様」を使った人々の依存心につけこむトリック商法と、それを暴くニコたちのトリック対決なのだが、ここも、もう少し奇想天外でないとあっと言えなくて残念なのだなぁ。磁石でもいいが、行方不明の中学生を箱詰めにして机の裏で飼っているくらいの非常識さが女の子たちにあってもよかったと思う。
今回の犯罪者はいわば、詐欺師集団である女の子たち。しかし、霊感商法の被害にあった生徒たちは暴動をおこすでもなく、愚痴を言いながら解散していく。ま、ここが怖いといえば怖いところですね。しかし、現代社会、原子力発電所が爆散するような事故がおきて万人単位で死亡者が出ても、責任者が「まさか、こんなことになるとは夢にも思わなかった」とか言い出して世の中も「じゃ、しょうがねえか」と納得したり、あるいは「科学的に言ってもリスクは常にあるわけですから自己責任の範囲でお願いします」なんてことで「ま、それはそうかもしれんね」などと決着がつきかねない時代なのだなぁ。
「呪いがこわいこわい」「女子高生が好き」「愛と正義がマックス」というロボにビンタをくれるニコ。そのビンタが可愛いのか、生ぬるいのか、また微妙なのである。
「人間は弱いから霊感商法でビジネスしてもいいのよ」というマキ(浅丘ルリ子)なのだが、これもそれを言ったからには地獄行きなのである。スタッフによって揺れ動くキャラクターだが、マキだけは安定している。これは役者のパワーと言うものだな。キッドはちっともいいとは思いませんが。
後はニコの同級生むーちゃん(梶原ひかり「女王の教室」の佐藤恵梨花)がどう描かれるかだな。彼女は抽選で当りクジしか引かないゴッドハンドの持ち主なのだが、このドラマ世界ではニコの体験を明るく笑い飛ばす存在でしかない。このまま、終ってもそれはそれでいいけれど。今回、ゲストが数で来たので、ニコの両親の出番が減ったように、行方も知れない行き当たりバッタリのドラマである。ま、それだって味じゃないか。
人間は霊的な存在でちょっとしたビジネスをする。もちろん、インチキである。しかし、霊がいないわけではない。という古典的スタイルのオチがつくのだが、このオチを使った瞬間にまたまた地獄オチ決定なのでありますけれどもねえ。今日のニコはツインテールが冴えているのだが、ちょっとふっくら気味。どうか、健康でありますように。
関連するキッドのブログ『第四話のレビュー』
木曜日に見る予定のテレビ『私たちの教科書』(日本テレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
日テレにしては珍しく
登場人物を無駄使いした感じでしたね。
今回の脚本家は連ドラは初めてのようで
慣れない事とか結果が出ない事に
苦労とかもあった事でしょう。
でもその力の入れようから頑張りだけはわかります。
今後も修練を重ねて、そしてプロになって欲しいものです。
・・・あれ?
なんか別のドラマの感想のよーな気がするなぁ(;・∀・)ゞ
投稿: ikasama4 | 2007年5月 9日 (水) 20時22分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
まったくでございます。
まあ、ハルハルファンにとっては
もはや、滅多に見れないし
出番も少ないという
飢餓飢餓状態は慢性ですけど・・・。
人間の運とか縁とか
ポジションとか
そういうものを
そこはかとなく感じる回でした。
また、6.9%に戻った視聴率。
6.9↗7.0↘6.9
ま、これはこれで美しい展開です。
バンビ~ノ!は倍以上とってもらいたいです。
投稿: キッド | 2007年5月 9日 (水) 21時59分
原作は読んでないのですが
ニコのキャラの説明読んで、
そっちの方が面白かったかもーと。
もっと不思議度高いニコみたかったかな。
投稿: Eureka | 2007年5月10日 (木) 20時26分
✛✛Paradise✛✛Eureka様いらっしゃいませ✛✛Paradise✛✛
原作は諸星大二郎タッチの絵柄が
スルーできれば
相当に面白いと思います。
構成とかはかなり甘いのですが
情念がありますよ。
しかし、キッドはドラマはドラマで
気に入ってます。
松ケン、大後のコンビは
素敵ですからねーっ。
ルリ子はもっと激しく悪い方が
いいのですが・・・。
なにしろ、原型はチンピラあがりの顔役ですからね。
ルリ子の中にビートたけしが
入っているくらいがいいと思うのです。
・・・理解不能っぽいたとえですみません。
さらに言えば
小泉孝太郎のひいおじいちゃんが入っているぐらいの
感じで・・・。
小泉又一郎(逓信大臣、昇り龍の刺青をしていたのでいれずみ大臣と呼ばれた・・・実話)
もう、完全に妄想なたとえですみません。
さて、後何話楽しめるのかな・・・。
短縮モードに入ってしまったような気がします。
火サス枠ってのが辛いよな・・・。
投稿: キッド | 2007年5月11日 (金) 00時52分