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2007年5月16日 (水)

大人になるのがガオガイガーやアクエリオンを捨てることならそんな大人にはならない。(松山ケンイチ)

・・・って言ってくれ、ロボ(松ケン)よ。卑屈にこっそりで良いからぁ。今回はかなり「原作レイプ」な内容だったが、それぞれの受け手に「原作像」があり、これがまた強姦なのか和合なのか、それぞれなのだよなあ。原作料の入る原作者が満足していれば基本的になんの問題もないしな。

海外の作家だと最近ではアニメ化された「ゲド戦記」に対して原作者のアーシュラ・K・ル・グィンが不快感を示した。とか、古くは「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」から「ブレードランナー」が生れた時、P・K・ディックは立腹したとかは有名だ。後者の場合、キッドは確かに原作とは程遠いが映画は映画で素晴らしいと思ったので、できれば「セクシーボイスアンドロボ」も「ニコロボ」もそれぞれ素晴らしいという方向でまとめたいと思う。

今や「セクシーボイス」ではなく「ニコ」(大後寿々花)というドラマ限定のキャラになった観があり、「ニコロボ」という原作名レイプをし続けた自分のこだわりの正しさを絶賛したい気分である。・・・ご自由に。

第一作で「三日坊主」は生きている。というミスリードを含んだ演出があったのだが、今回はさらにリドルストーリー的になっている。最後の場面で殺し屋ZⅠ(ぜっとぅあい・りょう)はマキ(浅丘ルリ子)は報酬を受け取るのだが、一見、それは銃器の売買代金のようにも見える。しかし、もちろん、「かりそめの夫」を始末した成功報酬である可能性もあるのである。キッドとしては三日坊主は生きているという結末の方を好むし、ZⅠが「仕事」に復帰したという結末を好む。その方がナチュラルだと考えるからだ。

しかし、現実というフィクションがドラマというフィクションをはるかに越える事件を巻き起こすので、好むと好まざるとに関わらずつまらないオチは求められる。誰も彼もが面白さに命をかけているわけではないからな。

文句を言っても始まらない。キッドの中では妄想シナリオは次のように展開する。

○ロボとニコそして捨て子がロボママ(白石加代子)たちと「サヨナラ」の人文字を作っている。

○かりそめの父(小木茂光)がカーテンをあける。眼に映るサヨナラの文字。涙ぐみ、文字がにじむ。ふりかえると、額に穴があく。消音器付の拳銃をバッグに戻す女性の腕。倒れた男の脈を確認する女性の腕。最後まで顔は見せないが、男の死亡を確認し立ち去る前につぶやく。

ZⅠ(オフで)「さよなら、あなた」

○空港。母と子は海外に旅立つ。ロビーのテレビから流れる「射殺死体発見」のニュース。

で、『セクシーボイス アンド ロボ・第六話』(日本テレビ・070515PM10~)原作・黒田硫黄、脚本・木皿泉、演出・佐藤東弥を見た。スパイたちは孤独である。という前提はそうでもない場合が多い。彼らは多くの場合、公務員であり、安定した収入で平凡な家庭を持っているのである。CIAの職員や、旧KGBなどはおそらくそうであろう。死刑執行官が死刑の後で一家団欒で夕食をとるように、彼らは重要人物の暗殺を確認した後で家族でディズニーランドに行くのだな。そういう常識がなぜか隠蔽されているこの国ではドラマでも時効以外では許される殺人は許されず、いきなり母親の首を持った高校生が自首をしてきたりすると腰を抜かす警官もいるだろう。

だから、好奇心いっぱいで「ちょっとおバカなロボ」に心をいやされたりするが、基本的にクール、家族などいようがいまいが気にかけないセクシーボイスが、「家族の分裂」に傷心したり、「たいして良くもない現状をなぜ自分は維持しようとするのか」といった愚問を自問するニコになってしまうのは残念だが仕方ないのである。

そして、殺し屋と殺し屋軍団の対決であれだけの銃撃が展開され、命中弾が一発、しかも急所をそれるという描写が、全員が弾除けの守護神に守られたファンタジーという世界観によるものだと解釈しておかねばならないのだな。

だって、今回は母の日は過ぎちゃったけどね、カレンダーに愛をこめてお母さんありがとうスペシャルなのだから。だから、宇宙人であるお父さんは宇宙に帰り、捨て子さえも母を守るために玩具卒業するのである。ま、賢い子供ならロボに高く売りつけて母のために花を買うのだが、稼業が花屋なのでそれもままならないのだった。

それにしても母親は子供の玩具を捨てたがる。おそらく、癒着した心(コンプレックス)によって自分以外を愛するわが子を認めたくないという嫉妬の炎が燃え上がるのであろうな。

ファミリーやブラザーへの執着は貧しく、愚かであるほど深まるのは一般常識だろう。それは「甲斐性」という言葉で表現される。美貌が愛を多くもたらすのは自明の理だし、愛が多いから幸福であるとは限らないのも自明の理である。

そしてikasama4様がZⅡやZプラスを欲しいようにキッドも百式改が欲しいのである。

・・・失礼、妄想がもれました。それにしても、この作者はマキ(浅丘ルリ子)にこだわるのだなぁ。作者がいいと思っているらしいセリフをマキに言わせるためだけに物語が進行している気配がある。キッドはちっともいいと思わないので最後はりょうに射殺されてしまえばいいのにと恐ろしい気持ちになったりするのがこのドラマの難点なのですが。

現状の維持、すなわちぬるま湯生活にこだわるニコは「世の中には男を狂わせる女や狂う男がいるから面白い」と感じるセクシーボイスとは程遠い。この脚本家には無理だろうから、誰か一人くらいそういう視点で書いてくれるといいのにな。・・・無理か。

そうですねぇ。作家でいうと乙一ぐらいの感性で一回くらいお願いしたい。「若さゆえのあやまち」を見てみたいのである。

ロボが行きずりの女とセックスするところも見たいし、その女に車を盗まれるところもみたい。ちょっとかわいそうになったロボにニコが玩具の車を買ってあげるところもみたいのである。・・・そうか、そういう関係はマキとよっちゃん(岡田義徳)に転移されているのだな。

実際にCIAのアナリストで猟銃自殺したJ・ティプトリー・ジュニアの小説「接続された女」や「たったひとつの冴えたやりかた」の影を感じるニコに田舎っぽく、庶民ぽいベタベタした家族哲学を持ち込むシュールさはそれはそれで面白いのでございますけれど。しかし、一歩間違えると、中年男に覚醒剤を打たれて意識不明の重体になってしまう少女になってしまい、それはヒロインとしては違うのである。そういう少女を救い出すのがセクシーボイスの魅力なのだから。

このままでは「果てしなく広がる空としての宇宙」が「ステーキをはりつける天井」に覆われてもう本当にスケール小さいんですけど。まあ、この脚本家についていえば「家族のうらぶれた愛しさ味の酢こんぶを死ぬまでしゃぶってろ」それはそれで面白いからと言うしかないのです。ただ、それではセクシーボイスもロボもちょっと淋しいかもしれないのよ。

正直者だったのに金のフタをくれないマキは「泉の女神」に謝罪しろっ。

関連するキッドのブログ『第五話のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『私たちの教科書』(日本テレビ)

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

まこ☆ミキ様のセクシーボイスアンドロボ

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コメント

偶然なんでしょうけど
この局は時事ネタとカブる事が多いですねぇ。

家族が生まれるのも偶然。

生まれ出でて家族のあったかさに触れながら
いつか、自分の世界を歩きたいと思い自立する。
でも、いつのまにか
誰かのために生きてみたいと思う。
そして家族が生まれ、新しい命が生まれる。

でも、いつかその命も新しき家族をつくるために
家族がバラバラになっていく。

そう、いつまでも同じままじゃいられない。


だから、いつまでも同じモノ―ロボットや韓国俳優とか
求めていくのでしょうね。

まぁロボが母親に勝てないのはよくわかります。
多分、あの母親に毎晩毎晩百物語等々
怪談を聞かされていたのでしょうから(笑)


最近、この作品を見てからこういうのを見てます↓
http://www.amiami.com/shop/?vgForm=ProductInfo&sku=PMD-MIA-0117&template=review.html

というか、ここでZⅡを買ったんですけどね(;・∀・)ゞ

投稿: ikasama4 | 2007年5月16日 (水) 08時11分

✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥

うーん、フルアーマー百式改の
このゴテゴテ感、辛抱たまらんです。

敵は量産型サイコガンダムですからね。
撃破成功は偶然の賜物か・・・。

・・・おーい。

・・・失礼しました。

それにしても
いかにもな事件が
いかにも起るのですよね。

福島の事件はまだ遠いけれど
まさに母の日の凶事だし。
町田の事件は江戸川区の中学生なので
東京を
東から西に移動していった
過去の軌跡があるわけで
思わず祈りましたよ。

まあ、これだけたくさんの
家族というか人間が
ぬくぬくと
生きていると
何が起きてもおかしくないし
特殊だと言えば
それまでなんですけど・・・。

それだけにスーパーヒロインの
ニコもちょっと見てみたいキッドです。


ロボとロボママは
ナイスコンビでしたね。

セリフ的には
(ロボットをどこかに隠してあったわけですから)
「ちょっとからかってみたかったのよ。
あんたが可愛くて
仕方ないから」
ぐらいでも良かったと思いますが。

ikasama4様、購入はご予算の範囲内で
計画的にお願いしマス。

投稿: キッド | 2007年5月16日 (水) 09時33分

>正直者だったのに金のフタをくれないマキは「泉の女神」に謝罪しろっ。

おおわらいだす!
確かにそうだ!

I appreciate in your usual cooperation. Best Regards,Chablis

投稿: シャブリ | 2007年5月21日 (月) 01時09分

▯▯black rabbit▯▯シャブリ様、いらっしゃいませ▯▯black rabbit▯▯

・・・でございましょう。
ま、「フタ」を無料返還しているのだ
それがプラスアルファなのです。
と強弁することも可ですけど。

ニコ=志田未来
キャスティング説。
おりあいの問題もありますよね。

志田未来のニコは結構、冒険。
これまでどちらかというと
勉強できない子を演じてきた
志田にとっては
・・・今や、かなりはまった大後と
比較するのは難しいのですが・・・
かなりの難役になったはず。

キッドはニコロボは
かなり甘口になっていると
思うのですが
それでも志田にとっては
「汚れ役」になるのかもしれません。

志田がやったとして
「テレフォンセックスで何度もイッちゃった」
とかいうような原作の危険なセリフを
サラっと言う「セクロボ」も
見てみたい気持ちは大ですけれども。

やはり、幼少から体当たり演技を
している大後と志田では
「汚れ度」に微妙な差があるような気もします。

まあ、女王の志田をセクシーと考えるむきには
また別の考え方があるかもしれませんが。

ニコのセクシャルな要素へのクールな対応を
スン止めしている原作と
危険部位への打撃を禁じているドラマ。
この微妙な差異を世間が理解するとも
思えないので
「今、現実社会でおこっていること」
とは程遠いニコロボになってしまうのは
仕方ないのかもしれません。

それにしても
町田の中学生は
どうなってしまったのだろう。

命をとりとめたのか・・・
それとも・・・。

投稿: キッド | 2007年5月21日 (月) 05時09分

>志田未来のニコは結構、冒険。・・・
>かなりの難役になったはず。
納得ですね。知っている人をキャスティングすると言う点では志田さんですが、想像すると、確かに冒険ですね。それも寿々花ちゃんを見てしまったからっていうのもあるのですが・・。
ま、私は、寿々花ファンなので、これでOKですけどね。
I appreciate in your usual cooperation. Best Regards,Chablis

投稿: シャブリ | 2007年5月21日 (月) 20時34分

▯▯black rabbit▯▯シャブリ様、いらっしゃいませ▯▯black rabbit▯▯

もちろん、時期というか、
年齢的制約というか・・・。
志田未来のニコは
今、演じるのがベスト。
しかし、それは無理。
というのが率直な感想です。

寿々花ファンとしては
もう少し数字も欲しいですけれどね。
「ウソゲ」くらいは
欲しいです。

ま、小林聡美のような
息の長い女優となる
素質は充分なのですけれど。

投稿: キッド | 2007年5月22日 (火) 19時56分

初めましてキッドさん。いつも楽しく拝見しています。
ドラマにおける林二湖が、原作の、ぎりぎりの線でセクシャルな香りを持ったクールなセクシーボイスではなく、聡明であるけれど汚れ無き等身大の少女ニコになっていることに、どこか否定的な反応を示すのは、男性が多いような印象を受けます。
やはり、原作者の黒田硫黄が男性であること、脚本家が女性であることで、価値観(というか願望)の違いが現れているような気がします。男性はやはり「妹の力」的な、ナウシカを筆頭とするような、超越的少女像を望んでしまうのかな...。
そして、そんな超越的少女願望を「どうして世の中の人は弱くて強くてなんでも出来る少女なんて、アンビバレンツな存在が好きなんだろ。そんな少女、そうそういるわけないのに、わけわからん。」と横目で見ながらつぶやいているのがドラマのニコです。そして、私は女性ですから木皿脚本のニコに共感してしまいます。
原作のセクシーボイス=ニコが、クールで賢く雄々しくも、結局原作者も着地点を見いだすことが出来ないまま、街を彷徨し続けていることに、痛々しさを感じていた私は、ドラマの帰る道の見える世界観に心の底から安堵します。
超越少女へのファンタズムを満足させるようなニコ像というのもそれはそれで面白く、機会があれば見てみたい気もしますが、実質13〜4の生身の少女達が演じるのは難しいかもしれませんね。
その辺の「読み替え」や「翻訳」的な作業を原作レイプと言ってしまうのは、ちょっと語弊があるような気もしないでもなかったり。
というわけでとりあえず自分的には、原作とは離れた等身大ニコの魅力を堪能しようと思っています。

投稿: インコ | 2007年5月23日 (水) 03時08分

☾ワタシノコトバハ☽インコ様、こんばんは。☾オシャレナコピー☽

ここでジェンダーの問題を持ち出すのは
キッドとしては微妙。
恐ろしいほどの平行線になる可能性が
ありますので・・・。

また、書き込み時間から考えて
日テレの
自傷行為の後なので
さらに微妙です。

インコ様は今回の放送自粛を
どのようにお考えなのでしょうか。
木皿脚本の回じゃないから(かんにん袋の山岡真介・脚本)
別にいいと考えるほどの
木皿にビョーキの人の可能性もありますしね。

着地点を見出せずに彷徨していることが
痛々しいかどうかも
そういう風に見えてしまう
インコ様の痛々しさなのかもしれませんよ。

もちろん、言葉は凶器にもなりえます。
道具ですからね。
しかし、ハサミも包丁も銃器も
道具にすぎないと
考えるキッドにとっては
使いようなんだよなあ。
とも思います。

キッドはたとえば
「暴力」
を「暴く力」
つまり、解体するパワーと
ひもとくと
とても美しい言葉だと
感じることがあります。
その感動と「暴力」
にともなう「常識的意味」との
せめぎ合いで
「暴力」を
使用しなければなりません。

匿名なのでインコ様のコメントを
削除するべきかどうか
数秒迷ったあげく
このように
ある意味
敵意のこもったコメントを
書き込むキッドを
どうか
インコ様の包容力が
許容してくださることを
心から祈ります。

キッドとしては原作がレイプされているという
認識を
これっぽっちも
改めたいと思わないものですから。


投稿: キッド | 2007年5月23日 (水) 06時32分

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