女なんて大嫌いだーっ・・・今、どこにいるのぉ?(松山ケンイチ)
ロボ(松山)は「先輩に弱い」のだが、第一話では「ニコの姉に弱く」第二話では「犯罪者の恋人」に弱く、第三話では「行きずりのメイド」に弱く・・・としっかりと「女に弱い」キャラを演じている。しかし、根が二枚目なので「女にもてない」という演出がなかなか行き届かないのであるな。
一方、ニコ(大後寿々花)は「セクシーボイス」で「地獄耳」(原作、ドラマともにこの言葉は使用していない。常人にはない聴力と一々書くのが面倒なので意味は正しいとは言えないがこのブログではそういう意図で使用します)の持ち主で性格は知能指数150程度のクールさを持っている(原作、テレビともにそういう設定はないが耳年増として当然、知力は高く、世間の裏表を知ることになるので冷笑的になるはずだ。原作では同世代とあわせているニュアンスのセリフがあるし、社会人であるロボを手玉にとっている)はずなのだが、その辺りも臨機応変が過ぎるきらいが。もう少しキャラを落ち着かせてもらいたい。
本当はマキ(浅丘ルリ子)が諭すようなこと(今回なら「我慢し続けるのも選択肢としてはあり」)を既に自明の理としてもっているキャラなのだが、ドラマはそのあたりを一般化(天才的な個人というものを理解できない人々に向けて低度化)している。そうでありながら、ちょっと上滑りな演出が目立ち・・・わかる人だけわかればいいとでも云うような・・・脱落ポイントになっているのだが、今回は6.9%↑7.0%とあげたーっのである。それはきっと「おしり喫茶」効果だと思う。0.1%の人たち、お下劣。
で、『セクシーボイス アンド ロボ・第四話』(日本テレビ・070501PM10~)原作・黒田硫黄、脚本・山岡真介、演出・石尾純を見た。脚本・演出チームが変わり、ちょんまげが好きになったようだが、そういう余計な手間はもう少し、本筋を外さないともっと生きる。わんこそば大会も唐突すぎ。冒頭、「数学が苦手」というニコが「おしどり喫茶」の前で「面白いこと」に遭遇するくだり、堪忍袋(市川美和子)の仕掛けた爆弾で「ど」がふっとび、「おしり喫茶」になった後に、飛ばされた「ど」がロボの車に付着してしまう「絵」は表現されるべきなのだ。ああ、「ど」が発見されてしまうのだな・・・とワクワクしながら見たいところなのだから。この後で、爆弾入りカレーを食べるシーンでは「ルー」から「爆弾」がちょっとのぞく「絵」がなければいけない。また、地球儀で「回転」と「起爆」は一度、別の形で「小爆破」をフラないとオチない。この回は「サッカー選手を爆殺しようとする熱狂的なファン」の原作のアレンジであり、「火薬」という道具は「人を殺傷する爆弾」にも「人を楽しませる花火」にもなるというオチで「人から与えられた障害も試練と思えばいいのだ」という教訓要素に持っていくのであり、爆弾の仕組みは非常に重要なポイント。キスするカップルのような背景を仕込む時間があるのなら、どうすれば、爆弾をわかりやすく見せられるかという演出プランに時間を使うといいだろう。なにしろ、時間は有限ですからね。
ちなみに帰国子女だったり・・・デーモン小暮だったり、塚原愛だったり・・・すると「だるまさんが転んだ」では止まらないとベタなツッコミをお許しください。
基本的に警察は無能に描かれるこの世界だが、本来「特殊機関」は「超法規」なのでより、自由度の低い警察は無能になりがち。(例・007は殺人許可証を持っているが警察にはない。・・・ワイルド7を除く)だから、ルパンにおける銭形警部のようなキャラは造形してもよい。そうすれば「殺人犯」だの「強盗」だの「爆弾魔」だのの擁護的内容もスルーできるだろう。「ルパンが泥棒してる」ことを怒り出す人はさすがに少ないはずである。
基本的に「ニコ」や「ロボ」が「愛した人」は犯罪を犯しても「反省」すれば許され、行き過ぎがないように「保護」してあげるというのが「ニコロボ」の超法規的措置なのである。
そして、マキがロボやマックスロボを開放できるということは「国家権力」の中枢にマキが超法規的な接続をしていることが示されたということで「笑い袋」ではすまされない問題なのだが、どうしても中学生が大金を得ることには抵抗があるらしい。ま、テレビですからねえ。愛すべきキャラクターたちを作り上げているのだから、子供心としては「人を殺さなきゃならないので」三日坊主とか、「変装が必要なので」お歯黒女とか、「爆弾が欲しいから」堪忍袋とか仲間的に再登場も期待したいのだが、・・・ごぼ蔵使えねーっ・・・三日坊主死んでるし。「スパイ大作戦」みたいに延々続けられるのになぁ。ま、狙いが違うようですけれども。
それにしてもプクーちゃんといい堪忍袋といい「事業部」に行けっと考えます。
「ロボは悪いことなんかできない」というニコと「先輩は悪いことなんかしない」というロボ。この二人の微妙な差が「この人、溜め込んでないよー、爆発させてるよー」(ニコ)と「ちょっと、黙ってて」(ロボ)にまで展開していくのだが、そうなると特技「セクシーボイス」(今回はちっともセクシーではないが)を発動させる前に「何とかしたいの」(ロボ)「・・・しょうがないなー」(ニコ)という「決め」が必要なのだが、そのあたりが難解になっている。
これは「読めない」視聴者と「読ませることのできない」スタッフの微妙なすれ違いだと考えます。
「地獄耳」的には調理場の堪忍袋が返事をした瞬間、ニコが気がつく描写は絶対に必要。そういうフリがあれば、もう一つの能力で「男の声も出せちゃいます」の唐突感はかなり減少するはずである。
ま、緩い感じが持ち味なので、「堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍ぶ」づくし。「梅酒」に堪え、「ボール」に堪え、「キモオタ」に堪え、「間接キス」に堪え、「朝令暮改」に堪え、「数学の宿題」に堪え、「チャーシューメン」に堪え、そしてこの世のあらゆる理不尽に堪える人々。編成や営業も「低視聴率」に堪えてくれるとは限りませんけれど。ま、DVDでペイすればいいのかっ。やっばり、事業部かっ。
関連するキッドのブログ『第三話のレビュー』
まだ、ペースが戻らない。頭の中にアニソンが渦巻いている。昔は切り替えはもっとすばやくできたのにな。今回も「ガンキャノン」について延々と書きそうになって困りました。年のせいにしたくはないけどやはり年には勝てないのか・・・。
木曜日に見る予定のテレビ『私たちの教科書』(日本テレビ)・・・うーん、結局、『P大作戦』『ニコロボ』『パンビ』『教科書』『帰・時効』『ウソゲ』と月~土までドラマレビューしているわけだが、・・・もう切れないしなあ。
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
| 固定リンク
コメント
最後まで爆弾とお付き合いするロボは
ホント可哀相な被害者です。
キスをするカップルを入れたのは
よっちゃんと清掃員のキスへの伏線だったのでは
ないかと思えましたが、ちと唐突ですね。
この唐突さがこのドラマの特色なんでしょうけど。
まぁオチとしては堪える事は必要ですが
時にはそのイライラを発散させる事も
必要って事なんでしょうね。
このドラマってどちらかというと
アニメベースなんで
ちょっとルパンっぽい雰囲気もあって楽しいです。
ガンキャノンかぁ。
系統はもう把握不能です(笑)
前回、ロボがガオガイガー持ってましたからね。
今後もロボが持ってる色々なロボが出てくるようで
そこんとこも楽しみですね。
投稿: ikasama4 | 2007年5月 4日 (金) 16時05分
本格的な刑事ドラマや、スパイ映画は苦手デス。
なので【時効】や【セクロボ】はごっこ遊びの感覚なので
何とか楽しめてマス♪
頭がゆるいあたしには、ゆる~いドラマでさえ難解なのデス!
深い意味まではわからんちんですが、マキさんの言葉に
毎回、ほぉほぉ言うとります・・・
半海さんが銭形役でレギュラー出演してくれたらいいのになぁ。
ではではマックスハレルヤ、チャオなのデス!!!
投稿: まこ | 2007年5月 4日 (金) 20時03分
今晩は、
ちょっと中途半端な出来でしたね。
コネタ集めに学食シーンを嘗め回していたのですが、
一海とロボ、ニコの3人のシーンは最悪で、ロボの後ろの3人が立ち上がるタイミングが、カットごとで違うんです。ガッカリでした。
次回は智花ちゃん登場で嬉しいのですが、
レガッタのことを思い出し、ヤバイなと感じた今日この頃でした。
では・・
I appreciate in your usual cooperation. Best Regards,Chablis
投稿: シャブリ | 2007年5月 5日 (土) 02時56分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
どちらかと言えば
お人好し礼賛になりかねない甘めの
ストーリー展開。
シビアさを担うのはマキらしい。
まあ、「タフでなければいきていけない。
優しくなければ生きていく資格がない」
というハードボイルドの基本を
大切にするならば
もう少し、ニコがシビアの方がいいのにな
と思うのはキッドだけでしょうか。
マキがロマンチックすぎるのは
やや役者に引きずられている感がありますよ。
マキがもう少しこずるくて
ロボがさらに甘くて
ニコが二人の間で一番子供なのに
一番大人として振る舞い
苦慮するという形になったら
キッドは伝説的なドラマになるのにな・・・
と考えます。
まだ年相応という呪縛にかかっているようです。
それでキッドはルパンなんてことを
言い出すわけですが・・・。
まあ、宮崎ルパンを否定した
この局の体質的問題も
ちょっとありますけど。
ま、とにかく、そういう問題はさておき
ニコロボはキッドにとって
楽しいドラマであることはガチなのです。
ジャイアントロボカモ~ン・・・です。
う、実写版は二次元オタには
微妙なのかも・・・。
じゃコンバトラーVで。
投稿: キッド | 2007年5月 7日 (月) 02時09分
●no choco●まこ☆ミキ様、いらっしゃいませ●no choco●
お嬢様、じいやが昔のよしみで
全国執事選手権に参加中、満足に
お世話できずにすみません。
ルパン、ルパンと思っていたら
今年はアニキとビートマック・ジュニア
両方かかってしまいましたよ。
じいやももっとルパンのように
スパイごっこを徹底して欲しいな
と思うのです。
半海さんが
「また釈放かーっ」
とくやしがるのがお決まり
とかも楽しそうなのに・・・。
マキさんはよっちゃんには
我儘なのに
ニコには優しいお姉さんポジションなのですが
そこがなんか違う・・・。
ニコ「マキのハバァめー」
マキ「小娘~」
とお互いに出し抜き合う展開の方が
もっともっとワイルドになると思うのですけど・・・。
もちろん、心の底では繋がっていて・・・
という上でです。
無理でございましょうかね。
投稿: キッド | 2007年5月 7日 (月) 02時19分
▯▯black rabbit▯▯シャブリ様、いらっしゃいませ▯▯black rabbit▯▯
そうなんですよ。
もう少しでおしゃれなのに
間が抜けているというか
自分が「おしゃれ」と思っている
「おしゃれじゃない人」に
なっているというか・・・。
つまり、計算が不足しているのです。
ああいう、背景の遊びは
天才的な画力(堤演出にはあるでしょう)か
周到な計算(黒沢明です)が要求されるのです。
凡才が真似するときは
計算しつくさないと墓穴を掘ります。
今回は特に目立ったなぁ・・・。
ふふ、智花ちゃんは黒い方で
くるようなので大丈夫なんじゃないかと
キッドは予想します。
投稿: キッド | 2007年5月 7日 (月) 02時26分