言ってよ・・・そういうことは早目に(麻生久美子)VS黒人も好き、霧山さんもちょっと好き。(小出早織)
人の心は一筋縄ではいかないものだ。現にキッドは多重人格である。もちろん、「自分」というものをかなり信用している人たちも世の中には多くいて、そういう人たちから見ればキッドはかなり「心」のビョーキであるといえるし、キッドから見れば「自分」などというものがあると思いこんでいる人たちはかなり「心」が病んでいるといえるのである。
たとえば、今回、真加出(小出)は霧山(オダギリジョー)とデートするわけだが、そうでありながら、どうやら黒人男性と交際しているらしく、あくまで、霧山とは母親(犬山イヌコ)に対する偽装の交際相手ということになる。で、ありながら、偽装デート中に霧山の手をしっかりとにぎりしめたりして、乙女心を揺らしているのである。
ここで、真加出が「単に気が多い」と考えることもできるが、「黒人男性を愛するマカデ」と「霧山を仄かに好きなマカデ」が分裂していると考えることもできる。前者は「恋多き女」だし、後者は「軽度の人格分裂」である。どちらが形式的に正しいのかは謎に包まれているのだ。
今回のゲスト・ともさかりえは早期痴呆を煩った夫に苦労している私生活を送っているわけではないのだが、虚構生活ではそういう側面があってもおかしくないスリープ玲子である。教科書、時効と夫婦でゲストのリレーを達成しているのである。
で、スリープ玲子の少女時代を演ずる大野真緒(1994生ほん怖クラブメンバー)は土屋シオンと中学時代に愛し合った仲である。しかし、この少女は父親の愛人を殺すほどに父親を愛している。愛は一筋と考えがちな人々にとっては同級生とセックスしながら父親の愛を得るために愛人を殺す中学生が「矛盾している」と思ったりもするのだが、そのぐらい、我儘なことは人間はいくらでもするのであり、また、父親を愛するレイコと後に島田曜蔵になるボーイフレンドを愛するレイコは別人格であると考えることもできる。
そういう複雑な構造を読み取るのが面倒くさい人は「わけわかんね」と思うだろうし、「わけわかんない」から面白いと思う人もいて、「わけわかんない」からつまらないという人もいる。そして、そのすべての感想が一人の人間の内部で同時に成立する場合さえあるのである。
で、『帰ってきた時効警察・第四話』(テレビ朝日0705041115~)脚本・演出・ケラリーノ・サンドロヴィッチを見た。キッドにとっては『上海紅鯨団が行く』の主題歌「べにくじら」を歌った有頂天ケラなのであるが、紅鯨という造語を作ったキッドとしてはかなり親近感を持っている。親近感があるので、かなり好意的な文章になるのであり、シンパシー持ちすぎを考慮してください。
ケラ→ケラリーノは音楽性→演劇性の傾斜であり、視聴率的にはかなりの失敗作「下北サンデーズ」にケラが登場するのはそういう関連性がある。その作者の妻がゲスト出演したりしているのも関連性だろうし、その妻の助手を務める「肩に手をおくだけで催眠暗示をかけることのできる女」(安藤玉恵)が小劇団「ボツドール」の女優であることも関連性といえるだろう。まあ、ちまちまっとしているわけです。
ついでにケラが旗揚げした「劇団健康」の初期メンバーである犬山イヌコが色濃いのもこの回の特徴になる。前シリーズの第八話もケラの演出の回であるが、ここで「多め亭」のおばさんとして登場した犬山が今回は「早め亭」のおばさんとして登場する。物語のリアルを破壊しつくす言動の犬山だが、まあ、ニャースのすることなので、ポケモンアニヴァーサリー的にも大目に見てもらいたい。十周年的恩赦なのである。
しかも真加出の母という重要な設定追加もなんのそのである。
ついでに前シリーズの第8話には真木よう子も出演していて「教科書」と「時効」の間の親和性を高めている。なんとかかんとかなのである。
・・・というようにおタク要素満載の今回。美醜の問題では「三角関係になっても問題にならず友人の父親に不憫をもたらすような中学生」だった三日月くんと恋のライバル・真加出が少しふっくらとしてきたことが奇妙なシンメトリーを形勢していてキッドの心を強く打った。
まあ、美醜の問題をこれ以上深くつっこむことはやめることにしよう。すでに松山ケンイチがタイトルでここに関連した今週なので。
で、三日月くんは暗示により、シンガーソングライターになってしまうのだが、名曲の数々がニャース色に染まっていることは言うまでもないだろう。
編集者(浅野和之)の髪型の中に手塚治虫「パンパイヤ」の主人公トッペイの髪型を見出すのはまだキッドからアニメが抜けきっていない証拠だろう。
とにかく、キリヤマ、ミカヅキ、マカデの三角関係にするどく切り込みつつ、関係を破壊しながらもほぼ修復して、次にバトンタッチした演出はなかなかに素晴らしかったと思うのである。このドラマをその側面からアプローチしているキッドとしてはヒヤヒヤさせられて、ドラマチックでした。
今回、霧山は「君はきれいになった」と三日月くんの現在の容姿を讃えているのだが、当然、それは「昔にくらべて」なのであり、一方、三日月くんはそれを抜きにして妄想にひたる。もちろん、キッドは麻生久美子は類稀なる美人女優だと考えるので、このギャグが相当に深いインパクトを感じるのである。ああ、三日月くんとのお別れの日が迫っているのだなあと早めに名残惜しさを感じるほどに。
冒頭、不眠症に悩む三日月くん。相当に病んでいる三日月くんが初歩的な心の病の症状に悩むというのがキッドの爆笑ポイントでした。
関連するキッドのブログ『第三話のレビュー』
ちなみに「スリルな夜」(フジテレビ)も見ているのだが、サスペンスコメデイーというすでに頭のおかしなジャンル分けであり、そういうのが好きな人は見るといいと思うよ。
日曜日に見る予定のテレビ『新堂本兄弟』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
キッドさん、こんばんは~♪♪
あっ!あの曲弾けるようになりたい!
楽譜探そう!
ってなんだアレ、なんか
また韓国のドラマが土曜の夜に
放映されているのですね。
知らなかった。
なんていうドラマだ?
あとで新聞のテレビ欄見よう。
「冬のソナタ」が
土曜の夜に放映されていたのは
何年前だったっけかな?
チェ・ジウさんとは殆どタメの
ヤマトで、
チェ・ジウさんが確か
28歳の時だったっけかな。
4年前くらいのことなのかな?
時はどんどん過ぎていく。
怖いくらいにどんどん過ぎる。
「帰ってきた時効警察」って
どうしてこんなに面白いの!!??
なんて言っているヤマトを
ポツンと取り残して、
「帰ってきた時効警察」って何年前の
ドラマだっけ??
なんて・・・そのうちね・・・。
もうだんだん怖くなってきました。
どうして毎年毎年びゅんびゅん
F1の車じゃないんだから、
人間は生きている間に
何を感じ取って何をどうして
過ごすべきなのか、
もういない恋人ををまだ愛することなのかとか、
今現在いてくれる
母親や家族を愛することなのかとか、
何を優先するべきなのかとか。
趣味なのか恋愛なのか仕事なのか。
アレレ??
その前にとりあえず、
あの曲の楽譜を探そう・・・。
投稿: ヤマト | 2007年5月 6日 (日) 00時03分
こんばんは!
紅鯨って言葉はキットじいやが作った・・・・の?
すごーい←ミーハー
ケラさん好きだよ。
下北サンデーズの時と似た匂いがした。
犬山イヌコさん最高♪
色々なところにネタが散りばめられてるけど
前作を見てないアンナは、前作との比較が出来る人が
羨ましい。ジェラシー。
霧山が真加出とお手手つないだ時もジェラシー
ダーは置いといて。。。(笑)
だけど、ココログに早くTB飛ばないかな~
いつも記事のリンクありがとうございます。
投稿: アンナ | 2007年5月 6日 (日) 22時35分
このドラマの小ネタの多さにもう許容量がオーバーしている
今日この頃です(笑)
ケラさん脚本だと誰かが投げられるのは定番になってますねぇ。
後、セーラー服も。
今回より犬山さんは公式HPに名を連ねるレギュラーメンバーのようで
今後はどうなるのか楽しみになってきました。
どうも他の脚本家のネタも使ってくるようで深い事この上なしといった感じですね。
髪型が変わるのにはまだ耐えれたのですが
動いた時点でもう限界でした(≧∇≦)
ちなみに「紅鯨」って造語の由来とかが気になります(笑)
投稿: ikasama4 | 2007年5月 7日 (月) 00時23分
☆*⋄◊✧◇✧◊⋄*ヤマト様、いらっしゃいませ*⋄◊✧◇✧◊⋄*☆
♪しゃくなげの花を下さい
5本の束で下さい
お金ならあります
ウチにはそんなものありゃしねぇ
一昨日来やがれ
そうですか
♪月見そばならつくれます
一昨日からやってます
三日で六杯 売れました
そのうち五杯は私のごはん
もうお腹いっぱい
♪頭はじゃがいも・・・茹でて・・・食べろ
お尻はコンニャク・・・プリプリして・・・食べろ
ダバダダバダダバダ
もう、頭変ですから。
とにかく昨日でなくて一昨日というところが
ニャースポイントのようです。
お尻はコンニャクのあとは「一昨日生で」とか
「一昨日食べた」
だったらいいのにな
とキッドは思いました。
三つそろえたがるビョーキですから。
まあ、鬱なときに鬱でという
ショック療法もありますが
鬱々になる怖れもあり
用法・用量を守ってご使用ください。
春のワルツですよ。秋の童話・冬のソナタ・夏の香り
という四季シリーズのラストです。
冬のソナタ地上波は2004年の春から夏です。
そうですね。
時は桜ですから。
二週間も自分の世界に入っていると
枯れ木から緑の葉になって
花はなかったことになってしまう
それもまた人生ですから。
でもこの国では
350日も待てば
またその時はやってきますから
今度は見逃さないようにしよう
と思うことはできますね
何かに追いかけられるように
求め狂い咲く
花になりたいと
思う時もありますが
できれば見ていたい
見るだけで満足だ
と思ったりもします
大丈夫
神様は与え奪うものですから
奪ったあとは与えてくれるのですから
忘却の惑星
春の陽ざしが差し込む人気のない部屋
壁のポスター二人で初めて見たショー
昨日がすっかりきれいになった
嵐も過ぎ去り遠くへ消えた
だからここには何もない
少し漂う夢の跡
ah-からっぽの世界はなんてせまいのでしょう
ah-すべてが幻だった気になるでしょう
最後の煙草を窓から捨てたとき
あなたの心の奥へと吹いていく
風の音が聞こえた
キッドもそういう惑星に
いたことがありますが
今はわりとのほほんと生きています。
投稿: キッド | 2007年5月 7日 (月) 06時14分
☁Building☁アンナ☆ラン様いらっしゃいませ☁Building☁
ようやく、時差が縮まってきました。
じいやはもう息がゼーゼーでございます。
紅鯨はもう昔々なので
おぼろげですが
テリーとキッドが
会議室か車の中で
「次の番組のタイトルなんだけどさ」
「どっちのですか?」
「鶴ちゃんの」
「関西テレビの方ですね」
「で、怪しい感じがいいと思うんだ」
「なるほど」
「上海とか・・・」
「じゃ、紅鯨で・・・」
というように雑談しつつ生まれました。
お嬢様はまた気が多いことを・・・。
ダーリン一筋でお願いします。
キリヤマ・マカデ・ミカヅキの三角関係を
まったり楽しむ程度にしてくださいませ。
三人の仲が進展しすぎると
ちょっとメロウな気分になるじいや
なのでございます。
それにしてもキリヤマ、
毎週、キスだのバッチグーだのデートだの
ノリノリでございますね。
そろそろ、痛い目に会うのではないかと
じいや、心配でございます。
投稿: キッド | 2007年5月 7日 (月) 06時30分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
コネタ探索お疲れ様です。(・o・)ゞ
今回は大漁だったので本当にお疲れなのでは
ないでしょうか。
髪の毛ネタはたたみかけかたが
絶妙でしたね。
鬘泥棒とあわせネタでしたが
ケラは髪の毛が気になっているのかもしれません。
多め、早めに続く真加出母のこだわりを
予想するのも楽しいです。
三つ目って意外と難しいですからね。
値段でくるか、距離でくるか、味でくるか・・・。
あっさりシカトで別ネタでくるか・・・。
「紅鯨」は
中華雑貨の店「レッドドラゴン」からの
連想だったように思います。
それからはっぴいえんどの「空飛ぶクジラ」
のイメージも好きでしたから。
影響されているのかな。
とにかく、昔なので記憶がおぼろ・・・。
このあと、ねるとんまで続くのですが
トンネルと紅鯨という
組み合わせは
ある意味エッチなので
偶然ってこわいよなと
思った記憶があります。
投稿: キッド | 2007年5月 7日 (月) 06時48分