8億5千万円で私は恋を買いました・・・。(戸田恵梨香)
・・・ついに直(戸田)は自分を獲得したらしい。「棄権しろと言われたから棄権した」というタイトルにならなかったのがその証拠である。「帰ってきた時効警察」の場合は無理矢理「恋愛もの」として妄想レビューしているのだが、この番組の場合、明らかに「恋」である。
直はその手に「10億円」持っていた。そのうち1億5千万円をライアーゲーム事務局にもどせばゲームから抜けられる。しかし、そうすると「秋山様」(松田翔太)とは無関係になってしまうのである。
いや、秋山さんと別れるなんて、絶対いや・・・8億5千万円よりあなたと一緒にいたいのです。
・・・なのである。お、おそろしい女なのである。直の中には神戸美和子(「富豪刑事」=深田恭子)が入っているのか・・・。乙女に大金を預けてはいけないというありがたい教訓なのだな。
で、『ライアーゲーム・第8話』(フジテレビ・070602PM1110~)原作・甲斐谷忍、脚本・古家和尚、演出・大木綾子を見た。残り、9、10と来て最終回が三時間SPなのか・・・あんまり総集編だと・・・いやだな。そこそこにしてもらいたい。原作に対しオリジナルなラストにするそうだけど・・・続編もにらんでの対応なのか・・・どちらにしても楽しみだ。
敗者の没収金賞金山分け制度がどうなったのか・・・ちょっと疑問だがとにかく、直は「秋山さんとはなれたくない」気持ちとちょっぴり「みんなが損をしないことが大切」という好みでついに自分を獲得するのである。
さて、前回最後の投票を前に直80票、フクナガ(鈴木浩介)、メガネ大野(坂本真)、ヤセオヤジ木田(大高洋夫)が40票で最下位。その他の5人が41票で並ぶという展開。直は七人から四億九千万の借金をしているという設定。
しかし、その借金の返済期限は10回目の投票前までなのである。
状況を飲み込めない人々に直と直の私物秋山は「金は払うしかし、最下位のみんなこのままでいいのかな・・・」と自由になる30票(勝利狙いなら29票)プラス5票(最後の直の投票それ以外の者の投票はすでに契約済み)をちらつかせるのである。
メガネとヤセオヤジに商談を持ちかける秋山。
「一千万でどうだ・・・」「バカか」「じゃ、いくら・・・?」「七千万・・・しかも二票な」「えーっ」しかし、選択肢はなく商談成立。なにしろ、独占市場なのである。完全なる独占禁止法違反だ。まるでNHKのようだ。
「おいおい、単独最下位になっちゃったぜ」と秋山はフクナガをいたぶる。フクナガには「2票8千万円」で売りつけました。まさに水飢饉の水商売です。しかもまだ6票しか売ってないのです。
こうして残りの五人が最下位に。こうなるともう買うしかありません。「値上げしました」の看板が出て「2票1億円」です。これで直の借金はゼロになり、五人から三千万の利益まであげる始末。しかも票の在庫はまだあるのです。
直の心が痛み出します。「私のせいで誰かが不幸に・・・そんなのイヤ」これに対して「君を貶めようとした奴らだ。これは罰だよ」という秋山。さらに「最終的には全員から一億円、しめて8億円をいただく。君は賞金1億円のうち五千万円を返上して8億五千万円もってリタイヤしろ」・・・直はガッカリしてしまいます。今回トホホはなしですが、ガッカリはありです。「好きな人からもう関係ない」と言われたのがショックなのです。それから他の人を不幸にするのは直の趣味ではありません。「どうしたらいいんだろう・・・」乙女です。乙女心です。とにかく好きな人と一緒にいたいの。それだけでいいのでか。・・・たまらんなっ。
途中、負けて儲けて逃げようとしたりするものもあらわれますが、秋山の情報戦略で失敗。最後まで主導権は直の手の中に。直は売買も自分でやり、乙女の思いを秋山に伝えることにします。
ついに8人から8億円巻き上げての最終投票。直は首位を獲得、賞金1億円をゲット。なるほど、賞金は1位だけに与えられるのか・・・ボーナスとか言ってた気がしたが・・・違うのだな。つまり、同率1位二人なら五千万円でリタイア料は2千500万円ということか。
とにかく、直の結論は「誰も欲張らなきゃ、誰も損をしない」っていうか「時間の無駄」はあるけどな・・・ということで一人だけ優しかった江藤(和田聰宏)をリストラして2億円をプレゼントして救済・・・二回戦の借金は残るけどな・・・他の人にも一億円を丸返しなのである。
ライアーゲーム事務局「リタイア料が払えなくなりますよ」
直「私、棄権しませんから。だって秋山さんともっともっと一緒にいたいんだもん」
・・・である。だめー、そっちにいっちゃだめーという全国の声に応援されて直は地獄行きの車に乗り込んだらしい。
関連するキッドのブログ『第七話のレビュー』
さて、今回のゲームは「投票のパラドックス」を背後に控えている。これは選挙が投票者を幸せにするかどうかという問題である。この場合、三人がいると考えてみよう。一人は「自由主義者」であり、一人は「平等主義者」、一人は「自由平等主義者」である。その前に自由と平等は両立しないことを定義しておく。自由にすれば弱肉強食は必然であり、平等にはならないし、平等にすれば計画経済は必然であり、自由にはできない。ということは自由平等主義者というのはかなり頭のおかしい人なのだが、まあ、時々、自由、時々、平等といういい加減な人と考えてください。
この三人がそれぞれの候補者に投票すると永遠に決着がつかないので勝ち抜き選挙が提案される。まず、「自由主義者」と「平等主義者」で選挙をして、勝った方が「自由平等主義者」と決戦投票するというものだ。仮に「平等主義者」が勝ったとする。そこで「平等主義者」と「自由平等主義者」主義者の選挙になる。さあ、どちらが勝つと思いますか・・・ということである。そして「自由主義者」が勝ったとする。さあ、その場合は・・・ということである。どちらの場合もどう転んでも自由平等主義者が勝つということになるのです。
もちろん、最初に「自由平等主義者」とどちらかが決戦投票をやっても同じなのです。こうして世の中はどんどんいい加減になっていくのです。(実際の投票のパラドックスは本質的には違います。この理論はあくまでキッドの妄想ですので・・・念のため)
月曜日に見る予定のテレビ『プロポーズ大作戦』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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