チャンスが五倍ならリスクも五倍になると言われなくても分かるようになりました。(戸田恵梨香)
・・・成長したなぁ・・・直(戸田)・・・からっぽのトランクを重そうに見せるウソもつけるようになったんだな。もう、ビュアな直じゃないんだああああああああ。
ま、それはそれとして・・・「密輸ゲーム」のスタートである。
ダウトといえば「ズル=ファールプレイ(反則)」を発見するゲームである。この場合は「反則=密輸」なので「密輸」をダウトできれば「勝ち」、見過ごせば「負け」となる。ただし、お手つき(密輸していないのにダウトしてしまうこと)をすると「半負け」となるのである。
最初に言っておきたいことがある。ゲームにはルールがつきものだが、パーフェクトなルールというものはない。たとえば、「将棋」や「チェス」のルールはパーフェクトだと思いがちだが、相手を買収してはいけないというルールさえ決まっておらず、不完全なのだということをである。負けそうになったら相手を殺してはいけないというルールさえ、ないのである。そんな不完全なゲームが楽しめるかっ・・・おいおい。
しかし、ゲームを楽しむ人は多い。それは楽しもうという姿勢があるからなのだ。そういう意味で直が「人を不幸にするゲームなんてイヤだ」と言いながらゲームを続けるのはもう、ちょっとゲームの虜なのである。
で、『ライアーゲーム・第9話』(フジテレビ・070609PM1130~)原作・甲斐谷忍、脚本・古家和尚、演出・松山博昭を見た。・・・というわけで、今回のゲームのポイントは密室で繰り広げられる会話にあるのである。つまり、密輸人と検察官は敵と味方でありながら、パスの場合はフルタイム、ダウトの場合はコールするまで密談ができるのである。つまり、様々な売国行為が可能なのだな。ここに気がつかない人は直レベルということになる。さらに言えば役割中のメンバーを仲間はずれにする密議を同じチームでできるのだな。
つまり、自国民を裏切っても自分が損をしなければ何をしてもいいという暗黙の了解があるのである。これは八百長をしないとか、負けそうになっても相手を殺さないといった暗黙の了解と同じなのである。
さて、核心に入る前に、ざっと表面的な前提ルールをおさらいしておく。
水の国のメンバーは直、秋山(松田翔太)、キノコ(鈴木浩介)、チビキノコ(坂本真)、ドブス(中込佐知子)。
火の国のメンバーはヨコヤ(あの人=あのお方ではない=鈴木一真)、ヤセオヤジ(大高洋夫)、ガリヒョロ(森下能幸)、小太り(泉政行)、ババア(畠山明子)である。
ゲームには先攻後攻があるのだが、その有利不利は吟味されず、いきなり、水の国の密輸で始まる。これを1回表と考える。表裏で1ゲームなのか、どうか、説明は曖昧だったが、直のセリフから判断してそうであるとする。
すると30回の密輸のチャンスと30回の摘発のチャンスがあるということだ。
各自の持ち金は5億円だがそのうち4億円は敵側金庫に。チーム全体では5×5=25億円、密輸可能なのは4×5=20億円である。場全体には50億円ある。
1億円ずつ密輸が成功すれば20回で敵側金庫は空になる。相手も同様なら、すべての密輸が成功で全員が5億円を得て、ドローである。その場合の説明もないのだな。前回の直の戦略の目指すところはこれである。最初の密輸で直がこの戦略をとらないということは直にも迷いが生じていることになる。
次に1億円ずつ密輸成功で1億円ずつ摘発成功の場合、勝利チームは50億円を得ることができる。つまり、味方はダウトし続け、敵はパスし続ける場合である。
で、勝負はその間の様々な可能性で推移するのである。
この場合、各人の選択には次のようなものがある。①自分も勝利、チームも勝利。②自分は敗北、チームも敗北。③自分は敗北、チームは勝利。④自分は勝利、チームは敗北である。これに裏取引を加えると⑤自分が敗北に見えて勝利というものがある。この場合は味方チームからの利益の再配分と敵チームからの裏金という要素がからんでくる。
・・・まあ、もう少し複雑な考え方もあるが、これが基本ということで話を進めよう。
1回表。直は0円を密輸し、ガリヒョロはパスである。両国の資金の移動はなし。
1回裏。キノコはパスをしてヤセオヤジは1億円の密輸成功。火の国+1億円。
2回表。ドブスは0円を密輸し、小太りはパスである。
2回裏。チビキノコはパスをしてババアは1億円の密輸成功。火の国+2億円。
ここまでで、直・ガリヒョロ、キノコ・ヤセオヤジ、ドブス・小太り、チビキノコ・ババアという4組のペアがあり、密約が交わされている可能性がある。そして、水の国に個人的損失はないが、チームとしてはマイナス2億円のビハインドなのである。そしてゲームは残り28回になっている。このまま続くと、20回目で火の国は20億円を回収し、水の国は30回まで5億円をキープ。火の国は45億円の勝利となり、水の国は一人4億円の負債を残して敗北になるのだ。
密約の例としては「見逃し」というものがある。キノコはヤセオヤジの一億円を見逃す。その代わりに自分が密輸の時は見逃してくれと頼む。つまり、相手を見逃す代わりに5億円の密輸を確保するというもの。この場合は先に検察官を五回、相手全員と契約を結べると有利である。その後はとりあえず密輸をして負債はゼロになる。当然、仲間はその傾向を疑うのである。
チビキノコとババアも同じ密約を交わした可能性があるのだ。
直は気がつかないが、秋山はその程度のことは読むだろう。
3回表。キノコは0円を密輸し、ババアはパスである。
ここでキノコ・ババアペアができる。ゲームの中でババアはキノコペアと、チビキノコペアを持っているのだ。そしてキノコはヤセオヤジペアを持っている。ゲームの中でツーペアはこの二人だけ。ノーペアは秋山とヨコヤである。
3回裏。秋山はダウト1億円でガリヒョロは密輸失敗。火の国+1億円である。
ここで、密輸成功との違いを考えておく。密輸成功は国境の移動があるのみで密輸者の資産5億に変動はない。1億の密輸成功なら、自国に2億、相手国に3億という状態だ。ところがダウトが成功すると秋山は資産が6億円となり、ガリヒョロは4億円になるのだ。ここで初めて負債が生じたのである。密約を抜きにして、ガリヒョロは一人だけ負債者になったのだ。逃げ出したくなっても・・・おかしくはない。密約を抜きにしてだが。
4回表。ドブスは0円を密輸して、小太りはダウト5000万円の失敗。火の国+5000万円。
ドブス・小太りペアは2回目であり、「見逃し」の密約をしなかったことが分かる。ここで小太りは-2500万円の負債。ドブスは2500万円の資産の増加をした。
4回裏。チビキノコはパスで、ヨコヤは1億円の密輸成功。火の国+1億5000万円。
ここから、キノコが金額の提案をはじめる。キノコの行動は着替えたりして不審。ここでペアの中に誰かの手下がいるという発想がある。たとえばババアがヨコヤの手下なら、キノコ、チビキノコはババアを通じてヨコヤと密約した可能性があるのだ。この場合、ヨコヤ、ババア、ダブルキノコがグルになる可能性がある。
5回表。直は5001万円を密輸。ヨコヤ。ダウトで阻止。火の国+2億1万円。
5回裏。なぜか、描写されない。編集ミスか。演出意図かは今のところ不明。
6回表。キノコは5002万円を密輸。ヨコヤ。ダウトで阻止。火の国+2億5003万円。
6回裏。チビキノコはダウト1億円。なぞの男の密輸を阻止。火の国+1億5003万円。
7回表。なぜか、描写されない。
7回裏。チビキノコはダウト1億円、小太りの密輸を阻止。火の国+5003万円。
とにかく、チビキノコが「教えるわけないじゃああああああああん」で調子に乗ったことは分かるがドラマの描写としては5回裏からグダグダである。まあ、きっと演出意図なのだ・・・と信じたい。ふふふ、半信半疑ですよぉぉぉぉぉ。
関連するキッドのブログ『第8話のレビュー』
合理的なブタのゲームというゲームがある。オリの中に大ブタと小ブタがいる。オリの一方にエサの出口があり、反対側にエサを出すレバーがある。エサは二匹分出るのだが、小ブタがレバーを押してエサの出口まで行くと、大ブタは二匹分食べてしまっている。大ブタがレバーを押すと、大ブタが来るまでに小ブタが食べられるのは一匹分だけである。さあ、二匹のブタはどうするか。というゲームである。この場合、小ブタは待機。大ブタはレバーを押すのが合理的なのである。両方が押さないと両方が食べられない。小ブタが押したら小ブタが食べられない。大ブタが押せば二匹とも食べられるのだ。小ブタは待つことによって得をするし、大ブタは押すことで損をしないのである。・・・もちろん、キッドが大ブタだった場合は小ブタを食べて、それからレバーを押しに行くとお腹いっぱいだよね・・・と考えたりもします。その場合のキッドは「見えた、見えた」と言われたから見られたと思いました。(戸田恵梨香)というタイトルを推したりするのだが、人格統合本部に下ネタなので却下されるのである。
月曜日に見る予定のテレビ『プロポーズ大作戦』(フジテレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
正直に言うと、今回こそ直のいう欲をださなければ全員無事に通過ではないかと思っていました。
残念なことにそんな平和主義の者は一人もいませんでしたが。
何度もリピってやっと理解してる状態なんですよ。
涙を流した数だけ脳みそが衰えてる??
次回の秋山がほとんど壊れているので直に頑張ってほしいのですが。オオノのいう必勝法はどうなったのでしょうか??
投稿: かりん | 2007年6月11日 (月) 00時05分
✿❀✿❀✿かりん☆スー様、いらっしゃいませ✿❀✿❀✿
脳は熱に弱いので
水冷式で冷やすのです。
涙はクールなのです。
ま、それはさておき、
今回は結構、グダグタになっていたような
気がするじいやです。
ま、脳の老化のせいかもしれませんが。
ゲームは遊び・・・。
でも人生はゲーム。
このあたりがおりあいですよね。
人生をゲームのように軽く考えても
人間じゃないし、
人生をゲームのように楽しめないと
人間でいられない・・・と申しましょうか。
数学の世界で
ゲーム理論はまだ
若い学問。
しかし、工学に、経済にと
その成果は着々と取り入られています。
このコメント欄の存在さえ
そうですからね。
そういう新しいゲームと
古くからある人間。
人生はゲームですが
勝者が幸せかどうかは
また別の問題・・・と思うのです。
投稿: キッド | 2007年6月13日 (水) 00時36分