私って神秘的なオーラにつつまれた美人なの・・・でへへ。(麻生久美子)VS一人暮らしの女の幸せを落しちゃいますよ。(小出早織)
トム・ジョンイルはやめたのか。オダギリジョー。・・・ま、天は二物を与えずというがこれは「目を閉じている時には目を開けていられない」という意味なのであって、「美人薄命」とか「巨乳はバカ」とか「色男、金と力はなかりけり」とかいう、持たざるものが「美人に長生きされてたまるか」とか「乳もあって知恵もあるなんて許せない」とか「ハンサムのくせに金持ちで力持ちなんて犯罪だろう」というせつない希望を託したことわざのことではないのだ・・・と思うことがある。
つまり、菅野美穂が演技派女優であると認められないのは美人で演技がうまいなんてずるいという潜在意識がなせるワザなのであり、菅野美穂の演技力は抜群なのである。
オダギリジョーが二枚目俳優なのかどうかは別として、とにかく色男である。彼が脚本・監督もこなすとなると色男でもなく脚本も監督もできない人は「こんちくしょう精神」爆発のおそれがあるのだが、実にそつなく、時には演出過剰に、時にはあえて期待に応え、今シリーズの最高傑作といってもいい作品を仕上げている。
そして監督特権で特上ビーフ・ステーキを食べ、監督特権で三日月くん(麻生)とのシェイクハンドなのだった。オダジョー才能ありすぎ特権使いすぎである。
で、『帰ってきた時効警察・第8話』(テレビ朝日070601PM1115~)脚本・監督・オダギリジョーを見た。主演・監督なのでパートナー中心の作品となり、三日月くんファンにはこたえられないサービスになっている。もう三日月くん出血大サービス。三日月くんファン感謝デー。バルタン星人ふぉっふぉっふぉっふぉっ(真加出=小出の紙きり作品・推定)なのである。
作品全体はキッドにとっては抱腹絶倒の仕上がりだったが、眉をひそめる心のせまい人もいるだろう。
①怪奇趣味が大袈裟で馬鹿馬鹿しい。
②キャラクターが芝居がかってわざとらしい。
③ドタバタがすぎて目がまわる。
④無理なトリックが多すぎる。論理性や必然性がない。
・・・というような批判である。これはミステリ作家ジョン・ディクスン・カーを批判する人の特徴をとある評論家が皮肉ったものをキッドがパロったのであるが、まあ、好みの問題ということです。
とにかく魅力的なのでオープニングの「三日月くんの夢」なんかはもう十回くらいリピートしてしまいました。時効管理課ラインダンスで三日月くんと同じタイミングで頷けるほどだ。
よくドラマ『トリック』と比較される『時効警察』だが、『超常現象』を偽装したトリックを見破る前者の主題に対して後者の今回は「予知夢」という「スーパーナチュラル」で事件を解決してしまうのである。もちろん、毎週、これだと誰もついてこないと思うが、「知ったことじゃないよー」とピンポイント攻撃で爆撃機は去って行くのだな。破壊力は抜群だ。
まあ、ストレートに言えば『ロッキーホラーショー』なのである。不気味な洋館。デートの後に訪ねるカップル。そこに待つダンシングチーム。そして嵐。雷鳴が響き、雨は・・・ウソをつくと低気圧を呼び込むのだった。もはや・・・なんでもアリなのだ。
今回は三日月くんが全開バリバリなので真加出くんは控え目なのだが、ピリリと辛いのである。一人暮らしの女の風呂後の紙きりで「無理なのりつっこみ」でつっこむ。
熊本(岩松了)「それじゃ野菜の気持ちが分かるのじゃないか」十文字(豊原功補)「そうそう・・・オレたちが熟してる・・・ってなんでやねん」に対してである。
今回、三日月くんは「霧山くん」に甘かったり「ま・か・で~」と真加出くんに敵意まるだしだったりともはやラブラブモード全開。「二人で一緒に住みたいな~」と逆プロポーズまでしてしまうのだった。もちろん、それをそのまますべてリアルととってしまうと最終回を前にしてあんまりなので半分くらいは「三日月の妄想」として処理しておかねばなるまい。なにしろ、なんでもありだからな。象はエサをもらい、ヤギは股間に頭突き、メロンは転がり、イヌは噛み付き、ゴリラはたたきつけられる。正しい動物虐待に○をつけなさい。
さて由緒正しいシンメトリーの問題である。「美」の基準にシンメトリーは関係している。一説によれば半島ではシンメトリーと「美」の一致性は高く、列島では「逆にアシンメトリー」に「美」を見出す傾向があると言われる。しかし、キッドはそれは時代性の問題にすぎないと考える。「シンメトリー」を賛美する時代の後にはそれを「くずす」時代が来る。そして「くずれ」が支配的になれば「整合」が希求され始めるのである。
もちろん、絶対的な「美」の存在を信じるキッドとしては「シンメトリー」だろうが「アシンメトリー」だろうが美しいものは美しいと考える。「美」という字だって基本はシンメトリーだがいくらでもくずせるしくずしても「美」だったりするのだな。
だから河原さぶの伝説が極悪であるようにさわやかハウスがさわやかでないように、前髪そろえた三日月くんもいつもの三日月くんもビューティーなのは否定できないのである。孫娘役の手塚裕紀もビューティーである。
もちろん、役柄としての三日月は天は二物を与えないのでおバカだ。
「認印」を「水戸メイン」=「納豆っぽい」と理解している疑いあり。
話の構造も時間的シンメトリーになっている。
「三日月の夢」が「現実の事件になる」
「犯人(加藤治子)の夢」が「事件解決後に現実になる」
だったり、
三日月が治子に「すみません、ありがとうごさいました」
治子が三日月に「ありがとう、ごめんね」
と感謝と謝罪をリフレインしたりである。
非対称の「ビニール」と「紙」は「ピースする人」から「ザリガニ」となり、赤くなるのは「テレ」でトマトもリンゴも「テレ」で自作自演のオダジョーもちょっと「テレ」なのだろう。いつしか対称的になっていくのである。名人芸ではないか。
ああ・・・来週は最終回なのかぁ・・・早目だったなぁ。きっとみんなもそう言ってるのだろうなぁ。
関連するキッドのブログ『第七話のレビュー』
日曜日に見る予定のテレビ『日曜洋画劇場特別企画・座頭市』(日本テレビ)
ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。
皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。
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コメント
私もあのダンスショーは何度も見ました。
まぁオープニング映像はいつものフィルムと違っていましたからね。
前回、霧山の三日月イジメが嘘のように
今回は三日月ファンにはたまりません。
私も今日から親子丼をおかずにご飯を・・・それはやっぱ無理です(; ̄∀ ̄)ゞ
オダギリさんは
以前、映画監督を目指そうとしていただけあって
所々に映画のワンシーンを感じさせるようなものとか
映画のタイトルとかそんなのを織り交ぜていた感じがしますねぇ。
それに三日月が見た夢。
彼女の身には夢で見た事がかなり現実になっていく。
もしかしたら、桜舞い散る季節に霧山君と・・・なぁんて事も
実はデジャヴになるのか
それとも妄想で終わるのか
この辺りも今後の楽しみになるのでしょうかね。
このドラマってトリックとか
論理性とか必然性とかあってないようなものですからね。
それに毎回毎回ある種のテーマや繋がりで構成された
ジグソーパズルのようなもので、これを作り上げるには
役者さんの繋がりや監督・脚本家のライフワークに趣味とかまで
知識がないとピースをはめるのがなかなかに大変です。
でも、これがなかなかに楽しくてねぇ。
ここが魅力なんでしょうねぇ。
まぁ今回の点で不満があるとすれば
もう少し鷲津さんを見たかったです(; ̄∀ ̄)ゞ
投稿: ikasama4 | 2007年6月 2日 (土) 15時30分
✥✥✥ピーポ✥✥✥ikasama4様、いらっしゃいませ✥✥✥ピーポ✥✥✥
ちょっと自主制作映画を見るような気持ちもあって
点は甘いのかもしれませんが・・・。
キッドは相当に高く評価したい回でした。
数年前の専門学校の生徒の中に
オダジョーを高く評価している子がいて
「なんでもできるんです・・・」
と言ってたのを思い出しました。
ホントになんでもできるんだ。
しかし、一作の傑作ができるからといって
常にこのクォリティーが維持できるとは
限らないのですが。
そういう人は伊丹十三ぐらいかな。
たけしさんは・・・評価が難しいし・・・。
いや、俳優兼監督というジャンルの話ですが。
後はクリントイーストウッドかな・・・。
おっと、チャップリン忘れてた。
ま、『時効警察』は
ある意味、こういう遊びが成立して
しかも、そこそこエンターティメントという
いい企画なんですよね。
親子丼をおかずにごはんか・・・。
つけあわせのお新香で
まずごはんを食べて・・・。
やはりキッドとしては
ラーメンライスの方が
楽しめそうです。
ミソラーメンならごはん大盛りでも
いけるのでございます。
とにかく、今回は
定かに定かの三日月くんで
お腹いっぱいでございました。
最後はずした霧山に頷きかける三日月・・・。
最高だぁ。
まあ、ハゲタカは一瞬がおしゃれなので
ございましょうね。
投稿: キッド | 2007年6月 2日 (土) 23時52分
タイトル見ただけで笑ってしまった・・・
十文字の迫真の演技に、素の笑いをしてしまった真加出を三日月に乾杯です!
I appreciate in your usual cooperation. Best Regards,Chablis
投稿: シャブリ | 2007年6月 3日 (日) 01時32分
キッドさん、こんばんは~♪♪
「最近のトラックバック」
すぐ見えなくなっちゃうんだから、
ちょっと目を覆いたくなるタイトルでも、
いちいち消さずに、TB数を増やそうという、
なんだか方向性を見失いがちなヤマトです。
まあ「性関連」も
人間の三大欲求の一つを
充たす重要っちゃ重要なものですからね、
32歳、大人なヤマトは
いちいちメクジラたてて削除せんわけですな。
あまりにもヒドイのはするけど。
面白かったですね~
オダギリさんはスタイルと顔が素敵で
演技が上手くてシビれる声をしている、
それだけではなくて
こんな才能も隠し持っていたのですね。
天はいくつ抜きん出たものを与えるのか。
豊川悦司さんが監督された作品を
ご存知でしょうか(深夜ドラマ)。
常盤貴子さんが
婚約者もいる学校の教師、
お堅い地味な女子でありながら、
水商売の悪い男に騙されてあれよあれよと
転落していく物語でした。
で、すんごい素敵、
二枚目にしてこんな素晴らしい才能が
あったのねー!!!て
感動したのですが、
あれ以来豊川さんの監督作品は見ません。
何故でしょう。
よく出来ていたから、また何か作れば良いのに。
まあ常人にはブラックすぎたかなぁ。
(ちょっと玄人気取り・・・)
なので、オダギリさんが
「これっきり」になるのがすごく心配。
こんなに面白い作品を作れるなら、
何かドカンと作ってほしいというのが本音。
二枚目は主演に恋にと何かと忙しいので
そんな余裕ないってか~??
そうなのか~??
あとね、菅野美穂さんの演技はヤマトも
素晴らしいと思う、
「恋の奇跡」ってドラマの、雪乃ちゃんて役、
もう最高だったの、
意地悪であればあるほどいいの、
もうどんどん皆を不幸にさせちゃってーて・・・
もっとその目でニラんでー、もっと残酷な言葉をーて・・・
キッドさんが未視聴てことないと思うけど、
もし未視聴ならご覧下さいませ。
ビデオになってるから。
投稿: ヤマト | 2007年6月 3日 (日) 20時22分
▯▯black rabbit▯▯シャブリ様、いらっしゃいませ▯▯black rabbit▯▯
まあ、黒と三日月のたわむれは
「飼い犬(じゃないけど)に手をかまれる」ので
加地と珠子なのでしょう。
より可憐な三日月(東吉田美幸ヴァージョン)も
見れて麻生堪能でしたね。
甲府町は田園調布のイメージなのでしょうか。
府中のイメージもあり、
ますます総武市の神秘性が高まります。
電線に(ベランダに)スズメが三羽とまってた
・・・。これは後の雷鳴の暗示でしょう。
前回の猟師ネタを受けてもいる。
ま、おっとっとっと。ですが。
メンフィスのあの感じは
「東京キッドブラザース」
の一場面かと。
いや彷彿ですが。
根拠なしです。
手塚裕紀はちょっと楽しみですね。
投稿: キッド | 2007年6月 3日 (日) 22時31分
☆*⋄◊✧◇✧◊⋄*ヤマト様、いらっしゃいませ*⋄◊✧◇✧◊⋄*☆
今日はキッドの地元はお祭りです。
で、そんな折にテレビのモニターを
一台、書斎から視聴室に移動する必要があり
テレビ台が入用になったのです。
で、キッドの家の前は家具屋なので
買いに行きました。
すると町内会のオヤジたちが集まって
飲んでいる。
キッドが「これ運んでくれ」と
頼むと「明日でいいですか」・・・とオヤジ。
なにしろ、酔っているのである。
店のオヤジが昼間から酔っている家具屋・・・。
まあ、祭りですから・・・。
キッドはショートカットなので
「じゃ、自分で持って帰る」ことにしました。
そして、今、首筋を違えています。
キッドはメモします。
①酔っ払いめ~。
②もう年なのだなぁ。
オダジョーは若く才能がありうらやましいなーっ。
豊川悦司の監督作品で
常盤貴子が女教師を演じているのは
『LOVERS~聖セバスティアヌスの掌』(2003・TBS)
ですね。下川香苗・原作で
豊川悦司が脚本・監督を担当しています。
豊川の脚本・演出はこの他にキッドの知る限りでは
世にも奇妙な物語 春の特別編『冷やす女』(1999・CX)
年末ドラマスペシャル『夫婦漫才』
(2001・TBS・ATP賞2002優秀賞)では
中山美穂と浪花の夫婦漫才してました・・・。
・・・などがあります。ま、まあまあでした。
トヨエツとトキワといえば
『愛していると言ってくれ』(1995・TBS)ですね。
これを思うとやはり役者の方が一流かな。
これが北川作品で
『恋の奇跡』(1999・テレビ朝日)
は中園作品。『やまとなでしこ』前なので
ちょっぴりういういしかったかな。
ま、ドラマはKissコミックモードの
ドロドロでしたけど・・・。
菅野は悪役も
大人しい善人役も
全然OKなのですよね。
いや、今回、
ここ数年の大人しい菅野しか
知らない人のために
ちょっと書いてみただけです。
キッドにとっては
『エコエコアザラク』『富江』『催眠』以来
菅野がホラー映画に出てくれるのを
ずーっと待っているのです。
キーヒヒヒヒヒと
笑ってもらいたいのでございます。
投稿: キッド | 2007年6月 3日 (日) 23時23分