私の恋が彼をダメにするって言われたら心臓に悪いのです。(井上真央)
相手のことを考えて行動する・・・誰が一番おもいやりがあるか競いあう。がんばった人は最後に神様が雨のシャワーをプレゼントしてくれる・・・といえば「星の金貨」(1995)である。このドラマ第1回が視聴率*7.2%、最終回が23.9%というとんでもない上げ幅のドラマだった。
これは・・・はまるまでに時間がかかるがはまったら・・・こわい・・・という例である。「ファースト・キス」がそこまであげられるかどうか・・・は微妙だが・・・今回はそういう感じに仕上がっていたと思う。
マザーグース的に言うと・・・誰が殺した私の初恋・・・柴俊夫が医局を代表して極端な意見で・・・誰がそれを見ていたの・・・松雪泰子が自分が昔同じ失敗をしたのを言い訳に・・・誰がそれを手伝った・・・伊藤英明が兄として妹のために恋人が苦しんだら妹が結局苦しむとバカなりに考えて・・・誰がとどめをさしたの・・・井上真央が自分で恋人のためにはその方がいいと決め付けて・・・という感じ?
まあ、ここにくるまで長かったし、肝心のお相手(平岡祐太)がパワー不足だったり、二人の描きこみが不足していたり、兄や女医が思わせぶりがすぎたりと・・・ついでにタイトルを「ファースト☆キス」にしていなかったなど・・・いろいろと紆余曲折があったのだが・・・ま、この方向で最初からやっていれば・・・と思わないでもありません。
本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「女帝」↗11.5%(あげたーっ。ふざくんなパワー炸裂。お水の嫉妬メラメラ~)、「山田太郎」↗14.6%(あげたーっ。中途半端だけど盛り沢山な感じで受け止められたのか?)、「スシ王子」↗*7,1%(あげたーっ。さすがはミツ・・・しかしミツをもってしてもフタケタ復活はならなかったか・・・ミツ目当てで見た人100万人くらい)、「受験の神様」↗*8.3%(あげたーっ。「牛」に平均で勝っているのはえらいな)、「ライフ」↗12.4%(あげた~っ。3%の爆上げである。なんだ、なっちゃんの飛び降りが数字持ってるのか)、「風林火山」↗16,6%(あげた~。0.1%だけどね。・・・総あげかよーっ。日本の夏・・・終ったな・・・)、ついでに「ファースト・キス」↗14.6%(仲間はずれでなくてよかった・・・)、以上。
で、『ファースト・キス・第8話』(フジテレビ・070827PM9~)脚本・井上由美子、演出・武内英樹を見た。今回はメインイベントに花火を持ってきてそれなりに効果をあげたな。特に花火の燃え尽きと恋のあやぶみの交錯があざといけれどシンプルで良かった。こういうシーンを毎回作れていれば・・・問題なかったのに・・・と思うぞ。
もちろん、よってたかって美緒(井上)の恋を袋叩きにする構図のために必要な時間だったという口実はできるのだが・・・視聴者としてはもっと楽に「それ」を見せてほしかったと思うのだなぁ。しつこいようだが、はるな(酒井若菜)は知っているのに知らないフリをしている方向と単なるモー子の間で揺れ動きすぎだ。伏線だとしたら・・・そりゃ無理だろ。だってお気楽様はサービスしてくれたが一般的に華がないらしいし。
そして、何よりも、伊藤英明の「躊躇する演技」がもたないのである。もちろん、阿部サダヲが言うように思わず殴りたくなるような「じれったい奴」の演技をしているのだが、「兄としての妹に対する支配欲や独占力」やよこしまな欲望を感じさせるくらいでないと物足りない・・・それはお前だけではないのかっ。
それにしても脚本の痛い部分を一手に引き受けた感じの柴俊夫・・・ライフの小野武彦といい勝負だな。
職場恋愛かぁ。医者と看護婦ならオフィスラブ・・・医者と患者だと・・・商品に手を出すな・・・いや、顧客といい関係になるのは・・・教師と生徒の禁断に通じるのか・・・えこひいき禁止か・・・いやいや、愛なんてさ、どこにでもあるしさ、どう考えても禁断の恋にはならないよな・・・。看護婦と患者ならゴロゴロありそうだしさ・・・それはお前の希望じゃないのか。
ま、ギリギリ、それが「いけないこと」だとして・・・そうしないと見てられないからな・・・その無理な設定の中で悲恋にすると・・・つらいんだよなあ。何もかもが・・・。それでも「過去の自分の失敗から正論を言って、結局、患者に心の負担をかけた女医」の謝罪とか、「妹のためと各方面からのアドバイスを参考にして二人の恋を邪魔する兄の潜在意識は妹を他の男にとられてたまるかというシスター・コンプレックスの発露」とかはまあまあなのである。
その証拠に「妹を泣かした」というまあまあのナレーションとともに「妹の恋をぶちこわしたという屈折した性的欲望の燃焼」は「情熱」(パッション)となり、師匠(竹中直人)の心を激しくゆさぶるわけである。当然、写真はセクシーなものでなければならず、まあ、好みの問題はさておき、劇中作品は演出家の芸術家の魂の見せ所である。
キッドは少なくてもその一点。「兄に心で汚された妹」の作品の出来は素晴らしかったと高い評価をしている。もちろん、そういう表情を見せる女優魂あっての話ですけれど。
ま、今回はそこに尽きると思うのです。
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コメント
どうも、こんばんは。
8話はターニングポイントとなる回にしても、急すぎる展開に少々戸惑いました(全11話ならしょうがないのかもしれませんが)。
「笑いながらも泣けてくるドラマ」(フジ広報より)を描きたいのは分かりますが、前半笑いが多すぎて、泣きの要素がどっと後半で来てしまい、一視聴者としては疲れてしまいますね。伊藤英明のもたつきぶりが、一気に笑えなくなってきたり(いくらダメダメな人間でも矛盾が多すぎる気が…)、関係が複雑になってきたり(毎回HPで相関図が変わるドラマは初めて見ました)、何とも惜しいドラマだと思います。
終盤、何とか高視聴率で締めてくれないかなぁ、と淡い期待をしております。
投稿: ys_maro | 2007年8月30日 (木) 02時52分
♬♬♬のだめデスヨ♬♬♬ys_maro様いらっしゃいませ♬♬♬のだめデスヨ♬♬♬
残り三回ということでまとめに
かかってますね。
いわば今回は新たなるスタートといっていいでしょう。
ここから起承転結ですね。
今回、美緒は恋をあきらめる決意表明。
秋生は恋を貫徹宣言。
兄はダメ男だが妹は本当に大切にしている。
しかし、それを理由に重圧から逃げている気配。
女医は昔の恋を引きずっている
メロメロな乙女心をもてあましている。
周囲は妹の重い背景を知り
応援団に。
これで次回はこれをもう少し展開させます。
で、ラス前は美緒と秋生が結ばれるとか
兄と女医が意外な伸展を見せるとか
・・・はるな・・・哀れ・・・。
まあ、ちょっと動かして
ラストは美緒の生死・・・。
ま、これをそれなりに見せてくるはず・・・。
予想外のことがおこれば
それはそれで楽しいですが・・・。
ここまでの流れを考えると
あまり無理をしないのでは・・・?
投稿: キッド | 2007年8月31日 (金) 02時59分